【解決手段】顧客情報管理装置200は、ネットワークを介して接続される端末装置100を操作する顧客の情報を管理する顧客情報管理装置であって、顧客のID情報と、顧客の住所情報と、顧客の住所情報が有効か否かを示す有効性情報と、有効性情報を更新するための更新用鍵情報とを関連付けて管理するデータベースを格納する記憶部220と、所定の第1期間ごとに更新用鍵情報を発行し、所定の期限までに端末装置100からインターネットを介して更新用鍵情報を受信した場合は、有効性情報を有効とするようにデータベースを更新し、所定の期限までに更新用鍵情報を受信しない場合は、有効性情報を無効とするようにデータベースを更新する制御部230とを備え、更新用鍵情報は、顧客の住所情報が示す住所を配達先とする配達物を介して顧客に通知される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の図面を参照して本発明に係る販売システムの実施形態を説明する。
【0015】
(実施形態1)
1.構成
1−1.販売システムの構成
図1は、本発明の実施形態1に係る販売システムの構成を示す概略図である。
図1に示す販売システム1は、インターネットを介して発注端末装置から商品の発注を受け、当該商品の販売を行うためのシステムである。販売システム1は、顧客が商品の発注を行う発注端末装置100と、商品の販売会社に設置される販売サーバ200と、商品のメーカや販売店舗に設置される出荷サーバ300と、配送会社に設置される配送サーバ400と、決済会社に設置される決済サーバ500とを備える。
【0016】
発注端末装置100は、顧客が商品の発注を行うための端末装置であり、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等で構成される。例えば、発注端末装置100がパーソナルコンピュータの場合、商品の在庫を有さない販売店舗や、顧客の自宅等に設置される。また、発注端末装置100が顧客が所持するスマートフォンやタブレットの場合、顧客は場所を選ばずに商品の発注を行うことができる。
【0017】
発注端末装置100は、IEEE802.11、Wi−Fi、3G、LTE等の通信方式に従って、インターネットを介して販売サーバ200と接続して通信を行う。発注端末装置100は、販売サーバ200からインターネットを介して商品の各種情報(仕様、価格等)を取得し、取得した商品の情報をディスプレイ等の表示部に表示する。これにより、顧客は表示部に表示された情報を参照して商品の発注を行うことができる。発注端末装置100は、顧客の操作に応じて商品の発注をインターネットを介して販売サーバ200に行う。
【0018】
販売サーバ200は、発注端末装置100から商品の発注を受け、この商品の出荷、配送、決済の処理の全体を管理する。販売サーバ200は、クラウドサーバ等で構成される。具体的には、販売サーバ200は、商品の各種情報をインターネットを介して発注端末装置100に送信し、商品の発注情報を発注端末装置100からインターネットを介して受ける。販売サーバ200は、発注情報に従い、受注した商品の出荷をメーカ・販売店舗の出荷サーバ300に指示する。これにより、出荷サーバ300から配送会社の配送サーバ400に商品の配送指示が行われる。また、販売サーバ200は、受注した商品の決済を決済会社の決済サーバ500に指示する。販売サーバ200は、商品の出荷指示(すなわち配送指示)を、商品の決済指示に対して独立して(すなわち、決済方法の確定を待たずに)行う。販売サーバ200の詳細は後述する。
【0019】
また、販売サーバ200は、商品の出荷及び配送を行うために必要な顧客の住所情報を管理するとともに、この住所情報の有効性を定期的に管理する。販売サーバ200による顧客の住所情報の有効性の管理の詳細は後述する。
【0020】
出荷サーバ300は、メーカや販売店舗等に設置され、商品の出荷処理を管理するサーバである。出荷サーバ300は、例えばパーソナルコンピュータで構成される。出荷サーバ300は、IEEE802.11、Wi−Fi、3G、LTE等の通信方式に従って、インターネットを介して販売サーバ200及び配送サーバ400と接続して通信を行う。出荷サーバ300は、販売サーバ200からインターネットを介して商品の出荷指示を受け、配送サーバ400にインターネットを介して商品の配送指示を行う。
【0021】
配送サーバ400は、配送会社に設置され、商品の配送処理を管理するサーバである。配送サーバ400は、例えばパーソナルコンピュータで構成される。配送サーバ400は、IEEE802.11、Wi−Fi、3G、LTE等の通信方式に従って、インターネットを介して販売サーバ200及び出荷サーバ300と接続して通信を行う。配送サーバ400は、出荷サーバ300からインターネットを介して商品の配送指示を受ける。これにより、配送会社から顧客の自宅へ商品の配送処理が行われる。
【0022】
決済サーバ500は、決済会社に設置され、商品の決済処理を管理するサーバである。決済サーバ500は、例えばパーソナルコンピュータで構成される。決済サーバ500は、IEEE802.11、Wi−Fi、3G、LTE等の通信方式に従って、インターネットを介して販売サーバ200と接続して通信を行う。決済サーバ500は、販売サーバ200からインターネットを介して商品の決済指示を受ける。これにより、決済会社と例えば顧客が所持するスマートフォンとの間で商品の決済処理が行われる。
【0023】
1−2.販売サーバの構成
図2は、実施形態1の販売サーバ200の構成を示す図である。
図2に示す販売サーバ200は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを備える。
【0024】
通信部210は、IEEE802.11、Wi−Fi、3G、LTE等の規格に準拠して、ネットワークを介してデータ通信を行う通信モジュールである。
【0025】
記憶部220は、HDDやSSDなどの記憶装置である。記憶部220は、各種のプログラム、及び、後述する各種のデータベース(顧客マスタ221、商品マスタ222、出荷・配送管理データベース223、決済管理データベース224、有効期限通知管理データベース225)を格納する。
【0026】
制御部230は、CPUやMPUなどで構成され、販売サーバ200の全体の動作を制御する。制御部230は、記憶部220に格納されたプログラムを実行することによって、各種の機能を実現する。制御部230の各種の機能については、後述する動作の説明において詳細に説明する。
【0027】
なお、制御部230の機能は、ハードウェアとソフトウェアの協同により実現したが、制御部230を所定の機能を実現するように専用に設計されたハードウェア回路のみで実現してもよい。例えば、制御部230は、CPU、MPUのみならず、DSP、FPGA、ASIC等で構成することができる。
【0028】
1−3.データベースの構成
以下、
図3(a)〜
図3(d)及び
図4を参照して、顧客マスタ221、商品マスタ222、出荷・配送管理データベース223、決済管理データベース224、及び、有効期限通知管理データベース225について説明する。
【0029】
図3(a)は、顧客マスタ221の一例を示す図である。顧客マスタ221は顧客に関する情報を管理し、顧客IDと、各種の顧客情報と、これらの顧客情報の有効性を示すステータスとを関連付けて管理する。
図3(a)に示す一例では、顧客IDは顧客を識別するための識別情報である。顧客情報としての名前、住所、電話番号、及び、E−mailは、それぞれ、顧客の名前、住所、電話番号(連絡先)、E−mail(連絡先)である。ステータスは、名前、住所、電話番号、及び、E−mailの顧客情報、特に住所情報の有効性を示す情報である。例えば、住所情報が顧客の現在の住所情報として正しい場合にはステータスは「有効」に設定され、住所情報が顧客の現在の住所情報として正しくない可能性がある場合にはステータスは「無効」に設定される。
【0030】
図3(b)は、商品マスタ222の一例を示す図である。商品マスタ222は商品に関する情報を管理し、商品コードと各種の商品情報とを関連付けて管理する。
図3(b)に示す一例では、商品コードは商品を識別するための識別情報である。商品名は商品の名称であり、メーカコードは商品の出荷を指示するメーカを識別するための情報である。価格は商品の価格情報である。
【0031】
図3(c)は、出荷・配送管理データベース223の一例を示す図である。出荷・配送管理データベース223は出荷及び配送に関する情報を管理し、出荷指示番号と、上記した商品コード及びメーカコードと、発送ステータスとを関連付けて管理する。
図3(c)に示す一例では、出荷指示番号は商品の出荷指示ごとに割り当てられる管理番号の情報である。配送ステータスは、配送が完了したか否かの状態を示す情報である。例えば、配送がまだ完了していない場合には配送ステータスは「未」に設定され、配送が完了した場合には配送ステータスは「済」に設定される。
【0032】
図3(d)は、決済管理データベース224の一例を示す図である。決済管理データベース224は決済に関する情報を管理し、上記した出荷指示番号と、決済指示番号と、決済方法と、決済ステータスとを関連付けて管理する。
図3(d)に示す一例では、決済指示番号は商品の決済指示ごとに割り当てられる管理番号の情報である。決済方法は、顧客が選択するための各種の決済方法(例えば、クレジット、代引き、コンビニ振り込み等)の情報である。決済ステータスは、決済が完了したか否かの状態を示す情報である。例えば、決済がまだ完了していない場合には決済ステータスは「未」に設定され、決済が完了した場合には決済ステータスは「済」に設定される。
【0033】
図4は、有効期限通知管理データベース225の一例を示す図である。有効期限通知管理データベース225は顧客マスタ221の顧客情報の有効期限通知に関する情報を管理し、上記した顧客IDと、確認日(更新日)と、更新キーと、ステータスとを関連付けて管理する。
図4に示す一例では、確認日(更新日)は顧客マスタ221の住所情報の最新確認日(最終更新日)の情報である。更新キーは顧客マスタ221の住所情報の有効性を確認するために顧客に通知する更新キーである。ステータスは、更新キーを顧客に通知中か、或いは更新キーを通知した後に住所情報の有効性が確認でき、顧客マスタ221のステータス「有効/無効」を更新済みかの状態を示す情報である。なお、本実施形態では、有効期限通知管理データベース225を顧客マスタ221とは別に管理したが、有効期限通知管理データベース225におけるデータは顧客マスタ221におけるデータと共に1つのデータベースで管理されてもよい。
【0034】
2.動作
以下、本実施形態1の販売システム1による販売動作、及び、住所情報管理動作について、
図5〜
図7を参照して説明する。以下の動作説明において、説明の便宜上、発注端末装置100として顧客が所持するスマートフォンを想定し、メーカや販売店舗としてメーカを想定して説明する。
【0035】
2−1.販売システムによる販売動作
以下、本実施形態1の販売システム1による販売動作について、
図5を参照して説明する。
図5は、販売システム1による発注、配送指示、及び決済指示に対するシーケンス図である。
【0036】
まず、顧客による発注処理が行われる前に発注端末装置100には商品の情報が表示されている。この情報は、顧客が発注端末装置100を操作することにより表示される。すなわち、顧客が発注端末装置100を操作すると、販売商品の情報提供を要求する要求信号が発注端末装置100からインターネットを介して販売サーバ200に送信される。販売サーバ200の制御部230は、通信部210を介して受信した要求信号に応じて、記憶部220に格納された商品マスタ222(
図3(b))を参照し、販売商品の情報を通信部210を介して発注端末装置100に送信する。発注端末装置100は、インターネットを介して取得した販売商品の情報をディスプレイ等の表示部に表示する。
【0037】
その後、
図5に示すように、顧客が発注端末装置100を操作することにより、発注端末装置100からインターネットを介して販売サーバ200へ商品の発注情報(購入依頼)が送信される(S101)。発注情報(購入依頼)は、顧客が発注端末装置100に入力した顧客ID、及び、顧客が発注した商品の商品コード等の情報を含む。
【0038】
販売サーバ200の制御部230は、発注端末装置100から通信部210を介して商品の発注情報(購入依頼)を受信する。制御部230は、記憶部220に格納された顧客マスタ221(
図3(a))を参照して、発注情報(購入依頼)に含まれる顧客IDに対応するステータスが「有効」である場合に、出荷指示をインターネットを介してメーカの出荷サーバ300に送信する(S111)。出荷指示は、
図3(c)に示す出荷・配送管理データベース223における出荷指示番号、商品コード、及び、顧客マスタ221における顧客IDに対応した名前、住所、電話番号等の住所情報を含む。
【0039】
具体的には、制御部230は、商品マスタ222を参照して、発注情報(購入依頼)に含まれる商品コードに対応するメーカコードを抽出し、商品コード及びメーカコードの情報に出荷指示番号を割り当てて出荷・配送管理データベース223を更新する。これにより、出荷・配送管理データベース223は、発注(購入依頼)を受けた商品の出荷及び配送を出荷指示番号によって管理することができる。
【0040】
制御部230は、出荷・配送管理データベース223を参照して、出荷指示番号、商品コードを抽出し、抽出した情報を出荷指示に含ませる。また、制御部230は、出荷・配送管理データベース223を参照して、メーカコードを抽出し、抽出したメーカコードが示すメーカを出荷指示先として設定する。また、制御部230は、顧客マスタ221を参照して、顧客IDに対応する名前、住所、電話番号等の住所情報を抽出し、抽出した住所情報を出荷指示に含ませる。
【0041】
本実施形態では、説明の便宜上、商品の発注個数を1個として説明するが、出荷・配送管理データベース223が商品の個数を管理し、出荷指示に商品の個数の情報を含ませてもよい。
【0042】
なお、顧客マスタ221におけるステータスが無効である場合、後述の住所情報管理動作の説明において説明するように住所情報の有効性が確認できず、この住所情報は正しくない可能性がある。この場合、制御部230は、出荷指示を行わず、後述する住所情報管理動作を再度行ってもよい。
【0043】
出荷サーバ300は、販売サーバ200からインターネットを介して商品の出荷指示(S111)を受信すると、商品の配送指示をインターネットを介して配送会社の配送サーバ400に送信する(S112)。配送指示は、出荷指示に含まれる出荷指示番号、商品コード、名前、住所、電話番号等の住所情報を含む。
【0044】
配送サーバ400は、出荷サーバ300からインターネットを介して商品の配送指示(S112)を受信すると、販売サーバ200にインターネットを介して出荷指示番号と、その配送ステータス「未」を通知する(S113)。このとき、販売サーバ200の制御部230は、通信部210を介して通知を受け、通知が示す出荷指示番号に対応する配送ステータスを「未」に設定するように出荷・配送管理データベース223を更新する。
【0045】
また、販売サーバ200の制御部230は、出荷指示(S111)と独立して、商品の決済指示をインターネットを介して決済会社の決済サーバ500に送信する(S121)。決済指示は、記憶部220に格納された決済管理データベース224(
図3(d))における決済指示番号、決済方法、商品マスタ222(
図3(b))における商品の価格、及び、顧客マスタ221(
図3(a))における顧客IDに対応したE−mailアドレスを含む。
【0046】
具体的には、制御部230は、出荷・配送管理データベース223を参照して、出荷指示番号を抽出し、抽出した出荷指示番号に決済指示番号を割り当てて決済管理データベース224を更新する。これにより、決済管理データベース224は、商品の決済を決済指示番号によって管理することができる。
【0047】
制御部230は、顧客マスタ221を参照して、顧客IDに対応するE−mailアドレスを抽出し、抽出したE−mailアドレスを決済指示に含ませる。また、制御部230は、商品マスタ222を参照して、商品コードに対応する価格を抽出し、抽出した価格を決済指示に含ませる。また、制御部230は、決済方法として、顧客が選択するための各種の決済方法(例えば、クレジット、代引き、コンビニ支払い等)の情報を決済指示に含ませる。
【0048】
決済サーバ500は、販売サーバ200からの決済指示を受信すると、販売サーバ200に決済指示番号と、その決済ステータス「未」を通知する(S122)。このとき、販売サーバ200の制御部230は、通信部210を介して通知を受け、通知が示す決済指示番号に対応する決済ステータスを「未」にするように決済管理データベース224を更新する。
【0049】
次に、ステップ112の配送指示に従って、配送会社において商品の配送処理が行われる。まず、配送サーバ400は、決済状況の確認を行うための決済状況確認情報をインターネットを介して販売サーバ200に送信する(S131)。決済状況確認情報は出荷指示番号を含む。このとき、販売サーバ200の制御部230は、決済管理データベース224を参照して、決済状況確認情報に含まれる出荷指示番号に対応する決済ステータスを抽出し、抽出した決済ステータスと出荷指示番号とをインターネットを介して配送サーバ400に通知する(S132)。
【0050】
決済ステータスが「済」の場合、配送会社は、配送指示に含まれる商品コードが示す商品をメーカから取得し、配送指示に含まれる住所にこの商品の配送処理を行う。また、決済ステータスが「未」であっても、配送会社は、配送指示に含まれる商品コードが示す商品をメーカから取得し、配送指示に含まれる住所にこの商品の配送処理を行う。この場合は、例えば決済方法を配送会社による代引きとしてもよい。
【0051】
次に、配送サーバ400は、出荷指示番号とその発送ステータス「済」をインターネットを介して販売サーバ200に通知する(S133)。このとき、販売サーバ200の制御部230は、決済ステータスを「済」にするように決済管理データベース224を更新する。
【0052】
また、ステップ121の決済指示に従って、決済会社において商品の決済処理が行われる。まず、決済サーバ500は、決済指示に含まれるE−mailアドレスに、決済依頼情報を送信する(S141)。決済依頼情報は、決済方法の選択、商品の価格を含む。このとき、顧客はスマートフォンを操作して決済方法を選択し、スマートフォンが決済サーバ500に決済方法の選択結果を通知する(S142)。これにより、決済手続きが完了するとする。
【0053】
次に、決済サーバ500は、決済情報として販売サーバ200に、決済指示番号と、その決済ステータス「済」を通知する(S125)。このとき、販売サーバ200の制御部230は、通信部210を介して決済情報を受信し、決済情報が示す決済指示番号に対応する決済ステータスを「済」に更新する。
【0054】
以上のように、本実施形態1では、販売サーバ200の制御部230は、出荷指示(S111)を決済指示(S121)と独立して送信する。すなわち、メーカや販売店舗における出荷処理及び配送会社による配送処理(
図5の破線矢印の商品配送処理)は、決済会社における決済処理(S141、S142)が完了していても、完了していなくても行われる。これにより、商品の出荷及び配送処理を商品の決済処理が完了した後に行う従来の販売システムと比較して、商品の発注から商品の配達までの時間を短縮することができる。
【0055】
2−2.販売システムによる住所情報管理動作
以下、本実施形態1の販売システム1による顧客マスタ221の住所情報管理動作について、
図6及び
図7を参照して説明する。以下に示すように、本実施形態1の販売システム1は、ネットワークを介して接続される端末装置100を操作する顧客の情報、特に住所情報を管理する顧客情報管理システムとして機能する。このとき、販売サーバ200が顧客の情報、特に住所情報を管理する顧客情報管理装置として機能する。なお、販売サーバ200は、上述したように、発注端末装置(端末装置)100から顧客のID情報を含む情報を受信したときに、出荷サーバ(第3の装置)300に顧客の住所情報を送信することができる。
【0056】
図6は販売システム1による住所情報管理動作の概要を説明するための図である。本実施形態の販売システム1では、所定の期間(例えば、3ヶ月)ごとに、販売サーバ200の有効期限通知管理データベース225(
図4)における更新キーが顧客に通知される。その際、販売サーバ200により、更新キーは、顧客マスタ221(
図3(a)参照)における顧客の住所を配達先とした郵便物(Mail)に印刷される。その後、その郵便物が郵便会社700によって顧客の自宅に届けられる(
図6参照)。顧客は、郵便物(Mail)に印刷された更新キーを発注端末装置100に入力することにより、この更新キーをインターネットを介して販売サーバ200に送信(通知)する。販売サーバ200は、発注端末装置100から更新キーを受信した場合に、顧客マスタ221におけるステータスを「有効」とするように顧客マスタ221を更新する。
【0057】
このように、販売サーバ200の顧客マスタ221が管理する住所を配達先として郵便物を郵送することにより、更新キーを顧客に通知する。このように郵便物を介して住所確認することにより、顧客マスタ221が管理する住所が顧客の現在の住所として正しいことを確認することができる。
【0058】
一方、販売サーバ200は、所定の期限までに発注端末装置100から更新キーを受信しない場合、顧客マスタ221におけるステータスを「無効」とするように顧客マスタ221を更新する。
【0059】
このように、顧客から更新キーの返信がない場合、顧客に更新キーが届いていない可能性があり、顧客マスタ221が管理する住所は顧客の現在の住所と等しくない可能性がある。この場合、顧客マスタ221におけるステータスを「無効」として、顧客マスタ221が管理する住所への商品の配送を行わないようにする。
【0060】
図7は、販売システム1による住所情報管理動作を示すシーケンス図である。
図7に示すように、販売サーバ200の制御部230は、記憶部220に格納された有効期限通知管理データベース225(
図4)を参照して、確認日(更新日)、すなわち住所情報の最新確認日(最新更新日)から所定の期間(例えば、3ヶ月)が経過したか否かを判定する(S201)。例えば、制御部230は、この判定を1日に1回行う。
【0061】
制御部230は、確認日(更新日)から所定の期間経過した場合に、有効期限通知管理データベース225の更新キーに新たな更新キーを設定するように、また、ステータスを「通知中」に変更するように、有効期限通知管理データベース225を更新し、新たに設定された更新キーを発行する(S202)。例えば、制御部230は更新キー及び住所情報をプリンタ等に送信して、更新キー及び住所情報を郵便物に印刷させる。これにより、顧客マスタ221における住所情報が現在も正しい場合、郵便物は顧客の自宅に届けられ、郵便物に印刷された更新キーが顧客に通知される。一方、顧客マスタ221における住所情報が現在正しくない場合、郵便物は顧客の自宅に届かず、郵便物に印刷された更新キーが顧客に通知されない。
【0062】
更新キーが通知されると、顧客は、この更新キーを発注端末装置100に入力する。これにより、更新キーが発注端末装置100からインターネットを介して販売サーバ200に返信される(S203)。
【0063】
販売サーバ200の制御部230は、発注端末装置100から更新キーを受信した場合、顧客マスタ221におけるステータスを「有効」とするように顧客マスタ221を更新する。また、制御部230は、有効期限通知管理データベース225における確認日(更新日)を、更新キーを受信した日に変更するように、また、ステータスを更新済に変更するように、有効期限通知管理データベース225を更新する。
【0064】
一方、更新キーを発行してから所定の期間(例えば、3ヶ月)経過した場合、すなわち、有効期限通知管理データベース225の確認日(更新日)から6ヶ月が経過し、かつステータスが通知中の場合、管理している住所情報が正しくないために更新キーが顧客に通知されていない可能性がある。この場合、制御部230は、顧客マスタ221におけるステータスを「無効」に変更するように顧客マスタ221を更新する。これにより、顧客マスタ221が管理する住所情報への商品の配送を行わないようにする。
【0065】
3.まとめ
以上のように、本実施形態1の販売サーバ200は、インターネットを介して発注端末装置100から商品の発注情報を受信し、当該商品の発送指示及び決済指示を行う販売サーバ200であって、通信部210と制御部230とを備える。通信部210は、インターネットを介して発注端末装置100と通信を行う。制御部230は、発注端末装置100から通信部210を介して発注情報として顧客のID情報と商品情報とを受信し、ID情報に対応する住所情報に基づいて、商品情報に対応する商品の出荷指示をメーカや販売店舗の出荷サーバ300に送信するとともに、商品情報に対応する商品の決済指示を決済会社の決済サーバ500に送信する。制御部230は、出荷指示を決済指示に対して独立して送信する。
【0066】
また、本実施形態1の販売システム1は、商品の発注を行う発注端末装置100と、発注端末装置100からインターネットを介して商品の発注情報を受信し、当該商品の発送指示及び決済指示を行う上記した販売サーバ200とを備える。
【0067】
このように、本実施形態1の販売サーバ200及び販売システム1によれば、出荷指示を決済指示に対して独立して送信する。すなわち、メーカや販売店舗における出荷処理及び配送会社による出荷処理は、決済会社における決済処理が完了していても、完了していなくても行われる。これにより、商品の出荷及び配送処理を商品の決済処理が完了した後に行う従来の販売システムと比較して、商品の発注から商品の配達までの時間を短縮することができる。
【0068】
また、本実施形態1の販売サーバ(顧客情報管理装置)200は、インターネットを介して接続される端末装置100を操作する顧客の情報を管理する顧客情報管理装置であって、記憶部220と制御部230とを備える。記憶部220は、顧客のID情報と、顧客の住所情報(
図3(a))と、顧客の住所情報が有効か否かを示すステータス(
図3(a))と、ステータスを更新するための更新キー(
図4)とを関連付けて管理する顧客マスタ221及び有効期限通知管理データベース(
図3(a)及び
図4)を格納する。制御部230は、所定の期間ごとに更新キーを発行し、所定の期限までに端末装置100からインターネットを介して更新キーを受信した場合は、顧客マスタ221のステータスを有効とするように顧客マスタ221を更新し、所定の期限までに更新キーを受信しない場合は、顧客マスタ221のステータスを無効とするように顧客マスタ221を更新する。販売サーバ200は、端末装置100から顧客のID情報を含む情報を受信したときに、顧客マスタ221のステータスが有効である場合に顧客の住所情報を出荷サーバ300(第3の装置の一例)に送信する。このとき、更新キーは、顧客マスタ221における顧客の住所情報が示す住所を配達先とする郵便物(配達物の一例)を介して顧客に事前に通知される。
【0069】
また、本実施形態1の販売システム(顧客情報管理システム)1は、顧客が操作する端末装置100と、ネットワークを介して接続される端末装置100を操作する顧客の情報を管理する上記した販売サーバ(顧客情報管理装置)200とを備える。
【0070】
このように、本実施形態1の販売サーバ(顧客情報管理装置)200及び販売システム(顧客情報管理システム)1によれば、販売サーバ200の顧客マスタ221が管理する住所を配達先とする郵便物を介して更新キーが顧客に通知され、顧客に更新キーを返信させることにより、顧客マスタ221が管理する住所が顧客の現在の住所として正しいことを確認することができる。この場合、顧客マスタ221のステータスを「有効」とする。一方、顧客から更新キーの返信がない場合、顧客に更新キーが届いていない可能性があり、顧客マスタ221が管理する住所は顧客の現在の住所として正しくない可能性がある。この場合、顧客マスタ221におけるステータスを「無効」として、顧客マスタ221が管理する住所への商品の配送を行わないようにする。このようにして、顧客マスタ221が管理する住所情報の有効性を管理することができる。
【0071】
(実施形態2)
実施形態1では、顧客は発注端末装置100にID情報を直接入力することにより商品の発注を行った。実施形態2では、顧客は、ID情報が格納されたIDカードを用いて商品の発注を行う。
【0072】
図8(a)は、実施形態2に係る発注端末装置100と、IDカード115内の情報を読み取るカード情報読取装置110との構成を示す図である。実施形態2に係る販売システム1は、
図8(a)に示すように、
図1の実施形態1の販売システム1においてさらにカード情報読取装置110を備える。
【0073】
図8(b)は、実施形態2に係るIDカード115に格納された情報を示す図である。
図8(b)に示すように、IDカード115には、顧客IDと各種の顧客情報とが対応付けられて格納されている。顧客IDは、このIDカード115を所有する顧客を識別するための識別情報である。顧客情報としての名前、住所、電話番号、及び、E−mailは、それぞれ、顧客の名前、住所、電話番号(連絡先)、E−mail(連絡先)である。IDカード115は、これらの情報が格納されたICチップを含む。
【0074】
図8(a)に示すように、発注端末装置100は、例えばパーソナルコンピュータで構成され、発注端末装置100にはカード情報読取装置110が接続されている。カード情報読取装置110は、IDカード115に格納された情報を読み取る装置である。カード情報読取装置110は、IDカード115から読み取った顧客ID、名前、住所、電話番号、及び、E−mail等の情報を発注端末装置100に送信する。これにより、発注端末装置100は、実施形態1と同様に、読取装置110からの顧客ID、名前、住所、電話番号、及び、E−mail等の情報を、販売サーバ200に送信する発注情報に含ませる。
【0075】
以上のような構成により、顧客は、発注端末装置100を操作して商品の発注を行う際に、IDカード115をカード情報読取装置110に挿入する。このとき、カード情報読取装置110は、IDカード115に格納された顧客IDと、名前、住所、電話番号、及び、E−mail等の住所情報を読み取る。発注端末装置100は、カード情報読取装置110で読み取ったこれらの情報を、販売サーバ200に送信する商品の発注情報に含ませる。
【0076】
なお、本実施の形態2では、発注端末装置100とは別にカード情報読取装置110を設けたが、カード情報読取装置110は発注端末装置100と一体的に設けられてもよい。
【0077】
本実施形態2では、販売サーバ200の制御部230は、発注端末装置100からの発注に含まれる名前、住所、電話番号、及び、E−mail等の住所情報を抽出し、抽出した住所情報を出荷指令に含ませてもよい。
【0078】
また、本実施形態2では、住所情報管理を行う際、例えば、販売サーバ200の制御部230は、更新キー及び住所情報をIDカード内のICチップに記憶させる。そして、このIDカードが、この住所情報が示す住所を配達先とする郵便物を介して顧客の自宅に届けられる。
【0079】
この実施形態2の販売サーバ200及び販売システム1でも、実施形態1の販売サーバ200及び販売システム1と同様の利点を有する。
【0081】
実施形態1及び2では、顧客の情報、特に住所情報を管理する顧客情報管理装置及び顧客情報管理システムとして、発注端末装置100から商品の発注情報を受信し、当該商品の発送指示及び決済指示を行う販売サーバ200及び販売システムを例示した。しかし、本発明の顧客情報管理の思想は、販売システムに限定されず、ネットワークを介して接続される端末装置を操作する顧客の情報、特に住所情報を管理する装置及びシステムに広く適用できる。すなわち、本発明の顧客情報管理の思想は、端末装置から顧客のID情報を含む情報を受信したときに、管理する顧客の住所情報を第3の装置に送信することが可能な種々の顧客情報管理装置及び顧客情報管理システムに適用可能である。この場合、顧客情報管理装置等は、顧客のステータス(有効性情報)が有効である場合に、少なくとも、管理する顧客の住所情報を第3の装置に送信すればよい。このような顧客情報管理装置等に本発明の顧客情報管理の思想を適用することで、常に有効な顧客の住所情報を管理することができる。
【0082】
また、実施形態1及び2に示す販売システムは、顧客からの発注情報(顧客のID情報を含む)を受けて商品を発送したが、この商品は有償、無償を問わない。すなわち、商品に加えてまたは商品に代えて、サンプル品、ノベルティ品、カタログ、書類等の物品を送付してもよい。すなわち、販売システムは、端末装置から顧客のID情報を受信したときに、その顧客のステータス(有効性情報)が有効である場合に、任意の物品(商品、サンプル品、カタログ、書類等)を発送してもよい。また、物品に代えてまたは物品とともに所定の情報を第3の装置に送信してもよい。
【0083】
実施形態1及び2では、更新キーは、郵便物を介して顧客に通知される形態を例示した。しかし、本発明はこれに限定されず、更新キーは、指定した住所に配達される宅配物(Home delivery package/parcel)を介して通知されてもよい。
【0084】
実施形態2では、ID情報と、顧客の名前、住所、電話番号、E−mailアドレス等の住所情報を格納するIDカードを例示した。しかし、本発明はこれに限定されず、IDカードは顧客のID情報のみを記録されていてもよい。