【解決手段】実施形態の眼科装置の光学系は被検眼のデータを取得する。駆動部は光学系を移動する。アライメント光学系はアライメント用の指標を前眼部に投影する。2以上の撮影部は、指標が投影されている前眼部を異なる方向から撮影する。第1解析部は、2以上の撮影部が取得した2以上の撮影画像中の指標の像に基づき被検眼の位置を特定する。第2解析部は、2以上の撮影部が取得した2以上の撮影画像中の特徴位置に基づき被検眼の位置を特定する。アライメント制御部は、第1解析部が特定した位置に基づき駆動部を制御する第1アライメントモードと、第2解析部が特定した位置に基づき駆動部を制御する第2アライメントモードとを選択的に実行可能である。第1報知部は、実行されているアライメントモードを示す情報を報知する。
前記アライメント制御部により実行されたアライメントモードを示す情報を、アライメントの後に前記光学系により取得されたデータに関連付けるデータ制御部を更に備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の眼科装置。
前記第1解析部により前記2以上の撮影画像のいずれかの所定範囲から前記指標の像が検出されなかったとき、前記アライメント制御部は、前記第2アライメントモードを実行する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の眼科装置。
前記指標の像が検出されなかったとき、前記アライメント制御部は、前記第2解析部に前記特徴位置の検出及び前記被検眼の位置の特定を実行させ、当該位置に基づき前記第2アライメントモードを実行する
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の眼科装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の幾つかの実施形態を説明する。実施形態の眼科装置は、任意の眼科測定装置、任意の眼科撮影装置又は任意の複合機であってよい。眼科測定装置としては、レフラクトメータ、ケラトメータ、視機能検査装置、眼圧計などがある。眼科撮影装置の例としては、OCT装置、眼底カメラ、SLOなどがある。
【0017】
〈構成〉
眼科装置の構成例を
図1に示す。眼科装置1は、被検眼Eのデータを取得する機能、つまり被検眼Eを撮影する機能及び/又は被検眼Eの特性を測定する機能を備える。
【0018】
眼科装置1は、制御部11と、データ処理部12と、光学ユニット20と、顔支持部70と、第1移動機構80Aと、第2移動機構80Bと、ユーザインターフェイス(UI)90と、出力部95とを含む。なお、第1移動機構80A及び第2移動機構80Bの一方のみが設けられた構成であってもよい。
【0019】
制御部11及びデータ処理部12のそれぞれはプロセッサを含む。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array))等の回路を含む。
【0020】
プロセッサは、例えば、記憶回路や記憶装置に格納されているプログラムを読み出し実行することで、実施形態に係る機能を実現する。記憶回路や記憶装置の少なくとも一部がプロセッサに含まれていてよい。また、記憶回路や記憶装置の少なくとも一部がプロセッサ10の外部に設けられていてよい。プロセッサにより実行可能な処理については後述する。
【0021】
記憶装置等は、各種のデータを記憶する。記憶装置等に記憶されるデータとしては、測定光学系30により取得されたデータ(測定データ、撮影データ等)や、被検者及び被検眼に関する情報などがある。記憶装置等には、眼科装置1を動作させるための各種のコンピュータプログラムやデータが記憶されていてよい。記憶装置等には、後述の処理において使用・参照される各種のデータが記憶される。
【0022】
(制御部11)
制御部11は、眼科装置1の各部の制御を実行する。特に、制御部11は、データ処理部12、光学ユニット20、第1移動機構80A、第2移動機構80B、ユーザインターフェイス90、及び出力部95を制御する。制御部11は、アライメント制御部111と、データ制御部112と、出力制御部113とを含む。
【0023】
(アライメント制御部111)
アライメント制御部111は、アライメントに関する制御を実行する。眼科装置1は、前眼部に投影された指標に基づくアライメント(指標アライメントモード)と、被検眼Eの特徴部位に基づくアライメント(瞳孔アライメントモード)とを実行可能である。アライメント制御部111は、アライメントモードを選択する処理と、選択されたアライメントモードにおける第1移動機構80A(及び/又は第2移動機構80B)の制御とを実行する。アライメント制御部111が実行する処理の具体例は後述する。
【0024】
(データ制御部112)
データ制御部112は、適用されたアライメントモードを示す情報(アライメントモード情報)を、アライメントの後に取得された被検眼Eのデータに関連付ける。本実施形態では、指標アライメントモードによりアライメントされた状態で取得されたデータには、指標アライメントモードを示すアライメント情報が関連付けられる。また、瞳孔アライメントモードによりアライメントされた状態で取得されたデータには、瞳孔アライメントモードを示すアライメント情報が関連付けられる。被検眼Eのデータにアライメント情報を関連付ける処理の態様は任意である。関連付けの典型例を以下に説明するが、これらに限定されるものではない。
【0025】
第1の例として、被検眼Eのデータにアライメント情報を含めることができる。例えば、画像データにアライメント情報を埋め込むことや、測定データの一部にアライメント情報を埋め込むことが可能である。
【0026】
第2の例として、被検眼Eのデータにアライメント情報を付帯させることができる。例えば、画像データのDICOMタグにアライメント情報を記録することや、所定フォーマットの測定データにアライメント情報を付帯させることができる。
【0027】
第3の例として、被検眼Eのデータとアライメント情報とを所定の情報を利用して対応付けることが可能である。例えば、アライメント情報を電子カルテに記録し、かつ、画像データを画像アーカイビング装置に保存しつつ、患者IDや撮影日情報等を利用してこれらを対応付けることができる。
【0028】
(出力制御部113)
出力制御部113は、情報を出力するための制御を実行する。情報の出力態様は任意であり、その典型例として、表示出力、音声出力、印刷出力、発光ダイオード等の点灯などがある。
図1に示す例では、出力制御部113は、ユーザインターフェイス90の表示部91の制御と、出力部95の制御とを実行する。出力制御部113が実行する処理の具体例は後述する。
【0029】
(データ処理部12)
データ処理部12は各種のデータ処理を実行する。特に、データ処理部12は、前眼部カメラ60により取得された画像を解析する。データ処理部12には、第1解析部13と第2解析部14とが設けられている。これらの動作については後述する。
【0030】
(光学ユニット20)
光学ユニット20には、被検眼Eの測定及び/又は撮影を行うための構成と、その準備を行うための構成とが格納されている。前者は測定光学系30を含み、後者はアライメント光学系40を含む。アライメント光学系40の光路は、ビームスプリッタ50により測定光学系30の光路に合成されている。図示は省略するが、ビームスプリッタ50と被検眼Eとの間には、対物レンズ等の各種光学部材が設けられている。
【0031】
前眼部カメラ60は、異なる位置に2台以上設けられている。
図1に示す例では、測定光学系30等の光路から外れた位置に設けられているが、これには限定されない。例えば、測定光学系30にイメージセンサが設けられている場合、2以上の前眼部カメラの1つがこのイメージセンサであってよい。
【0032】
光学ユニット20には、
図1に示す構成に加え、被検眼Eを正面から撮影するための光学系(観察光学系、撮影光学系等)が設けられてもよい。更に、測定光学系30のフォーカシングを行うための構成などが設けられていてもよい。また、光学ユニット20は、被検眼Eの前眼部を照明するための光源(前眼部照明光源)を備えてもよい。
【0033】
(測定光学系30)
測定光学系30は、被検眼Eの特性を測定するための構成、及び/又は、被検眼Eを撮影するための構成を備える。測定光学系30は、眼科装置1が提供する機能(測定機能、撮影機能等)に応じて構成される。測定光学系30には、光源、光学素子(光学部材、光学デバイス)、アクチュエータ、機構、回路、表示デバイス、受光素子、イメージセンサなどが設けられる。測定光学系30の構成は従来の眼科装置のそれと同様であってよい。測定光学系30の少なくとも一部は、アライメント光学系40に合成される光路の外部に配置されてもよい。例えば、角膜曲率を測定するためのケラトメータ機能が設けられている場合、リング状光束又は同心円状光束を角膜に投影するための光源(ケラトリング光源)が被検眼Eの直前位置に配置される。
【0034】
測定光学系30は、検査に付随する機能を提供するための構成を備えていてよい。例えば、被検眼Eを固視させるための視標(固視標)を被検眼Eの眼底に投影するための固視光学系が設けられていてよい。
【0035】
(アライメント光学系40)
アライメント光学系40は、光束を被検眼Eに投影する。それにより、アライメントのための指標が前眼部に投影される。この指標は、例えばプルキンエ像として検出される。指標を用いたアライメントは、例えば、測定光学系30の光軸方向(Z方向)におけるZアライメントと、Z方向に直交するX方向(水平方向)及びY方向(鉛直方向)におけるXYアライメントとのうちの少なくとも一方を含む。
【0036】
Zアライメントは、2以上の前眼部カメラ60により実質的に同時に得られた2以上の撮影画像を解析することによって実行される。XYアライメントは、2以上の前眼部カメラ60により実質的に同時に得られた2以上の撮影画像を解析することによって、又は、被検眼Eを正面から撮影するための光学系(観察光学系、撮影光学系等)により得られる画像(前眼部の正面画像)を解析することによって、実行される。正面画像は、例えば測定光学系30に設けられたイメージセンサを利用して取得される。
【0037】
前眼部の正面画像に基づくXYアライメントは、従来と同様に、正面画像に描出されたプルキンエ像(指標像)のXY方向における位置に基づき実行される。例えば、前眼部の正面画像に基づくXYアライメントは、アライメントのズレの許容範囲(アライメントマーク)内に指標像を誘導するように光学ユニット20を手動又は自動で移動させることにより実行される。マニュアルアライメントの場合、出力制御部113が正面画像とアライメントマークとを表示部91に表示し、ユーザが上記条件の満たすように操作部92を操作する。オートアライメントの場合、アライメントマークに対する指標像の変位をデータ処理部12が算出し、この変位をキャンセルするようにアライメント制御部111が光学ユニット20をXY方向に移動させる。
【0038】
(前眼部カメラ60)
前眼部カメラ60は、前述したように、異なる位置に2台以上設けられている。各前眼部カメラ60は、例えば、所定のフレームレートで動画撮影を行うビデオカメラである。2以上の前眼部カメラ60は、前眼部を異なる方向から実質的に同時に撮影する。
【0039】
本実施形態では、
図2に示すように、2台の前眼部カメラ60A及び60Bが設けられている。なお、
図2は上面図であり、+Y方向は鉛直上方を示し、+Z方向は測定光学系30の光軸方向であって測定光学系30から被検眼Eに向かう方向を示す。また、前眼部カメラ60A及び60Bはそれぞれ、測定光学系30の光路から外れた位置に設けられている。本実施形態では、前眼部カメラ60A及び60Bは、測定光学系30の光路よりも下方に設けられている。それにより、角膜に投影された光束(指標)の反射光が睫毛や瞼にケラレにくくなる。以下、2台の前眼部カメラ60A及び60Bをまとめて符号60で表すことがある。
【0040】
前眼部カメラの個数は2以上の任意の個数であってよいが、異なる2方向から実質的に同時に前眼部を撮影可能な構成であればよい。また、1つの前眼部カメラが測定光学系30と同軸に配置されていてもよい。
【0041】
「実質的に同時」とは、例えば、2以上の前眼部カメラによる撮影において、眼球運動を無視できる程度の撮影タイミングのズレを許容することを示す。それにより、被検眼Eが実質的に同じ位置(向き)にあるときの画像を2以上の前眼部カメラによって取得することができる。
【0042】
また、2以上の前眼部カメラによる撮影は動画撮影でも静止画撮影でもよいが、本実施形態では動画撮影を行う場合について特に詳しく説明する。動画撮影の場合、撮影開始タイミングを合わせるよう制御したり、フレームレートや各フレームの撮影タイミングを制御したりすることにより、上記した実質的に同時の前眼部撮影を実現することができる。一方、静止画撮影の場合、撮影タイミングを合わせるよう制御することにより、これを実現することができる。
【0043】
(顔支持部70)
顔支持部70は、被検者の顔を支持するための部材を含む。例えば、顔支持部70は、被検者の額が当接される額当てと、被検者の顎が載置される顎受けとを含む。なお、顔支持部70は、額当て及び顎受けのいずれか一方のみを備えてもよく、これら以外の部材を備えてもよい。
【0044】
(移動機構80A及び80B)
移動機構80Aは、制御部11(アライメント制御部111等)による制御を受けて光学ユニット20を移動する。移動機構80Aは、光学ユニット20を3次元的に移動可能である。移動機構80Aは、例えば、従来と同様に、光学ユニット20をX方向に移動させるための機構と、Y方向に移動させるための機構と、Z方向に移動させるための機構とを含む。また、移動機構81Aは、光学ユニット20の光軸を含む平面(水平面、垂直面等)内にて光学ユニット20を回動させる回動機構を含んでもよい。
【0045】
移動機構80Bは、制御部11(アライメント制御部111等)による制御を受けて顔支持部70を移動する。移動機構80Bは、顔支持部70を3次元的に移動可能である。移動機構80Bは、例えば、顔支持部70をX方向に移動させるための機構と、Y方向に移動させるための機構と、Z方向に移動させるための機構とを含む。また、移動機構81Bは、顔支持部70(又はそれに含まれる部材)の向きを変更するための回動機構を含んでもよい。顔支持部70に複数の部材が設けられている場合、移動機構80Bは、これら部材を個別に移動するよう構成されてよい。例えば、移動機構80Bは、額当てと顎受けとを個別に移動するよう構成されてよい。なお、前述したように、一般に、移動機構80A及び80Bの少なくとも一方が設けられる。
【0046】
(ユーザインターフェイス90)
ユーザインターフェイス90は、情報の表示、情報の入力、操作指示の入力など、眼科装置1とそのユーザとの間で情報をやりとりするための機能を提供する。ユーザインターフェイス90は、出力機能と入力機能とを提供する。
【0047】
出力機能を提供する構成の典型例として表示部91がある。表示部91は、フラットパネルディスプレイ等の表示デバイスを含む。出力機能に係る構成の他の例として、音声出力装置や発光ダイオードがある。出力機能の制御は、出力制御部113によって実行される。
【0048】
入力機能を提供する構成の典型例として操作部92がある。操作部92は、レバー、ボタン、キー、ポインティングデバイス等の操作デバイスを含む。また、入力機能に係る構成の他の例として、マイクロフォンやデータライタがある。
【0049】
ユーザインターフェイス90は、タッチパネルディスプレイのような出力機能と入力機能とが一体化されたデバイスを含んでよい。また、ユーザインターフェイス90は、情報の入出力を行うためのグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)を含んでよい。
【0050】
(出力部95)
出力部95は、眼科装置1の外部に情報を出力するための構成を備える。その典型例として、印刷装置や、記録媒体への書き込みを行うデータライタや、外部装置(コンピュータ、眼科装置等)にデータを送信する通信装置がある。なお、出力部95の少なくとも一部がユーザインターフェイス90に含まれていてもよい。
【0051】
(データ処理部12の詳細)
データ処理部12の詳細を説明する。前述のように、データ処理部12には、第1解析部13と第2解析部14とが設けられている。
【0052】
(第1解析部13)
第1解析部13は、前眼部カメラ60A及び60Bにより得られた2以上の撮影画像中の指標像に基づいて被検眼Eの位置を特定する。第1解析部13が実行する処理の例を説明する。本実施形態において、第1解析部13は、例えば、指標像検出部131と位置特定部132とを含む。
【0053】
(指標像検出部131)
指標像検出部131は、前眼部カメラ60A及び60Bにより実質的に同時に得られた2以上の撮影画像を解析することにより、各撮影画像に描出された指標像を検出する。前眼部カメラ60A及び60Bが動画撮影を行う場合、指標像検出部131は、各フレームから指標像を検出する。指標像検出部131は、撮影画像の画素値を解析することによって指標像を検出する。撮影画像が輝度画像である場合、指標像検出部131は、撮影画像における輝度値の分布に基づいて、指標像に相当する画像領域(画素)を特定する。この処理は、例えば、既定閾値よりも高い輝度値を有する画素を選択する処理を含む。撮影画像がカラー画像である場合、指標像検出部131は、例えば、既定閾値よりも高い輝度値を有する画素を選択する処理、又は、所定の色を表す画素を選択する処理を含む。
【0054】
(位置特定部132)
位置特定部132は、指標像検出部131により検出された2つの指標像に基づいて、被検眼Eの位置を特定する。位置特定部132は、少なくとも、Z方向における被検眼Eと測定光学系30との間の距離を算出する。この算出結果に基づきZアライメントが実行される。更に、位置特定部132は、XY方向における被検眼Eと測定光学系30との間の変位を算出してもよい。この算出結果に基づきXYアライメントが実行される。
【0055】
位置特定部132が実行する処理について
図2を参照して説明する。
図2は、被検眼Eと前眼部カメラ60A及び60Bとの間の位置関係を示す上面図である。XY方向における2つの前眼部カメラ60A及び60Bの間の距離(基線長)を「B」で表す。2つの前眼部カメラ60A及び60Bの基線と、指標像Pとの間の距離(指標像距離)を「H」で表す。各前眼部カメラ60A及び60Bと、その画面平面との間の距離(画面距離)を「f」で表す。一般に、指標光束を被検眼Eに対して平行光束として投射した場合、指標像(プルキンエ像)Pは、被検眼Eの角膜曲率半径の2分の1だけ角膜表面から+Z方向に変位した位置に形成される。
【0056】
このような配置状態において、前眼部カメラ60A及び60Bによる撮影画像の分解能は次式で表される。ここで、Δpは画素分解能を表す。
【0057】
XY方向の分解能:ΔXY=H×Δp/f
Z方向の分解能:ΔZ=H×H×Δp/(B×f)
【0058】
位置特定部132は、2つの前眼部カメラ60A及び60Bの位置(既知である)と、2つの撮影画像において指標像Pの位置とに対して、
図2(及び
図1)に示す配置関係を考慮した公知の三角法を適用することにより、指標像Pの位置、つまり被検眼Eの位置を特定する。特定される位置は、少なくともZ方向の位置を含み、XY方向の位置を更に含んでもよい。
【0059】
位置特定部132により特定された被検眼Eの位置は制御部11に送られる。アライメント制御部111は、被検眼EのZ位置に基づいて、Z方向における被検眼Eと測定光学系30との間の距離を所定の作動距離に一致させるように駆動機構80A及び/又は80Bを制御する。また、アライメント制御部111は、被検眼EのXY位置に基づいて、測定光学系30の光軸と被検眼Eの軸とを一致させるように駆動機構80A及び/又は80Bを制御する。なお、作動距離(ワーキングディスタンス)とは、測定光学系30による測定を行うために予め設定された被検眼Eと測定光学系30との間の距離である。
【0060】
以上のように、第1解析部13は、指標像P(プルキンエ像)の位置を被検眼Eの位置(その近似位置)として求めることができる。更に、第1解析部13は、特定された指標像Pの位置と、別途に測定された角膜曲率半径とに基づいて、被検眼Eの角膜(頂点)の位置を求めることが可能である。XYZアライメントが合っている状態において、角膜頂点は、指標像Pから角膜曲率半径の2分の1だけ−Z方向に変位した位置に配置されていると考えられる。したがって、角膜曲率半径の2分の1の値を指標像PのZ座標値から減算することにより、角膜頂点のZ座標値(それを含むXYZ座標値)を推定することができる。
【0061】
角膜曲率半径の測定は、ケラトメータや角膜トポグラファや前眼部OCTを用いて行われる。角膜曲率半径を測定する機能を眼科装置1が備えていない場合、過去に得られた角膜曲率半径の測定値が眼科装置1に入力される。第1解析部13は、この測定値を用いて角膜頂点位置を求めることができる。一方、角膜曲率半径を測定する機能を眼科装置1が備えている場合には、例えば、アライメントを実行した後に角膜曲率半径を測定し、得られた測定値を利用して再度アライメントを行うことができる。また、角膜曲率半径を測定する機能を眼科装置1が備えている場合であっても、過去に得られた角膜曲率半径の測定値を利用することも可能である。
【0062】
(第1解析部13の他の処理例)
前眼部カメラ60A及び60Bにより得られた2つの撮影画像に基づいて被検眼Eの位置を特定する処理の他の例を説明する。
【0063】
図3Aにおいて、左側の図はXYZアライメントが合致している状態を示し、右側の図はそのときに得られる2つの撮影画像を示す。指標像Pに対してXYZ全てのアライメントが合致している場合、つまり、右側の前眼部カメラ60Aの光軸と右側の前眼部カメラ60Bの光軸とが交差する位置(光軸交差位置)に指標像Pが配置されている場合、右側の前眼部カメラ60Aにより撮影画像GAが得られ、左側の前眼部カメラ60Bにより撮影画像GBが得られる。撮影画像GAでは、フレームにおける左右方向の中心位置AC上(又はその近傍)に指標像PAが配置される。同様に、撮影画像GBでは、フレームにおける左右方向の中心位置BC上(又はその近傍)に指標像PBが配置される。
【0064】
図3Bは、被検眼Eが眼科装置1に近接しすぎている場合、つまり、光軸交差位置よりも眼科装置1側に指標像Pが位置する場合を示す。右側の前眼部カメラ60Aにより得られる撮影画像GAでは、中心位置ACよりも右側に指標像PAが配置される。一方、左側の前眼部カメラ60Bにより得られる撮影画像GBでは、中心位置BCよりも左側に指標像PBが配置される。すなわち、2つの撮影画像GA及びGBにおける2つの指標像PA及びPBの間隔が広がる。
【0065】
逆に、
図3Cは、被検眼Eが眼科装置1から遠離しすぎている場合を示す。右側の前眼部カメラ60Aにより得られる撮影画像GAでは、中心位置ACよりも左側に指標像PAが配置される。一方、左側の前眼部カメラ60Bにより得られる撮影画像GBでは、中心位置BCよりも右側に指標像PBが配置される。すなわち、2つの撮影画像GA及びGBにおける指標像PA及びPBの間隔が狭まる。
【0066】
このように、Zアライメントの状態に応じ、2つの撮影画像GA及びGBにおける2つの指標像PA及びPBの相対位置が変化する。Zアライメントのズレ方向(近接/遠離)は、2つの指標像PA及びPBの相対位置の変化方向(間隔増大/間隔減少)として表れる。また、Zアライメントのズレ量は、2つの指標像PA及びPBの相対位置の変化量として表れる。
【0067】
この関係を表す情報が第1解析部13(又は制御部11等)に予め格納される。この情報には、例えば、2つの指標像の相対位置(間隔)と、Zアライメントのズレ方向及びズレ量とが対応付けられている。指標像検出部131は、撮影画像GA及びGBをそれぞれ解析することにより指標像PA及びPBを検出する。位置特定部132は、指標像検出部131により検出された2つの指標像PA及びPBの位置(相対位置)を求める。更に、位置特定部132は、得られた2つの指標像PA及びPBの位置に対応するZアライメントのズレ方向及びズレ量を、上記格納情報を参照して求める。
【0068】
図4Aは、
図3Aと同様に、左側の図はXYZアライメントが合致している状態を示し、右側の図はそのときに得られる2つの撮影画像を示す。
【0069】
図4Bは、前眼部カメラ60A及び60Bに対して右側に被検眼Eがずれている場合、つまり、前眼部カメラ60A及び60Bの光軸交差位置よりも右側に指標像Pが位置する場合を示す。右側の前眼部カメラ60Aにより得られる撮影画像GAでは、中心位置ACよりも左側に指標像PAが配置される。同様に、左側の前眼部カメラ60Bにより得られる撮影画像GBでも、中心位置BCよりも左側に指標像PBが配置される。すなわち、2つの撮影画像GA及びGBにおける2つの指標像PA及びPBの間隔は実質的に変化せず、これらが実質的に等距離だけ左方向に変位している。
【0070】
逆に、
図4Cは、前眼部カメラ60A及び60Bに対して左側に被検眼Eがずれている場合を示す。右側の前眼部カメラ60Aにより得られる撮影画像GAでは、中心位置ACよりも右側に指標像PAが配置される。同様に、左側の前眼部カメラ60Bにより得られる撮影画像GBでも、中心位置BCよりも右側に指標像PBが配置される。すなわち、2つの撮影画像GA及びGBにおける2つの指標像PA及びPBの間隔は実質的に変化せず、これらが実質的に等距離だけ右方向に変位している。
【0071】
このように、Xアライメントの状態に応じ、2つの撮影画像GA及びGBにおける2つの指標像PA及びPBは、同じ方向に実質的に等しい距離だけ変位する。Xアライメントのズレ方向(右/左)は、2つの指標像PA及びPBの一体的な変位方向として表れる。また、Xアライメントのズレ量は、2つの指標像PA及びPBの一体的な変位量として表れる。
【0072】
この関係を表す情報が第1解析部13(又は制御部11等)に予め格納される。この情報には、例えば、フレーム中心を基準とする2つの指標像の左右方向への変位(変位方向及び変位量)と、Xアライメントのズレ方向及びズレ量とが対応付けられている。指標像検出部131は、撮影画像GA及びGBをそれぞれ解析することにより指標像PA及びPBを検出する。位置特定部132は、指標像検出部131により検出された2つの指標像PA及びPBの位置を求め、中心位置AC及びBCに対する変位方向及び変位量を求める。そして、位置特定部132は、得られた2つの指標像PA及びPBの変位方向及び変位量に対応するXアライメントのズレ方向及びズレ量を、上記格納情報を参照して求める。
【0073】
Yアライメントのズレについても同様に、フレーム中心を基準とする2つの指標像の上下方向への変位(変位方向及び変位量)と、Yアライメントのズレ方向及びズレ量との対応関係に基づいて算出される。
【0074】
(第2解析部14)
第2解析部14は、前眼部カメラ60A及び60Bにより得られた2以上の撮影画像中の特徴位置に基づいて被検眼の位置を特定する。特徴位置は、被検眼Eの特徴部位の位置である。第2解析部14が実行する処理の例を説明する。本実施形態において、第2解析部14は、例えば、特徴位置検出部141と位置特定部142とを含む。
【0075】
眼科装置1は、特開2013−248376号公報に開示されているように、前眼部の特徴部位の位置に基づくアライメントを実行することが可能である。そのためのデータ処理は第2解析部14により実行される。
【0076】
特徴位置検出部141は、前眼部カメラ60A及び60Bにより実質的に同時に得られた2つの撮影画像のそれぞれを解析することにより、前眼部の特徴部位に相当する特徴位置を特定する。前眼部の特徴部位は、例えば瞳孔中心(瞳孔重心)である。
【0077】
位置特定部142は、特徴位置検出部141により特定された特徴位置に基づいて被検眼Eの位置を特定する。
【0078】
本例では、瞳孔中心の位置が被検眼Eの位置を代表している。なお、被検眼Eにおける角膜頂点と瞳孔との間の距離、又は、標準的な眼(模型眼、平均値等)における角膜頂点と瞳孔との間の距離を利用することで、角膜頂点の位置を被検眼Eの位置として求めることができる。被検眼Eにおける当該距離は、例えば、OCTや超音波計測装置を用いて測定される。
【0079】
第2解析部14は、
図3A〜
図4Cを参照して説明した第1解析部13の処理と同様の処理を実行可能であってよい。この場合、
図3A〜
図4Cにおける指標像Pの代わりに瞳孔中心(又は他の特徴位置)が用いられる。
【0080】
〈動作〉
眼科装置1の動作について説明する。眼科装置1の動作の一例を
図5に示す。
【0081】
(S1:指標投影・前眼部撮影を開始)
アライメントを開始するための指示がユーザ又は制御部11によりなされたことに対応し、アライメント制御部111は、アライメント光学系40を制御することで、アライメントのための指標を被検眼Eの前眼部に投影させる。
【0082】
また、制御部11は、前眼部カメラ60A及び60Bを制御することで、前眼部の動画像の取得を開始させる。前眼部カメラ60A及び60Bは、所定のフレームレートで撮影画像(フレーム)を形成する。撮影画像は、データ処理部12に逐次に入力される。
【0083】
指標の投影は、例えば、指標アライメントの終了(アライメントの終了、又は瞳孔アライメントへの切り替え)まで継続される。前眼部撮影は、例えば、アライメントの終了まで継続される。
【0084】
(S2:指標像が検出された?)
第1解析部13の指標像検出部131は、指標像を検出するために、前眼部カメラ60A及び60Bにより実質的に同時に得られた2つの撮影画像GA及びGBのそれぞれを解析する。2つの撮影画像GA及びGBの少なくとも一方から指標像が検出されなかった場合(S2:NO)、処理はステップS5に移行する。逆に、2つの撮影画像GA及びGBの双方から指標像が検出された場合(S2:YES)、処理はステップS3に移行する。
【0085】
指標像が検出されたか否かの判定として、例えば次のいずれかを適用することができる。第1の例では、撮影画像GA(GB)に指標像が含まれているか否か判定する。つまり、撮影画像GA(GB)から指標像が抽出されたか否かが判定基準となる。第2の例では、撮影画像GA(GB)中の所定範囲に指標像が含まれているか否か判定する。つまり、撮影画像GA(GB)の所定範囲内を探索して指標像が抽出されたか否かが判定基準となる。所定範囲は、例えば、撮影画像のフレームの中心の近傍領域であり、その位置及びサイズは予め設定されている(従来の眼科装置と同様であってよい)。
【0086】
(S3:指標アライメントモード)
ステップS2において2つの撮影画像GA及びGBの双方から指標像が検出された場合(S2:YES)、アライメント制御部111は、指標アライメントモードのための制御を開始する。本実施形態の眼科装置1は、前眼部カメラ60A及び60Bにより逐次に取得される一対の撮影画像GA及びGB(一対のフレーム)に基づいて次のような一連の処理を繰り返し実行する。
【0087】
まず、第1解析部13の指標像検出部131は、撮影画像GA及びGBのそれぞれを解析することにより指標像PA及びPBを検出する。次に、位置特定部132は、指標像検出部131により検出された指標像PA及びPBに基づいて被検眼Eの位置を特定する。続いて、アライメント制御部111は、位置特定部132により特定された被検眼Eの位置に基づいて第1駆動機構80A(及び/又は第2駆動機構80B)を制御する。この制御では、例えば、特定された被検眼Eの位置と、アライメントのズレの許容範囲を表す既定範囲の中心位置との間の変位がキャンセルされるように、光学ユニット20(及び/又は顔支持部70)が移動される。
【0088】
また、指標アライメントモードの開始とともに、出力制御部113は、現在のアライメントモードである指標アライメントモードを示す情報(アライメントモード情報)を表示部91に表示させる。ステップS3の段階で表示される情報の例を
図6Aに示す。
【0089】
出力制御部113は、表示部91にウィンドウ200を表示させる。ウィンドウ200には、アライメント情報表示領域210と、前眼部像220とが表示される。アライメント情報表示領域210にはアライメント情報が表示される。ステップS3の段階では、例えば、前眼部に投影された指標を利用して角膜を基準に実行される指標アライメントモード(角膜基準アライメントモード)を表す文字列「CORNEA」が、アライメント情報210aとして表示される。なお、制御部11の記憶装置等には、アライメントモード毎に設けられたアライメント情報が予め記憶されている。
【0090】
前眼部像220は、前眼部カメラ60A及び60Bの少なくとも一方により取得された画像、又は、それ(それら)に基づく画像である。例えば、前眼部カメラ60A及び60Bの一方により取得された画像又はそれを処理して得られた画像を表示することができる。また、前眼部カメラ60A及び60Bにより実質的に同時に取得された一対の画像を並べて表示することや、当該一対の画像の合成画像を表示することができる。前眼部像220は静止画像でも動画像でもよい。
【0091】
前眼部像220には、被検眼Eの虹彩像221と瞳孔像222に加えて指標像223が含まれる。指標像223は、前眼部カメラ60A及び60Bにより実質的に同時に取得された一対の画像の少なくとも一方から検出された指標像(PA及び/又はPB)、又はそれ(それら)に基づく画像である。後者の例として、指標像の位置を表すマークがある。
【0092】
現在のアライメントモードを報知する方法は、アライメント情報の表示には限定されない。例えば、アライメントモード毎の発光ダイオード等が眼科装置1の筐体等に設けられている場合、出力制御部113は、現在のアライメントモードに対応する発光ダイオードを点灯させることができる。また、単一の発光ダイオードが設けられている場合、出力制御部113は、現在のアライメントモードに対応する態様(色、点滅など)でこの発光ダイオードを点灯させることができる。また、音声出力装置が設けられている場合、出力制御部113は、現在のアライメントモードに対応する音声情報を音声出力装置に出力させることができる。また、ここに例示したような2以上の報知方法を組み合わせることも可能である。
【0093】
(S4:アライメントOK?)
ステップS3の動作は、アライメントが合うまで繰り返し実行される(S4:NO)。アライメントに成功すると(S4:YES)、ステップS13に移行する。
【0094】
アライメントが合っているか否かの判定は、例えば、光学ユニット20の移動後に検出された指標像が既定範囲に含まれるか否か判定することにより実行される。この場合、指標像が既定範囲に含まれないときにはアライメント動作が再度実行され、指標像が既定範囲に含まれたことに対応して処理がステップS13に移行する。
【0095】
なお、繰り返し回数が所定回数に達したこと、又は、繰り返し処理が所定時間続いたことに対応して、警告を出力することや、マニュアルアライメントへ移行することが可能である。
【0096】
(S5:瞳孔像を検出)
ステップS2で指標像が検出されなかった場合(S2:NO)、第2解析部14の特徴位置検出部141は、前眼部カメラ60A及び60Bにより実質的に同時に得られた一対の撮影画像GA及びGBのそれぞれを解析することにより、瞳孔像を検出する。
【0097】
(S6:瞳孔像が検出された?)
ステップS5で瞳孔像が検出された場合(S6:YES)、ステップS8に移行する。一方、ステップS5で瞳孔像が検出されなかった場合(S6:NO)、ステップS7に移行する。瞳孔像が検出されない原因として、瞬きや眼球運動、或いは、被検眼Eの前眼部が撮像範囲に入らないほどアライメントがずれていることなどがある。
【0098】
(S7:手動アライメント)
ステップS6で瞳孔像が検出されなかった場合(S6:NO)、出力制御部113は、マニュアルアライメントに移行するための情報を表示部91に表示させる。例えば、出力制御部113は、瞳孔が検出されない旨のメッセージや、瞳孔が撮影されるように光学ユニット20及び/又は顔支持部70を移動させることを指示するメッセージを表示させることができる。マニュアルアライメントが開始されると、処理はステップS2に戻る。
【0099】
(S8:瞳孔アライメントモード)
ステップS6で瞳孔像が検出された場合(S6:YES)、アライメント制御部111は、瞳孔アライメントモードのための制御を開始する。本実施形態の眼科装置1は、前眼部カメラ60A及び60Bにより逐次に取得される一対の撮影画像GA及びGB(一対のフレーム)に基づいて次のような一連の処理を繰り返し実行する。
【0100】
まず、第2解析部14の特徴位置検出部141は、撮影画像GA及びGBのそれぞれを解析することにより瞳孔中心を検出する。次に、位置特定部142は、特徴位置検出部141により検出された一対の瞳孔中心に基づいて被検眼Eの位置を特定する。続いて、アライメント制御部111は、位置特定部142により特定された被検眼Eの位置に基づいて第1駆動機構80A(及び/又は第2駆動機構80B)を制御する。この制御では、例えば、特定された被検眼Eの位置と、アライメントのズレの許容範囲を表す既定範囲の中心位置との間の変位がキャンセルされるように、光学ユニット20(及び/又は顔支持部70)が移動される。
【0101】
また、瞳孔アライメントモードの開始とともに、出力制御部113は、現在のアライメントモードである瞳孔アライメントモードを示す情報(アライメントモード情報)を表示部91に表示させる。ステップS8の段階で表示される情報の例を
図6Bに示す。
【0102】
図6Bのウィンドウ200は、
図6Aのウィンドウ200と同じウィンドウであるが、その表示内容が異なる。
図6Bに示すウィンドウ200のアライメント情報表示領域210には、前眼部像中の特徴位置(瞳孔中心)を基準に実行される瞳孔アライメントモードを表す文字列「PUPIL」が、アライメント情報210bとして表示される。
【0103】
前眼部像220にもアライメント情報を表示することができる。
図6Bに示す例では、瞳孔像の輪郭を示す円環状の像224aと、瞳孔中心を示す十字状の像224bとが、前眼部像220にオーバレイ表示される。
【0104】
前述した場合と同様に、アライメント情報の表示以外の手法(例えば発光ダイオードや音声出力装置)を用いて、現在のアライメントモード(瞳孔アライメントモード)を報知することができる。
【0105】
(S9:アライメントOK?)
ステップS8のアライメントに失敗した場合(S9:NO)、ステップS7に移行し、前述と同様の処理が実行される。一方、ステップS8のアライメントに成功すると(S9:YES)、ステップS10に移行する。
【0106】
アライメントが合っているか否かの判定は、例えば、光学ユニット20の移動後に検出された瞳孔中心が既定範囲に含まれるか否か判定することにより実行される。この場合、例えば、瞳孔中心が既定範囲に含まれるようにアライメント動作が繰り返し実行される。そして、繰り返し回数が所定回数に達したとき、又は、繰り返し処理が所定時間続いたときに、アライメントに失敗したと判定され(S9:NO)、ステップS7のマニュアルアライメントへ移行する。
【0107】
(S10:指標像が検出された?)
ステップS8のアライメントに失敗した場合(S9:NO)、アライメント制御部111は、前眼部カメラ60A及び60Bにより実質的に同時に得られた2つの撮影画像GA及びGBを第1解析部13に送る。指標像検出部131は、指標像を検出するために、撮影画像GA及びGBのそれぞれを解析する。
【0108】
撮影画像GA及びGBの双方から指標像が検出された場合(S10:YES)、ステップS3に移行して指標アライメントモードでのアライメントが実行される。逆に、撮影画像GA及びGBのいずれか一方から指標像が検出されなかった場合(S10:NO)、処理はステップS11に移行する。指標像が検出されたか否かの判定は、例えばステップS2と同様にして実行される。
【0109】
(S11:瞳孔アライメントを選択?)
ステップS10で指標像が検出されなかった場合(S10:NO)、出力制御部113は、瞳孔アライメントモードにより達成されたアライメント状態で測定を行うか否かをユーザに選択させるための情報を表示部91に表示させる。
【0110】
瞳孔アライメントモードが選択された場合(S11:YES)、このまま瞳孔アライメントモードでのアライメントを継続し、その完了後にステップS13へ移行する。逆に、瞳孔アライメントモードが選択されなかった場合(S11:NO)、ステップS12に移行する。
【0111】
ステップS11で表示される情報の例を
図6Cに示す。
図6Cのウィンドウ200は、
図6A及び
図6Bのウィンドウ200と同じウィンドウであるが、その表示内容が異なる。
図6Bの場合と同様に、アライメント情報表示領域210には、瞳孔アライメントモードを表す文字列「PUPIL」が、アライメント情報210bとして表示されているが、その表示態様が異なる。例えば、
図6Cでは、アライメントモードの選択をユーザに促すために、アライメント情報表示領域210及びアライメント情報210bが点滅表示される。
【0112】
前眼部像220にもアライメント情報を表示することができる。
図6Cに示す例では、指標像の探索範囲を表す枠状の画像225がオーバレイ表示されている。更に、ステップS10で指標像が検出されなかったこと、つまり被検眼Eの角膜頂点の位置を検出できなかったことを示すメッセージ226が表示されている。
【0113】
これら以外の手法を用いてアライメントモードの選択をユーザに促すことができる。例えば、そのための音声メッセージを音声出力装置に出力させることが可能である。
【0114】
ユーザは、操作部92を操作することで、表示部91に表示された情報に基づいて瞳孔アライメントモードを選択するか否か指定する。例えば、
図6Cのウィンドウ200がタッチパネルディスプレイに表示されている場合、ユーザは、点滅しているアライメント情報表示領域210をタップ(タッチ操作)することで、瞳孔アライメントモードを選択することができる。瞳孔アライメントモードを選択しないときには、例えば、他のタッチ操作(例えばスワイプ)を行うことができる。
【0115】
(S12:手動アライメント)
ステップS11で瞳孔アライメントモードが選択されなかった場合(S11:NO)、ステップS7と同様にしてマニュアルアライメントが実行される。マニュアルアライメントの完了後、ステップS13に移行する。
【0116】
(S13:測定)
ステップS4で指標アライメントモードのアライメントが完了した場合(S4:YES)、ステップS11で瞳孔アライメントモードが選択されてアライメントが完了した場合(S11:YES)、又は、ステップS12のマニュアルアライメントが完了した場合、制御部11は、フォーカシング等の準備動作を必要に応じて実行し、測定光学系30を制御して被検眼Eの測定(撮影)を実行させる。
【0117】
(S14:アライメントモード情報を付帯)
被検眼Eの測定が完了すると、データ制御部112は、この測定の直前に適用されたアライメントモードを示す情報(アライメントモード情報)を、この測定により取得されたデータに関連付ける。
【0118】
ステップS4で指標アライメントモードのアライメントが完了した後にステップS13の測定が行われた場合、指標アライメントモードを示すアライメントモード情報が測定データに関連付けられる。また、ステップS11で瞳孔アライメントモードが選択されてアライメントが完了した後にステップS13の測定が行われた場合、瞳孔アライメントモードを示すアライメントモード情報が測定データに関連付けられる。また、ステップS12のマニュアルアライメントが完了した後にステップS13の測定が行われた場合、マニュアルアライメントモードを示すアライメントモード情報が測定データに関連付けられる。
【0119】
(S15:測定データを表示)
出力制御部113は、ステップS13で取得された測定データと、それに付帯されたアライメントモード情報に基づく情報とを、表示部91に表示させる。
【0120】
例えば、ステップS13で被検眼Eの撮影が行われた場合、これにより取得された画像と、撮影の直前に適用されたアライメントモードを示す情報(文字列等)とを表示することができる。また、ステップS13で被検眼Eの特性が測定された場合、その測定値やマップ等と、測定の直前に適用されたアライメントモードを示す情報(文字列等)とを表示することができる。
【0121】
また、ステップS13で取得された被検眼Eのデータをデータ処理部12で解析して得られた結果と、測定又は撮影の直前に適用されたアライメントモードを示す情報(文字列等)とを表示させることができる。例えば、ステップS13で眼底のOCTが実行された場合、データ処理部12は、取得されたOCTデータを解析して網膜厚分布を求めることができる。そして、出力制御部113は、この網膜厚分布を表すマップを、撮影の直前に適用されたアライメントモードを示す情報(文字列等)とともに、表示部91に表示させることができる。
【0122】
(S16:測定データを出力)
出力制御部113は、出力部95を制御することにより、ステップS13で取得された測定データを、ステップS14で付帯されたアライメントモード情報とともに出力させる。
【0123】
例えば、出力部95が印刷装置を含む場合、アライメントモード情報(文字列等)を測定データとともに用紙に印刷することができる。印刷される情報の例を
図7に示す。符号300は印刷用紙を示す。印刷用紙300には、上から順に、測定対象が右眼であることを示す文字「R」と、レフラクトメータによる測定結果を示す文字列「REF」と、球面度(S)の測定値と、乱視度(C)の測定値と、乱視軸(A)の測定値と、ケラトメータによる測定結果を示す文字列「KRT」と、弱主経線(R1)の測定値と、強主経線(R2)の測定値と、角度(A)の測定値と、測定対象が左眼であることを示す文字「L」と、レフラクトメータによる測定結果を示す文字列「REF」と、・・・・が印刷されている。
【0124】
右眼「R」の文字列「REF」の右側には、アライメントモード情報310としての文字列「ALIGNMENT:PUPIL」が印刷されている。これは、右眼のレフ測定が瞳孔アライメントモードを適用して行われたことを表す。同様に、右眼「R」の文字列「KRT」の右側には、アライメントモード情報320としての文字列「ALIGNMENT:PUPIL」が印刷されている。これは、右眼のケラト測定が瞳孔アライメントモードを適用して行われたことを表す。また、左眼「L」の文字列「REF」の右側には、アライメントモード情報330としての文字列「ALIGNMENT:CORNEA」が印刷されている。これは、左眼のレフ測定が角膜基準アライメントモード(指標アライメントモード)を適用して行われたことを表す。
【0125】
出力部95がデータライタを含む場合、アライメントモード情報を測定データとともに記録媒体に書き込むことができる。また、出力部95が通信装置を含む場合、アライメントモード情報を測定データとともに外部装置に送信することができる。以上で、本動作例の処理は終了となる(エンド)。
【0126】
〈他の動作例〉
眼科装置1の動作の他の例を説明する。
【0127】
実施される検査(測定、撮影等)の種別に応じてアライメントモードを選択することができる。例えば、角膜頂点に対するアライメントの確度が要求されるケラト測定が行われるときには、指標アライメントモードを選択することができる。また、瞳孔を通じて眼底に光束を投射するレフ測定が行われるときには、瞳孔アライメントモードを選択することができる。
【0128】
このような場合、測定光学系30は、2以上の種別のデータを取得可能に構成される。つまり、測定光学系30は、2以上の種別の測定を実施可能に構成される。実施される測定の種別は、手動又は自動で指定される。手動指定のためには、例えば、ユーザインターフェイス90が用いられる。自動指定の例として、例えば健康診断やクリニカルパスのように、1以上の測定種別(及びその順序)が予め決められている場合がある。また、疾患種別毎に1以上の測定種別が予め割り当てられている場合、電子カルテ等から入力された疾患種別に対応する測定種別を制御部11等が選択することができる。測定種別が決定すると、制御部11(アライメント制御部111等)は、この測定種別に応じたアライメントモードを選択することができる。
【0129】
或いは、出力制御部113は、
図8に示すようなウィンドウ400を表示部91に表示させることができる。ウィンドウ400のアライメント情報表示領域410には、瞳孔アライメントモードを表す文字列「PUPIL」が、アライメント情報411として表示されている。アライメントモードの選択をユーザに促すために、アライメント情報表示領域410及びアライメント情報411は点滅表示されている。
【0130】
また、前眼部像420には、指標像の探索範囲を表す枠状の画像430がオーバレイ表示されている。更に、前眼部像420には指標像440が提示されている。枠状画像430が定める範囲に指標像440が含まれる場合、アライメント制御部111は、指標アライメントモードを選択することができる。また、枠状画像430が定める範囲に指標像440が含まれない場合、出力制御部113は、(既定範囲内に)指標像が検出されなかったこと(つまり被検眼Eの角膜頂点の位置を検出できなかったこと)を示すメッセージを表示することができる(
図6Cを参照)。
【0131】
また、例えばケラト測定を行うとき、角膜頂点を基準とした指標アライメントを選択するための操作を行うことができる。この操作は、例えば、指標像440のタップ操作であってよい。また、例えばレフ測定を行うとき、瞳孔アライメントを選択するための操作を行うことができる。この操作は、例えば、アライメント情報表示領域410又は枠状画像430のタップ操作であってよい。
【0132】
〈作用・効果〉
実施形態に係る眼科装置の作用及び効果について説明する。
【0133】
実施形態の眼科装置の第1の態様は、光学系(例えば測定光学系30)と、駆動部(例えば第1駆動機構80A)と、アライメント光学系(例えばアライメント光学系40)と、2以上の撮影部(例えば前眼部カメラ60)と、第1解析部(例えば第1解析部13)と、第2解析部(例えば第2解析部14)と、アライメント制御部(例えばアライメント制御部111)と、第1報知部(例えば、出力制御部113、ユーザインターフェイス90、出力部95)とを備える。
【0134】
光学系は、被検眼のデータを取得する。駆動部は、光学系を移動する。アライメント光学系は、被検眼に対する光学系のアライメントを行うための指標を被検眼の前眼部に投影する。2以上の撮影部は、指標が投影された状態の前眼部を異なる方向から実質的に同時に撮影する。第1解析部は、2以上の撮影部により得られた2以上の撮影画像中の指標の像に基づいて、被検眼の位置を特定する。第2解析部は、2以上の撮影部により得られた2以上の撮影画像中の特徴位置に基づいて、被検眼の位置を特定する。アライメント制御部は、第1解析部により特定された被検眼の位置に基づいて駆動部を制御する第1アライメントモードと、第2解析部により特定された被検眼の位置に基づいて駆動部を制御する第2アライメントモードとを選択的に実行可能である。第1報知部は、アライメント制御部により実行されているアライメントモードを示す情報(アライメントモード情報)を報知する。
【0135】
このような眼科装置によれば、第1及び第2アライメントモードを選択的に実行可能であり、かつ、どのアライメントモードが適用されているか報知できるので、被検眼の状態(疾患等)に応じたアライメントモードを容易に選択することができる。よって、アライメントの円滑化を図ることが可能である。
【0136】
実施形態において、第1報知部は、アライメントモード情報を表示手段に表示させることができる。表示手段は、眼科装置に内蔵されたもの(例えば表示部91)、及び、眼科装置の外部に設けられたもののいずれか一方を含む。
【0137】
この構成によれば、アライメントモード情報を視覚的に認識することができる。なお、アライメントモード情報の報知は、視覚的な手法には限定されず、例えば聴覚的な手法など、他の感覚機能を利用した手法であってもよい。
【0138】
実施形態の眼科装置は、データ制御部(例えばデータ制御部112)を更に備えていてよい。データ制御部は、アライメント制御部により実行されたアライメントモードを示す情報を、アライメントの後に光学系により取得されたデータに関連付ける。
【0139】
この構成によれば、光学系により取得された被検眼のデータとアライメントモード情報とを統合的に管理することが可能となる。例えば、被検眼のデータを読み出したり出力したりするときに、このデータに関連付けられたアライメントモード情報も読み出したり出力したりすることができる。これにより、このデータを取得するためにどのアライメントモードが適用されたか認識することが可能になる。
【0140】
実施形態の眼科装置の第2の態様は、光学系(例えば測定光学系30)と、駆動部(例えば第1駆動機構80A)と、アライメント光学系(例えばアライメント光学系40)と、2以上の撮影部(例えば前眼部カメラ60)と、第1解析部(例えば第1解析部13)と、第2解析部(例えば第2解析部14)と、アライメント制御部(例えばアライメント制御部111)と、データ制御部(例えばデータ制御部112)とを備える。
【0141】
光学系は、被検眼のデータを取得する。駆動部は、光学系を移動する。アライメント光学系は、被検眼に対する光学系のアライメントを行うための指標を被検眼の前眼部に投影する。2以上の撮影部は、指標が投影された状態の前眼部を異なる方向から実質的に同時に撮影する。第1解析部は、2以上の撮影部により得られた2以上の撮影画像中の指標の像に基づいて、被検眼の位置を特定する。第2解析部は、2以上の撮影部により得られた2以上の撮影画像中の特徴位置に基づいて、被検眼の位置を特定する。アライメント制御部は、第1解析部により特定された被検眼の位置に基づいて駆動部を制御する第1アライメントモードと、第2解析部により特定された被検眼の位置に基づいて駆動部を制御する第2アライメントモードとを選択的に実行可能である。データ制御部は、アライメント制御部により実行されたアライメントモードを示す情報(アライメントモード情報)を、アライメントの後に光学系により取得されたデータに関連付ける。
【0142】
このような眼科装置によれば、第1及び第2アライメントモードを選択的に実行可能であり、かつ、光学系により取得された被検眼のデータとアライメントモード情報とを統合的に管理することができる。これにより、このデータを取得するためにどのアライメントモードが適用されたか認識することが可能になる。
【0143】
実施形態の眼科装置は、光学系により取得された被検眼のデータとアライメントモード情報とを出力する出力部(例えば出力部95)を更に備えていてよい。
【0144】
この構成によれば、被検眼のデータとアライメントモード情報を、印刷したり、外部装置に送信したり、記録媒体に記録したりすることが可能である。
【0145】
実施形態において、第1解析部により2以上の撮影画像のいずれかから指標の像が検出されなかったとき、アライメント制御部は、第2アライメントモードを実行することができる。つまり、撮影画像に指標像が描出されていないときに自動で瞳孔アライメントモードに移行することができる。
【0146】
或いは、第1解析部により2以上の撮影画像のいずれかの所定範囲から指標の像が検出されなかったとき、アライメント制御部は、第2アライメントモードを実行することができる。つまり、撮影画像の一部である所定の探索範囲内に指標像が描出されていないときに自動で瞳孔アライメントモードに移行することができる。
【0147】
撮影画像全体又はその所定範囲から指標の像が検出されなかったとき、アライメント制御部は、第2解析部に特徴位置の検出と被検眼の位置の特定とを実行させ、この被検眼の位置に基づいて第2アライメントモードを実行することができる。
【0148】
この構成によれば、第1アライメントモード(指標アライメントモード)を行えないときに自動で第2アライメントモード(瞳孔アライメントモード)を実行するように制御を行うことができる。
【0149】
実施形態の眼科装置は、第1解析部により撮影画像全体又はその所定範囲から指標の像が検出されなかったときに報知を行う第2報知部(例えば、出力制御部113、ユーザインターフェイス90、出力部95)を更に備えていてよい。
【0150】
この構成によれば、第1アライメントモード(指標アライメントモード)を行えないことを報知することができる。よって、ユーザは、それを認識できるとともに、第2アライメントモード(瞳孔アライメントモード)へ移行するための準備や操作を行うことができる。
【0151】
実施形態において、第2報知部は、第2アライメントモードに移行するためのソフトウェアキーを表示手段に表示させることができる。ソフトウェアキーが操作されたとき、アライメント制御部は、第2アライメントモードを開始することができる。このソフトウェアキーの例として、
図6Cのアライメント情報表示領域210及びアライメント情報210bや、
図8のアライメント情報表示領域410及びアライメント情報411、
図8の枠状画像430がある。
【0152】
この構成によれば、第2アライメントモードに移行するか否かをユーザが決定することができる。なお、
図8の指標像440に対するタップ操作のように、第1アライメントモードに移行するための手段を設けることも可能である。
【0153】
実施形態において、光学系は、2以上の種別のデータを取得可能であってよい。このような実施形態の眼科装置は、光学系により取得されるデータの種別を(自動又は手動で)指定するための指定部を更に備えていてよい。自動指定が可能な指定部は、例えば制御部11である。手動指定のための指定部は、例えばユーザインターフェイス90である。アライメント制御部は、指定部により指定された種別に基づいて第1アライメントモード及び第2アライメントモードの一方を選択することができる。
【0154】
この構成によれば、被検眼に対して行われる検査(測定、撮影等)の種別に応じたアライメントモードを選択することが可能である。
【0155】
実施形態において、第1解析部は、2以上の撮影画像から検出された指標の2以上の像の相対位置に基づいて、光学系の光軸方向(Z方向)における被検眼の位置を特定することができる。また、第1解析部は、2以上の撮影画像における指標の2以上の像の位置に基づいて、光学系の光軸方向に直交する方向(XY方向)における被検眼の位置を特定することができる。
【0156】
複数の測定(撮影)を順次に行う場合、各測定の直前にアライメントを行うことができる。例えば、角膜曲率測定(ケラト測定)と、眼屈折力測定(レフ測定)と、自覚検査(視力測定)とをこの順で行う場合、ケラト測定の前、ケラト測定とレフ測定との間、及び、レフ測定と自覚検査との間に、それぞれアライメントを行うことが可能である。また、複数の測定の一部の直前にアライメントを行うようにしてもよい。
【0157】
以上に説明した実施形態は本発明の典型的な例示に過ぎない。よって、本発明の要旨の範囲内における任意の変形(省略、置換、付加等)を適宜に施すことが可能である。