【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上述の状況に鑑み、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、特定のアミド化合物、特にその微細な針状結晶を含むポリプロピレン系樹脂組成物を特定の成形条件にて調製した後、その発泡成形用のポリプロピレン系樹脂組成物を加熱し、次いで発泡剤、特に二酸化炭素を発泡剤として加えた後に、発泡させることにより得られる発泡成形体が、上記課題を達成し得ることを見出し、これに基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、以下のポリプロピレン系樹脂発泡成形体およびその製造方法、更に、そのポリプロピレン系樹脂発泡成形体製造用のポリプロピレン系樹脂組成物を提供するものである。
【0009】
[項1] 下記一般式(1)で示されるアミド化合物及び一般式(2)で示されるアミド化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種のアミド化合物を含有することを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡成形体。
【化1】
[式中、nは、2〜6の整数を表す。R
1は、炭素数2〜18の飽和若しくは不飽和の脂肪族ポリカルボン酸残基、炭素数3〜18の脂環族ポリカルボン酸残基又は炭素数6〜18の芳香族ポリカルボン酸残基を表す。2〜6個のR
2は、同一又は異なって、それぞれ、炭素数5〜30の飽和若しくは不飽和の脂肪族アミン残基、炭素数5〜30の脂環族アミン残基又は炭素数6〜30の芳香族アミン残基を表す。]
【化2】
[式中、R
3、R
4、R
5及びR
6は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数5〜20の置換基を有してもよいシクロアルキル基、又は炭素数6〜20の置換基を有してもよいアリール基を表す。なお、R
3とR
4、及びR
5とR
6は、それぞれ同時に水素原子を表すことはない。また、R
3とR
4と、又はR
5とR
6とが、それぞれ、互いに結合してアルキレン基を形成してもよい。]
【0010】
[項2] 前記アミド化合物が、微細な針状結晶である[項1]に記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体。
【0011】
[項3] 前記アミド化合物が、下記一般式(3)で示される少なくとも1種のアミド化合物である[項1]又は[項2]に記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体。
【化3】
[式(3)中、R
7は、炭素数2〜18の飽和若しくは不飽和の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数3〜18の飽和若しくは不飽和の脂環族ジカルボン酸残基、又は炭素数6〜18の芳香族ジカルボン酸残基を表し、R
8及びR
9は、同一又は異なって、それぞれ炭素数5〜18のシクロアルキル基、下記の一般式(a)、一般式(b)、一般式(c)又は一般式(d)で示される基を表す
【化4】
[式(a)〜(d)中、R
10は水素原子、炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数6〜10のシクロアルキル基又はフェニル基を表し、R
11は炭素数1〜12の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、R
12は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表し、R
13は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表す)。]
【0012】
[項4] 一般式(3)において、R
7が炭素数3〜12の飽和若しくは不飽和の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数6〜10の飽和若しくは不飽和の脂環族ジカルボン酸残基、又は炭素数6〜18の芳香族ジカルボン酸残基を表し、R
8及びR
9が、同一又は異なって、それぞれ炭素数5〜12のシクロアルキル基、又は一般式(a)、一般式(b)、一般式(c)又は一般式(d)で示される基を表す[項3]に記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体。
【0013】
[項5] 一般式(3)において、R
7が炭素数4〜8の飽和の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数6〜8の飽和の脂環族ジカルボン酸残基、又は炭素数6〜18の芳香族ジカルボン酸残基であり、R
8及びR
9が、同一又は異なって、それぞれ1個の炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基又は1個の炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基である[項4]に記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体。
【0014】
[項6] 一般式(3)において、R
7が、下記一般式(e)で表される芳香族ジカルボン酸残基であり、R
8及びR
9が、同一又は異なって、それぞれ1個の炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基である[項5]に記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体。
【化5】
【0015】
[項7] アミド化合物が、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジシクロヘキシルアミドである[項6]に記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体。
【0016】
[項8] 前記アミド化合物が、下記一般式(4)で示される少なくとも1種のアミド化合物である[項1]又は[項2]に記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体。
【化6】
[式中、R
14は、炭素数2〜18の飽和若しくは不飽和の脂肪族トリカルボン酸残基、炭素数3〜18の脂環族トリカルボン酸残基又は炭素数6〜18の芳香族トリカルボン酸残基を表す。3個のR
15は、同一又は異なって、それぞれ、炭素数5〜30の飽和若しくは不飽和の脂肪族アミン残基、炭素数5〜30の脂環族アミン残基又は炭素数6〜30の芳香族アミン残基を表す。]
【0017】
[項9] 前記アミド化合物が、下記一般式(5)で示される少なくとも1種のアミド化合物である[項8]に記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体。
【化7】
[式中、R
16、R
17、R
18は、同一又は異なって、炭素数5〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基若しくはアルケニル基、フェニル基、下記一般式(f)で表されるシクロアルキル基、又は下記一般式(g)で表されるアルキル置換シクロアルキル基を表す。]
【化8】
[式中、xは、1〜8の整数を表す。]
【化9】
[式中、R
19 は、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基を表す。yは、1〜8の整数を表す。zは1〜4の整数を表す。zが2以上の場合、各々のR
19 は互いに同一又は異なってもよい。]
【0018】
[項10] 前記アミド化合物の含有量が、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.001〜10重量部の範囲である、[項1]〜[項9]の何れかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体。
【0019】
[項11] 前記アミド化合物の含有量が、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部の範囲である、[項10]に記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体。
【0020】
[項12] ポリプロピレン系樹脂の230℃、荷重2160gにおけるメルトフローレートが0.1〜60.0g/10分である[項1]〜[項11]の何れかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体。
【0021】
[項13] ポリプロピレン系樹脂の230℃、荷重2160gにおけるメルトフローレートが0.2〜40.0g/10分である[項12]に記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体。
【0022】
[項14] (i)ポリプロピレン系樹脂と下記一般式(1)で示されるアミド化合物及び一般式(2)で示されるアミド化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種のアミド化合物とを240〜330℃の温度範囲まで加熱して溶融混合し、溶融したポリプロピレン系樹脂中にアミド化合物を溶解させる工程、
(ii)工程(i)で得られた溶融ポリプロピレン系樹脂組成物を80℃以下の温度まで冷却し、固化したポリプロピレン系樹脂組成物中にアミド化合物の微細な針状結晶を析出させる工程、
(iii)工程(ii)で得られたポリプロピレン系樹脂組成物に発泡剤を混合した後、190〜260℃の温度範囲で加熱混合し、その後に発泡させる発泡成形工程
を具備することを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡成形体の製造方法。
【化10】
[式中、nは、2〜6の整数を表す。R
1は、炭素数2〜18の飽和若しくは不飽和の脂肪族ポリカルボン酸残基、炭素数3〜18の脂環族ポリカルボン酸残基又は炭素数6〜18の芳香族ポリカルボン酸残基を表す。2〜6個のR
2は、同一又は異なって、それぞれ、炭素数5〜30の飽和若しくは不飽和の脂肪族アミン残基、炭素数5〜30の脂環族アミン残基又は炭素数6〜30の芳香族アミン残基を表す。]
【化11】
[式中、R
3、R
4、R
5及びR
6は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数5〜20の置換基を有してもよいシクロアルキル基、又は炭素数6〜20の置換基を有してもよいアリール基を表す。なお、R
3とR
4、及びR
5とR
6は、それぞれ同時に水素原子を表すことはない。また、R
3とR
4と、又はR
5とR
6とが、それぞれ、互いに結合してアルキレン基を形成してもよい。]
【0023】
[項15] 前記発泡剤が、無機系若しくは有機系化学発泡剤である、[項14]に記載の製造方法
【0024】
[項16] (i)ポリプロピレン系樹脂と下記一般式(1)で示されるアミド化合物及び一般式(2)で示されるアミド化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種のアミド化合物とを溶融混合後、冷却固化して、アミド化合物を含有するポリプロピレン系樹脂組成物を製造する工程、
(ii)工程(i)で得られたポリプロピレン系樹脂組成物を、240〜330℃の温度範囲に加熱し、溶融したポリプロピレン系樹脂中にアミド化合物を溶解させた後、80℃以下の温度まで冷却し、アミド化合物の微細な針状結晶を均一に含有する所定の形状の成形物を成形する工程、
(iii)工程(ii)で得られた成形物を150〜240℃の温度範囲に加温してから発泡剤を注入し、その後に発泡させる発泡成形工程
を具備することを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡成形体の製造方法。
【化12】
[式中、nは、2〜6の整数を表す。R
1は、炭素数2〜18の飽和若しくは不飽和の脂肪族ポリカルボン酸残基、炭素数3〜18の脂環族ポリカルボン酸残基又は炭素数6〜18の芳香族ポリカルボン酸残基を表す。2〜6個のR
2は、同一又は異なって、それぞれ、炭素数5〜30の飽和若しくは不飽和の脂肪族アミン残基、炭素数5〜30の脂環族アミン残基又は炭素数6〜30の芳香族アミン残基を表す。]
【化13】
[式中、R
3、R
4、R
5及びR
6は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数5〜20の置換基を有してもよいシクロアルキル基、又は炭素数6〜20の置換基を有してもよいアリール基を表す。なお、R
3とR
4、及びR
5とR
6は、それぞれ同時に水素原子を表すことはない。また、R
3とR
4と、又はR
5とR
6とが、それぞれ、互いに結合してアルキレン基を形成してもよい。]
【0025】
[項17] (i)ポリプロピレン系樹脂と下記一般式(1)で示されるアミド化合物及び一般式(2)で示されるアミド化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種のアミド化合物とを溶融混合後、冷却固化して、アミド化合物を含有するポリプロピレン系樹脂組成物を製造する工程
(ii)工程(i)で得られたポリプロピレン系樹脂組成物を、240〜330℃の温度範囲に加熱し、溶融したポリプロピレン系樹脂中にアミド化合物を溶解させた後、そのままの温度で、又は220〜280℃の温度範囲まで冷却後、発泡剤を注入し、更に150〜220℃の温度範囲まで温度を下げて、その後に発泡させる発泡成形工程
を具備することを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡成形体の製造方法。
【化14】
[式中、nは、2〜6の整数を表す。R
1は、炭素数2〜18の飽和若しくは不飽和の脂肪族ポリカルボン酸残基、炭素数3〜18の脂環族ポリカルボン酸残基又は炭素数6〜18の芳香族ポリカルボン酸残基を表す。2〜6個のR
2は、同一又は異なって、それぞれ、炭素数5〜30の飽和若しくは不飽和の脂肪族アミン残基、炭素数5〜30の脂環族アミン残基又は炭素数6〜30の芳香族アミン残基を表す。]
【化15】
[式中、R
3、R
4、R
5及びR
6は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数5〜20の置換基を有してもよいシクロアルキル基、又は炭素数6〜20の置換基を有してもよいアリール基を表す。なお、R
3とR
4、及びR
5とR
6は、それぞれ同時に水素原子を表すことはない。また、R
3とR
4と、又はR
5とR
6とが、それぞれ、互いに結合してアルキレン基を形成してもよい。]
【0026】
[項18] 前記発泡剤が、超臨界状態の不活性ガスである[項16]又は[項17]に記載の製造方法。
【0027】
[項19] 前記不活性ガスが、二酸化炭素である[項18]に記載の製造方法。
【0028】
[項20] 発泡成形工程における発泡倍率が1.2〜100倍である[項14]〜[項19]の何れかに記載の製造方法。
【0029】
[項21] 下記一般式(1)で示されるアミド化合物及び一般式(2)で示されるアミド化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種のアミド化合物を含有することを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡成形体製造用のポリプロピレン系樹脂組成物。
【化16】
[式中、nは、2〜6の整数を表す。R
1は、炭素数2〜18の飽和若しくは不飽和の脂肪族ポリカルボン酸残基、炭素数3〜18の脂環族ポリカルボン酸残基又は炭素数6〜18の芳香族ポリカルボン酸残基を表す。2〜6個のR
2は、同一又は異なって、それぞれ、炭素数5〜30の飽和若しくは不飽和の脂肪族アミン残基、炭素数5〜30の脂環族アミン残基又は炭素数6〜30の芳香族アミン残基を表す。]
【化17】
[式中、R
3、R
4、R
5及びR
6は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数5〜20の置換基を有してもよいシクロアルキル基、又は炭素数6〜20の置換基を有してもよいアリール基を表す。なお、R
3とR
4、及びR
5とR
6は、それぞれ同時に水素原子を表すことはない。また、R
3とR
4と、又はR
5とR
6とが、それぞれ、互いに結合してアルキレン基を形成してもよい。]
【0030】
[項22] 前記アミド化合物が、微細な針状結晶である[項21]に記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体製造用のポリプロピレン系樹脂組成物。
【0031】
[項23] 前記アミド化合物が、下記一般式(3)で示される少なくとも1種のアミド化合物である[項21]又は[項22]に記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体製造用のポリプロピレン系樹脂組成物。
【化18】
[式(3)中、R
7は、炭素数2〜18の飽和若しくは不飽和の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数3〜18の飽和若しくは不飽和の脂環族ジカルボン酸残基、又は炭素数6〜18の芳香族ジカルボン酸残基を表し、R
8及びR
9は、同一又は異なって、それぞれ炭素数5〜18のシクロアルキル基、下記の一般式(a)、一般式(b)、一般式(c)又は一般式(d)で示される基を表す
【化19】
(式(a)〜(d)中、R
10は水素原子、炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数6〜10のシクロアルキル基又はフェニル基を表し、R
11は炭素数1〜12の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、R
12は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表し、R
13は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表す)。]
【0032】
[項24] 一般式(3)において、R
7が炭素数3〜12の飽和若しくは不飽和の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数6〜10の飽和若しくは不飽和の脂環族ジカルボン酸残基、又は炭素数6〜18の芳香族ジカルボン酸残基を表し、R
8及びR
9が、同一又は異なって、それぞれ炭素数5〜12のシクロアルキル基、又は一般式(a)、一般式(b)、一般式(c)又は一般式(d)で示される基を表す[項23]に記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体製造用のポリプロピレン系樹脂組成物。
【0033】
[項25] 一般式(3)において、R
7が炭素数4〜8の飽和の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数6〜8の飽和の脂環族ジカルボン酸残基、又は炭素数6〜18の芳香族ジカルボン酸残基であり、R
8及びR
9が、同一又は異なって、それぞれ1個の炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基又は1個の炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基である[項24]に記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体製造用のポリプロピレン系樹脂組成物。
【0034】
[項26] 一般式(3)において、R
7が、一般式(e)
【化20】
で表される芳香族ジカルボン酸残基であり、R
8及びR
9が、同一又は異なって、それぞれ1個の炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基である[項25]に記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体製造用のポリプロピレン系樹脂組成物。
【0035】
[項27] アミド化合物が、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジシクロヘキシルアミドである[項26]に記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体製造用のポリプロピレン系樹脂組成物。
【0036】
[項28] 前記アミド化合物が、下記一般式(4)で示される少なくとも1種のアミド化合物である[項21]又は[項22]に記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体製造用のポリプロピレン系樹脂組成物。
【化21】
[式中、R
14は、炭素数2〜18の飽和若しくは不飽和の脂肪族トリカルボン酸残基、炭素数3〜18の脂環族トリカルボン酸残基又は炭素数6〜18の芳香族トリカルボン酸残基を表す。3個のR
15は、同一又は異なって、それぞれ、炭素数5〜30の飽和若しくは不飽和の脂肪族アミン残基、炭素数5〜30の脂環族アミン残基又は炭素数6〜30の芳香族アミン残基を表す。]
【0037】
[項29] 前記アミド化合物が、下記一般式(5)で示される少なくとも1種のアミド化合物である[項28]に記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体製造用のポリプロピレン系樹脂組成物。
【化22】
[式中、R
16、R
17、R
18は、同一又は異なって、炭素数5〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基若しくはアルケニル基、フェニル基、下記一般式(f)で表されるシクロアルキル基、又は下記一般式(g)で表されるアルキル置換シクロアルキル基を表す。]
【化23】
[式中、xは、1〜8の整数を表す。]
【化24】
[式中、R
19 は、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基を表す。yは、1〜8の整数を表す。zは1〜4の整数を表す。zが2以上の場合、各々のR
19 は互いに同一又は異なってもよい。]
【0038】
[項30] 前記アミド化合物の含有量が、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.001〜10重量部の範囲である、[項21]〜[項29]の何れかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体製造用のポリプロピレン系樹脂組成物。
【0039】
[項31] 前記アミド化合物の含有量が、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部の範囲である、[項30]に記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体製造用のポリプロピレン系樹脂組成物。
【0040】
[項32] ポリプロピレン系樹脂の230℃、荷重2160gにおけるメルトフローレートが0.1〜60.0g/10分である[項21]〜[項31]の何れかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体製造用のポリプロピレン系樹脂組成物。
【0041】
[項33] ポリプロピレン系樹脂の230℃、荷重2160gにおけるメルトフローレートが0.2〜40.0g/10分である[項32]に記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体製造用のポリプロピレン系樹脂組成物。
【0042】
[項34] (i)ポリプロピレン系樹脂と下記一般式(1)で示されるアミド化合物及び一般式(2)で示されるアミド化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種のアミド化合物を240〜330℃の温度範囲まで加熱して溶融混合し、溶融したポリプロピレン系樹脂中にアミド化合物を溶解させる工程、
(ii)工程(i)で得られた溶融ポリプロピレン系樹脂組成物を80℃以下の温度まで冷却し、固化したポリプロピレン系樹脂組成物中にアミド化合物の微細な針状結晶を析出させる工程、
を具備することを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡成形体製造用のポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法。
【化25】
[式中、nは、2〜6の整数を表す。R
1は、炭素数2〜18の飽和若しくは不飽和の脂肪族ポリカルボン酸残基、炭素数3〜18の脂環族ポリカルボン酸残基又は炭素数6〜18の芳香族ポリカルボン酸残基を表す。2〜6個のR
2は、同一又は異なって、それぞれ、炭素数5〜30の飽和若しくは不飽和の脂肪族アミン残基、炭素数5〜30の脂環族アミン残基又は炭素数6〜30の芳香族アミン残基を表す。]
【化26】
[式中、R
3、R
4、R
5及びR
6は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数5〜20の置換基を有してもよいシクロアルキル基、又は炭素数6〜20の置換基を有してもよいアリール基を表す。なお、R
3とR
4、及びR
5とR
6は、それぞれ同時に水素原子を表すことはない。また、R
3とR
4と、又はR
5とR
6とが、それぞれ、互いに結合してアルキレン基を形成してもよい。]