【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の技術的課題は、以下の構成を有するバッテリレス周辺装置により、解決することができると考えられる。
すなわち、本発明のバッテリレス周辺装置は、スマートフォンや家庭用ゲーム機などの4極フォーンジャックを有する電子機器を主装置としたとき、当該主装置から電源供給されて動作する装置であって、
第1のサウンド信号を受け取るための第1のプラグ電極と、
第2のサウンド信号を受け取るための第2のプラグ電極と、
いずれか一方が、バイアス電圧の受け取りと第3のサウンド信号の送り出しのための共用プラグ電極となり、他方がグランド電位を受け取るためのプラグ電極となる、第3及び第4の2つのプラグ電極と、を有する4極フォーンプラグと、
前記4極フォーンプラグの前記第3及び第4のプラグ電極を介して前記主装置側から供給される前記バイアス電圧を利用して動作し、前記第1のプラグ電極、及び/又は、前記第2のプラグ電極へ通ずるサウンド信号入力ライン、及び/又は、前記共用プラグ電極に通ずるサウンド信号出力ラインを利用することにより、前記周辺装置としての所定の機能を実現する周辺機能実現部と、を包含する。
【0014】
このような構成によれば、周辺機能実現部は、前記4極フォーンプラグの前記第3及び第4のプラグ電極を介して前記主装置側から供給される前記バイアス電圧を利用して動作するものであるから、前記第1のプラグ電極へ通ずるサウンド信号入力ラインと前記第2のプラグ電極へ通ずるサウンド信号入力ラインとからなる下り2本のサウンド信号ラインは、電力伝送以外の用途に自由に活用可能となる。
【0015】
また、前記共用プラグ電極へ通ずるサウンド信号出力ラインは、本来、コンデンサマイクへのバイアス電圧の供給と前記コンデンサマイクからのサウンド信号の入力とに共用されるものであるから、主装置側から電力を受電しつつも、同じサウンド信号出力ラインを利用して、主装置側へとデータを伝送することもできる。
【0016】
加えて、周辺機能実現部は、前記主装置側から供給される前記バイアス電圧を利用して動作し、前記第1のプラグ電極、及び/又は、前記第2のプラグ電極へ通ずるサウンド信号入力ライン、及び/又は、前記第3のプラグ電極に通ずるサウンド信号出力ラインを利用することにより、前記周辺装置としての所定の機能を実現する。
【0017】
そのため、本発明によれば、動作に必要な電力をスマートフォンに代表される主装置から受け取りつつも、下り2本のサウンド信号ラインの双方を電力伝送以外の用途に自由に活用すると共に、必要により、上り1本のサウンド信号ラインをも活用可能とすることで、より機能性の改善された周辺装置を実現可能とした、4極フォーンジャック付きのバッテリレス周辺装置を提供することができる。
【0018】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記周辺機能実現部にて実現されるべき前記周辺装置としての所定の機能が、サウンドの強弱に応じて点滅するランプを有するイヤフォーン装置としての機能であってもよい。
【0019】
このとき、前記イヤフォーン装置は、
前記第1のプラグ電極に通ずるサウンド信号入力ラインを介して受け取った右側のサウンド信号で駆動される右側のイヤフォーンスピーカと、
前記第2のプラグ電極に通ずるサウンド信号入力ラインを介して受け取った左側のサウンド信号で駆動される左側のイヤフォーンスピーカとを含み、さらに
前記周辺機能実現部が、
前記第1のプラグ電極に通ずるサウンド信号入力ラインより抽出された右側のサウンド信号、及び/又は、前記第2のプラグ電極に通ずるサウンド信号入力ラインより抽出された左側のサウンド信号を増幅する増幅部と、
前記増幅部にて増幅されたサウンド信号に基づいて点滅駆動され、左右のイヤフォーンスピーカのそれぞれに付設された左右のランプとを含む、ものであってもよい。
このような構成によれば、右側及び左側のイヤフォーンスピーカを用いてステレオサウンドを楽しむことができると共に、それらのスピーカに付設されたランプをサウンドの強弱に応じて点滅させることで、意匠性乃至ファッション性にも優れたイヤフォーン装置を実現することができる。
【0020】
このとき、前記4極フォーンプラグが突き出たケースを有し、前記周辺機能実現部は前記ケースに収容され、かつ前記左右のランプに至る駆動信号ラインは、前記左右のサウンド信号ラインと共に、前記ケースから左右のイヤフォーンスピーカへと至る左右のイヤフォーンコードに含まれている、ものであってもよい。
【0021】
このような構成によれば、前記周辺機能実現部は前記ケースに収容され、かつ前記左右のランプに至る駆動信号ラインは、前記左右のサウンド信号ラインと共に、前記ケースから左右のイヤフォーンスピーカへと至る左右のイヤフォーンコードに含まれることで、イヤフォーン装置のコンパクト化が可能となる。
【0022】
本発明の好ましい実施の一態様によれば、前記周辺機能実現部にて実現されるべき前記周辺装置としての所定の機能が、データの読み書きが可能なパッケージメモリ装置としての機能であってもよい。
【0023】
このとき、前記周辺機能実現部が、
不揮発性のメモリ部と、
前記第1のプラグ電極、及び/又は、前記第2のプラグ電極へ通ずるサウンド信号入力ラインを介して到来するサウンド信号を受信・復調することにより、メモリの書込指令及び書込対象データが到来したと判定されるときには、前記書込指令に係る書込対象データを前記メモリ部に書き込む書込制御部と、
前記第1のプラグ電極、及び/又は、前記第2のプラグ電極へ通ずるサウンド信号入力ラインを介して到来するサウンド信号を受信・復調することにより、メモリの読出指令が到来したと判定されるときには、前記読出指令に係る読出対象データを前記メモリ部から読み出し、所定の変調処理を行ったのち、前記共用プラグ電極に通ずるサウンド信号出力ラインへと送信する読出制御部と、を含むものであってもよい。
【0024】
このような構成によれば、スマートフォンに代表される主装置からの指令に応答して、不揮発性メモリ部に対して、書込処理及び読出処理を実現することができると共に、特に、書込処理については、必要により、下り2本のサウンド信号ラインの双方を使用することにより、上りの2倍の伝送速度を確保することで、高速なメモリ書込処理を実現することができる。
【0025】
本発明の好ましい実施の一態様によれば、前記周辺機能実現部にて実現されるべき前記周辺装置としての所定の機能が、無線式カードに対する読み書きが可能な無線式カード・リーダ/ライタ装置としての機能であってもよい。
【0026】
このとき、前記周辺機能実現部が、
無線式送受信部と、
前記無線式送受信部を介して無線式カードの存在が判定されるときには、当該無線式カードから読み取られたデータに対して所定の変調処理を行ったのち、前記第3のプラグ電極に通ずるサウンド信号出力ラインへと送信する読出制御部と、
前記第1のプラグ電極、及び/又は、前記第2のプラグ電極へ通ずるサウンド信号入力ラインを介して到来するサウンド信号を受信・復調することにより、前記無線式カードの書込指令及び書込対象データが到来したと判定されるときには、前記書込指令に係る書込対象データを前記無線式カードに書き込む書込制御部と、を含むものであってもよい。
このような構成によれば、スマートフォンに代表される主装置からの指令に応答して、無線式カードに対して、書込処理及び読出処理を実現することができると共に、特に、書込処理については、必要により、下り2本のサウンド信号ラインの双方を使用することにより、上りの2倍の伝送速度を確保することで、高速なカード書込処理を実現することができる。
【0027】
本発明の好ましい実施の態様においては、
前記第3及び第4のプラグ電極と前記周辺機能実現部との間には、
前記周辺機能実現部の高電位側入力端を前記第3のプラグ電極へ、低電位側入力端を前記第4のプラグ電極へ、それぞれ導通させる第1の状態と、
前記周辺機能実現部の高電位側入力端を前記第4のプラグ電極へ、低電位側入力端を前記第3のプラグ電極へ、それぞれ導通させる第2の状態とを、
選択可能な切替部を有する、ものであってもよい。
【0028】
このような構成によれば、前記切替部を第1の状態と第2の状態とに切り替えることにより、iPhone(登録商標)等に採用されるCTIA規格の4極フォーンジャックとAndroid(登録商標)対応のスマートフォン(例えば、Galaxy(登録商標))に採用されるOMPT規格の4極フォーンジャックとのいずれにも適用して、主装置側から電力供給を受けることができる。
【0029】
このとき、前記切替部は、
前記第3のプラグ電極が高側電位、前記第4のプラグ電極が低側電位のとき、前記周辺機能実現部の高電位側入力端を前記第3のプラグ電極へ、低電位側入力端を前記第4のプラグ電極へ、それぞれ導通させる第1の状態と、
前記第3のプラグ電極が低側電位、前記第4のプラグ電極が高側電位のとき、前記周辺機能実現部の高電位側入力端を前記第4のプラグ電極へ、低電位側入力端を前記第3のプラグ電極へ、それぞれ導通させる第2の状態とを、
自動選択可能とされている、ものであってもよい。
【0030】
このような構成によれば、上述の切替部は、第3のプラグ電極と第4のプラグ電極の電位高低の関係に応じて自動的に切り替わる結果、前記周辺機能実現部の高側入力端には高側電位がまた低側入力端には低側電位が、常に、現れる。そのため、主装置側の4極フォーンプラグの規格がCTIA規格かOMPT規格かを意識する必要がない。
【0031】
このとき、前記切替部が、ダイオードブリッジ回路からなるものであれば、切替部の構成を簡素化して、コストダウンを図ることができる。
【0032】
別の一面から見た本発明は、スマートフォンや家庭用ゲーム機などの4極フォーンジャックを有する主装置と、先述のパッケージメモリ装置として機能する4極フォーンプラグを有するバッテリレス周辺装置とを接続してなるシステムとして把握することもできる。
【0033】
このとき、前記主装置には、
書込指令及び書込対象データにより所定の変調がかけられたサウンド信号を、第1のジャック電極、及び/又は、第2のジャック電極へと送り出すことにより、前記バッテリレス周辺装置を構成するパッケージメモリ装置の内蔵メモリへのデータ書込処理を実現する書込制御部と、
読出指令により所定の変調がかけられたサウンド信号を、第1のジャック電極、及び/又は、第2のジャック電極へと送り出すことにより、前記バッテリレス周辺装置を構成するパッケージメモリ装置の内蔵メモリからデータを読み出させ、これをバイアス電圧の送り出しとサウンド信号の受け取りのための共用ジャック電極から読み込んで復調することにより、データ読出処理を実現する読出制御部と、が含まれている、ものであってもよい。
【0034】
別の一面から見た本発明は、スマートフォンや家庭用ゲーム機などの4極フォーンジャックを有する主装置と、先述の無線式カード・リーダ/ライタ装置として機能する4極フォーンプラグを有するバッテリレス周辺装置とを接続してなるシステムとして把握することもできる。
【0035】
このとき、前記主装置には、
書込指令及び書込対象データにより所定の変調がかけられたサウンド信号を、第1のジャック電極、及び/又は、第2のジャック電極へと送り出すことにより、前記バッテリレス周辺装置を構成する無線式カード・リーダ/ライタ装置を動作させて、無線式カードへのデータ書込処理を実現する書込制御部と、
読出指令により所定の変調がかけられたサウンド信号を、第1のジャック電極、及び/又は、第2のジャック電極へと送り出すことにより、前記バッテリレス周辺装置を構成する無線式カード・リーダ/ライタ装置を動作させて無線式カードからデータを読み出させ、これをバイアス電圧の送り出しとサウンド信号の受け取りのための共用ジャック電極から読み込んで復調することにより、データ読出処理を実現する読出制御部と、が含まれていてもよい。
【0036】
別の一面から見た本発明は、先述のパッケージメモリ装置として機能しかつ4極フォーンプラグを有するバッテリレス周辺装置が接続された、スマートフォンや家庭用ゲーム機などの4極フォーンジャックを有する主装置の制御方法として把握することもできる。
【0037】
そして、この方法は、
書込指令及び書込対象データにより所定の変調がかけられたサウンド信号を、第1のジャック電極、及び/又は、第2のジャック電極へと送り出すことにより、前記バッテリレス周辺装置を構成するパッケージメモリ装置の内蔵メモリへのデータ書込処理を実現する書込ステップと、
読出指令により所定の変調がかけられたサウンド信号を、第1のジャック電極、及び/又は、第2のジャック電極へと送り出すことにより、前記バッテリレス周辺装置を構成するパッケージメモリ装置の内蔵メモリからデータを読み出させ、これをバイアス電圧の送り出しとサウンド信号の受け取りのための共用ジャック電極から読み込んで復調することにより、データ読出処理を実現する読出ステップと、を含むものであってもよい。
【0038】
別の一面から見た本発明は、先述の無線式カード・リーダ/ライタ装置として機能しかつ4極フォーンプラグを有するバッテリレス周辺装置が接続された、スマートフォンや家庭用ゲーム機などの4極フォーンジャックを有する主装置の制御方法として把握することもできる。
【0039】
そして、この方法は、
書込指令及び書込対象データにより所定の変調がかけられたサウンド信号を、第1のジャック電極、及び/又は、第2のジャック電極へと送り出すことにより、前記バッテリレス周辺装置を構成する無線式カード・リーダ/ライタ装置を動作させて、無線式カードへのデータ書込処理を実現する書込ステップと、
読出指令により所定の変調がかけられたサウンド信号を、第1のジャック電極、及び/又は、第2のジャック電極へと送り出すことにより、前記バッテリレス周辺装置を構成する無線式カード・リーダ/ライタ装置を動作させて無線式カードからデータを読み出させ、これをバイアス電圧の送り出しとサウンド信号の受け取りのための共用ジャック電極から読み込んで復調することにより、データ読出処理を実現する読出ステップと、を含むものであってもよい。
【0040】
別の一面から見た本発明は、先述のパッケージメモリ装置として機能しかつ4極フォーンプラグを有するバッテリレス周辺装置が接続された、スマートフォンや家庭用ゲーム機などの4極フォーンジャックを有する主装置を、
書込指令及び書込対象データにより所定の変調がかけられたサウンド信号を、第1のジャック電極、及び/又は、第2のジャック電極へと送り出すことにより、前記バッテリレス周辺装置を構成するパッケージメモリ装置の内蔵メモリへのデータ書込処理を実現する書込制御手段と、
読出指令により所定の変調がかけられたサウンド信号を、第1のジャック電極、及び/又は、第2のジャック電極へと送り出すことにより、前記バッテリレス周辺装置を構成するパッケージメモリ装置の内蔵メモリからデータを読み出させ、これをバイアス電圧の送り出しとサウンド信号の受け取りのための共用ジャック電極から読み込んで復調することにより、データ読出処理を実現する読出制御手段として機能させるためのコンピュータプログラムとしても把握することができる。
【0041】
さらに、別の一面から見た本発明は、先述の無線式カード・リーダ/ライタ装置として機能しかつ4極フォーンプラグを有するバッテリレス周辺装置が接続された、スマートフォンや家庭用ゲーム機などの4極フォーンジャックを有する主装置を、
書込指令及び書込対象データにより所定の変調がかけられたサウンド信号を、第1のジャック電極、及び/又は、第2のジャック電極へと送り出すことにより、前記バッテリレス周辺装置を構成する無線式カード・リーダ/ライタ装置を動作させて、無線式カードへのデータ書込処理を実現する書込制御手段と、
読出指令により所定の変調がかけられたサウンド信号を、第1のジャック電極、及び/又は、第2のジャック電極へと送り出すことにより、前記バッテリレス周辺装置を構成する無線式カード・リーダ/ライタ装置を動作させて無線式カードからデータを読み出させ、これを第3のジャック電極から読み込んで復調することにより、データ読出処理を実現する読出制御手段として機能させるためのコンピュータプログラムとしても把握することができる。