特開2017-223814(P2017-223814A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社協同工芸社の特許一覧

<>
  • 特開2017223814-照明看板 図000003
  • 特開2017223814-照明看板 図000004
  • 特開2017223814-照明看板 図000005
  • 特開2017223814-照明看板 図000006
  • 特開2017223814-照明看板 図000007
  • 特開2017223814-照明看板 図000008
  • 特開2017223814-照明看板 図000009
  • 特開2017223814-照明看板 図000010
  • 特開2017223814-照明看板 図000011
  • 特開2017223814-照明看板 図000012
  • 特開2017223814-照明看板 図000013
  • 特開2017223814-照明看板 図000014
  • 特開2017223814-照明看板 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-223814(P2017-223814A)
(43)【公開日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】照明看板
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/18 20060101AFI20171124BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20171124BHJP
   F21Y 105/00 20160101ALN20171124BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20171124BHJP
【FI】
   G09F13/18 D
   F21S2/00 436
   F21Y105:00
   F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-118422(P2016-118422)
(22)【出願日】2016年6月15日
(71)【出願人】
【識別番号】516178251
【氏名又は名称】株式会社協同工芸社
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(74)【代理人】
【識別番号】100140361
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 幸二
(72)【発明者】
【氏名】寺内 文雄
(72)【発明者】
【氏名】大川原 良秋
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 和重
【テーマコード(参考)】
3K244
5C096
【Fターム(参考)】
3K244AA06
3K244BA08
3K244BA48
3K244CA03
3K244DA01
3K244EA01
3K244EA16
3K244EA26
3K244EB02
3K244EC16
3K244EC28
3K244GA02
3K244GA14
5C096AA05
5C096BA01
5C096CB01
5C096CB04
5C096CC06
5C096CD02
5C096CD23
5C096CD27
5C096CD34
5C096FA09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】照明看板を簡易な構造をもって全体を均一に発光させる。
【解決手段】照明看板11は、切文字や絵柄の形状に形成された横断面凹状のシェルと、シェル内に収容されたLED光源14と、LED光源14により発光させられる導光板15と、シェルと相似形に形成されてシェルの開口部を閉塞して光を拡散させる表面拡散板13とを備えている。このシェルは、LED光源14が収容された幅広部と、LED光源14が収容されない幅狭部とを備えている。また、導光板15の端部には幅広部に収容されたLED光源14の光を幅狭部に導光する切欠部16が形成されている。この切欠部16は、「傾斜角度「θ」>アクリルの傾斜角度(42.2°)」に形成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切文字や絵柄の形状に形成された横断面凹状のシェルと、
前記シェル内に収容された光源と、
前記光源により発光させられる導光板と、
前記シェルと相似形に形成され、前記シェルの開口部を閉塞する表面拡散板と、を備え、
前記シェルは、前記光源が収容された幅広部と、前記光源が収容されない幅狭部と、を備え、
前記導光板の端部には、前記幅広部に収容された前記光源の光を前記幅狭部に導光する切欠部が形成されたことを特徴とする照明看板。
【請求項2】
前記切欠部は、前記光源の上方に配置され、
前記表面拡散板の臨界角よりも大きな角度に形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の照明看板。
【請求項3】
前記表面拡散板の厚さは、前記幅広部の前記導光板が配置された部分よりも前記幅広部の前記導光板が配置されていない部分が大きい
ことを特徴とする請求項1または2記載の照明看板。
【請求項4】
前記導光板の厚さは、前記光源から遠ざかるにしたがって薄くなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の照明看板。
【請求項5】
前記導光板の表面に施された光拡散ドット加工は、前記光源から遠ざかるにしたがって高密度となることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の照明看板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば建築物などの構造物の壁面に取り付けられて店舗名などを表示する照明看板に関する。
【背景技術】
【0002】
図11は特許文献1の照明看板1を示している。この照明看板1は、切文字状に形成された横断面凹状のシェル(ボックス)3と、シェル3に収容される切文字状の導光板4と、導光板4を発光させるLED光源6と、シェル3の開口部を閉塞する表面拡散板5とを備えている。
【0003】
このLED光源6としては、フレキシブル基板にLEDチップを配置したLEDモジュールが用いられている。このLEDモジュールは、シェル3の起立壁7の内面に放熱性の両面接着テープまたは接着剤で固定されている。
【0004】
図12は、「H」の切文字状に形成された照明看板1を示している。この照明看板1のシェル3は、「H」の切文字状に形成されているため、幅広部F1にLED光源6を設けることは可能であるものの、幅狭部F2にはLED光源6を設けられない場合が生じる。この点で導光板4を均一に発光させることができず、特許文献1は様々な形状に加工された照明看板に対応できないおそれがある。
【0005】
そこで、図13に示す特許文献2の照明看板2が提案されている。この照明看板2にはLED光源6としてLEDテープが用いられ、該LEDテープは粘着性テープに所定間隔をおいてLEDチップが取り付けられ、導光板4の周囲(周端、内周面)に固着されている。ここでは導光板4には、その輪郭に相似した複数の溝8が多重的に形成され、該各溝8が発光部分となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−256920
【特許文献2】特開2013−182252
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2の照明看板2によれば、幅広部F1に配置された導光板4の表面から漏れる光により幅狭部F2の導光板4を発光させている。しかしながら、切文字などの形状によっては、幅狭部F2に漏れる光が少なく、幅狭部F2を発光させるには不十分な場合がある。この点で特許文献2は、特許文献1と同様に照明看板2の全体を均一に発光させられないおそれがある。
【0008】
また、導光板4の輪郭に相似した溝を多重に形成しなければならないため、導光板4の構造が複雑化するおそれがある。そのため、特許文献2の照明看板2は、導光板4のコストが増加し、製造コストの抑制が困難となってしまう。
【0009】
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされ、照明看板を簡易な構造をもって全体を均一に発光させることを解決課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、切文字や絵柄の形状に形成された横断面凹状のシェルと、前記シェル内に収容された光源と、前記光源により発光させられる導光板と、前記シェルと相似形に形成され、前記シェルの開口部を閉塞する表面拡散板と、を備え、前記シェルは、前記光源が収容された幅広部と、前記光源が収容されない幅狭部と、を備え、前記導光板の端部には、前記幅広部に収容された前記光源の光を前記幅狭部に導光する切欠部が形成されたことを特徴としている。
【0011】
前記切欠部としては、前記光源の上方に配置され、前記表面拡散板の臨界角よりも大きな角度に形成されていることが好ましい。また、前記表面拡散板の厚さは、前記幅広部の前記導光板が配置された部分よりも前記幅広部の前記導光板が配置されていない部分が大きいことが好ましい。
【0012】
さらに前記導光板の厚さは、前記光源から遠ざかるにしたがって薄くなることが好ましい。また、前記導光板の表面に施された光拡散ドット加工は、前記光源から遠ざかるにしたがって高密度となることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、照明看板を簡易な構造をもって全体を均一に発光させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る照明看板の斜視図。
図2】同 横断面図。
図3図1のA−A断面図。
図4図1のB−B断面図。
図5図3のC−C断面図。
図6】光源からの光の反射を示す縦断面図。
図7図4の光の拡散を示す断面図。
図8】(a)は導光板の側面図、(b)は(a)の平面図。
図9】導光板のドットパターン密度を示すイメージ図。
図10】(a)は他例1を示す部分縦断面図、(b)は他例2を示す部分断面図。
図11】特許文献1の照明看板の分解斜視図。
図12】「H」の切文字状の照明看板の斜視図。
図13】特許文献2の照明看板の分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態に係る照明看板を説明する。この照明看板は外周形状が文字や絵柄などの形状に沿って形成されている。
【0016】
図1に基づき一例を説明すれば、前記照明看板11は、切文字「H」状の外観形状を呈している。このような照明看板11は、切文字照明や切文字看板と呼ばれ、図示省略の商業施設などの建物(構造物)の壁面に取り付けられ、正面や側面などが発光する光る看板として利用されている。
【0017】
≪構成例≫
図1図5に基づき前記照明看板11の構成例を説明する。この照明看板11は、切文字「H」状に形成された横断面凹状のシェル12と、シェル12内に収容されたLED光源14と、LED光源14により発光させられる導光板15と、シェル12と相似形に形成されたアクリル樹脂製の表面拡散板13とを備え、表面拡散板13はシェル12の開口部を閉塞して光を拡散させている。
【0018】
(1)シェル12
シェル12は、例えば亜鉛板などの金属製でもよく、あるいは樹脂製でもよいものとする。具体的にはシェル12は、図2に示すように、一対の幅広部(図12の「F1」に相当する。)12cと、両幅広部12c間を連結する幅狭部(図12の「F2」に相当する。)12dとによって切文字「H」状に形成されている。
【0019】
この各部12c,12dは、図3および図4に示すように、切文字「H」の外周を構成する一対の側壁(周端)12aと、両側壁12aの下端間の底壁12bとを備え、底壁12bは前記照明看板11の背面を構成している。
【0020】
(2)LED光源14
LED光源14としては、汎用的なタイプでよく、例えば特許文献1のようなフレキシブル基板14aにLEDチップ14bを配置したLEDモジュールを用いることもでき、特に限定されない。
【0021】
このLED光源14は、図2に示すように、両幅広部12c内に収容されている一方、幅狭部12d内には収容されていない。ここではLED光源14は、各幅広部12cの側壁12aの内面に沿って配置されている。
【0022】
(3)導光板15
導光板15は、例えば厚さを「7mm〜15mm」程度、好ましくは「10mm」程度としたアクリル透明樹脂の導光板基板からなり、表面側に例えばドット・格子・ヘアラインなどの導光パターンを有している。すなわち、導光板15の表面には円形または正六角形などの多角形、例えば「0.1mm〜0.5mm」程度の大きさの正六角形のドットを高密度に配置したドットパターンの加工が施されている。
【0023】
このような導光板15は、図3および図5に示すように、プレート状に形成された導光板本体(以下、本体と略する。)15aと、本体15aの両端部15bに形成された切欠部16と、を備えている。
【0024】
この本体15aには、複数の図示省略の取付孔が形成され、図示省略のボルトとナットなどを用いてシェル12の側壁12aに固定されている。この本体15aの略中央部は、図5に示すように、幅狭部12d内に配置されて側壁12aに固定されている一方、本体15aの両端部15bは幅広部12c内に配置されて側壁12aに固定されている。
【0025】
このとき導光板15の各端部15bの下側には、図3に示すように、上向きの光源としてLED光源14のLEDチップ15bが配置されている。ここでは切欠部16は、「傾斜角度(θ)>アクリルの傾斜角度(42.2°)」に形成され、LEDチップ15bからの入射光を全反射させて直角方向に導光させることができる。
【0026】
(4)表面拡散板13
表面拡散板13は、透光製のアクリルやポリカーボネートなどの樹脂製の板をレーザーカットなどの加工方法によってシェル12と相似形に切り出され、全体が乳白色でシェル12の内部が直に透視できないようなっている。この表面拡散板13は、外周端部がテーパ状に形成され、側壁12aの上端間の開口部に嵌め込んだ後に接着剤またはシール材などでシェル12に固定されている。
【0027】
ここで表面拡散板13の厚さ(肉厚)は、図5に示す幅広部12cに応じた部分13aにおいて導光板15の配置の有無により大きさが異なっている。すなわち、図3および図4に示すように、導光板15の上側に配置される部分(以下、導光板配置部分とする。)13dよりも導光板15が配置されていない部分(以下、導光板未配置部分とする。)13cが大きく設定されている。この導光板配置部分13dの厚さは、幅狭部12bに応じた表面拡散板13の部分13bの厚さと同等に設定されている。
【0028】
≪作用効果≫
このように構成された前記照明看板11によれば、以下の作用効果を得ることができる。
【0029】
(1)前記照明看板11によれば、シェル12の幅広部12cにはLED光源14が収容されているものの、シェル12の幅狭部12dにはLED光源14が収容されていない。このとき導光板15の各切欠部16は、「傾斜角度「θ」>アクリルの傾斜角度(42.2°)」に形成されているため、図6の矢印S1に示すように、LED光源14のLEDチップ14bからの入射光が各傾斜面16aにて全反射される。
【0030】
ここで全反射された入射光は、導光板15内を屈曲しながら直角方向、即ち本体15aに導光される。したがって、幅狭部12d内にはLED光源14が収容されていないものの、幅広部12cと同様に発光させることができる。すなわち、導光板15に切欠部16を形成するだけで幅狭部12dの輝度を向上させることができ、前記照明看板11の全体を明るく、かつ均一に発光させることができる。
【0031】
その結果、特許文献2の照明看板2のように、導光板15に溝8を多重的に形成する必要がなく、導光板15の製造工程の複雑化が防止される。これにより導光板15のコストを抑えて照明看板11の製造コストを抑制することでき、簡易な構造をもって全体を均一に発光させることが可能となる。
【0032】
(2)また、前述のように表面拡散板13の導光板未配置部分13aの厚さは、導光板配置部分13bの厚さよりも大きく設定されている。すなわち、図7に示すように、導光板未配置部分13cの厚さFは、上側F1と下側F2とを合算した大きさに形成されている。このとき下側F2は導光板15の厚さと略同等なため、導光板未配置部分13aの厚さFは導光板配置部分13bの2倍に設定されている。
【0033】
このように導光板未配置部分13aの厚さを大きくすることで、図7中のS2に示すように、LED光源14の入射光を導光板未配置部分13aの下側F2で拡散させ、上側F1を発光させることができる。
【0034】
その結果、LED光源14の光が、導光板15を介することなく、表面拡散板13にて直接拡散される。したがって、導光板未配置部分13aの照度を導光板配置部分13bの明度(照度)に近づけることができ、この点でも前記照明看板11の明るさの均一化が図られている。
【0035】
≪他例≫
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載された範囲で変形して実施することができる。以下に一例を説明する。
【0036】
(1)図8(a)(b)に基づき導光板15の他例1を説明する。図8(a)(b)中の「L1」は導光板15の長手方向の長さを示し、「L2」は本体15aの長手方向の長さを示し、「L3」は各切欠部16の長手方向の長さを示し、「L4」は導光板15の幅方向の長さを示している。ここでは「L1=82mm」に設定され、「L2=70mm」に設定され、「L3=6mm」に設定され、「L4=5mm」に設定されている。
【0037】
また、「T1」は本体15aの両端部15bの厚さを示し、「T2」は本体中央15dの厚さを示している。ここでは「T1=5mm」に設定され、「T2=2.5mm」に設定され、導光板15の厚さは両端部15bから本体中央15dに向かって次第に薄く形成されている。
【0038】
このとき導光板15の両端部15bは、LED光源14の上方に配置される一方、導光板15の本体中央15dは幅狭部12dに配置される。したがって、導光板15の厚さは、LED光源14から遠ざかるにしたがって薄くなるように形成されている。これによりLED光源14から遠ざかった場所の明度(照度)を向上させる効果が得られる。
【0039】
(2)図9に基づき導光板15の他例2を説明する。ここでは導光板15のドットパターンは、両端部15bが低密度に施されている一方、本体中央b15dが高密度に施されている。
【0040】
すなわち、導光板15のドットパターンの密度は、両端部15bから本体中央15bに向かって次第に高くなっている。したがって、導光板15のドットパターンは、LED光源14から遠ざかるにしたがって高密度になるように加工されている。この場合にもLED光源14から遠ざかった場所の明度(照度)を向上させる効果が得られる。
【0041】
(3)なお、切欠部16は、「傾斜角度「θ」>アクリルの傾斜角度(42.2°)」であればよく、例えば図10(a)に示すように先端部をカットしてもよく、また図10(b)に示すように下側を切り欠いてもよいものとする。
【符号の説明】
【0042】
11…照明看板
12…シェル
12c…幅広部
12d…幅狭部
13…表面拡散板
14…LED光源(光源)
15…導光板
16…切欠部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13