特開2017-226129(P2017-226129A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-226129(P2017-226129A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 11/02 20060101AFI20171201BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20171201BHJP
   B65H 5/00 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   B41J11/02
   B41J2/01 305
   B65H5/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-123299(P2016-123299)
(22)【出願日】2016年6月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116665
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 和昭
(74)【代理人】
【識別番号】100164633
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 圭介
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(72)【発明者】
【氏名】川本 誠
(72)【発明者】
【氏名】加藤 和久
【テーマコード(参考)】
2C056
2C058
3F101
【Fターム(参考)】
2C056EA16
2C056HA29
2C056HA33
2C058AB09
2C058AB18
2C058AC07
2C058AC11
2C058AE04
2C058AF06
2C058AF31
2C058DA38
3F101AB03
3F101AB11
3F101LA01
3F101LB03
(57)【要約】
【課題】印刷媒体に付着してくる異物をより効率的に回収できる印刷装置を提供する。
【解決手段】印刷装置100は、搬送方向に搬送されるロール紙1を支持する支持面21aを有するプラテン21と、支持面21aに支持されるロール紙1に印刷を行う印刷部10と、を備え、支持部20(プラテン21)には、支持面21aに開口する第1の吸気孔81と第2の吸気孔82とが設けられ、第2の吸気孔82の搬送方向と直交する幅方向の長さが、第1の吸気孔81の幅方向の長さより長い。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向に搬送される印刷媒体を支持する支持面を有する支持部と、
前記支持面に支持される前記印刷媒体に印刷を行う印刷部と、を備え、
前記支持部には、前記支持面に開口する第1の吸気孔と第2の吸気孔とが設けられ、
前記第2の吸気孔の前記搬送方向と直交する幅方向の長さが、前記第1の吸気孔の前記幅方向の長さより長いことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置であって、
前記第2の吸気孔の前記搬送方向の長さが、前記第1の吸気孔の前記搬送方向の長さより短いことを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の印刷装置であって、
前記第1の吸気孔が、前記印刷部によって前記印刷媒体に印刷が行われる印刷領域に設けられ、
前記第2の吸気孔が、少なくとも、前記印刷領域よりも前記搬送方向の上流側に設けられていることを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の印刷装置であって、
前記第1の吸気孔が、前記印刷部によって前記印刷媒体に印刷が行われる印刷領域に設けられ、
前記第2の吸気孔が、少なくとも、前記印刷領域よりも前記搬送方向の下流側に設けられていることを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の印刷装置であって、
前記第2の吸気孔の前記搬送方向と直交する幅方向の長さが、前記第2の吸気孔の前記搬送方向の長さより長いことを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の印刷装置であって、
前記支持部には、前記搬送方向と直交する幅方向において、前記第1の吸気孔が設けられている第1領域と、前記第2の吸気孔が設けられている第2領域とが交互に設けられていることを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の印刷装置であって、
前記印刷部は、前記印刷媒体に液滴を吐出することによって印刷を行い、
前記支持部は、前記印刷媒体から外れた前記液滴を吸収する吸収部を備え、
前記支持部において、前記搬送方向と直交する幅方向における前記吸収部と対応する位置に前記第2の吸気孔が設けられていることを特徴とする印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷媒体に印刷を行う印刷装置としてのインクジェットプリンターにおいて、印刷媒体から飛散する紙粉などの異物が印刷装置内部に堆積、浮遊し、インクジェットヘッド(インク吐出ノズル)に付着するなどして印刷品質を低下させてしまう場合があるという課題が顕在化してきた。
このような課題に対する技術として、例えば、特許文献1には、紙媒体(印刷媒体)を支持する支持部材(プラテン)の近傍に、紙粉を吸引する吸引口を設けた画像形成装置(印刷装置)が記載されている。この画像形成装置によると、支持部材と紙媒体との摩擦によって発生する紙粉など、支持部材の下流側において堆積しやすい紙粉を効率的に回収できるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−176846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1には、紙粉を吸引する吸引口の好適な有り方(例えば形状)については、特に記載されておらず、印刷媒体に付着してくる異物をより効率的に回収できる手段について一考の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例または形態として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1] 本適用例に係る印刷装置は、搬送方向に搬送される印刷媒体を支持する支持面を有する支持部と、前記支持面に支持される前記印刷媒体に印刷を行う印刷部と、を備え、前記支持部には、前記支持面に開口する第1の吸気孔と第2の吸気孔とが設けられ、前記第2の吸気孔の前記搬送方向と直交する幅方向の長さが、前記第1の吸気孔の前記幅方向の長さより長いことを特徴とする。
【0007】
本適用例によれば、第1の吸気孔よりも幅方向に長い第2の吸気孔を設けることで、搬送方向に搬送される印刷媒体に付着する異物を、第2の吸気孔によってトラップし易く構成することができる。そのため、印刷媒体に付着する異物を、好適に吸い取る(回収する)ことができる。
【0008】
[適用例2] 上記適用例に係る印刷装置において、前記第2の吸気孔の前記搬送方向の長さが、前記第1の吸気孔の前記搬送方向の長さより短いことを特徴とする。
【0009】
本適用例によれば、第2の吸気孔の搬送方向の長さを第1の吸気孔の搬送方向の長さより短くすることで、第2の吸気孔の面積が広くなりすぎることを抑制することができ、第2の吸気孔の吸引力の低下を抑制することができる。
【0010】
[適用例3] 上記適用例に係る印刷装置において、前記第1の吸気孔が、前記印刷部によって前記印刷媒体に印刷が行われる印刷領域に設けられ、前記第2の吸気孔が、少なくとも、前記印刷領域よりも前記搬送方向の上流側に設けられていることを特徴とする。
【0011】
本適用例によれば、第1の吸気孔が、印刷部によって印刷媒体に印刷が行われる印刷領域に設けられ、第2の吸気孔が、印刷領域よりも搬送方向の上流側に設けられている。このように構成することで、第1の吸気孔によって印刷領域に搬送される印刷媒体を吸引して支持面に支持させることができ、第2の吸気孔によって、印刷媒体に付着する異物など、搬送方向の上流側において異物を吸い取るようにすることができる。
【0012】
[適用例4] 上記適用例に係る印刷装置において、前記第1の吸気孔が、前記印刷部によって前記印刷媒体に印刷が行われる印刷領域に設けられ、前記第2の吸気孔が、少なくとも、前記印刷領域よりも前記搬送方向の下流側に設けられていることを特徴とする。
【0013】
本適用例によれば、第1の吸気孔が、印刷部によって印刷媒体に印刷が行われる印刷領域に設けられ、第2の吸気孔が、印刷領域よりも搬送方向の下流側に設けられている。このように構成することで、第1の吸気孔によって印刷領域に搬送される印刷媒体を吸引して支持面に支持させることができ、第2の吸気孔によって、搬送方向の下流側において発生する異物を吸い取るようにすることができる。
【0014】
[適用例5] 上記適用例に係る印刷装置において、前記第2の吸気孔の前記幅方向の長さが、前記第2の吸気孔の前記搬送方向の長さより長いことを特徴とする。
【0015】
本適用例によれば、第2の吸気孔の幅方向の長さが、第2の吸気孔の搬送方向の長さより長い。つまり、第2の吸気孔の搬送方向の長さを幅方向の長さより短く構成することで、第2の吸気孔の開口面積が大きくならないように構成することができる。すなわち、印刷媒体に付着する異物を、より効率的に吸い取る(回収する)ことができるようにしながら、第2の吸気孔の開口面積が大きくならないように構成することで、吸引流速が低下することを抑制し、吸引効率の低下を防ぐことができる。
【0016】
[適用例6] 上記適用例に係る印刷装置において、前記支持部には、前記幅方向において、前記第1の吸気孔が設けられている第1領域と、前記第2の吸気孔が設けられている第2領域とが交互に設けられていることを特徴とする。
【0017】
本適用例によれば、前記支持部には、幅方向において、第1の吸気孔が設けられている第1領域と、第2の吸気孔が設けられている第2領域とが交互に設けられている。このように構成することで、第1領域を覆うように印刷媒体を搬送するようにした場合に、印刷媒体の幅方向の両端部が第2領域に位置するようになる。そのため、第1領域において印刷媒体を吸引して支持面に支持させるようにしつつ、第2領域で、印刷媒体の幅方向の両端部(すなわち、ロール紙の場合はロール側面部)に付着する異物を吸い取る(回収する)ようにすることができる。
【0018】
[適用例7] 上記適用例に係る印刷装置において、前記印刷部は、前記印刷媒体に液滴を吐出することによって印刷を行い、前記支持部は、前記印刷媒体から外れた前記液滴を吸収する吸収部を備え、前記支持部において、前記搬送方向と直交する幅方向における前記吸収部と対応する位置に前記第2の吸気孔が設けられていることを特徴とする。
【0019】
印刷媒体の最外周まで印刷を行う縁なし印刷の場合等において、印刷媒体の幅方向の端部は、幅方向における吸収部と対応する位置を通過する場合が多い。そのため、幅方向における吸収部と対応する位置に第2の吸気孔を設けることで、印刷媒体の幅方向の端部に付着する異物を好適に吸い取る(回収する)ようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態1に係る印刷装置の斜視図
図2】実施形態1に係る印刷装置を側面から見た構成図
図3】支持部が備えるプラテンの平面図
図4】第2の吸気孔の形状および位置を説明する平面図
図5】変形例1に係るプラテンの構成の例を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を具体化した実施形態について、図面を参照して説明する。以下は、本発明の一実施形態であって、本発明を限定するものではない。なお、以下の各図においては、説明を分かりやすくするため、実際とは異なる尺度で記載している場合がある。また、図面に付記する座標においては、Z軸方向が上下方向、Z方向が上方向、Y軸方向が前後方向、+Y方向が手前方向、X軸方向が左右方向、+X方向が左方向、X−Y平面が水平面としている。また、交差する方向とは、望ましくは直交する方向を示している。
【0022】
(実施形態1)
<印刷装置の基本構成>
図1は、実施形態1に係る印刷装置100の斜視図である。また、図2は、側面から見た構成図である。いずれも、構成を分かり易くするために概念的に記載している。
印刷装置100は、ロール状態で供給される印刷媒体としてのロール紙1に、液滴(インク滴)を吐出することによって印刷を行うインクジェット式のプリンターである。
印刷装置100は、印刷部10、支持部20、供給部30、搬送部40、カット部50、スタッカー60、制御部70などを備えている。
【0023】
印刷部10は、印刷ヘッド11、キャリッジ12、ガイド軸13、キャリッジモーター(図示省略)などを備えている。
印刷ヘッド11は、印刷用のインクをインク滴として吐出する複数のノズルを有している。印刷ヘッド11は、キャリッジ12に搭載され、走査方向(図1に示すX軸方向)に移動するキャリッジ12に伴って走査方向に往復移動する。
ガイド軸13は、走査方向に延在してキャリッジ12を摺接可能な状態で支持する。キャリッジモーターは、キャリッジ12をガイド軸13に沿って往復移動させる際の駆動源となる。
【0024】
印刷装置100は、制御部70の制御によって、ガイド軸13に沿って印刷ヘッド11を搭載したキャリッジ12を移動させながら印刷ヘッド11からインク滴を吐出する動作と、印刷ヘッド11からインク滴が吐出されロール紙1が印刷される領域(印刷領域)において走査方向(X軸方向)に交差する搬送方向(+Y方向)にロール紙1を移動させる動作とを繰り返すことにより、ロール紙1に所望の画像を形成(印刷)する。
【0025】
インクには、例えば、濃インク組成物からなるインクセットとして、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3色のインクセットにブラック(K)を加えた4色のインクセットなどがある。また、例えば、それぞれの色材の濃度を淡くした淡インク組成物からなるライトシアン(Lc)、ライトマゼンタ(Lm)、ライトイエロー(Ly)、ライトブラック(Lk)などのインクセットを加えた8色のインクセットなどがある。
【0026】
インク滴を吐出する方式(インクジェット方式)としては、好適例としてピエゾ方式を用いている。ピエゾ方式は、圧力室に貯留されたインクに圧電素子(ピエゾ素子)により印刷情報信号に応じた圧力を加え、圧力室に連通するノズルからインク滴を噴射(吐出)し印刷を行う方式である。
なお、インク滴を吐出する方式は、これに限定するものではなく、インクを液滴状に噴射させ、印刷媒体上にドット群を形成する他の印刷方式であってもよい。例えば、液体噴射ノズル(以下ノズル)とノズルの前方に置いた加速電極間の強電界でノズルからインクを液滴状に連続噴射させ、インク滴が飛翔する間に偏向電極から印刷情報信号を与えて印刷を行う方式、またはインク滴を偏向することなく印刷情報信号に対応して噴射させる方式(静電吸引方式)、小型ポンプでインクに圧力を加え、ノズルを水晶振動子などで機械的に振動させることにより、強制的にインク滴を噴射させる方式、インクを印刷情報信号に従って微小電極で加熱発泡させ、インク滴を噴射し印刷を行う方式(サーマルジェット方式)などであってもよい。
【0027】
支持部20は、搬送方向に搬送されるロール紙1を印刷領域において支持するプラテン21を備えている。プラテン21は、ロール紙1の浮きを押さえるために、ロール紙1を支持する支持面にロール紙1を吸着する吸気孔(後述する第1の吸気孔)を備えた平板であり、印刷ヘッド11と対向し、ノズルが配列されるノズルプレート(図示省略)と所定の距離をおいて配置される。また、支持部20は、吸気孔で吸引するための負圧を発生させる排気手段(図示省略)を備えている。
【0028】
供給部30は、ロール状のロール紙1を回転可能に保持するロール紙収容部31を備え、収容したロール紙1を、搬送部40の駆動に従って印刷部10に供給する。
搬送部40は、複数の搬送ローラー41を備え、ロール紙1を供給部30から印刷部10、カット部50へと順に移動・搬送する搬送経路を構成している。
カット部50は、カッター51などを備え、印刷が完了した印刷画像に従ってロール紙1を切断し、印刷物としてのカット紙2をスタッカー60に排出する。
スタッカー60は、カット部50から排出されたカット紙2を積み重ねて収容する。
【0029】
制御部70は、CPU(演算部)や、RAM、ROMなどの記憶媒体を備え(図示省略)、印刷装置100全体の集中制御を行う。具体的には、制御部70は、パーソナルコンピューターなどの外部電子機器や外部記憶媒体から受信した画像データや印刷仕様に基づき、印刷部10、支持部20、供給部30、搬送部40、カット部50などを制御し、ロール紙1に所望の印刷画像を形成してカット紙2の状態の印刷物を作成する。
【0030】
以上のような基本構成の印刷装置では、印刷媒体から発生する紙粉などの異物が堆積し浮遊(飛散)して、印刷ヘッドが備えるノズル周りに付着し、インク滴の吐出不良を引き起こす場合がある。異物としては、印刷媒体の製造工程で発生し、印刷媒体に付着してくる異物、印刷装置の搬送経路において、印刷媒体が擦られるなどして発生する異物、ロール紙などの長尺の印刷媒体を印刷後にカットする際に発生する紙粉などがある。
そこで本実施形態の印刷装置100では、支持部20(プラテン21)に、印刷媒体(ロール紙1)から発生する異物を効率的に吸引し回収可能な吸気孔(第1の吸気孔とは異なる第2の吸気孔)を設け、ノズルに到達する異物を少なくなるようにしている。以下に具体的に説明する。
【0031】
図3は、支持部20が備えるプラテン21の平面図である。
印刷装置100には、複数の所定幅のロール紙1がセット可能であり、異なる幅のロール紙1に取り換える場合には、プラテン21のセンター位置(図3に1点鎖線のセンターラインで示す位置)を基準として、ロール紙1の幅方向のセンターが基準に重なるように位置合わせされる構成となっている。所定幅のロール紙1とは、例えば、4インチ,5インチ,6インチ,8インチ,10インチ,12インチや、A版、B版の各幅サイズのロール紙である。
【0032】
プラテン21は、ロール紙1を支持する支持面21aに開口する第1の吸気孔81、第2の吸気孔82、および打ち捨て孔83をそれぞれ複数有している。
第1の吸気孔81は、支持面21aにロール紙1を吸着するための吸気孔であり、略円形の形状である。ただし、第1の吸気孔81は、他の形状であってもよい。第1の吸気孔81は、印刷装置100が対象とするロール紙1の最大幅に亘る範囲(図3にハッチングで示す印刷領域P)でロール紙1が吸着できるように支持面21aに複数配置されている。また、第1の吸気孔81は、負圧を発生させる排気手段(図示省略)によって吸気されている。
第1の吸気孔81は、セットされるロール紙1の幅に応じた範囲の第1の吸気孔81から吸気されるように、排気手段の排気系統が分割され、それぞれにシャッターが設けられている。セットしたロール紙1のサイズに応じて行うシャッターの制御は、制御部70によって行うことができる。
【0033】
打ち捨て孔83は、印刷領域Pにおいて、それぞれの幅のロール紙1がセットされた場合に幅方向の両端部が重なる位置に開口する孔であり、ロール紙1から外れたインク滴を吸収する吸収体84(例えばスポンジ)をその内部(支持面21aの下層)に備えている。すなわち、打ち捨て孔83、吸収体84などによってロール紙1から外れたインク滴を吸収する吸収部90を構成している。打ち捨て孔83の搬送方向(Y方向)の長さは、印刷領域Pの搬送方向(Y方向)の長さをやや上回る長さであり、搬送方向(Y方向)に直交する幅方向の長さは、ロール紙1の幅方向の両端部の位置が許容範囲内でずれた場合であっても、ロール紙1から外れたインク滴を吸収できる程度に余裕を持った長さである。従って、打ち捨て孔83は、図3に示すように、1点鎖線で示すセンターラインの左右対称位置に複数が対となるように配置される。
なお、打ち捨て孔83は、前述した排気手段に連通していない。
【0034】
また、隣り合う打ち捨て孔83の間隙(図3に示すE0〜E4の領域)には、第1の吸気孔81が形成されている。
すなわち、支持部20には、搬送方向(Y方向)と直交する幅方向において、第1の吸気孔81が設けられている第1領域(図3に示すE0〜E4の領域)と、打ち捨て孔83が設けられている第2領域(図3に示すF1〜F5の領域)とが交互に設けられている。
【0035】
第2の吸気孔82は、主として、ロール紙1の端部に付着する紙粉などの異物を吸引し回収するための吸気孔であり、搬送方向(+Y方向)において、印刷領域Pより上流側および下流側の第2領域(図3に示すF1〜F5の領域)に設けられている。
【0036】
図4は、第2の吸気孔82の形状および位置を説明する平面図であり、図3に示す領域Gを拡大した範囲を示している。
第2の吸気孔82は、略長方形の形状であり、その長手方向が、ロール紙1が搬送される搬送方向(Y方向)と交差する方向となるように形成されている。
すなわち、第2の吸気孔82は、搬送方向(+Y方向)における下流側の縁82aが、ロール紙1が搬送される方向と交差する方向に延在するように形成されている。また、ロール紙1が逆方向に搬送される場合の搬送方向(−Y方向)における下流側の縁82bも、ロール紙1が搬送される方向と交差する方向に延在するように形成されている。また、第2の吸気孔82は、第2の吸気孔82の幅方向(搬送方向(Y方向)と直交する方向)の長さ(図4に示すw1やw2)が、第2の吸気孔82のロール紙1が搬送される搬送方向(Y方向)の長さ(図4に示すh1)より長くなるように形成されている。
なお、第2の吸気孔82は、略長方形ではなく、他の形状であってもよい。例えば、搬送方向と交差する方向の両端の辺を、外側に張り出した円弧状とし、両端の辺同士を直線または曲線で繋いだような形状であったり、楕円形状であったりしてもよい。
まとめると、印刷装置100の支持部20において、第2の吸気孔82の搬送方向と直交する幅方向の長さが、第1の吸気孔81の幅方向の長さより長い構成となっている。このように、第1の吸気孔81よりも幅方向に長い第2の吸気孔82を設けることで、搬送方向に搬送される印刷媒体に付着する異物を、第2の吸気孔82によってトラップし易く構成することができる。そのため、印刷媒体に付着する異物を、好適に吸い取る(回収する)ことができる。
また、支持部20において、第2の吸気孔82の搬送方向の長さが、第1の吸気孔81の搬送方向の長さより短くなるように構成してもよい。このようにすれば、第2の吸気孔82の搬送方向の長さを第1の吸気孔81の搬送方向の長さより短くすることで、第2の吸気孔82の面積が広くなりすぎることを抑制することができ、第2の吸気孔82の吸引力の低下を抑制することができる。
【0037】
また、第2の吸気孔82は、各種幅のロール紙1がセットされた場合に、それぞれの幅方向の両端部が重なる位置(搬送される際に通過する位置)に開口するように形成されている。つまり、第2の吸気孔82は、幅方向(搬送方向(Y方向)と直交する方向)において、打ち捨て孔83と同じ第2領域(図3に示すF1〜F5の領域)に開口するように形成されている。
すなわち、支持部20には、幅方向(搬送方向(Y方向)と直交する方向)において、第1の吸気孔81が設けられている第1領域と、第2の吸気孔82が設けられている第2領域とが交互に設けられている。また、第2の吸気孔82の幅方向(搬送方向(Y方向)と直交する方向)の長さ(図4においてw1またはw2)は、幅方向(搬送方向(Y方向)と直交する方向)において同じ位置に形成されている打ち捨て孔83の幅方向(搬送方向(Y方向)と直交する方向)の長さと同じ長さ(w1またはw2)になるように形成されている。
また、第2の吸気孔82の搬送方向(Y方向)と直交する幅方向の長さ(図4に示すw1やw2)が、第1の吸気孔81の幅方向の長さ(w3)より長くなるように形成されている。
【0038】
なお、第2の吸気孔82の幅方向(搬送方向(Y方向)と直交する方向)の長さは、同じ第2領域に配置される(つまり搬送方向において重なる位置に配置される)打ち捨て孔83の幅方向(搬送方向(Y方向)と直交する方向)の長さと必ずしも同じ長さである必要はない。例えば、第2の吸気孔82の幅方向(搬送方向(Y方向)と直交する方向)の長さが、同じ第2領域に配置される打ち捨て孔83の幅方向(搬送方向(Y方向)と直交する方向)の長さより長くても良い。但し、第2の吸気孔82の開口面積が広くなることによって、吸引速度が遅くなり、異物の回収率が低くならないように考慮する必要がある。
【0039】
第2の吸気孔82に負圧を発生させる排気手段の排気系統は、第1の吸気孔81に対する排気系統とは独立して設けられている。また、この排気系統には、回収した紙粉などの異物を再び飛散させないために、フィルターなどの異物捕獲手段を備えることが好ましい。
また、第2の吸気孔82は、セットされるロール紙1の幅に対応した第2の吸気孔82からのみ吸気されるように、負圧を発生させる排気手段の排気系統が分割され、それぞれにシャッターが設けられていても良い。セットしたロール紙1のサイズに応じて行うシャッターの制御は、制御部70によって行うことができる。
なお、第1の吸気孔81に対する排気系統と、第2の吸気孔82に負圧を発生させる排気手段の排気系統とを、共通としてもよい。このようにすれば、装置の構成を簡単にすることができる。
【0040】
以上述べたように、本実施形態による印刷装置によれば、以下の効果を得ることができる。
ロール紙1を支持する支持面21aを有する支持部20(プラテン21)には、支持面21aに開口する第1の吸気孔81と第2の吸気孔82とが設けられている。また、第2の吸気孔82のロール紙1が搬送される搬送方向における下流側の縁が、搬送方向と交差する方向に延在している。つまり、第2の吸気孔82は、少なくとも、ロール紙1が搬送される方向と交差する方向に延在する縁を含む孔として構成される。そのため、搬送方向に搬送されるロール紙1に付着する異物が、より第2の吸気孔82によってトラップされ易く構成することができる。
また、第2の吸気孔82の搬送方向における下流側の縁が、搬送方向と交差する方向に延在している。そのため、ロール紙1が搬送方向に搬送される際に、ロール紙1に付着してくる異物が第2の吸気孔82の搬送方向における下流側の縁に対向して当接しやすくなり、こそぎ落とされ易くなる。
これらの結果、ロール紙1に付着する異物を、より効率的に吸い取る(回収する)ことができる。
【0041】
また、第2の吸気孔82の幅方向(ロール紙1が搬送される搬送方向と直交する方向)の長さが、第1の吸気孔81の幅方向の長さより長い。このように構成することによって、第2の吸気孔82を、ロール紙1に付着する異物をより効率的に吸い取る孔として構成し、第1の吸気孔81を、ロール紙1をより効果的に吸引し、ロール紙1を支持面21aに支持させるための孔として構成することができる。
【0042】
また、第1の吸気孔81が、印刷部10によってロール紙1に印刷が行われる印刷領域Pに設けられ、第2の吸気孔82が、少なくとも、印刷領域Pよりも搬送方向の上流側に設けられている。このように構成することで、第1の吸気孔81によって印刷領域Pに搬送されるロール紙1を吸引して支持面21aに支持させることができ、第2の吸気孔82によって、ロール紙1に付着する異物など、搬送方向の上流側において異物を吸い取るようにすることができる。
搬送方向の上流側において吸い取り回収する異物とは、例えば、ロール紙1の製造段階でロールとして裁断する際に発生する紙粉であり、特に、ロール側面(つまりは、ロール紙1の幅方向の両端)に付着してくる異物である。これらの異物を、印刷領域Pよりも搬送方向の上流側に設けられた第2の吸気孔82によって、吸引し回収することができる。
【0043】
また、第2の吸気孔82が、印刷領域Pよりも搬送方向の下流側にも設けられている。換言すれば、第2の吸気孔82が、少なくとも、印刷領域Pよりも搬送方向の下流側に設けられている。第2の吸気孔82を、印刷領域Pよりも搬送方向の下流側に設けることで、第2の吸気孔82によって、搬送方向の下流側において発生する異物を吸い取るようにすることができる。
搬送方向の下流側において発生する異物とは、例えば、カット部50でロール紙1の印刷された領域を印刷後にカットする際に発生する紙粉などであり、カットされ残ったロール紙1の未印刷の領域を逆方向(−Y方向)にフィードバックして頭出しをする際などに、印刷領域Pよりも搬送方向の下流側に設けられた第2の吸気孔82によって、特に、ロール紙1の幅方向の端部に付着して残った紙粉などを吸引し回収することができる。
【0044】
また、第2の吸気孔82の幅方向(ロール紙1が搬送される搬送方向と直交する方向)の長さが、第2の吸気孔82のロール紙1が搬送される方向の長さより長い。つまり、第2の吸気孔82の搬送方向の長さを幅方向の長さより短く構成することで、例えば円形や正方形の孔として構成する場合と比較して、第2の吸気孔82の開口面積が大きくならないように構成することができる。すなわち、ロール紙1に付着する異物を、より効率的に吸い取る(回収する)ことができるようにしながら、第2の吸気孔82の開口面積が大きくならないように構成することで、吸引流速が低下することを抑制し、吸引効率の低下を防ぐことができる。
【0045】
また、支持部20には、幅方向(ロール紙1が搬送される搬送方向と直交する方向)において、第1の吸気孔81が設けられている第1領域と、第2の吸気孔82が設けられている第2領域とが交互に設けられている。このように構成することで、第1領域を覆うようにロール紙1を搬送するようにした場合に、ロール紙1の幅方向の両端部が第2領域に位置するようになる。そのため、第1領域においてロール紙1を吸引して支持面21aに支持させるようにしつつ、第2領域で、ロール紙1の幅方向の両端部(すなわち、ロール紙の場合はロール側面部)に付着する異物を吸い取る(回収する)ようにすることができる。
【0046】
また、印刷部10が、ロール紙1にインク滴を吐出することによって印刷を行い、支持部20が、ロール紙1から外れたインク滴を吸収する吸収部90を備えている。すなわち、ロール紙1の最外周まで印刷を行う縁なし印刷の場合において、外周部を外れたインクが吸収部90に吸収され、ロール紙1が汚染されることが抑制される。
また、幅方向(ロール紙1が搬送される搬送方向と直交する方向)において、第1の吸気孔81が設けられている第1領域と、第2の吸気孔82が設けられている第2領域とが交互に支持部20に設けられている配置において、吸収部90(打ち捨て孔83)が、第2領域に設けられている。このように構成することで、第1領域を覆うようにロール紙1を搬送するようにした場合に、ロール紙1の幅方向の両端部が第2領域に位置するようになる。そのため、第1領域においてロール紙1を吸引して支持面21aに支持させるようにしつつ、縁なし印刷において、外周部を外れた液体(例えばインク)を第2領域にある吸収部90で吸収し、また、第2領域で、ロール紙1の幅方向の両端部に付着する異物を吸い取る(回収する)ようにすることができる。
また、吸収部90(打ち捨て孔83)の上流側に異物を回収する第2の吸気孔82が設けられているため、吸収部90(打ち捨て孔83)に堆積する異物の量を減少させることができる。その結果、吸収部90(吸収体84)に堆積し、吸収部90(吸収体84)に吸収されたインクが付着した異物がロール紙1の裏面に付着してロール紙1を汚してしまうことが抑制される。
まとめると、印刷装置100において、印刷部10は、印刷媒体に液滴を吐出することによって印刷を行い、支持部20は、印刷媒体から外れた液滴を吸収する吸収部90を備えている。そして、支持部20において、搬送方向と直交する幅方向における吸収部90と対応する位置に第2の吸気孔82が設けられている。ここで、「幅方向における吸収部90と対応する位置に第2の吸気孔82を設ける」とは、搬送方向から見た場合に、第2の吸気孔82の少なくとも一部が吸収部90の少なくとも一部と重なるように、第2の吸気孔82を設けることである。
印刷媒体の最外周まで印刷を行う縁なし印刷の場合等において、印刷媒体の幅方向の端部は、幅方向における吸収部90と対応する位置を通過する場合が多い。そのため、第2の吸気孔82を幅方向における吸収部90と対応する位置に設けることで、印刷媒体の幅方向の端部に付着する異物を好適に吸い取る(回収する)ようにすることができる。
【0047】
なお、本実施形態では、第2の吸気孔82を印刷領域Pよりも上流側と下流側の両側に設けていると説明したが、上流側だけであっても良い。その場合には、例えば、ロール紙1のロール側面に付着してくる紙粉など、搬送方向の上流側において回収すべき異物をより効率的に吸い取り回収することができる印刷装置を提供することができる。
また、第2の吸気孔82を印刷領域Pよりも下流側だけに設ける構成であっても良い。その場合には、例えば、カット部50によって発生する紙粉など、搬送方向の下流側において回収すべき異物をより効率的に吸い取り回収することができる印刷装置を提供することができる。
【0048】
また、本発明は、上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。ここで、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略している。
【0049】
(変形例1)
図5は、変形例1に係るプラテン21の構成の例を示す平面図である。
実施形態1では、プラテン21には、印刷領域Pより上流側、および下流側のそれぞれに、X軸方向に並ぶ1列の第2の吸気孔82が形成されている図(図3および図4)で説明したが、これに限定するものではない。例えば、図5に示すように、2列、あるいはそれ以上の複数の列で並ぶように第2の吸気孔82が形成されていても良い。また、あるいは、必ずしもX軸上に並ぶ列として形成されている必要はなく、Y軸上(図5に示すF1〜F5のそれぞれの領域)に複数の第2の吸気孔82が形成されている構成であっても良い。このように構成することで、ロール紙1に付着する異物を吸引し回収する機会を増加させることができる。
【符号の説明】
【0050】
1…ロール紙、2…カット紙、10…印刷部、11…印刷ヘッド、12…キャリッジ、13…ガイド軸、20…支持部、21…プラテン、21a…支持面、30…供給部、31…ロール紙収容部、40…搬送部、41…搬送ローラー、50…カット部、51…カッター、60…スタッカー、70…制御部、81…第1の吸気孔、82…第2の吸気孔、82a,82b…下流側の縁、83…打ち捨て孔、84…吸収体、90…吸収部、100…印刷装置。
図1
図2
図3
図4
図5