特開2017-222840(P2017-222840A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2017-222840ハードディスク用基板用の洗浄剤組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-222840(P2017-222840A)
(43)【公開日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】ハードディスク用基板用の洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 7/22 20060101AFI20171124BHJP
   C11D 7/32 20060101ALI20171124BHJP
   C11D 7/20 20060101ALI20171124BHJP
   C11D 7/06 20060101ALI20171124BHJP
   G11B 5/84 20060101ALI20171124BHJP
   B08B 3/08 20060101ALN20171124BHJP
【FI】
   C11D7/22
   C11D7/32
   C11D7/20
   C11D7/06
   G11B5/84 Z
   G11B5/84 A
   B08B3/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2017-87367(P2017-87367)
(22)【出願日】2017年4月26日
(31)【優先権主張番号】特願2016-115316(P2016-115316)
(32)【優先日】2016年6月9日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】特許業務法人池内・佐藤アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】高沢 史博
【テーマコード(参考)】
3B201
4H003
5D112
【Fターム(参考)】
3B201AA03
3B201AB01
3B201BA02
3B201BA08
3B201BB01
3B201BB21
3B201BB82
3B201BB83
3B201BB92
3B201CC01
3B201CC13
3B201CC21
4H003BA12
4H003DA09
4H003DA15
4H003DB01
4H003EA12
4H003EA21
4H003EB14
4H003EB30
4H003EB34
4H003ED02
4H003FA06
4H003FA28
5D112AA02
5D112AA24
5D112BA06
5D112BA09
5D112GA08
5D112GA09
5D112GA14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】基板表面に残留するパーティクルの洗浄性に優れるハードディスク用基板用の洗浄剤組成物の提供。
【解決手段】(メタ)アクリル酸、並びに、式(II)で表されるモノマー及び式(III)で表されるモノマーから選ばれるモノマー由来の構成単位を含むポリマー(成分A)を含有し、成分Aの重量平均分子量が、15000〜200000であり、pHが8以上である、ハードディスク用基板用の洗浄剤組成物。


【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で表されるモノマーa1又はその無水物由来の構成単位(a1)、並びに、下記一般式(II)で表されるモノマー及び下記一般式(III)で表されるモノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマーa2由来の構成単位(a2)を含むポリマー(成分A)を含有し、
成分Aの重量平均分子量は、15000以上200000以下であり、
pHが8以上である、ハードディスク用基板用の洗浄剤組成物。
【化1】
〔式(I)中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、又は−(CH2)pCOOM2を示し、M1及びM2はそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム基、又はアンモニウム基を示し、pは0以上2以下の整数を示す。〕
【化2】
〔式(II)中、R4及びR5はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、qは0以上2以下の整数を示し、AOは炭素数2又は3のアルキレンオキシ基を示し、nはAOの平均付加モル数であって、4以上300以下の数を示し、Xは水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。〕
【化3】
〔式(III)中、R6及びR7はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、rは0以上2以下の整数を示し、AOは炭素数2又は3のアルキレンオキシ基を示し、mはAOの平均付加モル数であって、4以上300以下の数を示し、Yは水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。〕
【請求項2】
成分Aの重量平均分子量が、20000以上80000以下である、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【請求項3】
アルカリ剤(成分B)をさらに含有する、請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
【請求項4】
成分Bが、アルカリ金属水酸化物、ヒドロキシアルキルアミン及び第四級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種である、請求項3に記載の洗浄剤組成物。
【請求項5】
洗浄剤組成物の洗浄時における成分Aの含有量は、0.001質量%以上10質量%以下である、請求項1から4のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の洗浄剤組成物を用いて被洗浄基板を洗浄する洗浄工程を含み、
前記被洗浄基板は、研磨液組成物で研磨された基板である、基板の洗浄方法。
【請求項7】
前記基板が、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板である、請求項6に記載の洗浄方法。
【請求項8】
前記研磨液組成物が、シリカ砥粒を含有する研磨液組成物である、請求項6又は7に記載の洗浄方法。
【請求項9】
請求項1から5のいずれかに記載の洗浄剤組成物を用いて被洗浄基板を洗浄する洗浄工程を含み、
前記被洗浄基板は、研磨液組成物で研磨された基板である、ハードディスク用基板の製造方法。
【請求項10】
請求項1から5のいずれかに記載の洗浄剤組成物のハードディスク用基板の洗浄への使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ハードディスク用基板用の洗浄剤組成物、基板の洗浄方法、及びハードディスク用基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータや各種電子デバイスにおいては動画や音声等の大きなデータが扱われるようになり、大容量の情報記録装置が必要となっている。その結果、情報記録媒体に対する高記録密度化の要求が年々高まっている。これに対応するべく、ハードディスクでは、垂直磁気記録方式の採用、量産化が進められている。垂直磁気記録方式において、情報記録媒体用基板(以下、「ハードディスク用基板」ともいう)には、現在の基板と比較して基板の耐熱性及び表面の平滑性がより高いレベルで求められている。さらに、ハードディスク用基板表面に要求される清浄度も高くなってきている。
【0003】
ハードディスク用基板に用いられる材料としては、表面にニッケル−リンメッキを施したアルミニウム、ガラス等がある。最近では、基板の材質は異なるものの半導体用基板分野においても、基板表面の高い清浄度が求められ、様々な洗浄剤が開発されている。
【0004】
特許文献1には、研磨液中の研磨剤粒子、それらの凝集物、被研磨物の研磨屑等の固形汚れによって汚染された、研磨に使用される研磨パッド等のパッドの洗浄に有効な洗浄剤組成物として、分子中に−COOR及び−SO3R(Rは水素原子、無機塩基または有機塩基を示す)から選ばれた基を1種以上有するアニオン性界面活性剤を含有する洗浄剤組成物が開示されている。
【0005】
特許文献2には、シリコンウエハ等の半導体用基板上に半導体素子を形成する際に使用される、有機あるいは無機の微細な異物及び油分の除去に有効な、発泡性の少ない洗浄剤組成物として、アクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸から選ばれる少なくとも1種をモノマー成分とし、該モノマー成分を全モノマー成分の使用量の20モル%以上用いて得られる、重量平均分子量が500〜15万のポリカルボン酸化合物を含有してなる、半導体基板用又は半導体素子用洗浄剤組成物が開示されている。
【0006】
特許文献3には、環境への負荷が少なく、かつ、化学的機械研磨(CMP)前後に、半導体用基板等の半導体部品上に残った、シリカ、アルミナ等のCMP研磨砥粒、CMP中に含まれる金属不純物あるいは金属配線等に基づくFe,Mn,Al,Ce,Cu,W,Ti等の不純物に対して洗浄効果の高い洗浄剤として、少なくともイタコン酸(塩)を含む単量体成分を(共)重合してなる(共)重合体を主成分とする半導体部品用洗浄剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−309796号公報
【特許文献2】特開平11−181494号公報
【特許文献3】特開2001−64680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一般的に、ハードディスク用基板の製造工程には、研磨液組成物を用いた研磨工程が含まれている。研磨工程を経た基板表面に研磨くずや砥粒等のパーティクルが残留していると、磁気ディスクの性能や歩留まりに悪影響が及ぶ。特に、微細なパーティクルは一旦基板から剥離しても、基板表面へ再付着しやすく、洗浄剤組成物にはパーティクルの高い分散性を有することも求められる。
【0009】
そこで、本開示は、基板表面に残留するパーティクルの洗浄性に優れる洗浄剤組成物、並びにそれを用いた基板の洗浄方法及びハードディスク用基板の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示は、一態様において、下記一般式(I)で表されるモノマーa1又はその無水物由来の構成単位(a1)、並びに、下記一般式(II)で表されるモノマー及び下記一般式(III)で表されるモノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマーa2由来の構成単位(a2)を含むポリマー(成分A)を含有し、成分Aの重量平均分子量は、15000以上200000以下であり、pHが8以上である、ハードディスク用基板用の洗浄剤組成物に関する。
【化1】
〔式(I)中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、又は−(CH2)pCOOM2を示し、M1及びM2はそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム基、又はアンモニウム基を示し、pは0以上2以下の整数を示す。〕
【化2】
〔式(II)中、R4及びR5はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、qは0以上2以下の整数を示し、AOは炭素数2又は3のアルキレンオキシ基を示し、nはAOの平均付加モル数であって、4以上300以下の数を示し、Xは水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。〕
【化3】
〔式(III)中、R6及びR7はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、rは0以上2以下の整数を示し、AOは炭素数2又は3のアルキレンオキシ基を示し、mはAOの平均付加モル数であって、4以上300以下の数を示し、Yは水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。〕
【0011】
本開示は、他の態様において、本開示に係る洗浄剤組成物を用いて被洗浄基板を洗浄する洗浄工程を含み、前記被洗浄基板は、研磨液組成物で研磨された基板である、基板の洗浄方法に関する。
【0012】
本開示は、他の態様において、本開示に係る洗浄剤組成物を用いて被洗浄基板を洗浄する洗浄工程を含み、前記被洗浄基板は、研磨液組成物で研磨された基板である、ハードディスク用基板の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、基板表面に残留するパーティクルの洗浄性に優れる洗浄剤組成物を提供できる。そして、本開示の洗浄剤組成物を用いた洗浄方法及び製造方法によれば、洗浄後の基板表面の清浄度に優れたハードディスク用基板を得ることができる。さらに、本開示の洗浄剤組成物を用いた洗浄方法及び製造方法によれば、高記録密度のハードディスク記録装置が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は、所定のポリマー(成分A)を含み、pH8以上の洗浄剤組成物を用いて、研磨液組成物で研磨された基板を洗浄すると、基板表面に残留するパーティクルの除去性を向上できるという知見に基づく。
【0015】
すなわち、本開示は、一態様において、前記一般式(I)で表されるモノマーa1又はその無水物由来の構成単位(a1)、並びに、前記一般式(II)で表されるモノマー及び下記一般式(III)で表されるモノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマーa2由来の構成単位(a2)を含むポリマー(成分A)を含有し、成分Aの重量平均分子量は、15000以上200000以下であり、pHが8以上である、ハードディスク用基板用の洗浄剤組成物(以下、「本開示に係る洗浄剤組成物」ともいう)に関する。
【0016】
本開示の効果が発現するメカニズムの詳細は明らかではないが以下のように推定される。
洗浄剤組成物中のポリマー(成分A)のカルボキシル基が基板表面及びパーティクル表面に吸着することで、基板表面及びパーティクル表面にポリアルキレンオキシ基に起因する立体的な障壁が形成され、基板表面−パーティクル間やパーティクル−パーティクル間で立体反発が生じ、その結果、基板表面からのパーティクルの除去が促進され、また基板表面へのパーティクルの再付着、及びパーティクル同士の凝集が抑制され、基板表面からパーティクルを効率よく除去でき、洗浄性を向上できると推測される。
さらに、ポリマー(成分A)が所定の重量平均分子量を有することで、上述した立体反発の作用がより効果的に生じ、基板表面へのパーティクルの再付着やパーティクル同士の凝集をより効果的に抑制できると考えられる。通常、研磨くず由来のパーティクルは、砥粒由来のパーティクルに比べて粒径が小さく除去が難しいが、本開示の洗浄剤組成物では、所定のポリマー(成分A)を含有することで、除去が難しい研磨くず由来のパーティクルも効率よく除去できると考えられる。
但し、本開示は、これらのメカニズムに限定して解釈されなくてよい。
【0017】
従って、本開示に係る洗浄剤組成物によれば、一又は複数の実施形態において、洗浄剤組成物中のパーティクルの分散性に優れ、基板表面に残留するパーティクルを効果的に除去できる。そして、本開示に係る洗浄剤組成物を用いた洗浄方法及び製造方法によれば、一又は複数の実施形態において、清浄度に優れるハードディスク用基板が得られうる。さらに、本開示に係る洗浄剤組成物を用いて洗浄したハードディスク用基板を使用することで、高記録密度のハードディスク記録装置を実現できうる。
【0018】
本開示において「パーティクル」とは、基板表面に残留又は付着する異物をいう。本開示における「パーティクル」は、酸化ニッケル、酸化珪素等の研磨くず由来の異物;酸化珪素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化セリウム(セリア)等の研磨砥粒由来の異物;等を含む。
【0019】
以下、本開示に係る洗浄剤組成物に含まれる各成分について説明する。
【0020】
[成分A:ポリマー]
本開示に係る洗浄剤組成物に含まれる成分Aは、下記一般式(I)で表されるモノマーa1又はその無水物由来の構成単位(a1)、並びに、下記一般式(II)で表されるモノマー及び下記一般式(III)で表されるモノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマーa2由来の構成単位(a2)を含有するポリマーである。
【0021】
(モノマーa1)
【化4】
【0022】
式(I)中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、又は−(CH2)pCOOM2を示し、M1及びM2はそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム基、又はアンモニウム基を示し、pは0以上2以下の整数を示す。
【0023】
式(I)中、R1、R2及びR3は、水素原子、メチル基及び−(CH2)pCOOM2から選ばれる少なくとも1種であって、洗浄性向上の観点から、R1及びR3は水素原子、R2は水素原子またはメチル基が好ましく、R1及びR3は水素原子、R2はメチル基がより好ましい。
【0024】
式(I)中、M1及びM2は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機
アンモニウム基、及びアンモニウム基から選ばれる少なくとも1種であって、洗浄性向上の観点から、アルカリ金属が好ましく、ナトリウム及びカリウムがより好ましい。
【0025】
式(I)中、pは0以上2以下の整数であって、洗浄性向上の観点から、0又は1が好ましく、0
がより好ましい。
【0026】
式(I)で表されるモノマーa1は無水物であってもよい。
【0027】
モノマーa1としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等及びそれらの無水物並びにそれらの塩が挙げられ、洗浄性向上の観点から、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸及び無水マレイン酸から選ばれる少なくとも1種が好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方がより好ましく、メタクリル酸がさらに好ましい。塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩等が挙げられ、洗浄性向上の観点から、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩及びカリウム塩がより好ましい。
【0028】
(モノマーa2)
モノマーa2は、下記一般式(II)で表されるモノマー(以下、「モノマーa21」ともいう)及び下記一般式(III)で表されるモノマー(以下、「モノマーa22」ともいう)から選ばれる少なくとも1種のモノマーである。
【0029】
<モノマーa21>
【化5】
【0030】
式(II)中、R4及びR5はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、qは0以上2以下の整数を示し、AOは炭素数2又は3のアルキレンオキシ基を示し、nはAOの平均付加モル数であって、4以上300以下の数を示し、Xは水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。
【0031】
式(II)中、AOは、炭素数2又は3のアルキレンオキシ基を示し、該アルキレンオキシ基は直鎖状及び分岐状のいずれの形態であってもよい。AOは1種であっても2種以上であってもよい。AOが2種以上のとき、その付加形式はランダム状であってもブロック状であってもよい。AOとしては、例えば、オキシエチレン(EO)基、オキシプロピレン(PO)基が挙げられ、洗浄性の観点から、オキシエチレン(EO)基が好ましい。
【0032】
式(II)中、nは、4以上300以下の数であって、洗浄性向上の観点から、6以上が好ましく、9以上がより好ましく、20以上がさらに好ましく、40以上がよりさらに好ましく、80以上がよりさらに好ましく、そして、同様の観点から、200以下が好ましく、150以下がより好ましく、130以下がさらに好ましい。
【0033】
式(II)中、Xは、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、洗浄性向上の観点から、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましい。該アルキル基は、直鎖状及び分岐状のいずれの形態であってもよい。炭素数1以上3以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
【0034】
モノマーa21としては、式(II)中のqが0の場合、例えば、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、プロポキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、及びプロポキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられ、洗浄性向上の観点から、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、及びプロポキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種が好ましく、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステルがより好ましく、メトキシポリエチレングリコールメタクリル酸エステルがよりさらに好ましい。「(メタ)アクリル酸エステル」とは、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの少なくとも1種を意味する。
【0035】
モノマーa21としては、式(II)中のqが1の場合、例えば、メトキシポリエチレングリコール−3−ブテン酸エステル、エトキシポリエチレングリコール−3−ブテン酸エステル、プロポキシポリエチレングリコール−3−ブテン酸エステル、メトキシポリプロピレングリコール−3−ブテン酸エステル、エトキシポリプロピレングリコール−3−ブテン酸エステル、及びプロポキシポリプロピレングリコール−3−ブテン酸エステル等が挙げられる。
【0036】
モノマーa21としては、式(II)中のqが2の場合、例えば、メトキシポリエチレングリコール−4−ペンテン酸エステル、エトキシポリエチレングリコール−4−ペンテン酸エステル、プロポキシポリエチレングリコール−4−ペンテン酸エステル、メトキシポリプロピレングリコール−4−ペンテン酸エステル、エトキシポリプロピレングリコール−4−ペンテン酸エステル、及びプロポキシポリプロピレングリコール−4−ペンテン酸エステル等が挙げられる。
【0037】
<モノマーa22>
【化6】
【0038】
式(III)中、R6及びR7はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、rは0以上2以下の整数を示し、AOは炭素数2又は3のアルキレンオキシ基を示し、mはAOの平均付加モル数であって、4以上300以下の数を示し、Yは水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。
【0039】
式(III)中、AOは、炭素数2又は3のアルキレンオキシ基を示し、該アルキレンオキシ基は直鎖状及び分岐状のいずれの形態であってもよい。AOは1種であっても2種以上であってもよい。AOが2種以上のとき、その付加形式はランダム状であってもブロック状であってもよい。AOとしては、例えば、オキシエチレン(EO)基、オキシプロピレン(PO)基が挙げられ、洗浄性の観点から、オキシエチレン(EO)基が好ましい。
【0040】
式(III)中、mは、4以上300以下の数であって、洗浄性向上の観点から、6以上が好ましく、9以上がより好ましく、20以上がさらに好ましく、40以上がよりさらに好ましく、80以上がよりさらに好ましく、そして、同様の観点から、200以下が好ましく、150以下がより好ましく、130以下がさらに好ましい。
【0041】
式(III)中、Yは、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、洗浄性向上の観点から、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましい。該アルキル基は、直鎖状及び分岐状のいずれの形態であってもよい。炭素数1以上3以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
【0042】
モノマーa22としては、式(III)中のrが0の場合、例えば、ポリエチレングリコールビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、エトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、プロポキシポリエチレングリコールビニルエーテル、ポリプロピレングリコールビニルエーテル、メトキシポリプロピレングリコールビニルエーテル、エトキシポリプロピレングリコールビニルエーテル、プロポキシポリプロピレングリコールビニルエーテル、ポリエチレングリコールイソプロペニルエーテル、ポリプロレングリコールイソプロペニルエーテル等が挙げられる。
【0043】
モノマーa22としては、式(III)中のrが1の場合、例えば、ポリエチレングリコールアリルエーテル、メトキシポリエチレングリコールアリルエーテル、エトキシポリエチレングリコールアリルエーテル、プロポキシポリエチレングリコールアリルエーテル、ポリプロピレングリコールアリルエーテル、メトキシポリプロピレングリコールアリルエーテル、エトキシポリプロピレングリコールアリルエーテル、プロポキシポリプロピレングリコールアリルエーテル、ポリエチレングリコール−2−メチルアリルエーテル、ポリプロレングリコール−2−メチルアリルエーテル、ポリエチレングリコール−2−ブテニルエーテル、ポリプロレングリコール−2−ブテニルエーテル等が挙げられる。
【0044】
モノマーa22としては、式(III)中のrが2の場合、例えば、ポリエチレングリコール−3−ブテニルエーテル、メトキシポリエチレングリコール−3−ブテニルエーテル、エトキシポリエチレングリコール−3−ブテニルエーテル、プロポキシポリエチレングリコール−3−ブテニルエーテル、ポリプロピレングリコール−3−ブテニルエーテル、メトキシポリプロピレングリコール−3−ブテニルエーテル、エトキシポリプロピレングリコール−3−ブテニルエーテル、プロポキシポリプロピレングリコール−3−ブテニルエーテル、ポリエチレングリコール−3−メチル−3−ブテニルエーテル、メトキシポリエチレングリコール−3−メチル−3−ブテニルエーテル、エトキシポリエチレングリコール−3−メチル−3−ブテニルエーテル、プロポキシポリエチレングリコール−3−メチル−3−ブテニルエーテル、ポリプロレングリコール−3−メチル−3−ブテニルエーテル、メトキシポリプロレングリコール−3−メチル−3−ブテニルエーテル、エトキシポリプロレングリコール−3−メチル−3−ブテニルエーテル、プロポキシポリプロレングリコール−3−メチル−3−ブテニルエーテル等が挙げられる。
【0045】
本開示における成分Aの全構成単位中の構成単位(a2)に対する構成単位(a1)のモル比a1/a2は、洗浄性向上の観点から、0.1以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、1以上がさらに好ましく、2以上がよりさらに好ましく、そして、同様の観点から、100以下が好ましく、50以下がより好ましく、30以下がさらに好ましく、20以下がよりさらに好ましい。成分Aの全構成単位中のモル比a1/a2は、洗浄性向上の観点から、0.1以上100以下が好ましく、0.5以上50以下がより好ましく、1以上30以下がさらに好ましく、2以上20以下がよりさらに好ましい。
【0046】
本開示における成分Aは、構成単位(a1)及び構成単位(a2)以外の他の構成単位をさらに含有することができる。他の構成単位としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アクリルアミド類、酢酸ビニル、スチレン、オレフィン、ビニルアルコール、アリルアルコール、アリルアルコールのポリアルキレンオキサイド付加物等から選ばれる少なくとも1種の化合物由来の構成単位が挙げられる。本開示における成分Aの全構成単位中、前記他の構成単位の含有量は、本開示の効果を発現させる観点から、10質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましい。
【0047】
本開示における成分Aは、モノマーa1及びモノマーa2を含むモノマー混合物を溶液重合法で重合させる等、公知の方法で得ることができる。溶液重合に用いられる溶媒としては、水;トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素;エタノール、2−プロパノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル;等が挙げられる。重合に用いられる重合開始剤としては、公知のラジカル開始剤を用いることができ、例えば、ペルオキソ二硫酸アンモニウム(過硫酸アンモニウム塩)、過酸化水素水、ペルオキソ二硫酸ナトリウム等が挙げられる。重合の際、連鎖移動剤をさらに用いることができ、例えば、2−メルカプトエタノール、β−メルカプトプロピオン酸等のチオール系連鎖移動剤;1,2−プロパンジオール等の連鎖移動剤兼溶媒が挙げられる。本開示において、成分Aの全構成単位中の各構成単位の含有量は、重合に用いるモノマー全量に対する各モノマーの使用量の割合とみなすことができる。
【0048】
成分Aを構成する各構成単位の配列は、ランダム、ブロック、又はグラフトのいずれでもよい。
【0049】
成分Aが、モノマーa1由来の塩生成基(−COOH、−(CH2)pCOOH)を有している場合、中和剤により中和して用いることができる。中和剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等が挙げられる。
【0050】
成分Aの重量平均分子量は、洗浄性の観点から、15000以上であって、20000以上が好ましく、25000以上がより好ましく、30000以上がさらに好ましく、50000以上がよりさらに好ましく、そして、同様の観点から、200000以下であって、150000以下が好ましく、100000以下がより好ましく、80000以下がさらに好ましい。成分Aの重量平均分子量は、洗浄性の観点から、15000以上200000以下であって、20000以上150000以下が好ましく、20000以上100000以下がより好ましく、20000以上80000以下がさらに好ましく、25000以上80000以下がよりさらに好ましい。本開示において重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(ポリエチレングリコール換算)によるものであり、具体的には、実施例に記載の方法により測定できる。
【0051】
本開示に係る洗浄剤組成物中の水以外の成分の合計質量に対する成分Aの含有量は、洗浄性向上の観点から、1質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上がよりさらに好ましく、そして、同様の観点から、99.9質量%以下が好ましく、99質量%以下がより好ましく、98質量%以下がさらに好ましい。さらに、洗浄剤組成物中の水以外の成分の合計質量に対する成分Aの含有量は、洗浄性向上の観点から、1質量%以上99.9質量%以下が好ましく、10質量%以上99.9質量%以下がより好ましく、15質量%以上99質量%以下がさらに好ましく、20質量%以上98質量%以下がよりさらに好ましい。
【0052】
本開示に係る洗浄剤組成物の洗浄時における成分Aの含有量は、洗浄性の観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましく、1質量%以下がよりさらに好ましく、0.5質量%以下がよりさらに好ましく、0.2質量%以下がよりさらに好ましい。さらに、洗浄剤組成物中の洗浄時における成分Aの含有量は、同様の観点から、0.001質量%以上10質量%以下が好ましく、0.005質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.01質量%以上2質量%以下がさらに好ましく、0.01質量%以上1質量%以下がよりさらに好ましく、0.01質量%以上0.5質量%以下がよりさらに好ましく、0.01質量%以上0.2質量%以下がよりさらに好ましい。
【0053】
本開示に係る洗浄剤組成物は、後述するように、濃縮物として製造され、洗浄する際に希釈して使用してもよいことから、本開示において「洗浄剤組成物の洗浄時における各成分の含有量」とは、一又は複数の実施形態において、洗浄工程に使用される洗浄剤組成物の各成分の含有量をいう。よって、本開示において洗浄時の洗浄剤組成物、つまり、洗浄工程に使用される洗浄剤組成物とは、一又は複数の実施形態において、希釈された状態での洗浄剤組成物をいう。
【0054】
[成分B:アルカリ剤]
本開示に係る洗浄剤組成物は、アルカリ剤(成分B)をさらに含有してもよい。アルカリ剤としては、洗浄剤組成物にアルカリ性を付与できる化合物や洗浄剤組成物のpHを後述の範囲内に調整できる化合物が挙げられ、例えば、無機アルカリ剤及び有機アルカリ剤等が挙げられる。無機アルカリ剤としては、例えば、アンモニア;水酸化カリウム及び水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物;等が挙げられる。有機アルカリ剤としては、例えば、ヒドロキシアルキルアミン、第四級アンモニウム塩等が挙げられる。ヒドロキシアルキルアミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、メチルプロパノールアミン、メチルジプロパノールアミン、及びアミノエチルエタノールアミン等が挙げられる。第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、及びコリン等が挙げられる。これらのアルカリ剤は、単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
【0055】
成分Bとしては、洗浄性向上の観点から、アルカリ金属水酸化物、ヒドロキシアルキルアミン及び第四級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種が好ましく、排水処理負荷低減の観点から、アルカリ金属水酸化物がより好ましく、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムの少なくとも1種がさらに好ましい。
【0056】
本開示に係る洗浄剤組成物中の水以外の成分の合計質量に対する成分Bの含有量は、洗浄性向上の観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、99質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましく、75質量%以下がよりさらに好ましい。さらに、本開示に係る洗浄剤組成物中の水以外の成分の合計質量に対する成分Bの含有量は、洗浄性向上の観点から、0.1質量%以上99質量%以下が好ましく、0.1質量%以上90質量%以下がより好ましく、0.3質量%以上80質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以上75質量%以下がよりさらに好ましい。
【0057】
本開示に係る洗浄剤組成物の洗浄時における成分Bの含有量は、洗浄性の観点から、0.00005質量%以上が好ましく、0.0001質量%以上がより好ましく、0.001質量%以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、2.0質量%以下が好ましく、0.3質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下がさらに好ましく、0.07質量%以下がさらにより好ましく、0.05質量%以下がよりさらに好ましい。さらに、洗浄剤組成物の洗浄時における成分Bの含有量は、同様の観点から、0.00005質量%以上2.0質量%以下が好ましく、0.00005質量%以上0.3質量%以下がより好ましく、0.00005質量%以上0.1質量%以下がさらに好ましく、0.0001質量%以上0.07質量%以下がよりさらに好ましく、0.001質量%以上0.05質量%以下がよりさらに好ましい。
【0058】
本開示に係る洗浄剤組成物中の成分Bの含有量に対する成分Aの含有量の比A/Bは、洗浄性向上の観点から、0.01以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、0.3以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、20000以下が好ましく、1000以下がより好ましく、100以下がさらに好ましい。洗浄剤組成物中の含有量の比A/Bは、洗浄性向上の観点から、0.01以上20000以下が好ましく、0.1以上1000以下がより好ましく、0.3以上100以下がさらに好ましい。
【0059】
[成分C:水]
本開示に係る洗浄剤組成物は、さらに水(成分C)を含有してもよい。前記水は、溶媒としての役割を果たすことができるものであれば特に制限はなく、例えば、超純水、純水、イオン交換水、又は蒸留水等を挙げることができるが、超純水、純水、又はイオン交換水が好ましく、超純水がより好ましい。純水及び超純水は、例えば、水道水を活性炭に通し、イオン交換処理し、さらに蒸留したものを、必要に応じて所定の紫外線殺菌灯を照射、又はフィルターに通すことにより得ることができる。
【0060】
本開示に係る洗浄剤組成物の洗浄時における成分Cの含有量は、洗浄性向上及び洗浄剤組成物の安定化の観点から、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、99質量%以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、99.99質量%以下が好ましく、99.98質量%以下がより好ましく、99.97質量%以下がさらに好ましい。
【0061】
[任意成分]
本開示に係る洗浄剤組成物は、上記成分A〜C以外に、キレート剤、アニオンポリマー、ノニオン性界面活性剤、可溶化剤、酸化防止剤、防腐剤、消泡剤、抗菌剤等の任意成分を含有することができる。任意成分は、本開示の効果を損なわない範囲で洗浄剤組成物中に含有されることが好ましく、洗浄剤組成物の洗浄時における任意成分の含有量は、0質量%以上2.0質量%以下が好ましく、0質量%以上1.5質量%以下がより好ましく、0質量%以上1.3質量%以下がさらに好ましく、0質量%以上1.0質量%以下がよりさらに好ましい。
【0062】
(キレート剤)
本開示に係る洗浄剤組成物は、洗浄性の向上の観点から、キレート剤を含有してもよい。キレート剤としては、例えば、グルコン酸、グルコヘプトン酸等のアルドン酸類;エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸等のアミノカルボン酸類;クエン酸、リンゴ酸等のヒドロキシカルボン酸類;1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸等のホスホン酸類;及びこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
【0063】
(アニオンポリマー)
本開示に係る洗浄剤組成物は、洗浄性の向上の観点から、カルボン酸系重合体等のアニオンポリマーを含有してもよい。カルボン酸系重合体としては、例えば、アクリル酸重合体、メタクリル酸重合体、マレイン酸重合体、アクリル酸/メタクリル酸の共重合体、アクリル酸/マレイン酸の共重合体、メタクリル酸/アクリル酸メチルエステルの共重合体等のメタクリル酸又はアクリル酸を構成単位に含むアニオンポリマーが挙げられる。
【0064】
(ノニオン性界面活性剤)
本開示に係る洗浄剤組成物は、洗浄性の向上の観点から、ノニオン性界面活性剤を含有してもよい。ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル等が挙げられる。
【0065】
(可溶化剤)
本開示に係る洗浄剤組成物は、保存安定性向上の観点から、可溶化剤を含有してもよい。可溶化剤としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、ジメチルベンゼンスルホン酸、2−エチルヘキサン酸、及びこれらの塩から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
【0066】
本開示に係る洗浄剤組成物は、溶媒として上記水に加えて水系溶媒(例えば、エタノール等のアルコール)をさらに含有してもよいが、本開示に係る洗浄剤組成物に含まれる溶媒は水のみからなることが好ましい。
【0067】
[洗浄剤組成物のpH]
本開示に係る洗浄剤組成物の洗浄時のpHは、8以上であって、洗浄性の観点から、9以上が好ましく、9.5以上がより好ましく、10以上がさらに好ましく、10.5以上がよりさらに好ましく、そして、同様の観点から、14以下が好ましく、13以下がより好ましく、12.5以下がさらに好ましく、12以下がよりさらに好ましく、11.5以下がよりさらに好ましい。本開示に係る洗浄剤組成物のpH調整は、例えば、洗浄性の向上の観点から、酸や成分Bのアルカリ剤を用いて行うことができる。酸としては、例えば、硝酸、硫酸、塩酸等の無機酸;オキシカルボン酸、アミノ酸等の有機酸;等が挙げられる。本開示において「洗浄時のpH」とは、25℃における洗浄剤組成物の使用時(希釈後)のpHであり、pHメータを用いて測定でき、好ましくはpHメータの電極を洗浄剤組成物に浸漬して3分後の数値である。
【0068】
[洗浄剤組成物の製造方法]
本開示に係る洗浄剤組成物は、成分A、並びに必要に応じて成分B、成分C及び任意成分を公知の方法で配合することにより製造できる。例えば、本開示に係る洗浄剤組成物は、少なくとも成分Aを配合してなるものとすることができる。したがって、本開示は、少なくとも成分Aを配合する工程を含む、洗浄剤組成物の製造方法に関する。本開示において「配合」とは、成分A並びに必要に応じて成分B、成分C及び任意成分を同時又は任意の順に混合することを含む。本開示に係る洗浄剤組成物の製造方法において、各成分の配合量は、上述した本開示に係る洗浄剤組成物の各成分の含有量と同じとすることができる。
【0069】
本開示に係る洗浄剤組成物は、貯蔵及び輸送の観点から、濃縮物として製造され、使用時に希釈されてもよい。洗浄剤組成物の濃縮物は、貯蔵及び輸送の観点から、希釈倍率3倍以上の濃縮物とすることが好ましく、保管安定性の観点から、希釈倍率200倍以下の濃縮物とすることが好ましい。洗浄剤組成物の濃縮物は、使用時に各成分の含有量が、上述した含有量(すなわち、洗浄時の含有量)となるように水で希釈して使用することができる。さらに洗浄剤組成物の濃縮物は、使用時に各成分を別々に添加して使用することもできる。本開示において洗浄剤組成物の濃縮物の「使用時」又は「洗浄時」とは、洗浄剤組成物の濃縮物が希釈された状態をいう。
【0070】
本開示に係る洗浄剤組成物の濃縮物のpHは、希釈後の洗浄性向上の観点から、8以上が好ましく、9.0以上がより好ましく、9.5以上がさらに好ましく、10.0以上がよりさらに好ましく、そして、同様の観点から、14.0以下が好ましく、13.0以下がより好ましく、12.0以下がさらに好ましい。本開示に係る洗浄剤組成物の濃縮物のpHは、前記本開示に係る洗浄剤組成物のpHと同様の方法で測定することができる。
【0071】
[被洗浄基板]
本開示に係る洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態において、研磨液組成物で研磨された基板、又は、パーティクルが残留又は付着している基板の洗浄に使用されうる。
【0072】
被洗浄基板としては、例えば、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板、ガラス基板等が挙げられる。ガラス基板としては、結晶化ガラス基板でもよいし、非結晶化ガラス基板でもよい。
【0073】
被洗浄基板に残留又は付着するパーティクルとしては、一又は複数の実施形態において、酸化ニッケル、シリカ等の研磨くず由来のパーティクル;シリカ、アルミナ、セリア等の研磨砥粒由来のパーティクル;等が挙げられる。
【0074】
本開示に係る洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態において、洗浄効果の点から、酸化ニッケル、シリカ等の研磨くず由来のパーティクル、好ましくは酸化ニッケルの研磨くず由来のパーティクルが付着した基板の洗浄に好適に用いられうる。さらに、本開示に係る洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態において、洗浄効果の点から、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板、好ましくは研磨液組成物で研磨された後のNi−Pメッキされたアルミニウム合金基板の洗浄、より好ましくはシリカ砥粒を含有する研磨液組成物で研磨された後のNi−Pメッキされたアルミニウム合金基板の洗浄に好適に用いられうる。
【0075】
[基板の洗浄方法]
本開示は、一態様において、本開示に係る洗浄剤組成物を用いて、被洗浄基板を洗浄する洗浄工程を含み、前記被洗浄基板は、研磨液組成物で研磨された基板である、基板の洗浄方法(以下、「本開示に係る洗浄方法」ともいう)に関する。本開示に係る洗浄方法は、前記本開示に係る洗浄剤組成物の濃縮物を希釈する希釈工程をさらに含むことができる。被洗浄基板としては、上述した基板を用いることができる。前記洗浄工程は、一又は複数の実施形態において、被洗浄基板に本開示に係る洗浄剤組成物を接触させる工程を含むことができる。前記洗浄工程は、一又は複数の実施形態において、浸漬洗浄及び/又はスクラブ洗浄を行うことを含むことができる。本開示に係る洗浄方法であれば、基板表面に付着したパーティクル、好ましくは酸化ニッケル、酸化珪素等の研磨くず由来のパーティクル、より好ましくは酸化ニッケルの研磨くず由来のパーティクルを効率よく除去できる。
【0076】
(浸漬洗浄)
被洗浄基板の洗浄剤組成物への浸漬条件としては、特に制限はない。例えば、洗浄剤組成物の温度は、作業性及び操業性の観点から、20〜100℃が好ましい。例えば、浸漬時間は、洗浄剤組成物による洗浄性の向上の観点から、5秒以上が好ましく、10秒以上がより好ましく、100秒以上がさらに好ましく、そして、洗浄された基板の生産効率の向上の観点から、30分以下が好ましく、10分以下がより好ましく、5分以下がさらに好ましい。残留物の除去性及び残留物の分散性を高める観点から、洗浄剤組成物には超音波振動が付与されていると好ましい。超音波の周波数としては、例えば、20〜2000kHzが好ましく、40〜2000kHzがより好ましく、40〜1500kHzがさらに好ましい。
【0077】
(スクラブ洗浄)
スクラブ洗浄の方法としては、研磨粒子等の残留物の洗浄性や油分の溶解性を促進させる観点から、超音波振動が与えられている洗浄剤組成物を射出して、被洗浄基板の表面に洗浄剤組成物を接触させて当該表面を洗浄すること、又は、洗浄剤組成物を被洗浄基板の表面上に射出により供給し、洗浄剤組成物が供給された当該表面を洗浄用ブラシでこすることにより洗浄することが好ましい。さらに、スクラブ洗浄の方法は、同様の観点から、超音波振動が与えられている洗浄剤組成物を射出により洗浄対象の表面に供給し、かつ、洗浄剤組成物が供給された当該表面を洗浄用ブラシでこすることにより洗浄することが好ましい。
【0078】
洗浄剤組成物を被洗浄基板の表面上に供給する手段としては、例えば、スプレーノズル等の手段を用いることができる。洗浄用ブラシとしては、特に制限はなく、例えばナイロンブラシやPVA(ポリビニルアルコール)スポンジブラシ等を使用することができる。超音波の周波数としては、例えば、上述の浸漬洗浄で好ましく採用される値と同様とすることができる。
【0079】
本開示に係る洗浄方法は、前記浸漬洗浄及び/又は前記スクラブ洗浄に加えて、揺動洗浄、スピンナー等の回転を利用した洗浄、パドル洗浄等の公知の洗浄を用いる工程を1つ以上含んでもよい。
【0080】
本開示に係る洗浄方法では、被洗浄基板を一枚ずつ洗浄してもよいが、複数枚の洗浄すべき被洗浄基板を一度にまとめて洗浄してもよい。洗浄の際に用いる洗浄槽の数は1つでも複数でもよい。
【0081】
[ハードディスク用基板の製造方法]
本開示は、一態様において、本開示に係る洗浄剤組成物を用いて、被洗浄基板を洗浄する工程を含む、ハードディスク用基板の製造方法(以下、「本開示に係る製造方法」ともいう)に関する。被洗浄基板としては上述した基板を用いることができる。
【0082】
一般に、ハードディスク用基板の基となる基材が、形状加工工程、粗研削工程、精研削工程、粗研磨工程、仕上げ研磨工程等を経ることにより、ハードディスク用基板が製造されうる。そして、前記各工程の間には洗浄工程が含まれることがある。ハードディスク用基板は、例えば、最終の洗浄工程の後に記録部形成工程を経ることで磁気ハードディスクとなりうる。
【0083】
記録部形成工程は、例えば、スパッタ等の方法により、磁気記録領域を有し金属薄膜を含む磁性層をハードディスク用基板上に形成することにより行うことができる。前記金属薄膜を構成する金属材料としては、例えば、クロム、タンタル、白金等とコバルトとの合金、鉄と白金等との合金等が挙げられる。磁性層は、ハードディスク用基板の両主面側に形成されてもよいし、一方の主面側にのみ形成されてもよい。
【0084】
前記粗研磨工程と前記仕上げ研磨工程は、例えば、この順で行われる。粗研磨工程の際に用いられる研磨剤組成物に含まれる無機微粒子としては、例えば、高速研磨が可能であるという理由から、酸化セリウム粒子又はアルミナ粒子が好ましい。仕上げ研磨工程の際に用いられる研磨剤組成物に含まれる無機微粒子は、表面の平滑性(表面粗さ)を向上させるという理由から、シリカ粒子が好ましい。
【0085】
一又は複数の実施形態において、粗研磨工程の後、洗浄剤組成物を用いた洗浄工程(第1洗浄工程)、すすぎ工程(第1すすぎ工程)、乾燥工程(第1乾燥工程)、仕上げ研磨工程、洗浄剤組成物を用いた洗浄工程(第2洗浄工程)、すすぎ工程(第2すすぎ工程)、及び乾燥工程(第2乾燥工程)をこの順で行うことができる。本開示に係る洗浄方法は、前記第1洗浄工程及び/又は前記第2洗浄工程に適用することができる。本開示に係る洗浄方法は、洗浄性の向上の観点から、第2洗浄工程に用いることが好ましい。
【0086】
したがって、本開示は、一態様において、以下の工程(1)及び工程(2)を含むハードディスク用基板の製造方法に関する。
(1)研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する研磨工程。
(2)工程(1)で得られた基板(被洗浄基板)を、本開示に係る洗浄剤組成物を用いて洗浄する洗浄工程。
【0087】
前記工程(1)における被研磨基板は、一般に精研削工程を経た後の基板であり、粗研磨工程を経た後の基板であることが好ましい。被研磨基板については、上述の被洗浄基板と同様の基板を用いることができる。工程(1)は、被研磨基板の研磨対象面に研磨液組成物を供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、所定の圧力(荷重)をかけながら、研磨パッドや被研磨基板を動かすこと等によって行うことができる。工程(1)は、最終の基板の品質を向上させる観点から、シリカ粒子を含む研磨液組成物を用いた仕上げ研磨工程であることが好ましい。仕上げ研磨工程においては、研磨液組成物を繰り返し使用することが好ましい。
【0088】
前記工程(2)の洗浄工程は、上述した本開示に係る洗浄方法と同様に行うことができる。
【0089】
[キット]
本開示は、一態様において、洗浄剤組成物を製造するためのキットであって、成分Aを含む溶液が容器に収容された容器入り成分A溶液を含む、キット(以下、「本開示に係るキット」ともいう)に関する。本開示に係るキットは、前記容器入り成分A溶液とは別の容器に収納された、成分B、成分C及び任意成分から選ばれる少なくとも1種をさらに含むことができる。例えば、本開示に係るキットとしては、成分Aを含む溶液(第一液)と、成分Bを含む溶液(第二液)とが、相互に混合されない状態で保管されており、これらが使用時に混合されるキット(2液型洗浄剤組成物)が挙げられる。第一液及び第二液の各々には、必要に応じて上述した成分C及び任意成分が混合されていてもよい。第一液と第二液との混合時に、例えば、第二液の使用量を調整することにより、洗浄剤組成物中の各成分の濃度を調整することができる。
本開示によれば、基板表面に残留するパーティクルの洗浄性に優れるハードディスク用基板用の洗浄剤組成物が得られうるキットを提供できる。
【0090】
[ハードディスク記録装置]
本開示は、一態様において、本開示に係る洗浄剤組成物を用いて洗浄したハードディスク用基板を使用したハードディスク記録装置(以下、「本開示に係るハードディスク記録装置」ともいう)に関する。本開示に係る洗浄剤組成物を用いて洗浄したハードディスク用基板を使用することで、高記録密度のハードディスク記録装置を提供できる。
【0091】
本開示はさらに以下の一又は複数の実施形態に関する。
<1> 下記一般式(I)で表されるモノマーa1又はその無水物由来の構成単位(a1)、並びに、下記一般式(II)で表されるモノマー及び下記一般式(III)で表されるモノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマーa2由来の構成単位(a2)を含むポリマー(成分A)を含有し、
成分Aの重量平均分子量は、15000以上200000以下であり、
pHが8以上である、ハードディスク用基板用の洗浄剤組成物。
【化7】
〔式(I)中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、又は−(CH2)pCOOM2を示し、M1及びM2はそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム基、又はアンモニウム基を示し、pは0以上2以下の整数を示す。〕
【化8】
〔式(II)中、R4及びR5はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、qは0以上2以下の整数を示し、AOは炭素数2又は3のアルキレンオキシ基を示し、nはAOの平均付加モル数であって、4以上300以下の数を示し、Xは水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。〕
【化9】
〔式(III)中、R6及びR7はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、rは0以上2以下の整数を示し、AOは炭素数2又は3のアルキレンオキシ基を示し、mはAOの平均付加モル数であって、4以上300以下の数を示し、Yは水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。〕
【0092】
<2> 式(I)中、R1、R2及びR3は、水素原子、メチル基及び−(CH2)pCOOM2から選ばれる少なくとも1種であって、R1及びR3は水素原子、R2は水素原子またはメチル基が好ましく、R1及びR3は水素原子、R2はメチル基がより好ましい、<1>に記載の洗浄剤組成物。
<3> 式(I)中、M1及びM2は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)
、有機アンモニウム基、及びアンモニウム基から選ばれる少なくとも1種であって、アルカリ金属が好ましく、ナトリウム及びカリウムがより好ましい、<1>又は<2>に記載の洗浄剤組成物。
<4> 式(I)中、pは0以上2以下の整数であって、0又は1が好ましく、0がより好ましい、
<1>から<3>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<5> 式(II)中、nは、4以上であって、6以上が好ましく、9以上がより好ましく、20以上がさらに好ましく、40以上がよりさらに好ましく、80以上がよりさらに好ましい、<1>から<4>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<6> 式(II)中、nは300以下であって、200以下が好ましく、150以下がより好ましく、130以下がさらに好ましい、<1>から<5>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<7> 式(II)中、Xは、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基であって、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましい、<1>から<6>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<8> 成分Aの全構成単位中の構成単位(a2)に対する構成単位(a1)のモル比a1/a2は、0.1以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、1以上がさらに好ましく、2以上がよりさらに好ましい、<1>から<7>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<9> 成分Aの全構成単位中の構成単位(a2)に対する構成単位(a1)のモル比a1/a2は、100以下が好ましく、50以下がより好ましく、30以下がさらに好ましく、20以下がよりさらに好ましい、<1>から<8>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<10> 成分Aの全構成単位中の構成単位(a2)に対する構成単位(a1)のモル比a1/a2は、0.1以上100以下が好ましく、0.5以上50以下がより好ましく、1以上30以下がさらに好ましく、2以上20以下がよりさらに好ましい、<1>から<9>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<11> 成分Aの重量平均分子量は、15000以上であって、20000以上が好ましく、25000以上がより好ましく、30000以上がさらに好ましく、50000以上がよりさらに好ましい、<1>から<10>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<12> 成分Aの重量平均分子量は、200000以下であって、150000以下が好ましく、100000以下がより好ましく、80000以下がさらに好ましい、<1>から<11>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<13> 成分Aの重量平均分子量は、15000以上200000以下であって、20000以上150000以下が好ましく、20000以上100000以下がより好ましく、20000以上80000以下がさらに好ましく、25000以上80000以下がよりさらに好ましい、<1>から<12>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<14> 洗浄剤組成物中の水以外の成分の合計質量に対する成分Aの含有量は、1質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上がよりさらに好ましい、<1>から<13>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<15> 洗浄剤組成物中の水以外の成分の合計質量に対する成分Aの含有量は、99.9質量%以下が好ましく、99質量%以下がより好ましく、98質量%以下がさらに好ましい、<1>から<14>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<16> 洗浄剤組成物中の水以外の成分の合計質量に対する成分Aの含有量は、1質量%以上99.9質量%以下が好ましく、10質量%以上99.9質量%以下がより好ましく、15質量%以上99質量%以下がさらに好ましく、20質量%以上98質量%以下がよりさらに好ましい、<1>から<15>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<17> 洗浄剤組成物の洗浄時における成分Aの含有量は、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上がさらに好ましい、<1>から<16>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<18> 洗浄剤組成物の洗浄時における成分Aの含有量は、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましく、1質量%以下がよりさらに好ましく、0.5質量%以下がよりさらに好ましく、0.2質量%以下がよりさらに好ましい、<1>から<17>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<19> 洗浄剤組成物中の洗浄時における成分Aの含有量は、0.001質量%以上10質量%以下が好ましく、0.005質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.01質量%以上2質量%以下がさらに好ましく、0.01質量%以上1質量%以下がよりさらに好ましく、0.01質量%以上0.5質量%以下がよりさらに好ましく、0.01質量%以上0.2質量%以下がよりさらに好ましい、<1>から<18>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<20> アルカリ剤(成分B)をさらに含有する、<1>から<19>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<21> 成分Bは、アルカリ金属水酸化物、ヒドロキシアルキルアミン及び第四級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種が好ましく、アルカリ金属水酸化物がより好ましく、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムの少なくとも1種がさらに好ましい、<20>に記載の洗浄剤組成物。
<22> 洗浄剤組成物中の水以外の成分の合計質量に対する成分Bの含有量は、0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましい、<20>又は<21>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<23> 洗浄剤組成物中の水以外の成分の合計質量に対する成分Bの含有量は、99質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましく、75質量%以下がよりさらに好ましい、<20>から<22>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<24> 洗浄剤組成物中の水以外の成分の合計質量に対する成分Bの含有量は、0.1質量%以上90質量%以下が好ましく、0.3質量%以上80質量%以下がより好ましく、0.5質量%以上75質量%以下がさらに好ましい、<20>から<23>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<25> 洗浄剤組成物の洗浄時における成分Bの含有量は、0.00005質量%以上が好ましく、0.0001質量%以上がより好ましく、0.001質量%以上がさらに好ましい、<20>から<24>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<26> 洗浄剤組成物の洗浄時における成分Bの含有量は、2.0質量%以下が好ましく、0.3質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下がさらに好ましく、0.07質量%以下がよりさらに好ましく、0.05質量%以下がよりさらに好ましい、<20>から<25>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<27> 洗浄剤組成物の洗浄時における成分Bの含有量は、0.00005質量%以上2.0質量%以下が好ましく、0.00005質量%以上0.3質量%以下がより好ましく、0.00005質量%以上0.1質量%以下がさらに好ましく、0.0001質量%以上0.07質量%以下がよりさらに好ましく、0.001質量%以上0.05質量%以下がよりさらに好ましい、<20>から<26>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<28> 洗浄剤組成物中の成分Bの含有量に対する成分Aの含有量の比A/Bは、0.01以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、0.3以上がさらに好ましい、<20>から<27>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<29> 洗浄剤組成物中の成分Bの含有量に対する成分Aの含有量の比A/Bは、20000以下が好ましく、1000以下がより好ましく、100以下がさらに好ましい、<20>から<28>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<30> 洗浄剤組成物中の成分Bの含有量に対する成分Aの含有量の比A/Bは、0.01以上20000以下が好ましく、0.1以上1000以下がより好ましく、0.3以上100以下がさらに好ましい、<20>から<29>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<31> 水(成分C)をさらに含有する、<1>から<30>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<32> 洗浄剤組成物の洗浄時における成分Cの含有量は、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、99質量%以上がさらに好ましい、<31>に記載の洗浄剤組成物。
<33> 洗浄剤組成物の洗浄時における成分Cの含有量は、99.99質量%以下が好ましく、99.98質量%以下がより好ましく、99.97質量%以下がさらに好ましい、<31>又は<32>に記載の洗浄剤組成物。
<34> キレート剤、アニオンポリマー、ノニオン性界面活性剤、可溶化剤、酸化防止剤、防腐剤、消泡剤及び抗菌剤から選ばれる少なくとも1種の任意成分をさらに含有する、<1>から<33>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<35> 洗浄剤組成物の洗浄時における任意成分の含有量は、0質量%以上2.0質量%以下が好ましく、0質量%以上1.5質量%以下がより好ましく、0質量%以上1.3質量%以下がさらに好ましく、0質量%以上1.0質量%以下がよりさらに好ましい、<34>に記載の洗浄剤組成物。
<36> 洗浄時のpHは、8以上であって、9以上が好ましく、9.5以上がより好ましく、10以上がさらに好ましく、10.5以上がよりさらに好ましい、<1>から<35>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<37> 洗浄時のpHは、14以下が好ましく、13以下がより好ましく、12.5以下がさらに好ましく、12以下がよりさらに好ましく、11.5以下がよりさらに好ましい、<1>から<36>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<38> 研磨液組成物で研磨された基板、又はパーティクルが残留又は付着している基板の洗浄のための、<1>から<37>のいずれかに記載の洗浄剤組成物の使用。
<39> <1>から<37>のいずれかに記載の洗浄剤組成物を用いて被洗浄基板を洗浄する洗浄工程を含み、前記被洗浄基板は、研磨液組成物で研磨された基板である、基板の洗浄方法。
<40> 前記基板が、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板である、<39>に記載の洗浄方法。
<41> 前記研磨液組成物が、シリカ砥粒を含有する研磨液組成物である、<39>又は<40>に記載の洗浄方法。
<42> <1>から<37>のいずれかに記載の洗浄剤組成物を用いて被洗浄基板を洗浄する洗浄工程を含み、前記被洗浄基板は、研磨液組成物で研磨された基板である、ハードディスク用基板の製造方法。
<43> <1>から<37>のいずれかに記載の洗浄剤組成物を製造するためのキットであって、成分Aを含む溶液が容器に収容された容器入り成分A溶液を含む、キット。
<44> <1>から<37>のいずれかに記載の洗浄剤組成物を用いて洗浄したハードディスク用基板を使用したハードディスク記録装置。
<45> <1>から<37>のいずれかに記載の洗浄剤組成物のハードディスク用基板の洗浄への使用。
【実施例】
【0093】
以下に、実施例により本開示を具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
【0094】
1.ポリマー(成分A)の調製
表1に示すポリマーA1〜A16の調製には、下記原料を用いた。
【0095】
<モノマーa1>
(1)MAA:メタクリル酸(東京化成工業株式会社製)
(2)AA:アクリル酸(和工純薬工業株式会社製)
(3)MA:無水マレイン酸(三菱化学株式会社製)
【0096】
<モノマーa2>
(1)モノマーa2−1
80℃に溶融したエチレンオキシド付加モル数120のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(重量平均分子量5344)1000質量部を、温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管及び冷却凝縮器を備えたガラス製反応容器に仕込んだ。次に、ハイドロキノン3質量部、p-トルエンスルホン酸32質量部を投入した。ここでポリエチレングリコールモノメチルエーテルとメタクリル酸の合計質量1kg当たり6ml/minとなる流量で空気を反応液中に導入し、さらに反応容器の気相部に12ml/minの流量で窒素を導入しながら、メタクリル酸483質量部(ポリエチレングリコールモノメチルエーテルに対して30モル倍となる量)を投入し、加熱及び反応容器内の減圧を開始した。圧力は26.7kPaに制御し、反応液温度が105℃に到達した時点を反応開始時刻とし、引き続き加熱して反応液温度を110℃に維持して反応水とメタクリル酸を留出させながら反応を行った。圧力は、反応開始1時間後に12〜13.3kPaに減圧したのち、そのまま維持した。反応開始から6時間後に圧力を常圧に戻し、p−トルエンスルホン酸に対して1.05倍当量の48%水酸化ナトリウム水溶液を添加して中和し、反応を終了させた。その後、反応液温度を130℃以下に維持し、真空蒸留法により、未反応のメタクリル酸を回収し、エステル化反応物を得た。100℃まで冷却後、この反応物に飽和食塩水200質量部、トルエン1000質量部を加え、50℃に調整した。分層した下層の抜出、飽和食塩水200質量部の追加、分層、を5回繰り返した後、トルエンを留去し、精製されたモノマーa2−1のメトキシポリエチレングリコールメタクリル酸エステル(EO平均付加モル数120)を得た。
(2)モノマーa2−2
メトキシポリエチレングリコールメタクリル酸エステル(EO平均付加モル数23)、M−230G(新中村化学工業株式会社製)
(3)モノマーa2−3
メトキシポリエチレングリコールメタクリル酸エステル(EO平均付加モル数9)、M−90G(新中村化学工業株式会社製)
(4)モノマーa2−4
ポリエチレングリコールモノメチルエーテルのエチレンオキシド付加モル数を41(重量平均分子量1838)、メタクリル酸投入量を1405質量部に変えた以外は、前記モノマーa2−1と同様に製造し、精製されたモノマーa2−4のメトキシポリエチレングリコールメタクリル酸エステル(EO平均付加モル数41)を得た。
(5)EG:エチレングリコール
(6)モノマーa2−5
メトキシポリエチレングリコールアリルエーテル(平均分子量1500、EO平均付加モル数32)、ユニオックスPKA−5010(日油株式会社製)
(7)モノマーa2−6
ポリエチレングリコール−3−メチル−3−ブテニルエーテル(EO平均付加モル数50)
(8)モノマーa2−7
ポリエチレングリコールアリルエーテル(EO平均付加モル数25)
(9)モノマーa2−8
ポリエチレングリコールアクリル酸エステル(EO平均付加モル数5)
【0097】
<重合連鎖移動剤>
・2−メルカプトエタノール(東京化成工業株式会社製)
・β−メルカプトプロピオン酸(東京化成工業株式会社製)
<重合連鎖移動剤兼溶媒>
・1,2−プロパンジオール(和光純薬工業株式会社製)
<重合開始剤>
・ペルオキソ二硫酸アンモニウム(過硫酸アンモニウム)(ナカライテスク株式会社製)
・過酸化水素水(30〜35.5質量%水溶液、ナカライテスク株式会社製)
・ペルオキソ二硫酸ナトリウム(ナカライテスク株式会社製)
<中和剤>
・水酸化ナトリウム(48質量%NaOH、旭硝子株式会社製)
【0098】
[ポリマーA1の製造例]
攪拌機付反応容器に水:282g(15.7モル)を仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で75℃まで昇温した。MAA:20.7g(0.24モル)とモノマーa2−1:323g(0.06モル)(質量比=6/94、モル比=80/20)、水:239g(13.3モル)を混合溶解したものと、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:34.7g、及び2−メルカプトエタノール:1.8gをそれぞれ同時に反応系に2時間かけて滴下した。次に10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:13.9gを30分かけて滴下し、1時間同温度(75℃)で熟成した。熟成終了後、48質量%NaOH水溶液を23.9g加えて中和し、ポリマーA1(37質量%水溶液)を得た。
【0099】
[ポリマーA2の製造例]
攪拌機付反応容器に水:367g(20.4モル)を仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。MAA:62.9g(0.73モル)とモノマーa2−2:300g(0.27モル)(質量比=17.3/82.7、モル比=73/27)、水:173g(9.6モル)を混合溶解したものと、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:34.1g、及び2−メルカプトエタノール:2.9gをそれぞれ同時に反応系に2時間かけて滴下した。次に10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:11.4gを30分かけて滴下し、1時間同温度(75℃)で熟成した。熟成終了後、48質量%NaOH水溶液を61g加えて中和し、ポリマーA2(36質量%水溶液)を得た。
【0100】
[ポリマーA3の製造例]
攪拌機付反応容器に水:317g(17.6モル)を仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で75℃まで昇温した。MAA:46.5g(0.54モル)とモノマーa2−1 323g(0.06モル)(質量比=12.6/87.4、モル比=90/10)、水:239g(13.3モル)を混合溶解したものと、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:41.7g、及び2−メルカプトエタノール:1.9gをそれぞれ同時に反応系に2時間かけて滴下した。次に10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:13.9gを30分かけて滴下し、1時間同温度(75℃)で熟成した。熟成終了後、48質量%NaOH水溶液を49.3g加えて中和し、ポリマーA3(36質量%水溶液)を得た。
【0101】
[ポリマーA4の製造例]
攪拌機付反応容器に水:275g(15.3モル)を仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で75℃まで昇温した。MAA:9.5g(0.11モル)とモノマーa2−1:323g(0.06モル)(質量比=2.9/97.1、モル比a1/a2=65/35)、水:239g(13.3モル)を混合溶解したものと、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:3.8g、及び2−メルカプトエタノール1.2gをそれぞれ同時に反応系に2時間かけて滴下した。次に10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:11.9gを30分かけて滴下し、1時間同温度(75℃)で熟成した。熟成終了後、48質量%NaOH水溶液を13.1g加えて中和し、ポリマーA4(38質量%水溶液)を得た。
【0102】
[ポリマーA5の製造例]
攪拌機付反応容器に水:449g(24.9)モルを仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。MAA:55.9g(0.65モル)とモノマーa2−2:390g(0.35モル)(質量比=12.5/87.5、モル比=65/35)、水:220g(12.2モル)を混合溶解したものと、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:31.0g、及び2−メルカプトエタノール:4.2gをそれぞれ同時に反応系に2時間かけて滴下した。次に10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:10.5gを30分かけて滴下し、1時間同温度(75℃)で熟成した。熟成終了後、48質量%NaOH水溶液を54.2g加えて中和し、ポリマーA5(37質量%水溶液)を得た。
【0103】
[ポリマーA6の製造例]
攪拌機付反応容器に水:292g(16.2モル)を仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で75℃まで昇温した。MAA:102g(1.19モル)とモノマーa2−1:339g(0.063モル)(質量比=23.1/76.9、モル比=95/5)、水:252g(14.0モル)を混合溶解したものと、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:71.5g、及び2−メルカプトエタノール:10.3gをそれぞれ同時に反応系に2時間かけて滴下した。次に10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:57.2gを30分かけて滴下し、1時間同温度(75℃)で熟成した。熟成終了後、48質量%NaOH水溶液を103.3g加えて中和し、ポリマーA6(36質量%水溶液)を得た。
【0104】
[ポリマーA7の製造例]
攪拌機付反応容器に水:303g(16.8モル)を仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で75℃まで昇温した。MAA:40.4g(0.47モル)とモノマーa2−3:257g(0.53モル)(質量比=13.3/86.7、モル比=47/53)、水:152g(8.42モル)を混合溶解したものと、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:15.5g、及び2−メルカプトエタノール:2.1gをそれぞれ同時に反応系に2時間かけて滴下した。次に10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:5.2gを30分かけて滴下し、1時間同温度(75℃)で熟成した。熟成終了後、48質量%NaOH水溶液を39.2g加えて中和し、ポリマーA7(37質量%水溶液)を得た。
【0105】
[ポリマーA8の製造例]
攪拌機付反応容器に水:22.6g(1.26モル)を仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で85℃まで昇温した。AA:8.7g(0.12モル)とモノマーa2−4:89.6g(0.047モル)(質量比=8.8/91.2、モル比=72/28)、水:92.3g(5.13モル)を混合溶解したものと、5質量%過硫酸アンモニウム水溶液:15.0g、及び6質量%β−メルカプトプロピオン酸水溶液:15.0gをそれぞれ同時に反応系に1.5時間かけて滴下した。次に22質量%過硫酸アンモニウム水溶液:5.0gを5分かけて滴下し、0.5時間同温度(85℃)で熟成した。熟成終了後、48質量%NaOH水溶液を10.1g加えて中和し、ポリマーA8(38質量%水溶液)を得た。
【0106】
[ポリマーA9]
・ポリアクリル酸ナトリウム「アロンA−210」(43質量%水溶液、重量平均分子量3000、東亞合成株式会社製)
[ポリマーA10]
・ポリアクリル酸ナトリウム(35質量%水溶液、重量平均分子量60000、Polysciences,Inc.製)
[ポリマーA11]
・ポリエチレングリコールメチルエーテル(数平均分子量5000、Sigma-Aldrich社製)
[ポリマーA12]
・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム「ネオペレックス G−25」(25質量%水溶液、花王株式会社製)
【0107】
[ポリマーA13の製造例]
攪拌機付反応容器に水:90.5g(5.0モル)を仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で75℃まで昇温した。MA:63.7g(0.65モル)とモノマーa2−5:525g(0.35モル)(質量比=11/89、モル比=65/35)、水:161g(8.9モル)を混合溶解したものと、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:37.0gをそれぞれ同時に反応系に2時間かけて滴下した。次に10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:14.8gを30分かけて滴下し、3時間同温度(75℃)で熟成した。熟成終了後、48質量%NaOH水溶液を108g加えて中和し、ポリマーA13(60質量%水溶液)を得た。
【0108】
[ポリマーA14の製造例]
攪拌機付反応容器に水:234g(13.0モル)、モノマーa2−6:546g(0.24モル)を仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で65℃まで昇温し、過酸化水素水8.6gを滴下した。次にAA:54.4g(0.76モル)及び水:45.6g(2.5モル)を混合溶解したものと、β−メルカプトプロピオン酸:8.0g、L−アスコルビン酸3.3g及び水:38.8gを混合溶解したものを、それぞれ同時に反応系に2時間かけて滴下した。その後、1時間同温度(65℃)で熟成した。熟成終了後、48質量%NaOH水溶液を62.9g加えて中和し、ポリマーA14(60質量%水溶液)を得た(AA/モノマーa2−6質量比=9/91、モル比=76/24)。
【0109】
[ポリマーA15の製造例]
攪拌機付反応容器に水:193g(10.7モル)、1,2−プロパンジオール:295g(3.9モル)、AA:5.0g(0.069モル)、モノマーa2−7:150g(0.13モル)を仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で85℃まで昇温した。AA:49.7g(0.69モル)とモノマーa2−7:150g(0.13モル)及び水:50.3g(2.8モル)を混合溶解したものと、ペルオキソ二硫酸ナトリウム:5.3g及び水:21.2gを混合溶解したものを、それぞれ同時に反応系に75分かけて滴下した。次に、AA:45.1g(0.63モル)、ペルオキソ二硫酸ナトリウム:4.8g及び水:30.3gを混合溶解したものを、それぞれ同時に反応系に135分かけて滴下した。その後、3時間同温度(85℃)で熟成した。熟成終了後、48質量%NaOH水溶液を52.2g加えて中和し、ポリマーA15(40質量%溶液)を得た(AA/モノマーa2−7質量比=25/75、モル比=84/16)。
【0110】
[ポリマーA16]
ポリマーA16には、アクリル酸/ポリエチレングリコールアクリル酸エステル(EO平均付加モル数5)共重合体のナトリウム塩(重量平均分子量10000、特開2000−309796号公報記載の化合物E)を用いた。表1において、ポリマーA16の構成単位(a1)となるアクリル酸はAAと示し、構成単位(a2)となるポリエチレングリコールアクリル酸エステル(EO平均付加モル数5)はモノマーa2−8と示す。
【0111】
[重量平均分子量の測定]
ポリマーA1〜A11、A13〜A16の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下「GPC」ともいう)法を用いて下記条件で測定した。測定結果を表1に示した。
表1中のポリマーA12の重量平均分子量(348.5)は、国際化学物質安全性カードに記載の値である。
[GPC条件]
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソー株式会社製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CH3CN=9/1(体積比)
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプルサイズ:0.5mg/mL
標準物質:ポリエチレングリコール換算
【0112】
【表1】
【0113】
2.洗浄剤組成物の調製(実施例1〜22及び比較例1〜8)
表2に記載の各成分を表2に記載の割合(質量%、有効分)で配合し混合することにより、実施例1〜22及び比較例1〜8の洗浄剤組成物を調製した。pHは、25℃における洗浄剤組成物のpHであり、pHメータ(東亜電波工業株式会社、HM−30G)の電極を洗浄剤組成物に浸漬して3分後の数値を測定した。pH調整には、水酸化カリウム及び硫酸を用いた。成分B及び成分Cには以下のものを用いた。
<成分B:アルカリ剤>
KOH:水酸化カリウム(関東化学株式会社製、鹿特級、固形分48質量%)
MEA:モノエタノールアミン(株式会社日本触媒製)
MDA:N−メチルジエタノールアミン(日本乳化剤株式会社製、アミノアルコール MDA)
EA:N−(β−アミノエチル)エタノールアミン(日本乳化剤株式会社製、アミノアルコール EA)
<成分C:水>
水:栗田工業株式会社製の連続純水製造装置(ピュアコンティ PC-2000VRL型)とサブシステム(マクエース KC-05H型)を用いて製造した超純水
<その他の成分>
硫酸:和工純薬工業株式会社製、試薬特級、純度95.0質量%
【0114】
3.評価方法
[分散性試験方法]
洗浄剤組成物30.0gを50mLポリプロピレンボトルに入れ、酸化ニッケル粒子(平均粒径50nm未満)0.15gを添加し、超音波洗浄機UT−105HS(シャープマニファクチャリングシステム株式会社製、100W、35kHz、30分間)にて攪拌し、攪拌直後及び静置1時間後の上澄みの吸光度を紫外可視分光光度計UV−2700(株式会社島津製作所製、測定波長660nm)で測定する。攪拌直後の吸光度を100とし、その相対値を分散性として表2に示す。数値が大きいほど分散性に優れる。
【0115】
[洗浄性試験方法]
Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板(外径:95mmφ、内径:25mmφ、厚さ:1.75mm)を、研磨くずに相当する酸化ニッケル粒子(平均粒径50nm未満)を含有する分散液(濃度:0.0025質量%)に2分間浸漬することにより、汚染された被洗浄基板、すなわち、パーティクルが付着した被洗浄基板を用意した。そして、各洗浄剤組成物を用いて前記被洗浄基板の洗浄を行い、各洗浄剤組成物の洗浄性を評価した。洗浄は以下のようにして行った。
【0116】
(洗浄)
被洗浄基板5枚を、洗浄装置を用いて以下の条件で洗浄した。すすぎ槽は2セット用意した。
(1)洗浄−1:洗浄に使用する洗浄剤組成物を4000g調製した。調製した洗浄剤組成物を洗浄槽(a)に入れ、洗浄槽(a)内の液温が25℃になるように設定した。そして、洗浄槽(a)内の洗浄剤組成物に被洗浄基板を浸漬し、超音波(200kHz)を照射しながら120秒間洗浄した。
(2)すすぎ−1:超純水をすすぎ槽(b)に入れ、すすぎ槽(b)内の液温が25℃になるように設定した。そして、洗浄槽(a)内の被洗浄基板をすすぎ槽(b)に移してすすぎ槽(b)内の超純水に浸漬し、超音波(600kHz)を照射しながら120秒間すすいだ。
(3)すすぎ槽(b)と同様の条件で準備した超純水を入れたすすぎ槽(c)を使用して、再度(2)を繰り返した。
(4)洗浄−2:すすぎ槽(c)内の被洗浄基板を、洗浄ブラシがセットされたスクラブ洗浄ユニット(A)に移した。そして、洗浄ブラシに25℃の洗浄剤組成物を射出し、該洗浄剤組成物の存在下で洗浄ブラシを被洗浄基板の両面に400rpmで回転させながら押し当てることにより、洗浄を25℃で5秒間行った。洗浄剤組成物には、「(1)洗浄−1」で用いた洗浄剤組成物と同組成のものを用いた。
(5)すすぎ−2:スクラブ洗浄ユニット(A)と同様の条件で準備したスクラブ洗浄ユニット(B)に被洗浄基板を移し、25℃の超純水を射出し、洗浄ブラシを被洗浄基板の両面に(4)と同様に400rpmで回転させながら押し当てることにより、すすぎを25℃で5秒間行った。
(6)スクラブ洗浄ユニット(A)と同様の条件で準備したスクラブ洗浄ユニット(C)、スクラブ洗浄ユニット(B)と同様の条件で準備したスクラブ洗浄ユニット(D)を使用して再度(4)と(5)を繰り返した。
(7)すすぎ−3:超純水をすすぎ槽(e)に入れ、すすぎ槽(e)内の液温が25℃になるように設定した。そして、被洗浄基板をすすぎ槽(e)に移してすすぎ槽(e)内の超純水に浸漬し、超音波(170kHz)を照射しながら600秒間すすいだ。
(8)乾燥:被洗浄基板をスピンドライヤーに移し、回転数700rpmで60秒間かけて完全に基板表面を乾燥させた。
【0117】
[洗浄性の評価方法]
10000rpmで回転している洗浄された基板に、光学式微細欠陥検査装置(Candela7100、KLA−Tencor社製)のMODE Q−Scatterでレーザーを照射して、欠陥数(基板上の異物数)の測定を実施した。各洗浄剤組成物について10枚ずつの基板について前記測定を行い、平均値を算出した。比較例1の値を100として相対値を表2に示す。値が小さいほど、欠陥数が少なく、洗浄性に優れると評価できる。
【0118】
【表2】
【0119】
表2に示すとおり、実施例1〜22の洗浄剤組成物は、比較例1〜8の洗浄剤組成物に比べて優れた分散性を示した。さらに、実施例1〜22の洗浄剤組成物は、比較例1〜8の洗浄剤組成物に比べて優れた洗浄性を示した。