(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-224586(P2017-224586A)
(43)【公開日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】直接駆動型のLED照明回路及びそれに用いるモノリシック集積回路
(51)【国際特許分類】
H05B 37/02 20060101AFI20171124BHJP
【FI】
H05B37/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-207151(P2016-207151)
(22)【出願日】2016年10月21日
(31)【優先権主張番号】16174276.2
(32)【優先日】2016年6月13日
(33)【優先権主張国】EP
(71)【出願人】
【識別番号】516317517
【氏名又は名称】モスウェイ セミコンダクター リミテッド
【氏名又は名称原語表記】MOSWAY SEMICONDUCTOR LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100084375
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 康夫
(74)【代理人】
【識別番号】100121692
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 勝美
(74)【代理人】
【識別番号】100125221
【弁理士】
【氏名又は名称】水田 愼一
(74)【代理人】
【識別番号】100142077
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 真之
(72)【発明者】
【氏名】ツェ チュウ シン セレメント
(72)【発明者】
【氏名】チャン オン ボン ピーター
(72)【発明者】
【氏名】タン チ クン
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA10
3K273BA03
3K273BA24
3K273BA25
3K273CA02
3K273CA12
3K273CA26
3K273DA08
3K273EA07
3K273EA25
3K273EA35
3K273FA07
3K273FA14
3K273GA02
3K273GA12
3K273GA18
3K273GA24
3K273GA27
3K273GA29
(57)【要約】
【課題】本発明は、直接駆動型のLED照明回路及びそれに用いるモノリシック集積回路を開示する。
【解決手段】直接駆動型のLED照明回路は、電源スイッチユニットを有するLED電流制御回路と、電流センサーユニットと、誤差増幅器と、を含む。直列接続される複数のLEDランプがキャパシタに並列接続されて形成されたLEDチェーン回路は、片側が正極端子とされ、電流流出側が負極端子とされる。LEDチェーン回路とLED電流制御回路は、直列接続され、回路全体が交流整流電源の正極端子と負極端子の間に接続される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源スイッチユニットを有するLED電流制御回路と、
電流センサーユニットと、
平均回路と、
誤差増幅器と、を含み、
前記電源スイッチユニットは、スイッチングチャネルを流れる電流を制御するための制御端子と、それぞれ正極チャネル端子及び負極チャネル端子である電流流入端子及び電流流出端子と、を有し、
前記電流センサーユニットは、前記電源スイッチユニットを流れる電流を感知するものであり、前記電源スイッチユニットの負極チャネル端子と前記制御回路の最低電圧にある基準ノードとの間に接続され、出力端子が前記平均回路の入力端子に接続され、
前記平均回路は、入力端子が前記電流センサーユニットの出力端子に接続され、且つ出力端子が前記誤差増幅器の複数の入力端子のうちの1つに接続され、
前記誤差増幅器は、1つの入力端子が前記平均回路の出力端子に接続されると共に、もう一つの入力端子が平均LED電流設定用の基準電圧に接続され、出力端子が前記電源スイッチユニットの制御端子に接続され、
直列接続された複数のLEDランプ装置を有したLEDチェーン回路をさらに備え、このLEDチェーン回路にはキャパシタが並列接続され、電流入力端子を正極端子とし、電流出力端子を負極端子とし、
前記LEDチェーン回路と前記LED電流制御回路とは、直列接続構造であり、前記直列接続構造の回路全体が交流整流電源の正極と負極との間に接続されている、
ことを特徴とする直接駆動型のLED照明回路。
【請求項2】
逆電流防止用の直列接続のダイオードが、前記交流整流電源の正極端子又は負極端子に設置されるか、又は前記LEDチェーン回路と前記LED電流制御回路との間に設置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の直接駆動型のLED照明回路。
【請求項3】
フィルタ回路が、前記誤差増幅器と前記電源スイッチユニットとの間に設置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の直接駆動型のLED照明回路。
【請求項4】
前記電流センサーユニットは、抵抗又は電流から電圧への変換が可能なカレントミラーを用いて、前記電源スイッチユニットを流れる電流を表す電圧を発生する、
ことを特徴とする請求項1に記載の直接駆動型のLED照明回路。
【請求項5】
前記平均回路は、パッシブローパスフィルタ、又はアクティブローパスフィルタ、又は、平均処理のためのサンプルアンドホールド制御を有するローパスフィルタを用いる、
ことを特徴とする請求項1に記載の直接駆動型のLED照明回路。
【請求項6】
直接駆動型のLEDランプ用途のモノリシック集積回路において、
スイッチングチャネル内の電流量を制御するための制御端子と、それぞれ正極チャネル端子及び負極チャネル端子である電流流入端子及び電流流出端子と、を有する電源スイッチユニットと、
前記電源スイッチユニットの制御端子に接続する出力端子と、前記電源スイッチユニットを流れる平均電流を設定するための基準電圧に接続する入力端子と、前記電源スイッチユニットを流れる平均電流のフィードバック情報を取得するためのもう一つの入力端子と、を有する誤差増幅器と、
を含む、
ことを特徴とする直接駆動型のLEDランプ用途のモノリシック集積回路。
【請求項7】
前記フィルタ回路が、前記誤差増幅器と前記電源スイッチユニットとの間に設置される、
ことを特徴とする請求項6に記載のモノリシック集積回路。
【請求項8】
外部の電流センサーユニットと、平均回路と、LEDチェーン回路とが、互いに接続されて応用回路を形成している、
ことを特徴とする請求項6に記載のモノリシック集積回路。
【請求項9】
直接駆動型のLED照明回路において、
電源スイッチユニットを有するLED電流制御回路と、
電流センサーユニットと、
平均回路と、
3入力の誤差増幅器と、を含み、
前記電源スイッチユニットは、スイッチングチャネルを流れる電流を制御するための制御端子と、それぞれ正極チャネル端子及び負極チャネル端子である電流流入端子及び電流流出端子と、を有し、
前記電源スイッチユニットを流れる電流を感知するために、前記電流センサーユニットは、前記電源スイッチユニットの負極チャネル端子と前記制御回路の最低電圧にある基準ノードとの間に接続し、出力端子が前記平均回路の入力端子に接続し、
前記平均回路は、入力端子が前記電流センサーユニットの出力端子に接続し、出力端子が前記3入力の誤差増幅器の複数の入力端子のうち1つに接続し、
前記3入力の誤差増幅器は、1つの入力端子が前記平均回路の出力端子に接続し、もう一つの入力端子が平均LED電流設定用の基準電圧に接続し、第3入力端子が瞬時交流電流の波形整形のため交流整流の位相情報又は瞬時電圧情報に接続し、出力端子が前記電源スイッチユニットの制御端子に接続し、
直列接続された複数のLEDランプ装置を有したLEDチェーン回路をさらに備え、このLEDチェーン回路にはキャパシタが並列接続され、電流入力端子を正極端子とし、電流出力端子を負極端子とし、
前記LEDチェーン回路と前記LED電流制御回路は、直列接続構造であり、前記直列接続構造の回路全体が交流整流電源の正極と負極との間に接続する、
ことを特徴とする直接駆動型のLED照明回路。
【請求項10】
逆電流防止用の直列接続ダイオードが、前記交流整流電源の正極端子又は負極端子に設置されるか、又は前記LEDチェーン回路と前記LED電流制御回路との間に設置される、
ことを特徴とする請求項9に記載の直接駆動型のLED照明回路。
【請求項11】
フィルタ回路が、前記3入力の誤差増幅器と前記電源スイッチユニットとの間に設置される、
ことを特徴とする請求項9に記載の直接駆動型のLED照明回路。
【請求項12】
前記電流センサーユニットは、抵抗又は電流から電圧への変換が可能なカレントミラーを用いて、前記電源スイッチユニットを流れる電流を表す電圧を発生する、
ことを特徴とする請求項9に記載の直接駆動型のLED照明回路。
【請求項13】
前記平均回路は、パッシブローパスフィルタ、又はアクティブローパスフィルタ、又は、平均処理のためのサンプルアンドホールド制御を有するローパスフィルタを用いる、
ことを特徴とする請求項9に記載の直接駆動型のLED照明回路。
【請求項14】
直接駆動型のLEDランプ用途のモノリシック集積回路において、
スイッチングチャネル内の電流量を制御するための制御端子と、それぞれ正極チャネル端子及び負極チャネル端子である電流流入端子及び電流流出端子と、を有する電源スイッチユニットと、
前記電源スイッチユニットの制御端子に接続する出力端子と、前記電源スイッチユニットを流れる平均電流を設定するための基準電圧に接続する入力端子と、前記電源スイッチユニットを流れる平均電流のフィードバック情報を取得するための第2入力端子と、瞬時電流波形を整形するための第3入力端子と、を有する3入力の誤差増幅器と、を含む、
ことを特徴とする直接駆動型のLEDランプ用途のモノリシック集積回路。
【請求項15】
フィルタ回路が、前記誤差増幅器と前記電源スイッチユニットとの間に設置される、
ことを特徴とする請求項14に記載のモノリシック集積回路。
【請求項16】
外部の電流センサーユニットと、平均回路と、LEDチェーン回路とが、互いに接続されて応用回路を形成している、
ことを特徴とする請求項14に記載のモノリシック集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDランプ装置の制御回路の改良に関し、特に、LEDランプ装置の製品の回路で直接駆動によるLED駆動の技術改良に関するが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
従来技術の伝統的なLEDランプ装置の直接駆動回路と、それに関連するAC交流によるLED電圧及び電流と、をそれぞれ
図1、
図2に示す。直接駆動型のLED照明回路は、従来のスイッチモードのLEDランプ装置の駆動回路に比較すると、磁気的部品を取り除くとの利点を有する一方、以下のような欠陥を有する。
(a)一部のLED発光体は、AC交流の入力周期にわたり、周期全部に亘って電流を利用して発光することができないため、LEDの発光効率が非常に低い。LED発光体は、LEDランプ装置製品において主要コストを決めるため、製品のコストが向上する。
(b)AC交流の電流周期の半周期毎に、間隙時間を有し、すべてのLED発光体が消灯する。同時に、LED電流とAC交流半周期毎により状態が異なるLED数が変わる。従って、出力光の輝度が変化し、このような変化に伴い、フリッカ効果が高くなる。
(c)AC交流の入力電圧の変化範囲を予測設計するため、ピーク値の交流電圧と最大LEDチェーン電圧の間の差は大きくなる。この特徴により、電源スイッチユニットに著しい熱損失が生じ、これによりLED直接駆動回路の効率を低下させる。パッケージタイプを選択する同時に、このような熱損失に対処できることを考慮されなければならないため、パッケージコストが高くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、上記課題のすべて又は一部を解消又は明らかに改善し、及び/又は、改良して更に適合する直接駆動型のLED照明回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ここで、直接駆動型のLED照明回路を含む回路が開示される。直接駆動型のLED照明回路は、電源スイッチユニットと、電流センサーユニットと、平均回路と、誤差増幅器と、を有するLED電流制御回路を含む。
前記電源スイッチユニットは、スイッチングチャネルを流れる電流を制御するための制御端子と、それぞれ正極チャネル端子及び負極チャネル端子である電流流入端子及び電流流出端子と、を有する。
前記電源スイッチユニットを流れる電流値を感知するための電流センサーユニットは、前記電源スイッチユニットの負極チャネル端子と制御回路の基準ノード(最低電圧)との間に接続され、出力端子(又は、特別な実施例の場合に、電源スイッチユニットの負極チャネル端子)が平均回路の入力端子に接続される。
前記平均回路は、入力端子が前記電流センサーユニットの出力端子に接続され、且つ出力端子が前記誤差増幅器の複数の入力端子のうちの1つに接続される。
前記誤差増幅器は、1つの入力端子が前記平均回路の出力端子に接続されると共に、もう一つの入力端子が平均LED電流設定用の基準電圧に接続され、出力端子が前記電源スイッチユニットの制御端子に接続される。
LEDチェーン回路は、直列接続された複数のLEDランプ装置を有し、直列接続された複数のLEDランプ装置にキャパシタが並列接続され、電流入力端子を正極端子とし、電流出力端子を負極端子とする。
前記LEDチェーン回路と前記LED電流制御回路とは、直列接続構造であり、前記直列接続構造の回路全体が交流整流電源の正極と負極との間に接続される。
【0005】
本発明の1つの実施例において、逆電流防止用の直列接続ダイオードが、前記交流整流電源の正極端子又は負極端子に設置されるか、又はLEDチェーン回路とLED電流制御回路との間に設置される。
【0006】
本発明の1つの実施例において、フィルタ回路が、誤差増幅器と電源スイッチユニットとの間に設置される。
【0007】
本発明の1つの好適な実施例において、前記電流センサーユニットは、簡単な抵抗、又は、電流から電圧への変換が可能なカレントミラーを用いて、前記電源スイッチユニットを流れる電流を表す電圧を発生する。
【0008】
本発明の1つの好適な実施例において、前記平均回路は、パッシブローパスフィルタ、又はアクティブローパスフィルタ、又は平均処理のためのサンプルアンドホールド制御を有するローパスフィルタを用いる。
【0009】
更に、直接駆動型のLEDランプ用途のモノリシック集積回路が開示される。当該モノリシック集積回路は、スイッチングチャネル内の電流を制御するための制御端子と、それぞれ正極チャネル端子及び負極チャネル端子である電流流入端子及び電流流出端子と、を有する電源スイッチユニットと、前記電源スイッチユニットの制御端子に接続される出力端子と、前記電源スイッチユニットを流れる平均電流を設定するための基準電圧に接続される入力端子と、前記電源スイッチユニットを流れる平均電流のフィードバック情報を取得するためのもう一つの入力端子とを有する誤差増幅器と、を含む。
【0010】
本発明のモノリシック集積回路の1つの実施例において、フィルタ回路が、前記誤差増幅器と前記電源スイッチユニットとの間に設置される。
【0011】
本発明のモノリシック集積回路の1つの実施例において、外部電流センサーユニットと、平均回路と、LEDチェーン回路とが、応用回路形成のために接続される。
【0012】
更に、直接駆動型のLED照明回路が開示される。当該直接駆動型のLED照明回路は、電源スイッチユニットと、電流センサーユニットと、平均回路と、3入力の誤差増幅器と、を有するLED電流制御回路を含む。
前記電源スイッチユニットは、スイッチングチャネルを流れる電流を制御するための制御端子と、それぞれ正極チャネル端子及び負極チャネル端子である電流流入端子及び電流流出端子とを有する。
前記電源スイッチユニットを流れる電流を感知するため、電流センサーユニットは、前記電源スイッチユニットの負極チャネル端子と制御回路の基準ノード(最低電圧)との間に接続され、出力端子(又は、特別な実施例の場合に、電源スイッチユニットの負極チャネル端子)が平均回路の入力端子に接続される。
前記平均回路は、入力端子が前記電流センサーユニットの出力端子に接続され、出力端子が前記3入力の誤差増幅器の複数の入力端子のうちの1つに接続される。
前記3入力の誤差増幅器は、1つの入力端子が前記平均回路の出力端子に接続され、もう一つの入力端子が平均LED電流設定用の基準電圧に接続され、その第3入力端子が交流整流の位相情報(又は瞬時電圧)に接続されて瞬時交流電流の波形を整形し、出力端子が前記電源スイッチユニットの制御端子に接続される。
LEDチェーン回路は、直列接続する複数のLEDランプ装置を有し、前記直列接続されるLEDランプ装置にキャパシタが並列接続され、電流入力端子を正極端子とし、電流出力端子を負極端子とする。
前記LEDチェーン回路と前記LED電流制御回路は、直列接続構造であり、前記直列接続構造の回路全体が交流整流電源の正極と負極との間に接続される。
【0013】
本発明の1つの実施例において、逆電流防止用の直列接続のダイオードが、前記交流整流電源の正極端子又は負極端子に設置されるか、又はLEDチェーン回路とLED電流制御回路との間に設置される。
【0014】
本発明の1つの実施例において、フィルタ回路が、前記3入力の誤差増幅器と電源スイッチユニットとの間に設置される。
【0015】
本発明の1つの好適な実施例において、前記電流センサーユニットは、簡単な抵抗、又は、電流から電圧への変換が可能なカレントミラーを用いて、前記電源スイッチユニットを流れる電流を表す電圧を発生する。
【0016】
本発明の1つの好適な実施例において、前記平均回路は、パッシブローパスフィルタ、又はアクティブローパスフィルタ、又は平均処理のためのサンプルアンドホールド制御を有するローパスフィルタを用いる。
【0017】
更に、直接駆動型のLEDランプ用途のモノリシック集積回路が開示される。当該モノリシック集積回路は、スイッチングチャネル内の電流を制御するための制御端子と、それぞれ正極チャネル端子及び負極チャネル端子である電流流入端子及び電流流出端子と、を有する電源スイッチユニットと、前記電源スイッチユニットの制御端子に接続される出力端子と、前記電源スイッチユニットを流れる平均電流を設定するための基準電圧に接続される入力端子と、前記電源スイッチユニットを流れる平均電流値のフィードバック情報を取得するための第2入力端子と、瞬時電流波形を整形するための第3入力端子とを有する3入力の誤差増幅器と、を含む。
【0018】
本発明のモノリシック集積回路の1つの実施例において、フィルタ回路が、前記誤差増幅器と電源スイッチユニットとの間に設置される。
【0019】
本発明のモノリシック集積回路の1つの実施例において、外部電流センサーユニットと、平均回路と、LEDチェーン回路とが、応用回路形成のために接続される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】伝統的な直接駆動型LEDランプ装置の回路図である。
【
図2】
図1に示す制御回路における交流半周期のLED電圧と電流の波形図である。
【
図3】本発明の実施例に係るLED利用率の向上とフリッカ軽減が図られた直接駆動型LED照明回路図である。
【
図4】
図3に示す回路の交流の整流電圧と、交流ライン電流と、LED電流と、の波形のイメージ図である。
【
図5】
図3の回路と同じ機能を実現する代替の回路接続図である。
【
図6】
図3の回路と同じであり、ブロックに示す部分を超高圧BCD工程によりモノリシック集積回路のブロックに形成することを説明する図である。
【
図7】本発明の直接駆動型LED照明回路のもう一つの実施例の図であり、LED利用率の向上と、フリッカ低減と、エネルギー効率向上とが図れている。
【
図8】(a)(b)は、
図7に示す3入力の誤差増幅器の2つの好適な実施例の図である。
【
図9】
図8から選定した誤差増幅器を使用した場合の
図7に示す回路における交流整流電圧、交流ライン電流、及びLED電流の波形図である。
【
図10】
図7の回路と同じ機能を実現する代替の回路接続図である。
【
図11】
図7の回路と同じであり、ブロックに示す部分を超高圧BCD工程によりモノリシック集積回路のブロックに形成することを説明する図である。
【
図12】(a)(b)は、
図7に示す回路における3入力の誤差増幅器について効率を更に高める他2つの好適な実施例を示す図である。
【
図13】
図7に示す回路において、
図12から選定した誤差増幅器を使用した場合の交流の整流電圧、交流ライン電流、及びLED電流の波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の実施例を詳細に説明する。前記実施例の例が図面に示されるが、同一または類似する符号は、常に、相同又は類似の部品、或いは、相同又は類似の機能を有する部品を表す。以下に、図面を参照しながら説明される実施例は例示的なものであり、本発明を解釈するためだけに用いられ、本発明を限定するものと理解されてはならない。
【0022】
LEDの利用率向上と同時に、フリッカ軽減のために、直接駆動型のLED照明回路を提供する。当該回路は、交流全部の半周期にわたってLED電流を利用することができ、それと同時に、LED電流変化が低いという特徴を有し、フリッカが低い。
【0023】
図3に示すように、LED303と、LED303の両端間に接続されるキャパシタ304とに流れる電流は、瞬時交流入力電圧が交流整流によるLEDの最低駆動電圧より高くなると、LED303に流れる。瞬時交流入力電圧がLED駆動電圧より低くなると、LED303への電流は、キャパシタ304に蓄積されているエネルギーから提供される。そのため、LEDチェーンにおける消灯期間がなくなる。半周期における各LED電流は、電流センサーユニット306(この実施例では、抵抗)を介して、電源スイッチユニット305(のスイッチングチャネル)に流れる電流を感知することにより制御される。電源スイッチユニット305はLED電流制御回路の要素である。平均回路301は、フィードバック信号を発生して誤差増幅器302に送信し、フィードバック回路を形成する。LED電流設定を実現するためのもう一つの入力は、内部で発生する基準電圧Vrefであり、誤差増幅器302のもう一つの入力端子に接続される。誤差増幅器302の出力は、電源スイッチユニット305の制御入力端子に、直接に又は任意にフィルタを追加して接続することができる。当該フィードバック回路は、電源スイッチユニット305を流れる電流ブロファイルと、長期にわたるLED平均電流とを決定する。好ましくは、直列接続するダイオードを設置して逆電流を防止してもよい。ダイオードは、交流整流電源の正極端子又は負極端子に設置するか、LED303とキャパシタ304からなる並列回路と電源スイッチユニットの間に設置される。
電流センサーユニット306は、抵抗又は電流から電圧への変換が可能なカレントミラーを用いて、電源スイッチユニット305を流れる電流を表す電圧を発生するものとしてもよい。平均回路301は、パッシブローパスフィルタ、又はアクティブローパスフィルタ、又は、平均処理のためのサンプルアンドホールド制御を有するローパスフィルタを用いてもよい。
【0024】
図4は、交流電圧と電流の模式図であり、LED電流が示されている。
図4から、LEDチェーンが各半周期のすべての時間にすべて点灯し、またこれに応じて電流変化の幅は小さいことが分かる。このように、
図1の従来回路に比較して、フリッカが明らかに軽減される。また、LED利用率も実際に100%に近い。力率性能は、従来技術(実際上1に近い)ほどではないが、満足はできる(LEDチェーンの電圧を適切に選択すると0.9近くに達する)。主な熱損失は、交流半周期のピーク値付近において、従来技術に大体相当する。
【0025】
図3に示す交流整流の正極側と電源スイッチユニット305の間の並列回路、即ちLED303とキャパシタ304の代わりとして、電流センサーユニットの負極側と交流整流電源の負極端子との間に、並列回路を接続し、電源スイッチユニット305の正極端子を交流整流電源の正極端子に接続してもよい。
図5は、同じ機能を実現する代替接続回路を示す。
【0026】
本発明のもう一つの好適な実施例において、誤差増幅器302と電源スイッチユニット305とを、近年利用可能になった超高圧(500V〜700V)・高圧BCD工程により、
図6に示すように、モノリシック集積回路607に形成してもよい。同様に、このようなモノリシック集積回路は、
図5に示す素子502、505を代替することもできる。
【0027】
本発明の更なる技術的な利点は、電源スイッチユニットの熱損失軽減である。これは、交流の瞬時電圧が所定値より高い期間において電源スイッチユニットを流れる電流を軽減することにより実現される。この期間のLED電流は、交流の入力電流と、LEDチェーンに並列接続するキャパシタから提供される電流との和である。この期間中、瞬時LED電流が減少しても、長期的な平均LED電流は、基準電圧を目標とする設定と電流センサーユニットの感知とにより、安定に維持される。
図7には、好適な設計が示されている。
【0028】
図7は、
図3に示す実施例の変形であり、2入力の誤差増幅器の代わりに、3入力の誤差増幅器を採用している。元の2つの入力に追加された第3入力は、交流ライン電圧の情報を有し、上述したように交流電流の波形に加算されるものである。交流の瞬時電圧が予め設定したレベル以上になると、交流の入力電流は、超過量に従って減らされる。このような追加した制御信号は、迅速に反応する特徴を有し、交流ライン電流を直ちに調整することができる。この誤差増幅器702の第3入力ピンの制御信号は、
図7に示す電源スイッチユニットの正極チャネル端子から直接に取得しない場合、交流整流電源に設けた抵抗分圧器から取得してもよい。3入力の誤差増幅器702の好適な設計実施例が、
図8に示されている。
【0029】
図8(a)に示すように、抵抗804、805、806により、電源スイッチユニットの正極チャネル端子+veからの信号が分圧される。コンパレータ803は、これらの分圧信号を基準電圧Vrefと比較して、マルチプレクサMUX802に対する制御信号を発生する。交流の瞬時電圧が所定値より高くなると、この制御信号は、「1」のロジック信号である。交流の瞬時電圧がこの所定値より低くなると、この制御信号は、「0」のロジック信号である。制御信号が「1」のロジック信号である場合、マルチプレクサMUX802は、電源スイッチユニットの正極チャネル端子の分圧信号を選択して出力端子から送信する。ここで、当該分圧信号は、瞬時交流整流電圧の情報を有する。マルチプレクサMUX802の出力に平均回路からの出力を加えて、誤差増幅器807に対する1つの入力信号が発生する。誤差増幅器807のもう一つの入力は、基準電圧Vrefである。誤差増幅器807の出力は、電源スイッチユニットの制御に用いられる。上述した回路によれば、電源スイッチユニットを流れる電流、従って交流ライン電流は、交流周期のピーク付近で減少される。
【0030】
図8(b)に示すように、抵抗809、810、811は、電源スイッチユニットの正極チャネル端子+veからの信号を分圧する。コンパレータ812は、これらの分圧信号を基準電圧Vrefと比較し、マルチプレクサMUX813に対する制御信号を発生する。交流の瞬時電圧が所定値より高くなると、この制御信号は、「1」のロジック信号である。交流の瞬時電圧がこの所定値より低くなると、この制御信号は、「0」のロジック信号である。制御信号が「1」のロジック信号である場合、マルチプレクサMUX813は、電源スイッチユニットの正極チャネル端子の分圧信号(当該分圧信号は、瞬時交流整流電圧の情報を有する)を選択して出力端子から送信する。制御信号が「0」のロジック信号である場合、マルチプレクサMUX813は、その出力信号として接地電圧を選択する。マルチプレクサMUX813の出力を、誤差増幅器808の出力から引き算して、電源スイッチユニットに対する1つの制御信号を発生する。誤差増幅器808は、平均回路からの出力と基準電圧Vrefとを、LED電流の長期平均電流を制御するための入力として取得する。上述した回路によれば、電源スイッチユニットを流れる電流、従って交流ライン電流は、交流周期のピーク付近で減少される。
【0031】
図9は、
図7に示す回路の重要な回路ノードにおける波形を示す。
図8に示す誤差増幅器の一つを採用する回路によれば、力率は低下するが、電源スイッチにおける熱損失が交流周期のピーク電圧付近で軽減され、効率が改善される。
【0032】
本発明の
図7に示す交流整流の正極側と電源スイッチユニットの正極端子との間に、LEDチェーン703とキャパシタ704からなる並列回路を設置するほかに、代替案として、上記並列回路を電流センサーユニットの負極側と交流整流電源の負極端子との間に設置することができ、電源スイッチユニットの正極端子は交流整流電源の正極端子に接続される。
図10は、同じ機能を実現する当該代替接続回路を示す。
【0033】
本発明のもう一つの好適な実施例において、近年利用可能になった超高圧(500V〜700V)BCD工程により、素子702と705とを集積させて、
図11に示すようにモノリシック集積回路1107を形成することができる。同様なモノリシック集積回路は、
図10の回路に示す素子1002、1005を代替することができる。
【0034】
前記各実現案の1つの極端的な実現形態として、交流瞬時電圧が予め設定したレベルを超えた場合に、交流ピーク付近で交流の入力電流を減少させる代わりに、交流電流をすべて取り除くことが考えられる。このような実現形態は、交流周期ピーク付近における熱損失を取り除くことができ、従って、本発明の原理に基づき、効率を最高状態まで向上させることができる。
図12は、この効果を実現するため、
図7、
図10に示す3入力の誤差増幅器に対する2種類の好適な設計実施例を示す。
【0035】
図12(a)に示すように、抵抗1203、1204は、電源スイッチユニットの正極チャネル端子+veからの信号を分圧する。コンパレータ1202は、これらの分圧信号を基準電圧Vrefと比較し、マルチプレクサMUX1201に対する制御信号を発生する。交流の瞬時電圧が所定値より高くなると、この制御信号は、「1」のロジック信号である。交流の瞬時電圧がこの所定値より低くなると、この制御信号は、「0」のロジック信号である。制御信号が「1」のロジック信号である場合、マルチプレクサMUX1201は、「1」のロジック信号又は制御回路への給電電圧を選択して出力する。制御信号が「0」のロジック信号である場合、マルチプレクサMUX1201は、その出力に平均回路の出力を選択する。マルチプレクサMUX1201の出力と基準電圧Vrefとは、電源スイッチユニットに対する制御信号を発生するための、誤差増幅器1205への入力である。上述した回路によれば、交流の瞬時電圧が所定値より高くなると、電源スイッチユニットを流れる電流、従って交流ライン電流を完全に取り除くことができる。
【0036】
図12(b)に示すように、抵抗1207、1208は、電源スイッチユニットの正極チャネル端子+veからの信号を分圧する。コンパレータ1209は、これらの分圧信号を基準電圧Vrefと比較し、マルチプレクサMUX1210に対する制御信号を発生する。交流の瞬時電圧が所定値より高くなると、この制御信号は、「1」のロジック信号である。交流の瞬時電圧がこの所定値より低くなると、この制御信号は、「0」のロジック信号である。制御信号が「1」のロジック信号である場合、マルチプレクサMUX1210は、「0」のロジック信号又は電流制御回路の零電位を選択して出力する。制御信号が「0」のロジック信号である場合、マルチプレクサMUX1210は、その出力に平均回路の出力を選択する。マルチプレクサMUX1210は、その出力が電源スイッチユニットの制御に用いられる。誤差増幅器1206は、その入力に基準電圧Vrefと平均回路の出力とを使用する。上述した回路によれば、交流の瞬時電圧が所定値より高くなると、電源スイッチユニットを流れる電流、従って交流ライン電流を完全に取り除くことができる。
【0037】
図13は、
図7に示す回路の重要ノードにおける波形図である。
図12に示す3入力の誤差増幅器の一つを選定して採用する本実施例の回路によれば、力率は低下するが、電源切換の熱損失が軽減され、効率が改善される。
【0038】
本発明の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚み」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「逆時計回り」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づき、本発明を便利にまたは簡単に説明するために使用されるものであり、指定された装置又は部品が特定の方位にあり、特定の方位において構造され操作されると指示又は暗示するものではないので、本発明に対する限定と理解してはいけない。
【0039】
なお、「第1」、「第2」の用語は目的を説明するためだけに用いられるものであり、比較的な重要性を指示又は暗示するか、或いは示された技術的特徴の数を黙示的に指示すると理解してはいけない。そこで、「第1」、「第2」が限定されている特徴は一つ又はより多くの前記特徴を含むことを明示又は暗示するものである。本発明の説明において、明確且つ具体的な限定がない限り、「複数」とは、二つ又は二つ以上のことを意味する。
【0040】
なお、本発明の説明において、明確な規定と限定がない限り、「取り付け」、「互いに接続」、「接続」の用語の意味は広く理解されるべきである。例えば、固定接続や、着脱可能な接続や、あるいは一体的な接続でも可能である。机械的な接続や、電気的な接続や、あるいは互いに通信することも可能である。直接的に接続することや、中間媒体を介して間接的に接続することや、二つの部品の内部が連通することや、あるいは二つの部品の間に相互の作用関係があることも可能である。当業者にとって、具体的な場合によって上記用語の本発明においての具体的な意味を理解することができる。
【0041】
本発明において、明確な規定と限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴とが直接的に接触することを含んでも良いし、第1特徴と第2特徴とが直接的に接触することではなくそれらの間の別の特徴を介して接触することを含んでもよい。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」又は「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上にあることを含むか、或いは、単に第1特徴の水平高さが第2特徴より高いことだけを表す。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」又は「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上にあることを含むか、或いは、単に第1特徴の水平高さが第2特徴より低いことだけを表す。
【0042】
本発明の説明において、「一つの実施例」、「一部の実施例」、「例示的な実施例」、「示例」、「具体的な示例」、或いは「一部の示例」などの用語を参考した説明とは、該実施例或いは示例に結合して説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特徴が、本発明の少なくとも一つの実施例或いは示例に含まれることである。本明細書において、上記用語に対する例示的な描写は、必ずしも同じ実施例或いは示例を示すことではない。又、説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特徴は、いずれか一つ或いは複数の実施例又は示例において適切に結合することができる。また、互いに矛盾しない限り、当業者は、本明細書に記載する異なる実施例又は示例、及び異なる実施例又は示例の特徴を組み合わせることができる。
【0043】
以上、本発明の実施例を示して説明したが、上記の実施例は、例示であり、本発明に対する限定として理解されてはならない。当業者は、本発明の範囲内で、これらの実施例に対して変化、補正、切り替え及び変形を行うことができる。