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特開2017-225944高分子膜、及びその製造方法、並びに二酸化炭素の分離方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-225944(P2017-225944A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】高分子膜、及びその製造方法、並びに二酸化炭素の分離方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 71/40 20060101AFI20171201BHJP
   B01D 53/22 20060101ALI20171201BHJP
   B01D 71/44 20060101ALI20171201BHJP
   B01D 71/28 20060101ALI20171201BHJP
   C08F 2/44 20060101ALI20171201BHJP
   C08L 33/00 20060101ALI20171201BHJP
   C08K 5/17 20060101ALI20171201BHJP
   C08F 290/06 20060101ALI20171201BHJP
   C08J 5/18 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   B01D71/40
   B01D53/22
   B01D71/44
   B01D71/28
   C08F2/44 B
   C08L33/00
   C08K5/17
   C08F290/06
   C08J5/18CER
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-124939(P2016-124939)
(22)【出願日】2016年6月23日
(71)【出願人】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504145342
【氏名又は名称】国立大学法人九州大学
(72)【発明者】
【氏名】谷口 育雄
【テーマコード(参考)】
4D006
4F071
4J002
4J011
4J127
【Fターム(参考)】
4D006GA41
4D006MA03
4D006MA31
4D006MB03
4D006MB04
4D006MC21
4D006MC24
4D006MC37X
4D006MC81
4D006MC90
4D006NA42
4D006PA01
4D006PB19
4D006PB64
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4D006PC31
4D006PC80
4F071AA31
4F071AA39
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4F071AC12
4F071AE22
4F071AF08
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4F071AG34
4F071AH02
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4J002BG071
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4J011PA36
4J011PB40
4J011PC08
4J127AA06
4J127BB031
4J127BB111
4J127BB221
4J127BC021
4J127BC151
4J127BD221
4J127BG141
4J127BG14Y
4J127DA51
4J127DA61
4J127FA00
(57)【要約】
【課題】 高い選択性をもって二酸化炭素を他のガスから分離するための高分子膜、及びその製造方法、並びに該高分子膜を用いたガス分離方法の提供。
【解決手段】 多官能重合性単量体を重合して得られる高分子重合体と、
ポリエチレンポリアミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む高分子膜を用いて二酸化炭素を分離する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多官能重合性単量体の重合物と、ポリエチレンポリアミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含む高分子膜。
【請求項2】
多官能重合性単量体が、多官能(メタ)アクリルアミド類、多官能(メタ)アクリレート類、多官能ビニルエーテル類及びジビニルベンゼンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の高分子膜。
【請求項3】
多官能重合性単量体が、ジ(メタ)アクリレート類、トリ(メタ)アクリレート類及びテトラ(メタ)アクリレート類からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の高分子膜。
【請求項4】
多官能重合性単量体が、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、及びペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の高分子膜。
【請求項5】
多官能重合性単量体の重合物が、多官能重合性単量体と単官能重合性単量体との重合物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の高分子膜。
【請求項6】
単官能重合性単量体が、単官能(メタ)アクリルアミド類、単官能(メタ)アクリレート類、単官能ビニルエーテル類、単官能N−ビニル化合物類、単官能ビニル化合物類、及び単官能α,β−不飽和化合物類からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項5に記載の高分子膜。
【請求項7】
単官能重合性単量体が、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールメタクリレート及びポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項5に記載の高分子膜。
【請求項8】
多官能重合性単量体がポリエチレングリコールジメタクリレートであり、かつ単官能重合性単量体がポリエチレングリコールメタクリレートであることを特徴とする請求項5に記載の高分子膜。
【請求項9】
ポリエチレンポリアミン類が、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、及びペンタエチレンヘキサミン(PEHA)からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の高分子膜。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の高分子膜からなるガス分離膜。
【請求項11】
ポリエチレンポリアミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物の存在下に、多官能重合性単量体の重合反応を行うことを特徴とする高分子膜の製造方法。
【請求項12】
重合成分として、さらに単官能重合性単量体を用いることを特徴とする請求項11に記載の高分子膜の製造方法。
【請求項13】
重合反応が、光重合反応又は熱重合反応であることを特徴とする請求項11又は12に記載の高分子膜の製造方法。
【請求項14】
二酸化炭素を含む混合ガスを、請求項1乃至9のいずれかに記載の高分子膜に接触させて、該混合ガス中の二酸化炭素を選択的に透過させる工程を含むことを特徴とする二酸化炭素の分離方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素含有混合ガスからの二酸化炭素を選択的に分離するための高分子膜、及び該高分子膜の製造方法、並びに該高分子膜を用いたガス分離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高分子素材には、その素材に特有の気体透過性があるため、高分子素材で構成された膜によって、気体成分を分離できることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。本性質を利用したガス分離膜は、省エネルギーかつ省スペースな分離技術であり、装置のメンテナンスが容易という利点もあり、種々の分野で使用されている。
【0003】
一方近年、温暖化の原因である二酸化炭素を発電所などの大規模発生源から大気中に排出される前に分離回収する技術が精力的に検討されている。例えば、アミンにより二酸化炭素を吸収する方法が実証レベルで検討が進んでいるが、加熱の際に大きなエネルギーを要すること、アミンが劇物であること等が、課題となっている。
【0004】
そこで、膜分離法が次世代の二酸化炭素分離回収技術として期待されている。しかし、未だ実用化に至った例は無く、米国MTRのPolaris(登録商標)が唯一パイロット試験レベルに到達している(例えば、非特許文献2参照)。
【0005】
実用化に至らない理由としては、二酸化炭素透過速度と二酸化炭素選択性が要求物性値に到達していないことが挙げられ、特に無機膜と比較して、高分子膜は二酸化炭素透過速度が低いことが問題である。しかし、高分子膜は、調製や化学修飾が比較的容易であり、大量生産性や成形加工性に優れ、低コストであるため、二酸化炭素分離回収において高分子膜を用いた膜分離法が望まれていた。
【0006】
そこで、二酸化炭素選択性を向上させた、高分子膜が検討されている。
【0007】
例えば、ポリビニルアルコール−ポリアクリル酸共重合体ゲル膜に2,3−ジアミノプロピオン酸を添加したゲル層を、親水性の多孔膜に担持させた高分子膜を二酸化炭素の分離に用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
また、例えば、ポリアミドアミンデンドリマー(PAMAM)を二酸化炭素親和性物質として含有する、ポリエチレングリコールジメタクリレート(PEGDMA)を光架橋重合して得られるPEG架橋体で形成される高分子膜を二酸化炭素の分離に用いる方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
しかし、工業的には、さらに高い二酸化炭素選択性が要望されており、これらの方法における二酸化炭素選択性はいずれも十分なものとは言えず、工業的な実用化を図るために、さらに二酸化炭素選択性を向上させた高分子膜が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−036463公報
【特許文献2】特開2009−185118公報
【非特許文献1】ガス分離技術の新展開、東レリサーチセンター調査研究事業部編、株式会社東レリサーチセンター発行、1990年、第345〜362頁
【非特許文献2】Journal of Membrane Science 359 (2010) 126−139
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、高い選択性をもって二酸化炭素を他のガスから分離するための高分子膜、及びその製造方法、並びに該高分子膜を用いたガス分離方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のアミン化合物の存在下、多官能重合性単量体を重合させて高分子重合体とすると、該高分子重合体内に、前記アミン化合物が物理的に固定化された高分子膜が形成され、当該高分子膜が二酸化炭素に対する高い選択性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明は以下に示すとおりの高分子膜及びその製造方法、並びに二酸化炭素の分離方法である。
【0014】
[1]多官能重合性単量体の重合物と、ポリエチレンポリアミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物とを含む高分子膜。
【0015】
[2]多官能重合性単量体が、多官能(メタ)アクリルアミド類、多官能(メタ)アクリレート類、多官能ビニルエーテル類及びジビニルベンゼンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記[1]に記載の高分子膜。
【0016】
[3]多官能重合性単量体が、ジ(メタ)アクリレート類、トリ(メタ)アクリレート類及びテトラ(メタ)アクリレート類からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記[1]に記載の高分子膜。
【0017】
[4]多官能重合性単量体が、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、及びペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記[1]に記載の高分子膜。
【0018】
[5]多官能重合性単量体の重合物が、多官能重合性単量体と単官能重合性単量体との重合物であることを特徴とする上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の高分子膜。
【0019】
[6]単官能重合性単量体が、単官能(メタ)アクリルアミド類、単官能(メタ)アクリレート類、単官能ビニルエーテル類、単官能N−ビニル化合物類、単官能ビニル化合物類、及び単官能α,β−不飽和化合物類からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記[5]に記載の高分子膜。
【0020】
[7]単官能重合性単量体が、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールメタクリレート及びポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記[5]に記載の高分子膜。
【0021】
[8]多官能重合性単量体がポリエチレングリコールジメタクリレートであり、かつ単官能重合性単量体がポリエチレングリコールメタクリレートであることを特徴とする上記[5]に記載の高分子膜。
【0022】
[9]ポリエチレンポリアミン類が、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、及びペンタエチレンヘキサミン(PEHA)からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記[1]乃至[9]のいずれかに記載の高分子膜。
【0023】
[10]上記[1]乃至[10]のいずれかに記載の高分子膜からなるガス分離膜。
【0024】
[11]ポリエチレンポリアミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物の存在下に、多官能重合性単量体の重合反応を行うことを特徴とする高分子膜の製造方法。
【0025】
[12]重合成分として、さらに単官能重合性単量体を用いることを特徴とする上記[11]に記載の高分子膜の製造方法。
【0026】
[13]重合反応が、光重合反応又は熱重合反応であることを特徴とする上記[11]又は[12]に記載の高分子膜の製造方法。
【0027】
[14]二酸化炭素を含む混合ガスを、上記[1]乃至[9]のいずれかに記載の高分子膜に接触させて、該混合ガス中の二酸化炭素を選択的に透過させる工程を含むことを特徴とする二酸化炭素の分離方法。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、高い選択性をもって二酸化炭素を他のガスから分離できる高分子膜、及びその製造方法が提供される。また、本発明によれば、該高分子膜を用いて効率よく二酸化炭素を他のガスから分離する方法が提供される。
【0029】
なお、本発明の高分子膜は、二酸化炭素分離能を有するアミン化合物が高分子膜の表面に担持されているのではなく、該高分子膜内に物理的に固定化されているため、安定性が非常に優れているという特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】実施例で用いたガス分離装置の概略図である。図中、GCはガスクロマトグラフィーを意味する。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0032】
本発明の高分子膜は、多官能重合性単量体の重合物(以下、「高分子重合体」という。)と、ポリエチレンポリアミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物とを含むことをその特徴とする。具体的には、高分子重合体の構造内に、ポリエチレンポリアミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が物理的に固定化され、本発明の高分子膜が形成される。
【0033】
まず、本発明における高分子重合体について説明する。
【0034】
本発明において高分子重合体は、その構造内に、ポリエチレンポリアミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を保持しながら、同時に膜としての形状を維持する役割を担う。
【0035】
多官能重合性単量体としては、炭素−炭素不飽和結合を2個以上有する重合可能な化合物であれば、特に限定されない。例えば、多官能(メタ)アクリルアミド類、多官能(メタ)アクリレート類等の多官能アクリル系単量体、多官能ビニルエーテル類又はジビニルベンゼン等の多官能ビニル系単量体等が挙げられる。これらの多官能重合性単量体は、単独又は2種類以上を組み合わせることができる。
【0036】
上記多官能(メタ)アクリルアミド類としては、N,N’−(1,2−ジヒドロキシエチレン)ビスアクリルアミド、エチジウムブロマイド−N,N’−ビスアクリルアミド、エチジウムブロマイド−N,N’−ビスメタクリルアミド、N,N’−エチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。
【0037】
上記多官能(メタ)アクリレート類としては、ジ(メタ)アクリレート類、トリ(メタ)アクリレート類又はテトラ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
【0038】
上記ジ(メタ)アクリレート類としては、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類が挙げられる。
【0039】
上記トリ(メタ)アクリレート類としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0040】
上記テトラ(メタ)アクリレート類としては、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0041】
上記多官能ビニルエーテル類としては、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル等が挙げられる。
【0042】
また、必要に応じて、重合反応を上記多官能重合性単量体と単官能重合性単量体との共重合としても差し支えない。共重合することにより、高分子重合体内の網目の大きさを調節することができる。
【0043】
単官能重合性単量体としては、単官能(メタ)アクリルアミド類、単官能(メタ)アクリレート類等の単官能アクリル系単量体、単官能ビニルエーテル類、単官能N−ビニル化合物類又は単官能ビニル化合物類等の単官能ビニル系単量体、単官能α,β−不飽和化合物類等が挙げられる。
【0044】
上記単官能(メタ)アクリルアミド類としては、2−アセトアミドアクリル酸、(メタ)アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド等が挙げられる。
【0045】
上記単官能(メタ)アクリレート類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0046】
上記単官能ビニルエーテル類としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
【0047】
上記単官能N−ビニル化合物類としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等が挙げられる。
【0048】
上記単官能ビニル化合物類としては、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。
【0049】
上記単官能α,β−不飽和化合物類としては、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、無水イタコン酸、イタコン酸、イタコン酸ジメチル、メチレンマロン酸、メチレンマロン酸ジメチル、桂皮酸、桂皮酸メチル、クロトン酸、クロトン酸メチル等が挙げられる。
【0050】
次に、ポリエチレンポリアミン類について説明する。
【0051】
本発明においてこれらのアミン化合物は、高分子重合体の構造内において、二酸化炭素を吸着、脱着する役割を担う。
【0052】
本発明において、ポリエチレンポリアミン類としては、具体例としては、例えば、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、及びペンタエチレンヘキサミン(PEHA)等が挙げられる。
ここで、「TETA」とは、4つのアミノ基がエチレン鎖を介して直鎖状又は分岐状に連なっている化合物を指すが、本発明においては、同じくアミノ基を4つ有しており、且つピペラジン環構造を有するものも含まれる。TETAの具体的な化合物名としては、例えば、1,4,7,10−テトラアザデカン、N,N−ビス(2−アミノエチル)−1,2−エタンジアミン、1−[2−[(2−アミノエチル)アミノ]エチル]−ピペラジン、1、4−ビス(2−アミノエチル)−ピペラジン等が挙げられる。
【0053】
また、「TEPA」とは、5つのアミノ基がエチレン鎖を介して直鎖状又は分岐状に連なっている化合物を指すが、本発明においては、同じくアミノ基を5つ有しており、且つピペラジン環構造を有するものも含まれる。TEPAの具体的な化合物名としては、例えば、1,4,7,10,13−ペンタアザトリデカン、N,N,N’−トリス(2−アミノエチル)−1,2−エタンジアミン、1−[2−[2−[2−[(2−アミノエチル)アミノ]エチル]アミノ]エチル]−ピペラジン、1−[2−[ビス(2−アミノエチル)アミノ]エチル]−ピペラジン、ビス[2−(1−ピペラジニル)エチル]アミン等が挙げられる。
【0054】
また、「PEHA」とは、6つのアミノ基がエチレン鎖を介して直鎖状又は分岐状に連なっている化合物を指すが、本発明においては、同じくアミノ基を6つ有しており、且つピペラジン環構造を有するものも含まれる。PEHAの具体的な化合物名としては、例えば、1,4,7,10,13,16−ヘキサアザヘキサデカン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−アミノエチル)−1,2−エタンジアミン、N,N−ビス(2−アミノエチル)−N’−[2−[(2−アミノエチル)アミノ]エチル]−1,2−エタンジアミン、1−[2−[2−[2−[2−[2−[(2−アミノエチル)アミノ]エチル]アミノ]エチル]アミノ]エチル]−ピペラジン、1−[2−[2−[2−[ビス(2−アミノエチル)アミノ]エチル]アミノ]エチル]−ピペラジン、N,N’−ビス[2−(1−ピペラジニル)エチル]−1,2−エタンジアミン等が挙げられる。
【0055】
これらのうち、ポリエチレンポリアミン類としては、入手のし易さ、及び取得コストの観点から、
ジエチレントリアミン(DETA)、
1,4,7,10−テトラアザデカン、N,N−ビス(2−アミノエチル)−1,2−エタンジアミン、1−[2−[(2−アミノエチル)アミノ]エチル]−ピペラジン、及び1、4−ビス(2−アミノエチル)−ピペラジンの混合物よりなるトリエチレンテトラミン(TETA)、
1,4,7,10,13−ペンタアザトリデカン、N,N,N’−トリス(2−アミノエチル)−1,2−エタンジアミン、1−[2−[2−[2−[(2−アミノエチル)アミノ]エチル]アミノ]エチル]−ピペラジン、1−[2−[ビス(2−アミノエチル)アミノ]エチル]−ピペラジン、及びビス[2−(1−ピペラジニル)エチル]アミンの混合物よりなるテトラエチレンペンタミン(TEPA)、並びに
1,4,7,10,13,16−ヘキサアザヘキサデカン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−アミノエチル)−1,2−エタンジアミン、N,N−ビス(2−アミノエチル)−N’−[2−[(2−アミノエチル)アミノ]エチル]−1,2−エタンジアミン、1−[2−[2−[2−[2−[2−[(2−アミノエチル)アミノ]エチル]アミノ]エチル]アミノ]エチル]−ピペラジン、1−[2−[2−[2−[ビス(2−アミノエチル)アミノ]エチル]アミノ]エチル]−ピペラジン、及びN,N’−ビス[2−(1−ピペラジニル)エチル]−1,2−エタンジアミンの混合物よりなるペンタエチレンヘキサミン(PEHA)
からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが特に好ましい。
【0056】
本発明において、本発明の趣旨に反しない程度であれば、本発明のアミン化合物に加えて、それ以外の原料を併用しても差し支えない。
【0057】
本発明において、ポリエチレンポリアミン類は市販のものでもよいし、公知の方法により合成したものでもよく、特に限定されない。また、ポリエチレンポリアミン類の純度としては、特に限定はないが、精製工程での精製のし易さを考慮すると、95%以上が好ましく、99%以上が特に好ましい。
【0058】
本発明において使用される高分子重合体とポリエチレンポリアミン類との重量分率は、特に制限されるものではない。二酸化炭素と水素の分離能を高めるという観点から、当該ポリエチレンポリアミン類の重量分率が2〜80%、好ましくは30〜70%、さらに好ましくは40〜60%であることが望ましい。
【0059】
本発明の高分子膜は圧力をかけた場合に上記ポリエチレンポリアミン類が漏出することがないため、自立膜として使用することができるが、公知の支持膜との複合膜にする等、その使用方法は特に制限されない。
【0060】
次に、本発明における高分子重合体の製造方法について説明する。
【0061】
本発明の高分子膜の製造方法は、ポリエチレンポリアミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物の存在下に、多官能重合性単量体の重合反応を行うことをその特徴とする。
【0062】
本発明において、ポリエチレンポリアミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物の存在下に多官能重合性単量体を重合反応させる方法としては、特に限定されず、熱重合であっても光重合であってもよい。この場合、通常(熱又は光)重合開始剤が用いられる。
【0063】
上記熱重合開始剤としては、公知のものを使用でき、具体的には、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエー卜、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物等が好適である。また、熱重合時には硬化促進剤を混合して使用してもよく、硬化促進剤としては、ナフテン酸コバルトやオクチル酸コバルト等又は3級アミン等が好適である。熱重合開始剤の添加量としては、上記多官能重合性単量体100重量部に対し、好ましくは約0.01〜10重量部、より好ましくは約0.1〜1重量部である。
【0064】
上記光重合開始剤としては、公知のものを使用でき、具体的には、以下のような化合物が好適である。これらは単独又は2種以上の混合物として使用される。
【0065】
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)アセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オンや2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等のアセトフェノン類。
【0066】
2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシルカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;アシルフォスフィンオキサイド類及びキサントン類。
【0067】
上記光重合開始剤の添加量としては、上記多官能重合性単量体100重量部に対し、好ましくは約0.5〜10重量部、より好ましくは約2〜3重量部である。
【0068】
本発明に用いる多官能重合性単量体を光により硬化させる場合、光重合開始剤とともに増感剤として塩基性増感剤を用いることができる。塩基性増感剤としてはアミン系増感剤を用いることが好ましく、上記アミン系増感剤としては、特に制限されないが、具体的には、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジメチルプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレンイミン等が挙げられる。これらの中で特に三級アミン系増感剤が好ましい。
【0069】
上記三級アミン系増感剤としては、上記の他にトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブタノールアミン、メチルジエタノールアミン、メチルジイソプロパノールアミン、メチルジブタノールアミン、エチルジエタノールアミン、エチルジイソプロパノールアミン、エチルジブタノールアミン、プロピルジエタノールアミン、プロピルジイソプロパノールアミン、プロピルジブタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、ジメチルブタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジエチルイソプロパノールアミン、ジエチルブタノールアミン、ジプロピルエタノールアミン、ジプロピルイソプロパノールアミン、ジプロピルブタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、ジブチルイソプロパノールアミン、ジブチルブタノールアミン、メチルエチルエタノールアミン、メチルエチルイソプロパノールアミン、メチルエチルブタノールアミン、ベンジルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、テトラエタノールエチレンジアミン、テトラプロパノールエチレンジアミン等が挙げられる。また、これら水酸基含有三級アミン系増感剤にエチレンオキサイドを付加させてポリエチレングリコール鎖を導入したもの、水酸基含有三級アミン系増感剤に水酸基と反応性を有する官能基を含有するモノマーを付加させて重合性二重結合を導入したもの、ポリマー又はオリゴマーに三級アミノ基を導入したもの等も用いることができる。これらのアミン系増感剤は単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0070】
上記増感剤の使用量は、光重合開始剤100重量部に対し、好ましくは約1〜10重量部、より好ましくは約5〜8重量部である。
【0071】
上記重合反応は、適当な溶媒中、熱重合の場合は加熱により、光重合の場合は紫外線の照射により実施することが好ましい。溶媒としては、上記アミン化合物、又はポリエチレンポリアミン類と上記多官能重合性単量体を溶解するものであれば特に限定されないが、通常アルコール(例えば、メタノール、エタノールなど)が好適に使用できる。熱重合の加熱は、通常約40〜90℃、好ましくは約60〜70℃で、通常約2〜24時間、好ましくは約5〜10時間で行われる。重合の紫外線照射は、通常約200〜400nm、好ましくは約250〜360nmの波長を用いて、通常約30秒〜10分、好ましくは約1〜3分で行われる。
【0072】
次に、本発明における二酸化炭素の分離方法について説明する。
【0073】
本発明の二酸化炭素の分離方法は、二酸化炭素を含む混合ガスを、上記した本発明の高分子膜に接触させて、該混合ガス中の二酸化炭素を選択的に透過させる工程を含むことをその特徴とする。すなわち、本発明の分離方法は、二酸化炭素を含む混合ガスを上記で得られた高分子膜に接触させて該混合ガス中の二酸化炭素を選択的に透過させる工程を含むことを特徴とする。
【0074】
本発明の分離方法は、分離膜のガス供給側とガス透過側との間に圧力差を設けておくことが好ましい。この圧力差は、通常、ガス透過側を減圧にすることにより設けられる。また、本分離方法は、通常5〜80℃、好ましくは室温〜50℃の温度条件下で実施することが望ましい。
【0075】
本発明の分離方法に適用できる混合ガスは、二酸化炭素を含む混合ガスであれば特に制限されないが、二酸化炭素と他のガスとの分離性能を向上させるためには、混合ガスの相対湿度を30%以上、好ましくは60〜100%に調製しておくことが望ましい。
【0076】
本発明の分離方法においては、上記以外の工程を追加して実施しても一向に差し支えない。例えば、冷却工程、加熱工程、洗浄工程、抽出工程、超音波処理工程、蒸留工程、その他薬液で処理する工程などを適宜実施することができる。
【0077】
本発明の分離方法は、例えば、火力発電所、鉄鋼プラント、及びセメント工場などで発生する燃焼排ガスから二酸化炭素(CO)を分離するのに適用することができる。
【実施例】
【0078】
以下に実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。
【0079】
[実施例1]
ポリエチレンポリアミン類としてジエチレントリアミン(東ソー社製)2g、及び多官能重合性単量体としてポリエチレングリコールジメタクリレート(以下、「PEGDMA」と略す、分子量:750;アルドリッチ社製)2g(2.67mmol)をメタノール(和光純薬工業社製)2gに溶かした。
【0080】
次いで、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを0.04mmol/mLとなるように加えた。得られた溶液をシャーレに展開し、B−100APランプ(UVP社製)を用いて紫外光(波長ピーク:360nm)を室温で1分間照射することにより、ポリエチレングリコールジメタクリレートを重合した。その後、反応溶媒であるエタノールを減圧下で留去し、目的の高分子膜(以下、「本発明品1」という)。本高分子膜の膜厚は約0.02mmで、該高分子膜中のジエチレントリアミンの含有量は50重量%であった。
【0081】
[実施例2]
ポリエチレンポリアミン類としてトリエチレンテトラアミン(東ソー社製)を使用する以外は、実施例1と同様にして目的の高分子膜を得た(以下、「本発明品2」という)。本高分子膜の膜厚は約0.026mmで、該高分子膜中のトリエチレンテトラアミンの含有量は50重量%であった。
【0082】
[実施例3]
ポリエチレンポリアミン類としてテトラエチレンペンタアミン(東ソー社製)を使用する以外は、実施例1と同様にして目的の高分子膜を得た(以下、「本発明品3」という)。本高分子膜の膜厚は約0.021mmで、該高分子膜中のテトラエチレンペンタアミンの含有量は50重量%であった。
【0083】
[実施例4]
ポリエチレンポリアミン類としてペンタエチレンヘキサアミン(東ソー社製)を使用する以外は、実施例1と同様にして目的の高分子膜を得た(以下、「本発明品4」という)。本高分子膜の膜厚は約0.026mmで、該高分子膜中のペンタエチレンヘキサアミンの含有量は50重量%であった。
【0084】
[比較例1]
アミン化合物、及びポリエチレンポリアミン類を加えない以外は実施例1と同様にして高分子膜を得た(以下、「比較品」という)。得られた高分子膜の膜厚は0.13mmであった。
【0085】
[実施例5〜8、及び比較例2]二酸化炭素と共存ガスの分離試験
実施例1〜5、及び比較例1で得た高分子膜(本発明品1〜4、及び比較品)を用いて二酸化炭素分離能を測定した。なお、以下の説明、及び数式において二酸化炭素をCOと略す。
【0086】
装置概略を図1に示す。すなわち、該高分子膜に混合ガス(二酸化炭素ガス10%、共存ガス90%)を供給し、分離膜を透過したガスの透過流束Q(CO)及びQ(共存ガス)(単位はGPU=1×10−6cm(STP)/(s・cm・cmHg))を下記条件でガスクロマトグラフィーと流量計を用いて測定し、下記式に従って透過係数を算出し、該透過係数から選択性α(CO/共存ガス)=Q(CO/Q共存ガス)を算出した。その結果を表1に示す。なお、共存ガスとしては、メタンガスを用いた。
【0087】
【数1】
【0088】
(式中、Qは透過流束、nはガス体積、lは膜厚、Aは膜面積、tは時間、Δpは供給側分圧と透過側分圧の差を意味する。添え字iは各ガスを表す。)
【0089】
【数2】
【0090】
(式中、αは透過流束、QCOは二酸化炭素の透過流束、Q共存ガスは共存ガスの透過流束を意味する。)
<ガス透過測定装置の設定条件>
供給ガス量:約100mL/分、
測定温度:40℃、
供給ガス組成:二酸化炭素/共存ガス=10/90(vol/vol)、
透過側スイープガス:He(乾燥)、
相対湿度:80%、
圧力:供給側;155kPa、透過側;105kPa。
【0091】
<ガスクロマトグラフィー分析条件>
供給側 TCD検出器GC7870A(Agilent Technology社製)
カラム HayeSep Q×0.5m MS5A×6フィート HayeSep Q×6フィート MS5A×6フィート
透過側 PDHID検出器GC7870A(Agilent Technology社製)
カラム SHINCARBON×4m HayeSep Q×0.5m
Heスイープガス量:10mL/分。
【0092】
【表1】
【0093】
表1中、QCOとQ共存ガスの単位はGPU(1×10−6cm(STP)/(s・cm・cmHg))である。
【0094】
以上の結果から、本発明の高分子膜は優れたガス分離能を有することが確認された。
【符号の説明】
【0095】
1 COガスボンベ
2 共存ガスボンベ
3 Heガスボンベ
4 流量制御計
5 加湿器
6 圧力計
7 露点計
8 膜セル
9 恒温槽
10 除湿トラップ
図1