【解決手段】液体吐出管構造体1に、導入口部12及び吐出口部13に対しそれぞれ連通する本体部11内に並設した一対の筒状空間114L,114Rと、各筒状空間114L,114R内において互いに逆向きの高速旋回流を発生させる螺旋羽根を備えた螺旋羽根本体14L,14Rと、各螺旋羽根本体14L,14Rにより互いに逆向きの高速旋回流を発生させたクーラント液からファインバブルを生成するフリップフロップ現象発生用軸体15L,15Rとを備える。各筒状空間114L,114Rからの互いに逆向きの高速旋回流を発生させたクーラント液同士を互いに向き合う方向から正面衝突させて高速旋回流同士の旋回方向を相殺し、左回りの高速旋回流が封印された無旋回状態のナチュラルなクーラント液を研磨材及び金属材料に吐出する。
前記フリップフロップ現象発生用軸体の吐出口部側の軸端には、前記吐出側半円弧状円管との連結部に向かって突出する円錐形又は截頭円錐形の頂部が設けられている請求項1又は請求項2に記載の液体吐出管構造体。
前記導入口部に対しそれぞれ連通する前記各筒状空間の導入口部側の導入側連通部は、前記各筒状空間の導入口部側端に対し前記導入口部からの液体を互いに離反させる方向へ分離するように両端をそれぞれ連結する半円弧状の導入側半円弧状円管と、この導入側半円弧状円管の最外方端に位置する中間部と前記導入口部との間に連結され、前記導入口部からの液体を前記導入側円管を介して前記各筒状空間に均等に導く導入側直管とを備えている請求項1に記載の液体吐出管構造体。
【背景技術】
【0002】
一般に、金属材料等のフライス削り、中ぐり、穴あけ、ねじ立てなどの加工を行う際にはマシニング等の工作機械が用いられている。
【0003】
このようなマシニングによる加工中は、例えば工作機械に備えた貯留槽に貯留されているクーラント液などをポンプにより配管・ノズルを介して刃物や工作物に供給し、摩擦熱による刃先の硬さ低下や工作物の歪や刃先への工作物の溶着等を防止したりできるようにしている。
【0004】
ところで、金属加工等の業界にあっては、より冷却性能の高いクーラント液等を上記の刃物や工作物に供給して刃物寿命を今まで以上に長くし、刃物交換期間を延ばしてランニングコストを大幅に低減するとともに、摩擦熱による刃先や工作物への悪影響をさらに低減させるようにしたいという要求がある。
【0005】
そこで、従来より、貯留槽内で温度管理された液体をポンプで循環させるようにした循環冷却装置に設けられた、ポンプから送り出された液体に対しファインバブルを発生させて刃物や工作物などの対象物に吐出する液体吐出管構造体として、例えば本願出願人が先に出願したものが知られている(特許文献1参照)。
【0006】
この液体吐出管構造体は、本体部と、この本体部の一端に開設され、ポンプから送り出された液体を導入する導入口部と、本体部の他端に開設され、対象物に向けて液体を吐出する吐出口部と、本体部内に設けられ、導入口部及び吐出口部に対し連通する筒状空間と、この筒状空間における導入口部寄りに内蔵され、導入口部から導入された液体に対し筒状空間内において所定回りの高速旋回流を発生させる螺旋羽根を外周に備えた螺旋羽根本体と、筒状空間における吐出口部寄りに内蔵され、螺旋羽根本体により高速旋回流を発生させた液体からファインバブルを生成するように軸部の外周面に多数の菱形凸部が所定の規則性を以って形成されたフリップフロップ現象発生用軸体とを備えている。この液体吐出管構造体では、より冷却性能の高いクーラント液等の液体を刃物や工作物に供給して刃物寿命を今まで以上に長くでき、刃物交換期間を延ばしてランニングコストを大幅に低減することが可能となるとともに、摩擦熱による刃先や工作物への悪影響をさらに低減させることが可能となる。
【0007】
この場合、液体吐出管構造体の吐出口部から吐出される液体は、マシニングなどの工作機械による加工時の回転方向が通常右回転であるため、導入口部から導入された液体に対し筒状空間内において螺旋羽根により左回りの高速旋回流を発生させることで、右回転で回転している刃物の尻側から供給して、刃物を効率よく冷却するようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、工作機械にあっては、回転を伴わない加工機械、例えば、研磨機や放電加工機などがあり、このような加工機械においても、液体吐出管構造体により高速旋回流を発生させてファインバブルを生成した液体を吐出して、効率よく冷却することが考えられる。
【0010】
その場合、液体吐出管構造体の螺旋羽根により発生させた左回りの高速旋回流によりファインバブルを生成した液体を吐出しても、研磨機や放電加工機などの工作機械では回転を伴わないため、回転を伴わない工作機械に対し左回りの高速旋回流が必ずしも必要であるとは想定し難く、回転を伴わない工作機械をより効率よく冷却したいという要求があった。このような要求は、回転を伴わない工作機械の冷却に限らず、回転を伴わない工作機械の潤滑や洗浄などにおいても液体を効率よく供給したいという要求がある。
【0011】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、回転を伴わない工作機械に対しファインバブルが生成された状態で左回りの高速旋回流が封印された液体を吐出し、回転を伴わない工作機械をより効率よく冷却、潤滑又は洗浄することができる液体吐出管構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するため、本発明では、ポンプから送り出された液体に高速旋回流を発生させ、この高速旋回流によりファインバブルが生成された液体を対象物に対し吐出する液体吐出管構造体を前提とする。更に、本体部と、この本体部の一端に開設され、前記ポンプから送り出された液体を導入する導入口部と、前記本体部の他端に開設され、前記対象物に向けて液体を吐出する吐出口部と、前記本体部内に並設され、前記導入口部及び前記吐出口部に対しそれぞれ連通する一対の筒状空間と、この各筒状空間における前記導入口部寄りにそれぞれ内蔵され、前記導入口部から導入された液体に対し前記各筒状空間内において互いに逆向きの高速旋回流を発生させる螺旋羽根を外周に備えた螺旋羽根本体と、前記各筒状空間における前記吐出口部寄りにそれぞれ内蔵され、前記各螺旋羽根本体により互いに逆向きの高速旋回流を発生させた液体からファインバブルを生成するように軸部の外周面に多数の菱形凸部が所定の規則性を以って形成されたフリップフロップ現象発生用軸体とを備える。そして、前記吐出口部に対しそれぞれ連通する前記各筒状空間の吐出口部側の吐出側連通部に、その各筒状空間の吐出側端に対し当該各筒状空間からの互いに逆向きの高速旋回流を発生させた液体同士が互いに向き合う方向から正面衝突するように両端をそれぞれ連結する半円弧状の吐出側半円弧状円管と、この吐出側半円弧状円管の最外方端に位置する中間部と前記吐出口部との間に連結され、当該吐出側半円弧状円管において互いに逆向きの高速旋回流同士を正面衝突させた液体を前記吐出口部に導く吐出側直管とを備えることを特徴としている。
【0013】
また、前記各筒状空間の周壁に、その導入口部側端から吐出口部側端に近付くに従って縮径するテーパーを形成する。そして、前記各フリップフロップ現象発生用軸体の各菱形凸部の断面積を、前記各筒状空間の最吐出口部側端での断面積が前記各筒状空間の最導入口部側端での断面積の略65〜80%となるように、前記各筒状空間の周壁のテーパーに則して漸減させることがこのましい。
【0014】
また、前記フリップフロップ現象発生用軸体の吐出口部側の軸端に、前記吐出側半円弧状円管との連結部に向かって突出する円錐形又は截頭円錐形の頂部を設けることがこのましい。
【0015】
更に、前記導入口部に対しそれぞれ連通する前記各筒状空間の導入口部側の導入側連通部に、前記各筒状空間の導入口部側端に対し前記導入口部からの液体を互いに離反させる方向へ分離するように両端をそれぞれ連結する半円弧状の導入側半円弧状円管と、この導入側半円弧状円管の最外方端に位置する中間部と前記導入口部との間に連結され、前記導入口部からの液体を前記導入側半円弧状円管を介して前記各筒状空間に均等に導く導入側直管とを設けることがこのましい。
【発明の効果】
【0016】
以上、要するに、一対の筒状空間において互いに逆向きに高速旋回流を発生させた液体同士を吐出側半円弧状円管に導出して互いに向き合う方向から正面衝突させて吐出側直管から吐出口部に導くことで、互いに向き合う方向からの正面衝突によって互いに逆向きの高速旋回流同士の旋回方向が相殺される。これにより、回転を伴わない工作機械に対しファインバブルが生成された状態で左回りの高速旋回流が封印された無旋回状態のナチュラルな液体を吐出し、回転を伴わない工作機械をより効率よく冷却、潤滑又は洗浄することができる。
【0017】
また、各筒状空間の吐出口部側端での各フリップフロップ現象発生用軸体の各菱形凸部の断面積を、各筒状空間の導入口部側端での断面積の略65〜80%となるように、各筒状空間の導入口部側端から吐出口部側端に近付くに従って縮径する各筒状空間の周壁のテーパーに則して漸減させることで、フリップフロップ現象発生用軸体の各菱形凸部同士の間を流れる液体の流速及び液圧が増大する。これにより、より細かいファインバブルを生成した液体を吐出口部より吐出することができる。
【0018】
また、フリップフロップ現象発生用軸体の吐出口部側の軸端に、吐出側半円弧状円管との連結部に向かって突出する円錐形又は截頭円錐形の頂部を設けることで、各筒状空間においてそれぞれ発生した高速旋回流の中心を吐出側半円弧状円管との連結部に向かってスムーズに案内している。これにより、高速旋回流を各筒状空間の周壁に沿って案内し、各筒状空間の周壁に対する高速旋回流の離接によるばたつきを防止して当該各筒状空間の高速旋回流を吐出側半円弧状円管までスムーズに案内することができる。
【0019】
更に、導入口部から導入側直管を介して半円弧状の導入側半円弧状円管の最外方端に位置する中間部より導入した液体を互いに離反させる方向へ分離するように導入側半円弧状円管の円弧に沿って各筒状空間に導くことで、各筒状空間の導入口部側端の端面に対し液体が略直交する方向から均等に導入される。これにより、各筒状空間内において互いに逆向きの高速旋回流が均一に発生し、吐出側半円弧状円管での互いに向き合う方向からの液体の正面衝突によって互いに逆向きの高速旋回流同士の旋回方向を効率よく相殺することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0022】
図1は本発明に係る液体吐出管構造体を用いた研磨装置の概略構成図を示している。
【0023】
図1において、1は液体吐出管構造体であって、この液体吐出管構造体1は、研磨材X2に対し振動モータX1により振動を付与して載置台X0上の対象物としての金属材料Wを研磨するような回転を伴わない研磨装置Xに設けられている。また、研磨装置Xは、液体としてのクーラント液を一定温度に冷却するチラー冷却装置X3と、このチラー冷却装置X3で一定温度に冷却された貯留層X4内のクーラント液を圧送する電動ポンプX5(ポンプ)とを備えている。そして、電動ポンプX5により圧送されたクーラント液は、液体吐出管構造体1に導入され、この液体吐出管構造体1において発生させた高速旋回流によりファインバブルを生成させて、研磨材X2及び金属材料Wに対しノズル10から吐出して冷却するようにしている。
【0024】
図2は液体吐出管構造体1の縦断側面図を示している。また、
図3は
図2のA−A線における液体吐出管構造体の導入側構成体の正面図、
図4は
図2のB−B線において分離した液体吐出管構造体の中央構成体の正面図、
図5は
図2のC−C線において分離した液体吐出管構造体の吐出側構成体の正面図をそれぞれ示している。
【0025】
図2〜
図5に示すように、液体吐出管構造体1は、本体部11と、電動ポンプX5から送り出されたクーラント液を導入する導入口部12と、研磨材X2及び金属材料Wに向けてノズル10を介してクーラント液体を吐出する吐出口部13と、一対の螺旋羽根本体14L,14Rと、一対のフリップフロップ現象発生用軸体15L,15Rとを備えている。
【0026】
本体部11は、導入口部12を内蔵する導入側構成体111と、吐出口部13を内蔵する吐出側構成体112と、一対の螺旋羽根本体14L,14R及びフリップフロップ現象発生用軸体15L,15Rを内蔵する中央構成体113とに3分割されている。
【0027】
中央構成体113は、その内部に並設され、かつ導入口部12及び吐出口部13に対しそれぞれ両端が連通する一対の筒状空間114L,114Rを備えている。各筒状空間114L,114R内の導入口部12側には、螺旋羽根本体14L,14Rがそれぞれ収容されている一方、各筒状空間114L,114R内の吐出口部13側には、フリップフロップ現象発生用軸体15L,15Rがそれぞれ収容されている。
【0028】
一対の筒状空間114L,114Rのうちの一方(
図2では下側)の筒状空間114Lに収容される螺旋羽根本体14Lは、筒状空間114L内に収容された際に、その筒状空間114Lの内周面に近接する位の外径からなる金属製の短い円柱部材を加工したものであって、横断面円形の軸部141と、3枚の螺旋状の羽根142a,142b,142cとを備えている。一方、他方(
図2では上側)の筒状空間114Rに収容される螺旋羽根本体14Rも、筒状空間114R内に収容された際に、その筒状空間114Rの内周面に近接する位の外径からなる金属製の短い円柱部材を加工したものであって、横断面円形の軸部141と、3枚の螺旋状の羽根142a,142b,142cとを備えている。
【0029】
また、螺旋羽根本体14Lの各羽根142a,142b,142cは、それぞれの端部位置を軸部141の円周方向に120度ずつずらして位置させ、軸部141の一端から他端まで外周面に所定間隔を以って反時計回りに螺旋状に形成してある。このとき、螺旋羽根本体14Lの各羽根142a,142b,142cは、導入口部12から導入されたクーラント液に対し筒状空間114L内において左回りの高速旋回流を発生させている。
【0030】
一方、螺旋羽根本体14Rの各羽根142a,142b,142cは、それぞれの端部位置を軸部141の円周方向に120度ずつずらして位置させ、軸部141の一端から他端まで外周面に所定間隔を以って時計回りに螺旋状に形成してある。このとき、螺旋羽根本体14Rの各羽根142a,142b,142cは、導入口部12から導入されたクーラント液に対し筒状空間114R内において右回りの高速旋回流を発生させている。
【0031】
図6は一方の筒状空間114Lに収容される螺旋羽根本体14Lの羽根142a,142b,142cの説明図、
図7は他方の筒状空間114Rに収容される螺旋羽根本体14Rの羽根142a,142b,142cの説明図をそれぞれ示している。
【0032】
図6に示すように、螺旋羽根本体14Lの各羽根142a,142b,142cは、平面視した場合に軸部141の外周面に図上の水平線Yに対して75°〜76°の角度で螺旋状に形成されている。一方、
図7に示すように、螺旋羽根本体14Rの各羽根142a,142b,142cは、平面視した場合に軸部141の外周面に図上の水平線Yに対して104°〜105°の角度で螺旋状に形成されている。そして、各羽根142a,142b,142cの間隔である溝幅は8mmに、また、各羽根142a,142b,142cの厚さは2mmに、さらに各羽根142a,142b,142cの半径方向外方端から軸部141の外周面までの深さは9mmに設定されている。また、各羽根142a,142b,142cの周方向両端は、刃状に鋭角に形成されている。
【0033】
フリップフロップ現象発生用軸体15L(15R)は、筒状空間114L(114R)内への収容時にその筒状空間114L(114R)の内周面に近接する位の外径の金属製の円柱部材を加工したものである。このフリップフロップ現象発生用軸体15L(15R)の横断面円形の軸部151の外周面には、多数の菱形凸部152,152,…が所定の規則性を以って形成されている。
【0034】
各筒状空間114L,114Rの周壁には、導入口部12から吐出口部13に近付くに従って縮径するテーパーが形成されている。このテーパーは、各フリップフロップ現象発生用軸体15L(15R)の軸芯に対し側面視で略1°程度傾斜している。そして、各筒状空間114L(114R)の最吐出口部13側端での各フリップフロップ現象発生用軸体15l(15R)の各菱形凸部152の断面積が、各筒状空間114L,114Rの最導入口部12側端での断面積の略80%となるように各筒状空間114L,114Rの周壁のテーパーに則して漸減している。
【0035】
フリップフロップ現象発生用軸体15L(15R)は、筒状空間114L(114R)内に収容したときに螺旋羽根本体14L(14R)側に位置する導入口部12側端(
図2では左端)に截頭円錐形の段部154L,154Rを備えているとともに、吐出口部13側端(
図2では右端部)に円錐形の頂部153L,153Rを備えている。この頂部153L,153Rは、それぞれ略30°の角度に形成されている。段部154L,154Rの先端は、螺旋羽根本体14L,14Rに当接している。このとき、螺旋羽根本体14L,14Rは、各筒状空間114L,114R内に収容したときに導入側構成体111の端面に当接し、導入側構成体111側へのそれ以上の移動が規制されている。
【0036】
吐出側構成体112は、吐出口部13に対しそれぞれ連通する各筒状空間114L,114Rの吐出口部13側の吐出側連通部16を備えている。この吐出側連通部16は、各筒状空間114L,114Rの吐出口部13側端に連結され、かつフリップフロップ現象発生用軸体15L,15Rの頂部153L,153Rと同じ30°の角度に設定された内テーパー面161,161と、各筒状空間114L,114Rからの互いに逆向きの高速旋回流を発生させた液体同士が互いに向き合う方向(
図2では上下方向)から正面衝突させるように各筒状空間114L,114Rの吐出口部13側端に対し連結する半円弧状の吐出側半円弧状円管162と、この吐出側半円弧状円管162の最外方(
図2では右側方)に位置する中間部と吐出口部13との間に連結され、当該吐出側半円弧状円管162において互いに逆向きの高速旋回流同士を正面衝突させたクーラント液を吐出口部13に導く吐出側直管163とを備えている。
【0037】
また、各筒状空間114L,114Rの内テーパー面161,161と吐出側半円弧状円管162の両端との間には、吐出側半円弧状円管162の両端とそれぞれ同一径に形成されて内テーパー面161と連結する連結用直管164,164がそれぞれ設けられている。そして、フリップフロップ現象発生用軸体15L,15Rは、各筒状空間114L,114R内に収容したときに吐出側構成体112の端面に当接し、吐出側構成体112側へのそれ以上の移動が規制されている。この場合、頂部153L,153Rの先端は、吐出側連通部16の各連結用直管164と吐出側半円弧状円管162の両端との連結部位に位置している。
【0038】
図8は液体吐出管構造体1のフリップフロップ現象発生用軸体15L(15R)の規則性を以った多数の各菱形凸部を示す説明図、
図9はフリップフロップ現象発生用軸体15L(15R)の一菱形凸部を示す説明図をそれぞれ示している。
【0039】
図8及び
図9において、また、このフリップフロップ現象発生用軸体15L,15Rの各菱形凸部152は、円柱部材を研削加工して軸部151の外周面から半径方向外方に突出するように形成されている。
【0040】
すなわち、各菱形凸部152は、円柱部材の長手方向に対して90°の方向(円周方向)に一定間隔を以った複数のライン155と、円柱部材の長手方向に対して60°(または62°)の角度を以った一定間隔毎のライン156とを交差させ、ライン155とライン156の間をひとつ飛び毎に研削するとともに、斜めのライン156とライン156の間をひとつ飛び毎に研削し、上下(円周方向)、左右(軸部151の長手方向)にひとつ飛び毎に、軸部151の外周面から突出するように形成されている。この場合、菱形凸部152の両頂部の角度は、28°に設定されている。
【0041】
このようにして各菱形凸部152を形成することによって、多数の菱形凸部152,152,…が、各螺旋羽根本体14L,14Rにより互いに逆向きの高速旋回流を発生させたクーラント液からそれぞれファインバブルを生成するように、軸部151の外周面に所定の規則性を以って両端部の間で並んで形成されている。
【0042】
更に、導入側構成体111は、導入口部12に対しそれぞれ連通する各筒状空間114L,114Rの導入口部12側の導入側連通部17を備えている。この導入側連通部17は、各筒状空間114L,114Rの導入口部12側端に連結され、かつ導入口部12側に近付くに従い縮径するように60°に設定された内テーパー面171,171と、各筒状空間114L,114Rの導入口部12側端に対し各内テーパー面171を介して導入口部12からのクーラント液を互いに離反させる方向へ分離するように両端をそれぞれ連結する半円弧状の導入側半円弧状円管172と、この導入側半円弧状円管172の最外方(
図2では左側方)に位置する中間部と導入口部12との間に連結され、導入口部12からのクーラント液を導入側半円弧状円管172を介して各筒状空間114L,114Rに均等に導く導入側直管173とを備えている。
【0043】
したがって、本実施の形態では、一対の筒状空間114L,114Rにおいて互いに逆向きに高速旋回流を発生させたクーラント液同士が吐出側連通部16の吐出側半円弧状円管162に導出され、互いに向き合う方向から正面衝突させて吐出側直管163から吐出口部13に導かれるので、互いに向き合う方向からの正面衝突によって互いに逆向きとなる左回りと右回りの高速旋回流同士の旋回方向が相殺される。これにより、研磨材X2に対し振動モータX1により振動を付与して載置台X0上の金属材料Wを研磨するような回転を伴わない研磨装置Xの研磨材X2及び金属材料Wに対しファインバブルが生成された状態で左回りの高速旋回流が封印された無旋回状態のナチュラルなクーラント液をノズル10から吐出し、研磨装置Xの研磨材X2及び金属材料Wをより効率よく冷却することができる。
【0044】
また、各筒状空間114L,114Rの吐出口部側端での各フリップフロップ現象発生用軸体15L,15Rの各菱形凸部152の断面積が、各筒状空間114L,114Rの導入口部12側端での断面積の略80%となるように、各筒状空間114L,114Rの導入口部12側端から吐出口部側端に近付くに従って縮径する各筒状空間114L,114Rの周壁のテーパーに則して漸減しているので、フリップフロップ現象発生用軸体15L,15Rの各菱形凸部152,152同士の間を流れるクーラント液の流速及び液圧が増大する。これにより、より細かいファインバブルが生成されたクーラント液を吐出口部13よりノズル10を介して吐出することができる。
【0045】
また、フリップフロップ現象発生用軸体15L,15Rの吐出口部13側の軸端に、吐出側連通部16の各連結用直管164と吐出側半円弧状円管162の両端との連結部位に先端が位置する円錐形の頂部153L,153Rが設けられているので、各筒状空間114L,114Rにおいてそれぞれ発生した高速旋回流の中心を吐出側半円弧状円管との連結部位に向かって頂部153L,153Rがスムーズに案内している。これにより、高速旋回流を各筒状空間114L,114Rの周壁に沿って案内し、各筒状空間114L,114Rの周壁に対する高速旋回流の離接によるばたつきを防止して当該各筒状空間114L,114Rの高速旋回流を吐出側半円弧状円管162までスムーズに案内することができる。
【0046】
更に、導入口部12から導入側連通部17の導入側直管173を介して導入側半円弧状円管172の最外方端に位置する中間部より導入したクーラント液が互いに離反する方向へ分離されるように導入側半円弧状円管172の円弧に沿って各筒状空間114L,114Rに導かれるので、各筒状空間114L,114Rの導入口部12側端の端面に対しクーラント液が略直交する方向から均等に導入される。これにより、各筒状空間114L,114R内において互いに逆向きの高速旋回流が均一に発生し、吐出側連通部16の吐出側半円弧状円管162での互いに向き合う方向からのクーラント液の正面衝突によって互いに逆向きの高速旋回流同士の旋回方向を効率よく相殺することができる。
【0047】
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。例えば、前記実施の形態では、各フリップフロップ現象発生用軸体15L,15Rの各菱形凸部152の吐出口部13側端での断面積を、各筒状空間114L,114Rの導入口部12側端での断面積の略80%となるように漸減させたが、各フリップフロップ現象発生用軸体の各菱形凸部の吐出口部側端での断面積が、各筒状空間の導入口部側端での断面積の略65%〜80%未満となるように、各筒状空間の導入口部側端から吐出口部側端に近付くに従って縮径する各筒状空間の周壁のテーパーに則して漸減していてもよい。この場合には、フリップフロップ現象発生用軸体の各菱形凸部同士の間を流れる液体の流速及び液圧がさらに増大し、より一層細かいファインバブルが生成された液体を吐出口部より吐出することが可能となる。
【0048】
また、本実施の形態では、各フリップフロップ現象発生用軸体15L,15Rの吐出口部13側端に円錐形の頂部153L,153Rを設けたが、截頭円錐形の頂部であってもよく、又は頂部自体が存在しなくてもよい。更に、各フリップフロップ現象発生用軸体15L,15Rの吐出口部13側端に円錐形の頂部153L,153Rをそれぞれ略30°の角度に形成したが、円錐形の頂部が15°〜30°未満の角度であってもよく、この場合には、各筒状空間の周壁に対する高速旋回流の離接によるばたつきを長い距離に亘って防止して当該各筒状空間の高速旋回流を吐出側半円弧状円管までより一層スムーズに案内することが可能となる。
【0049】
また、本実施の形態では、研磨材X2に対し振動モータX1により振動を付与して金属材料Wを研磨するような回転を伴わない研磨装置Xの研磨材X2及び金属材料Wに対し液体吐出管構造体1からクーラント液を吐出させたが、切削機械や研削機械等の各種の工作機械の刃物と加工物との接触箇所に対し温度管理された切削・研削油を供給したり、エンジンのクランクや、プレスのクランク、線引きダイス等に温度管理された潤滑油を供給したり、各種の工作機械に対し洗浄液などを供給する際等に液体吐出管構造体が用いられていてもよい。
【0050】
また、本実施の形態では、各筒状空間114L,114Rの導入口部12側端に対し各内テーパー面171を介して導入口部12からのクーラント液を互いに離反させる方向へ分離するように両端をそれぞれ連結する半円弧状の導入側半円弧状円管172を設けたが、各筒状空間の導入口部側端に対し導入口部からのクーラント液を略Y字状に分離するように両端をそれぞれ連結する半Y字状の導入側Y字管が設けられていてもよい。
【0051】
更に、本実施の形態において図示した例の各数値は最適な例示であって、例えば菱形凸部の両頂部の角度は、28°に限らず他の角度に設計変更してもよく、また、軸部を平面視した場合に水平線に対しての角度も、75°乃至76°に限らず、75°以下または76°以上にしてもよい。螺旋羽根についても同様である。