特開2017-226085(P2017-226085A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-226085(P2017-226085A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/13 20060101AFI20171201BHJP
   B65H 11/00 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   B41J29/12 A
   B65H11/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-121854(P2016-121854)
(22)【出願日】2016年6月20日
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
(72)【発明者】
【氏名】宮本 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】岡澤 善行
【テーマコード(参考)】
2C061
3F063
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AS02
2C061BB02
2C061BB10
2C061CD07
2C061CD12
2C061CD14
2C061CD17
3F063AB04
3F063BA04
3F063BA08
3F063CA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】装置の小型化を図るとともに、給紙口への異物の落下の抑制と、給紙口まわりにおけるユーザー作業性の確保と、の両立を図ることができる記録装置を提供する。
【解決手段】記録ヘッドを備える記録機構部本体2の上部に設けられ、用紙を供給可能な媒体供給口7と、媒体供給口7を開閉する手差しカバー6と、記録機構部本体2の上部における、媒体供給口以外の少なくとも一部を開閉するとともに、開いた状態において上面が媒体供給口に向かう下り斜面となる第2の開閉体41と、手差しカバーが閉じた状態において手差しカバーの内側に位置して閉じた収納状態と、手差しカバーの開動作に伴って開き、第2の開閉体の上面に対して交差する面を形成して第2の開閉体の上面から媒体供給口への物体の滑り落ちを規制する規制状態と、をとり得る規制部材40と、規制部材を収納状態から規制状態に向けて付勢するねじりバネとを備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に収容され、媒体に記録を行う記録手段と、
前記筐体の上部に設けられ、前記媒体を供給可能な媒体供給口と、
前記媒体供給口を開閉する第1の開閉体と、
前記筐体の上部における、前記媒体供給口以外の少なくとも一部を開閉するとともに、開いた状態において上面が前記媒体供給口に向かう下り斜面となる第2の開閉体と、
前記第1の開閉体が閉じた状態において前記第1の開閉体の内側に位置して閉じた収納状態と、前記第1の開閉体の開動作に伴って開き、前記第2の開閉体の上面に対して交差する面を形成して前記第2の開閉体の上面から前記媒体供給口への物体の滑り落ちを規制する規制状態と、をとり得る規制部材と、
前記規制部材を前記収納状態から前記規制状態に向けて付勢する付勢部材と、
を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記録装置において、前記規制部材は、回動することにより前記収納状態と前記規制状態とに切り替え可能に構成されている、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項3】
請求項2に記載の記録装置において、前記規制部材は、前記第1の開閉体が開状態から閉状態に変化する際に、前記第1の開閉体が接触して前記規制部材を前記収納状態に誘う誘い部を備えている、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の記録装置において、
前記規制部材は、前記規制状態から、外力を受けて更に開く方向に回動可能に設けられている、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の記録装置において、前記付勢部材が、前記筐体及び前記規制部材と係合して前記付勢力を発揮するねじりバネである、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項6】
請求項5に記載の記録装置において、前記ねじりバネは、前記筐体及び前記規制部材において係合する部位を、前記規制部材の前記規制状態を境に切り換えることで、前記規制部材が前記規制状態から更に開いた状態では前記規制部材を閉方向に付勢する、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項7】
請求項6に記載の記録装置において、
前記ねじりバネは、コイル部と、前記コイル部から延びる一方側腕部と他方側腕部と、を有し、
前記筐体は、
前記規制部材が前記収納状態と前記規制状態との間にある際に、前記ねじりバネの前記一方側腕部が当接して前記ねじりバネの付勢力を受ける第1の当接部と、
前記規制部材が前記規制状態から更に開いた状態において、前記ねじりバネの前記他方側腕部が当接して前記ねじりバネの付勢力を受ける第2の当接部と、を備え、
前記規制部材は、
前記規制部材が前記収納状態と前記規制状態との間にある際に、前記ねじりバネの前記他方側端部が当接して前記ねじりバネの付勢力を受ける第1の作用部と、
前記規制部材が前記規制状態から更に開いた状態において、前記ねじりバネの前記一方側端部が当接して前記ねじりバネの付勢力を受ける第2の作用部と、を備え、
前記規制部材の前記規制状態を境にして、前記ねじりバネが前記第1の当接部及び前記第1の作用部と係合する状態と、前記第2の当接部及び前記第2の作用部と係合する係合状態と、を切り換えることで、前記規制部材の付勢方向を切り換える、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の記録装置において、
前記第1の開閉体は、開いた状態において、前記媒体供給口に供給される前記媒体を支持する、ことを特徴とする記録装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の記録装置において、前記装置本体の上部に、原稿を読み取る読み取り機構部を備え、
前記第2の開閉体は、前記読み取り機構部が備える原稿台を開閉する開閉カバーである、
ことを特徴とする記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被記録媒体に記録を行う記録機構部と、原稿を読み取る読み取り機構部とを備えた記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被記録媒体に記録を行う記録装置には、被記録媒体に記録を行う記録機構部と、原稿を読み取る読み取り機構部を一体に備え、前記記録機構部に被記録媒体を供給するための給紙口が、記録装置本体の後方上部に設けられるものがある。
更に、前記読み取り機構部が前記記録機構部の上部に配置されるとともに、当該記録機構部の上部に対して回動して開閉可能に設けられる構成のものがある(例えば特許文献1、特許文献2)。
尚、前記読み取り機構部は、原稿を読み取る原稿台を開閉する原稿カバーを備え、前記原稿カバーは、前記読み取り機構部の本体に対して回動して開閉可能に設けられている。
【0003】
前記給紙口には、前記給紙口を覆う蓋としての開閉体が設けられており、前記記録機構部の非使用時には前記給紙口は前記開閉体によって覆うことができ、前記給紙口への異物の落下を防止することができる。
【0004】
しかし、前記読み取り機構部で読み取った画像を、前記記録機構部によって被記録媒体に記録する場合には、前記開閉体を開けて前記給紙口を開放した状態で、前記読み取り機構部を操作することとなる。
そして、例えば、クリップ等が前記読み取り機構部の上面に置かれたまま、前記読み取り機構部、或いは前記原稿カバーを前記記録機構部の上部に対して回動して開閉すると、前記記録装置本体の後方上部に設けられた給紙口に、前記クリップ等が異物として落下してしまう虞がある。
このため、前記給紙口への異物の落下を防ぐ規制部材が設けられている場合がある。
【0005】
特許文献1には、給紙口130Aへの異物の進入を防止する前記規制部材としての給紙口カバー134を備え、前記給紙口カバー134が、開閉する読み取り機構部としてのスキャナ部110に設けられた原稿カバー112の開閉によって、給紙口130Aへの異物の進入を防止する立設状態と、原稿カバー112の形状に沿って折曲する収納状態と、をとる構成が開示されている。
また、特許文献2には、前記規制部材としての異物落下防止カバー29が、開閉する読み取り機構部としてのスキャナユニット5を開放していく過程で後方へ移行し、給送口27を閉鎖する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−20454号公報
【特許文献2】特開2005−253037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、特許文献1において、給紙口カバー134(規制部材)は、給紙口130Aへ向かう異物を捕捉して受ける形状をしており、比較的大きな部材によって形成されている。
また、第一捕捉板401と第二捕捉板402の二部材によって構成されており、原稿カバー112の形状に沿って折曲して収納されるように構成されているので大型化する。
また、給紙口カバー134は、原稿カバー112の開閉によって給紙口130Aへの異物の進入を防止する立設状態になるが、原稿カバー112がある程度の角度まで開かれないと前記立設状態にならないので、前記立設状態になる前に給紙口130Aへ異物が落下する虞がある。
【0008】
特許文献2において、異物落下防止カバー29(規制部材)は、給送口27としての開口のうち、被記録媒体Pがセット可能なスペース以外のほとんどを覆って閉鎖する構成であるので、やはり大型化する。
また、異物落下防止カバー29は、スキャナユニット5の開放に連動して後方へ移行する構成であるが、スキャナユニット5が閉じた状態における異物落下防止カバー29の長さは、給送部9に最大限載置可能な枚数の被記録媒体Pが載置されている場合に、最上位の被記録媒体Pに接触しないか、かろうじて接触する程度に設定されている。このため、被記録媒体Pが或る程度消費された状態で被記録媒体Pを補給する際には給紙口が狭く、セット性が悪い。
【0009】
上記問題点に鑑み、本発明の目的は、装置の小型化を図るとともに、給紙口への異物の落下の抑制と、給紙口まわりにおけるユーザー作業性の確保と、の両立を図ることができる記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様に係る記録装置は、筐体と、前記筐体内に収容され、媒体に記録を行う記録手段と、前記筐体の上部に設けられ、前記媒体を供給可能な媒体供給口と、前記媒体供給口を開閉する第1の開閉体と、前記筐体の上部における、前記媒体供給口以外の少なくとも一部を開閉するとともに、開いた状態において上面が前記媒体供給口に向かう下り斜面となる第2の開閉体と、前記第1の開閉体が閉じた状態において前記第1の開閉体の内側に位置して閉じた収納状態と、前記第1の開閉体の開動作に伴って開き、前記第2の開閉体の上面に対して交差する面を形成して前記第2の開閉体の上面から前記媒体供給口への物体の滑り落ちを規制する規制状態と、をとり得る規制部材と、前記規制部材を前記収納状態から前記規制状態に向けて付勢する付勢部材と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本態様によれば、前記規制部材が、付勢部材によって前記収納状態から前記規制状態に向けて付勢されているので、前記媒体供給口を開閉する第1の開閉体の開閉と連動して、前記規制部材を前記収納状態から前記規制状態にすることができる。
したがって、前記第1の開閉体が開いて前記媒体供給口が開口している状態において、前記第2の開閉体の開閉状態に関わらず、常に前記規制部材が前記規制状態、すなわち、前記媒体供給口への異物の落下を規制する状態となり、前記媒体供給口への異物の落下をより確実に抑制または回避することができる。
【0012】
また、前記規制部材は開閉可能であるので、小さいサイズであっても開くことで前記媒体供給口への物体の落下を効果的に抑制できるとともに、サイズを小さくすることで前記媒体供給口に媒体を供給する際の作業性の低下を抑制できる。即ち、前記媒体供給口への異物の落下の抑制と、前記媒体供給口まわりにおけるユーザー作業性の確保と、の両立を図ることができる。
【0013】
本発明の第2の態様に係る記録装置は、第1の態様において、前記規制部材は、回動することにより前記収納状態と前記規制状態とに切り替え可能に構成されている、ことを特徴とする。
【0014】
本態様によれば、前記収納状態と前記規制状態とを切り換える構成を構造簡単に実現できる。
【0015】
本発明の第3の態様に係る記録装置は、第2の態様において、前記規制部材は、前記第1の開閉体が開状態から閉状態に変化する際に、前記第1の開閉体が接触して前記規制部材を前記収納状態に誘う誘い部を備えている、ことを特徴とする。
【0016】
本態様によれば、前記規制部材が前記誘い部を備えていることにより、前記第1の開閉体の開状態から閉状態への変化によって、前記規制部材をスムーズに収納状態とすることができる。
【0017】
本発明の第4の態様に係る記録装置は、第1の態様から第3の態様のいずれかにおいて、前記規制部材は、前記規制状態から、外力を受けて更に開く方向に回動可能に設けられている、ことを特徴とする。
【0018】
本態様によれば、前記規制部材が、前記規制状態から、外力を受けて更に開く方向に回動可能に設けられているので、前記媒体供給口の内側に手を入れる際、例えば、前記媒体供給口の内側に設けられるエッジガイドを操作する場合等に操作スペースを広く確保することができる。
【0019】
本発明の第5の態様に係る記録装置は、第1の態様から第4の態様のいずれかにおいて、前記付勢部材が、前記筐体及び前記規制部材と係合して前記付勢力を発揮するねじりバネである、ことを特徴とする。
【0020】
本態様によれば、前記付勢部材としてねじりバネを用い、第1の態様から第4の態様のいずれかと同じ作用効果を得ることができる。
【0021】
本発明の第6の態様に係る記録装置は、第5の態様において、前記ねじりバネは、前記筐体及び前記規制部材において係合する部位を、前記規制部材の前記規制状態を境に切り換えることで、前記規制部材が前記規制状態から更に開いた状態では前記規制部材を閉方向に付勢する、ことを特徴とする。
【0022】
本態様によれば、前記ねじりバネは、前記筐体及び前記規制部材において係合する部位を、前記規制部材の前記規制状態を境に切り換えることで、前記規制部材が前記規制状態から更に開いた状態では前記規制部材を閉方向に付勢するので、ユーザーの操作を介さずに前記規制部材を前記規制状態に戻すことができる。
加えて、一の付勢部材によって前記規制部材を付勢する方向を切り換えることで、装置の低コスト化を図ることができる。
【0023】
本発明の第7の態様に係る記録装置は、第6の態様において、前記ねじりバネは、コイル部と、前記コイル部から延びる一方側腕部と他方側腕部と、を有し、前記筐体は、前記規制部材が前記収納状態と前記規制状態との間にある際に、前記ねじりバネの前記一方側腕部が当接して前記ねじりバネの付勢力を受ける第1の当接部と、前記規制部材が前記規制状態から更に開いた状態において、前記ねじりバネの前記他方側腕部が当接して前記ねじりバネの付勢力を受ける第2の当接部と、を備え、前記規制部材は、前記規制部材が前記収納状態と前記規制状態との間にある際に、前記ねじりバネの前記他方側端部が当接して前記ねじりバネの付勢力を受ける第1の作用部と、前記規制部材が前記規制状態から更に開いた状態において、前記ねじりバネの前記一方側端部が当接して前記ねじりバネの付勢力を受ける第2の作用部と、を備え、前記規制部材の前記規制状態を境にして、前記ねじりバネが前記第1の当接部及び前記第1の作用部と係合する状態と、前記第2の当接部及び前記第2の作用部と係合する係合状態と、を切り換えることで、前記規制部材の付勢方向を切り換える、ことを特徴とする。
【0024】
本態様によれば、第6の態様に係る構成を構造簡単に実現することができる。
【0025】
本発明の第8の態様に係る記録装置は、第1の態様から第7の態様のいずれかにおいて、前記第1の開閉体は、開いた状態において、前記媒体供給口に供給される前記媒体を支持する、ことを特徴とする。
【0026】
本態様によれば、開いた状態の前記第1の開閉体によって、前記媒体供給口に供給される前記媒体を支持し、安定した前記媒体の供給を行うことができる。
【0027】
本発明の第9の態様に係る記録装置は、第1の態様から第8の態様のいずれかにおいて、前記装置本体の上部に、原稿を読み取る読み取り機構部を備え、前記第2の開閉体は、前記読み取り機構部が備える原稿台を開閉する開閉カバーである、ことを特徴とする。
【0028】
本態様によれば、前記装置本体の上部に、原稿を読み取る読み取り機構部を備え、前記読み取り機構部が原稿台を開閉する開閉カバーを備える記録装置において、第1の態様から第7の態様のいずれかと同様の作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明に係るプリンターの外観斜視図。
図2】本発明に係るプリンターにおいて手差しカバーを開いた状態を表す斜視図。
図3】本発明に係るプリンターにおいて読み取り機構部のカバーを開いた状態を示す斜視図。
図4】本発明に係るプリンターにおいて記録機構部本体に対して読み取り機構部を開いた状態を示す斜視図。
図5】本発明に係るプリンターの用紙搬送経路を示す図。
図6】本発明に係るプリンターの要部平面図。
図7】規制部材の動作について説明する図。
図8】ねじりバネによる付勢機構について説明する図。
図9】規制部材の外観斜視図。
図10】記録機構部本体に取り付けられた規制部材の要部拡大斜視図。
図11】記録機構部本体において規制部材が取り付けられる回動軸周辺の要部拡大斜視図。
図12】規制部材の要部拡大斜視図。
図13】閉じる手差しカバーが規制部材の誘い部に接している状態を表す図。
図14】規制部材の開き角度について説明する図。
図15】原稿台カバーにおいて原稿台と対向する面の平面図。
図16図15のA−A断面図。
図17図15のB−B断面図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[実施例1]
まず、本発明の一実施例に係る記録装置の概略について説明する。本実施例において、記録装置の一例としてインクジェット式プリンター(以下、単にプリンターと称する)を例に挙げる。
図1は、本発明に係るプリンターの外観斜視図である。図2は、本発明に係るプリンターにおいて手差しカバーを開いた状態を表す斜視図である。図3は、本発明に係るプリンターにおいて読み取り機構部のカバーを開いた状態を示す斜視図である。図4は、本発明に係るプリンターにおいて記録機構部本体に対して読み取り機構部を開いた状態を示す斜視図である。図5は、本発明に係るプリンターの用紙搬送経路を示す図である。図6は、本発明に係るプリンターの要部平面図である。図7は、規制部材の動作について説明する図である。図8は、ねじりバネによる付勢機構について説明する図である。
【0031】
図9は、規制部材の外観斜視図である。図10は、記録機構部本体に取り付けられた規制部材の要部拡大斜視図である。図11は、記録機構部本体において規制部材が取り付けられる回動軸周辺の要部拡大斜視図である。図12は、規制部材の要部拡大斜視図である。図13は、閉じる手差しカバーが規制部材の誘い部に接している状態を表す図である。図14は、規制部材の開き角度について説明する図である。図15は、原稿台カバーにおいて原稿台と対向する面の平面図である。図16は、図15のA−A断面図である。図17は、図15のB−B断面図である。
【0032】
<プリンターの全体構成>
以下、プリンター1の全体構成について概説する。
本発明に係るプリンター1(図1)は、記録機構部本体2内に被記録媒体の一例としての用紙にインクジェット記録を行う記録手段(後述する記録ヘッド30、図5参照)を備えて構成される記録機構部15と、記録機構部本体2の上部に設けられ、原稿を読み取る読み取り機構部3(図3)を備えている。即ちプリンター1は、インクジェット記録機能に加えてスキャナー機能を備える複合機として構成されている。
【0033】
尚、各図において示すX−Y−Z座標系はX方向が記録ヘッドの走査方向、Y方向が装置奥行き方向である。Z方向は重力方向であり、装置高さ方向を示している。また、+Y方向側を装置前面側とし、−Y方向側を装置背面側とする。また、装置前面側から見て右側を+X方向、左側を−X方向とする。また、+Z方向を装置上方(上部、上面等を含む)とし、−Z方向側を装置下方(下部、下面等を含む)とする。
また、以下において、プリンター1において用紙が搬送されていく搬送方向(+Y方向側)を「下流」といい、これと反対の方向(−Y方向側)を「上流」という。
【0034】
装置本体を構成する筐体としての記録機構部本体2の上部には、記録機構部15において記録される用紙をセット可能な手差しトレイ17(図2図4)を備える媒体供給口7が設けられている。
また、記録機構部本体2の後方上部には、媒体供給口7を開閉する第1の開閉体としての手差しカバー6が設けられており、この手差しカバー6を図2及び図5のように開くことにより、手差しトレイ17を利用した用紙Pの手差しでの給紙が行える様になっている。手差しカバー6は、開いた状態において、媒体供給口7から供給されて手差しトレイ17にセットされる用紙Pを支持する(図5)。このことにより、手差しトレイ17からの媒体Pの安定した供給を行うことができる。
【0035】
読み取り機構部3は、記録機構部15の記録機構部本体2に対して回動可能に設けられており、回動することにより、記録機構部15の上部を閉じた状態(図1)と開いた状態(図4)とをとり得る。
読み取り機構部3は、X軸方向の両側に設けられた連結部35、35(図4)において、記録機構部15に対して回動可能に連結されている。連結部35、35には、それぞれに回動軸36(図5)が設けられており、記録機構部本体2側に設けられる不図示の軸受けに回動軸36が軸支されて、記録機構部15の上部を開閉するように読み取り機構部3がX軸方向を回動軸線方向として回動する様になっている。
言い換えると、読み取り機構部3は、開いた状態(図4)において媒体供給口7に向かう下り斜面を形成する位置に回動軸36(図5)を有している。
【0036】
また、読み取り機構部3はその上部を開閉可能な開閉カバーである原稿台カバー4(図1図3)を備えており、この原稿台カバー4が、図3に示すように原稿台3aを開閉する様に構成されている。
原稿台カバー4は、原稿台カバー4の上面を形成するカバー本体37(図15)に設けられる回動軸38(図3図5も参照)が、記録機構部本体2側に設けられる不図示の軸受部に取り付けられ、X軸方向を回動軸として回動する様になっている。
原稿台カバー4も、読み取り機構部3と同様に、開いた状態(図3)において媒体供給口7に向かう下り斜面を形成する位置にそれぞれの回動軸38(図5)を有している。
【0037】
そして、手差しカバー6と原稿台カバー4の間には、原稿台カバー4或いは読み取り機構部3が開かれた際に、媒体供給口7への物体の滑り落ちを規制する規制部材40(図5)が設けられている。規制部材40の構成については後で更に詳述する。
【0038】
図1のプリンター1の装置前面において符号5は、電源ボタンや各種印刷設定・記録実行を行う操作ボタン、印刷設定内容や印刷画像のプレビュー表示などを行う表示部、等を備えて成る操作パネル5である。
【0039】
また、装置前面において符号9は下段側トレイ13(図5)に設けられた開閉可能な前面カバーである。そして図5に示すように、この前面カバー9を開くことにより、下段側トレイ13、上段側トレイ14、排紙受けトレイ8、のこれらが露呈する様に構成されている。
【0040】
排紙受けトレイ8は、図示しないモーターによって記録機構部本体2に収納された状態(図1)と、記録機構部本体2の前方側に突出した状態(図5)と、を取り得る様に設けられており、記録機構部本体2の前方側に突出した状態となることで、記録が行われて排出される用紙を受けることができる。
【0041】
図5に示す下段側トレイ13と、その上部に設けられる上段側トレイ14は、複数枚の用紙を収容可能であり、それぞれが独立して記録機構部本体2に対して着脱可能となっている。また、一方側が未装着状態であっても、他方側が装着されていれば、当該装着されているトレイから用紙を送り出すことができる様になっている。
尚、プリンター1の記録機構部15における用紙搬送経路については後に説明する。
【0042】
<規制部材について>
続いて、前述した媒体供給口7への物体の滑り落ちを規制する規制部材40について詳しく説明する。
規制部材40は、手差しカバー6(第1の開閉体)が閉じた状態において手差しカバー6の内側に位置して閉じた収納状態(図7及び図8のそれぞれ一番上の図)と、手差しカバー6の開動作に伴って開き、第2の開閉体41の上面に対して交差する面(規制面40b)を形成して第2の開閉体41の上面から媒体供給口7への物体の滑り落ちを規制する規制状態(図7及び図8のそれぞれ上から二番目の図)と、をとり得るように構成されている。そして規制部材40は、付勢部材としてのねじりバネ42(図8の各図を参照)によって前記収納状態から前記規制状態に向けて付勢されている。
【0043】
尚、本実施例において、原稿台カバー4が原稿台3aに対して開かれる際(図3を参照)には、原稿台カバー4が第2の開閉体41であると言える。また、原稿台カバー4を閉じた状態の読み取り機構部3が開かれる際(図4を参照)には、読み取り機構部3が第2の開閉体41であると言える。
【0044】
本実施例において、規制部材40は、回動軸43を軸として回動することにより前記収納状態と前記規制状態とに切り替えられる様になっている。
より具体的には、規制部材40(図9)の長手方向(X軸方向)の両端部に設けられる軸穴40aに、記録機構部本体2に設けられる回動軸43が挿入されて(図10図11)、規制部材40が回動可能に記録機構部本体2に取り付けられている。
また、規制部材40は、長手方向(X軸方向)の中央部にも軸穴40dを備え、軸穴40dには記録機構部本体2に設けられる回動軸44(図6)が軸支されている。
【0045】
また、規制部材40を付勢するねじりバネ42は、記録機構部本体2(筐体)及び規制部材40と係合して付勢力を発揮する。ねじりバネ42を用いることにより、構造簡単にして回動する規制部材40を前記収納状態から前記規制状態に向けて付勢することができる。ねじりバネ42を用いた付勢機構については、後で詳しく説明する。
【0046】
続いて、規制部材40は、前記規制状態(図7及び図8のそれぞれ上から二番目の図)から、例えば手で押す等の外力を受けて更に開く方向に回動可能に設けられている(図7及び図8のそれぞれ一番下の図)。
プリンター1において、媒体供給口7の内側には、手差しトレイ17にセットされる用紙Pの幅方向(X軸方向)の両端部をガイドするエッジガイド33(図2図6)が設けられている。エッジガイド33は、手差しトレイ17にセットされる用紙Pの幅サイズに応じて、ユーザーが手で操作してX軸方向に移動可能に構成されている。
規制部材40が、前記規制状態から、外力を受けて更に開く方向に回動可能に設けられていることにより、媒体供給口7の内側に手を入れる際、例えば、媒体供給口7の内側に設けられるエッジガイド33を操作する場合等に操作スペースを広く確保することができる。
【0047】
<付勢機構について>
続いて、ねじりバネ42による規制部材40の付勢機構について説明する。
ねじりバネ42は、記録機構部本体2及び規制部材40において係合する部位を、規制部材40の前記規制状態を境に切り換えることで、規制部材40が前記規制状態から更に開いた状態では規制部材40を閉方向に付勢する様に構成されている。
すなわち、規制部材40は、一つのねじりバネ42によって、手差しカバー6を開いた際には前記収納状態から前記規制状態に自動で開き、手で押す等の外力を受けて規制部材40が前記規制状態から更に開いた状態から、手を放して前記外力を取り除くと、規制部材40がユーザーの操作を介さずに前記規制状態に戻る様に構成されている。
【0048】
以下において、より具体的な構成について説明する。
ねじりバネ42は、図8の各図に示すように、コイル部42aと、コイル部42aから延びる一方側腕部42bと他方側腕部42cと、を備えており、コイル部42aが記録機構部本体2に設けられた回動軸43に挿入されている。
【0049】
更に記録機構部本体2(図8の各図と図11を参照)は、規制部材40が前記収納状態(図8の一番上の図)と前記規制状態(図8の上から二番目の図)との間にある際に、ねじりバネ42の一方側腕部42bが当接してねじりバネ42の付勢力を受ける第1の当接部45と、規制部材40が前記規制状態から更に開いた状態(図8の一番下の図)において、ねじりバネ42の他方側腕部42cが当接してねじりバネ42の付勢力を受ける第2の当接部46と、を備えている。
【0050】
更に、規制部材40(図8の各図と図12を参照)は、その長手方向の端部に、規制部材40が前記収納状態(図8の一番上の図)と前記規制状態(図8の上から二番目の図)との間にある際に、ねじりバネ42の他方側腕部42cが当接してねじりバネ42の付勢力を受ける第1の作用部47と、規制部材40が前記規制状態から更に開いた状態(図8の一番下の図)において、前記ねじりバネの一方側腕部42bが当接してねじりバネ42の付勢力を受ける第2の作用部48と、を備えている。
そして、規制部材40の前記規制状態(図8の上から二番目の図)を境にして、ねじりバネ42が第1の当接部45及び第1の作用部47と係合する状態(図8の一番上の図)と、第2の当接部46及び第2の作用部48と係合する係合状態(図8の一番下の図)と、を切り換えることで、規制部材40の付勢方向を切り換える様に構成されている。
【0051】
すなわち、ねじりバネ42が第1の当接部45及び第1の作用部47と係合する状態(図8の一番上の図)では、規制部材40は、ねじりバネ42によって前記収納状態から前記規制状態へ開く方向に付勢されている。
第2の当接部46及び第2の作用部48と係合する係合状態(図8の一番下の図)では、規制部材40は、ねじりバネ42によって規制部材40が前記規制状態から更に開いた状態から前記規制状態に戻る方向に付勢されている。
【0052】
この様に構成することにより、一の付勢部材(ねじりバネ42)によって規制部材40を付勢する方向を切り換え、装置の低コスト化を図ることができる。
尚、規制部材40を前記収納状態から前記規制状態に向けて付勢する付勢部材と、規制部材40が前記規制状態から開いた状態から閉方向に付勢する付勢部材と、を別々に設けることも勿論可能である。
【0053】
また、ねじりバネ42は、少なくとも長手方向の一方側の端部に設けられていれば良いが、両側の端部に設けることもできる。また、長手方向の中央部の回動軸44(図6)に設けることも可能である。
【0054】
以上のように構成された規制部材40を備えることにより、以下の作用効果が得られる。
すなわち、規制部材40が、ねじりバネ42(付勢部材)によって前記収納状態から前記規制状態に向けて付勢されているので、媒体供給口7を開閉する手差しカバー6の開閉と連動して、規制部材40を収納状態から規制状態にすることができる。
したがって、手差しカバー6が開いて媒体供給口7が開口している状態において、第2の開閉体41(原稿台カバー4或いは読み取り機構部3)の開閉状態に関わらず、常に規制部材40が前記規制状態、すなわち、媒体供給口7への異物の落下を規制する状態となり、媒体供給口7への異物の落下をより確実に抑制または回避することができる。
【0055】
また規制状態の規制部材40は、図6または図7の上から二番目の図に示すように、用紙搬送方向(Y軸方向)において、媒体供給口7の下流側の一部にオーバーラップしているが、サイズを小さくすることで媒体供給口7に用紙を供給する際の作業性の低下を抑制できる。規制部材40は開閉可能であるので、小さいサイズであっても開くことで媒体供給口7への物体の落下を効果的に抑制できる。尚、図6において、手差しカバー6は図示が省略されている。
【0056】
加えて、収納状態と規制状態とを切り換えを規制部材40を回動させて行うことにより、規制部材40を簡単な構成により設けることができる。
尚、規制部材40は、回動することにより前記収納状態と前記規制状態とに切り替える構成の他、例えば、進退することにより前記収納状態と前記規制状態とに切り替える様に構成してもよい。
【0057】
続いて、図14を用い、規制部材40の開き角度について説明する。
前記規制状態(図14の上図)において、装置上面(X−Y平面)に対する規制部材40の開き角度α1は、60°程度であることが望ましい。
第2の開閉体41(図14においては原稿台カバー4)の上に物体が置かれたまま第2の開閉体41を開くと、前記物体は媒体供給口7側に滑り落ち、或いは転がり始める。第2の開閉体41上にある前記物体(例えばクリップやペン等)は、その大きさ、形状、素材等によって異なるが、第2の開閉体41の角度βが約30°になったあたりで滑り落ち始める。
【0058】
前記規制状態における規制部材40の開き角度α1が約60°であると、滑り始める角度(約30°)になった第2の開閉体41と、規制部材40の規制面40bが成す角度γが約90°になる。このように規制部材40が設けられていることにより、第2の開閉体41を開いた際に、第2の開閉体41上に置かれた物体が滑り落ちて媒体供給口7に落下することを効果的に抑制することができる。
【0059】
また、規制部材40が前記規制状態から更に開いた状態(図14の下図)において、装置上面(X−Y平面)に対する規制部材40の開き角度α2は、90°よりも大きく開くことが望ましく、120°程度まで開くことが望ましい。
このことによって、閉じた状態の第2の開閉体41への干渉を回避しつつ、媒体供給口7内に手を入れて行う操作(エッジガイド33の操作等)を行い易くすることができる。
【0060】
また本実施例において、規制部材40は、手差しカバー6が開状態から閉状態に変化する際に、手差しカバー6が接触して規制部材40を前記収納状態に誘う誘い部40c(図10図13)を備えている。誘い部40cは、図13に示すように、規制部材40の幅方向(X軸方向)の両側の自由端側に設けられている。
規制部材40が誘い部40cを備えていることにより、手差しカバー6の開状態から閉状態への変化によって、規制部材40が閉じる方向に案内され、スムーズに収納状態とすることができる。
【0061】
尚、本実施例においては付勢部材としてねじりバネ42を用いる構成としたが、圧縮バネ、引っ張りバネ等を用いることもできる。
また、本実施例においては、原稿台カバー4と読み取り機構部3のいずれかが、第2の開閉体41として記録機構部本体2(筐体)の上部において媒体供給口7以外の少なくとも一部を開閉するが、例えば、読み取り機構部3を有しないプリンターにおいて、記録機構部本体2の上面を開閉する開閉カバーが第2の開閉体として設けられていてもよい。また、原稿台カバー4を備えず、記録機構部本体2(筐体)の上部において開閉する読み取り機構部3を第2の開閉体とすることもできる。
【0062】
<原稿台カバーにおける他の構成について>
図15図17を参照して、原稿台カバー4における他の構成について説明する。
原稿台カバー4は、図15図3も参照)に示すように、カバー本体37と、カバー本体37の下面(原稿台3aと対向する面)に取り付けられる原稿押さえマット50を備えている。
そして原稿台カバー4を閉じた際に、原稿台3aに載置された原稿が原稿押さえマット50により押圧され、その被読み取り面が原稿台3aに密着するようになっている。
【0063】
また、原稿台カバー4は、カバー本体37の自由端側(+Y側)に近距離無線通信基板51(以下、NFC基板51と称する場合がある)を備えている。
NFC基板51は、例えば、プリンター1とユーザーの携帯端末との間で近距離無線通信を行い、前記携帯端末への情報発信や、前記携帯端末からプリンター1の設定、画像データの転送、記録機構部15における記録の実行、読み取り機構部3におけるスキャンの実行などを行うことができるものである。
【0064】
また、カバー本体37の自由端側(+Y側)には、装置幅方向(X軸方向)において、NFC基板51が設けられている位置以外の部分に亘る金属プレート52が設けられている。金属プレート52を設けることにより、原稿台カバー4の剛性が向上する。
尚、NFC基板51と金属プレート52はカバー部材56により覆われ、カバー本体37とカバー部材56の間に位置している。
【0065】
ここで、カバー本体37は、NFC基板51が設けられる位置が薄肉に形成されている。より具体的には、図16及び図17に示すように、カバー本体37は、原稿台カバー4としての上面側(+Z側の面)においては面一になっており、その裏面が凹むように薄く形成されて構成されている。この薄く形成された肉薄部53にNFC基板51を配置することにより、NFC基板51の配置に伴う原稿台カバー4の厚み増加を抑制できる。
【0066】
本実施例において、厚みd1の肉薄部53は、カバー本体37の元々の厚みd2の部分(以下、肉厚部54と称する)との間に、厚みd1から厚みd2に傾斜するスロープ領域55を備えている。
【0067】
ここで、樹脂の射出形成によりカバー本体37を成形する場合に、肉薄に形成される凹みが、例えば断面が矩形となるような凹部形状、すなわち、厚みd1の肉薄部53と厚みd2の肉厚部54がある境界線を境にして隣り合うように形成されると、偏肉のため肉薄部53と肉厚部54の成形収縮に差が出来易く、カバー本体37に、所謂「ヒケ」(窪みや穴)が生じることがある。
肉薄部53と肉厚部54の間にスロープ領域55があると、厚みd1から厚みd2まで連続的に厚みが変化して偏肉の明確な境界が無くなるので、肉薄部53と肉厚部54の間における成形収縮の差が生じる虞が抑制され、以って、前記「ヒケ」の発生の虞を低減することができる。
【0068】
<記録機構部における用紙搬送経路について>
以下において、図5を参照しつつプリンター1の記録機構部15における用紙搬送経路について説明する。初めに、手差しトレイ17からの用紙の給送について説明し、その後、装置底部に設けられる下段側トレイ13或いは上段側トレイ14からの用紙の給送について説明する。
尚、図5において、手差しトレイ17からの用紙Pの給送経路T1を二点鎖線で示している。また、下段側トレイ13或いは上段側トレイ14から搬送駆動ローラー24の上流側までの用紙Pの給送経路T2を点線で示している。
【0069】
手差しトレイ17にセットされた用紙は、最上位の用紙が第2給送ローラー21によってピックアップされて下流側に送られる。
第2給送ローラー21の先には、図示しないモーターによって回転駆動される搬送駆動ローラー24と、該搬送駆動ローラー24に接して従動回転する搬送従動ローラー25とが設けられており、これらローラーによって用紙Pが記録ヘッド30の下へと送られる。
【0070】
続いて液体としてのインクを吐出する記録ヘッド30は、キャリッジ29の底部に設けられ、当該キャリッジ29は図示しないモーターによって副走査方向(X軸方向)に往復動する様に駆動される。
【0071】
記録ヘッド30と対向する位置には、搬送される用紙Pを支持する媒体支持部材28が設けられ、当該媒体支持部材28によって、用紙Pと記録ヘッド30との間の間隔(PG)が規定される。
そして媒体支持部材28の下流側には、図示しないモーターによって回転駆動される排出駆動ローラー31と、当該排出駆動ローラー31に接して従動回転する排出従動ローラー32とが設けられている。記録ヘッド30によって記録の行われた用紙Pは、これらローラーにより、上述した排紙受けトレイ8へ向けて排出される。
【0072】
またプリンター1は、装置底部に下段側トレイ13及び上段側トレイ14を備え、当該下段側トレイ13或いは上段側トレイ14からも用紙を1枚ずつ給送することができる。
上段側トレイ14は、給送可能位置(図5)と、装置前面側(図5において右方向:上段側トレイ14の引き抜き方向側)に移動した退避位置(不図示)との間をスライド(変位)可能に設けられており、図示しないモーターの動力を受けて、給送可能位置と退避位置とを変位する様に構成されている。
尚、図5においては、下段側トレイ13に収容される用紙を符号P1で、上段側トレイ14に収容される用紙を符号P2で、それぞれ示している(以下、特に区別する必要がない場合は「用紙P」と言う)。
【0073】
図示しないモーターによって回転駆動される第1給送ローラー(ピックアップローラーとも呼ばれる)10は、回動軸12を中心に揺動するローラー支持部材11(ピックアップアームや揺動部材とも呼ばれる)に設けられており、上段側トレイ14が最も装置後方側(図5において左方向:上段側トレイ14の装着方向側であり、用紙送り出し方向側でもある)にスライドした突き当たり位置にあるとき、即ち上段側トレイ14の給送可能位置では、第1給送ローラー10が上段側トレイ14に収容された用紙P2の最上位のものと接して回転することにより、当該最上位の用紙P2を上段側トレイ14から送り出す。
【0074】
一方、上段側トレイ14が装置前面側(+Y側)にスライドした状態、即ち上段側トレイ14が前述した退避位置にあるときは、ローラー支持部材11が回動軸12を中心に揺動し、第1給送ローラー10が下段側トレイ13に収容された用紙P1の最上位のものと接することができ、第1給送ローラー10が回転することにより、当該最上位の用紙P1を下段側トレイ13から送り出すようになっている。
尚、下段側トレイ13及び上段側トレイ14は、前述したように、いずれか一方側が装着されていない場合であっても、他方側から用紙を給送可能となっている。
【0075】
第1給送ローラー10の下流側には、図示しないモーターによって回転駆動される中間ローラー16が設けられており、この中間ローラー16によって用紙Pは湾曲反転させられ、装置前方側へと向かう。尚、符号19、20は従動回転可能な従動ローラーであり、少なくとも用紙Pは、従動ローラー19と中間ローラー16とによってニップされ、また従動ローラー20と中間ローラー16とによってニップされて、下流側へと送られる。
【0076】
点線で示す給送経路T2に沿って送られた用紙は、搬送駆動ローラー24及び搬送従動ローラー25の手前において給送経路T1(二点鎖線)と合流し、それ以降下流側においては、手差しトレイ17から給送された用紙と同様に、搬送駆動ローラー24及び搬送従動ローラー25によって搬送され、記録ヘッド30による記録が行われた後に、排出駆動ローラー31及び排出従動ローラー32により排紙受けトレイ8へ向けて排出される。
【0077】
また、用紙Pの両面を記録する場合には、表(おもて)面を記録ヘッド30で記録した後、スイッチバックさせることで、用紙Pを中間ローラー16の下側から給送経路に侵入させ、湾曲反転させることで、用紙Pの裏(うら)面に記録を行うことができる。尚、符号18は中間ローラー16の回転に従動回転可能な従動ローラーである。
【0078】
尚、本発明は上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0079】
1…プリンター(記録装置)、2…記録機構部本体、3…読み取り機構部、
4…原稿台カバー、5…操作パネル、6…手差しカバー(第1の開閉体)、
7…媒体供給口、8…排紙受けトレイ、9…前面カバー、
10…第1給送ローラー、11…ローラー支持部材、12…回動軸、
13…下段側トレイ、14…上段側トレイ、15…記録機構部、
16…中間ローラー、17…手差しトレイ、18…従動ローラー、
19…従動ローラー、20…従動ローラー、21…第2給送ローラー、
24…搬送駆動ローラー、25…搬送従動ローラー、
28…媒体支持部材、29…キャリッジ、30…記録ヘッド(記録手段)、
31…排出駆動ローラー、32…排出従動ローラー、33…エッジガイド、
35…連結部、36…回動軸、37…カバー本体、38…回動軸、
40…規制部材、40a…軸穴、40b…規制面、40c…誘い部、
41…第2の開閉体、42…ねじりバネ、43…回動軸、44…回動軸、
50…原稿押さえマット、51…近距離無線通信基板(NFC基板)、
52…金属プレート、53…肉薄部、54…肉厚部、55…スロープ領域、
56…カバー部材、P、P1、P2 用紙(媒体)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17