【解決手段】封筒用紙及び内容物用紙を保持し、保持している封筒用紙及び内容物用紙の給紙を行う給紙部111と、給紙部111により給紙された封筒用紙及び内容物用紙に印刷画像の印刷を行う印刷部114と、印刷部114により印刷された封筒用紙及び内容物用紙を封入封緘装置3へ送出する送出部115と、内容物用紙の枚数を指定する封入封緘ジョブに基づき、封書作製に使用する封筒用紙又は内容物用紙を選択して給紙部111から給紙させて印刷部で印刷を行わせ、封入封緘装置に封書を作製させるように制御する統括制御部128とを備え、統括制御部128は、全ての内容物用紙を1枚の封筒にまとめて収納可能、又は複数の封筒に分割して収納可能なように制御する。
前記用紙枚数分割部によって分割された内容物用紙の枚数に、前記追加印刷情報を印刷するために追加された1封筒あたりの内容物用紙の枚数を加算して前記封筒に収納可能なように前記封入封緘ジョブを変更するジョブ変更部をさらに備え、
前記制御部は、前記ジョブ変更部によって変更された封入封緘ジョブに基づいて、封書作製に使用する封筒用紙又は内容物用紙を選択して前記給紙部から給紙させて、前記追加印刷情報を追加した印刷を行わせ、全ての内容物用紙を1枚の封筒にまとめて収納可能、又は複数の封筒に分割して収納可能なように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の封書作製システム。
前記用紙枚数分割部によって分割された内容物用紙の枚数に、前記追加印刷情報を印刷するために追加された1封筒あたりの内容物用紙の枚数を加算して前記封筒に収納可能なように前記封入封緘ジョブを変更するジョブ変更部と、
前記追加印刷情報生成部が生成した前記追加印刷情報を、前記封筒用紙の所定領域内に印刷するように前記印刷画像の変更を行う印刷画像変更部と、
前記用紙枚数分割部によって分割された分割数と、内容物用紙の枚数に前記追加印刷情報を印刷するために追加された内容物用紙の枚数を加算した内容物用紙の分割数とを比較する比較部と
をさらに備え、
前記制御部は、前記比較部による比較結果に応じて、前記ジョブ変更部によって変更された封入封緘ジョブに基づく制御、又は前記印刷画像変更部で変更された印刷画像に基づく制御を選択して実行させ、全ての内容物用紙を1枚の封筒にまとめて収納可能、又は複数の封筒に分割して収納可能とする
ことを特徴とする請求項1に記載の封書作製システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のように、封筒に詰める用紙の枚数が多すぎる場合に、封筒詰めモードを自動的に解除すると、その後、やり直しをする作業が発生し、ユーザに余分な手間がかかり作業が繁雑化して利便性が損なわれ、封書作製の生産性の低下を招いていた。
【0007】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、利便性を向上するとともに、封書作製の生産性の低下を抑制できる封書作製システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る封書作製システムの第1の特徴は、封筒用紙及び内容物用紙に印刷を行う印刷装置と、印刷された前記封筒用紙から封筒を形成し、前記印刷装置で印刷された前記内容物用紙を前記封筒に収納して封書を作製する封入封緘装置とを備えた封書作製システムであって、前記封筒用紙及び前記内容物用紙を保持し、保持している前記封筒用紙及び前記内容物用紙の給紙を行う給紙部と、前記給紙部により給紙された前記封筒用紙及び前記内容物用紙に印刷画像の印刷を行う印刷部と、前記印刷部により印刷された前記封筒用紙及び前記内容物用紙を前記封入封緘装置へ送出する送出部と、内容物用紙の枚数を指定する封入封緘ジョブに基づき、封書作製に使用する封筒用紙又は内容物用紙を選択して前記給紙部から給紙させて前記印刷部で印刷を行わせ、前記封入封緘装置に前記封書を作製させるように制御する制御部と、前記封入封緘ジョブにより指定された封筒用紙から形成される1枚の封筒に、指定された枚数の内容物用紙を全て収納することが不可能な場合に、複数枚の封筒に分割する用紙枚数分割部と、前記用紙枚数分割部による内容物用紙の枚数の分割に関する情報を追加印刷情報として生成する追加印刷情報生成部とを備え、前記制御部は、封書作製に使用する封筒用紙又は内容物用紙を選択して前記給紙部から給紙させて、前記追加印刷情報を追加した印刷を行わせ、全ての内容物用紙を1枚の封筒にまとめて収納可能、又は複数の封筒に分割して収納可能なように制御することにある。
【0009】
本発明に係る封書作製システムの第2の特徴は、前記用紙枚数分割部によって分割された内容物用紙の枚数に、前記追加印刷情報を印刷するために追加された1封筒あたりの内容物用紙の枚数を加算して前記封筒に収納可能なように前記封入封緘ジョブを変更するジョブ変更部をさらに備え、前記制御部は、前記ジョブ変更部によって変更された封入封緘ジョブに基づいて、封書作製に使用する封筒用紙又は内容物用紙を選択して前記給紙部から給紙させて、前記追加印刷情報を追加した印刷を行わせ、全ての内容物用紙を1枚の封筒にまとめて収納可能、又は複数の封筒に分割して収納可能なように制御することにある。
【0010】
本発明に係る封書作製システムの第3の特徴は、前記追加印刷情報生成部が生成した前記追加印刷情報を、前記封筒用紙の所定領域内に印刷するように前記印刷画像の変更を行う印刷画像変更部をさらに備え、前記制御部は、前記印刷画像変更部で変更された印刷画像に基づいて、封書作製に使用する封筒用紙又は内容物用紙を選択して前記給紙部から給紙させて、前記追加印刷情報を追加した印刷を行わせ、全ての内容物用紙を1枚の封筒にまとめて収納可能、又は複数の封筒に分割して収納可能なように制御することにある。
【0011】
本発明に係る封書作製システムの第4の特徴は、前記用紙枚数分割部によって分割された内容物用紙の枚数に、前記追加印刷情報を印刷するために追加された1封筒あたりの内容物用紙の枚数を加算して前記封筒に収納可能なように前記封入封緘ジョブを変更するジョブ変更部と、前記追加印刷情報生成部が生成した前記追加印刷情報を、前記封筒用紙の所定領域内に印刷するように前記印刷画像の変更を行う印刷画像変更部と、前記用紙枚数分割部によって分割された分割数と、内容物用紙の枚数に前記追加印刷情報を印刷するために追加された内容物用紙の枚数を加算した内容物用紙の分割数とを比較する比較部とをさらに備え、前記制御部は、前記比較部による比較結果に応じて、前記ジョブ変更部によって変更された封入封緘ジョブに基づく制御、又は前記印刷画像変更部で変更された印刷画像に基づく制御を選択して実行させ、全ての内容物用紙を1枚の封筒にまとめて収納可能、又は複数の封筒に分割して収納可能とすることにある。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る封書作製システムの第1の特徴によれば、封入封緘ジョブにより指定された封筒用紙から形成される1枚の封筒に、指定された枚数の内容物用紙を全て収納することが不可能な場合に、封書作製に使用する封筒用紙として、全ての内容物用紙を1枚の封筒にまとめて収納可能、又は複数枚の封筒に分割して収納可能なように、給紙、印刷及び封入封緘を行う。この際、複数の封筒に分割された内容物用紙の分割に関する情報を追加印刷情報として追加した印刷を行う。
【0013】
これにより、指定された種類の封筒用紙から形成される封筒に、指定された枚数の内容物用紙を全て収納することは不可能な場合でも、封書作製用印刷をエラー停止することを回避して封書作製用印刷を実行することが可能になる。また、分割された内容物用紙の枚数に関する追加印刷情報が封筒用紙又は内容物用紙に印刷されるため、封書を受け取った者に、その封筒が分割に係るものであることや、全体の枚数のどの範囲が封入されているのかを伝えることができる。この結果、利用者の利便性を向上できるとともに、封書作製の生産性の低下を抑制できる。
【0014】
なお、追加印刷情報の形態としては、内容物全体の枚数や、当該封書に封入されている内容物が全体のどの範囲なのかを文章やサムネイル画像等により表示することが挙げられる。また、この追加印刷情報は、上述した本発明の第2〜4の特徴のように、追加印刷情報を、追加した内容物用紙や、封筒用紙の余白部分、またはこれら両方に印刷することができる。
【0015】
本発明に係る封書作製システムの第2の特徴によれば、本来封入される内容物用紙に、追加印刷情報が印刷された内容物用紙を追加して、これら全ての内容物用紙を複数の封筒に分割して封入する。この結果、内容物用紙の分割に関する情報を、追加された内容物用紙に詳細に記述することができる。なお、この追加印刷情報が印刷される内容物用紙には、例えば、各内容物用紙の画像を縮小したサムネイルが表示されたシートとすることができ、このサムネイルとしては、その封筒に封入されている内容物用紙を示すサムネイルと、分割された他の封筒に封入されている内容物用紙を示すサムネイルなどを含めることができ、各シートには、これら分割された封書に関する説明などを記載することができる。
【0016】
本発明に係る封書作製システムの第3の特徴によれば、封筒用紙のフラップや余白に追加印刷情報を簡潔に印刷するため、内容物用紙の分割に関する情報を追加印刷することにより内容物用紙の枚数が増加して封書数が増えるのを回避することができる。
【0017】
本発明に係る封書作製システムの第4の特徴によれば、本来の枚数の内容物用紙についての分割数と、追加印刷情報を内容物用紙に印刷することにより増加した内容物用紙の分割数とを比較して、追加印刷情報を内容物用紙に印刷することによって封書数が増大する場合には、追加印刷情報を封筒用紙のフラップや余白に印刷するようにし、封書数が増大しない場合には、内容物用紙に詳細な追加印刷情報を印刷するようにするなど、状況に応じて、追加印刷情報の情報量と、封書数とのバランスを調節することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一若しくは同等の部位や構成要素には、同一若しくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0020】
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0021】
[封書作製システムの基本構成]
はじめに本発明の実施の形態に係る封書作製システム1の基本構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る封書作製システム1の構成を示す概略構成図であり、
図2実施の形態に係る封書作製システムを模式的に示す機能構成図である。以下の説明において、ユーザが位置する
図1の紙面表方向を前方とし、
図1に示すように、ユーザから見て、上下左右を上下左右方向とする。
【0022】
図1、
図2に示すように、本実施の形態に係る封書作製システム1は、印刷装置2と、封入封緘装置3とを備える。なお、
図1において矢印で示す経路が、用紙が搬送される搬送経路である。ここで、用紙は、封入封緘装置3での封書作製が可能な専用の封筒用紙である。封筒用紙には、水が付着することで接着可能となる再湿糊、及び加圧接触により接着する感圧接着剤が予め所定位置に塗布されている。封筒用紙には、定形封筒用紙及び定形外封筒用紙が含まれる。定形封筒用紙は、定形封筒が形成される封筒用紙である。定形封筒は、定形郵便物の条件を満たす封筒である。定形外封筒用紙は、定形外封筒が形成される封筒用紙である。定形外封筒は、定形封筒以外の封筒である。
【0023】
次に、本実施の形態に係る封書作製システム1について説明する。封書作製システム1は、印刷装置2と、封入封緘装置3とで構成され、封筒用紙Pや内容物となる用紙に印刷を施した後に封筒用紙で内容物を封入封緘してシート成形物である封書を作製する。
【0024】
印刷装置2は、封筒用紙及び内容物となる用紙を印刷して排出する装置であり、各部を収納する筐体の内部又は側面等に複数種類の用紙(内容物となる枚葉状の用紙や封筒用紙)を収納可能な複数の給紙部111と、導入路112からの用紙を搬送するループ状の搬送経路113、シアン(C)、ブラック(K)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のインクをそれぞれ吐出する4つのインクジェットヘッドC、K、M、Yからなる印刷部114と、用紙を封入封緘装置3に排出する送出部115と、用紙をループ外に排出する排紙部116と、搬送経路113を搬送されてきた用紙を受け入れた後に逆行させて搬送経路113に戻して用紙の上下を反転させる反転部117とを備えている。
【0025】
封入封緘装置3は、印刷装置2で印刷された封筒用紙から封筒を形成し、印刷装置2で印刷された内容物用紙を封筒に収納して封書を作製する。
図1及び
図2に示すように、封入封緘装置3は、内容物折畳部121と、封筒形成部123と、封緘部126と、排出部127と、封書作製システム1の各部を統括制御する統括制御部128とを備えている。
【0026】
内容物折畳部121は、印刷装置2から送られてきた印刷済みの内容物用紙を、封筒用紙枚分の枚数毎に集積して整合し、整合された内容物用紙を必要に応じて折り畳む機構である。内容物折畳部121は、2つ折り、3つ折り等の複数通りの折り処理が可能に構成されている。
【0027】
封筒形成部123は、印刷装置2から送られてきた印刷済みの封筒用紙から封筒を形成しつつ、内容物用紙を封筒に収納するとともに、封筒用紙の所定位置に設けられた再湿糊に水を塗布し、封筒用紙を折り曲げつつ所定位置の対向面を接着させることで封筒を形成する。具体的に封筒形成部123は、封筒となる封筒用紙を搬送しながら内容物を包み込むように封入するとともに、水塗布処理部124で、内容物を封入した封筒用紙に形成された再湿糊部に水塗布部124aで水を塗布し、用紙折部125において水塗布後の封筒用紙を搬送しながら折り線に沿って所定の折り処理を施す。なお、封筒形成部123には折部122が接続されており、この折部122は4つ折り封筒(即ち、封筒用紙を3回折る場合)に使用する機構である。封筒が3つ折り封筒である場合には、折部122は使用せず、封筒形成部123で折りと封入を同時に行うこととなる。
【0028】
封緘部126は、封筒形成部123で形成された、内容物用紙を収納した封筒を封緘して封書を完成させる。封緘部126では、封筒の感圧接着剤同士を圧着することで封緘することもできる。排出部127は、封緘処理された封書を装置筐体外部まで上昇搬送させた後、排出トレイ127aまで水平に排出搬送する。
【0029】
統括制御部128は、印刷装置2全体の動作を制御するとともに、封入封緘装置3全体の動作を制御する。統括制御部128は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク等を備えて構成される。
【0030】
統括制御部128は、RAM等のメモリ装置に用紙テーブルを記憶している。用紙テーブルは、給紙部111の外部給紙台及び第1〜第3内部給紙台の各給紙台に積載されて保持されている用紙種別を示すテーブルである。用紙種別には、封筒用紙、各サイズの普通紙等が含まれる。
【0031】
また、統括制御部128は、封筒情報テーブルを記憶している。封筒情報テーブルは、給紙部111が保持している封筒用紙に対応する封筒における、内容物用紙の収納可能サイズと収納可能枚数とを示すテーブルである。収納可能サイズは、各封筒が収納可能な最大のサイズであり、収納可能サイズ以下のサイズであれば収納可能である。封入封緘装置3の内容物折畳部121で折り処理された内容物用紙が収納される封筒では、収納可能サイズは、折り処理された後に収納可能となる内容物用紙の最大のサイズを示す。
【0032】
そして、統括制御部128は、封書作成用の印刷時において、封入封緘ジョブに基づき、用紙テーブルを参照して、封筒用紙及び内容物用紙を選択して給紙部111から給紙するよう制御する。この際、統括制御部128は、封筒情報テーブルを参照して、封筒用紙選択処理を行う。封入封緘ジョブは、印刷画像データ及び封入封緘のための設定情報を含み、封書作製用印刷の際に外部の端末装置から印刷装置2に送信される印刷ジョブである。封入封緘ジョブは、封書1通を作製するための、封筒用紙の種類、内容物用紙のサイズ、及び内容物用紙の枚数を指定する。
【0033】
さらに、統括制御部128は、1枚の封筒に、指定された枚数の内容物用紙を全て収納することが不可能な場合に、複数枚の封筒に分割して収納可能なように、給紙、印刷及び封入封緘を行うとともに、複数の封筒に分割された内容物用紙の分割に関する情報を追加印刷情報として追加した印刷を行うための機能を備えている。具体的には、
図2に示すように、統括制御部128は、シート枚数抽出部128aと、用紙枚数分割部128bと、追加印刷情報生成部128cと、印刷画像変更部128dと、ジョブ変更部128eと、比較部128fとを備えている。
【0034】
シート枚数抽出部128aは、受信した封入封緘ジョブを解析して、各封筒に封入される内容物用紙のシート枚数を抽出するモジュールである。このシート枚数抽出部128aで抽出された各封筒のシート枚数は、用紙枚数分割部128bに受け渡される。
【0035】
用紙枚数分割部128bは、シート枚数抽出部128aによって抽出された封筒毎のシート枚数に基づいて、1枚の封筒に指定された枚数が1封筒あたりに封入可能な上限枚数に達して内容物用紙を全て収納することが不可能な場合に、複数枚の封筒に分割するモジュールである。なお、本実施形態では、分割する際の追加印刷情報の出力モードが、サムネイルシートを用いるシート出力モードと、封筒用紙の余白やフラップ部分に印刷する余白・フラップ出力モードとがあり、上記上限枚数はこれらの出力モードに応じて設定される。
【0036】
なお、追加印刷情報の出力モードとしては、サムネイルシートを追加する場合の分割通数と余白・フラップ印刷する場合の分割通数を比較して適宜出力モードを切り替えることもできる。この場合には、上限枚数に基づいて単純に分割された分割数と、追加印刷情報を印刷するためにサムネイルシートが追加されたときの分割数とを比較し、サムネイルシートを追加することによって分割通数が増加してしまうときに、余白・フラップ出力モードに切り替えるなどの手法を採用することが可能である。
【0037】
追加印刷情報生成部128cは、用紙枚数分割部128bによる内容物用紙の枚数の分割に関する情報を追加印刷情報として生成するモジュールであり、サムネイルシートを用いるシート出力モードと、封筒用紙の余白やフラップ部分に印刷する余白・フラップ出力モードとで、追加印刷情報の記載事項やフォーマットを選択するようになっている。
【0038】
印刷画像変更部128dは、追加印刷情報生成部128cが生成した追加印刷情報を印刷するために印刷画像データを加工するモジュールであり、上述した追加印刷情報の出力モードに応じて、サムネイルシート用の印刷画像データを生成したり、余白・フラップ印刷用に封筒用紙の印刷画像データを加工したりする。
【0039】
ジョブ変更部128eは、上述した追加印刷情報の出力モードに応じて、元の封入封緘ジョブに対し、増加した通数分の封筒用紙やサムネイルシートを差し込むための印刷処理や封入封緘処理を追加し、全ての内容物用紙が封筒に収納可能なように封入封緘ジョブを変更するモジュールである。統括制御部128は、印刷画像変更部128d及びジョブ変更部128eによって変更された封入封緘ジョブに基づいて、封書作製に使用する封筒用紙又は内容物用紙を選択して給紙部111から給紙させ、追加印刷情報を追加した印刷画像データの印刷を行わせるとともに、全ての内容物用紙を1枚の封筒にまとめて収納可能、又は複数の封筒に分割して収納可能なように制御する。
【0040】
比較部128fは、用紙枚数分割部128bによって分割された分割数と、内容物用紙の枚数に追加印刷情報を印刷するために追加された内容物用紙の枚数を加算した内容物用紙の分割数とを比較する。
【0041】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る封書作製システム1について説明する。本実施形態では、追加印刷情報を出力するためにサムネイルシートを用いるシート出力モードを実行する。
図3は、本発明の第1実施形態に係る封書作製システムの動作を示すフローチャートである。
図4は、本発明の第1実施形態に係る封書作製システムの動作を模式的に示した説明図である。
【0042】
先ず、統括制御部128に対して、外部の端末装置からの封入封緘ジョブを受信したり、記録媒体から封入封緘ジョブが読み出されたりすることによって入稿されると(ステップS101;YES)、シート枚数抽出部128aは、入稿された封入封緘ジョブを解析して、各封筒に封入される内容物用紙のシート枚数を抽出する(ステップS103)。
【0043】
このシート枚数抽出部128aで抽出された各封筒のシート枚数は、用紙枚数分割部128bに受け渡される。用紙枚数分割部128bは、
図4に示すように、シート枚数抽出部128aによって抽出された封筒毎のシート枚数PAに基づいて、1枚の封筒に指定された枚数が、1封筒あたりに封入可能な上限枚数に達する場合に、複数枚の封筒に分割し、分割通数PS1,PS2…を算出する(ステップS105)。ここでは分割する際の追加印刷情報の出力モードがサムネイルシートSS1,SS2を用いるシート出力モードであるため、上記上限枚数は、封入封緘ジョブで指定された封筒用紙から形成される封筒の通常の上限枚数から、サムネイルシート1枚分を差し引いた枚数に設定される。なお、1枚の封筒に内容物用紙を全て収納することが可能な場合には、分割数は0と算出される。
【0044】
そして、追加印刷情報生成部128cが、用紙枚数分割部128bによる内容物用紙の枚数の分割に関する情報を追加印刷情報として生成する(ステップS107)。ここでは、サムネイルシートを用いるシート出力モードであるため、
図4に示すように、サムネイルシートSS1,SS2用の追加印刷情報の記載事項やフォーマットが選択される。具体的には、サムネイルシートSS1,SS2は、内容物用紙の分割に関する情報が記載されており、各内容物用紙の画像を縮小したサムネイルが表示される。このサムネイルは、その封筒に封入されている内容物用紙を示すサムネイルSN11と、分割された他の封筒に封入されている内容物用紙を示すサムネイルSN12とが含まれる。各サムネイルシートSS1,SS2には、これら分割された封書に関する説明などを記載することができる。印刷画像変更部128dは、追加印刷情報生成部128cが生成した追加印刷情報を印刷するためにサムネイルシート用の印刷画像データを生成する。
【0045】
ジョブ変更部128eは、元の封入封緘ジョブに対し、増加した通数分の封筒用紙やサムネイルシートを差し込むための印刷処理や封入封緘処理を追加し、全ての内容物用紙が封筒に収納可能なように封入封緘ジョブを変更する(ステップS109)。なお、ステップS105において、1枚の封筒に内容物用紙を全て収納することが可能であると判定され、分割数が0と算出された封書については、これら追加印刷情報の生成(ステップS107)及び封入封緘ジョブの変更(ステップS109)は省略される。
【0046】
その後、統括制御部128は、印刷画像変更部128d及びジョブ変更部128eによって変更された封入封緘ジョブに基づいて、封書作製に使用する封筒用紙又は内容物用紙を選択して給紙部111から給紙させ(ステップS111)、追加印刷情報を追加した印刷画像データの印刷を行わせる(ステップS113)。この印刷された封筒用紙又は内容物用紙は封入封緘装置3側に送出され(ステップS115)、全ての内容物用紙を1枚の封筒にまとめて収納可能、又は複数の封筒に分割して収納可能なように封入及び封緘をする(ステップS117)。そして、統括制御部128は、全ての封入封緘ジョブが終了するまで(ステップS119;YES)、これらステップS111〜S117を繰り返す。
【0047】
以上のように、本実施形態によれば、指定された種類の封筒用紙から形成される封筒に、指定された枚数の内容物用紙を全て収納することは不可能な場合でも、封書作製用印刷をエラー停止することを回避して封書作製用印刷を実行することが可能になる。また、分割された内容物用紙の枚数に関する追加印刷情報がサムネイルシートSS1,SS2に印刷されるため、封書を受け取った者に、その封筒が分割に係るものであることや、全体の枚数のどの範囲が封入されているのかを伝えることができる。特に、本実施形態では、内容物用紙の分割に関する情報を追加されたサムネイルシートSS1,SS2に記述するため、より詳細に分割に関する情報を伝えることができる。これらの結果、本実施形態によれば、利用者の利便性を向上できるとともに、エラー停止を回避することによって、封書作製の生産性が低下するのを抑制できる。
【0048】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る封書作製システム1について説明する。本実施形態では、追加印刷情報を出力するために余白・フラップ印刷を用いる余白・フラップ出力モードを実行する。
図5は、本発明の第2実施形態に係る封書作製システムの動作を示すフローチャートであり、
図6は、本発明の第2実施形態に係る封書作製システムの動作を模式的に示した説明図である。ここで、ステップS101〜S103の処理については、
図3に示したフローチャートにおけるステップS101〜S103の処理と同一処理であるので、説明を省略する。
【0049】
ステップS103において抽出された各封筒のシート枚数は、用紙枚数分割部128bに受け渡される。用紙枚数分割部128bでは、シート枚数抽出部128aによって抽出された封筒毎のシート枚数に基づいて、1枚の封筒に指定された枚数が、1封筒あたりに封入可能な上限枚数に達する場合に、複数枚の封筒に分割し、分割通数PS1,PS2…を算出する(ステップS201)。ここでは分割する際の追加印刷情報の出力モードが余白・フラップ出力モードであるため、内容物用紙は増加されず、上記上限枚数は、封入封緘ジョブで指定された封筒用紙から形成される封筒の通常の上限枚数に設定される。なお、1枚の封筒に内容物用紙を全て収納することが可能な場合には、分割数は0と算出される。
【0050】
次に、追加印刷情報生成部128cが、用紙枚数分割部128bによる内容物用紙の枚数の分割に関する情報を追加印刷情報として生成する(ステップS203)。ここでは、余白・フラップ印刷を行う余白・フラップ出力モードであるため、
図6(b)に示すように、封筒用紙L1〜L3用の追加印刷情報の記載事項やフォーマットが選択される。具体的には、封筒用紙L1〜L3には、内容物用紙の分割に関する情報が簡略的に記載されており、その封筒の封書番号M11,M21,M31と、分割された他の封筒の番号が別途に届くことを伝えるメッセージM12,M22,M32が印刷される。印刷画像変更部128dは、追加印刷情報生成部128cが生成した追加印刷情報を印刷するために余白・フラップ印刷用の印刷画像データを生成する。
【0051】
ジョブ変更部128eは、元の封入封緘ジョブに対し、増加した通数分の封筒用紙やサムネイルシートを差し込むための印刷処理や封入封緘処理を追加し、全ての内容物用紙が封筒に収納可能なように封入封緘ジョブを変更する(ステップS205)。なお、ステップS201において、1枚の封筒に内容物用紙を全て収納することが可能であると判定され、分割数が0と算出された封書については、これら追加印刷情報の生成(ステップS203)及び封入封緘ジョブの変更(ステップS205)は省略され、
図6(a)に示すような通常の印刷及び封入封緘がそのまま設定される。
【0052】
その後、統括制御部128は、印刷画像変更部128d及びジョブ変更部128eによって変更された封入封緘ジョブに基づいて、封書作製に使用する封筒用紙又は内容物用紙を選択して給紙部111から給紙させ(ステップS207)、追加印刷情報を追加した印刷画像データの印刷を行わせる(ステップS209)。この印刷された封筒用紙又は内容物用紙は封入封緘装置3側に送出され(ステップS211)、全ての内容物用紙を1枚の封筒にまとめて収納可能、又は複数の封筒に分割して収納可能なように封入及び封緘をする(ステップS213)。そして、統括制御部128は、全ての封入封緘ジョブが終了するまで(ステップS215;YES)、これらステップS207〜S213を繰り返す。
【0053】
以上のように、本実施形態によれば、指定された種類の封筒用紙から形成される封筒に、指定された枚数の内容物用紙を全て収納することは不可能な場合でも、封書作製用印刷をエラー停止することを回避して封書作製用印刷を実行することが可能になる。また、分割された内容物用紙の枚数に関する追加印刷情報が封筒用紙の余白やフラップ部分に印刷されるため、封書を受け取った者に、その封筒が分割に係るものであることや、全体の枚数のどの範囲が封入されているのかを伝えることができる。特に、本実施形態では、封筒用紙のフラップや余白に追加印刷情報を簡潔に印刷するため、サムネイルシート等を追加印刷することにより内容物用紙の枚数が増加して封書数が増えるのを回避することができる。これらの結果、本実施形態によれば、利用者の利便性を向上できるとともに、エラー停止を回避することによって、封書作製の生産性が低下するのを抑制できる。
【0054】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る封書作製システム1について説明する。本実施形態では、追加印刷情報を出力するために、サムネイルシートを追加する場合の分割通数と余白・フラップ印刷する場合の分割通数を比較して適宜出力モードを切り替える。
図7は、本発明の第3実施形態に係る封書作製システムの動作を示すフローチャートである。ここで、ステップS101〜S103の処理については、
図3に示したフローチャートにおけるステップS101〜S103の処理と同一処理であるので、説明を省略する。
【0055】
ステップS103において抽出された各封筒のシート枚数は、用紙枚数分割部128bに受け渡される。用紙枚数分割部128bでは、サムネイルシートを追加する場合の分割通数S1を算出する(ステップS301)。具体的には、シート枚数抽出部128aによって抽出された封筒毎のシート枚数に基づいて、上限枚数を、封入封緘ジョブで指定された封筒用紙から形成される各封筒の通常の上限枚数からサムネイルシート1枚分を差し引いた枚数に設定して、1枚の封筒に指定された枚数が、1封筒あたりに封入可能な上限枚数に達する場合に、複数枚の封筒に分割し、分割通数S1を算出する。なお、1枚の封筒に内容物用紙を全て収納することが可能な場合には、分割数は0と算出される。
【0056】
次に、用紙枚数分割部128bでは、フラップ印刷の場合の分割通数S2を算出する(ステップS303)。具体的には、シート枚数抽出部128aによって抽出された封筒毎のシート枚数に基づいて、上限枚数を、封入封緘ジョブで指定された封筒用紙から形成される封筒の通常の上限枚数に設定して、1枚の封筒に指定された枚数が、1封筒あたりに封入可能な上限枚数に達する場合に、複数枚の封筒に分割し、分割通数S2を算出する。なお、ここでも1枚の封筒に内容物用紙を全て収納することが可能な場合には、分割数は0と算出される。
【0057】
そして、比較部128fは、サムネイルシートを追加する場合の分割通数S1と、余白・フラップ印刷する場合の分割通数S2とを比較し、サムネイルシートを追加しても分割通数S1が通常の分割通数S2とが同一でる場合(ステップS305;YES)、分割通数S1を採用し(ステップS307)、サムネイルシートを用いたサムネイルシート出力モードを選択する。
【0058】
サムネイルシート出力モードでは、追加印刷情報生成部128cが、用紙枚数分割部128bによる内容物用紙の枚数の分割に関する情報を追加印刷情報として生成する(ステップS309)。ここでは、サムネイルシートを用いるシート出力モードであるため、
図4に示すように、サムネイルシートSS1,SS2用の追加印刷情報の記載事項やフォーマットが選択される。具体的には、サムネイルシートSS1,SS2は、内容物用紙の分割に関する情報が、各内容物用紙の画像を縮小したサムネイルなどにより表示される。印刷画像変更部128dは、追加印刷情報生成部128cが生成した追加印刷情報を印刷するためにサムネイルシート用の印刷画像データを生成する。
【0059】
一方、ステップS305において、サムネイルシートを追加することによって分割通数S2が通常の分割通数S1よりも増加してしまう場合(ステップS305;NO)、分割通数S2を採用して(ステップS311)、余白・フラップ出力モードに切り替える。
【0060】
余白・フラップ出力モードでは、追加印刷情報生成部128cが、用紙枚数分割部128bによる内容物用紙の枚数の分割に関する情報を追加印刷情報として生成する(ステップS313)。ここでは、余白・フラップ印刷を行う余白・フラップ出力モードであるため、
図6(b)に示すように、封筒用紙L1〜L3用の追加印刷情報の記載事項やフォーマットが選択される。併せて、印刷画像変更部128dは、追加印刷情報生成部128cが生成した追加印刷情報を印刷するために余白・フラップ印刷用の印刷画像データを変更する。
【0061】
ジョブ変更部128eは、元の封入封緘ジョブに対し、増加した通数分の封筒用紙やサムネイルシートを差し込むための印刷処理や封入封緘処理を追加し、全ての内容物用紙が封筒に収納可能なように封入封緘ジョブを変更する(ステップS315)。なお、ステップS301又はS303において、1枚の封筒に内容物用紙を全て収納することが可能であると判断され、分割数が0と算出された封書については、上記ステップS307〜S313の処理は省略され、通常の印刷及び封入封緘がそのまま設定される。
【0062】
その後、統括制御部128は、印刷画像変更部128d及びジョブ変更部128eによって変更された封入封緘ジョブに基づいて、封書作製に使用する封筒用紙又は内容物用紙を選択して給紙部111から給紙させ(ステップS317)、追加印刷情報を追加した印刷画像データの印刷が行われる(ステップS319)。この印刷された封筒用紙又は内容物用紙は封入封緘装置3側に送出され(ステップS321)、全ての内容物用紙を1枚の封筒にまとめて収納可能、又は複数の封筒に分割して収納可能なように封入及び封緘をする(ステップS323)。そして、統括制御部128は、全ての封入封緘ジョブが終了するまで(ステップS325;YES)、これらステップS317〜S323を繰り返す。
【0063】
以上のように、本実施形態によれば、指定された種類の封筒用紙から形成される封筒に、指定された枚数の内容物用紙を全て収納することは不可能な場合でも、封書作製用印刷をエラー停止することを回避して封書作製用印刷を実行することが可能になる。また、分割された内容物用紙の枚数に関する追加印刷情報が、サムネイルシートや、封筒用紙の余白、フラップ部分に印刷されるため、封書を受け取った者に、その封筒が分割に係るものであることや、全体の枚数のどの範囲が封入されているのかを伝えることができる。
【0064】
特に、本実施形態では、本来の枚数の内容物用紙についての分割通数S2と、サムネイルシートにより増加した内容物用紙の分割通数S1とを比較して、サムネイルシートによって封書数が増大する場合には余白・フラップ出力モードを選択し、封書数が増大しない場合には、サムネイルシート出力モードを選択する。これにより、基本的には、サムネイルシートによって分割に関する情報を詳細に伝えるようにし、サムネイルシートを追加することによって封書数も増えてしまうのを回避して、封書数を極力低減して発送費用が増大するのを防ぐことができる。この結果、状況に応じて、記載する追加印刷情報の情報量と、封書数とのバランスを調節することができ、利用者の利便性を向上できるとともに封書作製の生産性が低下するのを抑制できる。
【0065】
なお、本実施形態では、統括制御部128は封入封緘装置3に備えられる構成としたが、これに限らず、統括制御部128が印刷装置2に備えられていてももちろんよい。さらに、統括制御部128は、シート枚数抽出部128aと、用紙枚数分割部128bと、追加印刷情報生成部128cと、印刷画像変更部128dと、ジョブ変更部128eと、比較部128fとを備えているが、これに限らず、これらのうち一部が封入封緘装置3に備えられ、その他が印刷装置2に備えられるようにしてもよい。