特開2017-223070(P2017-223070A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2017-223070ランナー固定具及びランナー固定構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-223070(P2017-223070A)
(43)【公開日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】ランナー固定具及びランナー固定構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20171124BHJP
   E04B 1/94 20060101ALI20171124BHJP
【FI】
   E04B2/74 531N
   E04B1/94 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-120449(P2016-120449)
(22)【出願日】2016年6月17日
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】508370201
【氏名又は名称】岸 繁一
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】北浦 杏菜
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康之
(72)【発明者】
【氏名】杉本 和也
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DE01
2E001FA01
2E001GA11
2E001HF12
(57)【要約】
【課題】耐火性能の低下を抑制しつつ、ランナーを固定可能な状態とすることができるランナー固定具及びランナー固定構造を提供する。
【解決手段】耐火被覆材110により被覆された梁100にランナー2を取り付けるためのランナー固定具200であって、耐火被覆材110を介することなく梁100に固定される梁固定部10と、ランナー2を固定可能なランナー固定部20と、梁固定部10とランナー固定部20との間で、耐火被覆材110の切出片110aを保持する被覆材保持部30と、を具備する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐火被覆材により被覆された梁にランナーを取り付けるためのランナー固定具であって、
前記耐火被覆材を介することなく前記梁に固定される梁固定部と、
前記ランナーを固定可能なランナー固定部と、
前記梁固定部と前記ランナー固定部との間で、前記耐火被覆材を保持する被覆材保持部と、
を具備するランナー固定具。
【請求項2】
前記ランナー固定部は、
前記耐火被覆材の一部が切り出されて当該耐火被覆材から露出することで、前記ランナーを固定可能な状態となり、
前記被覆材保持部は、
切り出された前記耐火被覆材を保持する、
請求項1に記載のランナー固定具。
【請求項3】
前記被覆材保持部は、
当該被覆材保持部に形成された空間に切り出された前記耐火被覆材が挿入されることで、当該耐火被覆材を保持する、
請求項2に記載のランナー固定具。
【請求項4】
前記被覆材保持部は、
筒状に形成されている、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のランナー固定具。
【請求項5】
前記被覆材保持部は、
その軸線方向と前記梁の前記耐火被覆材の被覆面とが平行となるように形成されている、
請求項4に記載のランナー固定具。
【請求項6】
前記被覆材保持部は、
前記ランナー固定部と隣接するように設けられる、
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のランナー固定具。
【請求項7】
耐火被覆材により被覆された梁と、
前記耐火被覆材を介することなく前記梁に固定される梁固定部、及び前記耐火被覆材の一部が切り出されて露出することでランナーを固定可能な状態となるランナー固定部を有するランナー固定具と、
を具備し、
切り出された前記耐火被覆材は、前記梁固定部と前記ランナー固定部との間で前記ランナー固定具によって保持されている、
ランナー固定構造。
【請求項8】
切り出された前記耐火被覆材は、
前記梁を被覆する前記耐火被覆材に対してその一部が接続された状態で、前記ランナー固定部によって保持されている、
請求項7に記載のランナー固定構造。
【請求項9】
切り出された前記耐火被覆材は、
前記梁を被覆する前記耐火被覆材と一続きとなるように、前記ランナー固定具によって保持されている、
請求項7又は請求項8に記載のランナー固定構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梁にランナーを取り付けるためのランナー固定具及びランナー固定構造の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、梁にランナーを取り付けるためのランナー固定具及びランナー固定構造の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1には、建物の梁にランナーを固定するためのランナー固定具が記載されている。当該ランナー固定具は、梁に係止される係止部材と、ランナーを保持する保持部材とを具備している。
【0004】
一般的に、火災時における建物の耐火性能を向上させるために、建物の梁には耐火被覆材が被覆される。その際、梁に耐火被覆材を被覆した後にランナー固定具を係止しようとすると、ランナー固定具の取付位置が視認できない等の理由により、梁にランナー固定具を容易に取り付けることができない。そのため、梁にランナー固定具を係止した後に梁を耐火被覆材で被覆することが考えられる。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術において、梁にランナー固定具を係止した後に梁を耐火被覆材で被覆しようとすると、耐火被覆材がランナー固定具も被覆することとなり、このままではランナーを固定することができない。ランナー固定具を被覆している箇所の耐火被覆材を切り取ることでランナーの固定は可能となるが、そうすると耐火性能が低下するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015−38298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、耐火性能の低下を抑制しつつ、ランナーを固定可能な状態とすることができるランナー固定具及びランナー固定構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、耐火被覆材により被覆された梁にランナーを取り付けるためのランナー固定具であって、前記耐火被覆材を介することなく前記梁に固定される梁固定部と、前記ランナーを固定可能なランナー固定部と、前記梁固定部と前記ランナー固定部との間で、前記耐火被覆材を保持する被覆材保持部と、を具備するものである。
【0010】
請求項2においては、前記ランナー固定部は、前記耐火被覆材の一部が切り出されて当該耐火被覆材から露出することで、前記ランナーを固定可能な状態となり、前記被覆材保持部は、切り出された前記耐火被覆材を保持するものである。
【0011】
請求項3においては、前記被覆材保持部は、当該被覆材保持部に形成された空間に切り出された前記耐火被覆材が挿入されることで、当該耐火被覆材を保持するものである。
【0012】
請求項4においては、前記被覆材保持部は、筒状に形成されているものである。
【0013】
請求項5においては、前記被覆材保持部は、その軸線方向と前記梁の前記耐火被覆材の被覆面とが平行となるように形成されているものである。
【0014】
請求項6においては、前記被覆材保持部は、前記ランナー固定部と隣接するように設けられるものである。
【0015】
請求項7においては、耐火被覆材により被覆された梁と、前記耐火被覆材を介することなく前記梁に固定される梁固定部、及び前記耐火被覆材の一部が切り出されて露出することでランナーを固定可能な状態となるランナー固定部を有するランナー固定具と、を具備し、切り出された前記耐火被覆材は、前記梁固定部と前記ランナー固定部との間で前記ランナー固定具によって保持されているものである。
【0016】
請求項8においては、切り出された前記耐火被覆材は、前記梁を被覆する前記耐火被覆材に対してその一部が接続された状態で、前記ランナー固定部によって保持されているものである。
【0017】
請求項9においては、切り出された前記耐火被覆材は、前記梁を被覆する前記耐火被覆材と一続きとなるように、前記ランナー固定具によって保持されているものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0019】
請求項1においては、耐火性能の低下を抑制しつつ、ランナーを固定可能な状態とすることができる。
【0020】
請求項2においては、耐火性能の低下を抑制しつつ、ランナーを固定可能な状態とすることができる。
【0021】
請求項3においては、ランナーを固定可能な状態とするために切り出された耐火被覆材を容易に保持することができる。
【0022】
請求項4においては、耐火被覆材を容易に保持することができる。
【0023】
請求項5においては、被覆材保持部に保持された耐火被覆材が梁を被覆する耐火被覆材と一続きとなるようにし易くすることができる。
【0024】
請求項6においては、耐火被覆材の一部を完全に切り取ることなく(梁を被覆する耐火被覆材に対してその一部が接続した状態で)被覆材保持部に保持し易くすることができ、そうすることで被覆材保持部に保持されるべき耐火被覆材の紛失を防止することができる。
【0025】
請求項7においては、耐火性能の低下を抑制しつつ、ランナーを固定可能な状態とすることができる。
【0026】
請求項8においては、ランナー固定具に保持されるべき耐火被覆材の紛失を防止することができる。
【0027】
請求項9においては、耐火性能の低下をさらに抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】(a)本発明の一実施形態に係るランナー固定具の上方斜視図。(b)本発明の一実施形態に係るランナー固定具の下方斜視図。
図2】本発明の一実施形態に係るランナー固定構造を示す左側面図。
図3図2のA−A断面図。
図4図2のB−B断面図。
図5】梁にランナー固定具を取り付けた状態を示す正面断面図。
図6】ランナー固定具を取り付けた梁に耐火被覆材を被覆した状態を示す正面断面図。
図7】耐火被覆材を切り出してランナー固定部を露出させた状態を示す正面断面図。
図8】ランナー固定具にランナーを固定する様子を示す正面断面図。
図9】(a)梁にランナー固定具を取り付けた後、耐火被覆材を巻いた状態を示す概略側面断面図。(b)耐火被覆材を切り出してランナー固定具を露出させた状態を示す概略側面断面図。
図10】(a)切り出した耐火被覆材をランナー固定具に保持させた状態を示す概略側面断面図。(b)ランナー固定具にランナーを固定した状態を示す概略側面断面図。
図11】耐火被覆材の切り込みの形状を示す底面図。
【0029】
以下では、図中の矢印に基づいて、前後方向、左右方向及び上下方向を定義して説明を行う。
【0030】
まず、図1を用いて、ランナー固定具200の構成について説明する。
【0031】
ランナー固定具200は、建物の梁100にランナー2を取り付けるためのものである(図2から図4参照)。ランナー固定具200は、梁固定部10、ランナー固定部20及び被覆材保持部30を具備する。
【0032】
梁固定部10は、梁100に固定される板状部材である。梁固定部10は、ランナー固定具200の最上部に配置される。梁固定部10は、後述する被覆材保持部30の上部に載置される。梁固定部10は、左右に一対設けられる。一対の梁固定部10は、互いに左右対称形状に形成される。梁固定部10は、取付部11、把持部12、押圧爪部13及び板ばね部14を具備する。前述の如く一対の梁固定部10は互いに左右対称形状であるので、以下の説明においては、左側の梁固定部10についてのみ説明する。
【0033】
取付部11は、被覆材保持部30の上部に取り付けられる(載置される)部分である。取付部11は、板面を上下方向へ、長手方向を前後方向へ向けた略矩形状に形成される。取付部11は、被覆材保持部30の上面の左端部近傍に固定される。
【0034】
把持部12は、梁100の左右両端部を把持する部分である。把持部12は、取付部11の左端部から上方へ延びるように形成される。
【0035】
押圧爪部13は、梁100を下方へ押圧固定するものである。押圧爪部13は、把持部12の上端部から右方へ延びると共に、その右端部が左上方向へ屈曲するように形成される。
【0036】
板ばね部14は、梁100を上方へ付勢するものである。板ばね部14は、取付部11の右端から右上方向へ延びるように形成される。板ばね部14は、上下方向に弾性力を有するように形成される。板ばね部14は、前後に並ぶように一対設けられる。
【0037】
ランナー固定部20は、ランナー2を固定する板状部材である。ランナー固定部20は、梁固定部10の下方において、後述する被覆材保持部30の下部に設けられる。ランナー固定部20は、取付部21、弾性係合部22、第一把持部23、第二把持部24及び板ばね部25を具備する。なお、弾性係合部22、第一把持部23、第二把持部24及び板ばね部25は、それぞれ左右に一対設けられ、概ね左右対称形状に形成されるものであるので、以下の説明においては、左側のものについてのみ説明する。
【0038】
取付部21は、被覆材保持部30の下部に取り付けられる板状部材である。取付部21は、板面を上下方向へ、長手方向を左右方向へ向けた略矩形状に形成される。取付部21は、被覆材保持部30の下面の略中央部に固定される。
【0039】
弾性係合部22は、ランナー2に設けられた孔に挿入されて、ランナー2と係合するものである。弾性係合部22は、第一係止片22a及び第二係止片22bを具備する。
【0040】
第一係止片22aは、取付部21の左部から下方へ延びると共に、その下端部が右上方向へ屈曲するように形成される。第一係止片22aは、左右方向に弾性を有するように形成される。
【0041】
第二係止片22bは、取付部21の左部から下方へ延びると共に、その下端部が左上方向へ屈曲するように形成される。第二係止片22bは、第一係止片22aの後側に並ぶように設けられる。第二係止片22bは、左右方向に弾性を有するように形成される。
【0042】
第一把持部23は、ランナー2の側面を把持する部分である。第一把持部23は、板面を左右方向へ向けた板状に形成される。第一把持部23は、取付部21の左端部から下方へ延びるように形成される。
【0043】
第二把持部24は、ランナー2の側面を把持する部分である。第二把持部24は、板面を左右方向へ向けた板状に形成される。第二把持部24は、取付部21の略中央部から下方へ延びるように形成される。
【0044】
板ばね部25は、ランナー2を下方へ付勢するものである。板ばね部25は、前後に一対設けられる。前側の板ばね部25は、取付部21の前端部(の左部)から前下方向へ延びるように形成される。後側の板ばね部25は、取付部21の後端部(の左部)から後下方向へ延びるように形成される。板ばね部25は、上下方向に弾性力を有するように形成される。
【0045】
被覆材保持部30は、梁100を被覆する耐火被覆材110の一部(より詳細には、ランナー固定部20を露出させるために切り出した耐火被覆材110の切出片110a(図4等参照))を保持するものである。被覆材保持部30は、軸線方向を前後方向へ向けた角筒状に形成され、その前後端が開口するように形成される。被覆材保持部30の内部には空間30aが形成される。被覆材保持部30は、梁固定部10の下部に隣接するように設けられる。被覆材保持部30は、ランナー固定部20の上部に隣接するように設けられる。つまり、被覆材保持部30は、上下方向において、梁固定部10とランナー固定部20との間に設けられる。
【0046】
次に、図2から図4を用いて、本発明の実施の一形態に係るランナー固定構造1について説明する。
【0047】
ランナー固定構造1は、前述のランナー固定具200を用いて、建物の梁100にランナー2を固定するものである。ランナー2とは、建物において隣り合う空間(部屋)を仕切る界壁(仕切り壁)を取り付けるためのものである。ランナー2は、長手方向を前後方向へ向けて形成される。ランナー2は、板面を上下方向に向けた平面部分と、当該平面部の左右両端部が折り曲げられて下方へ延びるように形成された折曲部分と、により形成される。当該平面部分と当該折曲部分とにより囲まれる部分に界壁(不図示)が取り付けられる。
【0048】
梁100は、正面視H型断面を有する鉄骨梁である。図2及び図3においては、梁100の上部を省略して図示している。梁100の上部は、上階スラブ(不図示)を支持している。梁100は、長手方向を前後方向へ向けて配置されている。
【0049】
梁100には、耐火性能を向上させるために耐火被覆材110が被覆される。耐火被覆材110は、梁100に巻きつけられて、梁100の左面、下面及び右面を被覆する。
【0050】
ランナー固定具200は、梁100にランナー2を取り付けるためのものである。ランナー固定具200の構成については、前述の通りであるので、ここでは説明を省略する。ランナー固定具200は、複数設けられ、互いに前後方向に間隔をおいて梁100に固定される(図2参照)。
【0051】
ランナー固定具200のランナー固定部20には、ランナー2が固定される。ランナー2は、梁100に対して、左右に並ぶように一対設けられる(図3及び図4参照)。ランナー2に設けられた孔には、ランナー固定部20の弾性係合部22が係合する。また、ランナー2の左右側面部は、ランナー固定部20の第一把持部23及び第二把持部24によって把持される。そして、板ばね部25は、ランナー2の上面を下方へ付勢し、弾性係合部22の上端部へ押さえつける。これにより、ランナー2は、ランナー固定部20に固定される。このようにして、ランナー2は、ランナー固定具200により梁100に取り付けられる。
【0052】
次に、図5から図10を用いて、耐火被覆材110によって被覆された梁100にランナー2を固定する方法について説明する。
【0053】
まず、図5に示すように、梁100にランナー固定具200を固定する。ランナー固定具200は、梁固定部10が梁100に係止されることで、梁100に固定される。具体的には、梁固定部10を梁100の左右方向外側へ押し広げながら梁100に対して下方から押し付けることで、把持部12により梁100の左右両端部が把持される。そして、板ばね部14は、梁100の下面を上方へ付勢し、押圧爪部13の下面へ押さえつける。これにより、ランナー固定具200を梁100の下部に係止させることができる。ランナー固定具200は、耐火被覆材110が巻きつけられる前に梁100に固定するので、梁固定部10は耐火被覆材110を介することなく、梁100に固定される。
【0054】
次に、図6及び図9(a)に示すように、梁100に耐火被覆材110を巻きつける。このとき、梁100だけでなくランナー固定具200にも耐火被覆材110を巻きつける。そうすると、図9(a)に示すように、ランナー固定具200が位置する部分においては、耐火被覆材110は、ランナー固定具200の下部(ランナー固定部20)を被覆することとなる。他の部分においては、耐火被覆材110は、梁100の下面を被覆する。
【0055】
次に、図7及び図9(b)に示すように、ランナー固定部20を露出させるために、耐火被覆材110のうちランナー固定部20を被覆している部分を切り出す。このとき、耐火被覆材110は完全に分離する(切り取る)のではなく、梁100を被覆する耐火被覆材110に対して一部が接続されたままとなるように切り出される。具体的には、図11に示すように、底面視において、ランナー固定具200の右側、前側及び左側に連続するように切り込みCを入れることで、切出片110aが形成される(図9(b)参照)。
【0056】
次に、図8及び図10(a)に示すように、耐火被覆材110の切出片110aを、ランナー固定具200の被覆材保持部30の空間30aに挿入する。このとき、切出片110aは、後側の開口部から空間30aに挿入される。これにより、切出片110aは空間30aに収容され、ひいては被覆材保持部30に容易に保持される。切出片110aが被覆材保持部30に保持されることで、ランナー固定具200のランナー固定部20が露出する。切出片110aのうち、被覆材保持部30の前側へ飛び出した部分は、梁100の下面を被覆している耐火被覆材110と一続きとなるように(切れ目がないように)、梁100の下面に接着させる。
【0057】
次に、図8及び図10(b)に示すように、ランナー固定具200のランナー固定部20にランナー2を固定する。ランナー2は、当該ランナー固定具200のランナー固定部20がランナー2に形成された孔に係止されることで、ランナー固定具200に固定される。具体的には、ランナー2をランナー固定具200に対して下方から押し付けることで、弾性係合部22がランナー2に形成された孔に挿入及び係止され、ランナー2をランナー固定具200のランナー固定部20に固定させることができる。
【0058】
このように、本実施形態に係るランナー固定構造1においては、ランナー2をランナー固定具200に取り付ける(ランナー固定部20を露出させる)ために切り出した耐火被覆材110の切出片110aを被覆材保持部30に保持することができるので、切出片110aが邪魔になることなくランナー2の取り付けを行うことができる。
【0059】
ここで、ランナー固定具200の被覆材保持部30は、梁固定部10とランナー固定部20との間に形成されているので、切出片110aを被覆材保持部30に保持させることで、梁固定部10を介して梁100の下面を被覆することができる。これにより、梁100のうちランナー固定具200が取り付けられた部分をも耐火被覆材110によって被覆することができるので、耐火性能の低下を抑制することができる。
【0060】
また、ランナー固定具200の被覆材保持部30は、ランナー固定部20に隣接して設けられているので、梁100を被覆している耐火被覆材110から完全に分離することなく切出片110aを収容することができる。
【0061】
また、ランナー固定具200の被覆材保持部30は、その軸線方向が梁100の下面に対して平行な筒状に形成されているので、切出片110aを梁100の下部を被覆する耐火被覆材110と一続きとすることが可能となる。これにより、耐火被覆材110によって梁100を切れ目なく被覆することができ、ひいては耐火性能の低下をより抑制することができる。
【0062】
以上の如く、本実施形態に係るランナー固定具200は、耐火被覆材110により被覆された梁100にランナー2を取り付けるためのランナー固定具200であって、前記耐火被覆材110を介することなく前記梁100に固定される梁固定部10と、前記ランナー2を固定可能なランナー固定部20と、前記梁固定部10と前記ランナー固定部20との間で、前記耐火被覆材110を保持する被覆材保持部30と、を具備するものである。
このように構成することにより、耐火性能の低下を抑制しつつ、ランナー2を固定可能な状態とすることができる。
【0063】
また、前記ランナー固定部20は、前記耐火被覆材110の一部が切り出されて当該耐火被覆材110から露出することで、前記ランナー2を固定可能な状態となり、前記被覆材保持部30は、前記耐火被覆材110の切出片110a(切り出された前記耐火被覆材110)を保持するものである。
このように構成することにより、耐火性能の低下を抑制しつつ、ランナー2を固定可能な状態とすることができる。
【0064】
また、前記被覆材保持部30は、当該被覆材保持部30に形成された空間30aに切り出された耐火被覆材110(切出片110a)が挿入されることで、当該切出片110aを保持するものである。
このように構成することにより、ランナー2を固定可能な状態とするために切り出された耐火被覆材110(切出片110a)を容易に保持することができる。
【0065】
また、前記被覆材保持部30は、筒状に形成されているものである。
このように構成することにより、耐火被覆材110(切出片110a)を容易に保持することができる。
【0066】
また、前記被覆材保持部30は、その軸線方向と前記梁100の前記耐火被覆材110の被覆面とが平行となるように形成されているものである。
このように構成することにより、被覆材保持部30に保持された耐火被覆材110(切出片110a)が梁100を被覆する耐火被覆材110と一続きとなるようにし易くすることができる。
【0067】
また、前記被覆材保持部30は、前記ランナー固定部20と隣接するように設けられるものである。
このように構成することにより、耐火被覆材110の一部を完全に切り取ることなく(梁100を被覆する耐火被覆材110に対してその一部が接続した状態で)被覆材保持部30に保持し易くすることができ、そうすることで被覆材保持部30に保持されるべき耐火被覆材110(切出片110a)の紛失を防止することができる。
【0068】
また、本実施形態に係るランナー固定構造1は、耐火被覆材110により被覆された梁100と、前記耐火被覆材110を介することなく前記梁100に固定される梁固定部10、及び前記耐火被覆材110の一部が切り出されて露出することでランナー2を固定可能な状態となるランナー固定部20を有するランナー固定具200と、を具備し、耐火被覆材110の切出片110a(切り出された前記耐火被覆材110)は、前記梁固定部10と前記ランナー固定部20との間で前記ランナー固定具200によって保持されているものである。
このように構成することにより、耐火性能の低下を抑制しつつ、ランナー2を固定可能な状態とすることができる。
【0069】
また、耐火被覆材110の切出片110aは、前記梁100を被覆する前記耐火被覆材110に対してその一部が接続された状態で、前記ランナー固定部20によって保持されているものである。
このように構成することにより、ランナー固定具200に保持されるべき耐火被覆材110(切出片110a)の紛失を防止することができる。
【0070】
また、耐火被覆材110の切出片110aは、前記梁100を被覆する前記耐火被覆材110と一続きとなるように、前記ランナー固定具200によって保持されているものである。
このように構成することにより、耐火性能の低下をさらに抑制することができる。
【0071】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0072】
例えば、梁固定部10の構造は、梁100に固定可能なものであれば、任意の構造とすることができる。また、ランナー固定部20の構造は、ランナー2を固定可能なものであれば、任意の構造とすることができる。
【0073】
また、本実施形態においては、ランナー固定具200の被覆材保持部30は、筒状に形成されるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、耐火被覆材110の切出片110aを保持することができるものであれば、任意の構造とすることができる。
【0074】
また、本実施形態においては、ランナー固定具200は、ランナー2を上方から固定するもの(梁100の下部に取り付けられるもの)としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ランナー2を下方から固定するもの(梁100の上部に取り付けられるもの)や、ランナー2を横方向から固定するもの等であってもよい。
【0075】
また、本実施形態においては、切出片110aは、底面視において、ランナー固定具200の右側、前側及び左側に連続するように切り込みCを入れることで形成されるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、任意の切り出し方により形成することができる。
【符号の説明】
【0076】
1 ランナー固定構造
2 ランナー
10 梁固定部
20 ランナー固定部
30 被覆材保持部
30a 空間
100 梁
110 耐火被覆材
110a 切出片
200 ランナー固定具
図1
図2
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図9
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図11