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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-225924(P2017-225924A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】排水処理方法および排水処理装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/70 20060101AFI20171201BHJP
   C02F 1/32 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   C02F1/70 Z
   C02F1/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-123176(P2016-123176)
(22)【出願日】2016年6月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001472
【氏名又は名称】特許業務法人かいせい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉永 勝己
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 一徳
【テーマコード(参考)】
4D037
4D050
【Fターム(参考)】
4D037AA11
4D037AB12
4D037BA18
4D037BB08
4D037CA09
4D050AA12
4D050AB17
4D050BA12
4D050BC09
4D050BD02
4D050BD06
4D050BD08
4D050CA08
4D050CA15
(57)【要約】
【課題】光化学反応を用いた排水処理方法において、運転条件の最適化を図る。
【解決手段】少なくとも硝酸イオンを含有する水溶液が貯留されたバッファ槽100から水溶液を反応槽200に供給する水溶液供給工程と、硝酸イオンの還元反応に用いられる還元剤を水溶液に供給する還元剤供給工程と、反応槽200への水溶液の供給完了後、あるいは供給完了前に、反応槽200の水溶液に還元剤の存在下で紫外線を照射して硝酸イオンの還元反応を進行させる硝酸イオン低減工程と、硝酸イオンの還元反応によって水溶液の硝酸イオン濃度が低減した後、反応槽200から水溶液を排出する水溶液排出工程とを備え、水溶液供給工程、還元剤供給工程、硝酸イオン低減工程および水溶液排出工程を繰り返し行うことが可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも硝酸イオンを含有する水溶液を反応槽(200)に供給する水溶液供給工程と、
前記反応槽への前記水溶液の供給時、あるいは前記反応槽への前記水溶液の供給後の少なくとも何れかに、硝酸イオンの還元反応に用いられる還元剤を前記水溶液に1回あるいは複数回に分けて供給する還元剤供給工程と、
前記反応槽への前記水溶液の供給完了後、あるいは供給完了前に、前記反応槽の前記水溶液に前記還元剤の存在下で紫外線を照射して硝酸イオンの還元反応を進行させる硝酸イオン低減工程と、
前記硝酸イオンの還元反応によって前記水溶液の硝酸イオン濃度が低減した後、前記反応槽から前記水溶液を排出する水溶液排出工程とを備え、
前記水溶液供給工程、前記還元剤供給工程、前記硝酸イオン低減工程および前記水溶液排出工程を繰り返し行うことが可能である排水処理方法。
【請求項2】
前記水溶液の量、前記水溶液の温度および前記水溶液の硝酸イオン濃度の少なくともいずれかを計測し、当該計測値に基づいて異常状態が発生していると判定された場合に、異常状態が発生した旨をユーザに報知する請求項1に記載の排水処理方法。
【請求項3】
前記水溶液の量、前記水溶液の温度および前記水溶液の硝酸イオン濃度の少なくともいずれかを計測し、当該計測値に基づいて異常状態が発生していると判定された場合に、前記水溶液供給工程、前記還元剤供給工程、前記硝酸イオン低減工程および前記水溶液排出工程の少なくともいずれかの工程を停止する請求項1または2に記載の排水処理方法。
【請求項4】
前記水溶液供給工程、前記還元剤供給工程、前記硝酸イオン低減工程および前記水溶液排出工程の少なくともいずれかの工程を停止した後に、前記計測値に基づいて前記異常状態が解消されたと判定された場合には、停止した工程を再開する請求項3の記載の排水処理方法。
【請求項5】
前記硝酸イオン低減工程において、前記反応槽に供給された前記水溶液に紫外線を照射開始してから所定時間が経過した時点で、前記水溶液の硝酸イオン濃度が予め設定された所定濃度を下回っていない場合に、前記異常状態が発生していると判定する請求項2ないし4のいずれか1つに記載の排水処理方法。
【請求項6】
前記反応槽において、前記水溶液の量が予め設定された所定量を上回っている場合に、前記異常状態が発生していると判定する請求項2ないし4のいずれか1つに記載の排水処理方法。
【請求項7】
前記水溶液の温度が予め設定された所定温度を上回っている場合に、前記異常状態が発生していると判定する請求項2ないし4のいずれか1つに記載の排水処理方法。
【請求項8】
少なくとも硝酸イオンを含有する水溶液を貯留するバッファ槽(100)と、
前記硝酸イオンの還元反応に用いられる還元剤を貯留する還元剤槽(300)と、
前記バッファ槽から前記水溶液が供給されるとともに、前記還元剤槽から前記還元剤が供給され、前記還元剤の存在下で前記水溶液に紫外線を照射する紫外線照射部(206)を有し、前記硝酸イオンの還元反応を進行させる反応槽(200)と、
前記水溶液の量、前記水溶液の温度および前記水溶液の硝酸イオン濃度の少なくともいずれかを計測するセンサ(101〜105、201〜205、301、302)と、
ユーザに異常状態が発生した旨を報知するエラー報知部(501、502、503)と、
前記センサによる計測値に基づいて前記異常状態が発生していると判定された場合に、前記エラー報知部で前記異常状態の報知を行う制御部(500)とを備える排水処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硝酸性窒素を含む窒素含有排水の排水処理方法および排水処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境中への窒素の流出と蓄積が世界的に問題となっており、動植物への悪影響が懸念されている。窒素含有排水に含まれるアンモニア性窒素(アンモニムイオン:NH4+)、硝酸性窒素(硝酸イオン:NO3-)、亜硝酸性窒素(亜硝酸イオン:NO2-)は、水質汚濁防止法で排出基準が定められている。これらの窒素化合物は、環境保全の観点から今後、規制強化の可能性があり、窒素化合物を低濃度化する技術が求められている。硝酸性窒素と亜硝酸性窒素からなる硝酸態窒素を除去する手段としては、物理化学的な方法(例えばイオン交換、逆浸透、電気化学的透析、電気還元など)、生物学的な方法、触媒または光触媒を用いた方法、光化学反応を用いた方法が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、光化学反応を用いた排水処理方法として、硝酸カリウム水溶液にメタノールまたはエタノールを共存させて紫外線を照射することで、排水中の硝酸イオン濃度を低下させる方法について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−30803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の光化学反応を用いた排水処理方法は、運転条件が最適化されておらず、排水処理の手間、コスト、メンテナンス等の観点から実用性に乏しい。
【0006】
本発明は上記点に鑑み、光化学反応を用いた排水処理方法において、運転条件の最適化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の排水処理方法の発明では、少なくとも硝酸イオンを含有する水溶液を反応槽(200)に供給する水溶液供給工程と、反応槽への水溶液の供給時、あるいは反応槽への水溶液の供給後の少なくとも何れかに、硝酸イオンの還元反応に用いられる還元剤を水溶液に1回あるいは複数回に分けて供給する還元剤供給工程と、反応槽への水溶液の供給完了後、あるいは供給完了前に、反応槽の水溶液に還元剤の存在下で紫外線を照射して硝酸イオンの還元反応を進行させる硝酸イオン低減工程と、硝酸イオンの還元反応によって水溶液の硝酸イオン濃度が低減した後、反応槽から水溶液を排出する水溶液排出工程とを備え、水溶液供給工程、還元剤供給工程、硝酸イオン低減工程および水溶液排出工程を繰り返し行うことが可能であることを特徴としている。
【0008】
本発明によれば、運転条件の最適化を図り、排水供給工程、還元剤供給工程、硝酸イオン低減工程、排水排出工程を自動運転によって連続的に実行することができる。
【0009】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明を適用した第1実施形態の排水処理装置の構成を示す説明図である。
図2】紫外線照射装置の構成を示す図である。
図3】制御装置の構成を示す図である。
図4】排水に含まれる共存成分を示す図である。
図5】反応槽における硝酸イオンの経時的変化を示すグラフである。
図6】紫外線照射装置の変形例を示す図である。
図7】紫外線照射装置の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態の排水処理装置は、第1バッファ槽100、反応槽200、還元剤槽300、第2バッファ槽400を備えている。また、排水処理装置は、排水や還元剤が流れる配管10、20、30、40、50を備えている。配管10、20、30、40、50は、それぞれを流れる液体によって腐食を受けない材質、例えばステンレスやテフロン(登録商標)等の樹脂を用いることが好ましい。
【0012】
第1バッファ槽100は、硝酸イオンを低減する浄化処理(すなわち、硝酸イオンの減少処理)を行う前の排水を貯留する容器である。第1バッファ槽100には、第1配管10を介して外部から排水が供給される。第1配管10には、第1配管10に排水を送出するための第1ポンプ11が設けられている。
【0013】
本第1実施形態の排水は、窒素化合物含有排水であり、窒素化合物として少なくとも硝酸イオン(NO3-)が含まれた水溶液であればよい。さらに排水には、共存成分としてアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、遷移金属イオン、ほう酸イオン、フッ化物イオン、ケイ酸イオン、りん酸イオン、硫酸イオン、塩化物イオンから選択される1種類以上のイオンを含有していてもよい。
【0014】
第1バッファ槽100の容量は特に限定されないが、バッファ槽100に流入する排水量によっては溢れるおそれがあるため、数十L〜数百Lないし数千L程度の容量とすることが好ましい。また、第1バッファ槽100の材質は特に限定されないが、大容量に耐える必要があるため、ステンレスや樹脂等、割れにくい材質とすることが好ましい。
【0015】
第1バッファ100には、排水の液面レベルを検出する液面センサ101、排水の温度を検出する温度センサ102、排水のpHを検出するpHセンサ103、排水の電気伝導度(EC:Electric Conductivity)を検出するECセンサ104、排水中の硝酸イオン濃度を検出する硝酸イオン濃度センサ105が設けられている。ECセンサ104では、電気伝導度に基づいて排水中の電解質濃度を検出することができ、間接的に硝酸イオン濃度を検出することができる。これらのセンサ101、102、103、104、105から出力されるセンサ信号は、後述する制御装置500に入力される。
【0016】
第1バッファ槽100から反応槽200には、第2配管20を介して排水が供給される。第2配管20には、第2配管20に排水を送出するための第2ポンプ21が設けられている。
【0017】
第2配管20には、排水に含まれる微細な固形物等をろ別するためのフィルタ22が設けられている。フィルタ22は、第1バッファ槽100に排水が流入する前、または、第1バッファ槽100から流出した排水が反応槽200に流入するまでの間に設けられていればよい。なお、フィルタ22は交換可能となっている。
【0018】
また、排水中にウイルスや微生物が含まれている可能性がある場合には、ウイルスや微生物をろ別できるフィルタ22を用いることが望ましい。さらに、排水が農業廃液である場合には、肥料成分として必須要素のカリウム(K)とリン(PO43-)の濃度を低減するために、フィルタ22にイオン交換膜を設けてもよい。
【0019】
反応槽200は、排水を収容する容器である。反応槽200では、排水中の硝酸イオン濃度を低減する浄化処理が行われる。硝酸イオンの浄化処理は、還元剤の存在下で排水に紫外線を照射して硝酸イオンの還元反応を進行させることで行われる。
【0020】
反応槽200は、1個あるいは複数個設けることができる。反応槽200を複数個設ける場合には、同一構造あるいはそれに準ずる構造の反応槽200を直列的に設け、上流側の反応槽200から順に同一の浄化処理を繰り返し行うようにすればよい。もしくは、複数の反応槽200を並列的に設け、同一の浄化処理を同時進行的に行ってもよい。
【0021】
反応槽200の大きさは特に限定されないが、実用性を考慮して数〜数十L、あるいは数百Lとすることが望ましい。
【0022】
反応槽200の材質は、光を透過しない材質であれば特に限定されないが、少なくとも紫外線が照射される部分は紫外線による劣化を防ぐために金属やガラスを用いることが望ましい。あるいは反応槽200にPTFE等の耐紫外線性に優れた樹脂を用いてもよい。
【0023】
紫外線照射部207から照射される紫外線を外部に漏らさないために、反応槽200の内壁に紫外線を反射する材料を配置するか、あるいは反応槽200の内壁を紫外線を反射する構造とすることが望ましい。紫外線を反射する材料としては、例えばアルミニウム等を用いることができる。また、紫外線を反射する構造としては、幾何学的な加工が施された構造を用いることができる、
反応槽200には、排水の液面レベルを検出する液面センサ201、排水の温度を検出する温度センサ202、排水のpHを検出するpHセンサ203、排水の電気伝導度を検出するECセンサ204、排水中の硝酸イオン濃度を検出する硝酸イオン濃度センサ205、還元剤濃度を検出する還元剤濃度センサ206が設けられている。これらのセンサ201、202、203、204、205、206から出力されるセンサ信号は、後述する制御装置500に入力される。
【0024】
反応槽200には、排水に紫外線を照射するための紫外線照射装置207が設けられている。本実施形態では、紫外線照射装置207として高圧水銀ランプを用いている。高圧水銀ランプの出力は特に限定されないが、反応槽200に収容可能な排水の硝酸イオンモル数(硝酸イオン濃度×排水量)によって定まる必要光子数に基づいて高圧水銀ランプの出力を決定することができる。
【0025】
紫外線照射装置207として高圧水銀ランプを用いることで、低圧水銀ランプを用いる場合よりも、排水中の硝酸イオンの減少速度を速くすることができる。また、紫外線照射装置207として高圧水銀ランプを用いることで、排水中に亜硝酸イオンが残存することを抑制できる。
【0026】
紫外線照射装置207から照射される紫外線の波長が300nm以下だと、上述した排水の共存成分に紫外線が吸収され、硝酸イオンの還元反応が充分に行われない。このため、本実施形態では、紫外線照射装置207から300nmより長い波長の紫外線を照射するようにしている。なお、紫外線照射装置207から照射される紫外線には、300nm以下の波長の紫外線も微量含まれている。
【0027】
紫外線照射装置207を構成する高圧水銀ランプは、1本でも複数本でもよい。保守の観点からは、1本の高出力の高圧水銀ランプを用いるよりも、複数本の中出力の高圧水銀ランプを用いることが望ましい。
【0028】
紫外線照射装置207は、紫外線照射装置207から反応槽200の全体に紫外線を均一に照射するために、反応槽200において以下のように配置することが望ましい。紫外線照射装置207を1本のランプから構成する場合には、ランプを反応槽200の垂直方向あるいは水平方向いずれかの断面の幾何学的な重心位置付近に配置することが望ましい。紫外線照射装置207を複数本のランプから構成する場合には、各ランプ中心間の距離をランプ中心と反応槽200の内壁との距離で除した数値を1〜2程度とすることが望ましい。また、ランプと反応槽200の内壁面との距離は、反応槽200の大きさにもよるが、実用性を考慮すると100〜300mm程度とすることが望ましい。
【0029】
紫外線照射装置207に用いる水銀ランプは、所定の使用時間毎に交換が必要である。このため、ランプの使用時間をタイマで管理し、ランプ交換時期が到来した場合にユーザにランプ交換を促す報知を行うことが望ましい。
【0030】
紫外線照射装置207を構成する水銀ランプは、冷却が必要である。水銀ランプの冷却は、水冷式あるいは空冷式とすることができ、本実施形態では水冷式としている。
【0031】
図2に示すように、紫外線照射装置207は、水銀ランプから構成されるランプ部207aと、ランプ部207aを収容するケース部207bを備えている。ケース部207bは、石英ガラスによって構成されている。ケース部207bは中空構造となっている。ケース207bの内部には冷却水が循環して、ランプ部207aの熱が排水に影響しないようになっている。図2に示す例では、冷却水は、ケース部207の上部から流入し、ケース部207bの上部から流出する。なお、ランプ部207aの冷却に利用する媒体は、反応に寄与する紫外線を吸収しない媒体であれば水に限定されない。
【0032】
ケース207bには、ランプ部207aを挿入する部位に蓋部207cが設けられている。蓋部207cは、紫外線が外部に漏れ出さない材質かつ構造であればよい。
【0033】
反応槽200には、内部の排水を撹拌するための撹拌装置208が設けられている。撹拌装置208は、反応槽200の内部に設けられた撹拌子209を磁力によって回転させることで、排水を撹拌することができる。撹拌子209は、耐薬品性や耐紫外線性に優れた材質とすることが望ましく、例えばステンレス、テフロン(登録商標)、ガラス等を用いることができる。撹拌装置208による撹拌速度は特に限定されないが、数十rpm以上とすることが望ましい。
【0034】
反応槽200には、反応槽200の内部と外部を連通させる通気口であるベント穴210が設けられている。反応槽200の内部で排水の浄化処理に伴って窒素ガス等が生成した場合には、生成ガスがベント穴210から外部に排出される。
【0035】
反応槽200の排水には、硝酸イオンの還元反応に用いられる還元剤が添加される。還元剤は、分子中の炭素数が6以下の有機物であることが望ましい。炭素数1〜6の有機物としては、ギ酸、エタノール、グリコール酸、酒石酸、クエン酸等を例示できる。また、炭素数1または2の還元剤(すなわちギ酸、エタノール)は、硝酸イオン減少率が高いことから、還元剤は炭素数が2以下の有機物であることがより望ましい。これらの有機物は、水に溶解させてもよく、あるいは水で希釈してもよい。
【0036】
還元剤槽300は、還元剤を収容する容器である。還元剤は、還元剤槽300から第3配管30を介して反応槽200に供給される。第3配管30には、還元剤を第3配管30に送出するための第3ポンプ31が設けられている。還元剤槽300の還元剤が減少した場合には、必要に応じて還元剤が外部から補充すればよい。
【0037】
還元剤槽300には、還元剤の液面レベルを検出する液面センサ301、還元剤の温度を検出する温度センサ302が設けられている。また、還元剤の種類によっては、環境温度の影響を敏感に受ける場合があるため、温度センサ302によって還元剤の温度管理をすることが望ましい。これらのセンサ301、302から出力されるセンサ信号は、後述する制御装置500に入力される。
【0038】
還元剤槽300の大きさは特に限定されないが、外部から還元剤の補充頻度が多くなりすぎないように、数百mL〜数十Lとすることが望ましい。還元剤槽300の材質は、還元剤によって侵されないものであれば特に限定されず、例えばガラス、ステンレスやポリプロピレン等の樹脂を用いることができる。
【0039】
還元剤槽300には、還元剤槽300の内部と外部を連通させる通気口であるベント穴303が設けられている。還元剤は有機物であることが多く、還元剤槽300の内部で有機物がガス化した場合には、生成ガスがベント穴303から外部に排出される。さらに、ガス化した有機物を回収し、還元剤槽300に戻すためのキャニスタをベント穴303に設けることが望ましい。
【0040】
反応槽200において、排水中の硝酸イオンを確実に還元するために、紫外線を照射する浄化処理を行う前の硝酸イオンに対する還元剤のモル比を、還元剤分子中の炭素数1つ当たり1以上にすることが望ましい。
【0041】
また、反応槽200では、硝酸イオンの還元反応が進行するのに伴って、還元剤が徐々に減少する。このとき、硝酸イオンより先に還元剤が消費されてしまうと、排水中の硝酸イオンを充分に還元させることができない。このため、紫外線を照射する浄化処理の途中においても、硝酸イオンに対する還元剤のモル比を、還元剤分子中の炭素数1つ当たり1以上に維持することが望ましい。
【0042】
このためには、排水中の硝酸イオンに対して充分な量の還元剤を予め排水に添加しておくことがより望ましい。本第1実施形態では、紫外線を照射する浄化処理を行う前の硝酸イオンに対する還元剤のモル比を、還元剤分子中の炭素数1つ当たり5程度にしている。還元剤の量が多いほど排水中の硝酸イオンを確実に還元することができるが、必要以上の還元剤は浄化処理後に排水中に残存する。このため、浄化処理前の硝酸イオンに対する還元剤の量は、還元剤分子中の炭素数1つ当たりに対するモル比を6以下とすることが望ましい。さらに、硝酸イオンに対する還元剤のモル比を還元剤分子中の炭素数1つ当たり3〜5の範囲内とすることがより望ましい。
【0043】
また、浄化処理の途中に硝酸イオンに対する還元剤のモル比を、還元剤分子中の炭素数1つ当たり1以上に維持するために、浄化処理の途中で還元剤を排水に補充するようにしてもよい。浄化処理の途中で還元剤を排水に補充する場合には、反応槽200の硝酸イオン濃度センサ205によって浄化処理の進行中に排水中の還元剤濃度を測定し、還元剤濃度が低下してきたら、還元剤槽300から還元剤を反応槽200に補充すればよい。あるいは、所定時間経過毎に還元剤槽300から反応槽200の排水に還元剤を補充するようにしてもよい。
【0044】
反応槽200で浄化処理が行われた排水は、第4配管40を介して第2バッファ槽400に移送される。第4配管40には、第4配管40に排水を送出するための第4ポンプ41が設けられている。
【0045】
第2バッファ槽400は、浄化処理が行われた排水を外部に排出する前に一時的に貯留しておくための容器である。第2バッファ槽400の容量は特に限定されないが、第2バッファ槽400に流入する排水量によっては溢れるおそれがあるため、数十L〜数百Lないし数千L程度の容量とすることが好ましい。また、第2バッファ槽400の材質は特に限定されないが、大容量に耐える必要があるため、ステンレスや樹脂等、割れにくい材質とすることが好ましい。
【0046】
第2バッファ槽400の排水は、第5配管50を介して外部に排出される。第5配管50には、第5配管40に排水を送出するための第5ポンプ51が設けられている。
【0047】
第2バッファ層400には、排水の液面レベルを検出する液面センサ401、排水の温度を検出する温度センサ402、排水のpHを検出するpHセンサ403、排水の電気伝導度を検出するECセンサ404、排水中の硝酸イオン濃度を検出する硝酸イオン濃度センサ405が設けられている。これらのセンサ401、402、403、404、405から出力されるセンサ信号は、後述する制御装置500に入力される。
【0048】
図3に示すように、排水処理装置には制御装置500が設けられている。制御装置500は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。制御装置500は、ROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算処理を行って、出力側に接続された各種機器の作動を制御し、排水処理装置の自動運転を可能とする。
【0049】
制御装置500の入力側には、上述した第1バッファ槽100、反応槽200、還元剤槽300、第2バッファ槽400に設けられた各種センサが接続されている。制御装置500は、各種センサの計測値に基づいて、各槽100、200、300、400の状態を監視可能となっている。制御装置500の出力側には、上述したポンプ11、21、31、41、51、紫外線照射装置207、撹拌装置208等が接続されている。
【0050】
制御装置500の出力側には、表示装置501が接続されている。表示装置501は、各種情報が表示可能となっている。表示装置501には、第1バッファ槽100、反応槽200、還元剤槽300、第2バッファ槽400に設けられた各種センサにより検出した数値(例えば、排水の液面レベル、排水温度、排水のpH、排水の電気伝導度、排水の硝酸イオン濃度等)や、ユーザへのメッセージ(例えば、異常発生を報知するメッセージ)等を表示することができる。
【0051】
制御装置500の出力側には、光を出力可能なランプ502および音声を出力可能なスピーカ503が接続されている。ランプ502から光を出力すること、あるいはスピーカ503から音声を出力することで、例えば排水処理装置に異常状態が発生した旨をユーザに対して報知することができる。
【0052】
次に、本実施形態の排水処理装置の作動について説明する。以下の各処理は、制御装置500が各種機器の作動を制御することによって実行される。
【0053】
〔排水供給工程〕
まず、第1バッファ槽100から反応槽200に排水を供給する排水供給工程を行う。排水供給工程では、液面センサ101で第1バッファ槽100に所定量の排水が貯留されているか否かを判定する。所定量は、例えば排水槽200の容量以上に設定することができる。
【0054】
第1バッファ槽100に貯留されている排水が所定量未満であると判定された場合には、第2ポンプ21を作動させない。一方、第1バッファ槽100に貯留されている排水が所定量以上であると判定された場合には、第2ポンプ21を作動させ、第1バッファ槽100から反応槽200に排水を供給する。
【0055】
また、液面センサ101によって計測した第1バッファ槽100の排水の液面が上限値を超えていると判定された場合には、第1バッファ槽100の排水が溢れる可能性があると判断できる。このため、表示装置501、ランプ502、スピーカ503の少なくともいずれかを用い、第1バッファ槽100の排水が溢れる可能性があることをユーザに報知する。第1バッファ槽100の排水が溢れる可能性の判断は、反応槽200での排水の浄化処理速度を考慮してもよい。
【0056】
また、硝酸イオン濃度センサ105で第1バッファ槽100の排水中における硝酸イオン濃度を計測しておくことで、還元剤槽300から反応槽200に供給される還元剤の供給量を予め決定することができる。なお、ECセンサ104によって電解質濃度を検出することで、硝酸イオン濃度を間接的に検出してもよい。
【0057】
また、温度センサ102によって計測した第1バッファ槽100の排水の温度が所定温度を超えていると判定された場合には、第1バッファ槽100の排水温度が異常であると判断できる。このため、表示装置501、ランプ502、スピーカ503の少なくともいずれかを用い、第1バッファ槽100の排水温度が異常であることをユーザに報知する。
【0058】
第1バッファ槽100から反応槽200に所定量の供給が供給されたと判定された場合には、第2ポンプ21を停止し、第1バッファ槽100から反応槽200への排水の供給を停止する。反応槽200に所定量の排水が供給されたか否かは、液面センサ201によって計測した反応槽201内の排水の液面レベルに基づいて判断でき、あるいは第2ポンプ21による送液速度および送液時間に基づいて判断できる。
【0059】
〔還元剤供給工程〕
排水供給工程の終了後、あるいは排水供給工程と同時に、還元剤槽300から反応槽200に還元剤を供給する還元剤供給工程を行う。還元剤供給処理では、第3ポンプ31を作動させることで、還元剤槽300から反応槽200に還元剤を供給する。
【0060】
還元剤槽300から反応槽200に所定量の還元剤が供給された場合には、第3ポンプ31を停止し、還元剤槽300から反応槽200への還元剤の供給を停止する。反応槽200に所定量の還元剤が供給されたか否かは、第3ポンプ31による送液速度および送液時間に基づいて判断できる。還元剤槽300から反応槽200への還元剤の供給は、一度で行ってもよく、間欠的に複数回で行ってもよい。
【0061】
還元剤槽300において、液面センサ301で計測した還元剤の液面レベルが所定値を下回った場合に、表示装置501、ランプ502、スピーカ503の少なくともいずれかを用い、還元剤槽300の還元剤が少なくなっている旨をユーザに報知し、ユーザに還元剤の補充を促す。
【0062】
また、温度センサ302によって計測した還元剤槽300の還元剤の温度が所定温度を超えていると判定された場合には、還元剤槽300の還元剤温度が異常であると判断できる。このため、表示装置501、ランプ502、スピーカ503の少なくともいずれかを用い、還元剤槽300の還元剤温度が異常であることをユーザに報知する。
【0063】
〔硝酸イオン低減工程〕
還元剤供給工程の終了後に、反応槽200で排水の硝酸イオン濃度を低減する硝酸イオン低減工程を行う。硝酸イオン低減工程では、還元剤の存在下で紫外線照射装置207によって排水に紫外線を照射し、撹拌装置208によって排水を撹拌する。これにより、硝酸イオンの還元反応を進行させ、排水中の硝酸イオンを低減する浄化処理を行うことができる。
【0064】
紫外線照射装置207による紫外線の照射、撹拌装置208による排水の撹拌は、反応槽200への還元剤の供給前に行ってもよく、反応槽200への還元剤の供給後に行ってもよい。ただし、紫外線照射装置207では、ランプ部207aの点灯前に冷却水の循環を開始する。
【0065】
反応槽200では、硝酸イオンの還元反応の進行度を把握するため、硝酸イオン濃度センサ205で排水中の硝酸イオン濃度を計測し、さらに硝酸イオン低減工程を開始してからの経過時間を計測する。硝酸イオン濃度センサ205で計測した排水中の硝酸イオン濃度が所定値を下回った場合、あるいは硝酸イオン低減工程を開始してからの経過時間が所定時間を超えた場合に、反応槽200での硝酸イオン低減工程の終了タイミングであると判断することができる。
【0066】
硝酸イオン低減工程の終了タイミングであると判断された場合に、紫外線照射装置207による紫外線照射や撹拌装置208による撹拌は、そのまま継続して行ってもよく、あるいは停止してもよい。ただし、紫外線照射装置207として水銀ランプを用いている場合には、点灯および消灯を繰り返すほど寿命を短くする恐れがあるため、点灯状態を継続することが望ましい。
【0067】
還元剤濃度センサ206によって反応槽200の排水中の還元剤濃度を測定し、還元剤濃度が所定値を下回った場合には、還元剤槽300から反応槽200に還元剤を補充すればよい。
【0068】
また、反応槽200で所定の上限時間が経過しても硝酸イオン濃度が基準濃度以下に低下しなかった場合には、硝酸イオン低減工程で何らかの異常が発生したと判断できる。このため、表示装置501、ランプ502、スピーカ503の少なくともいずれかを用い、反応槽200で異常状態が発生している旨をユーザに報知する。
【0069】
硝酸イオン低減工程で異常状態が発生したと判断するための「上限時間」は任意に設定可能であり、例えば8、12、24時間等と設定することができる。あるいは一定間隔(例えば1時間毎)に硝酸イオン濃度を測定し、所定回数(例えば3回以上)連続して硝酸イオン濃度が変化しなかった場合に、硝酸イオン低減工程で異常状態が発生したと判断してもよい。
【0070】
また、液面センサ201によって計測した反応槽200の排水の液面が上限値を超えたと判定された場合には、反応槽200の排水が溢れる可能性があると判断できる。このため、表示装置501、ランプ502、スピーカ503の少なくともいずれかを用い、反応槽200の排水が溢れる可能性があることをユーザに報知する。
【0071】
また、温度センサ202によって計測した反応槽200の排水の温度が所定温度を超えていると判定された場合には、反応槽200の排水温度が異常であると判断できる。このため、表示装置501、ランプ502、スピーカ503の少なくともいずれかを用い、反応槽200の排水温度が異常であることをユーザに報知する。
【0072】
〔排水排出工程〕
硝酸イオン低減工程の終了後に、反応槽200から浄化処理が行われた排水を排出する排水排出工程を行う。排水排出工程は、第4ポンプ41を作動させることで行われる。
【0073】
排水排出処理の終了タイミングが到来した場合は、第4ポンプ41を停止する。液面センサ201で計測した反応槽200内の排水の液面レベルが所定値を下回った場合、あるいは排水排出処理を開始してからの経過時間が所定時間を超えた場合に、排水排出処理の終了タイミングが到来したと判定することができる。
【0074】
浄化処理が行われた排水は第2バッファ槽400に一時的に貯留される。第2バッファ槽400では、液面センサ401によって計測した排水の液面レベルが所定値を上回った場合に、第5ポンプ51を作動させて、第2バッファ槽400の排水を外部に排出すればよい。
【0075】
また、温度センサ402で第2バッファ槽400の排水温度を計測し、排水温度が所定温度以上である場合には、環境への負荷を考慮して、排水温度が低下してから外部に排出すればよい。
【0076】
上述した排水供給工程、還元剤供給工程、硝酸イオン低減工程、排水排出工程を繰り返し行うことで、排水中の硝酸イオンを低減する浄化処理を連続的に行うことができる。
【0077】
次に、本第1実施形態の排水処理装置1を用いて排水の浄化処理を行った結果について説明する。第1バッファ槽100の容量を30Lとし、反応槽200の容量を10Lとし、還元剤槽300の容量を1Lとし、第2バッファ槽200の容量を30Lとした。紫外線照射装置207として、450Wの高圧水銀ランプを用いた。
【0078】
排水処理では、合計30Lの排水を用いた。排水は、硝酸イオン濃度が120mg/Lである。排水は共存成分として、図4に示す物質が含有されている。また、還元剤として濃度90%のギ酸を用いた。ギ酸の添加量は、排水中の硝酸イオンに対するモル比がギ酸分子中の炭素数1つ当たり5となるようにしている。
【0079】
図5に示すように、高圧水銀ランプを用いた本実施形態の排水処理装置によれば、反応時間の経過に伴う硝酸イオン濃度の減少速度が速く、4時間経過後には硝酸イオンが消失している。その後、上述した給液処理、還元剤供給処理、浄化処理、排出処理を繰り返すことで、排水における硝酸イオンの浄化処理を連続的に行うことができる。
【0080】
以上説明した本第1実施形態によれば、各槽100、200、300、400の状態を監視する各種センサを設け、各種センサの計測値に基づいて制御装置500によって各種機器を制御することで、運転条件の最適化を図ることができ、排水供給工程、還元剤供給工程、硝酸イオン低減工程、排水排出工程の各工程を自動運転によって連続的に実行することができる。
【0081】
また、本実施形態では、各種センサの計測値に基づいて各槽100、200、300、400のいずれかで何らかの異常状態が発生した場合に、表示装置501、ランプ502、スピーカ503の少なくともいずれかを用い、排水処理装置で異常状態が発生していることをユーザに報知する。これにより、ユーザは排水処理装置での異常発生を認識でき、排水処理装置を早期に適切な状態に復帰させることができる。
【0082】
また、本実施形態では、紫外線照射装置207として高圧水銀ランプを用いている。これにより、低圧水銀ランプを用いる場合よりも、排水中の硝酸イオンの減少速度を速くすることができ、かつ、排水中に亜硝酸イオンが残存することを抑制できる。さらに、本実施形態では、紫外線照射装置207から300nmより長い波長の紫外線を照射するようにしている。これにより、図4に示す共存成分に紫外線が吸収されることを抑制でき、硝酸イオンの濃度を効果的に減少させることができる。
【0083】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
【0084】
(1)上記実施形態では、第1バッファ槽100、反応槽200、還元剤槽300、第2バッファ槽400における送液は、ポンプ11、21、31、41、51を用いて行うように構成したが、ポンプのような動力を用いることなく高低差等を利用して送液を行うようにしてもよい。この場合には、各配管10、20、30、40、50のそれぞれにバルブを設け、バルブの開閉によって配管10、20、30、40、50における流体の流れを制御すればよい。
【0085】
(2)上記実施形態では、反応槽200で硝酸イオンの浄化処理を行った後の排水を一時的に貯留する第2バッファ槽400を設けたが、第2バッファ槽400を設けずに、反応槽200で硝酸イオンの浄化処理を行った後の排水を反応槽200から外部に排出するようにしてもよい。
【0086】
(3)上記実施形態では、還元剤槽300から反応槽200に還元剤を供給し、還元剤が反応槽200の内部で排水に添加されるように構成したが、これに限らず、第2配管20の途中に第3配管30を合流させ、第2配管20を流れる排水に第3配管30を介して還元剤を供給するように構成してもよい。
【0087】
(3)上記実施形態では、反応槽200において、攪拌装置208および撹拌子209によって排水を撹拌するように構成したが、これに限らず、撹拌装置208および撹拌子209の作用効果に準ずる排水の撹拌が可能である他の手段を講じて撹拌してもよく、また、排水を撹拌することなく硝酸イオンの減少処理を行うようにしてもよい。
【0088】
(4)上記実施形態では、反応槽200で硝酸イオンの浄化処理を行った排水を第2バッファ槽400に貯留した後、排水を外部に排出するように構成したが、硝酸イオン濃度センサ405で第2バッファ槽400の排水の硝酸イオン濃度を計測し、硝酸イオン濃度が所定値を上回っている場合には、排水を第2バッファ槽400から反応槽200に戻すようにしてもよい。排水が戻された反応槽200では、硝酸イオンの浄化処理を再度行えばよい。
【0089】
(5)上記実施形態では、紫外線照射部207を図2に示す構成としたが、これに限らず、異なる構成としてもよい。例えば、紫外線照射部207を図6あるいは図7に示す構成とすることができる。
【0090】
図6に示す例は、水冷式の水銀ランプであり、ケース207bが反応槽200の上方から下方に亘って設けられており、ケース部207bの下部にも蓋部207dが設けられている。図6の構成において、ケース部207b内における冷却水の流通方向は、上方から下方あるいは下方から上方のいずれでもよいが、上方から下方に向かう流れとすることが望ましい。
【0091】
図7に示す例は、空冷式の水銀ランプであり、ケース207bが反応槽200の上方から下方に亘って設けられており、ケース部207bの下部にも蓋部207dが設けられている。図7に示す例では、ケース207bは中空構造となっておらず、蓋部207c、207dに貫通孔が形成されている。蓋部207c、207dの貫通孔を介してケース207b内に空気が流通可能となっており、ランプ部207aが空冷される。ケース部207b内における空気の流通方向は、上方から下方あるいは下方から上方のいずれでもよい。また、蓋部207c、207dの貫通孔は、ランプ部207aから照射される紫外線が外部に漏れないように、蓋部207c、207dの板面に対して傾斜させて形成することが望ましい。
【0092】
(8)上記実施形態では、排水供給工程、還元剤供給工程、硝酸イオン低減工程、排水排出工程の少なくともいずれかの工程で、何らかの異常状態が発生したと判断された場合(例えば液体の量が適正量を上回っている場合、液体の温度が適正温度を上回っている場合等)には、表示装置501等を用いて異常発生を報知するように構成した。このように排水処理装置で何らかの異常状態が発生した場合には、異常発生の報知に加えて、あるいは異常発生の報知に代えて、少なくともいずれかの工程を停止させることが望ましい。停止させる工程は、異常状態が発生した工程でもよく、異常状態が発生していない工程でもよく、あるいはすべての工程でもよい。具体的には、ポンプ11、21、41による排水の送出、ポンプ31による還元剤の送出、紫外線照射部207による紫外線照射、撹拌装置208による排水の撹拌等を停止させればよい。
【0093】
また、上述した排水供給工程、還元剤供給工程、硝酸イオン低減工程、排水排出工程の少なくともいずれかの工程を停止させた後で、工程を停止させる原因となった異常状態が解消された場合(例えば液体の量が適正量まで減少した場合、液体の温度が適正温度まで低下した場合等)には、停止した工程を再開する復旧処理を行うようにすればよい。
【符号の説明】
【0094】
100 第1バッファ槽
200 反応槽
207 紫外線照射装置
208 撹拌装置
300 還元剤槽
400 第2バッファ槽
101、201、301、401 液面センサ
102、202、302、402 温度センサ
103、203、403 pHセンサ
104、204、404 ECセンサ
105、205、405 硝酸イオン濃度センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7