特開2017-226026(P2017-226026A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-226026(P2017-226026A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】圧電性単結晶ウエハの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B24B 37/015 20120101AFI20171201BHJP
   B24B 27/06 20060101ALI20171201BHJP
   B24B 1/00 20060101ALI20171201BHJP
   H01L 41/39 20130101ALI20171201BHJP
【FI】
   B24B37/00 J
   B24B27/06 D
   B24B1/00 B
   H01L41/39
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-122022(P2016-122022)
(22)【出願日】2016年6月20日
(71)【出願人】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】山方 俊幸
【テーマコード(参考)】
3C049
3C158
【Fターム(参考)】
3C049AA07
3C049AA18
3C049AC04
3C049BA08
3C049CA01
3C049CB02
3C049CB10
3C158AA07
3C158AA18
3C158AC04
3C158BA08
3C158CA01
3C158CB02
3C158CB10
3C158DA17
3C158EA02
(57)【要約】
【課題】本発明は、LT単結晶ウエハおよびLN単結晶ウエハの製造において、両面ラッピング工程において、ウエハの割れを低減できる製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】圧電性単結晶をワイヤーソーによりスライスして単結晶ウエハ50を形成するスライス工程と、
前記単結晶ウエハの両面を粗研磨するラッピング工程と、
粗研磨された前記単結晶ウエハの少なくとも一方の面を鏡面研磨するポリッシング工程と、を有し、
前記ラッピング工程において、砥粒60を水に分散させたスラリーの温度を21℃以上24℃以下に維持して粗研磨を行うことを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電性単結晶をワイヤーソーによりスライスして単結晶ウエハを形成するスライス工程と、
前記単結晶ウエハの両面を粗研磨するラッピング工程と、
粗研磨された前記単結晶ウエハの少なくとも一方の面を鏡面研磨するポリッシング工程と、を有し、
前記ラッピング工程において、砥粒を水に分散させたスラリーの温度を21℃以上24℃以下に維持して粗研磨を行うことを特徴とする圧電性単結晶ウエハの製造方法。
【請求項2】
前記スラリーの温度は、冷却手段により冷却されて前記21℃以上24℃以下に維持される請求項1に記載の圧電性単結晶ウエハの製造方法。
【請求項3】
前記スラリーの温度は、前記冷却手段用の制御装置により前記21℃以上24℃以下に維持される請求項2に記載の圧電性単結晶ウエハの製造方法。
【請求項4】
前記単結晶ウエハが、タンタル酸リチウム単結晶ウエハ、またはニオブ酸リチウム単結晶ウエハであることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の圧電性単結晶ウエハの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電性単結晶ウエハの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タンタル酸リチウム(以後、LTと略記する)単結晶、および、ニオブ酸リチウム(以後、LNと略記する)単結晶は、融点がそれぞれ約1650℃、約1250℃、キュリー点がそれぞれ約600℃、約1200℃の強誘電体であり、圧電性を有する。このLT単結晶またはLN単結晶から製造されたLT単結晶ウエハやLN単結晶ウエハは、主に携帯電話の信号ノイズ除去用の表面弾性波(以後、SAWと略記する。)フィルタや光学素子などのデバイス材料として用いられている。デバイスが必要とする特性によって、いずれかの単結晶ウエハが選択される。
【0003】
次に、LT結晶ウエハおよびLN単結晶ウエハの製造工程について説明するが、これらは、結晶学的にも、製造プロセス的にも、同様に扱われるため、LT単結晶ウエハを中心に説明する。
【0004】
LT単結晶は、チョクラルスキー法(CZ法)などの単結晶育成方法により、育成される。まず、インゴットの状態で、径の不足する結晶の端部をカットした後、LT単結晶には、単一分極化処理(ポーリング)が施される。このポーリング処理は、LT単結晶の<001>軸方向に、キュリー点以上の温度で電圧を印加することで、結晶を分極化させるものである。
【0005】
次に、弾性表面波素子などを作製する際の基準面、すなわち、結晶方位や弾性表面波の伝播方向を示す面となるオリエンテーションフラット(OF)を加工し、外径を整える円周研削加工が、LT単結晶に施される。これらの加工を施した後、LT単結晶は、ワイヤーソーなどの切断装置により、所望の結晶方位に沿ってスライスされ、所定の厚さの円盤状のウエハとして形成される。
【0006】
得られたLT単結晶ウエハは、次のような加工が施される。まず、#400〜#1000程度の番手のダイヤモンド砥石を用いたべべリング加工により、ウエハの外周に面取り加工を施して、以後のプロセスでの割れを防止するとともに、ウエハの直径を所定の大きさに成形する。
【0007】
次に、#240〜#2500の番手の砥粒と水から成るスラリーを用いたラッピング加工により、LT単結晶ウエハの両面にラッピング加工を施す。これにより、スライスによるウエハ両面のダメージを取り除くとともに、平面度と平行度を得ながら、ウエハは所定の厚みに揃えられ、LT単結晶ウエハの裏面の粗面化が施される。
【0008】
そして、仕上げとして、SAWフィルタ用途の場合には、粗面化した面の一方の表面を、コロイダルシリカなどのスラリーを用いたメカノケミカルポリッシュにより、鏡面研磨する。
【0009】
一方、光学素子用途の場合には粗面化は不要であり、LT単結晶ウエハの両面ラッピング後に、コロイダルシリカなどのスラリーを用いたメカノケミカルポリッシュにより、両面を鏡面研磨する場合が多い。
【0010】
このようにして、得られたLT単結晶ウエハは、通常、直径が3インチ〜6インチ(76mm〜152mm)、厚さが0.1mm〜0.5mm程度の円盤状である。
【0011】
なお、特許文献1には、上述のようなウェーハ基板の研磨方法及び圧電性単結晶からなるウェーハが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2007−260793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、上述のようなLT単結晶ウエハおよびLN単結晶ウエハの製造において、最も問題となるのは、製造中におけるウエハの割れの発生である。ウエハの割れが発生する結果、歩留まりが低下し、製造コストも上昇してしまう。特に、スライス後の工程である両面ラッピング工程での割れが、製造工程の中でも多くを占めており、割れの発生の少ない製造方法が求められている。
【0014】
本発明は、LT単結晶ウエハおよびLN単結晶ウエハの製造において、両面ラッピング工程において、ウエハの割れを低減できる製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る圧電性単結晶ウエハの製造方法は、圧電性単結晶をワイヤーソーによりスライスして単結晶ウエハを形成するスライス工程と、
前記単結晶ウエハの両面を粗研磨するラッピング工程と、
粗研磨された前記単結晶ウエハの少なくとも一方の面を鏡面研磨するポリッシング工程と、を有し、
前記ラッピング工程において、砥粒を水に分散させたスラリーの温度を21℃以上24℃以下に維持して粗研磨を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、両面ラッピング工程における、ウエハの割れ発生割合を著しく低減することができ、圧電性酸化物ウエハの歩留まりを向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る圧電性単結晶ウエハの製造方法に用いられる両面ラッピング装置の一例を示した図である。
図2】本実施形態に係る圧電性単結晶ウエハの製造方法の両面ラッピング工程の研磨中の状態の一例を示した図である。
図3】両面ラッピング工程における研磨中のスラリー60の状態を示すための拡大図である。
図4】実施例1〜4及び比較例1〜6のウエハの割れ発生率を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る圧電性単結晶ウエハの製造方法に用いられる両面ラッピング装置10の一例を示した図である。
【0020】
本実施形態に係る圧電性単結晶ウエハの製造方法に用いられる両面ラッピング装置10は、上側の定盤20と、下側の定盤30と、キャリアプレート40と、上側の回転軸70と、上側回転盤71と、下側の回転軸80と、下側回転盤81とを備える。
【0021】
上側の定盤20と下側の定盤30とは、互いに上下で対向し、一対の研磨定盤を構成する。また、下側定盤30の表面上には、キャリアプレート40が設置され、キャリアプレート40内にウエハ50が保持されている。
【0022】
また、上側の定盤20は、上側回転盤71の下面の表面に支持されている。上側回転盤71の上面の中心には、回転軸70が設けられ、上側回転盤71は、回転軸70により回転可能に構成されている。同様に、下側の定盤30は、下側回転盤81の表面上に支持されており、下側回転盤81の下面の中心には、回転軸80が設けられている。そして、回転軸80の回転により、下側回転盤81と、下側回転盤81に支持された下側の定盤30が回転するように構成されている。なお、定盤20、30は、例えば、鋳鉄製であってもよい。
【0023】
図2は、本実施形態に係る圧電性単結晶ウエハの製造方法の両面ラッピング工程の研磨中の状態の一例を示した図である。また、図3は、両面ラッピング工程における研磨中のスラリー60の状態を示すための拡大図である。
【0024】
図3に示されるように、ラッピング研磨を行う際には、上側の定盤20とウエハ50の間及び下側の定盤30とウエハ50との間にスラリー60を供給し、定盤20、30に荷重を加えながら回転運動を行う。
【0025】
図1に示されるように、最初に、下側の定盤30上にキャリアプレート40がセットされ、ウエハ50もキャリアプレート40に支持固定される。そして、図2、3に示されるように、上側の定盤20が下降し、ウエハ50は、上下定盤20、30の間にセットされたキャリアプレート4で支持固定される。そして、炭化珪素の#240〜#2500の番手からなる砥粒60と水の混合液であるスラリーを上下定盤20、30とウエハ50の間に供給し、かつ、上下定盤20、30に荷重を加えながらすり合わせ回転運動して、ウエハ50の両面を研磨する。
【0026】
なお、本実施形態に係る圧電性単結晶ウエハの製造方法を実施するための両面ラッピング装置は、市販の両面ラッピング装置を用いることができ、例えば、スピードファム株式会社製、16B−5L−Vを使用してもよい。なお、スラリーは、例えば、両面ラッピング装置10に備えられた、図示しないスラリー供給タンクから供給される。スラリー供給タンクには、撹拌モーターが取り付けられており、スラリーは撹拌翼で撹拌されている。加工に使用したスラリーは両面ラッピング装置10の排出口からタンクに戻り、再びウエハ50に供給され、循環して使用される。
【0027】
スラリー供給タンクには、温度を一定に保つため、チラー装置等の冷却装置(図示せず)を付帯してもよい。付帯するチラー装置等の冷却装置は、スラリー温度を21℃以上24℃以下に維持できる冷却能力があればよい。冷却装置としてチラー装置を用いる場合、チラー装置は、市販のチラー装置を用いることができ、例えば、チタン製冷却コイル付帯のハンディークーラー(アズワン製、パソリナコンパクトハンディークーラー202TN)を使用してもよい。チラー装置を用いる場合、スラリー供給タンク内に、チタン製冷却コイルを浸漬して、スラリーを冷却する。
【0028】
また、冷却装置用のコントローラー(制御装置)を用いることにより、スラリー温度を検出できるとともに、スラリー温度を所定の設定温度となるように制御することができる。かかる冷却装置用のコントローラーも、市販されている製品を利用することができ、例えば、先端に熱伝対が付いた、パソリナコンパクトハンディークーラー202TN用コントローラーで、スラリー温度は確認でき、設定した温度となるように制御される。
【0029】
次に、かかる構成を有する両面ラッピング装置10を用いて行われる、本発明の実施形態に係る圧電性単結晶ウエハの製造方法について説明する。
【0030】
なお、圧電性単結晶ウエハの種類は特に問わないが、例えば、タンタル酸リチウム単結晶ウエハ、またはニオブ酸リチウム単結晶ウエハであってもよい。
【0031】
まず、全体の工程は、以下の通りである。まず、例えばチョクラルスキー法により育成されたインゴットの外周を円筒研削加工等により円筒状とし、これを所定の厚さにスライス加工することで円形板状のウエハ基板を得る。この工程がスライス工程となる。
【0032】
次いで、スライス加工において生じたウエハ面内及びウエハ間の厚さバラツキを低減し、且つデバイス作製上で要求される粗面の粗さとするため、所定の厚さまで両面粗面研磨を行う。これが、ラッピング工程であり、本実施形態に係る圧電性単結晶ウエハの製造方法は、ラッピング工程に特徴を有する。
【0033】
その後、両面が粗面化されたウエハに対し片面鏡面研磨を行うことで、一方の面が鏡面で、他方の面が粗面となった片面鏡面ウエハを得る。この工程がポリッシング工程となる。その後の洗浄等を除けば、ポリッシング工程の終了により、圧電性単結晶ウエハの製造が終了する。
【0034】
本発明の実施形態に係る圧電性単結晶ウエハの製造方法では、上述のスライス工程、ラッピング工程、ポリッシング工程を順次行うが、ラッピング工程において、スラリーの温度を21℃以上24℃以下に維持してラッピング加工、即ちウエハ50の両面粗研磨を行う。スラリーの温度調整は、上述のように、チラー装置等の冷却装置を用いて行ってもよいし、スラリーの温度を21℃以上24℃以下に維持できるのであれば、他の温度調整手段を用いてもよく、その手段は問わない。スラリーの温度を21℃以上24℃以下に保つことにより、ラッピング工程におけるウエハ50の割れの発生を著しく低減することができ、例えば、スラリーの温度が25℃以上の場合と比較して、ウエハの割れ発生割合を1.0%以下に低減することができることを、発明者は実験により確認している。以下、実施例を用いて、この点について更に詳細に説明する。
【実施例】
【0035】
本発明の実施例、比較例を表1に示す。
【0036】
【表1】
(実施例1)
チョクラルスキー法によりLT単結晶を育成した後、得られたLT単結晶の円柱状のバルクを650℃に加熱し、300Vの電圧を印加して1時間のポーリングを行い、LT単結晶に単一分極処理を施した。その後、端部カットおよび円筒研削をした後、ワイヤーソー(株式会社タカトリ製、MWS−612SD)を用いて、直径4インチ、厚さ0.42mmのLT単結晶ウエハにスライスした(スライス工程)。
【0037】
その後、チラー装置付帯のスラリー供給タンクを備えた、両面ラッピング装置を使用して、ラッピング工程を実施した。具体的には、上述のスライス工程で得られた300枚のLT単結晶ウエハに、炭化珪素からなるGC#1000の砥粒と水から成るスラリーを用いて、両面ラッピングを施した。スラリー温度は21〜23℃に維持した。ウエハの厚さが0.38mmになるまで研磨した。表1の右から2番目の欄に示されるように、両面ラッピングによる割れの発生はなかった。
【0038】
(実施例2)
実施例1と同様にして、直径6インチ、厚さ0.42mmのLT単結晶ウエハを作製し、スラリー温度を21〜23℃に維持して、300枚のウエハに、両面ラッピングを施した。表1の右から2番目の欄及び右端の欄に示されるように、両面ラッピングによる割れの発生は1枚で、割れ発生割合は0.7%であった。なお、実施例2においては、ウエハの直径が実施例1よりも大きくなっている。
【0039】
(実施例3)
チョクラルスキー法によりLN単結晶を育成した後、得られたLT単結晶の円柱状のバルクを1200℃に加熱し、300Vの電圧を印加して1時間のポーリングを行い、LN単結晶に単一分極処理を施した。その後、端部カットおよび円筒研削をした後、ワイヤーソー(株式会社タカトリ製、MWS−612SD)を用いて、直径4インチ、厚さ0.42mmのLN単結晶ウエハにスライスした。なお、実施例3においては、バルクの加熱温度が実施例1よりも高くなっている。その他の条件は、実施例1と同様である。
【0040】
その後、チラー装置付帯のスラリータンクを備えた、両面ラッピング装置を使用して、これらのLN単結晶ウエハを炭化珪素からなるGC#2500の砥粒と水から成るスラリーを用いて、300枚のウエハに、両面ラッピングを施した。スラリー温度は22〜24℃に維持した。ウエハの厚さが0.38mmになるまで研磨した。表1に示されるように、両面ラッピングによる割れの発生は1枚で、割れ発生割合は0.3%であった。
【0041】
(実施例4)
実施例3と同様にして、直径6インチ、厚さ0.42mmのLN単結晶ウエハを作製し、スラリー温度を22〜24℃に維持して、300枚のウエハに、両面ラッピングを施した。表1に示されるように、両面ラッピングによる割れの発生は1枚で、割れ発生割合は0.3%であった。
【0042】
(比較例1)
実施例1と同様にして、直径4インチ、厚さ0.42mmのLT単結晶ウエハを作製し、スラリー温度を25〜27℃に維持して、300枚のウエハに、両面ラッピングを施した。表1に示されるように、両面ラッピングによる割れの発生は13枚で、割れ発生割合は4.3%であった。
【0043】
(比較例2)
実施例1と同様にして、直径6インチ、厚さ0.42mmのLT単結晶ウエハを作製し、スラリー温度を26〜28℃に維持して、300枚のウエハに、両面ラッピングを施した。表1に示されるように、両面ラッピングによる割れの発生は22枚で、割れ発生割合は7.3%であった。
【0044】
(比較例3)
実施例1と同様にして、直径6インチ、厚さ0.42mmのLT単結晶ウエハを作製し、スラリー温度を26〜28℃に維持して、300枚のウエハに、両面ラッピングを施した。表1に示されるように、両面ラッピングによる割れの発生は47枚で、割れ発生割合は15.6%であった。
【0045】
(比較例4)
実施例3と同様にして、直径4インチ、厚さ0.42mmのLN単結晶ウエハを作製し、スラリー温度を25〜27℃に維持して、300枚のウエハに、両面ラッピングを施した。表1に示されるように、両面ラッピングによる割れの発生は20枚で、割れ発生割合は6.0%であった。
【0046】
(比較例5)
実施例3と同様にして、直径6インチ、厚さ0.42mmのLN単結晶ウエハを作製し、スラリー温度を25〜27℃に維持して、300枚のウエハに、両面ラッピングを施した。表1に示されるように、両面ラッピングによる割れの発生は25枚で、割れ発生割合は8.3%であった。
【0047】
(比較例6)
実施例1と同様にして、直径6インチ、厚さ0.42mmのLT単結晶ウエハを作製し、チラー装置なしで、100枚のウエハに、両面ラッピングを施した。スラリー供給タンク内は常に撹拌されているため、スラリー温度は、常温(25℃)から27℃近くまで上昇している。前記のスラリーが供給され、加工で温度が上昇したスラリーがタンク内に戻ってくるため、スラリー供給タンク内のスラリー温度は27℃以上になる。チラー装置がないため、温度は一定に保持できない。表1に示されるように、両面ラッピングによる割れの発生は30枚で、割れ発生割合は30.0%であった。発生割合が30.0%となったため、100枚までの投入とした。
【0048】
図4は、実施例1〜4及び比較例1〜6のウエハの割れ発生率を示した図である。図4に示される通り、実施例1〜4では、割れ発生率が1%未満の極めて低い値であり、比較例1〜6と比較して、著しくウエハの割れ発生率を低減できていることが示された。なお、図4において、スラリー温度制限無しの横軸の数字が入っていないデータは、上述の説明には入っていなかった比較例であるが、スラリー温度制限無しの場合、やはり割れ発生率は高く、30%近くとなった。
【0049】
このように、本発明の実施形態及び実施例に係る圧電性単結晶ウエハの製造方法によれば、スラリー温度を21〜24℃に維持してラッピング工程を行うことにより、ウエハの割れ発生率を著しく低減でき、生産性を大幅に向上させることができる。
【0050】
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施形態及び実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実子形態及び実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0051】
10 両面ラッピング装置
20 上側の定盤
30 下側の定盤
40 キャリアプレート
50 ウエハ
60 砥粒
70、80 回転軸
71、81 回転盤
図1
図2
図3
図4