【解決手段】太陽光発電装置連携貯湯式給湯システムにおいて、必要熱量を別途決定された沸き上げ目標温度と給水温度との温度差で除して必要容量を算出し、必要容量と貯湯タンクの容量とを比較し、小さい方の容量を夜間沸き上げ容量とする夜間沸き上げ容量算出手段36と、余剰電力予測値に基づいて、沸き上げに用いることができる余剰沸き上げ時間を設定する余剰沸き上げ時間設定手段33と、余剰沸き上げ時間で沸き上げ目標温度まで沸き上げられる余剰沸き上げ容量を算出する、余剰沸き上げ容量算出手段37と、夜間沸き上げ容量から余剰沸き上げ容量を減じて、補正夜間沸き上げ容量を算出する補正夜間沸き上げ容量算出手段38と、夜間に補正夜間沸き上げ容量を沸き上げる夜間沸き上げ手段39とを備えた。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の一実施形態の太陽光発電装置連携貯湯式給湯システムを図面を用いて説明する。
1は主に夜間の電力料金単価が安価な時間帯に沸き上げを行うヒートポンプ式の貯湯式給湯装置、2は商用電源に接続され家屋に設置された分電盤、3は家屋の屋根等に設置された太陽光発電パネル4と、太陽光発電パネル4の発電電力を交流電源に変換するインバータ5とからなる太陽光発電装置、6はエアコン等の他の電気負荷機器、7は家庭内の電力マネジメントを行うためのHEMS機器(HEMSはホームエネルギーマネジメントシステムの略語)、8は外部のインターネット通信網、9は外部サーバ機器である。
【0011】
HEMS機器7は、貯湯式給湯装置1および太陽光発電装置3に双方向に通信可能に接続され、貯湯式給湯装置1の使用状況や太陽光発電装置3の発電電力情報を収集可能とし、さらに分電盤2の分岐回路毎の消費電力量の情報を収集可能としていると共に、インターネット通信網8を介して外部サーバ機器9と必要な情報を相互にやり取りできるように接続されているものである。なお、HEMS機器7と太陽光発電装置3間の通信の代わりに、分電盤2への発電電力の入力、あるいは分電盤3と商用電源との間の電力の授受を監視して太陽光発電装置3の発電電力情報を収集することとしてもよい。
【0012】
ヒートポンプ式の貯湯式給湯装置1について説明すると、10は湯水を貯湯する貯湯タンク、11は貯湯タンク10底部に給水する給水管、12は貯湯タンク10頂部から出湯する出湯管、13は給水管11から分岐した給水バイパス管、14は出湯管12からの湯と給水バイパス管13からの水を図示しないリモコン装置によって設定された給湯設定温度になるように混合する混合弁、15は給湯端末に給湯する給湯管、16は給湯流量を検出する給湯流量センサ、17は給湯温度を検出する給湯温度センサ、18は貯湯タンク10の側面に高さ位置を変えて複数設けられ、貯湯温度を検出する貯湯温度センサである。
【0013】
19は貯湯タンク10内の湯水を沸き上げ目標温度に加熱するヒートポンプ式加熱手段で、冷媒を高温高圧に圧縮搬送する圧縮機20と、高温高圧の冷媒と貯湯タンク10からの水とを熱交換する水冷媒熱交換器21と、熱交換後の冷媒を減圧膨張させる膨張手段22と、低圧冷媒を蒸発させる空気熱交換器23と、空気熱交換器23へ外気を送風する送風機24と、圧縮機20から吐出される冷媒の温度を検出する吐出温度センサ25から構成されているものである。
【0014】
26は貯湯タンク10の下部と水冷媒熱交換器21の水側入口を接続する加熱往き管、27は水冷媒熱交換器21の水側出口と貯湯タンク10の上部とを接続する加熱戻り管、28は加熱往き管26途中に設けられた加熱循環ポンプ、29は加熱戻り管27に設けられた沸き上げ温度センサ、30は外気温度を検出する外気温度センサ、31は貯湯式給湯装置1全体の作動を制御する制御手段である。加熱往き管26、加熱戻り管27、加熱循環ポンプ28で加熱循環回路を構成している。
【0015】
ここで、HEMS機器7には、
図2に示すように、余剰電力予測手段32と、余剰沸き上げ時間設定手段33が設けられている。
【0016】
余剰電力予測手段32は、太陽光発電装置3から取得した過去所定期間の単位時間毎の発電電力量や外部サーバ機器9から天気予報情報から予測される単位時間毎の発電電力予測値と、分電盤2から取得した貯湯式給湯装置1が接続された分岐回路以外の過去所定期間の単位時間毎の消費電力量から予測される単位時間毎の消費電力予測値と、から翌日の単位時間毎の余剰電力予測値を算出する。
【0017】
余剰沸き上げ時間設定手段33は翌日の単位時間毎の余剰電力予測値と、貯湯式給湯装置1が沸き上げを行うのに必要な所定の消費電力値とを比較して、連続して沸き上げ運転が可能な時間を余剰沸き上げ時間として設定する。
【0018】
制御手段31には、
図2に示すように、給湯流量センサ16の出力と給湯温度センサ17の出力とから所定温度(ここでは43℃)の使用湯量に換算して過去所定期間の日毎の学習湯量として学習する使用湯量学習手段34と、過去所定期間の日毎の学習湯量から翌日の必要熱量を決定する必要熱量決定手段35と、翌日の必要熱量と別途決定された沸き上げ目標温度と給水温度との温度差で除して必要容量を算出し、必要容量と貯湯タンク10の容量とを比較して小さい方を夜間沸き上げ容量とする夜間沸き上げ容量算出手段36とが設けられている。
【0019】
また、制御手段31には、HEMS機器7の余剰沸き上げ時間設定手段33が決定した余剰沸き上げ時間で沸き上げ目標温度まで沸き上げられる余剰沸き上げ容量を算出する余剰沸き上げ容量算出手段37と、夜間沸き上げ容量から余剰沸き上げ容量を減じて補正夜間沸き上げ容量を算出する補正夜間沸き上げ容量算出手段38と、夜間時間帯に補正夜間沸き上げ容量を沸き上げるようヒートポンプ式加熱手段19を制御する夜間沸き上げ制御手段39と、昼間時間帯に余剰電力を用いて余剰沸き上げ容量を沸き上げるようヒートポンプ式加熱手段19を制御する余剰沸き上げ制御手段40とが設けられている。
【0020】
さらに、制御手段31には、必要容量が貯湯タンク10の容量を超えている場合に、夜間に沸き上げられなかった分を昼間に沸き増す昼間沸き増し容量を算出する昼間沸き増し容量算出手段41と、貯湯タンク10内の残湯容量が所定量以下まで減少すると昼間時間帯に商用電力を用いて昼間沸き増し容量を沸き上げるようにヒートポンプ式加熱手段19を制御する昼間沸き増し制御手段42とが設けられている。
【0021】
次に、この太陽光発電装置連携貯湯式給湯システムの作動について
図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0022】
HEMS機器7は、電力料金単価の安価な夜間時間帯の開始時刻tn1になると(ステップS1でYes)、余剰電力予測手段32が太陽光発電装置3から取得した過去所定期間(ここでは7日間)の単位時間(ここでは1時間)毎の発電電力量や外部サーバ機器9から天気予報情報、太陽光発電パネル4の設置条件(例えば、設置地域やパネルの向き等)、日付情報等から単位時間毎の発電電力予測値を予測し(ステップS2)、分電盤2から取得した貯湯式給湯装置1が接続された分岐回路以外の過去所定期間の単位時間毎の消費電力量から単位時間毎の消費電力予測値を予測し(ステップS3)、単位時間毎の発電電力予測値から単位時間毎の消費電力予測値を減じて翌日の単位時間毎の余剰電力予測値を算出する(ステップS4)。
【0023】
そして、余剰沸き上げ時間設定手段33が翌日の単位時間毎の余剰電力予測値と貯湯式給湯装置1が沸き上げを行うのに必要な所定の消費電力値とを比較し、余剰電力予測値が沸き上げ必要電力値以上となる連続した時間を見いだして、この連続した沸き上げ運転可能な時間から他の制限条件(例えば最短1時間、最長5時間等)等を考慮して連続して沸き上げ運転可能な余剰沸き上げ時間Tを設定し(ステップS5)、連続した沸き上げ運転可能な時間の終了時点から余剰沸き上げ時間Tだけ遡って余剰沸き上げ開始時刻td1を決定する(ステップS6)。
【0024】
一方、貯湯式給湯装置1の制御手段31では、使用湯量学習手段34で記憶している過去所定期間の日毎の湯の学習使用量から、必要熱量決定手段35が平均や標準偏差等を用いて翌日の必要熱量Qを決定する(ステップS7)。ここでは、必要熱量Qを所定温度(ここでは43℃)換算の必要湯量Vqとして算出・決定している。
【0025】
そして、制御手段31は、必要熱量決定手段35が決定した必要湯量Vqと、外気温度あるいは給水温度等の他の条件とから沸き上げ目標温度tmを決定する(ステップS8)。沸き上げ目標温度tmは、65℃〜75℃の間でなるべく低く設定され、必要湯量Vqが多い場合、外気温度が低い場合、給水温度が低い場合に沸き上げ目標温度tmが高く設定されるものである。
【0026】
次に、夜間沸き上げ容量算出手段36は、必要湯量Vqを沸き上げ目標温度tmでの必要容量Cqに換算し、必要容量Cqが貯湯タンク10の容量Ct以下であれば必要容量Cqを夜間沸き上げ容量Cyとし、必要容量Cqが貯湯タンク10の容量Ct超であれば貯湯タンク10の容量Ctを夜間沸き上げ容量Cyとするよう、夜間沸き上げ容量Cyを算出する(ステップS9)。
【0027】
この必要容量Cqは具体的に式1により算出される。
式1:Cq=Vq・(43℃−tw)/(tm−tw)
Cq:必要容量
Vq:必要湯量
43℃:所定換算温度
tm:目標沸き上げ温度
tw:給水温度
なお、水の比熱と密度は共に1として計算を簡略化している。
【0028】
そして、夜間沸き上げ容量Cyは以下のように算出される。
Cq>Ctの場合
Cy=Ct
Cq≦Ctの場合
Cy=Cq
【0029】
また、制御手段31の昼間沸き増し容量算出手段41は、必要容量Cqが貯湯タンク10の容量Ct以上であった場合、必要容量Cqから貯湯タンク10の容量Ctを減じた残りの湯量を、夜間時間帯以外の時間に沸き増す必要のある昼間沸き増し容量Cwとして算出する(ステップS10)。
【0030】
この沸き増し容量Cwは具体的に数式2により算出される。
式2:Cw=Cq−Ct
Cw:沸き増し容量
Cq:必要容量
Ct:貯湯タンク容量
【0031】
次に、制御手段31の余剰沸き上げ容量算出手段37は、HEMS機器の余剰沸き上げ時間設定手段33が設定した余剰沸き上げ時間Tの間、加熱能力Hで沸き上げ目標温度tmまで沸き上げられる余剰沸き上げ容量Chを算出する(ステップS11)。ここで、加熱能力Hはヒートポンプ式加熱手段19の所定の加熱能力の大きさである。
【0032】
この余剰沸き上げ容量Chは具体的に式3により算出される。
式3:Ch=T・H/(tm−tw)
Ch=余剰沸き上げ容量
T:余剰沸き上げ時間
H:加熱能力
tm:沸き上げ目標温度
tw:給水温度
【0033】
次に、制御手段31の補正夜間沸き上げ容量算出手段38は、夜間沸き上げ容量算出手段36が算出した夜間沸き上げ容量Cyから、余剰沸き上げ容量算出手段37が算出した余剰沸き上げ容量Chを減じて、実際に夜間に沸き上げる補正夜間沸き上げ容量Cyhを算出する(ステップS12)。
【0034】
この補正夜間沸き上げ容量Cyhは具体的に式4により算出される。
式4:Cyh=Cy−Ch
Cyh:補正夜間沸き上げ容量
Cy:夜間沸き上げ容量
Ch:余剰沸き上げ容量
【0035】
そして、制御手段31の夜間沸き上げ制御手段39は、複数の貯湯温度センサ18の検出する貯湯温度とそのセンサ位置情報を用いて、お湯と見なせる所定の閾温度(ここでは50℃)以上の容量である残湯容量Czを算出し(ステップS13)、補正夜間沸き上げ容量Cyhを夜間時間帯の終了時刻tn2に沸き上げ完了するように適切な夜間沸き上げ開始時刻tnsを算出する(ステップS14)。
【0036】
この夜間沸き上げ開始時刻tnsは具体的に式5により算出される。
式5:tns=tn2−(Cyh−Cz)・(tm−tw)/H
tns:夜間沸き上げ開始時刻
tn2:夜間時間帯終了時刻
Cyh:補正夜間沸き上げ容量
Cz:残湯容量
tm:沸き上げ目標温度
tw:給水温度
H:加熱能力
【0037】
そして、夜間沸き上げ制御手段39は、現在時刻が夜間沸き上げ開始時刻tnsとなると(ステップS15でYes)、ヒートポンプ式加熱手段19と加熱循環ポンプ28を駆動して、貯湯タンク10下部から取り出した水を沸き上げ目標温度tmまで加熱して貯湯タンク10の上部から順次積層するように夜間沸き上げ運転を行う(ステップS16)。
【0038】
夜間沸き上げ制御手段39は、補正夜間沸き上げ容量Cyhを沸き上げたことを貯湯温度センサ18で検出するか、現在時刻が夜間時間帯の終了時刻tn2となると、夜間沸き上げ完了したと判断し(ステップS17でYes)、夜間沸き上げ運転を停止する(ステップS18)。
【0039】
このとき、貯湯タンク10の下部には、余剰沸き上げ容量Chと同じ容量だけ未加熱の水が残ることとなる。
【0040】
そして、余剰沸き上げ制御手段40は、現在時刻が余剰沸き上げ開始時刻td1となると(ステップS19でYes)、ヒートポンプ式加熱手段19と加熱循環ポンプ28を駆動して、貯湯タンク10下部から取り出した水を沸き上げ目標温度tmまで加熱して貯湯タンク10の上部から順次積層するように予定されていた余剰沸き上げ運転を行う(ステップS20)。
【0041】
余剰沸き上げ制御手段40は、余剰沸き上げ容量Chを沸き上げたことを貯湯温度センサ18で検出するか、余剰沸き上げ開始時刻td1からの経過時間が余剰沸き上げ時間Tに達すると、余剰沸き上げ完了したと判断し(ステップS21でYes)、余剰沸き上げ運転を停止する(ステップS22)。
【0042】
ここで、夜間沸き上げ運転の完了時には、貯湯タンク10の下部に余剰沸き上げ容量Chと同じ容量だけ未加熱の水が残っているため、余剰沸き上げ運転の開始までの間に一切給湯されていなくとも当初予測していた余剰電力を全量活用した余剰沸き上げ運転を連続して行うことができる。
【0043】
余剰沸き上げ運転が完了した後、昼間沸き増し制御手段42は、ステップ10で昼間沸き増し容量Cwが算出されて容量があった場合、ステップS23で昼間沸き増し容量CwありでYesと判断し、複数の貯湯温度センサ18で検出する貯湯温度から現在の貯湯タンク10内の残湯容量Czを算出し、この残湯容量Czが所定量以下かどうかを判断する(ステップS24)。
【0044】
給湯によって貯湯タンク10内の湯が出湯されて下部からの給水に置換されることにより残湯容量Czが所定量以下まで減少すると(ステップS24でYes)、ヒートポンプ式加熱手段19と加熱循環ポンプ28を駆動して、貯湯タンク10下部から取り出した水を沸き上げ目標温度tmまで加熱して貯湯タンク10の上部から順次積層するように予定されていた昼間沸き増し運転を開始し(ステップS25)、昼間沸き増し運転の進行に伴って沸き増した分を昼間沸き増し容量Cwから減算して更新していく(ステップS26)。
【0045】
そして、更新された昼間沸き増し容量Cwが0になるか(ステップS27でYes)、貯湯タンク10最下部の貯湯温度センサ18が所定の昼間沸き増し完了温度以上を検出して満タンになると(ステップS28でYes)、予定の昼間沸き増し運転を停止し(ステップS29)、ステップS23へ戻る。
【0046】
ステップS23では再び昼間沸き増し容量Cwが残っているかどうかを判断し、昼間沸き増し容量Cwが残っていないと判断すると(ステップS23でNo)、貯湯タンク10最上部の貯湯温度センサ18が所定の湯切れ危険温度以下にまで低下するかどうかを監視し、所定の湯切れ危険温度以下まで低下すると湯切れと判断し(ステップS30でYes)、湯切れを一時的に解消するための所定時間(ここでは1時間)の湯切れ沸き増しを行い(ステップS31)、現在時刻が夜間時間帯の開始時刻に達すると(ステップS31でYes)、再度ステップ1へ戻るようにしている。
【0047】
このように、本発明では、翌日の必要熱量を沸き上げ目標温度での必要容量に換算し、必要容量と貯湯タンク容量の小さい方を夜間沸き上げ容量とすると共に、夜間沸き上げ容量から余剰沸き上げ時間で沸き上げ目標温度まで沸き上げられる余剰沸き上げ容量を減じて補正夜間沸き上げ容量を算出し、この補正夜間沸き上げ容量を夜間時間帯に沸き上げるようにしているため、余剰電力で沸き上げ可能な熱量を沸き上げるのに必要な分の未加熱の水すなわち余剰沸き上げ容量を貯湯タンクに残した状態で夜間沸き上げを終えることができ、当初予測していた余剰電力を全量活用した昼間の沸き上げを完了させることができる。
【0048】
ここで、
図5は本実施形態と比較例としての特許文献1に開示された従来技術の沸き上げ運転の種別と沸き上げ容量の関係を示す図で、縦軸に沸き上げ目標温度tmでの沸き上げ容量を示している。
【0049】
従来は必要熱量から余剰電力で沸き上げ可能な熱量を減じているため、これを容量に換算して、必要容量Cq−余剰沸き上げ容量Cwを夜間に沸き上げる容量としており、夜間の沸き上げ完了時点では、貯湯タンク10底部にCt−(Cq−Cw)の容量しか未加熱の水が残っていない。このため、いざ太陽光発電装置3が発電して余剰電力が発生していても当初予測していた余剰沸き上げ容量Cwの全量を沸き上げる前に貯湯タンク10が沸き上げ目標温度Tmの湯で満タンになるため、余剰電力があっても沸き上げが継続できない。
【0050】
一方、本発明は、貯湯タンク容量を上限として夜間沸き上げ容量を定めると共に、夜間沸き上げ容量(最大でCt)から余剰沸き上げ容量Cwを減じた容量を夜間時間帯に沸き上げるようにしているため、夜間の沸き上げ完了時点で、貯湯タンク10底部にCwの容量の未加熱の水が残っていることとなる。このため、太陽光発電装置3が発電して余剰電力が発生した時に、当初予測していた余剰電力を全量活用することができる。
【0051】
なお、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能なものであり、例えば、ヒートポンプ式加熱手段19に代えて電気ヒータ式加熱手段を用いてもよいものである。
【0052】
また、余剰電力予測手段32と余剰沸き上げ時間設定手段33は、HEMS機器7内に設けた構成としたが、外部サーバ機器9内に設ける構成としたり、HEMS機器7と制御手段31の通信内容を充実化することで、これらを制御手段31内に設けた構成としてもよく、逆に制御手段31内の構成をHEMS機器7内に設けた構成としてもよい。
【0053】
また、余剰沸き上げ制御手段40は、予め算出していた余剰沸き上げ開始時刻td1となると余剰沸き上げを開始する構成としていたが、これに限らず、太陽光発電装置3が所定の発電電力に達した時点から余剰沸き上げを開始する構成としてもよい。