(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-224531(P2017-224531A)
(43)【公開日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
H05B 37/02 20060101AFI20171124BHJP
【FI】
H05B37/02 A
H05B37/02 C
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-120182(P2016-120182)
(22)【出願日】2016年6月16日
(11)【特許番号】特許第6082492号(P6082492)
(45)【特許公報発行日】2017年2月15日
(71)【出願人】
【識別番号】510106728
【氏名又は名称】田畑 雅弘
(74)【代理人】
【識別番号】100141829
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 牧人
(74)【代理人】
【識別番号】100123663
【弁理士】
【氏名又は名称】広川 浩司
(72)【発明者】
【氏名】田畑 雅弘
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA01
3K273PA10
3K273QA23
3K273QA29
3K273TA14
3K273TA15
3K273TA17
3K273TA38
3K273TA41
3K273TA54
3K273TA64
3K273TA72
3K273UA02
3K273UA15
3K273UA19
3K273UA27
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で一対の三路スイッチでのオンオフ操作に加えてこれらと連動する無線端末によってもオンオフ操作を行うことのできるスイッチ装置を提供する。
【解決手段】回路7の開閉状態を切替えるリレー部10と、リレー部10の切替を制御するリレー制御部11と、リレー制御部11に接続され一対の三路スイッチ21,22により切替回路23の開閉状態を切替可能な切替手段20と、リレー制御部11に対し切替信号を送信可能な第2の切替手段30とを有し、リレー制御部11は、切替手段20において切替回路23の開閉状態が切り替わったら、回路7の開閉状態を逆転させるようにリレー部10を制御し、第2の切替手段30からの切替信号を受信したら、回路7の開閉状態を逆転させるようにリレー部10を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路の開閉状態を切替えるリレー部と、該リレー部の切替を制御するリレー制御部と、該リレー制御部に接続され一対の三路スイッチにより切替回路の開閉状態を切替可能な切替手段と、前記リレー制御部に対し切替信号を送信可能な第2の切替手段とを有するスイッチ装置であって、
前記リレー制御部は、前記切替手段において前記切替回路の開閉状態が切り替わったら、前記回路の開閉状態を逆転させるように前記リレー部を制御し、前記第2の切替手段からの切替信号を受信したら、前記回路の開閉状態を逆転させるように前記リレー部を制御することを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
前記第2の切替手段は、切替操作可能な無線端末と、該無線端末と無線通信可能で前記リレー制御部に接続された通信手段とを有することを特徴とする請求項1記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記リレー制御部は、制御する前記リレー部の開閉状態の情報を、前記通信手段を介して前記無線端末に送信することを特徴とする請求項2記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記無線端末は、前記リレー制御部から受信した情報に基づき、前記リレー部の開閉状態を表示することを特徴とする請求項3記載のスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具等の電気機器のオンオフを操作できるスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
家屋などに設置される照明器具において、そのオンオフの操作を行うために三路スイッチが広く用いられている。三路スイッチは、互いに離れた2箇所にそれぞれ設けられ、2箇所のスイッチのいずれを操作しても、照明器具などの電気機器のオンオフ状態を切り替えることができる。
【0003】
近年、スマートフォンなどの無線通信機器の普及に伴い、無線端末で照明器具などの電気機器の操作を行うことが考えられている。この場合、スイッチに無線通信手段を設け、無線端末との間で無線通信を行うことにより、スイッチのオンオフを行うことが知られている。このようなスイッチ装置としては、例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−177213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
三路スイッチに無線通信手段を設けて、無線端末から操作を行う構成とした場合、一対の三路スイッチにはそれぞれ無線通信手段が必要となり、コストが上昇する。また、無線通信手段を有する三路スイッチを用意する必要があり、既存の三路スイッチをそのまま使用することができない。
【0006】
さらには、三路スイッチは、2つが一対となって回路のオンオフを切り替えるものであるため、一方の三路スイッチの状態だけでは、回路がオンの状態かオフの状態かを判別できない。このため、三路スイッチにおける物理的なスイッチのオンオフと、無線端末からの司令によるスイッチのオンオフとを連動させることが難しい。
【0007】
本発明は前記課題を鑑みてなされたものであり、簡易な構成で一対の三路スイッチでのオンオフ操作に加えてこれらと連動する無線端末によってもオンオフ操作を行うことのできるスイッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、請求項1の発明に係るスイッチ装置は、回路の開閉状態を切替えるリレー部と、該リレー部の切替を制御するリレー制御部と、該リレー制御部に接続され一対の三路スイッチにより切替回路の開閉状態を切替可能な切替手段と、前記リレー制御部に対し切替信号を送信可能な第2の切替手段とを有するスイッチ装置であって、
前記リレー制御部は、前記切替手段において前記切替回路の開閉状態が切り替わったら、前記回路の開閉状態を逆転させるように前記リレー部を制御し、前記第2の切替手段からの切替信号を受信したら、前記回路の開閉状態を逆転させるように前記リレー部を制御することを特徴として構成されている。
【0009】
請求項1に係る発明によれば、一対の三路スイッチでの切替操作に加えて、第2の切替手段によっても、切替操作を行うことができる。
【0010】
また、請求項2の発明に係るスイッチ装置は、前記第2の切替手段は、切替操作可能な無線端末と、該無線端末と無線通信可能で前記リレー制御部に接続された通信手段とを有することを特徴として構成されている。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、三路スイッチは通常のものを用いつつスマートフォン等の無線端末から切替操作を行うことができる。
【0012】
さらに、請求項3の発明に係るスイッチ装置は、前記リレー制御部は、制御する前記リレー部の開閉状態の情報を、前記通信手段を介して前記無線端末に送信することを特徴として構成されている。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、無線端末において回路の切替状態を認識することができる。
【0014】
さらにまた、請求項4の発明に係るスイッチ装置は、前記無線端末は、前記リレー制御部から受信した情報に基づき、前記リレー部の開閉状態を表示することを特徴として構成されている。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、無線端末において切替操作に連動して回路の切替状態を表示させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るスイッチ装置によれば、簡易な構成で一対の三路スイッチでのオンオフ操作に加えてこれらと連動する第2の切替手段によってもオンオフ操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態におけるスイッチ装置の概念的な回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態について、図面に沿って詳細に説明する。
図1には、本実施形態におけるスイッチ装置1の概念的な回路図を示している。本実施形態におけるスイッチ装置1は、100Vの交流電源6により電力が供給される照明装置5を有する回路7の開閉状態を、切替操作により切り替えることができるものとして構成される。
【0019】
スイッチ装置1は、回路7の開閉状態を切り替えることのできるリレー部10と、リレー部10の開閉動作を制御するリレー制御部11とを有している。リレー部10は、リレー駆動電源12から電力の供給を受けることができる。リレー駆動電源12は、12Vの電源である。
【0020】
リレー制御部11には、切替手段20と第2の切替手段30とが接続されている。切替手段20は、第1三路スイッチ21と第2三路スイッチ22とが対をなすように接続された切替回路23を有している。第1三路スイッチ21と第2三路スイッチ22は、いずれも、切替操作されることにより、切替回路23の開閉状態を逆転させることができる。リレー制御部11は、切替回路23の開閉状態を検知することができる。切替回路23の開閉状態は、その電気抵抗が0または∞のいずれであるかを検出することにより、検知することができる。
【0021】
第2の切替手段30は、スマートフォンなどの無線端末31と、この無線端末31と無線通信可能な通信手段32とを有しており、通信手段32がリレー制御部11に接続されている。無線端末31は、通信手段32を介してリレー制御部11との間で双方向の通信を行うことができる。
【0022】
次に、スイッチ装置1の動作について説明する。リレー制御部11は、切替手段20において切替回路23が開状態から閉状態に変化した場合、及び切替回路23が閉状態から開状態に変化した場合に、内部に設けられたリレーの開閉状態を逆転させる。リレー部10は、リレー制御部11内のリレーが開状態のときは、リレー駆動電源12からの電力供給を受けず、開状態となっている。一方、リレー制御部11内のリレーが閉状態のときリレー部10はリレー駆動電源12からの電力供給を受けて閉状態となる。
【0023】
切替回路23が
図1に示すように閉状態となっているとき、リレー制御部11内部のリレーは閉状態となっており、リレー部10は、リレー駆動電源12からの電力供給を受けて回路7を閉状態としている。すなわち、照明装置5はオンの状態となっている。ここから、第1三路スイッチ21と第2三路スイッチ22のいずれか一方が切替操作され、切替回路23が閉状態から開状態となると、リレー制御部11内部のリレーは、閉状態から開状態に逆転し、リレー部10への電力供給が停止される。これにより、リレー部10は閉状態から開状態となり、回路7は開状態となる。すなわち、照明装置5はオンからオフの状態に切り替わる。
【0024】
照明装置5がオフの状態において、第1三路スイッチ21と第2三路スイッチ22のいずれか一方が切替操作され、切替回路23が開状態から閉状態となると、リレー制御部11内部のリレーは、開状態から閉状態に逆転し、リレー部10に電力供給がなされる。これにより、リレー部10は開状態から閉状態となり、回路7は閉状態となる。すなわち、照明装置5はオフからオンの状態に切り替わる。
【0025】
また、第2の切替手段30によっても、リレー制御部11はその状態を逆転させる。照明装置5がオンの状態において、無線端末31で切替操作がなされると、その情報は通信手段32を介してリレー制御部11に送信される。リレー制御部11は、無線端末31で切替操作が行われた情報を受信すると、内部のリレーを閉状態から開状態に逆転させ、リレー部10への電力供給が停止される。これにより、リレー部10は閉状態から開状態となり、回路7は開状態となる。すなわち、照明装置5はオンからオフの状態に切り替わる。
【0026】
照明装置5がオフの状態において、無線端末31で切替操作がなされると、その情報は通信手段32を介してリレー制御部11に送信される。リレー制御部11は、無線端末31で切替操作が行われた情報を受信すると、リレー制御部11内部のリレーは、開状態から閉状態に逆転し、リレー部10に電力供給がなされる。これにより、リレー部10は開状態から閉状態となり、回路7は閉状態となる。すなわち、照明装置5はオフからオンの状態に切り替わる。
【0027】
また、リレー制御部11は、内部のリレーの状態を逆転させる際には、切替手段20による切替操作か第2の切替手段30による切替操作かを問わず、リレーの開閉状態の情報を、通信手段32を介して無線端末31に送信する。無線端末31は、リレー制御部11から受信したリレーの開閉状態の情報から、リレー部10の開閉状態、すなわち照明装置5のオンオフの状態を認識することができる。
【0028】
図2には、無線端末31の画面例を示している。本実施形態では、無線端末31はスマートフォンである。ただし、無線端末31はそれ以外の端末であってもよい。
図2(a)は照明装置5がオフの場合、
図2(b)は照明装置5がオンの場合の画面である。これらの図に示すように、無線端末31の画面には、電源のマークが表示されており、このマークをタップ等により操作することで、切替操作がなされる。
【0029】
無線端末31の画面において、電源のマークの周囲には、リング状の領域が表示され、
図2(a)に示すように、照明装置5がオフの場合、リング状の領域は暗い色で表示される。一方、
図2(b)に示すように、照明装置5がオンの場合、リング状の領域は明るい色で表示される。
【0030】
このように、照明装置5がオンの場合とオフの場合とで、無線端末31の画面表示を変化させることにより、無線端末31の画面表示とスイッチ装置1の開閉状態とを連動させ、照明装置5から離れた位置からでもその状態を確認できるようにして、利便性を高くすることができる。リレー制御部11は、内部のリレーの状態を逆転させる際に切替手段20による切替操作か第2の切替手段30による切替操作かを問わず、リレーの開閉状態の情報を送信することから、無線端末31における切替操作時だけでなく、第1三路スイッチ21や第2三路スイッチ22における切替操作時にも、無線端末31の画面表示を連動して変化させることが可能となっている。
【0031】
図3には、本実施形態のスイッチ装置1の設置例を示している。この図に示すように、家の階段の上部壁面と下部壁面に、それぞれ第1三路スイッチ21を有する第1電源スイッチ40と、第2三路スイッチ22を有する第2電源スイッチ41とを設置し、照明装置5のオンオフ操作を階段を挟んだ上階と下階でそれぞれ行うことができるようにするのが一般的である。これに加えて、無線端末31からも、切替操作を行うことができる。そして、本実施形態では、第1電源スイッチ40または第2電源スイッチ41での切替操作がなされた場合、及び無線端末31自身での切替操作がなされた場合のいずれも、無線端末31において、照明装置5のオンオフの状態を確認することができる。
【0032】
このように、一対の三路スイッチ21,22をリレー制御部11に接続し、さらにリレー制御部11に無線端末31を有する第2の切替手段30を接続したことにより、安価な通常の三路スイッチを用いつつ、無線端末31からも照明装置5のオンオフ操作を行うことができると共に、三路スイッチ21,22での切替操作と無線端末31での切替操作のいずれの場合も、無線端末31において照明装置5のオンオフの状態を連動して表示させることが可能となる。
【0033】
無線端末31は、家庭内LANとネットワークで接続されていれば、家の外部からでもリレー制御部11に対し切替操作の信号を送信することができる。すなわち、外出先等であっても、照明装置5の切替操作を行うことができる。
【0034】
無線端末31は、複数用意することもできる。この場合、どの無線端末31からでも照明装置5の切替操作を行うことができる。また、どの無線端末31においても、リレー制御部11からリレーの開閉状態の情報を受信することで、照明装置5のオンオフの状態を認識し、それに連動した表示の切替を行うことができる。
【0035】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。本実施形態では、照明装置5のオンオフ操作にスイッチ装置1を用いたが、オンオフ操作を行う対象となる機器は照明装置5に限られず、その他の電気機器であってもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 スイッチ装置
5 照明装置
6 交流電源
7 回路
10 リレー部
11 リレー制御部
12 リレー駆動電源
20 切替手段
21 第1三路スイッチ
22 第2三路スイッチ
23 切替回路
30 第2の切替手段
31 無線端末
32 通信手段
40 第1電源スイッチ
41 第2電源スイッチ
【手続補正書】
【提出日】2016年10月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路の開閉状態を切替えるリレー部と、該リレー部の切替を制御するリレー制御部と、該リレー制御部に接続され一対の三路スイッチにより切替回路の開閉状態を切替可能な切替手段と、前記リレー制御部に対し切替信号を送信可能な第2の切替手段とを有するスイッチ装置であって、
前記リレー制御部は、前記切替手段において前記切替回路の開閉状態が切り替わったら、前記回路の開閉状態を逆転させてその状態を維持するように前記リレー部を制御し、前記第2の切替手段からの切替信号を受信したら、前記切替手段の状態に関わらず前記回路の開閉状態を逆転させてその状態を維持するように前記リレー部を制御することを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
前記第2の切替手段は、切替操作可能な無線端末と、該無線端末と無線通信可能で前記リレー制御部に接続された通信手段とを有することを特徴とする請求項1記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記リレー制御部は、制御する前記リレー部の開閉状態の情報を、前記通信手段を介して前記無線端末に送信することを特徴とする請求項2記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記無線端末は、前記リレー制御部から受信した情報に基づき、前記リレー部の開閉状態を表示することを特徴とする請求項3記載のスイッチ装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
前記課題を解決するため、請求項1の発明に係るスイッチ装置は、回路の開閉状態を切替えるリレー部と、該リレー部の切替を制御するリレー制御部と、該リレー制御部に接続され一対の三路スイッチにより切替回路の開閉状態を切替可能な切替手段と、前記リレー制御部に対し切替信号を送信可能な第2の切替手段とを有するスイッチ装置であって、
前記リレー制御部は、前記切替手段において前記切替回路の開閉状態が切り替わったら、前記回路の開閉状態を逆転させ
てその状態を維持するように前記リレー部を制御し、前記第2の切替手段からの切替信号を受信したら、
前記切替手段の状態に関わらず前記回路の開閉状態を逆転させ
てその状態を維持するように前記リレー部を制御することを特徴として構成されている。