【解決手段】取得部310は、通信部33を介して例えば端末1から画像を示すベクタデータ321を取得する。第1生成部311は、取得されたベクタデータ321から上記の画像を縮小した第1縮小画像を生成する。受付部314は、画像形成部36によって画像を形成させる際の設定を受付ける。第2生成部312は、第1生成部311により生成された第1縮小画像に対して、受付部314で受付けた設定を反映させた第2縮小画像を生成する。変換部315は、受付部314で受付けた設定を用いてベクタデータ321を、ラスタデータ322に変換する。第3生成部313は、変換されたラスタデータ322から上述した画像を縮小した第3縮小画像を生成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、画像形成の処理状況に応じて、形成されるその画像を確認する手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明の請求項1に係る表示装置は、画像をベクタ形式で表すベクタデータを取得する取得部と、取得された前記ベクタデータから前記画像を縮小した第1縮小画像を生成する第1生成部と、前記画像を形成させる際の設定を受付ける受付部と、前記第1縮小画像に対して前記設定を反映させた第2縮小画像を生成する第2生成部と、前記設定を用いて前記ベクタデータを、ラスタ形式で表されたラスタデータに変換する変換部と、変換された前記ラスタデータから前記画像を縮小した第3縮小画像を生成する第3生成部と、前記第1縮小画像、前記第2縮小画像、および前記第3縮小画像の少なくともいずれかを表示する表示部と、を有することを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に係る表示装置は、請求項1に記載の態様において、前記第1縮小画像、前記第2縮小画像、および前記第3縮小画像のいずれかを選択する選択部、を有し、前記表示部は、前記選択部により選択されたものを表示することを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に係る表示装置は、請求項1または2に記載の態様において、前記表示部は、前記第3縮小画像が生成される前において、該第3縮小画像に代えて前記第2縮小画像を表示することを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に係る表示装置は、請求項3に記載の態様において、前記表示部は、前記第3縮小画像に代えて前記第2縮小画像を表示する場合に、該第3縮小画像を表示する際に表示しない警告を添えて表示することを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項5に係る表示装置は、請求項1から4のいずれか1項に記載の態様において、前記第2生成部は、前記設定の受付け前において、前記第1縮小画像に対して予め決められた標準設定を反映させて前記第2縮小画像を生成することを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項6に係る表示装置は、請求項5に記載の態様において、前記取得部は、前記ベクタデータに加えて、該ベクタデータに対応付けられた前記標準設定を取得し、前記第2生成部は、前記第1縮小画像に対して前記取得部が取得した前記標準設定を反映させて前記第2縮小画像を生成することを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項7に係る表示装置は、請求項1から6のいずれか1項に記載の表示装置と、変換された前記ラスタデータにより示される画像を形成する画像形成部と、を有することを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項8に係るプログラムは、表示部を有するコンピュータを、画像をベクタ形式で表すベクタデータを取得する取得部と、取得された前記ベクタデータから前記画像を縮小した第1縮小画像を生成する第1生成部と、前記画像を形成させる際の設定を受付ける受付部と、前記第1縮小画像に対して前記設定を反映させた第2縮小画像を生成する第2生成部と、前記設定を用いて前記ベクタデータを、ラスタ形式で表されたラスタデータに変換する変換部と、変換された前記ラスタデータから前記画像を縮小した第3縮小画像を生成する第3生成部と、前記第1縮小画像、前記第2縮小画像、および前記第3縮小画像の少なくともいずれかを前記表示部に表示させる表示制御部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1、7、8に係る発明によれば、画像形成の処理状況に応じて、形成されるその画像を確認する手段を提供することができる。
請求項2に係る発明によれば、形成される画像を確認する手段のうち利用者が選択したものを提供することができる。
請求項3に係る発明によれば、第3縮小画像の生成前に利用者に対して縮小画像を確認させることができる。
請求項4に係る発明によれば、利用者が表示される第3縮小画像と第2縮小画像とを区別することができる。
請求項5に係る発明によれば、設定の受付前において第1縮小画像と異なる第2縮小画像を表示することができる。
請求項6に係る発明によれば、取得するベクタデータごとに第2縮小画像の生成に用いる設定を変えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
1.実施形態
1−1.画像形成システムの全体構成
図1は、本実施形態に係る画像形成システム9の全体構成を示す図である。画像形成システム9は、LAN(Local Area Network)を形成する通信回線2と、この通信回線2に接続された複数の端末1と、画像形成装置3と、を有する。
【0016】
図1に示す複数の端末1は、端末1A、1B、および端末1Cである。端末1は、通信回線2を介して画像形成装置3と接続するように構成されている。画像形成システム9が有する端末1は複数でなく、1つであってもよい。端末1は、画像形成装置3と接続して画像形成装置3により形成される画像に関する情報を取得し、取得した情報を表示する。
【0017】
画像形成装置3は、画像データに基づいて用紙等の媒体上に画像を形成する画像形成(プリンタ)の機能を有する。
【0018】
画像形成システム9は、画像形成装置3により形成される画像に関する情報を端末1によって表示させる表示装置の一例である。
【0019】
画像形成装置3は、用紙等の媒体上に形成された画像を光学的に読取る画像読取(スキャナ)の機能を有していてもよい。また、画像形成装置3は、図示しない公衆電話回線に接続し、画像データを他の装置に送る画像送信(ファクシミリ)の機能も有していてもよい。
【0020】
画像形成システム9は、画像形成装置3と通信回線2との情報のやり取りを仲介し、画像形成装置3を管理するサーバ装置を有していてもよい。
【0021】
1−2.端末の構成
図2は、端末1の構成の一例を示す図である。端末1は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、表示部14と、操作部15とを有する。
【0022】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有し、CPUがROMや記憶部12に記憶されているコンピュータプログラム(以下、単にプログラムという)を読み出して実行することにより端末1の各部を制御する。
【0023】
通信部13は、例えばIEEE802.11に準拠した方式により、無線アクセスポイントを介して通信回線2に接続する通信回路である。通信部13は、無線に限らず有線により通信回線2に接続してもよい。端末1は、通信部13により通信回線2を介して画像形成装置3と情報をやり取りする。
【0024】
操作部15は、各種の指示を入力するための操作ボタンやタッチパネル等の操作子を備えており、利用者による操作を受付けてその操作内容に応じた信号を制御部11に供給する。
【0025】
表示部14は、例えば液晶ディスプレイを有しており、制御部11が指示した各種の情報等を表示する。表示部14の液晶ディスプレイの上には、操作部15のタッチパネルが重ねて配置されてもよい。この場合、タッチパネルは、表示部14の液晶ディスプレイで表示された画像が利用者から見えるように透明な素材で構成される。
【0026】
記憶部12は、ソリッドステートドライブ等で構成される大容量の記憶手段であり、制御部11のCPUに読み込まれるプログラムを記憶する。また、記憶部12は、
図2に示す通りベクタデータ121および設定情報122を記憶する。
【0027】
図2において破線で示すベクタデータ121は、画像をベクタ形式で表す画像データである。ベクタ形式とは、画像において描画される形を例えば複数の関数やパラメータ等で表した形式である。
【0028】
なお、端末1はベクタデータ121を記憶部12に記憶しなくてもよい。この場合、端末1は通信回線2を介して取得可能なベクタデータの記憶場所を示す情報を画像形成装置3に提示することで、画像形成装置3にそのベクタデータを取得させればよい。
【0029】
設定情報122は、画像形成装置3によって画像を形成させる際の設定を示す情報であり、操作部15で受付けられた利用者の操作に応じた内容が含まれる。設定情報122には、例えば、ベクタデータ121をラスタ形式に変換する際の画素の数や、色調や明度等の画像そのものの内容に関する情報と、面付けや余白等、画像の配置に関する情報が含まれる。なお、ラスタ形式とは、画像を格子状に配列された画素の階調によって表した形式である。
【0030】
1−3.画像形成装置の構成
図3は、画像形成装置3の構成の一例を示す図である。制御部31は、CPU、ROM、RAMを有し、CPUがROMや記憶部32に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより画像形成装置3の各部を制御する。制御部31は、グラフィックボードやGPU(Graphics Processing Unit)等と呼ばれる演算装置を有していてもよい。
【0031】
通信部33は、有線または無線により通信回線2に接続する通信回路である。画像形成装置3は、通信部33により通信回線2を介して端末1と情報をやり取りする。
【0032】
記憶部32は、ハードディスクドライブ等の大容量の記憶手段であり、制御部31のCPUに読み込まれるプログラムを記憶する。また、記憶部32は、
図3に示す通りベクタデータ321、ラスタデータ322、および縮小画像データ群323を記憶する。
【0033】
ベクタデータ321は、画像をベクタ形式で表す画像データであり、例えば端末1に記憶されたベクタデータ121の複製である。画像形成装置3は、利用者の要求に応じて端末1からベクタデータ121を複製した信号の送信を受け、この信号に基づいて得られるデータをベクタデータ321として記憶部32に記憶する。
【0034】
ラスタデータ322は、制御部31によりベクタデータ321を変換して得られる画像データであり、画像をラスタ形式で表したものである。ベクタデータ321をラスタデータ322に変換するには、端末1において受付けられた設定を示す設定情報122が用いられる。
【0035】
縮小画像データ群323は、ベクタデータ321が示す画像を複数の手法でそれぞれ縮小した画像(以下、「縮小画像」という)のデータである。
【0036】
画像形成部36は、変換されたラスタデータ322により、上述した画像を用紙等の媒体上に形成する。画像形成部36は、例えば電子写真方式や熱転写方式、インクジェット方式等による画像形成を行う。
【0037】
画像形成装置3は、
図3に破線で示す表示部34および操作部35の少なくともいずれかを有していてもよい。これらの表示部34および操作部35は、上述した表示部14および操作部15と共通の構成であってよい。この場合、画像形成装置3は、取得したベクタデータで表される画像を縮小した第1縮小画像、第2縮小画像、および第3縮小画像の少なくともいずれかを表示する表示装置を有し、その表示装置においてそのベクタデータから変換されたラスタデータにより画像を形成する画像形成装置の一例である。
【0038】
1−4.画像形成システムの機能的構成
図4は、画像形成装置3の機能的構成の一例を示す図である。また、
図5は、画像形成システム9の機能的構成の一例を示す図である。
図5において、端末1の制御部11と画像形成装置3の制御部31とでやり取りされる情報を仲介する、通信部13、通信部33、および通信回線2を省略する。
【0039】
画像形成装置3の制御部31は、記憶部32から読み込んだプログラムを実行することにより、取得部310、第1生成部311、第2生成部312、第3生成部313、受付部314、変換部315、画像形成制御部316、選択部317、および通知部318として機能する。
【0040】
端末1の制御部11は、記憶部12から読み込んだプログラムを実行することにより、指示部111、および表示制御部112として機能する。
【0041】
取得部310は、通信部33を介して例えば端末1から画像を示すベクタデータ321を取得する。第1生成部311は、取得されたベクタデータ321から上記の画像を縮小した縮小画像である第1縮小画像(具体的には第1縮小画像を表す画像データである第1縮小画像データ3231)を生成する。
【0042】
第1縮小画像は、ベクタデータ321によって示される画像に対して利用者が指示する設定等を反映させずに縮小加工した縮小画像であり、縮小の倍率や画像の向き、色調等の設定に、予め決められた設定を用いるため、比較的短時間で生成される。また、この予め決められた設定は、面付けについて行わない設定であるので、第1縮小画像は元の画像のページごとに1枚ずつ生成される。すなわち、第1縮小画像は面付けされていない画像となる。
【0043】
受付部314は、画像形成部36によって画像を形成させる際の設定を受付ける。第2生成部312は、第1生成部311により生成された第1縮小画像に対して、受付部314で受付けた設定を反映させた縮小画像である第2縮小画像(具体的には第2縮小画像を表す画像データである第2縮小画像データ3232)を生成する。
【0044】
第2縮小画像は、受付部314で受付けた設定のうち、例えば面付け等の簡易な設定を第1縮小画像に対して反映させたものである。すなわち、第2縮小画像は、簡易な設定に基づいて第1縮小画像を貼りあわせて、画像形成部36によって形成される画像を擬似的に表したものである。
【0045】
したがって、第2縮小画像は、受付部314で受付けた設定のうち、例えば色調や明度等が反映されておらず、実際に画像形成部36によって形成される画像と印象が異なる場合がある。また、第2縮小画像は、受付部314で受付けた設定を必要とするため第1縮小画像に比べて遅れて生成されるが、ラスタデータ322を必要としないため、ラスタデータ322が未完成の段階でも生成される。
【0046】
変換部315は、受付部314で受付けた設定を用いてベクタデータ321を、ラスタデータ322に変換する。ラスタデータ322は、受付部314で受付けた設定を反映させるので、上述した簡易な設定以外にも色調や明度等についての設定が反映されている。
【0047】
第3生成部313は、変換されたラスタデータ322から上述した画像を縮小した縮小画像である第3縮小画像(具体的には第3縮小画像を表す画像データである第3縮小画像データ3233)を生成する。
【0048】
第3縮小画像は、ラスタデータ322を用いるので、第1縮小画像や第2縮小画像に比べて、実際に画像形成部36によって形成される画像に近いが、ラスタデータ322が未完成の段階では生成されない。
【0049】
図5に示す通知部318は、縮小画像データ群323を監視し、第1縮小画像、第2縮小画像、および第3縮小画像のうち、生成が完了したものがあればその旨を端末1に通知する。端末1の表示制御部112は、通知部318からこの通知を受けると、生成が完了した縮小画像について選択可能であることを利用者に報知する。
【0050】
図5に示す端末1の指示部111は、操作部15から利用者の操作に応じた信号を受取り、第1縮小画像、第2縮小画像、および第3縮小画像のうち、利用者が選択した縮小画像を画像形成装置3に指示する。
【0051】
選択部317は、指示部111の指示を受けてその指示に応じて第1縮小画像データ3231、第2縮小画像データ3232、および第3縮小画像データ3233のいずれかを選択し、選択した画像データを端末1に送信する。
【0052】
表示制御部112は、画像形成装置3において選択され、送信された画像データによって示される縮小画像を、表示部14に表示させる。
【0053】
画像形成制御部316は、ラスタデータ322により示される画像を画像形成部36に形成させる。
【0054】
1−5.画像形成装置の動作
図6は、画像形成装置3の動作の流れを示すフロー図である。画像形成装置3の制御部31は、通信回線2を介して例えば端末1からベクタデータ321を取得する(ステップS101)。制御部31は、ベクタデータ321を取得すると、第1縮小画像データ3231を生成し(ステップS102)、生成が完了したらその旨を端末1に通知する(ステップS103)。
【0055】
なお、画像形成装置3が表示部34を有する場合、ステップS103において制御部31は、第1縮小画像データ3231の生成が完了したときに、その旨を表示部34に表示してもよい。また、このとき制御部31は、第1縮小画像が選択可能であることを表示部34により利用者に報知してもよい。
【0056】
また、制御部31は、ベクタデータ321を取得すると、上述した処理に並列して、取得したベクタデータ321が示す画像を形成する際の設定を端末1から受付ける(ステップS104)。
【0057】
第1縮小画像データ3231の生成と、上述した設定の受付けが完了すると、制御部31は、生成されたこの第1縮小画像データ3231に対して、受付けられたこの設定を反映させることにより、第2縮小画像データ3232を生成する(ステップS105)。
【0058】
また、制御部31は、設定の受付けが完了すると、上述したステップS105に並列して、この設定を用いてベクタデータ321をラスタデータ322に変換する(ステップS106)。そして、制御部31は、変換が完了したら、このラスタデータ322に基づいて第3縮小画像データ3233を生成する(ステップS107)。
【0059】
制御部31は、ステップS105で第2縮小画像データ3232の生成が完了するか、S107で第3縮小画像データ3233の生成が完了したら、その都度、その旨を端末1に再通知する(ステップS108)。これにより、縮小画像が完成次第、その旨が端末1に通知される。
【0060】
なお、画像形成装置3が表示部34を有する場合、ステップS108において制御部31は、第2縮小画像データ3232または第3縮小画像データ3233の生成が完了したときに、その都度その旨を表示部34に再表示してもよい。また、このとき制御部31は、第2縮小画像または第3縮小画像が選択可能であることを表示部34により利用者に報知してもよい。
【0061】
図7は、端末1の表示部14における操作画面の一例を示す図である。端末1の制御部11は、表示部14を制御して表示部14の表示領域のうち、第1領域A1に、利用者に選択された処理状態に属する処理の処理内容を表示させる。
【0062】
図7に示す通り、第1領域A1の上方には第2領域A2が配置されている。第2領域A2は、利用者が選択する処理状態を表す領域であり、各処理状態を示す矩形領域は、タブ等と呼ばれる。この第2領域A2には、処理状態ごとにその処理状態に属する処理の数が表示されてもよい。
【0063】
図7に示す処理状態には、「保留」、「エラー」、「完了」の3種類が含まれる。「保留」とは未だ実行されていない処理状態を示す。「エラー」とは不具合が生じて正常に完了しなかった処理状態を示す。「完了」とは既に正常に完了した処理状態を示す。
【0064】
例えば、「保留」という処理状態に1670件の処理が属しているとき、
図7に示す通り、表示部14の第2領域A2には「保留」という文字列の隣に「1670件」という文字列が記述される。
【0065】
そして例えば、
図7に示す第2領域A2の「保留」という文字が記述された矩形内を、利用者の操作する指示体が接触すると、この接触を操作部15のタッチパネルが検知し、制御部11はこの操作に応じた信号を操作部15から受付ける。そして、制御部11は、受付けたこの信号に応じて複数の処理状態のうち「保留」を指定する。
【0066】
図8は、表示部14の第1領域A1に表示される処理内容の一例を示す図である。第1領域A1には「ID」、「処理名」、「サイズ」、「受信開始日時」、「部数」等の各種項目が表示される。また、各処理について追加の情報があれば「情報」の項目にアイコン等の画像や文字列が表示されるようになっている。例えば第1領域A1がタッチパネルに表示されるものであれば、「情報」の項目に表示されるアイコンに利用者が指等の指示体を接触させることで、この追加の情報がポップアップ・ウインドウ等に表示される。
【0067】
なお、表示部14の第3領域A3には、各端末1から指示された処理のうち、画像形成装置3で処理中のものの数を表示する。例えば、画像形成装置3で処理中の処理が3件であるとき、
図7に示す通り、第3領域A3には「処理中:3件」という文字列が表示される。
【0068】
また、第3領域A3の下方の第4領域A4には、画像形成装置3で処理中の処理について、処理内容が表示される。
図9は、表示部14の第4領域A4に表示される処理内容の一例を示す図である。第4領域A4には「ID」、「処理名」、「進捗段階」、「RIP」、「受信開始日時」等の各種項目が表示される。また、各処理について追加の情報があれば「情報」の項目にアイコン等の画像や文字列が表示されるようになっている。「進捗段階」は、処理を複数の段階に分割した場合に、その処理がどの段階まで進捗しているかを示す項目である。「RIP」は、処理のうち、変換部315により行なわれるベクタデータ321からラスタデータ322への変換、すなわちラスタ処理の進捗状況を棒グラフ等で示す項目である。
【0069】
表示部14の第5領域A5は、利用者に縮小画像の種別を選択させるボタンを表示する領域である。
図7に示す第5領域A5には「原稿」、「簡易」、「出力」の文字列がそれぞれ記述された3つのボタンが並べられて表示されている。
【0070】
「原稿」ボタンは、原稿、すなわち、ベクタデータ321から直接、生成された第1縮小画像を表示させることを意味するものである。「簡易」ボタンは、第1縮小画像に対して、設定のうち面付け等簡易なものを反映させた第2縮小画像を表示させることを意味するものである。「出力」ボタンは、実際に画像形成装置3において画像形成部36によって画像が形成された場合の画像に応じた縮小画像である第3縮小画像を表示させることを意味するものである。
【0071】
ここで、端末1は画像形成装置3から生成処理が完了した縮小画像について通知を受けており、未だ生成されていない縮小画像について制御部11は、例えばグレイアウトさせたり、非表示としたりすることで、対応するボタンが押せないように制御している。これにより、利用者は、生成済みの縮小画像の中からいずれかを選択する。
【0072】
利用者が、第5領域A5に表示された3つのボタンのうち、いずれかを押すと、そのボタンが選択されたことを示す態様で表示され、他のボタンと区別される。この態様は例えば、色や文字の太さの変化等である。
【0073】
利用者が、第5領域A5に表示されたいずれかのボタンを押し、かつ、第1領域A1または第4領域A4のいずれかの行を選択する操作を行うと、制御部11は、この操作を検知して、選択された行に対応する処理を特定する。そして制御部11は、特定したその処理で形成されようとしている画像を確認するための縮小画像であって、第5領域A5で押されたボタンに対応する縮小画像を第6領域A6に表示させる。
【0074】
図10は、第6領域A6における縮小画像の表示例を示す図である。
図10(a)に示す画像は第1縮小画像である。第1縮小画像は、画像形成装置3が取得したベクタデータ321に対し、利用者の操作による設定を反映させることなく生成されているため、設定を受付ける前に表示可能となる。
【0075】
図10(b)に示す画像は第2縮小画像である。第2縮小画像は、利用者の操作による設定のうち、面付け等の簡易な設定を第1縮小画像に対して反映させたものであるため、ラスタデータ322の完成前に表示可能となる。また、設定に変更がある度、第2縮小画像は更新される。
【0076】
図10(c)に示す画像は第3縮小画像である。第3縮小画像は、利用者の操作による設定を用いて、ベクタデータ321を変換することにより得られたラスタデータ322に基づいて生成されたものである。そのため、第3縮小画像は、ラスタデータ322が完成しなければ表示可能とならない。しかし、ラスタデータ322に基づいているため、第1縮小画像や第2縮小画像に比べると、画像形成装置3で実際に形成される画像に近い。
【0077】
図10(c)において、網点によるハッチングは、利用者の操作による設定のうち、面付けや余白等、画像の配置に関するもののみならず、色調や明度等といった画像そのものに関する設定が反映されていることを示す。
図10(c)では、「A」から「H」までの画像が2枚ずつまとめられた配置となっており、そのうち、「A」から「F」までに網点が示されている。つまり、「A」から「F」までの画像について、色調や明度等の設定が反映されている。
【0078】
以上、説明した動作により、画像形成システム9は、画像形成の処理状況に応じて、形成されるその画像を確認する手段を提供する。
【0079】
2.変形例
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例を組み合わせてもよい。
【0080】
2−1.変形例1
上述した実施形態において画像形成装置3の制御部31がプログラムを実行することによって実現する選択部317は、指示部111の指示を受けてその指示に応じて第1縮小画像データ3231、第2縮小画像データ3232、および第3縮小画像データ3233のいずれかを選択し、選択した画像データを端末1に送信していた。しかし、画像形成装置3は、生成が完了した全ての縮小画像の画像データをそれぞれ端末1に送信してもよい。端末1は、送信された全ての画像データを用いて、それぞれが示す縮小画像を表示してもよい。つまり、端末1は、第1縮小画像、第2縮小画像、および第3縮小画像の少なくともいずれかを表示すればよい。
【0081】
2−2.変形例2
端末1は、画像形成装置3において第3縮小画像データ3233が生成される前において、第3縮小画像に代えて第2縮小画像を表示してもよい。この処理は、縮小画像のページごとに行なわれてもよい。
【0082】
例えば、
図10(c)に示す通り、「A」から「F」までの画像について、色調や明度等の設定が反映されている一方、「G」と「H」がまとめられた4ページ目の縮小画像については、色調や明度等の設定が反映されていない。すなわち、この4ページ目については、第3縮小画像の生成が完了していない。この場合、端末1の表示部14は、第3縮小画像に代えて、第2縮小画像を表示すればよい。
【0083】
2−3.変形例3
上述した変形例2において、端末1が第3縮小画像に代えて第2縮小画像を表示する場合に、制御部11は、第3縮小画像を表示する際に表示しない警告を添えて、この第2縮小画像を表示してもよい。例えば
図10(c)に示す警告画像wは、三角形の枠の中にエクスクラメーションマークである「!」を記述したものである。制御部11は、第3縮小画像に代えて第2縮小画像を表示部14に表示させる場合に、この第2縮小画像に警告画像wを添えて表示させる。これにより利用者は、この警告画像wが添えられた縮小画像が第3縮小画像でないことを認識する。
【0084】
2−4.変形例4
上述した実施形態において端末1は、設定の受付前に第2縮小画像を生成しなかったが、設定の受付前に第2縮小画像を生成してもよい。この場合、第1縮小画像に用いた「予め決められた設定」とは異なる「標準設定」を第1縮小画像に対して反映させて第2縮小画像を生成してもよい。この標準設定は、例えば、前回用いられ、記憶部12に記憶されている設定であってもよいし、予め簡易な設定について決められた設定であってもよい。また、この標準設定は、決められた期限内で用いられた頻度に応じて決められた設定であってもよい。これにより、面付け等を行わない第1縮小画像と区別されて、設定の受付前に、例えば頻繁に利用される面付けを反映させた第2縮小画像が表示される。
【0085】
2−5.変形例5
上述した変形例4において、第2縮小画像を生成するための標準設定は、取得するベクタデータ321に対応付けられて取得されてもよい。例えば、画像形成装置3が端末1から送られる信号を用いてベクタデータ321を生成する際に、この信号の中に上述した標準設定の内容が含まれていてもよい。画像形成装置3は、ベクタデータ321を取得するとともに、このベクタデータ321に対応付けて標準設定を取得する。これにより、設定を受付ける前において第2縮小画像は、取得したベクタデータ321ごとに決められた標準設定が第1縮小画像に対して反映されることによって生成される。
【0086】
2−6.変形例6
端末1の制御部11や画像形成装置3の制御部31によって実行されるプログラムは、磁気テープや磁気ディスク等の磁気記録媒体、光ディスク等の光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリ等の、コンピュータ装置が読取り可能な記録媒体に記憶された状態で提供し得る。また、このプログラムを、インターネット等の通信回線経由でダウンロードさせることも可能である。なお、上記の制御部11および制御部31によって例示した制御手段としてはCPU以外にも種々の装置が適用される場合があり、例えば、専用のプロセッサ等が用いられる。