(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-224799(P2017-224799A)
(43)【公開日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】ラックシステム
(51)【国際特許分類】
H05K 7/18 20060101AFI20171124BHJP
【FI】
H05K7/18 F
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-7447(P2017-7447)
(22)【出願日】2017年1月19日
(31)【優先権主張番号】105119023
(32)【優先日】2016年6月16日
(33)【優先権主張国】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 建立
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
(57)【要約】
【課題】シャーシを手早く取付けるとともに、スライドレールキットにシャーシを安定的に支持することが可能なラックシステムを提供する。
【解決手段】ラックシステムは、ラック(14)と、シャーシ(12)と、スライドレールキット(10)とを備える。シャーシ(12)は一方側に固定部材(30)を有する。スライドレールキット(10)はラック(14)に取付けられており、レール(22)を備える。レール(22)は、第一レール区間(24)と、第二レール区間(26)と、第三レール区間(28)とを有するレール(22)を有する。このうち、第一レール区間(24)はシャーシ(12)の一部分を支持し、第二レール区間(26)と第三レール区間(28)との間で、シャーシ(12)の固定部材(30)を通過させるための経路(32)を画成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラックと、
固定部材を有するシャーシと、
前記ラックに取付けられるスライドレールキットと、
を備え、前記スライドレールキットは、レールを備えており、前記レールは第一レール区間と、第二レール区間と、第三レール区間とを有し、前記第一レール区間は前記シャーシの一部分を支持し、前記第二レール区間と前記第三レール区間との間で、前記固定部材を通過させるための経路を画成することを特徴とするラックシステム。
【請求項2】
前記レールの前記第一レール区間は、前記シャーシの一方の部分を支持するために、前記レールの前記第二レール区間に略垂直に連結される、ことを特徴とする請求項1に記載のラックシステム。
【請求項3】
前記レールの前記第三レール区間は第一延出区間と第二延出区間とを有しており、前記第一延出区間は前記レールの前記第二レール区間に連結され、前記第二延出区間は前記第一延出区間に略垂直に連結される、ことを特徴とする請求項2に記載のラックシステム。
【請求項4】
前記固定部材は、第一固定部と、第一固定部に連結する第二固定部とを有しており、
前記第一固定部は前記シャーシに連結され、前記第二固定部の外径は前記第一固定部よりも大径であって、前記シャーシが前記レールに取付けられた時、前記レールの前記第二延出区間は前記固定部材の前記第二固定部と前記シャーシとの間に位置し、かつ前記レールの前記第二延出区間は前記シャーシの他方の部分を支持する、ことを特徴とする請求項3に記載のラックシステム。
【請求項5】
前記レールの前記第二レール区間及び前記第三レール区間は、前記レールの前記第一レール区間の長さに沿って延出する、ことを特徴とする請求項1に記載のラックシステム。
【請求項6】
前記レールの前記第二レール区間の後端には、前記固定部材を止めるためのストッパ部が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のラックシステム。
【請求項7】
前記レールの前記第三レール区間は第一壁部と第二壁部とを有しており、前記第一壁部は前記レールの前記第二レール区間に連結され、前記第二壁部は前記第一壁部に略垂直に連結される、ことを特徴とする請求項6に記載のラックシステム。
【請求項8】
前記レールの前記第一レール区間の後端には、前記固定部材を止めるためのストッパ部が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のラックシステム。
【請求項9】
前記レールの前記第三レール区間は前記第一レール区間と前記第二レール区間との間に連結される、ことを特徴とする請求項8に記載のラックシステム。
【請求項10】
前記固定部材は、第一固定部と、前記第一固定部に連結する第二固定部とを有しており、前記第一固定部は前記シャーシに連結され、前記第二固定部の外径は前記第一固定部よりも大径であって、前記シャーシが前記レールに取付けられた時、前記レールの前記第一レール区間は前記固定部材の前記第一固定部を支持し、前記固定部材の前記第二固定部が前記レールの前記経路内に位置する、ことを特徴とする請求項9に記載のラックシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はラックシステムに関し、特にスライドレールキットを備えるものに関する。
【背景技術】
【0002】
Jansen等が発明した特許文献1には、ラック(rack)は二本のポスト(posts)を備えており、一対のレールを介してポストに取付けるものであって、各々のレールは溝を形成する二つのリブを有しており、かつ溝の一端が広口端を形成し、シャーシ(chassis)の両側に固定部材が取付けられるものを開示している。上記した配置により、シャーシの固定部材は溝の広口端を通じてスライド挿入されて、シャーシを支持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,220,456B1号明細書
【特許文献2】米国特許第8,083,298B2号明細書
【特許文献3】米国特許第8,127,940B2号明細書
【特許文献4】米国特許第8,317,037B2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような配置では荷重能力が不足する虞れがある。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、シャーシを手早く取付けるとともに、スライドレールキットにシャーシを安定的に支持することが可能なラックシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のラックシステムは、ラックと、固定部材を有するシャーシと、ラックに取付けられるスライドレールキットとを備える。スライドレールキットは、レールを備え、レールは第一レール区間と、第二レール区間と、第三レール区間とを有する。第一レール区間はシャーシの一部分を支持し、第二レール区間と第三レール区間との間で、シャーシの固定部材を通過させるための経路を画成する。
【0007】
好ましくは、レールの第一レール区間は、シャーシの一方の部分を支持するために、レールの第二レール区間に略垂直に連結される。
【0008】
好ましくは、レールの第一レール区間は、シャーシの一方の部分を支持するために、レールの第二レール区間から略垂直に延出する。
【0009】
好ましくは、レールの第三レール区間は第一延出区間と第二延出区間とを有しており、第一延出区間はレールの第二レール区間に連結され、第二延出区間は第一延出区間に略垂直に連結される。
【0010】
好ましくは、レールの第三レール区間は第一延出区間と第二延出区間とを有しており、第一延出区間はレールの第二レール区間から延出し、第二延出区間は第一延出区間から略垂直に延出する。
【0011】
好ましくは、シャーシの固定部材は第一固定部と、第一固定部に連結する第二固定部とを有しており、第一固定部はシャーシに連結され、第二固定部の外径は第一固定部よりも大径であって、シャーシがレールに取付けられた時、レールの第二延出区間は固定部材の第二固定部とシャーシとの間に位置し、かつレールの第二延出区間はシャーシの他方の部分を支持する。
【0012】
好ましくは、レールの第二レール区間及び第三レール区間はレールの第一レール区間の長さに沿って延出する。
【0013】
好ましくは、レールの第二レール区間の後端には、シャーシの固定部材を止めるためのストッパ部が設けられる。
【0014】
好ましくは、レールの第三レール区間は第一壁部と第二壁部とを有しており、第一壁部はレールの第二レール区間に連結され、第二壁部は第一壁部に略垂直に連結される。
【0015】
好ましくは、レールの第一壁部はレールの第二レール区間から延出しており、第二壁部は第一壁部から略垂直に延出する。
【0016】
好ましくは、レールの第一レール区間の後端には、シャーシの固定部材を止めるためのストッパ部が設けられる。
【0017】
好ましくは、レールの第三レール区間は第一レール区間と第二レール区間との間に連結される。
【0018】
好ましくは、レールの第三レール区間は第一レール区間と第二レール区間との間に延出する。
【0019】
好ましくは、固定部材は第一固定部と、第一固定部に連結する第二固定部とを有しており、第一固定部はシャーシに連結され、第二固定部の外径は第一固定部よりも大径であって、シャーシがレールに取付けられた時、レールの第一レール区間はシャーシの固定部材の第一固定部を支持し、そしてシャーシの固定部材の第二固定部がレールの経路内に位置する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施例におけるラックシステムの概略図である。
【
図2】本発明の第一の実施例のスライドレールキットの概略図である。
【
図3】本発明の第一の実施例のスライドレールキットのレールの先端にシャーシを取付けたものを示す概略図である。
【
図5】本発明の第一の実施例のスライドレールキットのレールにシャーシを取付けたものを示す部分断面図である。
【
図6】本発明の第二の実施例のスライドレールキットの概略図である。
【
図7】本発明の第二の実施例のスライドレールキットのレールの先端にシャーシを取付けたものを示す概略図である。
【
図9】本発明の第二の実施例のスライドレールキットのレールにシャーシを位置決めする態様を示す概略図である。
【
図11】本発明の第二の実施例のスライドレールキットのレールにシャーシを取付けたものの部分断面図である。
【
図12】本発明の第三の実施例のスライドレールキットの概略図である。
【
図13】本発明の第三の実施例のスライドレールキットのレールの先端にシャーシを取付けたものを示す概略図である。
【
図15】本発明の第三の実施例のスライドレールキットのレールにシャーシを位置決めする態様を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明の第一の実施例のラックシステムを示す図である。
図1に示すように、ラックシステムは、シャーシ12をラック(rack)14に取付けるのに適した一対のスライドレールキット10を備える。このうち、ラック14は、第一ポスト16aと、第二ポスト16bと、第三ポスト16cと、第四ポスト16dとを備える。一対のスライドレールキット10の一方は、ラック14の第一ポスト16a及び第二ポスト16bに取付けられている。一対のスライドレールキット10の他方は、ラック14の第三ポスト16c及び第四ポスト16dに取付けられている。シャーシ12の両側は一対のスライドレールキット10に取付けられる。
【0022】
図2〜
図4に示すように、スライドレールキット10は、ラック14の第一ポスト16a及び第二ポスト16bにそれぞれ取り付け可能とするための第一ブラケット18及び第二ブラケット20を備える。第一ポスト16a及び第二ポスト16bは
図1に示す通りである。スライドレールキット10は、レール22を更に備えている。レール22は、第一レール区間24と、第二レール区間26と、第三レール区間28とを有する。また、シャーシ12の両側には、一つの固定部材30又は複数の固定部材30がそれぞれ取付けられる。
【0023】
図5は、レール22の第一レール区間24は、シャーシ12の一部分(例えば底部)を支持することができることを示す。第二レール区間26と第三レール区間28との間では、固定部材30を通過させるための経路32を画成する。このうち、第一レール区間24は、シャーシ12の一方の部分(本実施例では底部)を支持するために、第二レール区間26に略垂直に連結される。
【0024】
好ましい実施例において、第一レール区間24は、シャーシ12の一部分を支持するために、第二レール区間26から略垂直に延出する。
【0025】
第一の実施例において、第三レール区間28は、第一延出区間34と第二延出区間36とを有している。第一延出区間34は第二レール区間26に連結され、第二延出区間36は第一延出区間34に略垂直に連結される。
【0026】
第一の実施例において、第一延出区間34は第二レール区間26から延出しており、第二延出区間36は第一延出区間34から略垂直に延出する。
【0027】
第一の実施例において、シャーシ12の固定部材30は第一固定部38と、第一固定部38に連結する第二固定部40とを有している。第一固定部38はシャーシ12に連結される。第二固定部40の外径は第一固定部38よりも大径である。シャーシ12がレール22に取付けられた時、第二延出区間36は固定部材30の第二固定部40とシャーシ12との間に位置し、かつ第二延出区間36はシャーシ12の他方の部分(例えば、第一レール区間24が支持する底部とは異なる側壁)を支持する。つまり、シャーシ12を手早く取付けることができるうえ、スライドレールキットのレール22はシャーシ12を安定的に支持することができる。
【0028】
第一の実施例において、
図2に示すように、レール22の第一レール区間24は長さLを有しており、第二レール区間26及び第三レール区間28はレール22の第一レール区間24の長さLに沿って延出する。
【0029】
次に、第二の実施例について説明する。
図6〜
図10に示すように、スライドレールキット200は、ラック14の第一ポスト16a及び第二ポスト16bにそれぞれ取り付け可能とするための第一ブラケット202及び第二ブラケット204を備える。第一ポスト16a及び第二ポスト16bは
図1に示す通りである。スライドレールキット200は、レール206を更に備えている。レール206は、第一レール区間208と、第二レール区間210と、第三レール区間212とを有する。このうち、第二レール区間210の後端には、シャーシ12の固定部材30を止めるためのストッパ部214が設けられる。
【0030】
図11は、レール206の第一レール区間208は、シャーシ12の一部分(例えば底部)を支持することができる。第二レール区間210と第三レール区間212との間では、シャーシ12の固定部材30を通過させるための経路216を画成する。このうち、第一レール区間208は、シャーシ12の一部分を支持するために、第二レール区間210に略垂直に連結される。シャーシ12がレール206内に完全に押し入られた時、レール206の第二レール区間210の後端のストッパ部214は、シャーシ12の固定部材30を止めるのに用いることができる。つまり、シャーシ12は手早く取付けることができるうえ、スライドレールキットのレール206はシャーシ12を安定的に支持することができる。
【0031】
第二の実施例において、レール206の第一レール区間208は、シャーシ12の一部分を支持するために、レール206の第二レール区間210から略垂直に延出する。
【0032】
第二の実施例において、レール206の第三レール区間212は第一壁部218と第二壁部220とを有しており、第一壁部218はレール206の第二レール区間210に連結され、第二壁部220は第一壁部218に略垂直に連結される。
【0033】
第二の実施例において、レール206の第一壁部218はレール206の第二レール区間210から延出しており、第二壁部220は第一壁部218から略垂直に延出する。
【0034】
次に、第三の実施例について説明する。
図12〜
図14は本発明の第三の実施例のスライドレールキット300を示す。スライドレールキット300は、ラック14の第一ポスト16a及び第二ポスト16bにそれぞれ取り付け可能とするための第一ブラケット302及び第二ブラケット304を備える。第一ポスト16a及び第二ポスト16bは
図1に示す通りである。スライドレールキット300はレール306を更に備えている。レール306は、第一レール区間308と、第二レール区間310と、第三レール区間312とを有する。このうち、第一レール区間308の後端には、シャーシ12の固定部材30を止めるためのストッパ部314が設けられる。
【0035】
図15は、レール306の第一レール区間308は、シャーシ12の一部分(例えば側壁)を支持することができることを示す。第二レール区間310と第三レール区間312との間では、シャーシ12の固定部材30を通過させるための経路316を画成する。このうち、第三レール区間312は第一レール区間308と第二レール区間310との間に連結される。
【0036】
第三の実施例において、第三レール区間312は第一レール区間308と第二レール区間310との間に延出する。
【0037】
第三の実施例において、シャーシ12がレール306に取付けられる時、レール306の第一レール区間308がシャーシ12の固定部材30の第一固定部38を支持し、そしてシャーシ12の固定部材30の第二固定部40がレール306の経路316内に位置する。シャーシ12がレール306内に完全に押し入られた時、レール306の第二レール区間310の後端のストッパ部314は、シャーシ12の固定部材30を止めるのに用いることができる。つまり、シャーシ12を手早く取付けることができるうえ、スライドレールキットのレール306はシャーシ12を安定的に支持することができる。
【0038】
本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0039】
10 スライドレールキット、
12 シャーシ、
14 ラック、
16a 第一ポスト、
16b 第二ポスト、
16c 第三ポスト、
16d 第四ポスト、
18 第一ブラケット、
20 第二ブラケット、
22 レール、
24 第一レール区間、
26 第二レール区間、
28 第三レール区間、
30 固定部材、
32 経路、
34 第一延出区間、
36 第二延出区間、
38 第一固定部、
40 第二固定部、
L 長さ、
200 スライドレールキット、
202 第一ブラケット、
204 第二ブラケット、
206 レール、
208 第一レール区間、
210 第二レール区間、
212 第三レール区間、
214 ストッパ部、
216 経路、
218 第一壁部、
220 第二壁部、
300 スライドレールキット、
302 第一ブラケット、
304 第二ブラケット、
306 レール、
308 第一レール区間、
310 第二レール区間、
312 第三レール区間、
314 ストッパ部、
316 経路。