特開2017-223090(P2017-223090A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-223090(P2017-223090A)
(43)【公開日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】門扉
(51)【国際特許分類】
   E06B 11/02 20060101AFI20171124BHJP
   E05D 15/36 20060101ALI20171124BHJP
【FI】
   E06B11/02 N
   E05D15/36
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-120973(P2016-120973)
(22)【出願日】2016年6月17日
(71)【出願人】
【識別番号】504410077
【氏名又は名称】株式会社大和エンジニヤリング
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】近国 雅行
【テーマコード(参考)】
2E038
【Fターム(参考)】
2E038BA02
2E038BA03
2E038BA04
2E038BA05
2E038CA21
2E038CB02
2E038DE01
2E038DE02
2E038DE03
2E038DE04
2E038DE05
(57)【要約】
【課題】扉本体と壁部の角部との干渉を解消して、敷地の角部の近傍への設置が可能な引戸式構造の門扉を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の門扉1は、扉本体5と、扉補助体7と、ヒンジ機構9と、第1レール11と、第2レール13と、第3レール15と、を備える。扉本体5は、一端側がヒンジ機構9を介して扉補助体7の一端側と連結されている。また、扉本体5には、一端側の下部に鉛直軸周りに旋回可能な旋回車輪21が設けられている。この扉本体5は、開閉するとき、直線状の第1レール11に沿って移動する旋回車輪21の旋回及びヒンジ機構9の回動によって、次第に向きを切り替えながら移動する。これにより、扉本体5と角部20との干渉を解消して、円滑に開閉することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
角部を挟んで互いに角度をもって配置された第1及び第2壁部のうち、前記第1壁部の前記角部の近傍に設けられた開口部を開閉する門扉であって、
前記第1壁部に沿って前記開口部を閉じる扉本体と、
一端部が前記扉本体の一端部に水平方向に回動可能に連結された扉補助体と、
前記扉補助体を前記第2壁部に沿って水平方向に移動可能に案内する案内レールと、
前記扉本体の下部に鉛直軸回りに旋回可能に設けられる旋回車輪と、
前記開口部を閉じる閉位置と第1壁部に沿って格納されて前記開口部を開く開位置との間を移動する前記扉本体の前記旋回車輪を案内するように地面に敷設されたレールと、を備えていることを特徴とする門扉。
【請求項2】
前記旋回車輪は、前記扉本体の他端部に設けられ、
前記レールは、前記第1壁部に沿って前記開口部を横切るように直線状に敷設されていることを特徴とする請求項1に記載の門扉。
【請求項3】
前記案内レールは、前記第1壁部に沿って地面に敷設された下部レール及び前記第2壁部の上部に敷設された上部レールと、を含み、
前記扉補助体には、両端下部に前記下部レールに係合する下部車輪が設けられ、他端上部に前記上部レールに係合する上部ローラが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の門扉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般住宅又は学校、工場等の施設の出入口や、海岸、港湾における堤防及び擁壁等の構造物の進入口を開閉する門扉、特に、敷地等の角部の近傍に設けられた出入口又は進入口を開閉する門扉に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般住宅又は施設の出入口や、構造物の進入口を開閉する従来の門扉の一例について、図7を参照して説明する。図7に示すように、門扉101は、引戸式構造となっており、壁部102及び出入口、進入口等となる開口部103に沿って敷設されたレール上に扉本体105の車輪106を載置して、扉本体105をレール111に沿って移動させることで(図7の矢印参照)、開口部103を開閉する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−203042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の引戸式構造の門扉101は、開閉時、扉本体105が壁部102に沿って直線的に移動するため、開口部103を敷地の角部の近傍に配置する場合、扉本体105と壁部102の角部との干渉を避ける必要があり、扉本体105の開閉方向に制約がある。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みて成されたものであり、扉本体と壁部の角部との干渉を解消して、敷地の角部の近傍への設置が可能な引戸式構造の門扉を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る門扉は、角部を挟んで互いに角度をもって配置された第1及び第2壁部のうち、前記第1壁部の前記角部の近傍に設けられた開口部を開閉する門扉であって、
前記第1壁部に沿って前記開口部を閉じる扉本体と、
一端部が前記扉本体の一端部に水平方向に回動可能に連結された扉補助体と、
前記扉補助体を前記第2壁部に沿って水平方向に移動可能に案内する案内レールと、
前記扉本体の下部に鉛直軸回りに旋回可能に設けられる旋回車輪と、
前記開口部を閉じる閉位置と第1壁部に沿って格納されて前記開口部を開く開位置との間を移動する前記扉本体の前記旋回車輪を案内するように地面に敷設されたレールと、を備えていることを特徴とする。
請求項2に係る門扉は、前記旋回車輪は、前記扉本体の他端部に設けられ、
前記レールは、前記第1壁部に沿って前記開口部を横切るように直線状に敷設されていることを特徴とする。
請求項3に係る門扉は、前記案内レールは、前記第1壁部に沿って地面に敷設された下部レール及び前記第2壁部の上部に敷設された上部レールと、を含み、
前記扉補助体には、両端下部に前記下部レールに係合する下部車輪が設けられ、他端上部に前記上部レールに係合する上部ローラが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上記請求項1及び2に係る発明によれば、扉本体と壁部の角部との干渉を解消して、敷地の角部の近傍への設置が可能な引戸式構造の門扉を提供することができる。
上記請求項3に係る発明によれば、下部レール及び上部レールで扉補助体の下部車輪及び上部ローラを案内して、上部レール及び上部ローラによって扉補助体の浮き上がりを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る門扉の閉塞状態を示す概略斜視図である。
図2図1に示す門扉の開放状態を示す概略斜視図である。
図3図1に示す門扉の扉本体及び扉補助体の開閉動作を示す概略斜視図である。
図4図1に示す門扉の第1レールに係合する旋回車輪を示し、(a)は、側面図であり、(b)は、正面図である。
図5図1に示す門扉の扉補助体に取付けられたローラを示し、(a)は、下部車輪の正面図であり、(b)は、第1上部ローラの正面図であり、(c)は、第2上部ローラの側面図である。
図6】図に示す門扉のヒンジ機構の平面図である。
図7】従来の引戸式構造の門扉を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係る門扉を図1図6に基づいて詳細に説明する。
本実施形態の門扉1は、一般住宅又は施設の敷地に設けられた出入口や、島嶼部の車両運搬船の乗り入口等を開閉するためのものであって、角部20を挟んで互いに角度をもって配置された第1及び第2壁部17,19の角部20の近傍に設置される。この門扉1は、図1図3に示すように、敷地の角部、すなわち、第1及び第2壁部17,19の角部20の近傍の開口部3に設置され、扉本体5と、扉補助体7と、ヒンジ機構9と、第1レール11(レール)と、第2及び第3レール13,15(案内レール)と、を備えている。なお、本実施形態では、第1壁部17と第2壁部19との間の角部20の角度は、鈍角であり、開口部3は、第1壁部17側に設けられている。
【0010】
扉本体5は、剛性及び耐食性に優れた鉄、ステンレス、アルミ合金、木材又は樹脂等の材料からなる平板状の部材で、開口部3を開閉可能な寸法で形成され、適宜リブ等により補強される。この扉本体5は、一端側(図1図3では右側)がヒンジ機構9(後述参照)を介して扉補助体7と連結され、他端側(図1図3では左側)の先端下部に旋回車輪21が設けられている。この旋回車輪21は、鉛直軸周りに旋回(操舵)可能な車輪であり、図4に示すように、台車22と、台車22に一列に取付けられた2つの車輪23と、台車22を扉本体5に鉛直軸回りに旋回可能に支持する旋回軸24と、を備えている。2つの車輪23は、第1レール11(後述参照)に係合する、外周溝である溝部23aを形成している(図4(b)参照)。
【0011】
扉補助体7は、矩形の枠体であり、扉本体5の図1に示す閉塞(閉)位置と図2に示す格納(開)位置との間の移動を補助するためのものである。この扉補助体7は、両端の下部に設けられた一対の下部車輪25と、一端側(扉本体5との連結側)の上部に設けられた第1上部ローラ27と、他端側の上部側端に設けれた第2上部ローラ29と、を備えている(図1図3参照)。下部車輪25は、図5(a)に示すように、台車28と、この台車28に取付けられた車輪30と、台車28を扉補助体7に固定する固定軸32と、を備えている。車輪30は、第2レール13(後述参照)に係合する、外周溝である溝部30aを形成している(図5(a)参照)。第1及び第2上部ローラ27,29は、第3レール15の溝部15a(後述参照)内に案内されている(図5(b)及び(c)参照)。第2上部ローラ29は、扉本体7の重量による扉補助体7の他端側の浮き上がりを防止している。
【0012】
ヒンジ機構9は、扉本体5と扉補助体7とを水平方向に回動可能に連結するためのものであり、図6に示すように、ヒンジ9a,9b及びピン9cからなる。ヒンジ9a,9bは、ボルト26a及びナット26bによって扉本体5及び扉補助体7の一端側の端部にそれぞれ取付けられ、ピン9cが挿入穴10に挿入されて、互いに回動可能に連結されている。
【0013】
第1レール11は、第1壁部17に沿ってその内側の近傍に開口部3を横切るように直線状に地面に敷設されている(図4(b)参照)。第2レール13は、第2壁部19に沿ってその内側近傍の地面に敷設されている(図5(a)参照)。第3レール15は、ボルト31によって第2壁部19の内側の側壁上部に取付けられて、水平方向に延ばされて(図5(c)参照)、扉補助体7の第1及び第2上部ローラ27,29を案内するための断面視コ字形の溝部15aが形成されている。
【0014】
以上のように構成した本実施形態の門扉1の作用について、次に説明する。
図1を参照して、門扉1が開口部3を閉塞している状態では、扉本体5は、第1壁部17に沿って第1レール11上に配置されて、開口部3を閉じる(閉位置)。このとき、扉補助体7は、ヒンジ機構9によって扉本体5に対して角部20の角度で傾斜し、第2壁部19に沿って開口部3側の端部に配置されている。
【0015】
門扉1を開く場合、図3に示すように、扉本体5を第2壁部19側(図の右方)に移動させると、旋回車輪21の旋回及びヒンジ機構9の回動によって、扉本体5は、次第に第2壁部19に平行になるように向きを切り替えながら移動し、扉補助体7は、第2及び第3レール13,15に案内されて、第2壁部19に沿って移動する。その後、図2に示すように、扉本体5の旋回車輪21が取付けられた端部が角部20まで移動すると、扉本体5と扉補助体7とが一直線上に並び、扉本体5は、第2壁部19に沿って格納されて(開位置)、開口部3が開く。
【0016】
門扉1を閉じる場合は、上述の開く場合と逆の動作を行うことにより、扉本体5を開位置から閉位置へ移動させる。
【0017】
このように、本実施形態に係る門扉1は、開閉する際、旋回車輪21の旋回及びヒンジ機構9の回動によって、扉本体5が向きを切り替えながら移動するので、扉本体5と角部20との干渉を解消して、円滑に開閉することができる。
【0018】
また、門扉1は、開口部3の閉塞時、扉本体5と扉補助体7とが角度をもった状態で配置されているので、扉本体5が転倒し難くなっており、衝撃、振動等の外力に対する転倒強度を高めることができる。
【0019】
なお、上記実施形態に係る門扉1では、扉本体5の他端側の下部に旋回車輪21を設けているが、他の実施形態として、扉本体5の中央よりの下部に旋回車輪を設けるようにしてもよい。この場合、上記実施形態の直線状の第1レール11の代わりに、閉位置の扉本体の旋回車輪の位置(開口部3の略中央)から開位置の扉本体の旋回車輪の位置まで、角部20を中心とした円弧状に、第1及び第2壁部17,19の内側の地面に旋回車輪を案内するレールを敷設する。これにより、上述の実施形態と同様、扉本体5は、第1壁部17に干渉することなく、円滑に開閉することができる。更に、扉本体の中央部に旋回車輪を配置したことにより、扉本体5を旋回車輪によって安定的に支持することができ、扉補助体7の負担を軽減することができる。
【0020】
また、上記2つの実施形態では、第1、第2及び第3レール11,13,15は、それぞれ1本ずつ設けられているが、扉本体5及び扉補助体7の寸法、重量等に応じて2本以上設けてもよい。この場合、旋回台車21,25、下部車輪25、及び、第1及び第2上部ローラ27,29は、各レールの本数に対応して複数設けられる。
【符号の説明】
【0021】
1…門扉、3…開口部、5…扉本体、7…扉補助体、9…ヒンジ機構、11…第1レール(レール)、13…第2レール(案内レール)、15…第3レール(案内レール)、17…第1壁部、19…第2壁部、20…角部、21…旋回台車
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7