特開2017-222620(P2017-222620A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-222620(P2017-222620A)
(43)【公開日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】固形粉末化粧料の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/02 20060101AFI20171124BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20171124BHJP
   A61K 8/895 20060101ALI20171124BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20171124BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20171124BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20171124BHJP
【FI】
   A61K8/02
   A61Q1/10
   A61K8/895
   A61K8/891
   A61K8/25
   A61K8/37
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-120362(P2016-120362)
(22)【出願日】2016年6月17日
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄
(74)【代理人】
【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人
(72)【発明者】
【氏名】梅田 靖仁
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB222
4C083AB232
4C083AB371
4C083AB372
4C083AB432
4C083AC341
4C083AC342
4C083AC372
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD161
4C083AD162
4C083BB11
4C083BB21
4C083CC14
4C083DD17
4C083DD21
4C083EE03
4C083EE06
4C083EE07
4C083FF06
(57)【要約】
【課題】柔らかく弾力のある感触を有し、取れが良好で、粉っぽさがなく、化粧膜につや感を有し、耐衝撃性に優れる固形粉末化粧料の提供。
【解決手段】下記成分(A)〜(C)を含有し、化粧料基材中における成分(B)を含む全粉体成分の割合が70質量%以上90質量%以下である化粧料基材と、シリコーン油及び炭化水素油からなる群より選ばれる1種又は2種以上の非揮発性溶剤とを混合してスラリー状とし、これを容器に充填した後、該溶剤を除去する、固形粉末化粧料の製造方法。
(A) 部分架橋型オルガノポリシロキサン重合体 0.3質量%以上4質量%以下
(B) 光輝性粉体 5質量%以上60質量%以下
(C) IOB値が0.05以上である極性油 3質量%以上20質量%以下
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)〜(C)を含有し、化粧料基材中における成分(B)を含む全粉体成分の割合が70質量%以上90質量%以下である化粧料基材と、シリコーン油及び炭化水素油からなる群より選ばれる1種又は2種以上の非揮発性溶剤とを混合してスラリー状とし、これを容器に充填した後、該溶剤を除去する、固形粉末化粧料の製造方法。
(A) 部分架橋型オルガノポリシロキサン重合体 0.3質量%以上4質量%以下
(B) 光輝性粉体 5質量%以上60質量%以下
(C) IOB値が0.05以上である極性油 3質量%以上20質量%以下
【請求項2】
成分(C)が、25℃での粘度が400mPa・s以上であるエステル油を1種又は2種以上含有する請求項1に記載の固形粉末化粧料の製造方法。
【請求項3】
成分(C)が、更に25℃での粘度が400mPa・s未満であるエステル油を1種又は2種以上含有する請求項2に記載の固形粉末化粧料の製造方法。
【請求項4】
非揮発性溶剤の動粘度が、5mm2/s以上30mm2/s以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の固形粉末化粧料の製造方法。
【請求項5】
化粧料基材と非揮発性溶剤との混合比率が、化粧料基材100質量部に対し非揮発性溶剤45質量部以上120質量部以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の固形粉末化粧料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形粉末化粧料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
固形粉末化粧料の製造方法には、粉体成分とバインダーとしての油性成分を混合したのち圧密成型して化粧料を得る乾式法と、粉体成分と油性成分を含有する化粧料基材に揮発性の溶剤を加えてスラリー状とし、これを容器に充填した後、揮発性溶剤を乾燥除去して化粧料を得る湿式法(例えば、特許文献1)とがある。湿式法により得られる固形粉末化粧料は、スラリー状態を経ることで、粉体成分と油性成分の均一分散が進み、細やかな粉質と、しっとりとした使用感を有する。しかし、揮発性溶剤を乾燥除去させることにより化粧料内に空隙が生じることで粉っぽさが生じ、肌への密着性が弱まっていた。
【0003】
そこでシリコーン油等の非揮発性溶剤を加えてスラリー状とする湿式製法が開発されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-214506号公報
【特許文献2】国際公開第2006/120876号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし特許文献2に記載の発明では、化粧料内に空隙が生じないため粉っぽさは軽減されるが、油性成分を高配合するため成型が難しく、また硬い感触となり、取れを良好にするのが困難であった。
【0006】
本発明は、柔らかい感触を有しながらも、取れが良好で、粉っぽさのない固形粉末化粧料を製造する方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、鋭意研究の結果、多量の粉体を含有する特定処方の化粧料基材と、非揮発性溶剤とを混合してスラリー状とし、これを容器に充填した後、該溶剤を除去することにより、柔らかく弾力のある感触を有し、取れが良好で、粉っぽさがなく、化粧膜につや感を有し、耐衝撃性に優れる固形粉末化粧料が得られることを見いだした。
【0008】
本発明は、下記成分(A)〜(C)を含有し、化粧料基材中における成分(B)を含む全粉体成分の割合が70質量%以上90質量%以下である化粧料基材と、シリコーン油及び炭化水素油からなる群より選ばれる1種又は2種以上の非揮発性溶剤とを混合してスラリー状とし、これを容器に充填した後、該溶剤を除去する、固形粉末化粧料の製造方法を提供するものである。
(A) 部分架橋型オルガノポリシロキサン重合体 0.3質量%以上4質量%以下
(B) 光輝性粉体 5質量%以上60質量%以下
(C) IOB値が0.05以上である極性油 3質量%以上20質量%以下
【発明の効果】
【0009】
本発明の製造方法により得られる固形粉末化粧料は、柔らかく弾力のある感触を有し、取れが良好で、粉っぽさがなく、化粧膜につや感を有し、耐衝撃性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の製造方法において用いる化粧料基材は、前記成分(A)〜(C)を所定量含有し、粉体成分の割合が70質量%以上90質量%以下であるものである。
【0011】
〔成分(A):部分架橋型オルガノポリシロキサン重合体〕
成分(A)の部分架橋型オルガノポリシロキサン重合体は、オルガノポリシロキサンを架橋重合させて得られる重合物であり、一部に三次元架橋構造を有し、R2SiO単位及びRSiO1.5単位よりなり、R3SiO0.5単位及び/又はSiO2単位を含んでいてもよい。但し、各構成単位のRは水素原子、アルキル基、フェニル基、ビニル基などであり、同種であっても異種であってもよい。また、その重合度や架橋度に関しても特に制限されることはない。成分(A)としては、例えば、架橋型メチルポリシロキサン、架橋型メチルフェニルポリシロキサン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキル変性シリコーン等が挙げられ、これら成分(A)がシリコーン油、炭化水素油、エステル油等により膨潤されているものを用いることが好ましい。具体的には、そのような市販品として、シリコーン KSG-16((ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー20〜30質量%と6mm2/sのジメチルポリシロキサン70〜80質量%の混合物)、シリコーン KSG-18((ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー10〜20質量%と15mm2/sのジフェニルシロキシフェニルトリメチコン80〜90質量%の混合物)、シリコーン KSG-21(架橋型ポリエーテル変性シリコーン22〜32質量%と6mm2/sのジメチルポリシロキサン68〜78質量%の混合物)(いずれも信越化学工業社製)等が挙げられる。
【0012】
成分(A)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。化粧料基材中における成分(A)の含有量は、柔らかく弾力のある感触を付与する観点から、0.3質量%以上であって、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上であり、また、取れ性を良好にする観点から、4質量%以下であって、好ましくは、3.8質量%以下、より好ましくは3.6質量%以下である。
【0013】
〔成分(B):光輝性粉体〕
光輝性粉体としては、マイカ表面に酸化チタンを被覆した酸化チタン被覆マイカ、マイカ表面に酸化鉄を被覆した酸化鉄被覆マイカ、マイカ表面に酸化鉄を被覆した後、更に酸化チタンを被覆した酸化鉄・酸化チタン被覆マイカ、合成マイカ表面に酸化チタンを被覆した酸化チタン被覆合成マイカ、合成マイカ表面に酸化鉄を被覆した酸化鉄被覆合成マイカ、合成マイカ表面に酸化鉄を被覆した後、更に酸化チタンを被覆した酸化鉄・酸化チタン被覆合成マイカ、ガラスフレーク表面に酸化チタンを被覆した酸化チタン被覆ガラス末、ガラスフレーク表面に酸化鉄を被覆した酸化鉄被覆ガラス末、ガラスフレーク表面に酸化鉄を被覆した後、さらに酸化チタンを被覆した酸化鉄・酸化チタン被覆ガラス末、ガラスフレーク表面に酸化チタンを被覆した後、更にシリカを被覆した酸化チタン・シリカ被覆ガラス末等が例示される。
【0014】
成分(B)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。化粧料基材総量中における成分(B)の含有量は、十分な光輝感を得る観点から、5質量%以上であって、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上であり、また、柔らかく弾力のある感触を付与し、十分な耐衝撃性を得る観点から、60質量%以下であって、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下である。
【0015】
〔成分(C):IOB値が0.05以上である極性油〕
本発明において極性油は、室温(25℃)で液状を呈するものであり、IOB値が0.05以上であるものが使用される。具体的には、イソノナン酸イソノニル(IOB値:0.2)、2-エチルヘキサン酸セチル(IOB値:0.13)、ジカプリン酸プロピレングリコール(IOB値:0.32)、ミリスチン酸イソプロピル(IOB値:0.18)、パルミチン酸イソプロピル(IOB値:0.16)、ミリスチン酸オクチルドデシル(IOB値:0.09)、リンゴ酸ジイソステアリル(IOB値:0.28)、パルミチン酸エチルヘキシル(IOB値:0.13)、トリ(カプリル・カプリン)酸グリセリル(IOB値:0.33)、トリイソオクタン酸グリセリル(IOB値:0.35)、トリイソテアリン酸ジグリセリル(IOB値:0.26)等のエステル油が挙げられる。
【0016】
なお、IOB値とは、Inorganic/Organic Balance(無機性/有機性比)の略であって、無機性値の有機性値に対する比率を表す値であり、有機化合物の極性の度合いを示す指標となるものである。IOB値は、具体的には、「IOB値=無機性値/有機性値」として表される。ここで、「無機性値」、「有機性値」のそれぞれについては、例えば、分子中の炭素原子1個について「有機性値」が20、同水酸基1個について「無機性値」が100といったように、各種原子又は官能基に応じた「無機性値」、「有機性値」が設定されており、有機化合物中の全ての原子及び官能基の「無機性値」、「有機性値」を積算することによって、当該有機化合物のIOB値を算出することができる(例えば、藤田著、「化学の領域」第11巻、第10号、第719頁〜第725頁、1957年参照)。
【0017】
成分(C)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。成分(C)は、柔らかく弾力のある感触を付与し、十分な耐衝撃性を得る観点から、少なくともリンゴ酸ジイソステアリル、トリイソテアリン酸ジグリセリル等の25℃での粘度が400mPa・s以上である高粘度エステル油を1種又は2種以上含有することが好ましい。更に、成分(C)は、化粧料基材中における成分(A)の分散性を上げる観点から、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸エチルヘキシル等の25℃での粘度が400mPa・s未満である低粘度エステル油を1種又は2種以上含有することが好ましい。
【0018】
化粧料基材総量中における成分(C)の含有量は、化粧料基材中における成分(A)の分散性を上げる観点から、3質量%以上であって、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上であり、また、成型性の観点から、20質量%以下であって、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
【0019】
〔その他の化粧料基材〕
本発明の製造方法において、前記成分以外の化粧料基材として、通常の化粧料に用いられるものであればいずれものも用いることができ、例えば、成分(B)以外の粉体、成分(C)以外の油剤、添加剤などを用いることができる。
【0020】
・粉体
成分(B)以外の粉体としては、例えば、有機色素顔料、レーキ有機色素顔料、無機有色顔料、白色顔料、体質顔料、金属塩顔料、無機顔料、樹脂粉体、アシル化リジン粉体、金属石鹸粉体等が挙げられる。より具体的には、赤色104号、赤色202号、赤色226号、黄色4号、黄色5号、青色1号、黒色401号等の有機色素顔料;黄色4号Alレーキ、青色1号Alレーキ等のレーキ有機色素顔料;黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青、マンガンバイオレット等の無機有色顔料;酸化亜鉛、酸化チタン等の白色顔料;タルク、マイカ、合成マイカ、セリサイト、窒化ホウ素等の体質顔料;硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の金属塩顔料;シリカ、アルミナ等の無機顔料;ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、ナイロンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、セルロースパウダー、ポリフッ化エチレン等の樹脂粉体;ラウロイルリジン等のアシル化リジン粉体;高級脂肪酸金属塩である金属石鹸粉体などが挙げられる。また、これらの粉体は、適宜表面処理されていてもよい。これらの粉体の大きさ、形状等は限定されず、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0021】
化粧料基材総量中における成分(B)を含めた粉体の総含有量は、成型性の観点から、70質量%以上であり、好ましくは75質量%以上であり、また、柔らかく弾力のある感触を付与する観点から、90質量%以下であり、好ましくは85質量%以下である。
【0022】
・油剤
また、成分(C)以外の油剤としては、通常の化粧料に用いられるものであればよく、例えば、シリコーン油、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、各種エステル油、パーフルオロアルキルエーテル等のフッ素系油剤等が挙げられる。
【0023】
・界面活性剤
また、化粧料基材には、成分の均一分散を補助する目的で、界面活性剤を含有させることもできる。界面活性剤としては、通常の化粧料に用いられているものであればいずれのものも使用でき、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
【0024】
・その他の成分
また、化粧料基材中には、製品の性能や品質を向上させるため、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、保湿剤、pH調整剤、酸化防止剤、防菌防黴剤、紫外線吸収剤、香料、美容成分等の各種添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有させることができる。
【0025】
〔非揮発性溶剤〕
本発明の製造方法においては、シリコーン油及び炭化水素油からなる群より選ばれる1種又は2種以上の非揮発性溶剤が用いられる。なお本発明において「非揮発性溶剤」とは、シリコーン油又は炭化水素油1gを直径48mmのガラスシャーレに広げ、25℃、常圧で24時間放置後の質量減少率が1質量%以下であるものをいう。
【0026】
かかるシリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等が挙げられる。また炭化水素油としては、流動パラフィン、流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、スクワラン、ポリブテン、ポリイソブテン等が挙げられる。
【0027】
これら非揮発性溶剤のうち、25℃における動粘度が5mm2/s以上30mm2/s以下であるものが好ましく、6mm2/s以上25mm2/s以下であるものがより好ましい。
【0028】
〔製造方法〕
化粧料基材は、前記の成分(A)〜(C)及び任意成分を通常の粉末化粧料を製造する装置を使用し、攪拌混合して、調製される。より具体的には、まず、成分(A)及び(C)を含む油剤を混合し、必要に応じて加熱溶解する。一方、成分(B)を含む粉体を均一に混合する。この成分(B)を含む粉体に、成分(A)及び(C)を含む油剤を加えて均一に分散させ、粉砕することにより、化粧料基材が調製される。
【0029】
このようにして得られる化粧料基材と、非揮発性溶剤とを混合してスラリーを調製した後、容器に充填し、紙、不織布等の吸収体を用いたり、又は押圧吸引等の方法で該溶剤の一部又は全部を除去することにより、固形粉末化粧料を得ることができる。
【0030】
化粧料基材と非揮発性溶剤との混合比率は、スラリーが充填に適した流動性を有する観点から、化粧料基材100質量部に対し、好ましくは非揮発性溶剤45質量部以上、より好ましくは50質量部以上、更に好ましくは55質量部以上であり、また好ましくは120質量部以下、より好ましくは110質量部以下、更に好ましくは100質量部以下である。
【0031】
本発明により製造される固形粉末化粧料は、ファンデーション、アイシャドウ、チークカラー等として適用することができる。なかでもアイシャドウとして使用することが好適である。
【実施例】
【0032】
実施例1〜5、比較例1〜7
表1に示す処方のアイシャドウを下記製造方法に従って調製し、下記評価方法に従って各種評価を行った。
【0033】
<製造方法>
A:成分1〜5を均一に混合する。
B:成分6〜12を均一に混合する。
C:AにBを加えて均一に分散させ、粉砕して化粧料基材を得る。
D:C100質量部と溶剤60質量部を混合してスラリーを調製する。
E:アルミ金皿(27mm×27mmの正方形、厚さ4mm)にDのスラリーを充填した後、押圧吸引し、アイシャドウを得る。
【0034】
<評価方法>
(1)化粧料の感触(弾力感、取れ)
女性パネラー20名により、各アイシャドウを手指で触れた時の感触(弾力感、取れ)について、官能評価した。
評価基準
◎:良いと答えた人数が17人以上
○:良いと答えた人数が12〜16人
△:良いと答えた人数が8〜11人
×:良いと答えた人数が7人以下
【0035】
(2)塗布時の使用感(柔らかさ、粉っぽさのなさ、つや感)
女性パネラー20名により、各アイシャドウを肌に塗布したときの感触(柔らかさ、粉っぽさのなさ、つや感)について、官能評価した。
評価基準
◎:良いと答えた人数が17人以上
○:良いと答えた人数が12〜16人
△:良いと答えた人数が8〜11人
×:良いと答えた人数が7人以下
【0036】
(3)耐衝撃性
各アイシャドウを化粧コンパクトに内蔵させ、水平方向で高さ40cmから塩化ビニル板上に繰り返し落下させ、欠け、割れ、ひび割れ等の異常が生じるまでの回数を評価した。
評価基準
◎:11回以上
○:7〜10回
△:5〜6回
×:4回以下
【0037】
【表1】