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特開2017-226045ロボット、制御装置およびロボットシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-226045(P2017-226045A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】ロボット、制御装置およびロボットシステム
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/08 20060101AFI20171201BHJP
【FI】
   B25J13/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-124230(P2016-124230)
(22)【出願日】2016年6月23日
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116665
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 和昭
(74)【代理人】
【識別番号】100164633
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 圭介
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(72)【発明者】
【氏名】元▲吉▼ 正樹
(72)【発明者】
【氏名】今井 涼介
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS10
3C707CX01
3C707CX03
3C707HT26
3C707KS21
3C707KS23
3C707KS24
3C707KX05
3C707KX15
3C707MS15
3C707MT04
(57)【要約】
【課題】位置精度を向上させることができるロボット、制御装置およびロボットシステムを提供すること。
【解決手段】移動可能な可動部と、前記可動部を駆動する駆動部と、前記可動部と前記駆動部との間に位置する伝達部と、前記伝達部の入力側の位置を検出する第1位置検出部と、前記伝達部の出力側の位置を検出する第2位置検出部と、前記可動部に設けられた慣性センサーと、を備えることを特徴とするロボット。また、前記駆動部は、前記第1位置検出部の検出結果と、前記第2位置検出部の検出結果と、前記慣性センサーの検出結果とに基づいて駆動される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動可能な可動部と、
前記可動部を駆動する駆動部と、
前記可動部と前記駆動部との間に位置する伝達部と、
前記伝達部の入力側の位置を検出する第1位置検出部と、
前記伝達部の出力側の位置を検出する第2位置検出部と、
前記可動部に設けられた慣性センサーと、を備えることを特徴とするロボット。
【請求項2】
前記駆動部は、前記第1位置検出部の検出結果と、前記第2位置検出部の検出結果と、前記慣性センサーの検出結果とに基づいて駆動される請求項1に記載のロボット。
【請求項3】
前記慣性センサーは、前記第2位置検出部よりも前記可動部の先端側に位置する請求項1または2に記載のロボット。
【請求項4】
前記可動部の先端に外力が作用した場合における前記伝達部の変形による前記可動部の先端の第1変位量と、前記可動部の先端に前記外力が作用した場合における前記可動部の変形による前記可動部の先端の第2変位量とを比較したとき、前記第2変位量は、前記第1変位量の1/30以上である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のロボット。
【請求項5】
前記第1位置検出部の検出結果と、前記第2位置検出部の検出結果と、前記慣性センサーの検出結果とに基づいて、前記第1位置検出部、前記第2位置検出部、前記慣性センサー、前記駆動部、前記伝達部および前記可動部のうちの少なくとも1つの異常を検出可能である請求項1ないし4のいずれか1項に記載のロボット。
【請求項6】
前記可動部は、複数のアームを有する請求項1ないし5のいずれか1項に記載のロボット。
【請求項7】
前記伝達部は、減速機を有する請求項1ないし6のいずれか1項に記載のロボット。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載のロボットを制御することを特徴とする制御装置。
【請求項9】
前記第2位置検出部の出力側に設けられた低域通過フィルターと、
前記慣性センサーの出力側に設けられた高域通過フィルターと、を備える請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記第2位置検出部の検出結果と前記慣性センサーの検出結果とに基づいて演算を行う演算部と、
前記演算部の出力側に設けられた高域通過フィルターと、を備える請求項8に記載の制御装置。
【請求項11】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載のロボットと、
前記ロボットを制御する制御装置と、を備えることを特徴とするロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット、制御装置およびロボットシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
基台と、複数のアーム(リンク)を有するマニピュレーターとを備えるロボットが知られている。マニピュレーターの隣り合う2つのアームのうちの一方のアームは、関節部を介して、他方のアームに回動可能に連結され、最も基端側(最も上流側)のアームは、関節部を介して、基台に回動可能に連結されている。関節部はモーターにより駆動され、その関節部の駆動により、アームが回動する。また、最も先端側(最も下流側)のアームには、エンドエフェクターとして、例えば、着脱可能にハンドが装着される。そして、ロボットは、例えば、ハンドで対象物を把持し、その対象物を所定の場所へ移動させ、組立等の所定の作業を行う。
【0003】
また、特許文献1には、モーターに設けられた角度センサーの検出結果と、マニピュレーターに設けられた角速度センサーの検出結果とに基づいて制御されるロボットが開示されている。このロボットでは、角速度センサーの検出結果を用いることで振動を抑制することができる。
【0004】
また、マニピュレーターの先端部の位置制御において位置精度を向上させるために、減速機の撓み量分を補正することがある。このような場合は、角速度センサーにより検出された角速度を積分して位置の情報に変換する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、角速度センサーの検出結果にはオフセットによる誤差が含まれており、位置制御を行う場合、前記オフセットが含まれていると、そのオフセット分も積分してしまい、正確な位置情報を得ることができない。これにより、位置精度が低下するという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0008】
本発明のロボットは、移動可能な可動部と、
前記可動部を駆動する駆動部と、
前記可動部と前記駆動部との間に位置する伝達部と、
前記伝達部の入力側の位置を検出する第1位置検出部と、
前記伝達部の出力側の位置を検出する第2位置検出部と、
前記可動部に設けられた慣性センサーと、を備えることを特徴とする。
【0009】
これにより、駆動部よりも先端側の部分の撓みや振動を考慮して位置精度を向上させることができる。
【0010】
本発明のロボットでは、前記駆動部は、前記第1位置検出部の検出結果と、前記第2位置検出部の検出結果と、前記慣性センサーの検出結果とに基づいて駆動されることが好ましい。
【0011】
これにより、駆動部よりも先端側の部分の撓みや振動を考慮して位置精度を向上させることができる。
【0012】
本発明のロボットでは、前記慣性センサーは、前記第2位置検出部よりも前記可動部の先端側に位置することが好ましい。
これにより、適確に振動を検出することができる。
【0013】
本発明のロボットでは、前記可動部の先端に外力が作用した場合における前記伝達部の変形による前記可動部の先端の第1変位量と、前記可動部の先端に前記外力が作用した場合における前記可動部の変形による前記可動部の先端の第2変位量とを比較したとき、前記第2変位量は、前記第1変位量の1/30以上であることが好ましい。
【0014】
これは、可動部の剛性が高過ぎる場合を除外する意図であり、可動部の剛性が比較的低い場合に、位置精度を格段に向上させることができる。
【0015】
本発明のロボットでは、前記第1位置検出部の検出結果と、前記第2位置検出部の検出結果と、前記慣性センサーの検出結果とに基づいて、前記第1位置検出部、前記第2位置検出部、前記慣性センサー、前記駆動部、前記伝達部および前記可動部のうちの少なくとも1つの異常を検出可能であることが好ましい。
【0016】
第1位置検出部の検出結果と、第2位置検出部の検出結果と、慣性センサーの検出結果とを利用することで、駆動部、伝達部および可動部のうちの少なくとも1つの異常を検出することができ、その異常が検出された場合、適確に対応することができる。
【0017】
本発明のロボットでは、前記可動部は、複数のアームを有することが好ましい。
これにより、種々の動作を行うことができるので、種々の作業を効率良く行うことができ、また、その作業において位置精度を向上させることができる。
【0018】
本発明のロボットでは、前記伝達部は、減速機を有することが好ましい。
これにより、駆動力が小さい駆動部を用いて大きい駆動力を得ることができる。また、駆動部の駆動速度を必要な駆動速度、例えば、駆動部の回転速度を必要な回転速度に変更することができる。
【0019】
本発明の制御装置は、本発明のロボットを制御することを特徴とする。
これにより、駆動部よりも先端側の部分の撓みや振動を考慮して位置精度を向上させることができる。
【0020】
本発明の制御装置では、前記第2位置検出部の出力側に設けられた低域通過フィルターと、
前記慣性センサーの出力側に設けられた高域通過フィルターと、を備えることが好ましい。
【0021】
これにより、適確にノイズ成分を除去または減少させることができ、位置精度を向上させることができる。
【0022】
本発明の制御装置では、前記第2位置検出部の検出結果と前記慣性センサーの検出結果とに基づいて演算を行う演算部と、
前記演算部の出力側に設けられた高域通過フィルターと、を備えることが好ましい。
【0023】
これにより、適確にノイズ成分を除去または減少させることができ、位置精度を向上させることができる。
【0024】
本発明のロボットシステムは、本発明のロボットと、
前記ロボットを制御する制御装置と、を備えることを特徴とする。
【0025】
これにより、駆動部よりも先端側の部分の撓みや振動を考慮して位置精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明のロボットシステムの第1実施形態を示す側面図(一部断面図)である。
図2図1に示すロボットシステムの主要部のブロック図である。
図3】本発明のロボットシステムの第2実施形態における制御部の角速度センサーおよび第2角度センサーの出力を処理する回路の構成例を示すブロック図である。
図4】本発明のロボットシステムの第2実施形態における制御部の角速度センサーおよび第2角度センサーの出力を処理する回路の構成例を示すブロック図である。
図5】本発明のロボットシステムの第2実施形態における制御部の角速度センサーおよび第2角度センサーの出力を処理する回路の構成例を示すブロック図である。
図6】本発明のロボットシステムの第2実施形態における制御部の角速度センサーおよび第2角度センサーの出力を処理する回路の構成例を示すブロック図である。
図7】本発明のロボットシステムの第3実施形態を示す側面図(一部断面図)である。
図8】本発明のロボットシステムの第4実施形態を示す斜視図である。
図9図8に示すロボットシステムのロボットの概略図である。
図10図8に示すロボットシステムの主要部のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明のロボット、制御装置およびロボットシステムを添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0028】
<第1実施形態>
図1は、本発明のロボットシステムの第1実施形態を示す側面図(一部断面図)である。図2は、図1に示すロボットシステムの主要部のブロック図である。
【0029】
なお、以下では、説明の都合上、図1中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う(図7図8も同様)。また、図1中の基台側を「基端」または「上流」、その反対側を「先端」または「下流」と言う(図7図8も同様)。また、図1中の上下方向が鉛直方向である(図7図8も同様)。
【0030】
図1および図2に示すロボットシステム100は、ロボット1と、ロボット1を制御する制御装置20とを備えている。また、ロボット1は、基台11と、マニピュレーター10(ロボットアーム)とを備えている。このマニピュレーター10は、本実施形態では、基台11に、回動軸O周りに回動可能に設けられた1つのアーム19を備えている。
【0031】
制御装置20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)が内蔵されたパーソナルコンピューター(PC)等で構成することができる。この制御装置20は、ロボット1の後述するモーター401M等の各部の作動(駆動)を制御する制御部200と、異常検出を行う異常検出部21と、各情報を記憶する記憶部22等を備えている。異常検出部21は、ロボット1の異常部位を特定する異常部位特定部211を備えている。なお、制御装置20は、ロボット1にその一部または全部が内蔵されていてもよく、また、ロボット1とは、別体であってもよい。以下、ロボット1について詳細に説明する。
【0032】
ロボット1は、基台11と、移動可能な可動部の1例であるアーム19と、可動部を駆動する駆動部の1例であるモーター401Mと、モーター401Mを駆動するモータードライバー301と、可動部と駆動部との間に位置する伝達部(動力伝達部)の1例である減速機501と、伝達部の入力側の位置を検出する第1位置検出部の1例である第1角度センサー411と、伝達部の出力側の位置を検出する第2位置検出部の1例である第2角度センサー511と、可動部に設けられた慣性センサーの1例である角速度センサー31とを備えている。
【0033】
そして、モーター401Mは、制御装置20の制御により、第1角度センサー411の検出結果と、第2角度センサー511の検出結果と、角速度センサー31の検出結果とに基づいて駆動される。
【0034】
なお、前記可動部の移動とは、直線上や曲線上を移動する場合に限らず、例えば、回動等のあらゆる動き(変位)を含む概念である。また、前記位置には、角度(回転角度)も含まれる。
【0035】
また、前記伝達部の入力側とは、伝達部の駆動部側のことであり、本実施形態では、減速機501の入力軸である。この減速機501の入力軸の回転角度は、モーター401Mの回転軸の回転角度と同一である。このため、本実施形態では、伝達部の入力側の位置として、モーター401Mの回転軸の回転角度を検出する。
【0036】
また、前記伝達部の出力側とは、伝達部の駆動部とは反対側のこと、すなわち、伝達部の可動部側のことであり、本実施形態では、減速機501の出力軸である。この減速機501の出力軸の回転角度は、アーム19の基端部の回転角度と同一である。本実施形態では、伝達部の出力側の位置として、減速機501の出力軸の回転角度を検出する。
【0037】
基台11は、例えば、設置スペースの床等に固定(設置)される部分である。この固定方法としては、特に限定されず、例えば、複数本のボルトによる固定方法等が挙げられる。
【0038】
そして、基台11にはアーム19の基端部が連結されている。アーム19は、基台11に対し、鉛直方向に沿う回動軸O、すなわち、鉛直方向と平行な回動軸Oを回動中心とし、その回動軸O周りに回動可能となっている。なお、平行とは、2つの軸を例に挙げて説明すると、その2つの軸が完全に平行な場合のみを示すものではなく、一方の軸が他方の軸に対して±5°以下の範囲内で傾斜している場合も含まれる。
【0039】
また、基台11内には、アーム19を回動させる駆動部であるモーター401Mと、減速機501とが設置されている。モーター401Mおよび減速機501は、それぞれ、基台11に固定されている。減速機501の入力軸は、モーター401Mの回転軸に連結され、減速機501の出力軸は、アーム19に連結されている。そのため、モーター401Mが駆動し、その駆動力が減速機501を介してアーム19に伝達されると、アーム19が基台11に対して回動軸O周りに水平面内で回動する。
【0040】
また、モーター401Mとしては、それぞれ、特に限定されないが、例えば、ACサーボモーター、DCサーボモーター等のサーボモーターを用いるのが好ましい。
【0041】
また、減速機501としては、特に限定されず、例えば、波動歯車装置、すなわち、ハーモニックドライブ(「ハーモニックドライブ」は登録商標)、歯車減速機等が挙げられる。
【0042】
なお、本実施形態では、伝達部は、動力を伝達する動力伝達部であり、減速機501で構成されているが、伝達部は、減速機501の他に、他の部材を有していてもよい。すなわち、伝達部は、減速機501を有する機構で構成されていればよい。これにより、駆動力が小さいモーター401Mを用いて大きい駆動力を得ることができる。また、モーター401Mの回転速度を必要な回転速度に変更することができる。なお、伝達部は、減速機能を有していない機構で構成されていてもよい。
【0043】
ここで、アーム19および減速機501等の剛性は、特に限定されないが、アーム19の先端に外力が作用した場合における減速機501の変形によるアーム19の先端の第1変位量と、アーム19の先端に前記と同じ外力が作用した場合におけるアーム19の変形によるアーム19の先端の第2変位量とを比較したとき、第2変位量は、第1変位量の1/30以上であることが好ましい。これは、アーム19の剛性が高過ぎる場合を除外する意図であり、アーム19の剛性が比較的低い場合に、位置精度を格段に向上させることができる。
【0044】
また、第2変位量は、第1変位量の1/30以上、30以下であることがより好ましく、1/10以上、10以下であることがさらに好ましい。
【0045】
また、モーター401Mには、基台11に対するモーター401Mの回転軸の回転角度(回転量)を検出する第1角度センサー411が設置されている。この第1角度センサー411の検出結果(出力)に基づいて、基台11に対するモーター401Mの回転軸の回転角度、すなわち、減速機501の入力軸の回転角度を検出することができる。以下では、モーター401Mの回転軸の回転角度を、モーター401Mの回転角度とも言う。
【0046】
なお、本実施形態では、モーター401M、減速機501および第1角度センサー411は、アーム19の下方に配置されている。
【0047】
また、基台11内には、基台11に対する減速機501の出力軸の回転角度を検出する第2角度センサー511が設置されている。この第2角度センサー511の検出結果に基づいて、基台11に対する減速機501の出力軸の回転角度、すなわち、アーム19の回転角度を検出することができる。本実施形態では、第2角度センサー511は、アーム19の上方に配置されている。
【0048】
また、第1角度センサー411および第2角度センサー511としては、それぞれ、特に限定されず、例えば、エンコーダー、レゾルバー、ポテンショメーター等が挙げられる。
【0049】
また、アーム19には、角速度センサー31が設置されている。アーム19における角速度センサー31の位置は、特に限定されないが、本実施形態では、角速度センサー31は、第2角度センサー511よりもアーム19の先端側に位置している。すなわち、角速度センサー31は、アーム19の先端部に配置されている。これにより、角速度センサー31によりアーム19の振動に起因する角速度を適確に検出することができる。
【0050】
また、慣性センサーとしては、角速度センサーに限らず、この他、例えば、加速度センサー等が挙げられる。また、角速度センサー31の数は、本実施形態では、1つであるが、これに限らず、複数であってもよい。
【0051】
また、アーム19の先端部には、図示しないエンドエフェクターが着脱可能に取り付けることができるようになっている。エンドエフェクターとしては、特に限定されず、例えば、対象物を把持するもの、対象物を加工するもの等が挙げられる。
【0052】
ロボット1を動作させる際は、制御装置20は、第1角度センサー411、第2角度センサー511および角速度センサー31により検出を行い、その検出結果に基づいて、モーター401Mの駆動を制御する。なお、第1角度センサー411の検出結果と、第2角度センサー511の検出結果とに基づいて、振動に起因する回転角度を求めることができる。また、第1角度センサー411の検出結果、と、角速度センサー31の検出結果とに基づいて、振動に起因する角速度を求めることができる。また、ロボット1の制御としては、例えば、位置制御、速度制御、力制御、制振制御等が挙げられる。なお、制御プログラムは、制御装置20の記憶部22に予め記憶されている。
【0053】
また、ロボットシステム100では、第1角度センサー411の検出結果と、第2角度センサー511の検出結果と、角速度センサー31の検出結果とに基づいて、ロボット1の所定部分、すなわち、第1角度センサー411、第2角度センサー511、角速度センサー31、モーター401M、減速機501およびアーム19のうちの少なくとも1つの異常を検出可能である。この異常検出は、制御装置20の異常検出部21により行われ、異常検出では、異常検出部21の異常部位特定部211により、ロボット1の異常部位を特定する。以下、この異常検出について説明する。
【0054】
異常検出では、下記(1)〜(3)の処理が挙げられ、その3つの処理のうちの2つ以上の処理を行い、その結果を用いて、異常部位を特定する。
【0055】
(1)
第1角度センサー411の出力値を減速機501の減速比で除した値と、第2角度センサー511の出力値とを比較する。
【0056】
(2)
第1角度センサー411の出力値を減速機501の減速比で除した値の微分値と、角速度センサー31の出力値とを比較する。
【0057】
(3)
第2角度センサー511の出力値の微分値と、角速度センサー31の出力値とを比較する。
【0058】
前記(1)〜(3)の処理では、それぞれ、比較を行った結果、互いの値が同一か否かを判断する。ここで、同一とは、互いの値が完全に等しい場合に限らず、誤差程度の差、例えば、±5%以下の差がある場合も含まれる。誤差としては、互いの値の割合だけでなく固定値であってもよい。例えば、最大速度の±5%を許容誤差として設定してもよい。なお、前記「±5%」の数値は、諸条件に応じて適宜設定可能である。以下では、前記比較を行った結果、互いの値が同一の場合を単に「同一」、互いの値が異なる場合を単に「異なる」と言う。
【0059】
この異常検出では、(1)〜(3)の処理において、いずれが「異なる」であるか、いずれが「同一」であるかで、異常であるか否か、異常がある場合は、いずれの部位が異常部位であるかを判定することができる。以下、下記表1に基づいて具体的に説明する。
【0060】
【表1】
【0061】
まず、前記表1に示すように、異常部位が第1角度センサー411の場合は、第1角度センサー411のみに影響が及ぶ。
【0062】
また、異常部位が減速機501の場合は、第2角度センサー511および角速度センサー31に影響が及び、第1角度センサー411には影響が及ばない。
【0063】
また、異常部位が第2角度センサー511の場合は、第2角度センサー511のみに影響が及ぶ。
【0064】
また、異常部位がアーム19の場合は、角速度センサー31のみに影響が及ぶ。
また、異常部位が角速度センサー31の場合は、角速度センサー31のみに影響が及ぶ。
【0065】
前記の関係を考慮すると、(1)〜(3)の処理のうちの2つ以上の処理を行い、その結果を用いることで、異常を検出し、その異常部位を特定することができる。
【0066】
まず、(1)および(2)の処理を行って異常検出を行う場合について説明する。
(1)および(2)の処理でそれぞれ「異なる」と判断した場合は、第1角度センサー411と減速機501とのうちの少なくとも一方が異常であると判定する。
【0067】
また、(1)の処理のみで「異なる」と判断した場合は、第2角度センサー511が異常であると判定する。
【0068】
また、(2)の処理のみで「異なる」と判断した場合は、角速度センサー31とアーム19とのうちの少なくとも一方が異常であると判定する。
【0069】
次に、(1)および(3)の処理を行って異常検出を行う場合について説明する。
(1)の処理のみで「異なる」と判断した場合は、第1角度センサー411と減速機501とのうちの少なくとも一方が異常であると判定する。
【0070】
また、(1)および(3)の処理でそれぞれ「異なる」と判断した場合は、第2角度センサー511が異常であると判定する。
【0071】
また、(3)の処理のみで「異なる」と判断した場合は、角速度センサー31とアーム19とのうちの少なくとも一方が異常であると判定する。
【0072】
次に、(2)および(3)の処理を行って異常検出を行う場合について説明する。
(2)の処理のみで「異なる」と判断した場合は、第1角度センサー411と減速機501とのうちの少なくとも一方が異常であると判定する。
【0073】
また、(3)の処理のみで「異なる」と判断した場合は、第2角度センサー511が異常であると判定する。
【0074】
また、(2)および(3)の処理でそれぞれ「異なる」と判断し場合は、角速度センサー31とアーム19とのうちの少なくとも一方が異常であると判定する。
【0075】
前記のように、(1)〜(3)の処理のうちの2つの処理を行ってその結果を用いることで異常を検出することができるが、(1)〜(3)のすべての処理を行ってその結果を用いて異常を検出してもよい。この場合は、1個所のみに異常がある場合は、必ず、(1)〜(3)の処理で、「異なる」の数が2つ(偶数)になる。このため、(1)〜(3)の処理で、「異なる」の数が1つまたは3つ(奇数)である場合は、複数個所に異常がある可能性があると判別する。
【0076】
次に、第1角度センサー411、第2角度センサー511および角速度センサー31のすべての検出結果、本実施形態では、第1角度センサー411の出力値を減速機501の減速比で除した値の微分値と、第2角度センサー511の出力値の微分値と、角速度センサー31の出力値とを用いて異常検出を行う場合について説明する。以下では、第1角度センサー411の出力値を減速機501の減速比で除した値の微分値を単に「第1角度センサー411の換算値」、第2角度センサー511の出力値の微分値を単に「第2角度センサー511の換算値」と言う。
【0077】
まず、ロボット1のいずれか1個所に異常がある場合は、第1角度センサー411の換算値と、第2角度センサー511の換算値と、角速度センサー31の出力値とのうちの1つだけ値が他の2つの値と比べて大きく異なる。このため、第1角度センサー411の換算値、第2角度センサー511の換算値および角速度センサー31の出力値の分散が大きくなる。そこで、前記分散を求め、その分散と予め設定された閾値とを比較し、分散が閾値よりも大きい場合は、ロボット1のいずれか1個所に異常があると判定し、また、分散が閾値以下の場合は、正常と判定する。なお、前記分散に換えて、標準偏差を用いてもよい。
【0078】
また、異常がある場合、平均値との差が最も大きいセンサーまたはそのセンサーの近傍が異常部位である。以下、下記表2に基づいて具体的に説明する。
【0079】
【表2】
【0080】
まず、前記表2に示す各場面について説明すると、場面1および場面3では、ロボット1は、正常である。また、場面2では、角速度センサー31またはその角速度センサー31の近傍に異常がある。また、場面4では、第2角度センサー511またはその第2角度センサー511の近傍に異常がある。異常検出を行う前は、この情報は、既知ではない。
【0081】
このような場合を例に挙げ、以下のようにして異常検出を行う。なお、この異常検出では、閾値は、1例として「100」に設定されている。
【0082】
場面1では、分散は小さい。分散と閾値「100」とを比較すると、分散は閾値以下であり、正常と判定する。
【0083】
また、場面2では、分散は大きい。分散と閾値「100」とを比較すると、分散は閾値よりも大きく、異常と判定する。また、角速度センサー31の出力値は、平均値との差が最も大きい。このため、異常部位は、角速度センサー31またはその角速度センサー31の近傍であると判定する。
【0084】
また、場面3では、分散は小さい。分散と閾値「100」とを比較すると、分散は閾値以下であり、正常と判定する。
【0085】
また、場面4では、分散は大きい。分散と閾値「100」とを比較すると、分散は閾値よりも大きく、異常と判定する。また、第2角度センサー511の換算値は、平均値との差が最も大きい。このため、異常部位は、第2角度センサー511またはその第2角度センサー511の近傍であると判定する。
【0086】
以上説明したように、このロボットシステム100では、モーター401Mよりも先端側の部分の撓みや振動を考慮して位置精度を向上させることができ、また、振動も抑制することができる。
【0087】
また、異常検出部21により、減速機501、アーム19、第1角度センサー411、第2角度センサー511および角速度センサー31について、異常を検出し、また、異常部位を特定することができる。そして、異常が検出された場合、例えば、ロボット1を停止させたり、部品を交換したり、修理を行う等、適確に対応することができる。
【0088】
<第2実施形態>
図3図6は、それぞれ、本発明のロボットシステムの第2実施形態における制御部の角速度センサーおよび第2角度センサーの出力を処理する回路の構成例を示すブロック図である。
【0089】
以下、第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0090】
まず、第2実施形態の説明の前に、第1角度センサー411、第2角度センサー511および角速度センサー31によりそれぞれ何が検出されるのかを確認する。
【0091】
第1角度センサー411により、アーム19の目標動作に対応する回転角度が検出される。
【0092】
また、第2角度センサー511により、アーム19の目標動作に対応する回転角度と、減速機501の振動に起因する回転角度とが検出される。
【0093】
また、角速度センサー31により、アーム19の目標動作に対応する角速度と、アーム19の振動に起因する角速度と、減速機501の振動に起因する角速度とが検出される。また、角速度センサー31の出力値には、オフセットが含まれている。
【0094】
次に、制御部200のうちの、第2角度センサー511および角速度センサー31の検出結果に基づいてアーム19側の角速度を求める回路の構成例について説明する。このアーム19側の角速度は、アーム19の目標動作に対応する角速度、アーム19の振動に起因する角速度および減速機501の振動に起因する角速度を合成した角速度である。
【0095】
(構成例1)
図3に示すように、制御部200は、第2角度センサー511の出力側に設けられたローパスフィルター62(低域通過フィルター)と、角速度センサー31の出力側に設けられたハイパスフィルター63(高域通過フィルター)とを備えている。以下、具体的に説明する。
【0096】
制御部200は、微分回路61と、ローパスフィルター62と、ハイパスフィルター63と、加算器64とを備えている。
【0097】
微分回路61は、第2角度センサー511の出力側に接続され、ローパスフィルター62は、微分回路61の出力側に接続されている。また、ハイパスフィルター63は、角速度センサー31の出力側に接続されている。そして、加算器64は、ローパスフィルター62およびハイパスフィルター63の出力側に接続されている。
【0098】
この回路では、第2角度センサー511の出力、すなわち、第2角度センサー511により検出された回転角度を示す信号は、図示しないAD変換器でアナログ信号からデジタル信号に変換された後、微分回路61で角速度を示す信号に変換される。そして、前記信号は、ローパスフィルター62により処理され、高周波数成分が除去または低減される。
【0099】
また、角速度センサー31の出力、すなわち、角速度センサー31により検出された角速度を示す信号は、図示しないAD変換器でアナログ信号からデジタル信号に変換された後、ハイパスフィルター63により処理され、低周波数成分が除去または低減される。
【0100】
そして、ローパスフィルター62から出力された信号と、ハイパスフィルター63から出力された信号は、加算器64で加算され、出力される。この信号は、アーム19側の角速度を示す信号である。
【0101】
ここで、各信号に、主にどのような情報が含まれるかを説明する。
まず、第2角度センサー511から出力された信号は、アーム19の目標動作に対応する回転角度の情報と、減速機501の振動に起因する回転角度の情報とを含む信号である。
【0102】
また、ローパスフィルター62から出力された信号は、アーム19の目標動作に対応する角速度の低周波数成分の情報と、減速機501の振動のうちの1次モード振動に起因する角速度の情報とを含む信号である。なお、アーム19の目標動作に対応する角速度の高周波数成分の情報と、減速機501の振動のうちの2次モード振動に起因する角速度の情報は、ローパスフィルター62で除去される。
【0103】
また、角速度センサー31から出力された信号は、アーム19の目標動作に対応する角速度の情報と、アーム19の振動に起因する角速度の情報と、減速機501の振動に起因する角速度の情報と、オフセットの情報とを含む信号である。
【0104】
また、ハイパスフィルター63から出力された信号は、アーム19の目標動作に対応する角速度の高周波数成分の情報と、アーム19の振動のうちの2次モード振動に起因する角速度の情報と、減速機501の振動のうちの2次モード振動に起因する角速度の情報とを含む信号である。なお、アーム19の目標動作に対応する角速度の低周波数成分の情報と、アーム19の振動のうちの1次モード振動に起因する角速度の情報と、減速機501の振動のうちの1次モード振動に起因する角速度の情報と、オフセットの情報とは、ハイパスフィルター63で除去される。
【0105】
そして、加算器64から出力されたアーム19側の角速度を示す信号は、アーム19の目標動作に対応する角速度の情報と、アーム19および減速機501についての1次モード振動および2次モード振動に起因する角速度の情報とを含む信号である。なお、第2角度センサー511で検出される減速機501の1次モード振動の位相と、角速度センサー31で検出されるアーム19の1次モード振動の位相とは、同相であるので、アーム19の1次モード振動に起因する角速度の情報は、ローパスフィルター62から出力された減速機501の1次モード振動に起因する角速度の情報で補完される。
【0106】
この構成例1では、第2角度センサー511および角速度センサー31の出力について、それぞれ、精度の良い部分を用いることができ、また、適確にノイズ成分を除去または減少させることができる。そして、この回路の出力を用いてロボット1を制御することにより、精度良く、ロボット1を動作させることができる。
【0107】
(構成例2)
図4に示すように、制御部200は、第2角度センサー511の検出結果と角速度センサー31の検出結果とに基づいて演算を行う演算部の1例である減算器65と、減算器65の出力側に設けられたハイパスフィルター63(高域通過フィルター)とを備えている。以下、具体的に説明する。
【0108】
制御部200は、微分回路61と、減算器65と、ハイパスフィルター63と、加算器64とを備えている。
【0109】
微分回路61は、第2角度センサー511の出力側に接続されている。また、減算器65は、微分回路61および角速度センサー31の出力側に接続されている。また、ハイパスフィルター63は、減算器65の出力側に接続されている。そして、加算器64は、微分回路61およびハイパスフィルター63の出力側に接続されている。
【0110】
この回路では、第2角度センサー511の出力、すなわち、第2角度センサー511により検出された回転角度を示す信号は、図示しないAD変換器でアナログ信号からデジタル信号に変換された後、微分回路61で角速度を示す信号に変換される。
【0111】
また、角速度センサー31の出力、すなわち、角速度センサー31により検出された角速度を示す信号は、図示しないAD変換器でアナログ信号からデジタル信号に変換され、減算器65で、前記信号から、微分回路61から出力された信号が減算される。また、減算器65から出力された信号は、ハイパスフィルター63により処理され、低周波数成分が除去または低減される。
【0112】
そして、微分回路61から出力された信号と、ハイパスフィルター63から出力された信号は、加算器64で加算され、出力される。この信号は、アーム19側の角速度を示す信号である。
【0113】
ここで、各信号に、主にどのような情報が含まれるかを説明する。
まず、第2角度センサー511から出力された信号は、アーム19の目標動作に対応する回転角度の情報と、減速機501の振動に起因する回転角度の情報とを含む信号である。
【0114】
また、角速度センサー31から出力された信号は、アーム19の目標動作に対応する角速度の情報と、アーム19の振動に起因する角速度の情報と、減速機501の振動に起因する角速度の情報と、オフセットの情報とを含む信号である。
【0115】
また、減算器65から出力された信号は、アーム19の振動に起因する角速度の情報と、オフセットの情報とを含む信号である。
【0116】
また、ハイパスフィルター63から出力された信号は、アーム19の振動に起因する角速度の情報を含む信号である。なお、オフセットの情報は、ハイパスフィルター63で除去される。
【0117】
そして、加算器64から出力されたアーム19側の角速度を示す信号は、アーム19の目標動作に対応する角速度の情報と、アーム19の振動に起因する角速度の情報と、減速機501の振動に起因する角速度の情報とを含む信号である。
【0118】
この構成例2は、構成例1に比べて、フィルターの数が少ないので、演算量が少ないという利点を有する。また、構成例2では、構成例1と同様の効果が得られる。
【0119】
次に、制御部200のうちの、第2角度センサー511および角速度センサー31の検出結果に基づいて、アーム19側の回転角度を求める回路の構成例について説明する。このアーム19側の回転角度は、アーム19の目標動作に対応する回転角度、アーム19の振動に起因する回転角度および減速機501の振動に起因する回転角度を合成した回転角度である。
【0120】
(構成例3)
図5に示すように、制御部200は、積分回路66と、ローパスフィルター62と、ハイパスフィルター63と、加算器64とを備えている。この構成例3は、前記構成例1において、微分回路61を省略し、積分回路66を設けたものであるので、一部の説明は省略する。
【0121】
ローパスフィルター62は、第2角度センサー511の出力側に接続されている。また、積分回路66は、角速度センサー31の出力側に接続され、ハイパスフィルター63は、積分回路66の出力側に接続されている。そして、加算器64は、ローパスフィルター62およびハイパスフィルター63の出力側に接続されている。
【0122】
この回路では、第2角度センサー511の出力、すなわち、第2角度センサー511により検出された回転角度を示す信号は、図示しないAD変換器でアナログ信号からデジタル信号に変換された後、ローパスフィルター62により処理され、高周波数成分が除去または低減される。
【0123】
また、角速度センサー31の出力、すなわち、角速度センサー31により検出された角速度を示す信号は、図示しないAD変換器でアナログ信号からデジタル信号に変換された後、積分回路66で回転角度を示す信号に変換される。そして、前記信号は、ハイパスフィルター63により処理され、低周波数成分が除去または低減される。
【0124】
そして、ローパスフィルター62から出力された信号と、ハイパスフィルター63から出力された信号は、加算器64で加算され、出力される。この信号は、アーム19側の回転角度を示す信号である。
【0125】
この構成例3では、第2角度センサー511および角速度センサー31の出力について、それぞれ、精度の良い部分を用いることができる。そして、この回路の出力を用いてロボット1を制御することにより、精度良く、ロボット1を動作させることができる。
【0126】
(構成例4)
図6に示すように、制御部200は、積分回路66と、減算器65と、ハイパスフィルター63と、加算器64とを備えている。この構成例4は、前記構成例2において、微分回路61を省略し、積分回路66を設けたものであるので、一部の説明は省略する。
【0127】
積分回路66は、角速度センサー31の出力側に接続されている。また、減算器65は、積分回路66および第2角度センサー511の出力側に接続されている。また、ハイパスフィルター63は、減算器65の出力側に接続されている。そして、加算器64は、第2角度センサー511およびハイパスフィルター63の出力側に接続されている。
【0128】
この回路では、第2角度センサー511の出力、すなわち、第2角度センサー511により検出された回転角度を示す信号は、図示しないAD変換器でアナログ信号からデジタル信号に変換される。
【0129】
また、角速度センサー31の出力、すなわち、角速度センサー31により検出された角速度を示す信号は、図示しないAD変換器でアナログ信号からデジタル信号に変換された後、積分回路66で回転角度を示す信号に変換される。そして、減算器65で、前記信号から、第2角度センサー511から出力された信号が減算される。また、減算器65から出力された信号は、ハイパスフィルター63により処理され、低周波数成分が除去または低減される。
【0130】
そして、第2角度センサー511から出力された信号と、ハイパスフィルター63から出力された信号は、加算器64で加算され、出力される。この信号は、アーム19側の回転角度を示す信号である。
【0131】
この構成例4は、構成例3に比べて、フィルターの数が少ないので、演算量が少ないという利点を有する。また、構成例4では、構成例3と同様の効果が得られる。
【0132】
このロボット1では、前記構成例1〜4の回路で求めたアーム19側の角速度、アーム19側の回転角度等に基づいて、ロボット1を制御する。これにより、精度良く、ロボット1を動作させることができる。
【0133】
以上のような第2実施形態によっても、前述した実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0134】
<第3実施形態>
図7は、本発明のロボットシステムの第3実施形態を示す側面図(一部断面図)である。
【0135】
以下、第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0136】
図7に示すように、第3実施形態では、第2角度センサー511は、アーム19の下方に配置され、減速機501の上部に設置されている。これにより、モーター401M、減速機501、第1角度センサー411および第2角度センサー511がすべて、アーム19に対して、同じ側、すなわち、アーム19の下方に位置する。これによって、基台11の寸法を小さくすることができ、ロボット1の小型化を図ることができる。
【0137】
以上のような第3実施形態によっても、前述した実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0138】
<第4実施形態>
図8は、本発明のロボットシステムの第4実施形態を示す斜視図である。図9は、図8に示すロボットシステムのロボットの概略図である。図10は、図8に示すロボットシステムの主要部のブロック図である。
【0139】
以下、第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0140】
第4実施形態では、可動部が複数のアームを有している。これにより、種々の動作を行うことができるので、種々の作業を効率良く行うことができる。なお、複数のアームのそれぞれを可動部と定義することも可能である。以下、具体的に説明する。
【0141】
図8図10に示す第4実施形態では、ロボット1は、基台11と、マニピュレーター10(ロボットアーム)とを備えている。
【0142】
また、マニピュレーター10は、回動軸周りに回動可能に設けられた複数、本実施形態では6つのアームを備えている。すなわち、マニピュレーター10は、第1アーム12、第2アーム13、第3アーム14、第4アーム15、第5アーム17および第6アーム18と、第1駆動源401、第2駆動源402、第3駆動源403、第4駆動源404、第5駆動源405および第6駆動源406とを備えている。また、第5アーム17および第6アーム18によりリスト16が構成され、第6アーム18の先端部、すなわちリスト16の先端面163には、例えば、ハンド等のエンドエフェクター(図示せず)を着脱可能に取り付けることができるようになっている。そして、このロボット1は、例えば、ハンドで精密機器、部品等を把持したまま、アーム12〜15、リスト16等の動作を制御することにより、当該精密機器、部品を搬送する等の各作業を行うことができる。以下、ロボット1について詳細に説明する。
【0143】
ロボット1は、基台11と、第1アーム12と、第2アーム13と、第3アーム14と、第4アーム15と、第5アーム17と、第6アーム18とが基端側から先端側に向ってこの順に連結された垂直多関節(6軸)ロボットである。以下では、第1アーム12、第2アーム13、第3アーム14、第4アーム15、第5アーム17、第6アーム18、リスト16をそれぞれ「アーム」とも言う。また、第1駆動源401、第2駆動源402、第3駆動源403、第4駆動源404、第5駆動源405および第6駆動源406をそれぞれ「駆動源」とも言う。
【0144】
基台11と第1アーム12とは、関節(ジョイント)171を介して連結されている。そして、第1アーム12は、基台11に対し、鉛直方向と平行な第1回動軸O1を回動中心とし、その第1回動軸O1周りに回動可能となっている。第1回動軸O1は、基台11の設置面である床101の上面の法線と一致している。また、第1回動軸O1は、ロボット1の最も上流側にある回動軸である。この第1アーム12は、モーター(第1モーター)401Mおよび減速機(図示せず)を有する第1駆動源401の駆動により回動する。また、モーター401Mは、モータードライバー301を介して制御装置20により制御される。
【0145】
第1アーム12と第2アーム13とは、関節(ジョイント)172を介して連結されている。そして、第2アーム13は、第1アーム12に対し、水平方向と平行な第2回動軸O2を回動中心として回動可能となっている。第2回動軸O2は、第1回動軸O1と直交している。この第2アーム13は、モーター(第2モーター)402Mおよび減速機(図示せず)を有する第2駆動源402の駆動により回動する。また、モーター402Mは、モータードライバー302を介して制御装置20により制御される。なお、第2回動軸O2は、第1回動軸O1に直交する軸と平行であってもよい。
【0146】
第2アーム13と第3アーム14とは、関節(ジョイント)173を介して連結されている。そして、第3アーム14は、第2アーム13に対して水平方向と平行な第3回動軸O3を回動中心とし、その第3回動軸O3周りに回動可能となっている。第3回動軸O3は、第2回動軸O2と平行である。この第3アーム14は、モーター(第3モーター)403Mおよび減速機(図示せず)を有する第3駆動源403の駆動により回動する。また、モーター403Mは、モータードライバー303を介して制御装置20により制御される。
【0147】
第3アーム14と第4アーム15とは、関節(ジョイント)174を介して連結されている。そして、第4アーム15は、第3アーム14に対し、第3アーム14の中心軸方向と平行な第4回動軸O4を回動中心とし、その第4回動軸O4周りに回動可能となっている。第4回動軸O4は、第3回動軸O3と直交している。この第4アーム15は、モーター(第4モーター)404Mおよび減速機(図示せず)を有する第4駆動源404の駆動により回動する。また、モーター404Mは、モータードライバー304を介して制御装置20により制御される。なお、第4回動軸O4は、第3回動軸O3に直交する軸と平行であってもよい。
【0148】
第4アーム15とリスト16の第5アーム17とは、関節(ジョイント)175を介して連結されている。そして、第5アーム17は、第4アーム15に対して第5回動軸O5を回動中心とし、その第5回動軸O5周りに回動可能となっている。第5回動軸O5は、第4回動軸O4と直交している。この第5アーム17は、モーター(第5モーター)405Mおよび減速機(図示せず)を有する第5駆動源405の駆動により回動する。また、モーター405Mは、モータードライバー305を介して制御装置20により制御される。なお、第5回動軸O5は、第4回動軸O4に直交する軸と平行であってもよい。
【0149】
リスト16の第5アーム17と第6アーム18とは、関節(ジョイント)176を介して連結されている。そして、第6アーム18は、第5アーム17に対して第6回動軸O6を回動中心とし、その第6回動軸O6周りに回動可能となっている。第6回動軸O6は、第5回動軸O5と直交している。この第6アーム18は、モーター(第6モーター)406Mおよび減速機(図示せず)を有する第6駆動源406の駆動により回動する。また、モーター406Mは、モータードライバー306を介して制御装置20により制御される。なお、第6回動軸O6は、第5回動軸O5に直交する軸と平行であってもよい。
【0150】
なお、リスト16は、第6アーム18として、円筒状をなすリスト本体161を有し、また、第5アーム17として、リスト本体161と別体で構成され、当該リスト本体161の基端部に設けられ、リング状をなす支持リング162を有している。
【0151】
また、モーター401M〜406Mには、それぞれ、第1角度センサー411、412、413、414、415および416が設けられている。
【0152】
また、基台11には、例えば、モーター401Mやモータードライバー301〜306等が収納されている。
【0153】
アーム12〜15は、それぞれ、中空のアーム本体2と、アーム本体2内に収納され、モーターを備える駆動機構3と、アーム本体2内を封止する封止手段4とを有している。なお、図面では、第1アーム12が有するアーム本体2、駆動機構3、封止手段4をそれぞれ「2a」、「3a」、「4a」とも表記し、第2アーム13が有するアーム本体2、駆動機構3、封止手段4をそれぞれ「2b」、「3b」、「4b」とも表記し、第3アーム14が有するアーム本体2、駆動機構3、封止手段4をそれぞれ「2c」、「3c」、「4c」とも表記し、第4アーム15が有するアーム本体2、駆動機構3、封止手段4をそれぞれ「2d」、「3d」、「4d」とも表記する。
【0154】
次に、第2角度センサー511および角速度センサー31の配置について説明する。なお、第1および第3実施形態で説明したように、アーム19についての第2角度センサー511は、アーム19自体に設置されているわけではなく、基台11や減速機501に設置されているので、以下の説明では、「アームについて、第2角度センサーが設けられている」という表現をする。
【0155】
本実施形態では、第1アーム12について、第2角度センサー511が設けられ、第6アーム18の先端部に角速度センサー31が設けられている。これにより、第2角度センサー511および角速度センサー31の数を少なくしつつ、必要かつ十分な効果を得ることができる。
【0156】
なお、第1アーム12〜第6アーム18のそれぞれについて、第2角度センサーを設けてもよく、また、第1アーム12〜第6アーム18のそれぞれについて、角速度センサーを設けてもよい。
【0157】
また、第1アーム12〜第6アーム18のうちの一部のアームについてのみ、第2角度センサーを設けてもよく、また、第1アーム12〜第6アーム18のうちの一部のアームにのみ、角速度センサーを設けてもよい。なお、前記一部のアームの数は、1つでもよく、また、複数でもよい。
【0158】
以上のような第4実施形態によっても、前述した実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0159】
以上、本発明のロボット、制御装置およびロボットシステムを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
【0160】
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0161】
また、前記実施形態では、可動部がロボットのアームや複数のアームを有するマニピュレーター(ロボットアーム)の場合を例に挙げて説明したが、本発明では、可動部は、これに限定されず、ロボットの移動可能な部分、すなわち、動くことが可能な部分であればよい。
【0162】
また、前記実施形態では、ロボットの基台の固定箇所は、例えば、設置スペースにおける床であるが、本発明では、これに限定されず、この他、例えば、天井、壁、作業台、地上等が挙げられる。
【0163】
また、本発明では、ロボットは、セル内に設置されていてもよい。この場合、ロボットの基台の固定箇所としては、例えば、セルの床部、天井部、壁部、作業台等が挙げられる。
【0164】
また、前記実施形態では、ロボット(基台)が固定される平面(面)である第1面は、水平面と平行な平面(面)であるが、本発明では、これに限定されず、例えば、水平面や鉛直面に対して傾斜した平面(面)でもよく、また、鉛直面と平行な平面(面)であってもよい。すなわち、第1回動軸(回動軸)は、鉛直方向と平行である場合に限定されず、例えば、鉛直方向や水平方向に対して傾斜していてもよく、また、水平方向と平行であってもよい。
【0165】
また、前記実施形態では、マニピュレーターの回動軸の数は、1つまたは6つであるが、本発明では、これに限定されず、マニピュレーターの回動軸の数は、例えば、2つ、3つ、4つ、5つまたは7つ以上でもよい。すなわち、前記実施形態では、アーム(リンク)の数は、1つまたは6つであるが、本発明では、これに限定されず、アームの数は、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、または、7つ以上でもよい。この場合、例えば、前記実施形態のロボットにおいて、第2アームと第3アームとの間にアームを追加することにより、アームの数が7つのロボットを実現することができる。
【0166】
また、前記実施形態では、マニピュレーターの数は、1つであるが、本発明では、これに限定されず、マニピュレーターの数は、例えば、2つ以上でもよい。すなわち、ロボット(ロボット本体)は、例えば、双腕ロボット等の複数腕ロボットであってもよい。
【0167】
また、本発明では、ロボットは、他の形式のロボットであってもよい。具体例としては、例えば、脚部を有する脚式歩行(走行)ロボット、スカラーロボット等の水平多関節ロボット等が挙げられる。
【符号の説明】
【0168】
1…ロボット、2…アーム本体、2a…アーム本体、2b…アーム本体、2c…アーム本体、2d…アーム本体、3…駆動機構、3a…駆動機構、3b…駆動機構、3c…駆動機構、3d…駆動機構、4…封止手段、4a…封止手段、4b…封止手段、4c…封止手段、4d…封止手段、10…マニピュレーター、11…基台、12…第1アーム、13…第2アーム、14…第3アーム、15…第4アーム、16…リスト、17…第5アーム、18…第6アーム、19…アーム、20…制御装置、200…制御部、21…異常検出部、211…異常部位特定部、22…記憶部、31…角速度センサー、61…微分回路、62…ローパスフィルター、63…ハイパスフィルター、64…加算器、65…減算器、66…積分回路、100…ロボットシステム、101…床、161…リスト本体、162…支持リング、163…先端面、171…関節、172…関節、173…関節、174…関節、175…関節、176…関節、301…モータードライバー、302…モータードライバー、303…モータードライバー、304…モータードライバー、305…モータードライバー、306…モータードライバー、401…第1駆動源、401M…モーター、402…第2駆動源、402M…モーター、403…第3駆動源、403M…モーター、404…第4駆動源、404M…モーター、405…第5駆動源、405M…モーター、406…第6駆動源、406M…モーター、411…第1角度センサー、412…第1角度センサー、413…第1角度センサー、414…第1角度センサー、415…第1角度センサー、416…第1角度センサー、501…減速機、511…第2角度センサー、O…回動軸、O1…第1回動軸、O2…第2回動軸、O3…第3回動軸、O4…第4回動軸、O5…第5回動軸、O6…第6回動軸
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