【解決手段】ゲームシステムは、仮想空間上でオンラインゲームを実行する2つ以上の第1のコンピュータと、ネットワークを介して通信接続される第2のコンピュータとを含む。第1のコンピュータは、ゲーム制御部と、仮想通貨の量を設定する仮想通貨設定部と、自己情報および相手情報を第2のコンピュータに送信する情報送信部とを備える。第2のコンピュータは、自己情報と相手情報とが対応づけられた第1のユーザと第2のユーザとをマッチングすることが可能であるか否かを判定するマッチング判定部を備える。ゲーム制御部は、マッチング判定部がマッチング可能と判定した場合に、仮想通貨が消費されていることを条件として、第1のユーザと第2のユーザとの間でオンラインゲームを実行する。
第1のユーザおよび第2のユーザを含むユーザの操作を受けつける操作部を備えるとともに仮想空間上で対戦プレイまたは協力プレイを行うためのオンラインゲームを実行する2つ以上の第1のコンピュータと、前記第1のコンピュータとネットワークを介して通信接続される第2のコンピュータと、を含み、
前記第1のコンピュータは、
前記ユーザによる前記操作部への操作に応じて、前記オンラインゲームを実行するゲーム制御部と、
前記第1のユーザによる前記操作部への操作に応じて、前記オンラインゲームを実行するための仮想通貨の量を設定する仮想通貨設定部と、
前記第1のユーザによる前記操作部への操作に応じて、前記第1のユーザに関する情報(以下、自己情報)、および、前記第1のユーザがマッチング相手として指定する前記第2のユーザに関する情報(以下、相手情報)を前記第2のコンピュータに送信する情報送信部と、
を備え、
前記第2のコンピュータは、
記憶部と、
前記マッチング相手を指定した前記第1のユーザの前記自己情報と、前記マッチング相手として指定された前記第2のユーザの前記相手情報とを対応づけて、これらの情報を前記記憶部に記憶させる情報管理部と、
前記自己情報と前記相手情報とが対応づけられた前記第1のユーザと前記第2のユーザとをマッチングすることが可能であるか否かを判定するマッチング判定部と、
を備え、
前記ゲーム制御部は、前記マッチング判定部がマッチング可能と判定した場合に、前記仮想通貨が消費されていることを条件として、前記第1のユーザの第1のコンピュータと、前記第2のユーザの第1のコンピュータとの間で前記オンラインゲームを実行する、
ゲームシステム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
本発明の実施の形態にかかるゲームシステム1について、図面を参照して説明する。
【0010】
<ゲーム概要>
本発明のゲームシステム1により、例えば、家庭用のゲーム装置3において実行可能な対戦格闘ゲームが提供される。
なお、以下では、一般のユーザ(第1のユーザ)をチャレンジャーといい、チャレンジャーが対戦相手として希望するプロゲーマーとしてのユーザ(第2のユーザ)をロースターという。また、単にユーザという場合は、チャレンジャーおよびロースターの両者を意味する。
【0011】
ゲームシステム1により提供される対戦格闘ゲームにおいて、ユーザは、複数のキャラクタの中から一のキャラクタ(以下、プレイヤキャラクタ)を選択する。ユーザは、このプレイヤキャラクタを操作して仮想空間上の対戦相手のキャラクタと格闘を行う。
このようなゲームにおいては、例えば、ゲームモードとして、アーケードモードと対戦モードとがある。
【0012】
アーケードモードでは、ユーザがプレイヤキャラクタを操作して、CPUによって動作が制御されるノンプレイヤキャラクタと格闘を行う。アーケードモードは複数のステージで構成されている。このステージは、シナリオの進行に伴って順次更新される。
【0013】
対戦モードでは、複数のユーザがそれぞれ操作するプレイヤキャラクタ同士が対戦を行う。対戦モードには、オンラインで実行されるオンライン対戦モードとオフラインで実行されるオフライン対戦モードとがある。
以下、オンライン対戦モードに基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
<ハードウェア構成>
図1、
図2を参照して、本発明のゲームシステム1を実現するサーバ装置2、および、サーバ装置2を介して互いに通信接続される複数のゲーム装置3のハードウェア構成について説明する。
【0015】
なお、各ユーザには、それぞれ異なるアカウントが付与される。そして、アカウントごとにID(識別符号)が付与される。各ゲーム装置3が通信ネットワークを介してサーバ装置2と通信を行う場合には、当該ゲーム装置3からユーザのアカウントが送信される。送信されたアカウントは、サーバ装置2において所定の認証がなされる。これにより、サーバ装置2と各ゲーム装置3との通信が可能となる。
【0016】
[サーバ装置の説明]
サーバ装置2は、複数のゲーム装置3との間で各種データの送受信が可能である。サーバ装置2は、
図1に示すとおり、その動作を制御するコンピュータであるCPU21、各種データを記憶する記憶部22、および、各ゲーム装置3との通信接続を行うネットワークインターフェース23を備える。サーバ装置2のCPU21には、バス20を介して記憶部22およびネットワークインターフェース23が接続されている。
【0017】
サーバ装置2には、ゲームの製作者のコンピュータ(図示略)からゲームプログラムおよびデータがアップロードされる。当該ゲームプログラムおよびデータは、サーバ装置2の記憶部22に記憶される。
【0018】
[サーバ装置の機能的構成]
サーバ装置2の制御部210は、前記ゲームプログラムを実行することで、
図2(A)に示すとおり、情報管理手段211、照合手段212、対戦判定手段213、対戦許可手段214、および特典付与手段215としての機能を発揮する。
【0019】
情報管理手段211は、各ゲーム装置3から送信される情報(例えば、後述する自己情報および相手情報)をサーバ装置2の記憶部22に保存する。例えば、ユーザが仮想通貨を購入した場合には、情報管理手段211は、仮想通貨の額と購入したユーザの情報とを対応づけてこれらの情報を記憶部22に保存する。
【0020】
また、情報管理手段211は、ロースターマッチの開催が確定したのち当該ロースターマッチが始まる前に、そのロースターマッチに対してチャレンジャーが設定した仮想通貨が消費された旨の情報を記憶部22に保存する。
【0021】
照合手段212は、前述したアカウントの認証を行う。また、照合手段212は、例えば、仮想通貨設定手段313から仮想通貨に関する情報を受信した場合に、記憶部22に記憶されているユーザ(仮想通貨の設定を行ったチャレンジャー)の情報と仮想通貨の情報との照合を行う。
【0022】
対戦判定手段213は、チャレンジャーとそのチャレンジャーが対戦を希望するロースターとが対戦可能であるか否かを判定する。具体的には、対戦判定手段213は、チャレンジャーおよびロースターの両者が待ち受け状態となっているか否か、および、仮想通貨に関する情報が所定の条件(チャレンジャーが保有する仮想通貨の総額が、チャレンジャーが設定した仮想通貨の額を上回っているか否か)を満たしているか否か等を判定する。
【0023】
対戦許可手段214は、オンライン対戦モードに必要な情報をマッチング対象のゲーム装置3に送信する。具体的には、チャレンジャーおよびロースターの両者が対戦可能であると対戦判定手段213が判定した場合に、対戦許可手段214は、ロースターマッチに必要な情報をチャレンジャーのゲーム装置3(以下、ゲーム装置3A)とロースターのゲーム装置3(以下、ゲーム装置3B)とに送信する。
なお、以下において、単にゲーム装置3という場合には、チャレンジャーのゲーム装置3Aおよびロースターのゲーム装置3B双方のゲーム装置を指す。
【0024】
特典付与手段215は、対戦が終了した場合に、オンライン対戦モードの対戦結果あるいはユーザのこれまでの対戦成績に応じて、当該ユーザに対して称号などを付与する。
【0025】
また、特典付与手段215は、ロースターマッチが終了した場合に、チャレンジャーが設定した仮想通貨の総額のうち所定割合の仮想通貨をロースターに対して分配するための情報をサーバ装置2の記憶部22に送信する。
【0026】
[ゲーム装置の説明]
ゲーム装置3には、
図1に示されるように、モニタ360、スピーカ370およびコントローラ380などが外部接続される。そして、ユーザが購入した記憶媒体から読み込んだゲームプログラムおよびデータに基づいて、ゲームが進行する。また、ゲーム装置3は、他ゲーム装置3およびサーバ装置2との間で、インターネットあるいはLANなどの通信ネットワーク4を介して互いに通信可能である。
【0027】
ゲーム装置3は、
図1に示すように、CPU31、HDD32、ROM33、RAM34、ネットワークインターフェース35、グラフィック処理部36、ビデオ変換部361、オーディオ合成部37、オーディオ変換部371、および無線通信制御部38を備えたコンピュータとして機能する。
【0028】
CPU31には、バス30を介して、HDD32、ROM33、RAM34、およびネットワークインターフェース35が接続されている。また、CPU31には、バス30を介してグラフィック処理部36、オーディオ合成部37、および無線通信制御部38が接続されている。
【0029】
ネットワークインターフェース35は、ゲーム装置3をインターネットまたはLANなどの通信ネットワークに接続する。また、ネットワークインターフェース35は、自ゲーム装置3と他ゲーム装置3またはサーバ装置2との間で通信する。このように、ネットワークインターフェース35は、自ゲーム装置3と他の装置とを通信ネットワーク4を介して接続し、互いのデータを送受信する。これにより、同一のゲーム空間内で同期して複数のプレイヤキャラクタが表示される。
【0030】
グラフィック処理部36は、CPU31の指示に従って仮想空間および各キャラクタなどを含むゲーム画像を描画する。また、グラフィック処理部36にはビデオ変換部361を介して外部のモニタ360が接続されている。グラフィック処理部36にて描画されたゲーム画像は、ビデオ変換部361において動画形式に変換され、ゲーム画面としてモニタ360に表示される。
【0031】
オーディオ合成部37は、CPU31の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ合成部37には、オーディオ変換部371を介して外部のスピーカ370が接続されている。オーディオ合成部37にて再生および合成されたゲーム音声は、オーディオ変換部371にてアナログ形式にデコードされ、さらにスピーカ370から外部へ出力される。
【0032】
無線通信制御部38は、2.4GHz帯の無線通信モジュールを備える。無線通信制御部38は、ゲーム装置3に付属するコントローラ380との間で無線により接続され、データを送受信することが可能である。ユーザは、コントローラ380に設けられたボタン等の操作子(図示略)を操作することにより、ゲーム装置3へ操作信号を入力する。
【0033】
[ゲーム装置の機能的構成]
ゲーム装置3の制御部310は、ユーザが購入した記憶媒体に記憶されたゲームプログラムを実行することで、
図2(B)に示すとおり、ゲーム制御手段311、情報通信手段312、仮想通貨設定手段313、および対戦通信手段314としての機能を発揮する。
【0034】
ゲーム制御手段311は、仮想空間生成手段311Aとキャラクタ制御手段311Bとを含み、ゲームの進行に関わる制御を行う。
【0035】
仮想空間生成手段311Aは、ゲームデータに含まれるオブジェクトおよびテクスチャなどのデータを読み出し、二次元または三次元の仮想ゲーム空間を生成する。さらに、仮想空間生成手段311Aは、仮想空間にプレイヤキャラクタ等のキャラクタを配置する。
【0036】
キャラクタ制御手段311Bは、自ゲーム装置3に接続されるコントローラ380への操作情報、および、ゲームの進行状況に応じて、仮想空間におけるキャラクタ等の動作を制御する。
【0037】
オンライン対戦モードにおいては、後述する対戦通信手段314が他ゲーム装置3に接続されるコントローラ380からの操作情報を受信する。その情報に基づいて、キャラクタ制御手段311Bがプレイヤキャラクタ以外のキャラクタの行動を制御する。
【0038】
ゲーム制御手段311は、これらの生成および制御された仮想空間およびキャラクタをゲーム画面としてモニタ360に表示するための情報を生成する。これらの情報に従って、グラフィック処理部36がゲーム画面を描画する。
【0039】
情報通信手段312は、チャレンジャーに関する情報(以下、自己情報)、および、対戦したいロースターに関する情報(以下、相手情報)を送受信する。なお、自己情報には、自ゲーム装置3のアカウント、チャレンジャーのID、パスワードのほか、挑戦料として設定されている仮想通貨の額に関する情報、および、挑戦状送付に関する情報などが含まれる。相手情報には、ロースターのIDなどが含まれる。
【0040】
仮想通貨設定手段313は、市販されているプリペイドカードに記載されているコードが入力された場合、あるいは、ユーザ自身のクレジットカードの情報が入力された場合に、自己情報と仮想通貨に関する情報とを対応づけて、これらの情報をサーバ装置2に送信する。また、仮想通貨設定手段313は、チャレンジャーが購入している仮想通貨の総額が、チャレンジャーが設定した挑戦料を上回っているかを判定する。
【0041】
その他、ロースターは、仮想通貨設定手段313を介して、自身への挑戦に必要な挑戦料の設定をすることができる。この情報は、ロースターに関する情報として、ロースターのゲーム装置3における情報通信手段312からサーバ装置2へと送信される。
【0042】
対戦通信手段314は、自ゲーム装置3で進行するゲームと、他ゲーム装置3で進行するゲームとを同期させるための情報の送受信を行う。
【0043】
複数のゲーム装置3同士が通信を行うに当たっては、各ゲーム装置3がサーバ装置2に接続し、サーバ装置2がゲーム進行を管理する。
ロースターマッチにかかるセッションは、チャレンジャーのゲーム装置3Aと、ロースターのゲーム装置3Bとの間の通信経路に設けられたサーバ装置2に確立される。
【0044】
<ロースターマッチのセッション確立>
以下に、ロースターマッチのセッション確立の方法について説明する。
【0045】
図3は、チャレンジャーがロースターに挑戦状を送るための、チャレンジャーのゲーム装置3Aの処理を示すフローチャートである。
チャレンジャー側のモニタ360に表示されるメインメニューにおいて、ロースターマッチメニューが選択された場合(ステップS101)に、挑戦状送付処理が進行する。
【0046】
ロースターマッチメニューが選択された場合、情報通信手段312は、対戦できるロースターがいるか否かを判定する(ステップS102)。対戦可能なロースターが1人もいない場合(S102:NO)には、挑戦状送付処理は終了する。一方、対戦可能なロースターが存在する場合(S102:YES)には、ロースターリストが表示される(ステップS103)。ロースターリストには、ロースターの名前、ロースターのランク、挑戦料、オンライン状態などが表示される。
【0047】
チャレンジャーが対戦したいロースターを選択すると(ステップS104)、チャレンジャー用のバトルセッティング画面が表示される(ステップS105)。このバトルセッティング画面で、チャレンジャーは、あらかじめ設定された上限額および下限額の範囲内でロースターへの挑戦料を仮想通貨の単位で設定するなど、ロースターマッチに必要なバトルセッティングを行うことができる。
【0048】
なお、挑戦料の上限額および下限額はロースターにより設定される。具体的には、仮想通貨設定手段313を介して、ロースターが100G〜1000G(Gは仮想通貨の単位)などのようにあらかじめ一定の範囲で挑戦料の上限額および下限額を設定することができる。
【0049】
ついで、仮想通貨設定手段313は、チャレンジャーが購入している仮想通貨の総額がバトルセッティング画面において設定された挑戦料を上回っているか否かを判定する(ステップS106)。チャレンジャーが購入している仮想通貨の総額が設定された挑戦料よりも小さい場合には(S106:NO)、挑戦状送付処理は終了する。一方、チャレンジャーが購入している仮想通貨の総額が設定された挑戦料よりも大きい場合には(S106:YES)、情報通信手段312は、チャレンジャーがロースターに挑戦状を送るための操作をしたか否かを判定する(ステップS107)。
【0050】
チャレンジャーがロースターに挑戦状を送った場合(S107:YES)には、情報通信手段312は挑戦状に関する情報をサーバ装置2に送信する。その後、挑戦状の送付が完了し、チャレンジャーは待ち受け状態となる(ステップS108)。一方、チャレンジャーがロースターに挑戦状を送らなかった場合(S107:NO)には、挑戦状送付処理は終了する。
【0051】
図4は、ロースターがチャレンジャーからの挑戦を受けるための、ロースターのゲーム装置3Bの処理を示すフローチャートである。
ロースター側のモニタ360に表示されるメインメニューにおいて、ロースターマッチメニューが選択された場合(ステップS201)に、挑戦受付処理が進行する。
【0052】
ロースターマッチメニューが選択された場合、情報通信手段312は、チャレンジャーから挑戦状が送られてきているか否かを判定する(ステップS202)。チャレンジャーから挑戦状が送られてきていない場合には(S202:NO)、挑戦受付処理は終了する。
【0053】
一方、チャレンジャーから挑戦状が送られてきている場合(S202:YES)には、「挑戦状を見る」が表示される(ステップS203)。この場合において、ロースターが「挑戦状を見る」を選択すると(ステップS204)、挑戦状リストが表示される(ステップS205)。チャレンジャーリストには、対戦を希望するチャレンジャーの名前、チャレンジャーのランク、挑戦料、オンライン状態などが表示される。
【0054】
ロースターが対戦するチャレンジャーを選択すると(ステップS206)、ロースター用のバトルセッティング画面が表示される(ステップS207)。このバトルセッティング画面には、チャレンジャーが設定した挑戦料が表示される。その後、情報通信手段312が、ロースターが挑戦を受けるための操作をしたか否かを判定する(ステップS208)。
【0055】
ロースターが挑戦を受けた場合には(S208:YES)、情報通信手段312はチャレンジャーのユーザ情報およびロースターがそのチャレンジャーの挑戦を受けつけた旨の情報をサーバ装置2に送信する。その後、挑戦受付が完了し、ロースターは待ち受け状態となる(ステップS209)。ロースターが挑戦を受けなかった場合(S208:NO)には、挑戦受付処理は終了する。
【0056】
図5は、チャレンジャーとロースターとをマッチングするための、サーバ装置2の処理を示すフローチャートである。
まず、対戦判定手段213は、挑戦状を送ったチャレンジャー、および、挑戦を受けるロースターの両者が待ち受け状態になっているか否か、チャレンジャーが設定した仮想通貨の設定情報が所定条件を満たしているか等を判定する(ステップS301)。
【0057】
チャレンジャーおよびロースターの両者が待ち受け状態となっていない場合(S301:NO)には、チャレンジャーおよびロースターの両者が待ち受け状態となるまでステップS301が繰り返される。
【0058】
一方、チャレンジャーおよびロースターの両者が待ち受け状態となっている場合には(S301:YES)、対戦判定手段213は、チャレンジャーおよびロースターがロースターマッチを開始する旨の情報を送信したか否かを判定する(ステップS302)。
【0059】
チャレンジャーおよびロースターのいずれかがロースターマッチの開始を拒否した場合、あるいは、所定時間内にロースターマッチの開始が承認されなかった場合には(S302:NO)、対戦判定手段213は、ロースターマッチがキャンセルされたか否かを判定する(ステップS306)。
【0060】
チャレンジャーおよびロースターのいずれかがロースターマッチをキャンセルした場合(S306:YES)、仮想通貨が消費されることなく、マッチング処理は終了する。一方、チャレンジャーおよびロースターの両者が、ロースターマッチのキャンセルを行わなかった場合には(S306:NO)、処理はステップS301へと戻る。
【0061】
チャレンジャーおよびロースターの両者がロースターマッチの開始を承認した場合には(S302:YES)、対戦判定手段213は、チャレンジャーが現在保有する仮想通貨の総額がロースターマッチのために設定された仮想通貨の額を上回っているか否かを判定する(ステップS303)。
【0062】
チャレンジャーが保有する仮想通貨の総額が、設定された仮想通貨の額よりも小さい場合(S303:NO)には、マッチング処理は終了する。
【0063】
チャレンジャーが保有する仮想通貨の総額が、設定された仮想通貨の額よりも大きい場合(S303:YES)には、対戦許可手段214は、チャレンジャーが設定した仮想通貨が消費された旨の情報を、情報管理手段211を介して記憶部22に送信する(ステップS304)。その後、対戦許可手段214は、ロースターマッチに必要な情報を各ゲーム装置3に送信する(ステップS305)。その後、各ゲーム装置3の対戦通信手段314は操作情報などの送受信を行い、ロースターマッチが進行する。
【0064】
なお、制御部の手段およびフローチャートは一例であり、本発明はこれらには限られない。これらは、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0065】
<発明の効果>
本実施形態のゲームシステムによれば、簡易な手法により、一のユーザと、そのユーザがマルチプレイを所望する他のユーザとのマッチングを行うことができる。
【0066】
(他の実施形態)
前記実施形態には、サーバ装置と、ユーザ(チャレンジャーおよびロースター)のゲーム装置とが別個のコンピュータである例が記載されているが、本発明はこれには限られない。すなわち、チャレンジャーのゲーム装置あるいはロースターのゲーム装置が前記実施形態におけるサーバ装置の役割を果たしてもよい。
【0067】
また、前記実施形態には、チャレンジャーのゲーム装置とロースターのゲーム装置とがサーバ装置を介して通信接続されてゲームが進行する例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、各ゲーム装置からのリクエストに応じてサーバ装置が複数のゲーム装置をマッチングし、マッチングされた複数のゲーム装置同士で通信を行ってゲームを進行するP2P(ピアツーピア)方式のオンラインゲームを採用することもできる。
【0068】
また、前記実施形態には、ロースターマッチにかかるセッションがサーバ装置にて確立されている例が記載されているが、これとは異なり、セッションは、チャレンジャーのゲーム装置およびロースターのゲーム装置のうちのいずれかに確立されてもよい。
【0069】
前記実施形態には、対戦格闘ゲームの例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、将棋、ポーカーなど、対戦プレイまたは協力プレイを行うためのオンラインゲームであればいかなるものであっても本発明を適用することができる。
【0070】
また、前記実施形態には、ロースターが対戦するチャレンジャーを選択することができる例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、サーバ装置が挑戦状を受信した順に対戦が行われるようにしてもよい。この場合には、対戦許可手段が、サーバ装置が受信した挑戦状の順番に基づいて、該当するチャレンジャーとマッチングすることができる。
【0071】
また、前記実施形態には、チャレンジャーおよびロースター両者が待ち受け状態となっていない場合には両者が待ち受け状態となるまで待ち受け確認を繰り返す例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、ロースターが待ち受け状態となっているがチャレンジャーが待ち受け状態となっていない場合には、ロースターはロースターマッチをキャンセルすることもできる。また、この場合において、サーバ装置は、挑戦状の受信順の次の順番のチャレンジャーとロースターとをマッチングしてもよい。
【0072】
また、前記実施形態では、ロースターが挑戦料の下限値を決定することができる例が記載されているが、これに代えて、チャレンジャーのランクあるいは対戦成績ごと、または、ロースターのランクあるいは対戦成績ごとに、挑戦料が自動的に決定されてもよい。
【0073】
例えば、ランクが低いチャレンジャー(例えば、ランクが50以下のチャレンジャー)は低額(例えば、下限額100G)で挑戦が可能であり、ランクが高いチャレンジャー(例えば、ランクが51以上のチャレンジャー)は高額(例えば、下限額300G)で挑戦しなければならないよう構成することもできる。この場合、サーバ装置がチャレンジャーのランクに基づいて、チャレンジャーごとに挑戦料を設定することができる。また、サーバ装置が、より高額な挑戦料を設定したチャレンジャーをロースターと優先的にマッチングしてもよい。
【0074】
さらには、ロースターが対戦を受けつける時間帯に応じて、挑戦料の上限額および下限額が自動的に設定されてもよい。例えば、休日などチャレンジャーの多い時間帯は比較的高額な挑戦料が設定され、平日などチャレンジャーの少ない時間帯は低額な挑戦料が設定されてもよい。これにより、チャレンジャーが対戦を希望する時間帯を分散させて、マッチングさせやすくすることができる。
【0075】
また、ロースターが対戦を受けつける時間帯を設定することができるよう、情報通信手段が機能してもよい。この場合には、チャレンジャーは、情報通信手段を介してロースターが挑戦を受けつける時間のうちチャレンジャー自身に都合の良い日時を指定することができる。これにより、チャレンジャーは、対戦時間が来るまで他のゲームを楽しむなど、時間を節約することができる。予定の時間が来た場合には、チャレンジャーおよびロースターが待ち受け状態となっていることを条件として、ロースターマッチが開始される。
【0076】
また、サーバ装置の情報管理手段が、チャレンジャーごとに他のユーザ(ロースター含む。)との対戦結果を累計し、サーバ装置に設けられたロースター指定手段が、累計の対戦結果が所定の条件を満たしたチャレンジャーを新たにロースターに指定してもよい。また、ロースターであるユーザの累計の対戦結果が所定の条件を満たした場合(例えば、勝率が所定値以下になった場合)、ロースター指定手段が、当該ユーザからロースターとしての資格を剥奪してもよい。
【0077】
なお、ロースターマッチの際に、ユーザの少なくともいずれか一人が、ロースターマッチのゲーム画面上(例えば、キャラクタのコスチューム)に表示するための広告媒体(例えば、バナー広告)を選択することができるよう構成してもよい。
【0078】
また、ロースターマッチの対戦状況をプレイ動画として提供する手段をサーバ装置が備えていてもよい。この場合においてユーザがロースターマッチのゲーム画面上に広告媒体を表示していた場合には、特典付与手段が、動画の再生回数に応じてユーザに仮想通貨を付与することができる。
【0079】
さらには、ロースターマッチの対戦状況をリアルタイムに配信する手段をサーバ装置が備えていてもよい。この場合においてユーザがロースターマッチのゲーム画面上に広告媒体を表示していた場合には、視聴率に応じてユーザに仮想通貨が付与されるようにすることもできる。
【0080】
さらに、前記実施形態には、ロースターが著名なプロゲーマーである例が記載されているが、本発明はこれには限られない。すなわち、例えば、芸能人あるいはゲーム開発者がロースターとして登録されてもよい。
【0081】
また、ゲームの運営者がロースターとなるユーザを指定してもよい。また、アンケートあるいは投票により、すべてのユーザの中から特定のユーザがロースターに指定されてもよい。例えば、ゲームの対戦結果が所定条件(例えば、100連勝以上)を満たすユーザがロースターに指定されてもよい。
【0082】
さらには、ユーザをランク付けし、下位のランクのユーザが仮想通貨を消費して上位のランクのユーザに対戦を挑むことができるようにしてもよい。この場合において、下位のランクのユーザが上位のランクのユーザに勝った場合には、下位のランクのユーザを上位のランクに引き上げてもよい。
【0083】
また、前記実施形態には、家庭用のゲーム装置を用いた例が記載されているが、本発明は、これには限られない。例えば、ゲームセンターなどに提供されるアーケードゲーム筐体を用いて本発明を実現することもできる。
【0084】
また、前記実施形態においては、ユーザが仮想通貨を購入し、その仮想通貨を用いてロースターマッチを実施する例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、仮想通貨ではなく、リアルマネーの消費(クレジットカードの決済を含む。)に基づいて、ロースターマッチが実施されてもよい。また、挑戦料は、仮想通貨に限らず、ゲーム内アイテム等であってもよい。