特開2017-226228(P2017-226228A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-226228(P2017-226228A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】テープカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   B41J 15/04 20060101AFI20171201BHJP
   B41J 17/32 20060101ALI20171201BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20171201BHJP
   B65H 19/12 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   B41J15/04
   B41J17/32 A
   B41J3/36 T
   B65H19/12 B
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-184155(P2017-184155)
(22)【出願日】2017年9月25日
(62)【分割の表示】特願2014-60918(P2014-60918)の分割
【原出願日】2014年3月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000129437
【氏名又は名称】株式会社キングジム
(74)【代理人】
【識別番号】110001623
【氏名又は名称】特許業務法人真菱国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂野 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】小菅 晋作
【テーマコード(参考)】
2C055
2C060
2C068
3F064
【Fターム(参考)】
2C055CC01
2C055CC05
2C060BA09
2C068AA02
2C068AA06
2C068AA15
2C068EE03
2C068EE27
2C068EE35
2C068MM03
2C068MM22
3F064AA04
(57)【要約】
【課題】把持する部位とガイドされる部位とをバランスよく配置することにより、カートリッジ装着部に対する着脱を円滑に行うことができるテープカートリッジを提供する。
【解決手段】プラテンローラー120と共にランドマークとして機能する第1貫通孔184および第2貫通孔186を備え、テープカートリッジ100の装着方向から見て、第1貫通孔184および第2貫通孔186は、プラテンローラー120に対し、2箇所の指掛け突起304を結ぶ仮想線Lを跨いで反対側であり、2箇所の指掛け突起304のうちプラテンローラー120からより遠い位置の指掛け突起304と第1貫通孔184および第2貫通孔186との間の距離が、2箇所の指掛け突起304のうちプラテンローラー120からより近い位置の指掛け突起304と第1貫通孔184および第2貫通孔186との間の距離より小さくなるように、カートリッジケース130の表面に配設されている。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープカートリッジが着脱可能に装着されるカートリッジ装着部にプラテン駆動軸を備えたテープ印刷装置の、前記カートリッジ装着部に着脱可能に装着されるテープカートリッジであって、
前記着脱する際に、前記テープカートリッジを把持することを可能とする把持部を、前記テープカートリッジの外郭を構成するカートリッジケースにおいて、互いに対向する側面の2箇所に有し、
前記プラテン駆動軸が挿入されるプラテンローラーと、前記プラテンローラーと共に、利用者が前記テープカートリッジを正しい向きに把持するためのランドマークとして機能するランドマーク部と、を備え、
前記テープカートリッジの装着方向から見て、前記ランドマーク部は、
前記プラテンローラーに対し、前記2箇所の把持部を結ぶ仮想線を跨いで反対側であり、かつ、前記2箇所の把持部のうち前記プラテンローラーからより遠い位置の前記把持部と前記ランドマーク部との間の距離が、前記2箇所の把持部のうち前記プラテンローラーからより近い位置の前記把持部と前記ランドマーク部との間の距離より小さくなるように、前記カートリッジケースの表面に配設されていることを特徴とするテープカートリッジ。
【請求項2】
前記ランドマーク部は、前記カートリッジケースの外周面において、前記プラテンローラーに向かう方向に凹設されていることを特徴とする請求項1に記載のテープカートリッジ。
【請求項3】
前記カートリッジケースは、前記装着方向手前側の天壁部、奥側の底壁部を含むシェル構造を有し、
前記ランドマーク部は、前記底壁部に貫通形成された貫通穴であることを特徴とする請求項1に記載のテープカートリッジ。
【請求項4】
前記テープカートリッジの装着方向から見て、前記ランドマーク部は、前記プラテンローラーから前記2箇所の把持部を結ぶ仮想線を跨いで最遠位となる部位に配設されていることを特徴とする請求項2または3に記載のテープカートリッジ。
【請求項5】
前記把持部は前記カートリッジケースの外周面に設けた凸部であることを特徴とする請求項1に記載のテープカートリッジ。
【請求項6】
前記テープ印刷装置に装着される場合には、前記把持部は前記カートリッジ装着部周囲の壁面がえぐれている部分に対向する位置であることを特徴とする請求項5に記載のテープカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープ印刷装置のカートリッジ装着部に装着され、テープ印刷装置により印刷に供されるテープカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のテープカートリッジとして、テープ印字装置のカセット装着部に着脱自在に装着されるテープカセットが知られている(特許文献1参照)。
このテープカセットには、テープ送りローラーと、第1のテープが巻回された第1テープスプールと、インクリボンが巻回されたリボンスプールと、インクリボンを巻き取るリボン巻取スプールとが収容されている。また、テープカセットのカセットケースには、テープ送りローラーに対応するローラー支持孔と、第1テープスプールに対応する第1テープ支持孔と、リボン巻取スプールに対応する巻取支持孔とが形成されている。さらに、カセットケースには、テープカセットの装着をガイドするためのガイド孔と、カセットケースを位置決めするための2つのピン孔とが形成されている。
一方、テープ印字装置のカセット装着部には、ローラー支持孔に対応するテープ駆動軸と、巻取支持孔に対応するリボン巻取軸と、ガイド孔に対応するガイド軸と、2つのピン孔に対応する2本の位置決めピンとが立設されている。
カセット装着部にテープカセットを装着すると、テープ送りローラーにテープ駆動軸が嵌装され、リボン巻取スプールにリボン巻取軸が嵌装され、ガイド孔にガイド軸が挿入され、2つのピン孔に2本の位置決めピンが挿入される。
この場合、テープ駆動軸とガイド軸とは、カセット装着部から大きく突出しており、これら対応するテープ送りローラー(ローラー支持孔)とガイド孔とは、テープカセットにおける平面視対角位置に配置されている。これにより、テープカセットは、カセット装着部に対し、正確かつスムーズに装着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−126141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような、従来のテープカセット(テープカートリッジ)では、ローラー支持孔とガイド孔とが十分に離間していないと、テープカセットが傾いて着脱が円滑に行われない問題がある。また、テープカセットを把持する部位と、ローラー支持孔およびガイド孔とがバランスよく配置されていないと、装着する力や引抜く力が偏り、この点でも、テープカセットが傾いてコジリが生じ、着脱が円滑に行われない問題が生ずる。
【0005】
本発明は、把持する部位とガイドされる部位とをバランスよく配置することにより、カートリッジ装着部に対する着脱を円滑に行うことができるテープカートリッジを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のテープカートリッジは、テープカートリッジが着脱可能に装着されるカートリッジ装着部にプラテン駆動軸を備えたテープ印刷装置の、カートリッジ装着部に着脱可能に装着されるテープカートリッジであって、着脱する際に、テープカートリッジを把持することを可能とする把持部を、テープカートリッジの外郭を構成するカートリッジケースにおいて、互いに対向する側面の2箇所に有し、プラテン駆動軸が挿入されるプラテンローラーと、プラテンローラーと共に、利用者がテープカートリッジを正しい向きに把持するためのランドマークとして機能するランドマーク部と、を備え、テープカートリッジの装着方向から見て、ランドマーク部は、プラテンローラーに対し、2箇所の把持部を結ぶ仮想線を跨いで反対側であり、かつ、2箇所の把持部のうちプラテンローラーからより遠い位置の把持部とランドマーク部との間の距離が、2箇所の把持部のうちプラテンローラーからより近い位置の把持部とランドマーク部との間の距離より小さくなるように、カートリッジケースの表面に配設されていることを特徴とする。
この場合、ランドマーク部は、カートリッジケースの外周面において、プラテンローラーに向かう方向に凹設されていることが好ましい。
この場合、カートリッジケースは、装着方向手前側の天壁部、奥側の底壁部を含むシェル構造を有し、ランドマーク部は、底壁部に貫通形成された貫通穴であることが好ましい。
この場合、テープカートリッジの装着方向から見て、ランドマーク部は、プラテンローラーから2箇所の把持部を結ぶ仮想線を跨いで最遠位となる部位に配設されていることが好ましい。
この場合、把持部はカートリッジケースの外周面に設けた凸部であることが好ましい。
この場合、テープ印刷装置に装着される場合には、把持部はカートリッジ装着部周囲の壁面がえぐれている部分に対向する位置であることが好ましい。
なお、以下の構成でもよい。
本発明のテープカートリッジは、テープカートリッジが着脱可能に装着されるカートリッジ装着部に、第1の軸と、第2の軸と、を備えたテープ印刷装置の、カートリッジ装着部に着脱可能に装着される為のテープカートリッジであって、着脱する際に、指でテープカートリッジを掴むことを可能とする把持部を、互いに反対側となる側面側の2箇所に有し、テープ印刷装置に装着される場合には、第1の軸が挿入される第1受入部を備えたプラテンと、第2の軸が挿入される第2受入部と、を備え、テープカートリッジの装着方向から見て、第2受入部は、第1受入部に対し、2箇所の把持部を結ぶ仮想線を跨いで反対側であり、かつ、2箇所の把持部のうち、第1受入部からより遠い位置の把持部との間の距離が、第1受入部からより近い位置の把持部との間の距離より近い部位に配設されていることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、第2受入部が、第1受入部に対し、2箇所の把持部を結ぶ仮想線を跨いで配設され、且つ、この第2受入部が、2箇所の把持部のうち、第1受入部からより遠い位置の把持部との間の距離が、第1受入部からより近い位置の把持部との間の距離より近い部位にあるため、第1受入部と、第2受入部の間の距離が遠くなると共に、バランスの良い対角的位置関係となるため、着脱に際し、把持部を介して加える力が、第1受入部および第2受入部に比較的均一に作用する。このため、カートリッジ装着部に対する着脱を円滑に行うことができる。また、第1受入部と第2受入部は、上側から見ても、下側から見ても互いに離れた距離で認識しやすい場所に存在し、目の前にテープ印刷装置を置き、そのカートリッジ装着部を見ながらテープカートリッジを手に取った時に、その表裏前後左右の向きが容易に認識できるランドマークとして機能する。これにより、テープカートリッジを正しい向きに向かせ、カートリッジ装着部へ装着することができる。
【0008】
この場合、テープカートリッジの装着方向から見て、第2受入部は、第1受入部から最遠位となる部位に配設されていることが好ましい。
【0009】
この構成によれば、第2受入部が、第1受入部に対し、2箇所の把持部を結ぶ仮想線を跨いで最遠位となる部位に配設されているため、着脱に際し、把持部を介して加える力が、第1受入部および第2受入部に比較的均一に作用する。このため、カートリッジ装着部に対する着脱を円滑に行うことができる。また、第1受入部に対し第2受入部を、十分に離間して配置されているため、装着する力や引抜く力が偏り難く、この点でも、カートリッジ装着部に対する着脱を円滑に行うことができる。
【0010】
また、第2受入部は、貫通形成した貫通孔を有することが好ましい。
【0011】
さらに、テープカートリッジはカートリッジケースを含み、カートリッジケースは装着方向手前側の天壁部、奥側の底壁部および周壁部を含むシェル構造を有し、第2受入部は、周壁部またはその近傍部に設けたことが好ましい。
【0012】
これらの構成によれば、厚みの異なるテープカートリッジにも、対応させることができる。
【0013】
また、貫通孔は、天壁部に貫通形成された第1貫通孔と、底壁部に貫通形成された第2貫通孔と、を含むことが好ましい。
【0014】
この構成によれば、装着初期および離脱終期において、第2受入部の第2の軸に対するコジリを抑制することができる。
【0015】
さらに、第2受入部は、カートリッジケースの外周面に凹設したガイド溝を有することが好ましい。
【0016】
この場合、溝には、第1受入部と第2受入部とを結ぶ仮想線と交差する壁があるような向きに前記溝が凹設されていることが好ましい。
【0017】
これらの構成によれば、第1受入部に対し第2受入部を、可能な限り離間して配置することができ、且つ第2受入部の第2の軸に対するコジリを抑制することができる。したがって、カートリッジ装着部に対する着脱を円滑に行うことができる。
【0018】
一方、プラテンは、第1受入部を有するプラテンローラーで構成され、カートリッジ装着部に装着された状態となった場合は、第1受入部を介して第1の軸に回転自在に支持されることが好ましい。
【0019】
この場合、第1受入部は軸孔であることが好ましい。
【0020】
これらの構成によれば、プラテンローラーを回転自在に支持する軸と、第1の軸とを兼用させることができ、着脱ガイドための部品点数を削減することができる。
【0021】
この場合、第1受入部は軸孔で貫通孔であることが好ましい。
【0022】
この構成によれば、プラテン軸を支持する機能と兼ねることができる。
【0023】
この場合、第1受入部、第2受入部はガイド穴であることが好ましい。
【0024】
この構成によれば、第1の軸と、第2の軸とを、それぞれ第1受入部、第2受入部に挿入することで、テープカートリッジを正確にテープ印刷装置の、カートリッジ装着部に位置決めし、装着中は移動防止することができる。
【0025】
この場合、第2受入部はガイド溝であることが好ましい。
【0026】
この構成によれば、第1受入部と第2受入部を最も遠い位置関係に設定でき、精度の高い位置決め機能を得ることができる。
【0027】
この場合、把持部は周壁部に設けた凸部であることが好ましい。
【0028】
この構成によれば、つかみ易い位置に把持部があると共に、指が滑りにくく、確実なグリップによる把持を実現することができる。
【0029】
この場合、把持部はカートリッジ装着部周囲の壁面がえぐれている部分に対向する位置にあることが好ましい。
【0030】
この構成によれば、テープカートリッジを容易に把持してカートリッジ装着部に着脱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】実施形態に係るテープ印刷装置の開蓋状態の外観斜視図である。
図2】実施形態に係るテープカートリッジの平面図(a)および側面図(b)である。
図3】カートリッジ装着部の平面図である。
図4】開閉蓋を裏面側から見た斜視図である。
図5】上ケースと上ケースを取り去った状態のテープカートリッジの平面図(a)および上ケースの裏面図(b)である。
図6】テープカートリッジを裏面側から見た斜視図である。
図7】カートリッジ装着部の拡大斜視図である。
図8】第1実施形態に係るテープカートリッジの平面図である。
図9】第1実施形態に係るテープカートリッジをカートリッジ装着部に装着した状態の平面図(a)、および断面図(b)である。
図10】第2実施形態に係るテープカートリッジをカートリッジ装着部に装着した状態の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係るテープカートリッジにつき、これが装着されるテープ印刷装置と共に説明する。このテープ印刷装置は、装着したテープカートリッジから印刷テープおよびインクリボンを繰り出しながら印刷を行い、印刷テープの印刷済み部分を切断して、ラベル(テープ片)を作成するものである。
【0033】
[テープ印刷装置の概要]
図1は、テープ印刷装置およびこれに装着されるテープカートリッジの外観斜視図である。同図に示すように、テープ印刷装置1は、外殻を構成する装置ケース3と、テープカートリッジ100が着脱自在に装着されるカートリッジ装着部5と、カートリッジ装着部5を開閉する開閉蓋7と、を備えている。装置ケース3の上面には、奥側にカートリッジ装着部5が設けられ、中央にディスプレイ11が設けられ、手前側にキーボード13が設けられている。開閉蓋7の近傍には、指掛け用の窪入部15が設けられている。開閉蓋7は、この窪入部15に指を掛け引き上げることにより開放される。そして、装置ケース3の側面(左側面)には、印刷テープ102が排出される縦長のテープ排出口17が設けられている。
【0034】
また、テープ印刷装置1は、カートリッジ装着部5に立設された印刷ヘッド21を有する印刷機構部23と、カートリッジ装着部5の裏側空間に内蔵したテープ送り機構部25と、テープ排出口17の近傍に内蔵したテープ切断機構部27と、を備えている。ユーザーは、キーボード13から印刷情報を入力し、ディスプレイ11で印刷情報を確認した後、キー操作により印刷を実行する。印刷が指令されると、テープ送り機構部25が駆動することで、印刷テープ102とインクリボン110とが並走する。さらに、これに印刷機構部23からインクリボン110に加えられる熱によって、インクリボン110のインクが印刷テープ102に転写することで印刷が行われる。この印刷送りにより、印刷テープ102はテープ排出口17から排出されてゆき、印刷が完了すると、テープ切断機構部27が駆動して、印刷テープ102の印刷済み部分が切り離される。
【0035】
[テープカートリッジの概要]
図2および図5に示すように、テープカートリッジ100は、印刷テープ102をテープコア104に巻回したテープロール106と、インクリボン110を繰出しコア112に巻回したリボンロール114と、を備えている。また、テープカートリッジ100は、使用後のインクリボン110を巻き取る巻取りコア116と、印刷ヘッド21が当接すると共に印刷テープ102およびインクリボン110を送るプラテンローラー120(プラテン)と、を備えている。さらに、テープカートリッジ100は、これらテープロール106、リボンロール114、巻取りコア116およびプラテンローラー120を収容したカートリッジケース130と、を備えている。このように、本実施形態のテープカートリッジ100は、外殻をカートリッジケース130で覆われた、いわゆるシェル構造を有している。
【0036】
また、テープカートリッジ100には、テープ印刷装置1に装着されたときに、印刷ヘッド21が挿入される挿入開口134が、カートリッジケース130に形成されている。テープカートリッジ100は、カートリッジケース130に形成され印刷テープ102が送り出されるテープ送出口138と、を備えている。なお、詳細は後述するが、テープロール106は、カートリッジケース130の内側に突設した円筒状のコア軸192に回転自在に支持されている。
【0037】
上記のテープ送り機構部25により、プラテンローラー120および巻取りコア116が駆動されると、印刷テープ102はテープコア104から繰り出され、インクリボン110は繰出しコア112から繰り出される。繰り出された印刷テープ102およびインクリボン110は、プラテンローラー120の部分で並走し、印刷ヘッド21によって印刷に供される。印刷が行われた印刷テープ102の繰出し端部(印刷済部分)は、テープ送出口138からテープ排出口17に向かって送り出される。一方、インクリボン110は、挿入開口134の周壁部分を周回し、巻取りコア116に巻き取られる。なお、テープカートリッジ100には、印刷テープ102のテープ幅に応じて、厚みの異なる複数種のものが用意されている。
【0038】
[テープ印刷装置の詳細]
図1および図3に示すように、カートリッジ装着部5は、テープカートリッジ100の平面形状と相補的な平面形状に形成されると共に、装着可能な複数種のテープカートリッジ100のうち、最大厚のテープカートリッジ100に対応する深さを有して、窪入形成されている。この場合、カートリッジ装着部5の底板部を構成する装着ベース31と側板部33とは、樹脂等で一体に形成(成形)されている。カートリッジ装着部5と上記のテープ排出口17との間には、スリット状のテープ排出経路35が形成されており、この部分に、上記のテープ切断機構部27が内蔵されている。
【0039】
カートリッジ装着部5の装着ベース31には、上記のコア軸192が嵌合して位置決めされる位置決め突起41と、ヘッドカバー43に覆われた印刷ヘッド21と、プラテンローラー120を回転駆動するプラテン駆動軸45と、巻取りコア116を回転駆動する巻取り駆動軸47と、が立設されている。また、プラテン駆動軸45に対し対角となる位置には、ガイドピン50が立設されている。さらに、巻取り駆動軸47の近傍に位置して装着ベース31には、印刷テープ102の種別(属性情報)を検出するテープ検出部51と、繰出しコア112および巻取りコア116の回転止めを解除するコア解除部53と、が設けられている。
【0040】
さらに、装着ベース31には、その対角位置に一対の小突起55が設けられている。加えて、装着したテープカートリッジ100の中間部を掛け止めする一対の掛止め片57が設けられている。一方、装着ベース31の裏側空間には、プラテン駆動軸45および巻取り駆動軸47を回転させるモーターおよびギヤ列(いずれも、図示省略)等が構成される、上記のテープ送り機構部25が内蔵されている。テープ送り機構部25は、ギヤ列で動力分岐し、プラテン駆動軸45および巻取り駆動軸47を同期回転させる。
【0041】
印刷機構部23は、サーマルヘッドで構成された印刷ヘッド21と、印刷ヘッド21を支持すると共に回動させるヘッド支持フレーム61と、を有している。また、印刷機構部23は、ヘッド支持フレーム61を介して印刷ヘッド21を印刷位置と退避位置との間で回動させるヘッドリリース機構(図示省略)と、印刷ヘッド21(およびヘッド支持フレーム61)を覆うヘッドカバー43と、を有している。
【0042】
ヘッドリリース機構は、上記の開閉蓋7の開閉に連動して作動し、開閉蓋7の閉塞動作に連動して印刷ヘッド21を印刷位置に移動(回動)させる。また、ヘッドリリース機構は、開放動作に連動して印刷ヘッド21を退避位置に移動(回動)させる。印刷位置に移動した印刷ヘッド21は、プラテンローラー120にインクリボン110および印刷テープ102を介して当接し、退避位置に移動した印刷ヘッド21は、プラテンローラー120から離間する。これにより、テープカートリッジ100を着脱する際に、印刷テープ102やインクリボン110の印刷ヘッド21への干渉が防止される。
【0043】
印刷ヘッド21には、複数の発熱素子が設けられ、複数の発熱素子は、プラテンローラー120の軸方向と同方向に列設されている。そして、印刷テープ102およびインクリボン110の送りと、複数の発熱素子の選択的駆動により印刷が行われる。ヘッドカバー43は、平面視略矩形に形成されおり、上記の装着ベース31(カートリッジ装着部5)と一体に形成(成形)されている。また、ヘッドカバー43は、装着ベース31から垂直に大きく突出しており、その内側において印刷ヘッド21の回動を許容し、外側においてテープカートリッジ100の装着ガイドとして機能する。
【0044】
テープ検出部51は、複数のマイクロスイッチ51aで構成されており、後述するテープカートリッジ100の被検出部180に対し選択的に係合し、印刷テープ102のテープ幅やテープ色、材質等の種別を検出する。そして、この検出結果に基づいて、印刷ヘッド21やテープ送り機構部25の駆動が制御される。
【0045】
コア解除部53は、繰出しコア112用および巻取りコア116用の2つの解除ピン53aで構成されている。詳細は後述するが、カートリッジケース130には、繰出しコア112および巻取りコア116にそれぞれ掛止めされる回転止めフック206が設けられており(図6参照)、テープカートリッジ100を装着すると、これら回転止めフック206に解除ピン53aが係合し、繰出しコア112および巻取りコア116の回転止めが解除される。
【0046】
プラテン駆動軸45は、プラテンローラー120を挿通するように長く延びたプラテン支軸48と、プラテン支軸48の基部に回転自在に軸支されたスプライン形状の回転駆動軸49を有している(図3参照)。テープ送り機構部25の回転動力は、この回転駆動軸49に伝達され、更に回転駆動軸49からプラテンローラー120に伝達される(詳細は、後述する)。
【0047】
同様に、巻取り駆動軸47は、固定軸47aと、固定軸47aに回転自在に軸支されたスプライン形状の可動軸47bとを有している。この場合も、テープ送り機構部25の回転動力は、可動軸47bに伝達され、更に可動軸47bから巻取りコア116に伝達される。
【0048】
テープカートリッジ100をカートリッジ装着部5に装着すると、位置決め突起41にコア軸192(テープコア104)が係合し、プラテン駆動軸45にプラテンローラー120か係合し、更に巻取り駆動軸47に巻取りコア116が係合する。そして、開閉蓋7を閉塞すると、印刷ヘッド21が回動し、印刷テープ102およびインクリボン110を挟んでプラテンローラー120に当接して、テープ印刷装置1は印刷待機状態となる。
【0049】
図1および図4に示すように、開閉蓋7は、奥側に設けたヒンジ部71を介して、装置ケース3に回動自在に、すなわち開閉自在に取り付けられている。開閉蓋7は、開閉蓋本体73と、開閉蓋本体73の中央に設けた覗き窓75と、を有している。また、開閉蓋7は、開閉蓋本体73の裏面に突設されヒンジ部71に回動自在に軸支された一対の軸支片77と、開閉蓋本体73の裏面に突設され印刷ヘッド21を回動させる作動レバー79と、を有している。さらに、開閉蓋7は、開閉蓋本体73の裏面に突設されテープカートリッジ100を押し込む2つの押込み突起81と、開閉蓋本体73の裏面に突設され、内蔵する蓋閉塞検出スイッチ(図示省略)を作動(ON)させる押下突起83と、を有している。
【0050】
覗き窓75は、横長に形成され、開閉蓋本体73とは別体となる透明(可視光に対し透明)な樹脂で構成されている。この覗き窓75越しに、カートリッジ装着部5に装着されたテープカートリッジ100が、視認(印刷テープ102の種別やテープ残量)できるようになっている。また、一対の軸支片77、作動レバー79、押込み突起81、押下突起83および押え部85と、開閉蓋本体73とは、樹脂で一体に形成(成形)されている。
【0051】
作動レバー79は、開閉蓋本体73の裏面から大きく突出しており、開閉蓋7の閉塞に伴って、カートリッジ装着部5の側方に設けたスリット開口87に挿入される。スリット開口87に挿入された作動レバー79は、上記のヘッドリリース機構を作動させ、印刷ヘッド21を回動させる。同様に、押下突起83は、開閉蓋7の閉塞に伴って、スリット開口87に隣接する矩形開口91に挿入され、蓋閉塞検出スイッチを作動(ON)させる。押込み突起81は、テープカートリッジ100のプラテンローラー120の近傍位置に対応しており、開閉蓋7の閉塞に伴って、テープカートリッジ100がカートリッジ装着部5の装着ベース31に着座するようにこれを押し込む。
【0052】
[テープカートリッジの詳細]
次に、図2図5および図6を参照して、テープカートリッジ100について詳細に説明する。なお、テープカートリッジ100の説明では、図2を例に、テープカートリッジ100の上正面である装着方向手前の面を「表面」と、逆側の装着方向奥側の面を「裏面」と、左側の側面を「左側面」と、右側の側面を「右側面」と、上側の円弧状の側面を「先端面」と、下側の側面を「基端面」と、称呼するものとする。
【0053】
テープカートリッジ100は、上述のように、カートリッジケース130と、これに収容したテープロール106、リボンロール114、巻取りコア116およびプラテンローラー120と、を備えている。また、テープカートリッジ100は、カートリッジケース130に形成され挿入開口134と、プラテンローラー120の近傍において左側面に形成したテープ送出口138と、テープロール106が収容されている部位の表面、左側面および右側面に亘って貼着された識別シール141(図1参照)と、を備えている。識別シール141には、カートリッジケース130に収容された印刷テープ102のテープ幅やテープ色、材質等が、表面および左側面の2箇所に表示されている。
【0054】
カートリッジケース130は、テープカートリッジ100の外郭を構成するものであり(シェル構造)、右側面の基端側が幾分突出した、平面視「L」字状の外観を呈している。表裏方向においてカートリッジケース130は、カートリッジ装着部5に装着したときに奥側となる下ケース150と、手前側となる上ケース152と、で構成されている。実施形態のカートリッジケース130は、上ケース152が透明な樹脂の成型品で構成され、下ケース150が不透明な樹脂の成型品で構成されている。
【0055】
上ケース152は、カートリッジケース130の表面を構成する天壁部156と、天壁部156の周縁部に垂設された上周壁部158と、で一体に形成(成形)されている。また、下ケース150は、カートリッジケース130の裏面を構成する底壁部160と、底壁部160の周縁部に立設された下周壁部162と、上記の挿入開口134を画成すべく底壁部160に立設された開口周壁部164と、で一体に形成(成形)されている。
【0056】
上ケース152における上周壁部158の下端面には、適宜の間隔で複数の接合ピン170が設けられる一方、下ケース150の下周壁部162には、この複数の接合ピン170に対応して複数の接合孔172が設けられている(図5参照)。下ケース150に、テープロール106やリボンロール114等の構成部品をセットした後、複数の接合孔172に複数の接合ピン170を圧入するように上ケース152を接合することにより、テープカートリッジ100が組み立てられる。なお、各接合孔172は、成形の容易性を考慮し貫通孔となっている。
【0057】
また、平面視において、プラテンローラー120に対し対角となる位置には、ガイドピン50が挿通する被ガイド部182が設けられている。具体的には、被ガイド部182は、上ケース152の天壁部156に貫通形成された第1貫通孔184と、下ケース150の底壁部160に貫通形成された第2貫通孔186と、を有する貫通孔で構成されている(詳細は、後述する)。
【0058】
一方、下ケース150の左側面および右側面には、上記の一対の掛止め片57に掛け止めされる一対の掛止受け部174が設けられている(図2および図6参照)。装着したテープカートリッジ100の一対の掛止受け部174に、カートリッジ装着部5側の一対の掛止め片57が掛け止めされることにより、テープカートリッジ100の浮き上がりが防止される。また、下ケース150の裏面には、上記の一対の小突起55が幾分余裕をもって嵌合する嵌合小穴176が設けられている(図6参照)。装着したテープカートリッジ100の一対の嵌合小穴176に、カートリッジ装着部5側の一対の小突起55が嵌合することにより、装着ベース31上におけるテープカートリッジ100の簡単な位置決めが為される。
【0059】
さらに、下ケース150の裏面には、基端面側の左隅部(表面側から見て右隅部)に位置して、上記のテープ検出部51に対応する被検出部180が設けられている(図6参照)。被検出部180は、テープ検出部51の複数のマイクロスイッチ51aに対応する部分に構成され、この部分に設けた受け穴180aの有無により、複数のビットパターンを得るようにしている。すなわち、このビットパターンが、上記した印刷テープ102の種別に対応している。
【0060】
図5に示すように、カートリッジケース130内の上側空間(先端面側)には、広くテープロール106が収容されるテープ収容エリア190が構成されている。テープ収容エリア190の中央には、下ケース150に一体に形成(成形)されたコア軸192が立設されている。コア軸192は、円筒状に形成されており、その外周面にはテープロール106(テープコア104)が回転自在に軸支されている。また、プラテンローラー120の近傍に位置してテープ収容エリア190には、繰り出された印刷テープ102をプラテンローラー120に導くテープガイド194が、下ケース150に一体に立設されている。
【0061】
すなわち、カートリッジケース130の内部には、テープロール106を起点とし、テープガイド194およびプラテンローラー120を経てテープ送出口138に至るテープ送り経路196が構成されている。テープロール106から繰り出された印刷テープ102は、テープガイド194を介してプラテンローラー120に導かれ、ここで印刷に供され、更にプラテンローラー120からテープ送出口138に導かれる。
【0062】
テープロール106は、印刷テープ102およびテープコア104を有すると共に、ロール状の印刷テープ102の両端面に貼着された2枚のフイルム198を有している。この2枚のフイルム198は、テープコア104に巻回した印刷テープ102のバラケを防止している。また、テープコア104には、図示では省略したが、逆転止め機構が組み込まれている。テープカートリッジ100を持ち運びするときには、この逆転止め機構により、印刷テープ102の逆転が防止される。一方、テープカートリッジ100をテープ印刷装置1のカートリッジ装着部5に装着すると、上記の位置決め突起41により逆転止め機構の逆転止めが解除され、印刷テープ102の送りが可能になる。
【0063】
カートリッジケース130内の基部右側には、挿入開口134に隣接してリボン収容エリア200が構成されている。リボン収容エリア200の右寄りには、リボンロール114(繰出しコア112)を回転自在に支持する繰出し側軸受部202が、また左寄りには、巻取りコア116を回転自在に支持する巻取り側軸受部204が、それぞれカートリッジケース130に一体に形成されている。すなわち、上ケース152および下ケース150に、それぞれ繰出し側軸受部202および巻取り側軸受部204が形成されている。
【0064】
下ケース150に形成された繰出し側軸受部202および巻取り側軸受部204の切欠き部分には、先端部をこれら繰出し側軸受部202および巻取り側軸受部204に臨ませた回転止めフック206が、それぞれ一体に形成されている。そして、一方の回転止めフック206は繰出しコア112に、他方の回転止めフック206は巻取りコア116に、それぞれ回転止め状態に係合している。
【0065】
繰出し側軸受部202の近傍に位置してリボン収容エリア200には、繰り出されたインクリボン110をプラテンローラー120に導く第1リボンガイド210が、下ケース150に一体に立設されている。また、上記の開口周壁部164の外周側には、インクリボン110の周回をガイドする複数の第2リボンガイド212が一体に形成されている。
【0066】
すなわち、カートリッジケース130の内部には、リボンロール114を起点とし、第1リボンガイド210、プラテンローラー120および複数の第2リボンガイド212を経て巻取りコア116に至るリボン送り経路214が構成されている。リボンロール114から繰り出されたインクリボン110は、第1リボンガイド210を介してプラテンローラー120に導かれ、ここで印刷に供され、更にプラテンローラー120から開口周壁部164(複数の第2リボンガイド212)を周回して巻取りコア116に巻き取られる。
【0067】
リボンロール114は、インクリボン110および繰出しコア112を有すると共に、繰出しコア112に制動負荷を付与する円環状の板ばね220を有している(図5(b)参照)。板ばね220は、周方向において波状に形成されており、軸方向において上ケース152の天壁部156と繰出しコア112との間に介設されている。すなわち、繰出しコア112には、この板ばね220の弾発力により回転制動負荷が付与される。これにより、巻取りコア116により繰り出されてゆくインクリボン110には、バックテンションが付与されその弛みが防止される。
【0068】
繰出しコア112は円筒状に形成され、その下ケース150側の端部には、周方向に複数の切欠き222が形成されている(図6参照)。そして、複数の切欠き222には、上記の回転止めフック206が係脱するようになっている。なお、繰出しコア112を支持する下ケース150側の繰出し側軸受部202は円形の開口で構成されているが、上ケース152側の繰出し側軸受部202は、円筒状の突出部分で構成されている。そして、この突出部分に上記の板ばね220が装着されている(いずれも、図5(b)参照)。
【0069】
同様に、巻取りコア116は円筒状に形成され、その下ケース150側の端部には、周方向に複数の切欠き224が形成されている。そして、複数の切欠き224には、上記の回転止めフック206が係脱する。また、巻取りコア116の内周面にはスプライン溝226が形成され、上記の巻取り駆動軸47にスプライン係合する。これにより、巻取り駆動軸47の回転力が巻取りコア116に伝達され、インクリボン110が巻き取られる。
【0070】
カートリッジケース130内の基部左側には、挿入開口134に隣接してプラテン収容エリア230が構成されている。プラテン収容エリア230の中央には、下ケース150に形成した楕円状(長円状)開口の下軸受部234と(図6参照)、上ケース152に形成した楕円状開口の上軸受部232と(図5(b)参照)が設けられている。そして、上軸受部232および下軸受部234には、プラテンローラー120が回転自在且つ僅かに横移動可能に支持されている。すなわち、楕円状の上軸受部232および下軸受部234に支持されたプラテンローラー120は、プラテン駆動軸45に係合するホーム位置と、印刷テープ102を挟み込んでテープガイド194に接する挟持位置との間で、横移動(微小移動)可能に構成されている。
【0071】
ところで、このテープカートリッジ100は、印刷テープ102の繰出し端部を、テープ送出口138から外部に僅かに突出された状態で持ち運びされる(図1参照)。その際、誤って印刷テープ102の繰出し端部に押込み力や引込み力が作用すると、これに引きずられたプラテンローラー120が上記の挟持位置に移動する。これにより、印刷テープ102の繰出し端部が、テープ送出口138からカートリッジケース130内に引き込まれることが防止される。
【0072】
プラテンローラー120は、円筒状のローラー基体240と、ローラー基体240の外周面に装着したゴムローラー242と、を有している。ゴムローラー242は、軸方向において印刷ヘッド21に対応する長さを有しており、印刷位置に移動した印刷ヘッド21は、印刷テープ102およびインクリボン110を挟み込んでこのゴムローラー242に接触する。また、ローラー基体240の内周面にはスプライン溝244が形成され、このスプライン溝244に上記プラテン駆動軸45の回転駆動軸49にスプライン係合する。これにより、プラテン駆動軸45の回転力がプラテンローラー120に伝達され、印刷テープ102(およびインクリボン110)が印刷送りされる。
【0073】
[被ガイド部およびガイドピンの構造(第1実施形態)]
次に、図7ないし図9を参照して、第1実施形態に係るテープカートリッジ100の被ガイド部182(第2被ガイド部)およびプラテンローラー120の構造について、カートリッジ装着部5のガイドピン50(第2ガイドピン)およびプラテン駆動軸45の構造と共に詳細に説明する。上述のように、カートリッジ装着部5には、相互に離間してプラテン駆動軸45およびガイドピン50が設けられ、これに対応して、テープカートリッジ100には、プラテンローラー120および被ガイド部182が設けられている。
【0074】
図7および図9に示すように、プラテン駆動軸45は、装着ベース31の下方に位置する装置フレーム260に立設されたプラテン支軸48(第1ガイドピン)と、プラテン支軸48の下部に回転自在に支持された回転駆動軸49と、を有している。プラテン支軸48は、装置フレーム260に片持ち状態で固定され、装着ベース31を貫通してテープカートリッジ100の着脱方向に延在している。また、プラテン支軸48は、ヘッドカバー43と略同一の高さまで延びている。
【0075】
カートリッジ装着部5にテープカートリッジ100を装着すると、プラテン支軸48が、プラテンローラー120のローラー基体240に挿通する。このため、プラテン支軸48(プラテン駆動軸45)は、プラテンローラー120を回転自在に支持すると共に、プラテンローラー120を介して、テープカートリッジ100の着脱ガイドとしても機能している。
【0076】
ガイドピン50は、カートリッジ装着部5の装着ベース31に立設され、プラテン支軸48と同様に、テープカートリッジ100の着脱方向に延在している。すなわち、ガイドピン50は、装着ベース31と一体に形成(成形)され、プラテン支軸48と略同一高さまで延びている。この場合、ガイドピン50およびプラテン支軸48は、最も厚手のテープカートリッジ100に対応する長さを有している。また、ガイドピン50の先端部は、テープカートリッジ100の装着性を向上させるために半球状に面取りされている。
【0077】
カートリッジ装着部5にテープカートリッジ100を装着すると、ガイドピン50が、カートリッジケース130の被ガイド部182に挿通する。これにより、ガイドピン50は、被ガイド部182を介して、テープカートリッジ100の着脱ガイドとして機能している。なお、ガイドピン50も、プラテン支軸48と同様に、装置フレーム260に立設する構成としてもよい。
【0078】
一方、図8および図9に示すように、テープカートリッジ100には、上ケース152の上軸受部232と下ケース150の下軸受部234とに支持されるようにして、プラテンローラー120が設けられている。また、テープカートリッジ100には、上ケース152に貫通形成された第1貫通孔184と、下ケース150に貫通形成された第2貫通孔186と、を有する被ガイド部182が設けられている。
【0079】
上述のように、プラテンローラー120は、ローラー基体240とゴムローラー242とを有している。ローラー基体240は、ゴムローラー242を保持する円筒状のローラー保持部300(第1被ガイド部)と、ローラー保持部300の下側に連なるスプライン溝244を形成した環状係合部302と、で一体に形成されている。また、ローラー基体240は、カートリッジケース130の上軸受部232および下軸受部234に、幾分余裕を持って支持されており、ローラー保持部300(の軸孔)に挿通したプラテン支軸48により位置決めされるようになっている。
【0080】
被ガイド部182の第1貫通孔184は、上ケース152の上周壁部158近傍に位置して天壁部156に形成されている。同様に、第2貫通孔186は、下ケース150の下周壁部162の近傍に位置して底壁部160に形成されている。すなわち、被ガイド部182は、これに挿通したガイドピン50が、テープロール106と、上周壁部158および下周壁部162との間隙に位置すると共に、上周壁部158および下周壁部162に添うように、形成されている。なお、上周壁部158および下周壁部162が、厚肉に形成されている場合には、被ガイド部182を、この上周壁部158および下周壁部162に貫通形成するようにしてもよい。
【0081】
上記の第1貫通孔184と第2貫通孔186は、プラテンローラー120の上軸受部232と下軸受部234(スプライン溝244を形成した環状係合部302)と組み合わせて見ると、上ケース152側から見ても、下ケース150側から見ても、互いに離れた距離で認識しやすい場所に存在している。よって、目の前にテープ印刷装置1を置き、カートリッジ装着部5を見ながらテープカートリッジ100を手に取った時に、その表裏(スプライン溝244は外観が単なる穴と異なることで識別が容易)、前後左右の向きが容易に認識できるランドマークとして機能する。これにより、テープカートリッジ100を正しい向きに向かせ、カートリッジ装着部5へ装着することができる。
【0082】
また、テープカートリッジ100は、カートリッジケース130の左右両側面(把持可能な互いに反対側の面)に一対の指掛け突起304(把持部)を有し、把持動作するに際し指が滑り難く、確実にグリップができるようにしている。一対の指掛け突起304は、下ケース150における下周壁部162の左右の外面に一体に形成されている。
【0083】
しかし、指掛け突起304は必ずしも必要ではなく、テープ印刷装置1のカートリッジ装着部5の側板部33の左右側一部に窪入部16を設けることで、その窪入部16に対向するテープカートリッジ100の上周壁部158の部分をそのまま把持部として利用することもできる。その場合は把持する時のグリップ力は多少劣るものの、デザインとしてはすっきりとしたものとなる。前述の通り、第1貫通孔184と第2貫通孔186及び、プラテンローラー120の上軸受部232と下軸受部234(スプライン溝244を形成した環状係合部302)をランドマークとしてテープカートリッジ100の表裏、前後左右の向きが認識できる。よって、テープカートリッジ100をテープ印刷装置1のカートリッジ装着部5に装着するに際しては、指掛け突起304の有無にかかわらず必然的に、カートリッジ装着部5の側板部33の左右にある窪入部16に対応するテープカートリッジ100の上周壁部158の位置を把持部として使用することになる。
【0084】
このように構成されたテープカートリッジ100において、図8図9に示すように被ガイド部182は、平面視(着脱方向から見て)プラテンローラー120に対し、一対の指掛け突起304(把持部)を結ぶ仮想線L1を跨いで最遠位となるカートリッジケース130の遠位部位に配設されている。そして、被ガイド部182と、図8図9において右側の把持部に該当する指掛け突起304(プラテンローラー120から遠い方の把持部)との距離は、被ガイド部182と、図8図9において左側の把持部に該当する指掛け突起304(プラテンローラー120から近い方の把持部)との距離より短い。この位置関係は、2か所の指掛け突起304(把持部)を指で把持しながらテープカートリッジ100をテープ印刷装置1のカートリッジ装着部5に着脱するに際し、テープカートリッジ100の姿勢傾きや、力の入れ方のアンバランスが起こりにくい。また、引っ掛かりのないスムーズな着脱を可能にすると共に、プラテンローラー120と被ガイド部182とは、互いに距離の離れた位置に目視可能に存在することで、テープカートリッジ100を装着する向きを誤認する心配がない。
【0085】
また、このプラテンローラー120および被ガイド部182の配置位置に対応して、カートリッジ装着部5のプラテン支軸48(プラテン駆動軸45)およびガイドピン50が、それぞれ配設されている。そして、製造上におけるプラテンローラー120および被ガイド部182と、プラテン支軸48およびガイドピン50との位置的誤差は、プラテンローラー120がカートリッジケース130に余裕を持って軸支されていることで吸収される。
【0086】
[被ガイド部およびガイドピンの構造(第2実施形態)]
次に、図10を参照して、第2実施形態に係るテープカートリッジ100Aの被ガイド部182Aおよびプラテンローラー120の構造について、カートリッジ装着部5のガイドピン50およびプラテン駆動軸45の構造と共に詳細に説明する。また、第2実施形態では、主に第1実施形態と異なる部分について説明する。
【0087】
図10に示すように、第2実施形態におけるテープカートリッジ100Aの被ガイド部182Aは、カートリッジケース130の外周面に溝として凹設されている。具体的には、被ガイド部182Aは、下ケース150の上周壁部158および下ケース150の下周壁部162を、プラテンローラー120側に向かって、略半円状に窪入するように形成されている。この溝としての被ガイド部182Aは、プラテンローラー120とこの被ガイド部182Aとを結ぶ仮想線L2を考えると、その仮想線L2と交差する位置に壁があるような向きに凹設されている。その為、効果的にこの壁により着脱時にガイドがなされる。
【0088】
そしてこの場合も、被ガイド部182Aはプラテンローラー120に対し、一対の指掛け突起304を結ぶ仮想線L1を跨いで最遠位となる、カートリッジケース130の遠位部位に配設されている。また、このプラテンローラー120および被ガイド部182Aの配置位置に対応して、カートリッジ装着部5のプラテン支軸48(プラテン駆動軸45)およびガイドピン50が配設されている。
【0089】
以上のように、被ガイド部182,182Aが、プラテンローラー120に対し、一対の指掛け突起304を結ぶ仮想線L1を跨いで最遠位となる、カートリッジケース130の遠位部位に配設されているため、プラテンローラー120および被ガイド部182、182Aをランドマークとして正しい向きにテープカートリッジ100を2か所の指掛け突起304において把持することができる。また、テープカートリッジ100をテープ印刷装置1のカートリッジ装着部5に着脱するに際し、一対の指掛け突起304を介して、テープカートリッジ100,100Aに加える力が、被ガイド部182,182Aおよびプラテンローラー120に比較的均一に作用することで、テープカートリッジ100の姿勢傾きや力の入れ方のアンバランスが起こりにくく、引っ掛かりのないスムーズな着脱を可能にする。すなわち、向きを正した上での着脱に際し、摩擦抵抗の大きい被ガイド部182,182Aおよびプラテンローラー120に、着脱の力を均一に作用させることができる。このため、テープカートリッジ100,100Aが傾くことがなく、カートリッジ装着部5に対しテープカートリッジ100,100Aの着脱を円滑に行うことができる。
【0090】
また、プラテンローラー120に対し被ガイド部182,182Aを、十分に離間して配置しているため、装着する力や引抜く力が偏り難く、この点でも、カートリッジ装着部5に対しテープカートリッジ100,100Aの着脱を円滑に行うことができる。なお、本実施形態のガイドピン50および被ガイド部182は、断面円形としたが、断面半円形や断面多角形等であってもよい。また、プラテンローラー120(プラテン)とは別に、或いはプラテンローラー120に代えて、送りローラーが設けられている場合には、送りローラーの支軸を、プラテン支軸48に代えて、着脱ガイドとして機能させてもよい。
【符号の説明】
【0091】
5…カートリッジ装着部、31…装着ベース、45…プラテン駆動軸、48…プラテン支軸、49…回転駆動軸、50…ガイドピン、100…テープカートリッジ、106…テープロール、120…プラテンローラー、130…カートリッジケース、150…下ケース、152…上ケース、156…天壁部、158…上周壁部、160…底壁部、162…下周壁部、182…被ガイド部、184…第1貫通孔、186…第2貫通孔、232…上軸受部、234…下軸受部、240…ローラー基体、244…スプライン溝、260…装置フレーム、300…ローラー保持部、302…環状係合部、304…指掛け突起、L1…仮想線、L2…仮想線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10