【解決手段】暖房装置1は、ポットバーナーへ燃油を供給する燃油供給部20と、ポットバーナーへ空気を供給する空気供給部30と、ポットバーナー11における点火を行うヒータ40と、室温を検出する室温検出部61と、室温及び設定温度に基づいて燃油供給部20及び空気供給部30を制御することによって、ポットバーナーにおける火力を変更する制御部70と、を備え、制御部70は、室温及び設定温度に基づいて火力を最小火力以上に設定する制御と、最小火力以上の火力と最小火力未満の火力とを繰り返す制御と、を有する。
前記制御部は、前記最小火力以上の火力と前記最小火力未満の火力とを繰り返す制御の実行中において、前記最小火力以上の火力の実行中に検出された前記ポットバーナー温度が小さいほど、次の前記最小火力未満の火力の継続時間が短くなるように、当該最小火力未満の火力の継続時間を設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の暖房装置。
前記制御部は、前記最小火力以上の火力と前記最小火力未満の火力とを繰り返す制御の実行中において、前記最小火力以上の火力の実行中に検出された前記フレームロッドの電流又は前記フレームロッド電圧が小さいほど、次の前記最小火力未満の火力の継続時間が短くなるように、当該最小火力未満の火力の継続時間を設定する
ことを特徴とする請求項4に記載の暖房装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
<暖房装置>
図1に示すように、本発明の実施形態に係る暖房装置1は、いわゆるポットバーナー式であり、寒冷地仕様の石油ストーブである。暖房装置1は、ポット式燃焼器2と、図示しない燃焼筒及び熱交換器と、を備える。
【0012】
ポット式燃焼器2は、後記するポットバーナー11内において燃油(例えば、灯油)を燃焼させることによって燃焼ガスを発生する。燃焼筒は、ポット式燃焼器2において発生した燃焼ガスで赤熱されることによって、放射暖房を行う。熱交換器は、燃焼筒から排気されたガスと居室の空気との熱交換を行う。
【0013】
<ポット式燃焼器>
ポット式燃焼器2は、燃焼部10と、燃油供給部20と、空気供給部30と、ヒータ40と、を備える。
【0014】
<燃焼部>
燃焼部10は、燃油が燃焼することによって、暖房装置1の熱源となる部位である。燃焼部10は、ポットバーナー11と、外筒12と、気化アミ13と、整炎筒14と、を備える。
【0015】
≪ポットバーナー≫
ポットバーナー11は、有底筒状(本実施形態では、有底円筒形状)を呈する金属製部材である。ポットバーナー11内には、燃油供給部20及び空気供給部30によって燃油及び空気が供給され、ポットバーナー11内に供給された燃油は、当該ポットバーナー11内において燃焼する。ポットバーナー11の周壁部には、複数の空気孔11aが形成されている。
【0016】
≪外筒≫
外筒12は、ポットバーナー11よりも大径で高さも大きい有底筒状(本実施形態では、有底円筒形状)を呈する金属製部材である。外筒12内には、ポットバーナー11が所定高さに浮いた状態で収容されている。外筒12とポットバーナー11との間、すなわち、ポットバーナー11の底壁部の下方及び周壁部の外方には、空気室10aが構成されている。
【0017】
≪気化アミ≫
気化アミ13は、ポットバーナー11の底壁部上面の中央部に設けられている金属製部材である。気化アミ13は、耐熱性のステンレス細線を畳織することによって形成されている。気化アミ13は、当該気化アミ13に向かって噴射された燃油に対して、毛細管現象を発生する。
【0018】
≪整炎筒≫
整炎筒14は、ポットバーナー14内の高さ方向中央部に設けられている金属製部材である。整炎筒14は、気化ガス(気化した燃油)と空気との混合を促進する機能を有する。
【0019】
<燃油供給部>
燃油供給部20は、燃焼部10のポットバーナー11内に燃油を供給する機構である。燃油供給部20は、オイルレべラ21と、供給パイプ22と、噴射パイプ23と、保護筒24と、供給ポンプ25と、吸引ポンプ26と、を備える。
【0020】
≪オイルレベラ≫
オイルレベラ21は、燃焼部10のポットバーナー11へ供給される燃油が一時的に貯留されるリザーバである。オイルレベラ21には、図示しない燃油タンクから燃油が供給される。また、オイルレベラ21内において、燃油の油面は、一定に保持される。
【0021】
≪供給パイプ≫
供給パイプ22は、オイルレベラ21内の燃油を燃焼部10のポットバーナー11へ供給するためのパイプである。
【0022】
≪噴射パイプ≫
噴射パイプ23は、供給パイプ22の先端部(ポットバーナー11側端部)に取り付けられている、供給パイプ22よりも細径のパイプである。噴射パイプ23は、ポットバーナー11に向かうにつれて下り傾斜となるように設けられている。噴射パイプ23の先端部は、当該先端部から噴射された燃油が気化アミ13に向かうように、ポットバーナー11内に設けられている。噴射パイプ23の大部分は、保護筒24内に収容されており、噴射パイプ23の先端部は、保護筒24から突出している。
【0023】
≪保護筒≫
保護筒24は、噴射パイプ24を保護するための筒状部材である。保護筒24は、外筒12の側壁部とポットバーナー11の側壁部との間に架設されている。
【0024】
≪供給ポンプ≫
供給ポンプ25は、供給パイプ22に設けられている電磁ポンプである。供給ポンプ25は、オイルレベラ21内の燃油を汲み上げ、組み上げられた燃油を供給パイプ22及び噴射パイプ23を介してポットバーナー11内へ供給する。
【0025】
≪吸引ポンプ26≫
吸引ポンプ26は、供給パイプ22の供給ポンプ25よりも下流側とオイルレベラ21との間に設けられている電磁ポンプである。吸引ポンプ26は、消火時において、供給パイプ22及び噴射パイプ23に残留した燃油を吸引し、吸引された燃油をオイルレベラ21へ戻す。
【0026】
<空気供給部>
空気供給部30は、空気室10a及び空気孔11aを介してポットバーナー内へ空気を供給するファンである。
【0027】
<ヒータ>
ヒータ40は、ポットバーナー11の周壁部から気化アミ13の上方へ向かって突設されている棒状のセラミックヒータである。ヒータ40は、ポットバーナー11内に供給された燃油を予熱して気化させる機能と、気化した燃油に点火する機能と、を有する。
【0028】
<操作部、各種検出部及び制御部>
図2に示すように、暖房装置1は、操作部50と、室温検出部61と、ポットバーナー温度検出部62と、フレームロッド63と、CO2濃度検出部64と、回転速度検出部65と、制御部70と、を備える。
【0029】
<操作部>
操作部50は、暖房装置1の利用者によって操作されるスイッチ、ボタン、タッチパネル等である。操作部50は、暖房装置1の正面部又は上面部に設けられている。操作部50は、運転操作部51と、運転モード操作部52と、火力操作部53と、設定温度操作部54と、を備える。
【0030】
≪運転操作部≫
運転操作部51は、暖房装置1の運転状態「入」「切」を切り換えるためのスイッチである。運転操作部51の操作結果は、制御部70へ出力される。
【0031】
≪運転モード操作部≫
運転モード操作部52は、暖房装置1の運転モード「火力手動設定運転モード」「セーブ運転モード」を切り換えるためのボタンである。運転モード操作部52の操作結果は、制御部70へ出力される。
【0032】
≪火力操作部53≫
火力操作部53は、火力手動設定運転モードにおける暖房装置1の燃焼火力を1灯(最小火力)〜6灯(最大火力)のいずれかに設定するためのボタンである。本実施形態に係る暖房装置1は、寒冷地仕様のポットバーナー式であるため、その最小火力である1灯の燃焼火力は、通常のストーブと比較して大きい。火力操作部53の操作結果は、制御部70へ出力される。
【0033】
≪設定温度操作部≫
設定温度操作部54は、セーブ運転モードにおける暖房装置1の設定温度を設定するためのボタンである。設定温度操作部54の操作結果は、制御部70へ出力される。
【0034】
≪室温検出部≫
室温検出部61は、暖房装置1が設けられた暖房対象の室内の温度(室温)を検出する温度センサである。本実施形態において、室温検出部61は、暖房装置1のうち、ポット式燃焼器1等の影響を極力受けずに室温を検出可能な部位(例えば、暖房装置1の背面部)に設けられているサーミスタである。検出された室温は、制御部70へ出力される。
【0035】
≪ポットバーナー温度検出部≫
ポットバーナー温度検出部62は、ポットバーナー11の温度を検出する温度センサである。本実施形態において、ポットバーナー温度検出部62は、ポットバーナー11の底壁部下面に取り付けられているサーミスタであり、ポットバーナー11の底壁部の温度を検出する(
図1参照)。ポットバーナー温度が小さい場合には、ポットバーナー11内の燃焼火炎が不安定になるおそれがある。検出されたポットバーナー温度は、制御部70へ出力される。
【0036】
≪フレームロッド≫
フレームロッド63は、火炎に発生する微弱電流を検知する火炎検知器である。フレームロッド63は、金属製の棒状部材であり、燃焼時の燃焼火炎内に位置するように、ポットバーナー11内に垂設されている(
図1参照)。微弱電流が小さい(換言すると、フレームロッド電圧が小さい)場合には、ポットバーナー11内の燃焼火炎が不安定になるおそれがある。検知された微弱電流は、制御部70へ出力される。
【0037】
≪CO
2濃度検出部≫
CO
2濃度検出部64は、暖房装置1が設けられた暖房対象の室内のCO
2濃度を検出するCO
2センサである。検出されたCO
2濃度は、制御部70へ出力される。
【0038】
≪回転速度検出部≫
回転速度検出部65は、空気供給部30の回転速度を検出するセンサである。検出された回転速度は、制御部70へ出力される。
【0039】
<制御部>
制御部70は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力回路等によって構成されている。制御部70は、操作部50の操作結果、並びに、室温検出部61、ポットバーナー温度検出部62、フレームロッド63、CO
2濃度検出部64及び回転速度検出部65の検出結果に基づいて、供給ポンプ25、吸引ポンプ26、空気供給部30及びヒータ40を制御する。制御部70は、フレームロッド63から出力された電流に基づいて、当該電流によるフレームロッド電圧を検出し、検出されたフレームロッド電圧を各種制御に用いる。
【0040】
運転操作部51が「入」に操作された場合には、制御部70は、供給ポンプ25、空気供給部30及びヒータ40を駆動させることによって、ポットバーナー11内において燃油を燃焼させる。
【0041】
一方、運転操作部51が「切」に操作された場合には、制御部70は、供給ポンプ25、空気供給部30及びヒータ30を停止させることによって、ポットバーナー11内における燃油の燃焼を消火する。ここで、制御部70は、吸引ポンプ26を一定時間駆動させることによって、供給パイプ22及び噴射パイプ23に残留した燃油を吸引し、吸引された燃油をオイルレベラ21へ戻す。
【0042】
≪火力手動設定運転モード≫
また、運転操作部51が「入」に操作されるとともに運転モード操作部52が「火力手動設定運転モード」に操作された状態において、制御部70は、火力操作部53によって設定された燃焼火力に基づいて、供給ポンプ25及び空気供給部30を制御し、ポットバーナー11における燃焼火力を設定された燃料火力に合わせる。また、制御部70は、回転速度検出部65の検出結果に基づいて空気供給部30をフィードバック制御する。
【0043】
≪セーブ運転モード≫
また、運転操作部51が「入」に操作されるとともに運転モード操作部54が「セーブ運転モード」に操作された状態において、制御部70は、設定温度操作部54によって設定された設定温度と、室温検出部61によって検出された室温と、に基づいて、供給ポンプ25及び空気供給部30を制御し、ポットバーナー11における燃焼火力を自動的に変更する。すなわち、制御部70は、設定温度及び室温に基づいて、供給ポンプ25及び空気供給部30の目標駆動量を設定し、設定された目標駆動量に基づいて供給ポンプ25及び空気供給部30を制御する。かかるセーブ運転モードは、火力自動設定運転モードである。また、制御部70は、回転速度検出部65の検出結果に基づいて空気供給部30をフィードバック制御する。
【0044】
図3に示すように、セーブ運転モードにおいて、制御部70は、室温と設定温度との差([室温]−[設定温度])が大きいほど燃焼火力が小さくなるように、供給ポンプ25及び空気供給部30を制御する。
【0045】
本実施形態において、制御部70は、燃焼火力を6灯(最大火力)から1灯(通常の最小火力)までの6段階に制御する。6灯〜1灯までの燃焼火力の段階的な減少量は、それぞれ同じ量に設定されている。
【0046】
[室温]−[設定温度]が第一の温度差閾値(例えば、−3(℃))未満である場合には、制御部70は、燃焼火力が6灯(最大火力)となるように、供給ポンプ25及び空気供給部30を制御する。
[室温]−[設定温度]が第一の温度差閾値(例えば、−3(℃)以上)、第二の温度差閾値(例えば、−1(℃))未満である場合には、制御部70は、燃焼火力が5灯となるように、供給ポンプ25及び空気供給部30を制御する。
[室温]−[設定温度]が第二の温度差閾値(例えば、−1(℃))以上、第三の温度差閾値(例えば、0(℃)未満)である場合には、制御部70は、燃焼火力が4灯となるように、供給ポンプ25及び空気供給部30を制御する。
[室温]−[設定温度]が第三の温度差閾値(例えば、0(℃))以上、第四の温度差閾値(例えば、0.5(℃))未満である場合には、制御部70は、燃焼火力が3灯となるように、供給ポンプ25及び空気供給部30を制御する。
[室温]−[設定温度]が第四の温度差閾値(例えば、0.5(℃))以上、第五の温度差閾値(例えば、1(℃))未満である場合には、制御部70は、燃焼火力が2灯となるように、供給ポンプ25及び空気供給部30を制御する。
[室温]−[設定温度]が第五の温度差閾値(例えば、1(℃))以上、第六の温度差閾値(例えば、3(℃))未満である場合には、制御部70は、燃焼火力が1灯となるように、供給ポンプ25及び空気供給部30を制御する。
[室温]−[設定温度]が第六の温度差閾値(例えば、3(℃))以上である場合には、制御部70は、一時消火(燃焼火力がゼロ)となるように、供給ポンプ25及び空気供給部30を停止させる。
【0047】
本実施形態において、制御部70は、燃焼火力が通常の最小火力である1灯よりも小さい弱灯となるように、供給ポンプ25及び空気供給部30を制御する。弱灯は、1灯の所定割合(例えば、80%)であって、長時間継続されると燃油の燃焼が不安定となる燃焼火力である。そのため、制御部70は、弱灯運転の連続時間は所定時間(例えば、10分間)までとし、弱灯と1灯〜6灯のいずれかとを繰り返すことによって、より小さい燃焼火力を実現する。かかる弱灯運転は、手動で燃焼火力が設定される火力手動設定運転モードにおいては設定不可(禁止)となっている。
【0048】
なお、変形例として、[室温]−[設定温度]が第七の温度差閾値(例えば、2(℃))以上、第六の温度差閾値(例えば、3(℃))未満である場合には、制御部70は、燃焼火力が1灯と弱灯とを繰り返すように、供給ポンプ25及び空気供給部30を制御する構成であってもよい。
この場合には、[室温]−[設定温度]が第五の温度差閾値(例えば、1(℃))以上、第七の温度差閾値(例えば、2(℃)未満)である場合には、制御部70は、燃焼火力が1灯となるように(弱灯とはならないように)、供給ポンプ25及び空気供給部30を制御する。
【0049】
<第一の動作例>
次に、暖房装置1の第一の動作例について、
図4を参照して説明する(適宜
図2参照)。時刻t
1において、利用者が運転操作部51を「入」に操作すると、制御部70は、初期設定としてセーブ運転モードを選択し、供給ポンプ25、空気供給部30及びヒータ40を駆動させ、所定時間の間、燃焼火力を3灯とする(予備燃焼)。続いて、所定時間経過した時刻t
2において、制御部70は、本燃焼を開始する。制御部70は、設定温度と室温との差に基づいて、供給ポンプ25及び空気供給部30を制御する。本燃焼の間、室温は上昇し、時刻t
3において設定温度に達する。
【0050】
続いて、室温がさらに上昇し、時刻t
4において1灯の条件を満たすと、制御部70は、1灯を所定時間(例えば10分間)→弱灯を所定時間(例えば10分間)→…というように、1灯と弱灯とを交互に繰り返すように供給ポンプ25及び空気供給部30を制御する。
【0051】
続いて、時刻t
5において、室温が[設定温度]+3(℃)に達すると、制御部70は、供給ポンプ25、空気供給部30及びヒータ40を停止させ、一時消火する。
【0052】
一時消火の間、室温は下降し、続いて、時刻t
13において[設定温度]まで下がると、制御部70は、供給ポンプ25、空気供給部30及びヒータ40を駆動させ、本燃焼を再開する。本燃焼の再開後、時刻t
14において室温が1灯の条件を満たすと、制御部70は、1灯と弱灯とを交互に繰り返すように供給ポンプ25及び空気供給部30を制御する。
【0053】
続いて、時刻t
15において、室温が[設定温度]+3(℃)に達すると、制御部70は、供給ポンプ25、空気供給部30及びヒータ40を停止させ、一時消火する。このように、制御部70は、本燃焼と一時消火とを繰り返す。
【0054】
本発明の実施形態に係る暖房装置1は、1灯〜6灯のいずれか(本動作例では1灯)と弱灯とを繰り返す制御を有するので、より小さい燃焼火力での運転が可能である。
また、暖房装置1は、弱灯運転によって一時消火に達するまでの時間を延長することができるので、ユーザに寒さを感じさせることを抑制することができる。
また、暖房装置1は、弱灯運転によって一時消火に達するまでの時間を延長することができるので、運転全体における一時消火の回数を減らし、部品の寿命を延ばすことができる。
【0055】
<弱灯禁止制御>
次に、暖房装置1における弱灯の禁止制御について説明する。前記したように弱灯は不安定であるため、制御部70は、以下に示す弱灯禁止条件の少なくとも一つが満たされた場合に、弱灯を禁止する。
【0056】
1.ポットバーナー温度が所定温度(例えば、220(℃))以下
本燃焼中のポットバーナー温度は、通常300℃程度である。かかるポットバーナー温度は、弱灯運転が繰り返されると徐々に低下する。そのため、ポットバーナー温度が所定温度(220(℃))以下となった場合には、弱灯における燃焼が不安定になりやすいため、制御部70は、以降の弱灯を禁止する。
【0057】
また、制御部70は、ポットバーナー温度が所定温度以下となることが所定回数(1回以上、例えば3回)連続した場合に、以降の弱灯を禁止する構成であってもよい。ここで、制御部70は、1灯と弱灯との繰り返し運転の実行中において、弱灯から1灯への切り替えのタイミング(弱灯の終了時点すなわち1灯の開始時点)ごとに、ポットバーナー温度が所定温度以下であるか否かを判定する。そして、制御部70は、ポットバーナー温度が所定温度以下となることが所定回数(1回以上、例えば3回)連続した場合に、以降の弱灯を禁止する。
【0058】
2.フレームロッド電圧が所定電圧(例えば、3(V))以下
本燃焼中のフレームロッド電圧は、通常4(V)程度である。かかるフレームロッド電圧は、弱灯運転が繰り返されると徐々に低下する。そのため、フレームロッド電圧が3(V)以下となった場合には、弱灯における燃焼が不安定になりやすいため、制御部70は、以降の弱灯を禁止する。
【0059】
また、制御部70は、フレームロッド電圧が所定電圧以下となることが所定回数(1回以上、例えば3回)連続した場合に、以降の弱灯を禁止する構成であってもよい。ここで、制御部70は、1灯と弱灯との繰り返し運転の実行中において、弱灯から1灯への切り替えのタイミング(弱灯の終了時点すなわち1灯の開始時点)ごとに、フレームロッド電圧が所定電圧以下であるか否かを判定する。そして、制御部70は、フレームロッド電圧が所定電圧以下となることが所定回数(1回以上、例えば3回)連続した場合に、以降の弱灯を禁止する。
【0060】
なお、制御部70は、フレームロッド63の電流が所定電流以下となった場合に、以降の弱灯を禁止する構成であってもよい。また、制御部70は、フレームロッド63の電流が所定電流以下となることが所定回数(1回以上、例えば3回)連続した場合に、以降の弱灯を禁止する構成であってもよい。ここで、制御部70は、1灯と弱灯との繰り返し運転の実行中において、弱灯から1灯への切り替えのタイミング(弱灯の終了時点すなわち1灯の開始時点)ごとに、フレームロッド63の電流が所定電流以下であるか否かを判定する。そして、制御部70は、フレームロッド63の電流が所定電流以下となることが所定回数(1回以上、例えば3回)連続した場合に、以降の弱灯を禁止する。
【0061】
3.CO
2濃度が所定濃度(例えば、0.5(%))以上
空気のCO
2濃度は、通常0.04(%)程度である。CO
2濃度が0.5(%)以上となった場合には、弱灯における燃焼が不安定になりやすいため、制御部70は、以降の弱灯を禁止する。なお、制御部70は、CO
2濃度が1.5(%)以上となった場合に、供給ポンプ25、空気供給部30及びヒータ40を停止させ、暖房装置1の運転を中止する。
【0062】
なお、制御部70は、前記した弱灯禁止条件のうちの2つ又は3つ全てが満たされた場合に、弱灯を禁止する構成であってもよい。
【0063】
<第二の動作例>
次に、暖房装置1の第二の動作例について、
図5〜7を参照して説明する(適宜
図2参照)。第二の動作例は、第一の動作例に弱灯禁止制御を組み合わせたものである。第二の動作例の初期条件として、弱灯運転は、禁止されていない。
【0064】
図5に示すように、利用者が運転操作部51を「入」に操作すると、制御部70は、初期設定としてセーブ運転モードを選択し、供給ポンプ25、空気供給部30及びヒータ40を駆動させ、所定時間の間、燃焼火力を3灯とする(予備燃焼、ステップS1)。続いて、所定時間経過すると、制御部70は、本燃焼を開始する(ステップS2)。
【0065】
ここで、運転操作部51が「入」の状態であり(ステップS3でNo)、かつ、CO
2濃度検出部64によって検出されたCO
2濃度が0.5(%)以上である場合(ステップS4でYes)には、制御部70は、弱灯運転を禁止する(ステップS5)。
【0066】
CO
2濃度が0.5(%)未満である場合(ステップS4でNo)、及び、ステップS5の実行後において、制御部70は、設定温度操作部54において設定された設定温度及び室温検出部61によって検出された室温に基づいて、燃焼火力を選択する(ステップS6)。
【0067】
ステップS6において2灯〜6灯のいずれかが選択された場合には、制御部70は、選択された火力に応じて、供給ポンプ25の駆動周波数及び空気供給部30の回転速度をセットする(ステップS7)。
【0068】
ステップS6において1灯が選択された場合において、
図6に示すように、直前の運転が弱灯運転ではない場合(ステップS8でNo)には、制御部70は、1灯運転を行うように、供給ポンプ25の駆動周波数及び空気供給部30の回転速度をセットする(ステップS9)。
【0069】
続いて、1灯運転の連続時間が10分に満たない場合(ステップS10でNo)には、本フローは、ステップS3へ戻る。
【0070】
一方、1灯運転が10分間経過した場合(ステップS10でYes)において、弱灯運転が禁止されている場合(ステップS11でYes)には、本フローは、ステップS3へ戻る。
【0071】
また、1灯運転が10分間経過し(ステップS10でYes)、かつ、弱灯運転が禁止されていない場合(ステップS11でNo)には、制御部70は、弱灯運転を行うように、供給ポンプ25の駆動周波数及び空気供給部30の回転速度をセットする(ステップS12)。
【0072】
一方、ステップS6において1灯が選択された場合において、直前の運転が弱灯運転である場合(ステップS8でYes)には、制御部70は、弱灯運転を行うように、供給ポンプ25の駆動周波数及び空気供給部30の回転速度をセットする(ステップS13)。
【0073】
続いて、弱灯運転の連続時間が10分に満たない場合(ステップS14でNo)には、本フローは、ステップS3へ戻る。
【0074】
一方、弱灯運転が10分間経過した場合には、制御部70は、1灯運転を行うように、供給ポンプ25の駆動周波数及び空気供給部30の回転速度をセットする(ステップS15)。
【0075】
ステップS15の実行後、
図7に示すように、ポットバーナー温度検出部62によって検出されたポットバーナー温度が220(℃)以下であることが3回連続した場合(ステップS16でYes、かつ、ステップS17でYes)には、制御部70は、弱灯運転を禁止する(ステップS20)。
【0076】
また、ステップS15の実行後、ポットバーナー温度が220(℃)よりも大きい場合(ステップS16でNo)、及び、ポットバーナー温度が220(℃)以下であることの連続回数が3回未満である場合(ステップS16でYes、かつ、ステップS17でNo)において、フレームロッド電圧が3(V)以下であることが3回連続した場合(ステップS18でYes、かつ、ステップS19でYes)には、制御部70は、弱灯運転を禁止する(ステップS20)。
【0077】
一方、フレームロッド電圧が3(V)よりも大きい場合(ステップS18でNo)、及び、フレームロッド電圧が3(V)よりも大きいことの連続回数が3回未満である場合(ステップS18でYes、かつ、ステップS19でNo)には、本フローは、ステップS3へ戻る。同様に、ステップS20の実行後にも、本フローは、ステップS3へ戻る。
【0078】
一方、
図5に示すように、ステップS6において一時消火が選択された場合には、制御部70は、供給ポンプ25を停止させるとともに、空気供給部30の回転速度を冷却用回転速度にセットする(ステップS21)。なお、制御部70は、ヒータ40を停止させるとともに、冷却用回転速度にセットされた空気供給部30を、10分連続後に停止させる。
【0079】
なお、一時消火が選択された状態においてステップS6を実行する場合には、制御部70は、[室温]−[設定温度]が0(℃)以下となった場合に再点火するように、供給ポンプ25、空気供給部30及びヒータ40を制御する。
【0080】
また、利用者が運転操作部51を「切」に操作すると(ステップS3でYes)、制御部70は、弱灯運転禁止を解除する(ステップS22)。換言すると、弱灯運転が一度禁止された場合には、かかる禁止設定は、暖房装置1が停止するまで(運転操作部51が「切」に操作されるまで)継続される。続いて、制御部70は、供給ポンプ25を停止させるとともに、空気供給部30の回転速度を冷却用回転速度にセットする(ステップS23)。なお、制御部70は、ヒータ40を停止させるとともに、冷却用回転速度にセットされた空気供給部30を、10分連続後に停止させる。
【0081】
第二の動作例において、ステップS16〜S20における弱灯運転禁止判定は、ステップS15の実行後、すなわち、1灯運転及び弱灯運転を1回ずつ行った2回目以降の1灯運転において実行される。そして、弱灯運転が禁止された場合には、制御部70は、それ以降に1灯運転が選択されたとしても弱灯運転を行わない。
【0082】
本発明の実施形態に係る暖房装置1は、所定条件に基づいて弱灯運転を禁止するので、燃焼火力が不安定な場合等において弱灯運転を禁止し、安定的な運転を行うことができる。
【0083】
<弱灯運転時間の変更制御>
次に、弱灯運転時間の変更制御について、
図2を参照して説明する。
【0084】
1灯運転と弱灯運転とを繰り返す制御の実行中において、制御部70は、1灯運転の実行中(例えば、1灯運転の終了時点)に検出されたポットバーナー温度が小さいほど、次の弱灯運転の継続時間が短くなるように、弱灯運転の継続時間を設定する。かかる制御は、ポットバーナー温度が前記した温度閾値よりも大きい範囲内で実行される。また、弱投運転の継続時間の最大値は、例えば前記した10分間とすることができる。
【0085】
また、1灯運転と弱灯運転とを繰り返す制御の実行中において、制御部70は、1灯運転の実行中(例えば、1灯運転の終了時点)に検出されたフレームロッド電圧が小さいほど、次の弱灯運転の継続時間が短くなるように、弱灯運転の継続時間を設定する。かかる制御は、フレームロッド電圧が前記した電圧閾値よりも大きい範囲内で実行される。また、弱投運転の継続時間の最大値は、例えば前記した10分間とすることができる。
【0086】
本発明の実施形態に係る暖房装置1は、燃焼火力が不安定な場合には弱灯運転の継続時間を短くするので、安定的な運転を行うことができる。
【0087】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、第二の動作例において、ステップS16〜S20は、ステップS9とステップS10の間、ステップS12とステップS3との間、又は、ステップS13とステップS14との間に実行されてもよい。すなわち、制御部70は、弱灯運転禁止判定のためのポットバーナー温度、フレームロッド63の電流及びフレームロッド電圧とそれぞれの所定値との比較は、1灯(又は2灯〜6灯運転)と弱灯との繰り返し運転の実行中の任意のタイミングで実行可能である。
【0088】
また、
図3に示す例では、制御部70は、[室温]−[設定温度]が1灯に該当する場合には即、1灯と弱灯とを交互に繰り返すが、1灯と弱灯との繰り返し運転の開始判定手法は、これに限定されない。例えば、制御部70は、[室温]−[設定温度]が1灯に該当する場合には、1灯運転を行い、1灯運転の実行中に室温が上昇した場合に、1灯と弱灯との繰り返し運転を行う構成であってもよい。この場合において、制御部70は、前記した一時消火に移行せずに、室温が一定となった場合又は低下した場合に、1灯運転に戻る構成であってもよい。