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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-224580(P2017-224580A)
(43)【公開日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】蓄電素子及び蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/48 20060101AFI20171124BHJP
   H01M 2/30 20060101ALI20171124BHJP
   H01M 2/26 20060101ALI20171124BHJP
   H01G 11/74 20130101ALI20171124BHJP
   H01G 11/14 20130101ALN20171124BHJP
【FI】
   H01M10/48 301
   H01M2/30 B
   H01M2/26 A
   H01G11/74
   H01G11/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-121166(P2016-121166)
(22)【出願日】2016年6月17日
(71)【出願人】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(71)【出願人】
【識別番号】503361400
【氏名又は名称】国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【弁理士】
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】西沢 啓
(72)【発明者】
【氏名】小林 宙
(72)【発明者】
【氏名】太田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】志築 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】中山 奈緒子
(72)【発明者】
【氏名】内堀 卓治
【テーマコード(参考)】
5E078
5H030
5H043
【Fターム(参考)】
5E078AA15
5E078AB01
5E078JA12
5H030AA10
5H030FF22
5H043AA04
5H043BA15
5H043BA17
5H043BA19
5H043CA05
5H043CB01
5H043DA09
5H043DA27
5H043GA36
5H043LA21D
5H043LA41D
(57)【要約】
【課題】電極端子の温度検知精度の向上を図る蓄電素子及び蓄電素子を備える蓄電装置を提供する。
【解決手段】正極集電体50及び負極集電体60と正極端子30及び負極端子40とを備える蓄電素子100は、正極端子30に設けられ且つ正極端子30の温度を検知する温度検知器70を備える。正極端子30は、端子本体部30aと、端子本体部30aと正極集電体50とを接続する接続リベット30cと、端子本体部30aと蓄電素子100の外部とを接続する外部端子部30bとを有する。温度検知器70は、正極端子30における接続リベット30c又は端子本体部30aに配置される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集電体と電極端子とを備える蓄電素子であって、
前記電極端子に設けられ、前記電極端子の温度を検知する温度検知器を備え、
前記電極端子は、端子本体部と、前記端子本体部と前記集電体とを接続する第一接続部と、前記端子本体部と前記蓄電素子の外部とを接続する第二接続部とを有し、
前記温度検知器は、前記電極端子における前記第一接続部又は前記端子本体部に配置される
蓄電素子。
【請求項2】
容器及び絶縁部材を備え、
前記絶縁部材は、前記容器と前記電極端子との間に配置され、
前記絶縁部材は、前記第一接続部又は前記端子本体部に接する
請求項1に記載の蓄電素子。
【請求項3】
前記温度検知器は、前記電極端子の電流の経路上に配置される
請求項1又は請求項2に記載の蓄電素子。
【請求項4】
前記温度検知器は、前記端子本体部における前記第一接続部と前記第二接続部との間に配置される
請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓄電素子。
【請求項5】
前記温度検知器は、前記端子本体部における前記第一接続部と前記第二接続部とを結ぶ最短距離の経路上に配置される
請求項1〜4のいずれか一項に記載の蓄電素子。
【請求項6】
前記電極端子は、正極端子である
請求項1〜5のいずれか一項に記載の蓄電素子。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載される蓄電素子を備える蓄電装置であって、
全ての前記蓄電素子に前記温度検知器が設けられる
蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電素子及び蓄電素子を備える蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池等の蓄電素子には、蓄電素子の温度を検知する構成を有するものがある。例えば、特許文献1に記載される複数の二次電池セルを含む蓄電池モジュールでは、二次電池セルの温度を測定するための温度センサが設けられている。上記蓄電池モジュールでは、二次電池セルの正極外部端子及び負極外部端子が、正極外部端子及び負極外部端子の上方に位置する回路基板に形成されたランドに接続されている。さらに、ランドには、温度センサが実装されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2012/137289号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、温度センサは、回路基板に近接して位置しているため、正極外部端子及び負極外部端子の温度だけでなく、回路基板の温度も検知する。このため、温度センサによる検知温度は、正極外部端子及び負極外部端子の温度を正確に反映しない可能性がある。
【0005】
本発明は、上述のような問題を解決するためになされたものであり、二次電池における正極外部端子及び負極外部端子等の電極端子の温度検知精度の向上を図る蓄電素子及び蓄電素子を備える蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る蓄電素子は、集電体と電極端子とを備える蓄電素子であって、電極端子に設けられ、電極端子の温度を検知する温度検知器を備え、電極端子は、端子本体部と、端子本体部と集電体とを接続する第一接続部と、端子本体部と蓄電素子の外部とを接続する第二接続部とを有し、温度検知器は、電極端子における第一接続部又は端子本体部に配置される。
【0007】
上述の構成において、温度検知器は、電極端子における第一接続部又は端子本体部に配置されるため、第二接続部と接続される電極端子以外の要素の温度から検知温度が受ける影響を低減することができる。よって、蓄電素子は、電極端子の温度検知精度の向上を可能にする。
【0008】
蓄電素子は、容器及び絶縁部材を備え、絶縁部材は、容器と電極端子との間に配置され、絶縁部材は、第一接続部又は端子本体部に接していてもよい。上述の構成において、絶縁部材が樹脂等で形成される場合、電極端子の温度が上昇することで、第一接続部又は端子本体部に接している絶縁部材は変形する恐れがある。すなわち、絶縁部材が容器と電極端子との間に配置され、第一接続部又は端子本体部に接する場合であれば、本発明を適用すれば、過剰な温度上昇を抑制でき、絶縁部材が変形することを抑制することができる。
【0009】
温度検知器は、電極端子の電流の経路上に配置されてもよい。上述の構成において、電極端子では、電流が流れる部位の温度が上昇し得る。これにより、温度検知器は、電極端子における温度が上昇しやすい部位の温度を検知することができる。よって、電極端子の温度上昇の検知精度が向上する。
【0010】
温度検知器は、端子本体部における第一接続部と第二接続部との間に配置されてもよい。上述の構成において、端子本体部における電流が流れる領域である第一接続部から第二接続部に至る間の領域の温度検知ができるため、温度検知器は、電極端子の温度上昇をより高精度に検知することができる。
【0011】
温度検知器は、端子本体部における第一接続部と第二接続部とを結ぶ最短距離の経路上に配置されていてもよい。上述の構成において、端子本体部における電流が最も流れる領域である第一接続部と第二接続部とを結ぶ最短距離の経路上の温度検知ができるため、電極端子の温度上昇をより一層高精度に検知することができる。
【0012】
電極端子は、正極端子であってもよい。上述の構成において、正極端子は、負極端子よりも低い導電率の材料から作製され得る。このため、電流が流れたとき、正極端子の方が、負極端子よりも昇温しやすい。温度検知器は、より高い温度に昇温し得る正極端子の温度上昇を検知することができる。
【0013】
本発明に係る蓄電装置は、蓄電素子を備える蓄電装置であって、全ての蓄電素子に温度検知器が設けられる。上述の構成において、全ての蓄電素子の電極端子の温度の管理ができるため、蓄電素子の状態監視を良好におこなうことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明における蓄電素子等によれば、電極端子の温度検知精度を向上することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態に係る蓄電素子の外観を模式的に示す斜視図である。
図2図1の蓄電素子の分解斜視図である。
図3図1の蓄電素子の断面側面図であり、容器本体の扁平方向に沿い且つ蓋体の中央を通る蓄電素子の断面を、方向IIIから見た図である。
図4図3の正極端子の端子本体部を蓋体の外面側から且つ上方から見た図である。
図5】正極端子の端子本体部における温度検知器の配置形態の変形例を、図4と同様に示す図である。
図6】複数の蓄電素子を備える蓄電装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る蓄電素子について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0017】
また、添付の図面における各図は、模式的な図であり、必ずしも厳密に図示されたものでない。さらに、各図において、同一又は同様な構成要素については同じ符号を付している。また、以下の実施の形態の説明において、略平行、略直交のような「略」を伴った表現が、用いられる場合がある。例えば、略平行とは、完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行である、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。他の「略」を伴った表現についても同様である。
【0018】
[実施の形態]
実施の形態に係る蓄電素子100の構成を説明する。図1は、実施の形態に係る蓄電素子100の外観を模式的に示す斜視図である。図1に示されるように、蓄電素子100は、扁平な直方体状の外形を有している。蓄電素子100は、充放電可能な二次電池である。例えば、蓄電素子100は、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。しかしながら、蓄電素子100は、非水電解質二次電池に限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよく、キャパシタであってもよい。
【0019】
図1及び図2を参照すると、蓄電素子100は、扁平な直方体状の容器10と、容器10の中に含まれる電極体20と、電極端子としての正極端子30及び負極端子40とを備えている。なお、図2は、図1の蓄電素子100の分解斜視図である。容器10は、有底角筒状の容器本体11と、容器本体11の細長矩形状の開口部11aを閉鎖可能である細長い矩形板状の蓋体12とを有している。容器本体11は、扁平な直方体状の外形を有している。蓋体12の外面12a上に、正極端子30及び負極端子40が配置されている。容器10の内部には、電極体20と共に電解液(本実施の形態では、非水電解液)等の電解質が封入されるが、当該電解質の図示は省略する。容器10に封入される電解質としては、蓄電素子100の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく様々なものを選択することができる。
【0020】
容器本体11と蓋体12とは、溶接等の接合方法によって、互いの接合部を気密な状態にして固定される。これにより、容器10は、内部に密閉された空間を形成する。限定するものではないが、容器本体11及び蓋体12は、例えばステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金等の溶接可能な金属から作製され得る。
【0021】
導電性を有する正極端子30及び負極端子40はそれぞれ、蓋体12の外面12aと反対側に配置され且つ導電性を有する集電体としての正極集電体50及び負極集電体60と電気的に接続されている。正極集電体50及び負極集電体60はさらに、電極体20と電気的に接続されている。
【0022】
上部絶縁部材31が、正極端子30と蓋体12との間に設けられ、これらを互いに電気的に絶縁し、下部絶縁部材32が、蓋体12と正極集電体50との間に設けられ、これらを互いに電気的に絶縁する。上部絶縁部材41が、負極端子40と蓋体12との間に設けられ、これらを互いに電気的に絶縁し、下部絶縁部材42が、蓋体12と負極集電体60との間に設けられ、これらを互いに電気的に絶縁する。絶縁部材31、32、41及び42はいずれも、樹脂等の電気的な絶縁性を有する材料から形成され、例えば、パッキン、ガスケット等によって構成される。絶縁部材31、32、41又は42が樹脂で形成される場合は、電極端子30又は40の温度検知精度を向上することで、後述するように、絶縁部材31、32、41又は42が変形し、蓋体12と電極端子30又は40との間の封止が維持できなくなることを抑制することができる。電極体20は、正極集電体50及び負極集電体60を介して、蓋体12から吊り下げられるように設けられる。そして、電極体20は、正極集電体50及び負極集電体60と共に、容器本体11に収容される。電極体20と容器本体11との間を電気的に絶縁するために、電極体20が絶縁フィルム等で覆われる場合もある。電極体20と容器本体11との間に、スペーサ等の緩衝材が設けられる場合もある。
【0023】
電極体20は、電気を蓄積可能な蓄電要素である。電極体20は、長尺帯状のシート状の正極板と、長尺帯状のシート状の負極板と、長尺帯状のシート状のセパレータとを、層状に重ねるように含んでいる。そして、電極体20は、重ね合わされた正極板、負極板及びセパレータを一緒に、巻回軸Aを中心に渦巻き状に多重に巻回されることによって、形成される。巻回軸Aは、図2において一点鎖線で示される仮想の軸であり、電極体20は、巻回軸Aに関して略対称な構成を有している。巻回後の電極体20では、正極板、負極板及びセパレータは、正極板と負極板との間にセパレータを介在させるかたちで、巻回軸Aに垂直な方向に多層に積層された形態を形成する。限定されるものではないが、本実施の形態では、電極体20は、巻回軸Aに垂直な断面が扁平な長円形状である扁平な外形を有している。しかしながら、電極体20の断面形状は、長円形以外であってもよく、円形、楕円形、矩形、その他の多角形であってもよい。
【0024】
正極板は、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属からなる長尺帯状の金属箔である正極基材と、正極基材の表面上に塗工等の方法で積層された正極活物質層とを含む。負極板は、銅、銅合金等の金属からなる長尺帯状の金属箔である負極基材と、負極基材の表面上に塗工等の方法で積層された負極活物質層とを含む。セパレータは、樹脂等の電気的な絶縁性を有する材料からなる微多孔性のシートである。正極活物質層に用いられる正極活物質又は負極活物質層に用いられる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極活物質又は負極活物質であれば、適宜公知の材料を使用できる。
【0025】
電極体20における巻回軸A方向に沿った2つの端部20a及び20bのうちの端部20aには、正極未塗工部21が形成され、端部20bには、負極未塗工部22が形成されている。正極未塗工部21は、巻回方向である電極体20の周方向に沿う正極板の縁に沿って帯状に形成され、多重に巻回されている。正極未塗工部21は、正極板の正極基材における正極活物質層が形成されていない縁部分である。負極未塗工部22は、電極体20の周方向に沿う負極板の縁に沿って帯状に形成され、多重に巻回されている。負極未塗工部22は、負極板の負極基材における負極活物質層が形成されていない縁部分である。正極未塗工部21及び負極未塗工部22にそれぞれ、正極集電体50及び負極集電体60が電気的に接続される。
【0026】
図2及び図3を参照して、正極端子30及び負極端子40及びその周辺の構成を説明する。なお、図3は、図1の蓄電素子100の断面側面図であり、容器本体11の扁平方向に沿い且つ蓋体12の中央を通る蓄電素子100の断面を、方向IIIから見た図である。さらに、図3では、電極体20は、側面図で描かれている。
【0027】
正極端子30は、矩形板状の端子本体部30aと、端子本体部30aの2つの幅広の平坦な表面の一方の表面30aaから突出する円柱状の外部端子部30bと、棒状の接続リベット30cとを有している。本実施の形態では、端子本体部30aと外部端子部30bとは、一体的に成形され、連続する1つの部材を形成しているが、互いに別体であり組み付けられるように構成されてもよい。外部端子部30bは、蓄電素子100の外部の電気要素と接続するために用いられ得る。端子本体部30aは、外部端子部30bが外方に向かって突出するように、蓋体12上に配置される。ここで、接続リベット30cは第一接続部の一例であり、外部端子部30bは第二接続部の一例である。
【0028】
貫通孔30abが、端子本体部30aの表面30aaから反対側の表面にわたって端子本体部30aを貫通して形成されている。貫通孔30abは、矩形板状の端子本体部30aの長手方向で、外部端子部30bから離れて配置されている。接続リベット30cは、端子本体部30aと電気的に接続されるように構成されている。接続リベット30cは、円筒状の軸部30caと、軸部30caの一方の端部に一体的に結合されている円板状の笠部30cbとを含む。軸部30caは、貫通孔30abに挿通可能である。笠部30cbは、軸部30caの外径よりも大きい外径を有し、軸部30caを拡径したように延在する。端子本体部30aの表面30aa上には、温度検知器70が埋め込まれている。温度検知器70に関する説明は、後述する。
【0029】
負極端子40は、矩形板状の端子本体部40aと、端子本体部40aの2つの幅広の平坦な表面の一方の表面40aaから突出する円柱状の外部端子部40bと、棒状の接続リベット40cとを有している。本実施の形態では、端子本体部40aと外部端子部40bとは、一体的に成形され、連続する1つの部材を形成しているが、互いに別体であり組み付けられるように構成されてもよい。外部端子部40bは、蓄電素子100の外部の電気要素と接続するために用いられ得る。端子本体部40aは、外部端子部40bが外方に向かって突出するように、蓋体12上に配置される。
【0030】
貫通孔40abが、端子本体部40aの表面40aaから反対側の表面にわたって端子本体部40aを貫通して形成されている。貫通孔40abは、矩形板状の端子本体部40aの長手方向で、外部端子部40bから離れて配置されている。接続リベット40cは、端子本体部40aと電気的に接続されるように構成されている。接続リベット40cは、円筒状の軸部40caと、軸部40caの一方の端部に一体的に結合されている円板状の笠部40cbとを含む。軸部40caは、貫通孔40abに挿通可能である。笠部40cbは、軸部40caの外径よりも大きい外径を有し、軸部40caを拡径したように延在する。
【0031】
蓋体12には、外面12aから外面12aと反対側の内面12dに蓋体12を貫通する貫通孔12b及び12cが形成されている。貫通孔12b及び12cは、蓋体12の長手方向に沿った両端付近に配置されている。貫通孔12b及び12cはそれぞれ、接続リベット30c及び40cの軸部30ca及び40caを挿通可能に形成されている。
【0032】
正極集電体50及び負極集電体60はそれぞれ、蓋体12を挟んで、端子本体部30a及び40aと反対側に配置される。正極集電体50は、導電性と剛性とを備えた部材であり、電極体20の正極板の正極基材と同様に、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属から作製されている。負極集電体60は、導電性と剛性とを備えた部材であり、電極体20の負極板の負極基材と同様に、銅、銅合金等の金属から作製されている。正極集電体50は、矩形板状の第一集電体接続部51と、2つの細長板状の第二集電体接続部52とを一体的に有している。第一集電体接続部51は、第一集電体接続部51に形成された貫通孔51aに通される接続リベット30cを介して、正極端子30の端子本体部30aと電気的に接続される。第二集電体接続部52は、第一集電体接続部51から延び、電極体20の正極未塗工部21と電気的に接続される。負極集電体60は、矩形板状の第一集電体接続部61と、2つの細長板状の第二集電体接続部62とを一体的に有している。第一集電体接続部61は、第一集電体接続部61に形成された貫通孔61aに通される接続リベット40cを介して、負極端子40の端子本体部40aと電気的に接続される。第二集電体接続部62は、第一集電体接続部61から延び、電極体20の負極未塗工部22と電気的に接続される。
【0033】
下部絶縁部材32及び42はそれぞれ、接続リベット30c及び40cの軸部30ca及び40caを挿通可能である筒部32a及び42aを一体的に有している。蓋体12の貫通孔12b及び12cはそれぞれ、筒部32a及び42aを挿通可能に形成されている。上部絶縁部材31及び41にはそれぞれ、筒部32a及び42aを挿通可能である貫通孔31a及び41aが形成されている。
【0034】
正極端子30の接続リベット30cの軸部30caは、正極集電体50の第一集電体接続部51の貫通孔51aと、下部絶縁部材32の筒部32aと、蓋体12の貫通孔12bと、上部絶縁部材31の貫通孔31aと、端子本体部30aの貫通孔30abとを順次貫通した後に、端子本体部30aから突出する先端がかしめられる。軸部30caの突出する先端は、かしめの際に端子本体部30aに向かって加圧されることによって、端子本体部30aの表面30aa上で塑性変形して拡径し、かしめ端部30ccを形成する。軸部30caをかしめる際は、軸部30caの突出する先端の部分に、加圧による応力を受けるための治具を配し、軸部30caのかしめが完了したら、該治具を取り除く。これにより、接続リベット30cの軸部30caが、端子本体部30aに接合される。また、軸部30caのかしめの際、端子本体部30aが第一集電体接続部51に向かって押圧される。この結果、軸部30caの両端で拡径しているかしめ端部30cc及び笠部30cbは、第一集電体接続部51、下部絶縁部材32、蓋体12、上部絶縁部材31及び端子本体部30aを、軸部30caの軸方向に圧縮した状態で狭持し、互いを固定する。なお、本実施の形態では、接続リベット30cの軸部30caの突出する先端をかしめることにより、第一集電体接続部51、下部絶縁部材32、蓋体12、上部絶縁部材31及び端子本体部30aを、互いに固定しているが、かしめ以外の方法で固定してもよい。接続リベット30cにねじ付きの軸を設け、ナット等を用いることにより、第一集電体接続部51、下部絶縁部材32、蓋体12、上部絶縁部材31及び端子本体部30aを、互いに固定してもよい。
【0035】
上述のように固定された下部絶縁部材32は、正極集電体50の第一集電体接続部51と蓋体12との間に介在してこれらを電気的に絶縁する。下部絶縁部材32の筒部32aは、蓋体12の貫通孔12b及び上部絶縁部材31の貫通孔31aを通り、接続リベット30cの軸部30caと蓋体12とを電気的に絶縁する。上部絶縁部材31は、蓋体12と正極端子30の端子本体部30aとの間に介在してこれらを電気的に絶縁する。また、上部絶縁部材31及び下部絶縁部材32は、正極端子30と蓋体12との間を封止し、容器10の密閉を保つ。
【0036】
同様に、負極端子40の接続リベット40cの軸部40caは、負極集電体60の第一集電体接続部61の貫通孔61aと、下部絶縁部材42の筒部42aと、蓋体12の貫通孔12cと、上部絶縁部材41の貫通孔41aと、端子本体部40aの貫通孔40abとを順次貫通した後に、端子本体部40aから突出する先端がかしめられる。軸部40caの突出する先端は、かしめの際に端子本体部40aに向かって加圧されることによって、端子本体部40aの表面40aa上で塑性変形して拡径し、かしめ端部40ccを形成する。軸部40caをかしめる際は、軸部40caの突出する先端の部分に、加圧による応力を受けるための治具を配し、軸部40caのかしめが完了したら、該治具を取り除く。これにより、接続リベット40cの軸部40caが、端子本体部40aに接合される。また、軸部40caのかしめの際、端子本体部40aが第一集電体接続部61に向かって押圧される。この結果、軸部40caの両端で拡径しているかしめ端部40cc及び笠部40cbは、第一集電体接続部61、下部絶縁部材42、蓋体12、上部絶縁部材41及び端子本体部40aを、軸部40caの軸方向に圧縮した状態で狭持し、互いを固定する。なお、本実施の形態では、接続リベット40cの軸部40caの突出する先端をかしめることにより、第一集電体接続部61、下部絶縁部材42、蓋体12、上部絶縁部材41及び端子本体部40aを、互いに固定しているが、正極端子30と同様に、かしめ以外の方法で固定してもよい。
【0037】
上述のように固定された下部絶縁部材42は、負極集電体60の第一集電体接続部61と蓋体12との間に介在してこれらを電気的に絶縁する。下部絶縁部材42の筒部42aは、蓋体12の貫通孔12c及び上部絶縁部材41の貫通孔41aを通り、接続リベット40cの軸部40caと蓋体12とを電気的に絶縁する。上部絶縁部材41は、蓋体12と負極端子40の端子本体部40aとの間に介在してこれらを電気的に絶縁する。また、上部絶縁部材41及び下部絶縁部材42は、負極端子40と蓋体12との間を封止し、容器10の密閉を保つ。
【0038】
なお、正極端子30と正極集電体50との連結構造、及び負極端子40と負極集電体60との連結構造は、上述のように接続リベット30c及び40cの軸部30ca及び40caの一端のみがかしめられてもよく、軸部30ca及び40caの一端及び他端の両方がかしめられてもよい。又は、軸部30ca及び40caはそれぞれ、端子本体部30a及び40a側の一端に笠部30cb及び40cbを有し、正極集電体50及び負極集電体60側の他端がかしめられるように構成されてもよい。また、軸部30ca及び40caの笠部30cb及び40cbは、軸部30ca及び40caと共に1つの部材を形成するような一体成形された構成を有さなくてもよく、軸部30ca及び40caと別体でもよい。例えば、軸部30ca及び40caと笠部30cb及び40cbとは、ねじ付きの軸及びナットによる締結構造を構成してもよく、互いに係合又嵌合するように構成されてもよく、互いに溶接されてもよい。
【0039】
図3及び図4を参照して、温度検知器70の構成を説明する。図4は、図3の正極端子30の端子本体部30aを蓋体12の外面12a側から且つ上方から見た図である。温度検知器70は、正極端子30の端子本体部30aの平坦な表面30aa上に埋め込まれ、端子本体部30aと直接接触している。例えば、温度検知器70は、表面30aa上に形成された孔内に挿入される。なお、温度検知器70は、熱伝導性に優れた熱伝導材を介して、端子本体部30aと接触してもよい。例えば、温度検知器70は、表面30aa上の孔内に固定されるように、孔に嵌合するプラグと共に孔内に挿入されてもよく、固化する充填材と共に挿入されてもよい。温度検知器70は、接続リベット30c又は端子本体部30aに配置され、外部端子部30bを介して正極端子30に接続された正極端子30以外の部材とは接していない。そのため、温度検知器70は、低い熱損失で正極端子30の接続リベット30c又は端子本体部30aの温度を検知できる。
【0040】
温度検知器70は、小型であることが好ましく、表面30aa上に貼り付けられてもよい。例えば、温度検知器70として、サーミスタ、熱電対、熱電素子等の半導体素子等が、適用されてよい。
【0041】
さらに、温度検知器70は、表面30aa上において、外部端子部30bとかしめ端部30ccとの間の位置に配置され得る。外部端子部30bとかしめ端部30ccとの間では、接続リベット30cから外部端子部30bに又はその逆を流れる電流が通るため、外部端子部30bとかしめ端部30ccとの間の領域は、電流が流れたときに端子本体部30aにおいて温度が比較的高くなる領域である。このため、温度検知器70は、端子本体部30aにおける比較的温度が高くなる部位の領域の温度を検知することができる。
【0042】
また、温度検知器70は、表面30aa上において、かしめ端部30ccから外部端子部30bに又はその逆へ流れる際の電流経路上となる位置に配置されることが好ましい。さらに、温度検知器70は、上記電流経路のうち、流れる電流の電流値がより高い電流経路上に配置されることが好ましい。例えば、外部端子部30bの中心とかしめ端部30ccの中心とを最短距離で結ぶ最短経路R上又はその近傍を通る電流経路は、流れる電流の値が最も高い電流経路である。端子本体部30aでは、電流が流れたときに電流値が高い部位ほど大きく昇温する。上述のように温度検知器70を配置することによって、温度検知器70は、端子本体部30aにおけるより温度が高い部位の温度を検知することができる。
【0043】
また、温度検知器70は、表面30aa上において、外部端子部30bとかしめ端部30ccとを最短距離で結ぶ最短経路R上又はその近傍に配置されてもよい。本実施の形態では、最短経路Rは、外部端子部30bの中心とかしめ端部30ccの中心とを結ぶ経路としているが、これに限定されない。
【0044】
本実施の形態では、温度検知器70は、上述の要素の全てを満たす位置に配置されている。しかしながら、温度検知器70は、上述の要素を満たす位置以外の位置に配置されてもよい。つまり、温度検知器70は、外部端子部30bとかしめ端部30ccとの間の表面30aa上の領域以外の位置に配置されてもよい。
【0045】
温度検知器70は、例えば、外部端子部30bと反対側の表面上の領域に配置されてもよい。端子本体部30aは、接続リベット30c及び外部端子部30bと直接接続されている。このため、端子本体部30aは、電流が流れることによる正極端子30の昇温を、端子本体部30aの全体において比較的精度よく反映することができる。
【0046】
また、温度検知器70は、かしめ端部30cc若しくはその近傍に配置されてもよい。かしめ端部30ccでは、高い電流値の電流が流れるため、かしめ端部30cc及びその近傍では、電流が流れたときに温度が高くなる。
【0047】
また、温度検知器70は、外部端子部30bから離されて配置される。さらに、温度検知器70は、温度検知器70及び温度検知器70から延びるリード線等が外部端子部30bと外部の電気機器との接続に支障をきたさないような位置に配置されることが好ましい。
【0048】
上述から、端子本体部30aに取り付けられた温度検知器70は、正極端子30の温度を高い精度で検知することができる。また、温度検知器70が検知する温度は、正極端子30と物理的に直接接続される正極集電体50の温度も反映し得る。また、温度検知器70は、端子本体部30aの平坦な表面30aa上に設置されるため、その取り付けが容易である。
【0049】
接続リベット30cは、一般に、アルミニウム、アルミニウム合金等の材料から作製され、接続リベット40cは、一般に、銅、銅合金等の材料から作製される。そのため、接続リベット30cは、接続リベット40cよりも通電抵抗が高く、通電時に高い温度に昇温し得る。接続リベット30cと同様の材料から作製される正極集電体50も、通電時に高い温度に昇温し得る。また、接続リベット30cと接触している正極端子30の端子本体部30aも、接続リベット30cからの伝熱により、通電時に負極端子40の端子本体部40aに比べて高い温度に昇温し得る。正極端子30及び正極集電体50の温度が高くなり過ぎると、これらに接触している上部絶縁部材31又は下部絶縁部材32は、変形する恐れがある。上部絶縁部材31又は下部絶縁部材32が変形することによって、上部絶縁部材31及び下部絶縁部材32による蓋体12と正極端子30との間の封止が維持できなくなり得る。さらに、上部絶縁部材31又は下部絶縁部材32が変形することにより、端子本体部30aと接続リベット30cとの接触がゆるみ、端子本体部30aと接続リベット30cとが接する部分の電気的な接触抵抗が上昇すると、その周囲でさらなる温度上昇が生じ、上部絶縁部材31又は下部絶縁部材32の変形を加速させる恐れがある。温度検知器70による検知温度に基づき、正極端子30を流れる電流値を制御することによって、正極端子30及び正極集電体50の過度な温度上昇を抑えることができる。そして、負極端子40を構成する部材は、一般に、正極端子30を構成する部材と比較して、電気抵抗による通電時の発熱が小さいため、正極端子30の温度を管理することによって、負極端子40の過度な昇温を抑えることができる。
【0050】
上述したように、本実施の形態に係る蓄電素子100は、正極集電体50及び負極集電体60と正極端子30及び負極端子40とを備える。蓄電素子100は、正極端子30に設けられ且つ正極端子30の温度を検知する温度検知器70を備える。正極端子30は、端子本体部30aと、端子本体部30aと正極集電体50とを接続する接続リベット30cと、端子本体部30aと蓄電素子100の外部とを接続する外部端子部30bとを有する。温度検知器70は、正極端子30における接続リベット30c又は端子本体部30aに配置される。
【0051】
上述の構成において、温度検知器70は、正極端子30における接続リベット30c又は端子本体部30aに配置されるため、外部端子部30bと接続される正極端子30以外の要素の温度から検知温度が受ける影響を低減することができる。よって、蓄電素子100は、正極端子30の温度検知精度の向上を可能にする。
【0052】
実施の形態に係る蓄電素子100は、容器10及び絶縁部材31、32を備える。絶縁部材31、32は、容器10を構成する蓋体12と正極端子30との間に配置され、接続リベット30c又は端子本体部30aに接している。上述の構成において、絶縁部材31、32が樹脂等で形成される場合、正極端子30の温度が上昇することで、絶縁部材31、32は変形する恐れがある。すなわち、絶縁部材31、32が、容器10と正極端子30との間に配置され、接続リベット30c又は端子本体部30aに接しているため、本発明を適用することにより、絶縁部材31及び32が変形することを抑制することができる。
【0053】
実施の形態に係る蓄電素子100において、温度検知器70は、正極端子30の電流の経路上に配置される。上述の構成において、正極端子30では、電流が流れる部位の温度が上昇し得る。これにより、温度検知器70は、正極端子30における温度が上昇しやすい部位の温度を検知することができる。よって、正極端子30の温度上昇の検知精度が向上する。
【0054】
実施の形態に係る蓄電素子100において、温度検知器70は、端子本体部30aにおける接続リベット30cと外部端子部30bとの間に配置される。上述の構成において、温度検知器70は、端子本体部30aにおける電流が流れる領域である接続リベット30cから外部端子部30bに至る間の領域の温度検知ができるため、正極端子30の温度上昇をより高精度に検知することができる。
【0055】
実施の形態に係る蓄電素子100において、温度検知器70は、端子本体部30aにおける接続リベット30cと外部端子部30bとを結ぶ最短距離の経路上に配置される。上述の構成において、温度検知器70は、端子本体部30aにおける電流が最も流れる領域である接続リベット30cと外部端子部30bとを結ぶ最短距離の経路上の温度検知ができるため、正極端子30の温度上昇をより一層高精度に検知することができる。
【0056】
実施の形態に係る蓄電素子100において、温度検知器70は、正極端子30に配置される。上述の構成において、正極端子30は、負極端子40よりも低い導電率の材料から一般的に作製され得る。このため、電流が流れたとき、正極端子30の方が、負極端子40よりも昇温しやすい。温度検知器70は、より高い温度に昇温し得る正極端子30の温度上昇を検知することができる。この結果、1つの温度検知器70によって、正極端子30及び負極端子40の両方における過度な昇温の発生の検知が可能である。
【0057】
[その他の変形例]
以上、本発明の実施の形態に係る蓄電素子について説明したが、本発明は、実施の形態に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0058】
実施の形態に係る蓄電素子100では、温度検知器70は、正極端子30の端子本体部30aの表面30aa上に配置されていたが、端子本体部30aの表面30aaと反対側の表面に配置されてもよく、上記2つの表面の間の側面に配置されてもよい。
【0059】
実施の形態に係る蓄電素子100では、温度検知器70は、正極端子30にのみ設けられていたが、負極端子40にも設けられてもよい。
【0060】
実施の形態に係る蓄電素子100の正極端子30及び負極端子40では、端子本体部30a及び40aと接続リベット30c及び40cとが、別体であったが、一体化されていてもよい。この場合、端子本体部30a及び40aから突出する接続リベット30c及び40cの軸部30ca及び40caの先端が、正極集電体50及び負極集電体60との接続のために、かしめられていてもよい。
【0061】
実施の形態に係る蓄電素子100は、1つの電極体20を備えていた。しかしながら、蓄電素子は、2つ以上の電極体を備えるものであってもよい。この場合、正極集電体及び負極集電体は、例えば2つの電極体に接続された2つの正極集電体50及び2つの負極集電体60がそれぞれ、正極端子30の1つの端子本体部30a及び負極端子40の1つの端子本体部40aに、2つの接続リベット30c及び40cによって接続される構成を有していてもよい。そして、温度検知器70は、図5に示すように、正極端子30の端子本体部30aの表面30aa上で、2つのかしめ端部30ccと1つの外部端子部30bとの間を最短距離で結ぶ最短経路R1に配置されてもよい。なお、図5は、正極端子30の端子本体部30aにおける温度検知器70の配置形態の変形例を、図4と同様に示す図である。
【0062】
実施の形態に係る蓄電素子100では、電極体20は、正極板、負極板及びセパレータを巻回して形成される巻回型の電極体であったが、これに限定されるものでない。電極体は、正極板、負極板及びセパレータを重ねて形成されるスタック型の電極体であってもよく、重ねられた一組又は二組以上の正極板、負極板及びセパレータを複数回折り曲げて形成されるZ型の電極体であってもよい。
【0063】
実施の形態に係る蓄電素子100では、電極体20は、正極未塗工部21及び負極未塗工部22でそれぞれ正極集電体50及び負極集電体60が接続される構成であったが、これに限定されるものでない。電極体は、その端部に、正極基材から突出する正極集電タブによって構成される正極集電タブ群と、負極基材から突出する負極集電タブによって構成される負極集電タブ群とを有していてもよい。そして、正極集電タブ群及び負極集電タブ群がそれぞれ、正極集電体及び負極集電体に接続されてもよい。
【0064】
実施の形態に係る蓄電素子100は、巻回軸Aが容器10の蓋体12に沿う向きで電極体20が配置される縦巻き型の電極体20を備える蓄電素子であったが、巻回軸A方向の電極体20の端部を容器10の蓋体12に対向させる向きで電極体20が配置される横巻き型の電極体を備える蓄電素子であってもよい。
【0065】
また、本発明は、上述のような蓄電素子として実現することができるだけでなく、1つ以上の蓄電素子を備える蓄電装置においても実現することができる。例えば、本発明は、図6に示すように、複数の蓄電素子100を備える蓄電装置200として実現することができる。なお、図6は、複数の蓄電素子100を備える蓄電装置200の平面図である。蓄電装置200は、並べて配置された複数の蓄電ユニット201(なお、図6では、4つの蓄電ユニット201)を備えている。各蓄電ユニット201は、例えば一列に並べられ且つ互いに電気的に接続された複数の蓄電素子100(なお、図6では、4つの蓄電素子100)によって、構成される。上述の構成によって、複数の蓄電素子100が、1ユニットとして使用され、蓄電装置200に必要な電気容量、蓄電装置200の形状及び寸法等に対応して、蓄電ユニット201の数量及び配列が選択され得る。そして、蓄電ユニット201において、温度検知器70は、全ての蓄電素子100に設けられてもよい。これにより、蓄電ユニット201における全ての蓄電素子100の正極端子30の温度の管理ができるため、蓄電素子の状態監視を良好におこなうことができる。
【0066】
また、実施の形態及び上記の変形例を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、リチウムイオン二次電池等の蓄電素子及び蓄電素子を備える蓄電装置等に適用できる。
【符号の説明】
【0068】
30 正極端子(電極端子)
30a,40a 端子本体部
30b,40b 外部端子部(第二接続部)
30c,40c 接続リベット(第一接続部)
40 負極端子(電極端子)
50 正極集電体(集電体)
60 負極集電体(集電体)
70 温度検知器
100 蓄電素子
201 蓄電ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6