【実施例】
【0027】
次に、本発明の実施例に係る投稿情報の表示システムについて図面を参照して説明する。
図1は、本実施例の投稿情報の表示システムのSNS(Social Network Service)の1つの利用態様を例示する。同図において、タレント、ブロガー、有名人、著名人等の投稿者P1、P2、P3は、自身にとって興味のある口コミ情報を投稿情報としてSNSサーバへアップロードし、それらの投稿情報がデータベースDBに順次蓄積される。投稿者P1、P2、P3は、当該SNSにおいて予め登録された人物であり、それぞれ固有の識別情報を有している。投稿者P1、P2、P3は、例えば、スマートフォン等を利用して投稿情報をアップロードする。
【0028】
一方、ユーザーU1、U2、U3は、例えば、スマートフォンを介してSNSサーバにアクセスし、SNSサーバから投稿情報をダウンロードする。好ましくは、スマートフォンには、当該SNSを利用するためのアプリケーションソフトウエアが実装され、当該アプリケーションの実行により、SNSサーバへのアクセス、投稿情報のダウンロード、投稿情報の表示が実行される。好ましい態様では、ユーザーは、SNSサーバにユーザーアカウントの認証を行った後、投稿情報の配信の要求ととともにスマートフォンの現在位置情報がSNSサーバに送信され、SNSサーバは、現在位置情報に基づき必要な投稿情報を配信する。スマートフォンに配信された投稿情報は、アプリケーションの制御下においてディスプレイに表示され、ユーザーU1、U2、U3は、投稿者P1、P2、P3の投稿情報を閲覧することができる。好ましい態様では、ユーザーU1は、自分の嗜好に合致した投稿者P1のみの投稿情報を選択することも可能である。
【0029】
図2は、本実施例の投稿情報をサーバに送信する端末装置を含む、表示システムの構成例を示す図である。本実施例の表示システム10は、インターネット等のネットワークNWに、サーバ20、30、スマートフォン40、50、60、パーソナルコンピュータ70などが接続される。投稿者は、例えば、スマートフォン40〜60またはPC70を介して投稿情報をSNSサーバ20、30に投稿することができる。他方、SNSのユーザーもまた、スマートフォン40〜60やPC70を介して投稿情報をサーバ20、30から取得し、各自の端末で投稿情報を表示させることができる。また、スマートフォン50が車両に持ち込まれた場合には、スマートフォン50は、USBや近距離無線通信等の接続手段90により車載機80に接続され、車載機80のディスプレイに投稿情報82を表示させることができる。好ましくは、スマートフォン40〜60には、SNSアプリケーション52が搭載され、SNSを利用するとき、当該アプリケーション52が実行される。
【0030】
図3は、実施例に係る投稿情報の表示システムの具体的な構成例を示す図である。まず初めに、本例では、投稿者がスマートフォンを利用して投稿情報を投稿する例について説明する。スマートフォン100は、
図3に示すように、ユーザーからの指示を入力する入力部110、表示部120、スマートフォン100の現在位置を算出する現在位置算出部130、インターネット等を介してサーバ等とデータ通信を行う通信部140、データやプログラムなどを記憶可能な記憶部150、各部を制御する制御部160等の基本構成を含む。ここには図示しないが、スマートフォン100は、画像を撮像する撮像カメラ、音声を入力するマイクロフォン、音声を出力するスピーカなども搭載する。
【0031】
制御部160は、マイクロコントローラまたは中央プロセッサ等を含み、好ましくは、予め用意されたアプリケーションソフトウエアまたはプログラムを実行することでSNSの利用を制御する。ある態様では、投稿者は、レストラン、店、ホテルなど施設を訪問したとき、その施設に関する文章、静止画、動画などの口コミ情報を作成する。また、記憶部150は、後述するように現在位置から投稿位置までの経路探索を行うための地図データを格納している。
【0032】
図4に、第1の実施例に係るスマートフォンの制御部160の機能ブロック図を示す。制御部160は、サーバに投稿する投稿情報を作成する投稿情報作成部162と、投稿情報の送信指示を受けたとき、現在位置から投稿位置までの距離を算出する距離情報算出部164と、算出された距離に応じて、投稿情報をサーバに送信する投稿情報送信部166とを備えている。
【0033】
投稿情報作成部162は、投稿者からの口コミ情報の入力があると、それをSNSサーバ200に送信すべく投稿情報を作成する。
図5は、投稿情報の一例を示す図である。投稿情報は、投稿者ID、投稿日時、投稿内容、投稿位置情報を含んで構成される。投稿者IDは、投稿者を識別する情報であり、例えば、SNSサーバの認証で用いられたユーザーアカウント、ユーザー名などを用いることができる。これ以外にも、投稿者を識別できる情報、例えばスマートフォンの電話番号などであってもよい。ここでは、スマートフォンの保有者である投稿者P1が示されている。投稿日時は、投稿情報が作成された後、送信指示を受けたときの時間情報であり、例えば、○月○日○時○分などの情報である。これは、スマートフォン内の時計情報が利用される。投稿内容は、投稿者が入力したテキスト情報、投稿者がスマートフォンで撮像した画像情報、投稿者がスマートフォンで入力した音声情報を含むことができる。画像情報や音声情報は、公知の圧縮手段により圧縮され、MPEG、JPEGなどに加工することができる。投稿位置情報は、上記したように、位置情報取得部130で取得されたスマートフォン100の現在位置情報である。
【0034】
距離情報算出部164は、投稿者により送信指示が入力されると、現在位置算出部130から現在位置を取得し、その現在位置から投稿位置までの距離を算出することができる。
現在位置情報や投稿位置情報は、それぞれ位置を示す座標情報を含んでいる。例えば、距離情報算出部164は、現在位置の座標(Xn,Yn)と、投稿位置の座標(X
T,Y
T)とを取得すると、これらの座標情報に基づき、距離を算出する。投稿情報送信部166は、算出された距離に応じて、投稿情報をサーバに送信することができる。これにより、投稿者が投稿位置から十分に離れた場合に、投稿情報がSNSサーバ200に送信されるように送信制限をかけることができる。
【0035】
図6は、第1の実施例に係る投稿情報の投稿動作を説明するフローチャートである。投稿者は、スマートフォン100のアプリケーションを起動させる(S100)。この起動により、スマートフォン100は、SNSサーバ200との通信が可能になる。好ましくは、SNSを利用するための条件として、ユーザー認証のためのユーザーアカウント、パスワードなどのログインが求められる。但し、ユーザー認証は、このタイミングに限らず、投稿情報を送信する際に行われるようにしてもよい。
【0036】
アプリケーションの起動に伴い、スマートフォン100の現在位置情報が取得される(S102)。現在位置情報の取得の方法は、公知の手段を利用して行われる。例えば、スマートフォン100がGPS受信機を搭載している場合にはその緯度、経度の座標情報、ジャイロセンサや加速度センサなどの自立航法センサを内蔵している場合には、その位置情報から現在位置情報が算出される。また、これ以外にも、通信部140を介して外部からスマートフォン100の現在位置情報を取得することができる場合には、その現在位置情報を利用する。
【0037】
投稿者は、入力部110を介して口コミ情報を入力し(S104)、入力が完了すると、投稿情報に関連付けしてその位置情報を付加するか否かを選択する。投稿情報作成部162は、投稿者によって位置情報が付加されなかった場合、現在位置情報を自動的に付加することもできる。投稿情報に付加される投稿位置情報は、例えば、施設情報や住所情報であってよく、投稿する口コミ情報のテキスト情報や画像情報から抽出することもできる。
【0038】
投稿情報作成部162は、投稿者からの口コミ情報の入力があると、それをSNSサーバ200に送信すべく投稿情報を作成する(S106)。作成された投稿情報は、投稿情報作成部162のメモリに一時的に保持される。
【0039】
次に、投稿者は、作成された投稿情報を送信するため、送信指示を入力する(S108)。
制御部160は、送信指示が入力されると、これに応答して、現在位置を取得するとともに、投稿情報に含まれる投稿位置を取得する。そして、距離情報算出部164は、現在位置情報と投稿位置情報に基づき、現在位置から投稿位置までの距離を算出する(S110)。
【0040】
次に、投稿情報送信部166は、算出された距離が、予め設定された所定値D以上か否かを判定する(S112)。所定値Dには、投稿者の位置が投稿位置から十分に離れていると推定される距離に対応する値が設定されている。判定結果が、所定値D以上でなかった場合、ステップS110に戻り、ステップS110及びステップ112のルーチンが繰り返される。これは、投稿者が投稿位置から十分に離れていないと推定されるためである。判定結果が、所定値D以上であった場合には、投稿者が投稿位置から十分に離れていると推定され、投稿情報送信部166は、投稿情報をSNSサーバ200へと送信する(S114)。
【0041】
第1の実施例では、
図7に示すように、投稿情報が送信指示されたとき、投稿者P1が投稿位置Tから半径Dのエリア内に留まっている場合には、投稿情報は送信されず、投稿情報に送信制限がかけられた状態となる。そして、投稿者P1が投稿位置Tから半径Dのエリア内から出たとき、投稿情報がSNSサーバに送信される。これにより、投稿者と投稿情報を閲覧するユーザーとの接触を低減することができる。
【0042】
図8に、第2の実施例に係るスマートフォンの制御部160の機能ブロック図を示す。第2の実施例では、制御部160は、距離情報算出部164に代えて、現在位置から投稿位置までの経路を探索する経路探索部168を備えている。経路探索部168は、経路探索機能以外に、探索された経路に基づき、現在位置から投稿位置までの移動に要する所要時間を算出する機能も備えている。
【0043】
経路探索部168は、記憶部150に格納された地図データ、あるいは外部から取得した地図データを参照して経路探索を行う。好ましい態様では、経路探索部168は、スマートフォンの現在位置から、投稿情報の投稿位置までの最適な経路を探索し、当該経路による移動に要する所要時間を計算する。所要時間は、例えば、探索経路の道なりの距離に係数を乗することにより算出される。当該係数は、スマートフォン100の移動手段(例えば、歩行、自動車、オートバイ等)に応じて変更することが可能であるが、デフォルト状態では歩行に対応する係数が設定されている。あるいは、地図データのリンクに設定されている旅行時間に基づき所要時間を算出するようにしてもよい。
【0044】
投稿情報送信部166は、算出された所要時間に基づき、投稿情報をサーバに送信することができる。これにより、投稿者が投稿位置から十分に離れた場合に、投稿情報をSNSサーバ200に送信することができる。
【0045】
図9は、第2の実施例に係る投稿情報の投稿動作を説明するフローチャートである。
第1の実施例と共通するステップに関しては、その説明を一部省略する。まず、投稿情報作成部162は、投稿者からの口コミ情報の入力があると、それをSNSサーバ200に送信すべく投稿情報を作成する(S150)。作成された投稿情報は、投稿情報作成部162のメモリに一時的に保持される。
【0046】
次に、投稿者は、作成された投稿情報を送信するため、送信指示を入力する(S152)。
制御部160は、送信指示が入力されると、これに応答して、現在位置を取得するとともに、投稿情報に含まれる投稿位置を取得する。経路探索部168は、取得された現在位置情報と投稿位置情報に基づき、現在位置から投稿位置までの経路を探索する(S154)。そして、経路探索部168は、探索された経路に基づき、その所要時間を算出する(S156)。
【0047】
投稿情報送信部166は、算出された所要時間が、予め設定された所定値M以上か否かを判定する(S158)。所定値Mには、投稿者の位置が投稿位置から十分に離れていると推定される、経路の所要時間に対応する値が設定されている。判定結果が、所定値M以上でなかった場合、ステップS154に戻り、ステップS154ないしステップ158のルーチンが繰り返される。これは、投稿者が投稿位置から十分に離れていないと推定されるためである。判定結果が、所定値M以上であった場合には、投稿者が投稿位置から十分に離れていると推定され、投稿情報送信部166は、投稿情報をSNSサーバ200へと送信する(S160)。
【0048】
第2の実施例では、
図10に示すように、投稿情報が送信指示されたとき、投稿者P1の現在位置に応じて、投稿位置Tまでの経路が探索される。そして、探索された経路が経路R1にように、所要時間が一定時間の範囲内であるとき、投稿情報は送信されず、投稿情報の送信制限がかけられた状態となる。また、投稿者P1の現在位置から投稿位置Tまでの経路が、経路R2のように、所要時間が一定時間の範囲を超えるとき、投稿情報がSNSサーバに送信される。これにより、投稿者と投稿情報を閲覧するユーザーとの接触を低減することができる。
【0049】
また、第1の実施例及び第2の実施例以外にも、スマートフォンは、経路探索部を利用することで、投稿情報の送信タイミングを制御することができる。例えば、投稿情報が作成されたとき、経路探索部は、
図11に示すように、その投稿位置から一定の所要時間で移動可能な範囲を仮想エリアQとして設定することができる。そして、スマートフォンの現在位置がその仮想エリアQの範囲を超えるとき、投稿情報送信部が作成された投稿情報をサーバに送信するようにしてもよい。これにより、投稿者と投稿情報を閲覧するユーザーとの接触を低減することができる。この場合、投稿者は必ずしも送信指示を行う必要がなく、自動的に送信される。
【0050】
次に、SNSサーバについて
図3を参照して説明する。SNSサーバ200は、通信部210、記憶部220および制御部230の基本構成を含んで構成される。通信部210は、TCP/IPなどの通信プロトコルにより、SNSのアプリケーションが起動されたスマートフォンやその他の機器との間で、インターネットやイントラネットを介した通信を可能にする。記憶部220は、投稿者から投稿された投稿情報を蓄積し、投稿情報のデータベースを構築する。制御部230は、マイクロコントローラまたは中央プロセッサ等を含み、好ましくは、予め用意されたアプリケーションソフトウエアまたはプログラムを実行することでSNSや通信等を制御する。
【0051】
図12に、SNSサーバの制御部230の機能ブロック図を示す。制御部230は、受信した投稿情報のデータベースを構成するデータベース構成部232、投稿された投稿情報を送信する投稿情報送信部234とを備えている。
【0052】
データベース構成部232は、投稿者から投稿情報を受信すると、それを記憶部220に逐次蓄積し、投稿情報のデータベースを構築する。
図13は、SNSサーバ200の記憶部220に蓄積された投稿情報のデータベースの一例である。データベースには、種々の投稿者P1〜Pnからの投稿情報が登録される。それぞれの投稿情報は、投稿者ID、投稿日時、投稿内容、投稿位置情報を含むが、最後の投稿者P3のように、もし、投稿情報に投稿位置情報が関連付けされていなければ、投稿情報は投稿位置情報を包含しない。制御部230は、このようなデータベースを参照して、投稿者のID、投稿日時などによって投稿情報を検索、またはソートしたり、あるいはキーワードなどによって投稿内容を検索することが可能である。
【0053】
次に、本実施例の投稿情報の表示システムにおける投稿情報の表示動作について
図14のフローチャートを参照して説明する。ここでは、SNSユーザーがスマートフォンを使用し、スマートフォンの表示部に投稿情報が表示されるものとする。
【0054】
SNSユーザーは、
図3に示すようなスマートフォン100において、SNSを利用するためのSNSアプリケーションソフトウエアを起動し(S200)、次いで、SNSサーバ200との間でユーザー認証を実行する(S202)。ユーザー認証が完了すると、制御部160は、通信部140を介してSNSサーバ200に対し、投稿情報の配信を要求する(S204)。投稿情報の配信要求は、任意のタイミングで行うことが可能であり、好ましくは、SNSアプリケーションにより自動的に実行される。但し、ユーザーからの指示に応じて実行されるようにしてもよい。
【0055】
SNSサーバ200が投稿情報の配信要求を通信部210を介して受け取ると(S206)、投稿情報送信部234は、要求された投稿情報をスマートフォン100へ送信し(S208)、スマートフォン100は、受信した投稿情報を表示部120に表示する(S210)。本実施例では、端末装置側で投稿情報の送信が制限されるため、SNSサーバ側において、投稿者とユーザーとの接触を低減させる投稿情報の配信制限をかけるフィルタ機能が不要となる。
【0056】
次に、投稿情報の表示例を
図15に示す。
図15(A)は、スマートフォンの表示部120に現在位置Sの周辺地図を表示し、その地図上に、配信された投稿情報が表示されている例である。投稿情報は、例えば、投稿位置に該当する施設を示すような吹き出し表記300内に、投稿者を識別できるような顔写真310と、投稿内容320が表示される。この表示形態は一例であり、単なるアイコンを表示するものであってもよい。また、吹き出し表記300やアイコンを、ユーザーが選択することで、
図15(B)に示すような投稿情報の全体の内容を閲覧することができるような画面を表示させることができる。なお、地図データは、スマートフォン100の記憶部150から読み出されるものであってもよいし、スマートフォン100から地図配信サーバにアクセスし、現在位置Sの周辺地図データをそこから取得するようにしてもよい。
【0057】
図15(B)は、表示部120に、投稿情報をリスト状に表示させた例である。リスト内には、各投稿情報が配列され、各投稿情報の表示は、投稿者が識別できるように投稿者の画像310、投稿内容320、投稿位置情報330を含み、側部にはスクロールキー340が表示される。投稿情報は、現在位置から近い順に並べてもよいし、投稿者ID順に並べてもよい。さらに投稿位置情報を選択することで、
図15(A)に示すような地図画面に切り替えるようにしてもよい。
【0058】
また、ユーザーは、表示された投稿情報を目的地とする誘導案内サービスを受けることが可能である。この場合、スマートフォン100がナビゲーション機能を搭載していれば、制御部160が目的地までの誘導経路を探索し、それをユーザーに提示することができる。他方、スマートフォン100がナビゲーション機能を備えていない場合には、地図配信サーバから道路地図データおよび誘導案内情報を受け取り、これをユーザーに提示することで目的地までの案内が行われる。
【0059】
上記実施例において、投稿者が送信指示を入力することで、作成された投稿情報を送信するためのステップが実行されるが、例えば、投稿情報の作成完了を以って、投稿者の送信指示としてもよい。これにより、投稿者が投稿情報を作成した投稿位置から十分に離れた場所に移動したとき、投稿情報がSNSサーバに自動的に送信される。
【0060】
本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。