特開2017-223467(P2017-223467A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-223467(P2017-223467A)
(43)【公開日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】車両の運転支援装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20171124BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20171124BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20171124BHJP
【FI】
   G01C21/26 A
   G08G1/16 C
   G09B29/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-117169(P2016-117169)
(22)【出願日】2016年6月13日
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174366
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 史郎
(72)【発明者】
【氏名】池田 諭
(72)【発明者】
【氏名】橋本 陽平
(72)【発明者】
【氏名】平松 大蔵
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HB05
2C032HB22
2C032HC08
2C032HC14
2C032HC22
2C032HD17
2F129AA03
2F129BB03
2F129CC16
2F129CC28
2F129DD21
2F129DD25
2F129DD53
2F129EE02
2F129EE52
2F129EE75
2F129GG05
2F129GG06
2F129HH02
2F129HH12
5H181AA01
5H181CC04
5H181FF05
5H181FF14
5H181FF27
5H181LL01
5H181LL09
(57)【要約】
【課題】本発明は、車両の自動操縦運転を活用して、安全で、かつ面倒な手間を要せずに、運転中に発生する故障の対応が行える車両の運転支援装置を提供する。
【解決手段】本発明は、手動操作による運転とナビゲーション装置21の地図情報に基づく自動操縦運転とによる走行が可能な車両1と、車両の故障を検出する故障検出手段31と、故障検出手段が自動操縦運転に支障がない故障を検出したとき、ナビゲーション装置の地図情報に基づき現在の自車位置から最寄りの車両点検可能な点検施設までの経路を探索する点検施設探索手段21と、点検施設探索手段の実行を促す表示を運転者にする故障対応手段35と、点検施設探索手段の実行を許可する対応許可手段41と、点検施設探索手段の実行が許可されると、探索された経路にしたがい自動操縦で車両を最寄りの点検施設まで誘導する誘導手段19を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手動操作による運転と、ナビゲーション装置の地図情報に基づく自動操縦運転とによる走行が可能な車両と、
前記車両の故障を検出する故障検出手段と、
前記故障検出手段が前記自動操縦運転に支障がない故障を検出したとき、前記ナビゲーション装置の地図情報に基づき現在の自車位置から最寄りの車両点検可能な点検施設までの経路を探索する点検施設探索手段と、
前記点検施設探索手段の実行を促す表示を運転者にする故障対応手段と、
前記点検施設探索手段の実行を許可する対応許可手段と、
前記点検施設探索手段の実行が許可されると、探索された経路にしたがい自動操縦で前記車両を前記最寄りの点検施設まで誘導する誘導手段と
を具備したことを特徴する車両の運転支援装置。
【請求項2】
さらに前記ナビゲーション装置の地図情報に基づき現在の自車位置から最寄りの避難位置までの経路を探索する避難位置探索手段を有し、
前記故障対応手段は、前記点検施設探索手段の実行、前記避難位置探索手段の実行の選択を促す表示をする機能を有し、
前記対応許可手段は、前記避難位置探索手段の実行を許可する機能を含み、
前記誘導手段は、前記避難位置探索モードが許可されると、前記車両を手動操作による運転のモードで、前記避難位置探索手段で検索される経路の案内にしたがい前記最寄りの避難位置に案内する機能を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の車両の運転支援装置。
【請求項3】
前記故障対応手段は、前記故障検出手段が前記自動操縦運転に支障のある故障を検出したとき、前記避難位置探索手段を実行させる機能を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の車両の運転支援装置。
【請求項4】
前記誘導手段は、前記点検施設探索手段の実行、前記避難位置探索手段の実行の選択をしないとき、現在の走行を継続させる継続モードを含む
ことを特徴とする請求項2に記載の車両の運転支援装置。
【請求項5】
前記避難位置は、前記車両が緊急に停止可能な場所であることを特徴とする請求項2に記載の車両の運転支援装置。
【請求項6】
前記故障対応手段は、前記点検施設探索手段の実行を通知表示で運転者に促す表示手段を含み、
前記表示手段における点検施設探索手段の実行を促す通知表示は、点検修理を必要とする優先度が高い故障にしたがい目立つよう表示される
ことを特徴とする請求項1に記載の車両の運転支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両故障に対する対応を支援する車両の運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車(車両)の多くは、目的地までを運転者の手動操作する車両である。近時の自動車では、走行の一部あるいは全部が、ナビゲーション装置の地図情報や自車周辺を監視する各種センサに基づく自動操縦運転に切換えられるものがある。
ところで、自動車は、故障が発生した場合、インジケータなどで故障が運転者に通知される。同故障は、例えば、自動車が自動操縦運転で運転されているときなどで発生する。
【0003】
しかし、運転者は、インジケータで故障が通知されても、現在の走行している道路が土地勘のない道路などであった場合、迅速に故障に対する対応をとることが困難となる。
すなわち、一般的には運転者の知っている身近な点検施設、例えば最寄りの自動車販売会社へ車両を持ち込んで、車両点検のうえ故障を修理することになるが、土地勘がないと、どのように対応していいかわからなくなりやすい。しかも、ナビゲーション装置を用いて点検施設を見つけるにしても、土地勘がないため、最寄りの点検施設を探し出すのには手間がかかる。しかも、点検施設までの道のりには不安があり、安全性の点で難がある。
【0004】
そこで、従来、運転支援装置では、特許文献1に開示されているように、ナビゲーション装置を用いて、故障を検知したら最寄りのサービス店を検索し、故障内容を検索したサービス店へ通信で連絡させる技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−37757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のように最寄りサービス店へ通信させる対応だと、土地勘のない場所で運転者自身による運転が強いられるため、最寄りのサービス店まで車両を持ち込む手間は大変である。しかも、その間、不安が生じるため、安全性の点にも難がある。
そこで、本発明の目的は、車両の自動操縦運転を活用して、安全で、かつ面倒な手間を要せずに、運転中に発生する故障の対応が行える車両の運転支援装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様は、手動操作による運転とナビゲーション装置の地図情報に基づく自動操縦運転とによる走行が可能な車両と、車両の故障を検出する故障検出手段と、故障検出手段が自動操縦運転に支障がない故障を検出したとき、ナビゲーション装置の地図情報に基づき現在の自車位置から最寄りの車両点検可能な点検施設までの経路を探索する点検施設探索手段と、点検施設探索手段の実行を促す表示を運転者にする故障対応手段と、点検施設探索手段の実行を許可する対応許可手段と、点検施設探索手段の実行が許可されると、探索された経路にしたがい自動操縦で車両を最寄りの点検施設まで誘導する誘導手段を有するものとした。
【発明の効果】
【0008】
本発明の運転支援装置によれば、車両が自動操縦運転あるいは手動操作運転により走行中、故障(自動操縦運転に支障のない故障)が検出されると、運転者に点検施設探索の実行を促す表示がされる。点検施設探索の実行を許可すると、車両は、探索された現在の自車両位置から最寄りの点検施設までの経路にしたがい自動操縦で点検施設まで搬送される。
【0009】
これにより、車両の走行中、土地勘のない場所で故障が発生しても、車両は、運転者の運転に依らず、自動操縦で最寄りの点検施設まで自動搬送することができる。
したがって、車両の自動操縦運転を活用して、安全で、かつ面倒な手間を要せずに、運転中に発生する故障の対応を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施形態に係る態様となる車両の運転支援装置の概略的な構成を示すブロック図。
図2】同運転支援装置の車両故障発生における各種の対応を説明するフローチャート。
図3】同運転支援装置におけるモード選択の表示画面を、優先度が高い故障の表示の違いと共に示す図
図4】本発明の第2の実施形態に係る態様の要部となるナビゲーション装置のディスプレイ部を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を図1から図3に示す第1の実施形態にもとづいて説明する。
図1(a)中1は、手動運転と自動操縦運転とに切換え可能な自動車(車両)を示している。ちなみに自動車は、例えば主にエンジンで発電機を駆動し、発電された電力でモータを駆動して走行するという、シリーズハイブリッド車を想定している。
この自動車1の手動運転は、例えば運転席(図示しない)の前側(車両前後方向前方)に配置されたステアリングハンドル3、ブレーキペダル5やアクセルペダル7、運転席の正面側のインストルメントパネル部分2に配置されたセレクタレバー(図示しない)などの機器を運転者が手動操作することによって行われる。
【0012】
また同自動車1の自動操縦運転には、自動車に搭載されたパワーユニット11(エンジンやモータなど)や操舵システム13やブレーキシステム15や車両周辺を検出する各種監視センサ17(障害物センサ、距離センサなど各種センサ類)が接続された自動運転ECU19(例えばマイクロコンピュータで構成)が用いられる。この自動運転ECU19に、GPSと通信可能なナビゲーション装置21が接続される。これにより、ナビゲーション装置21から目標位置を設定し、自動運転ECU19に接続された自動運転スイッチ23を操作すると、GPSで検出される自車位置に基づき、ナビゲーション装置21に内蔵のデータベース部22に格納された地図情報や各種監視センサ17からの検出信号にしたがい、交通法規(車両速度、標識、右左折、車間距離、信号など)を順守しながら、パワーユニット11や操舵システム13やブレーキシステム15などが制御され、現在位置から目標位置までの経路をトレースするよう自動操縦で走行が行われる。同走行は、障害物を避けながら行われる。なお、例えば、自動操縦運転中、運転手による操舵操作、アクセル操作、ブレーキ操作等が行われると、その時点から手動操作による運転に切り換わる。
【0013】
この自動車(車両)には、運転支援装置29が設けられている。この運転支援装置29は、走行中に発生する故障に対する対応を支援するものである。
同運転支援装置29は、車両の故障を検出する故障検出手段と、車両点検が可能な点検施設、例えば自動車販売会社(以下,販社という)を探索する点検施設探索手段と、故障の対応を表示する故障対応手段と、同対応を許可する対応許可手段と、車両を自動操縦で点検施設まで誘導する誘導手段とを組み合わせて構成される。
【0014】
具体的には上記故障検出手段は、例えば図1(a)に示されるように車両に搭載された故障診断装置31と同故障診断装置31につながる故障判別部33とを有して構成される。これにより、故障診断装置31にて車両の故障の発生が検出される。また故障判別部33にて、検出される故障のうち、自動操縦運転に支障のない故障や支障のある故障の判別を行う。さらに故障判別部33は、判別した支障のない故障を故障度合いで分ける機能を有する。これは、同故障を点検修理を必要する優先度の高い故障レベルに分けるもので、例えば直ちに販社へ行かなければならない故障を故障レベルAとし、できるだけ販社へ行った方がよい故障を故障レベルBとし,点検を勧める程度の故障を故障レベルCとして分ける(判別)するものである。
【0015】
上記点検施設探索手段は、ナビゲーション装置21を有して構成される。つまり、ナビゲーション装置21による探索、詳しくはGPSで検出される現在の自車位置とデータベース部22に格納された地図情報とに基づき、自車位置周辺の販社を検索したり、自車位置から販社までの経路を探索したりする点検施設探索モードの設定で構成される。またナビゲーション装置21には、避難位置探索手段として、現在の自車位置周辺の避難位置、例えば車両が緊急に停止可能な場所(直線距離が十分に長い路肩、駐車場、坂道(下り坂)の緊急避難帯など)を検索したり、自車位置から避難位置までの経路を探索したりする避難位置探索モードも設定されている。
【0016】
上記故障対応手段は、図1(b)に示される運転席前方のインストルメントパネル部分2に設けられた計器盤34のメータディスプレイ部35、同メータディスプレイ部35の表示を制御するディスプレイECU37を有して構成される。ディスプレイECU37には故障判別部33が接続され、故障判別部33(故障診断装置)が、自動操縦運転に支障のない故障を判別(検出)したときは、故障の通知文と、上記点検施設探索モードの実行、上記避難位置探索モードの実行の許可を促す表示をメータディスプレイ部35(表示手段)の画面上に映し出す。ディスプレイECU37は、自動操縦運転のときには、現在の走行を継続させるモードとして、現在の目的地へ走行するモード(目的地走行モード)の許可を促す表示も併せて映し出させるようにしている。具体的には、図3に示されるように故障の通知文として「故障(異常)が発生しました」や「つぎの動作を選択してください」が表示され、点検施設探索モード実行の許可を促す表示として「最寄りの販売会社へ行く」が表示され、避難位置探索モード許可を促す表示として「避難位置(路肩など)に停止させる」が表示され、継続モードとして「現在の目的地へ行く」が表示される。これにより、メータディスプレイ部35の画面上には、故障に対する具体的な対応となる、自動搬送モード、避難モード、継続モードが選択可能に表示される。特に点検修理を必要とする優先度が高い故障(自動操縦運転に支障のない故障)を含む場合、ディスプレイECU37に内蔵された故障レベル表示設定部38により、優先度が高い故障にしたがい目立つ表示にする。例えば図3(a)〜(c)のように故障レベルCから故障レベルAへ上がるにしたがい、「最寄りの販売会社へ行く」の文字の大きさを大きくしたり、さらに青色、黄色、赤色と緊急性が高まるよう文字色を変えたり、点灯の仕方(点滅など)を変えたりしている。つまり、故障の重要度(緊急度)を強調(目立つ)させる表示にしている(運転者に認識されやすくするため)。自動操縦運転に支障のある故障を検出したときは、図示はしないが計器盤34内の所定のインジケータや「避難位置(路肩など)に停止させる」における強調表示で、避難位置探索モードの実行を促す。
【0017】
上記対応許可手段は、図1(c)に示されるように例えばステアリングハンドル3のスポーク部4に設けたステアリングスイッチ41を有している。同ステアリングスイッチ41は、ディスプレイECU37に接続され、運転者の手指でステアリングスイッチ41の操作子41aを操作することによって、メータディスプレイ部35の画面に表示された各モードの選択と決定とが行えるようにしている。つまり、ステアリングハンドル3からの操作で、自動搬送モード(点検施設探索)、避難モード(避難位置探索)、継続モード(目的地走行(自動操縦運転のときのみ))から一つのモードが選択されて、許可、すなわち実行まで至る。
【0018】
上記誘導手段は、自動運転ECU19から構成される。例えば図1(a)に示されるように自動運転ECU19には、自動搬送モード設定部43、避難モード設定部45が設定されている。自動搬送モード設定部43は、「自動搬送モード(点検施設探索)」が選択されると、自車位置から最寄りの販社までの経路が設定される。この設定により、自動運転ECU1にて、交通法規を順守しながら、自動車(車両)が現在の自車位置から販社までの経路をトレース走行するよう(交通法規の順守)、それぞれパワーユニット11、操舵システム13、ブレーキシステム15が、監視センサ17の監視下で制御されるようにしている。つまり、自動車(車両)は、現在の自車位置(選択操作した時点)から最寄りの販社まで自動操縦走行で誘導されながら運転される。
【0019】
避難モード設定部45は、「避難モード(避難位置探索)」が選択されると、自車位置から最寄りの避難位置までの経路(路肩、駐車場、緊急避難帯など)が設定される。避難モード設定部45は、手動操作モードに換える機能を有している。これにより、緊急な対応として、ナビゲーション装置21の案内機能を利用して、自動車(車両)が手動操作で避難位置まで誘導されるようになっている。
【0020】
また自動運転ECU19は、「目的地走行モード」が選択されると、当初の目標位置へ向け走行する制御が継続され、自動走行がそのまま継続されるようにしている(自動運転のとき)。
つぎに、このように構成された運転支援装置29の作用を図2に示すフローチャートを参照して説明する。
【0021】
今、例えば目標位置まで自動運転で走行するべく、ナビゲーション装置21にて目標位置を設定し、自動運転スイッチ23を操作する。すると、自動車(車両)は、GPSで検出される自車位置に基づき、ナビゲーション装置21の地図情報や各種監視センサ17の検出信号にしたがい、交通法規(車両速度、標識、右左折、車間距離、信号など)を順守しながら、それぞれパワーユニット11、操舵システム13、ブレーキシステム15などが制御され、現在位置から目標位置まで自動操縦で走行される。
【0022】
この自動操縦で走行中、ステップS1のように故障が発生したとする。すると、ステップS3へ進み、同故障が自動操縦による自動運転に影響のない故障か否かの判定が行われる。
自動運転に支障のない故障が発生したと判定されると、ステップS5へ進み、メータディスプレイ部35の画面上に、図3に示されるように故障通知である、αで示す「故障(異常)が発生しました」、「車両のつぎの動作を選択してください」や、自動搬送モードの表示であるβで示す「最寄りの販売会社へ行く」や、継続モードの表示であるγで示す「現在の目的地へ行く」や、退避モードの表示であるηで示す「避難位置(路肩など)に停車させる」を表示させ、運転者に対して、どのような対応があるかを促す。
【0023】
このとき「最寄りの販売会社へ行く」なる表示は、発生した故障が緊急性を有する故障、すなわち点検修理を必要とする優先度が高くなるにしたがい、運転者が気を引く目立つ表示となる。
例えば図3(c)は、直ちに販社へ行くことが求められる緊急性の高いレベルAの故障の場合である。この場合、「最寄りの販売会社へ行く」は赤字で、かつ最も大きいフォントの文字で表示される。
【0024】
図3(b)は、できるだけ早く販社へ行ったほうがよい程度のレベルBの故障の場合である。この場合、「最寄りの販売会社へ行く」は黄色で、大きいフォントの文字で表示される。
図3(a)は、点検を勧める程度のレベルCの故障の場合である。この場合、「最寄りの販売会社へ行く」は青色で、他の文字と同等の大きさのフォントで表示される。
【0025】
ここで、直ちに販社へ行くことが求められるレベルAの故障の場合、運転者は、故障が発生した位置が土地勘のない場所であっても、目立つ表示に促されて故障対応を選び決定する(ステアリングスイッチ操作による)。
すると、ステップS11へ進み、現在の自車位置から最寄りの販社を検索、さらに自車位置から最寄りの販社までの経路の探索が行われる。そして、つぎのステップS13において自動搬送モードが設定され、自動車(車両)は、最寄りの販社まで自動搬送される。すなわち、自動車(車両)は、自動操縦で、交通法規を順守しながら、最寄りの販社まで運転(走行)される。これにより、たとえ土地勘がなくとも、自動車(車両)を販社まで、迅速に自動操縦で最寄りの販社まで搬送することができ、迅速に販社で点検修理を受けることができる。
【0026】
一方、例えば最寄りの販社まで遠いあるいは対象となる販社がない場合、これに代わる緊急の対応としては、自動車(車両)を直ちに避難させることが好ましい。
このときには、ηで示す「避難位置(路肩など)に停車させる」、すなわち避難モードを選んで決定する。
すると、ステップS9からステップS15を経てステップS17へと進み、同ステップS17において、現在の自車位置から近い最寄りの避難位置の検索、さらには自車位置から同避難位置までの経路の探索が行われる。避難位置は、車両が緊急に停止可能な安全な場所なため、直線距離が十分に長い路肩、駐車場、緊急避難帯などが選ばれる(いずれも自車位置の周辺)。そして、つぎのステップS19において避難モードが設定され、自動車(車両)は、自動操縦運転から手動運転のモードに切り換わる。そして、運転者は、ナビゲーション装置21で提示される案内ガイド(自車周辺の地図や音声ガイド)にしたがい、選ばれた最寄りの避難位置まで運転して同位置で停止する。これにより、土地勘がなくとも、自動車(車両)を速やかに周辺の安全な避難位置に避難させることができ、故障によるトラブルから回避される。
【0027】
他方、ステップS5で行われる故障対応が、図3(a)のような緊急性のない故障、と表示されるとする。このとき運転者は、後からでも故障対応は十分であるとの判断から、自動搬送モード、避難モードの実行を選択しないと判断する。この場合、γで示す「現在の目的地へ行く」を選ぶことになる。
すると、ステップS9からステップS15、ステップS17、ステップS21およびステップS23へと進む。自動車(車両)が自動操縦での運転であれば、既に設定されている目的地までの自動操縦による走行、すなわち自動運転が継続される。手動操作の運転であれば、運転者の手動操作で走行が継続される。この場合は、後日、点検を受ける。
【0028】
ステップS3において自動操縦に支障の有る故障の場合、ステップS7を経てステップS5へ進み、例えば計器盤34のインジケータ(図示しない)を作動させてどのような故障であるかを通知すると共に、退避モードを強調する表示で、退避モードの実行を促す。退避モードの実行で、上記同様、即座に自動車(車両)を適切な避難位置に退避させることができる。
【0029】
こうした故障の対応は、上記した自動運転に限らず、手動操作による運転中、故障が検出されたときについても同様である。なお、この故障対応は、当初が自動運転か手動操作運転かの違いだけで、その後は同じなので詳細な説明は省略する。
このように車両が自動操縦運転あるいは手動操作運転により走行中、故障(自動操縦運転に支障のない故障)が検出されると、運転者に点検施設探索の実行を促す表示がされ、点検施設探索の実行を許可すると、車両は自動操縦で最寄りのサービス店まで自動操縦でサービス店まで搬送される。
【0030】
これにより、自動車(車両)は、走行中、土地勘のない場所で故障が発生しても、自動操縦で、容易に最寄りの点検施設まで搬送することができる。
したがって、自動車(車両)は、安全で、かつ面倒な手間を要せずに、運転中に発生する故障の対応を行うことができる。
しかも、避難位置へ誘導する退避モードが設けられることにより、たとえ自車位置の周辺に販社が見つからなくとも、緊急に停車可能な場所で定められる適正な避難位置へ退避させれば、安全に自動車(車両)を退避させることができる。この退避行動は、自動操縦運転に支障のある故障を検出したときにも最適である。
【0031】
そのうえ、自動操縦運転に支障のない故障では、点検を勧める程度の故障の場合、目的地へ行くことを優先する対応も選択でき、状況に応じた対処ができる。この対応は、故障対応の通知表示が、点検修理を必要とする優先度が高い故障にしたがい目立つようにしたことで十分に発揮できる。
図4は、本発明の第2の実施形態を示す。
【0032】
本実施形態は、第1の実施形態のようなメータディスプレイ部に故障対応を表示して、ステアリングスイッチで、同表示された故障対応を選択決定するのではなく、タッチスイッチ式のディスプレイ部41を備えるナビゲーション装置43を用い、同ナビゲーション装置43のディスプレイ部41に故障対応を表示し、同ディスプレイ部41の画面上に形成されるタッチスイッチ(図示しない)で、同表示された故障対応を選択決定するようにしたものである。
【0033】
このようにしても第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。
なお、上述した実施形態における各構成およびそれの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能であることはいうまでもない。また本発明は、上述した実施形態によって限定されることはなく、「特許請求の範囲」によってのみ限定されることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0034】
1 自動車(車両)
19 自動運転ECU(誘導手段)
21 ナビゲーション装置(点検施設探索手段、避難位置探索手段)
29 運転支援装置
31 故障診断装置(故障検出手段)
35 メータディスプレイ部(故障対応手段)
41 ステアリングスイッチ(対応許可手段)
図1
図2
図3
図4