特開2017-226256(P2017-226256A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 本田技研工業株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2017226256-シートの物品保持構造 図000003
  • 特開2017226256-シートの物品保持構造 図000004
  • 特開2017226256-シートの物品保持構造 図000005
  • 特開2017226256-シートの物品保持構造 図000006
  • 特開2017226256-シートの物品保持構造 図000007
  • 特開2017226256-シートの物品保持構造 図000008
  • 特開2017226256-シートの物品保持構造 図000009
  • 特開2017226256-シートの物品保持構造 図000010
  • 特開2017226256-シートの物品保持構造 図000011
  • 特開2017226256-シートの物品保持構造 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-226256(P2017-226256A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】シートの物品保持構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 7/04 20060101AFI20171201BHJP
   B60N 3/10 20060101ALN20171201BHJP
【FI】
   B60R7/04 S
   B60N3/10 A
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-122128(P2016-122128)
(22)【出願日】2016年6月20日
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】松本 学
(72)【発明者】
【氏名】湊 宗篤
(72)【発明者】
【氏名】横地 信夫
【テーマコード(参考)】
3B088
3D022
【Fターム(参考)】
3B088CA02
3B088LA02
3B088LB07
3D022CA01
3D022CB01
3D022CC21
3D022CD06
(57)【要約】
【課題】被保持体を安定的に保持することができるシートの物品保持構造を提供する。
【解決手段】シート1の物品保持構造は、シート1に設けられ、シート1との間に被保持体を保持するための保持部材40と、保持部材40における車幅方向の両端部を、シート1から離反可能な状態でシート1側に向かって付勢する引き込み手段60と、を備える。引き込み手段60は、保持部材40における車幅方向の一端部に固定された第1ストラップ61と、保持部材40における車幅方向の他端部に固定された第2ストラップ62と、第1ストラップ61および第2ストラップ62とシート1との間に接続され、第1ストラップ61および第2ストラップ62をシート1の内部に向かって付勢するスプリングと、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに設けられ、前記シートとの間に被保持体を保持するための保持部材と、
前記保持部材における所定方向の両端部を、前記シートから離反可能な状態で前記シート側に向かって付勢する引き込み手段と、
を備えることを特徴とするシートの物品保持構造。
【請求項2】
前記引き込み手段は、
前記保持部材における前記所定方向の一端部に固定され、前記保持部材の前記一端部から前記シートの内部に向かって延びる第1固定部材と、
前記保持部材における前記所定方向の他端部に固定され、前記保持部材の前記他端部から前記シートの内部に向かって延びる第2固定部材と、
前記第1固定部材および前記第2固定部材と、前記シートと、の間に接続され、前記第1固定部材および前記第2固定部材を前記シートの内部に向かって付勢する付勢体と、
を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のシートの物品保持構造。
【請求項3】
前記付勢体は、前記保持部材の前記所定方向における中間位置からオフセットして配置されている、
ことを特徴とする請求項2に記載のシートの物品保持構造。
【請求項4】
前記引き込み手段は、
前記保持部材における前記所定方向の一端部から前記シートに向かって延びる第1固定部材と、
前記保持部材における前記所定方向の他端部から前記シートに向かって延びる第2固定部材と、
を備え、
前記第1固定部材および前記第2固定部材は、伸縮可能に形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のシートの物品保持構造。
【請求項5】
前記第1固定部材は、前記シートに対して、前記シートの内部において第1固定部に固定され、
前記第2固定部材は、前記シートに対して、前記シートの内部において第2固定部に固定され、
前記第1固定部は、前記第2固定部よりも、前記所定方向における前記保持部材の前記他端部側に配置され、
前記第2固定部は、前記第1固定部よりも、前記所定方向における前記保持部材の前記一端部側に配置されている、
ことを特徴とする請求項4に記載のシートの物品保持構造。
【請求項6】
前記第1固定部材および前記第2固定部材は、一体形成され、
前記保持部材は、前記第1固定部材および前記第2固定部材を移動可能に支持している、
ことを特徴とする請求項4または5に記載のシートの物品保持構造。
【請求項7】
前記保持部材および前記引き込み手段は、前記シートの車幅方向の側部に取り付けられたカバー体に設けられ、
前記カバー体の前面には、前記保持部材と対向し、後方に向かって窪む凹部が形成されている、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のシートの物品保持構造。
【請求項8】
前記凹部は、前記被保持体を下方から支持する下面を備え、
前記下面は、前方に向かうに従い下方に向かって傾斜している、
ことを特徴とする請求項7に記載のシートの物品保持構造。
【請求項9】
前記保持部材は、前記シートの前部に設けられ、
前記保持部材の前面には、弾性を有する材料が配置されている、
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のシートの物品保持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートの物品保持構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用シートには、物品を保持するためのホルダが設けられることがある。例えば、特許文献1に記載の支持デバイス(ホルダ)は、当接部材と、可変の実働長さを有するとともに、当接部材に対して付属品(物品)を保持し得るように構成されたストラップと、ストラップの実働長さを調節するための調節手段と、を備えている。このストラップは、一端部が当接部材に対して固定された状態で、他端部が調節手段に取り付けられている。また、特許文献2に記載の引出し部材(ホルダ)は、上下に開口する枠状に形成され、シートクッションより引き出し可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2013−536115号公報
【特許文献2】特許第5332935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された構成では、ストラップの一端部が当接部材に対して固定されている。このため、ストラップにより物品を保持する際に、ストラップをその両端側から均等に引き込むことができないので、ストラップにより保持された物品がずれる可能性がある。よって、物品を安定的に保持することができないおそれがある。また、上記特許文献2に開示された構成では、引出し部材が自動的に引き込まれないので、引出部材により物品を挟み込んで安定的に保持することができない場合がある。
【0005】
そこで本発明は、被保持体を安定的に保持することができるシートの物品保持構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のシートの物品保持構造は、シート(例えば、実施形態のシート1およびシート101)に設けられ、前記シートとの間に被保持体を保持するための保持部材(例えば、実施形態の保持部材40および保持部材140)と、前記保持部材における所定方向の両端部を、前記シートから離反可能な状態で前記シート側に向かって付勢する引き込み手段(例えば、実施形態の引き込み手段60および引き込み手段160)と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、引き込み手段により保持部材の両端部をシート側に向かって付勢するので、保持部材によりシートとの間で被保持体を保持する際に、保持部材とシートとの間で被保持体がずれることを抑制できる。したがって、被保持体を安定的に保持することができるシートの物品保持構造を提供できる。
【0008】
上記のシートの物品保持構造において、前記引き込み手段は、前記保持部材における前記所定方向の一端部に固定され、前記保持部材の前記一端部から前記シートの内部に向かって延びる第1固定部材(例えば、実施形態の第1ストラップ61)と、前記保持部材における前記所定方向の他端部に固定され、前記保持部材の前記他端部から前記シートの内部に向かって延びる第2固定部材(例えば、実施形態の第2ストラップ62)と、前記第1固定部材および前記第2固定部材と、前記シートと、の間に接続され、前記第1固定部材および前記第2固定部材を前記シートの内部に向かって付勢する付勢体(例えば、実施形態のスプリング63)と、を備える、ことが望ましい。
【0009】
本発明によれば、付勢体により、第1固定部材および第2固定部材を介して、保持部材の両端部をシート側に向かって均等に付勢することができる。よって、保持部材によりシートとの間で被保持体を保持する際に、保持部材とシートとの間で被保持体がずれることを抑制できる。したがって、被保持体を安定的に保持することができるシートの物品保持構造を提供できる。
【0010】
上記のシートの物品保持構造において、前記付勢体は、前記保持部材の前記所定方向における中間位置からオフセットして配置されている、ことが望ましい。
【0011】
本発明によれば、付勢部材をシートの内部における偏った位置に配置できる。したがって、シートの物品保持構造の占める空間領域が大きくなることを抑制できる。
【0012】
上記のシートの物品保持構造において、前記引き込み手段は、前記保持部材における前記所定方向の一端部から前記シートに向かって延びる第1固定部材(例えば、実施形態の第1平ゴム部材161および第3平ゴム部材163)と、前記保持部材における前記所定方向の他端部から前記シートに向かって延びる第2固定部材(例えば、実施形態の第2平ゴム部材162および第4平ゴム部材164)と、を備え、前記第1固定部材および前記第2固定部材は、伸縮可能に形成されている、ことが望ましい。
【0013】
本発明によれば、第1固定部材および第2固定部材により、保持部材の両端部をシートに向かって均等に付勢することができる。よって、保持部材によりシートとの間で被保持体を保持する際に、保持部材とシートとの間で被保持体がずれることを抑制できる。したがって、被保持体を安定的に保持することができるシートの物品保持構造を提供できる。
【0014】
上記のシートの物品保持構造において、前記第1固定部材は、前記シートに対して、前記シートの内部において第1固定部(例えば、実施形態の第2ピン131B)に固定され、前記第2固定部材は、前記シートに対して、前記シートの内部において第2固定部(例えば、実施形態の第1ピン131A)に固定され、前記第1固定部は、前記第2固定部よりも、前記所定方向における前記保持部材の前記他端部側に配置され、前記第2固定部は、前記第1固定部よりも、前記所定方向における前記保持部材の前記一端部側に配置されている、ことが望ましい。
【0015】
本発明によれば、所定方向に直交する方向から見て、第1固定部材と第2固定部材とをシートの内部において互いに重なるように配置することができる。このため、第1固定部材および第2固定部材が占める領域が所定方向に大きくなることを防止しつつ、シートの内部において第1固定部材および第2固定部材を長尺に設けることができる。これにより、第1固定部材および第2固定部材の伸び量を確保することが可能となるので、被保持体を保持する際に保持部材をシートからより大きく離間させることができる。したがって、種々の大きさの被保持体を安定的に保持することができる省スペース化されたシートの物品保持構造を提供できる。
【0016】
上記のシートの物品保持構造において、前記第1固定部材および前記第2固定部材は、一体形成され、前記保持部材は、前記第1固定部材および前記第2固定部材を移動可能に支持している、ことが望ましい。
【0017】
本発明によれば、保持部材が一体形成された第1固定部材および第2固定部材を移動可能に支持しているので、第1固定部材および第2固定部材のそれぞれにかかる負荷を均等としつつ、保持部材を傾斜して配置することができる。したがって、種々の形状の被保持体を安定的に保持することができるシートの物品保持構造を提供できる。
【0018】
上記のシートの物品保持構造において、前記保持部材および前記引き込み手段は、前記シートの車幅方向の側部に取り付けられたカバー体(例えば、実施形態のカバー体14およびカバー体114)に設けられ、前記カバー体の前面には、前記保持部材と対向し、後方に向かって窪む凹部(例えば、実施形態の溝部25および溝部125)が形成されている、ことが望ましい。
【0019】
本発明によれば、保持部材とカバー体との間で被保持体を保持する際に、被保持体を凹部に収容することができるので、保持部材とカバー体との間から被保持体が脱落することを抑制できる。したがって、被保持体を安定的に保持することができるシートの物品保持構造を提供できる。
【0020】
上記のシートの物品保持構造において、前記凹部は、前記被保持体を下方から支持する下面(例えば、実施形態の下面28および下面128)を備え、前記下面は、前方に向かうに従い下方に向かって傾斜している、ことが望ましい。
【0021】
本発明によれば、被保持体に上方から下方に向かって大きな負荷がかかった際に、被保持体の下端部を前方に逃がすようにして、被保持体を凹部から脱落させることができる。したがって、被保持体に過度の荷重がかかった際に、被保持体、および凹部の下面を有するカバー体全体が破損することを防止できる。
【0022】
上記のシートの物品保持構造において、前記保持部材は、前記シートの前部に設けられ、前記保持部材の前面には、弾性を有する材料が配置されている、ことが望ましい。
【0023】
本発明によれば、例えば着座者の足が保持部材に接触した場合や、後方に向かってスライドした前方のシートが保持部材に接触した場合等に、傷が付くことを防止できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、引き込み手段により保持部材の両端部をシート側に向かって付勢するので、保持部材によりシートとの間で被保持体を保持する際に、保持部材とシートとの間で被保持体がずれることを抑制できる。したがって、被保持体を安定的に保持することができるシートの物品保持構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】第1実施形態に係るシートの斜視図である。
図2】第1実施形態に係るシートの要部の斜視図である。
図3図2のIII−III線における断面図である。
図4】第1実施形態に係るシートの要部の斜視図である。
図5図4のV−V線における断面図である。
図6】第2実施形態に係るシートの要部の斜視図である。
図7図6のVII−VII線における断面図である。
図8】第2実施形態に係る保持部材の斜視図である。
図9図6のIX−IX線における断面図である。
図10】第2実施形態に係るシートの要部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明における前後上下左右等の向きは、特に記載が無ければ車両における向きと同一とする。また、図中矢印UPは上方を、矢印FRは前方を、矢印LHは左方をそれぞれ示している。
【0027】
[第1実施形態]
第1実施形態のシート1の物品保持構造について説明する。
図1は、第1実施形態に係るシートの斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のシート1は、車両用シートであって、1名の乗員が着座可能な後列シートである。なお、以下の説明では、シート1として、右側のシートを例に挙げて説明する。
シート1は、車両の車体フロア上に固定されている。シート1は、シートクッション11と、シートクッション11の後端部に連結されたシートバック12と、シートバック12の上部に設けられたヘッドレスト13と、シートクッション11の車幅方向(所定方向)内側の側部に取り付けられたカバー体14と、を主に備えている。シートクッション11、シートバック12およびヘッドレスト13のそれぞれは、フレーム15(図3参照)と、図示しないパッド材と、シート表皮16と、を備えている。
【0028】
カバー体14は、例えば樹脂材料等により、車幅方向から見て前後方向に延びる形状に形成されている。カバー体14は、車幅方向外側に向かって開口する凹状に形成されている。カバー体14は、車幅方向外側の開口をシートクッション11の車幅方向内側の側面により塞ぐように配置され、シートクッション11との間に空間を形成している。カバー体14とシートクッション11との間に空間には、シートクッション11のフレーム15等が配置されている。
【0029】
図2は、第1実施形態に係るシートの要部の斜視図である。図3は、図2のIII−III線における断面図である。
カバー体14は、車幅方向を向く主壁部21と、主壁部21の外周縁から車幅方向外側に向かって延びる側壁部22と、を主に有している。図2および図3に示すように、側壁部22は、カバー体14の前部において、上下方向に長い矩形状に形成された前後方向を向く前壁部23(カバー体14の前面)を有する。前壁部23は、後方に向かって浅く凹む溝部25(凹部)と、溝部25の車幅方向内側に形成された第1切欠部29Aと、溝部25の車幅方向外側に形成された第2切欠部29Bと、を有する。
【0030】
図2に示すように、溝部25は、上下方向に沿って延在し、前後方向から見て前壁部23の形状に倣って上下方向に長い矩形状に形成されている。溝部25の上端部は、上方に向かって開口している。溝部25は、後方に位置して前後方向に略直交する平面状に形成された底面26と、底面26の車幅方向内側の端縁から前方に向かって延びる第1側面27Aと、底面26の車幅方向外側の端縁から前方に向かって延びる第2側面27Bと、底面26の下端縁から前方に向かって延びる下面28と、により形成されている。図3に示すように、第1側面27Aは、前方に向かうに従い車幅方向内側に向かって傾斜している。第2側面27Bは、前方に向かうに従い車幅方向外側に向かって傾斜している。図2に示すように、下面28は、前方に向かうに従い下方に向かって傾斜している。底面26、各側面27A,27Bおよび下面28は、互いに滑らかに連なっている。
【0031】
図3に示すように、各切欠部29A,29Bは、前壁部23の車幅方向両端部に形成されている。各切欠部29A,29Bは、後方に向かって切り欠かれた形状を有する。各切欠部29A,29Bは、前壁部23における上下方向中間部から上端部に亘って延在している。第1切欠部29Aの下端部には、後述する第1ストラップ61が挿通される挿通孔29Aaが形成されている。第2切欠部29Bの下端部には、後述する第2ストラップ62が挿通される挿通孔29Baが形成されている。各挿通孔29Aa,29Baは、上下方向に長く形成された長孔である。
【0032】
図2および図3に示すように、カバー体14の前部には、カバー体14の前部(溝部25)との間に、例えば飲料ボトルや携帯電話機等の被保持体を保持するための保持部材40が設けられている。保持部材40は、上下方向から見て後方に向かって開口するU字状に形成された板状の部材である。保持部材40は、車幅方向に延びる基部41と、基部41の車幅方向内側の端部から基部41と同等の幅で後方に向かって延びる第1側部42Aと、基部41の車幅方向外側の端部から基部41と同等の幅で後方に向かって延びる第2側部42Bと、を備えている。基部41および一対の側部42A,42Bは、滑らかに連なっている。
【0033】
保持部材40は、前後方向から見て車幅方向に長い矩形状に形成されている。保持部材40の車幅方向の寸法は、カバー体14の前壁部23の車幅方向の寸法と同等になっている。第1側部42Aの先端部42Aaは、カバー体14の前壁部23の第1切欠部29Aにおける下端部、すなわち挿通孔29Aaに対応する位置に配置されている。第2側部42Bの先端部42Baは、カバー体14の前壁部23の第2切欠部29Bにおける下端部、すなわち挿通孔29Baに対応する位置に配置されている。基部41は、溝部25に対して前後方向に間隔を開けて配置されている。
【0034】
保持部材40は、例えばポリプロピレン等の硬質の樹脂材料により形成された基材(不図示)の表面に、弾性を有する材料(エラストマー)により形成された表皮材43を配置することにより形成されている。少なくとも保持部材40の前面には、表皮材43が配置されている。また、保持部材40のうち、基部41の車幅方向中央部の上部には、第1装飾部材44が配置されている。第1装飾部材44は、表面に例えばめっきが施された部材であって、めっきされた表面を前方に向かって露出するように配置されている。また、保持部材40の各側部42A,42Bの先端部42Aa,42Baには、それぞれ第2装飾部材45が配置されている。第2装飾部材45は、硬質の樹脂材料により形成され、表面に例えば光沢を有する黒色に塗装されている。第2装飾部材45は、塗装された表面を露出するように配置されている。
【0035】
図4は、第1実施形態に係るシートの要部の斜視図である。
図3および図4に示すように、保持部材40の車幅方向両端部(各側部42A,42Bの先端部42Aa,42Ba)は、引き込み手段60によりカバー体14の前部に向かって、カバー体14から離反可能な状態で付勢されている。引き込み手段60は、第1ストラップ61(第1固定部材)と、第2ストラップ62(第2固定部材)と、スプリング63(付勢体)と、を有する。
【0036】
第1ストラップ61は、非伸縮性の材料により柔軟な帯状に形成されている。第1ストラップ61は、保持部材40の第1側部42Aの先端部42Aa(保持部材40の車幅方向内側の端部)に固定されている。第1ストラップ61は、第1側部42Aの先端部42Aaから、カバー体14の第1切欠部29Aの挿通孔29Aaを通って、カバー体14の内部まで延びている。第1ストラップ61の先端部61aには、スプリング63の一端部63aが接続されている。
【0037】
第2ストラップ62は、第1ストラップ61と同様に、非伸縮性の材料により柔軟な帯状に形成されている。第2ストラップ62は、保持部材40の第2側部42Bの先端部42Ba(保持部材40の車幅方向外側の端部)に固定されている。第2ストラップ62は、第2側部42Bの先端部42Baから、カバー体14の第2切欠部29Bの挿通孔29Baを通って、カバー体14の内部まで延びている。第2ストラップ62は、カバー体14の内部において、挿通孔29Baの内周縁と接触して車幅方向内側に向かって曲がり、さらにカバー体14の内部に設けられたピン24に接触して、後方に向かって曲がっている。第2ストラップ62の先端部62aは、第1ストラップ61の先端部61aと近接して配置されている。第2ストラップ62の先端部62aには、スプリング63の一端部63aが接続されている。
【0038】
図3に示すように、スプリング63は、コイルスプリングであって、第1ストラップ61の先端部61a、および第2ストラップ62の先端部62aと、カバー体14と、の間に接続されている。スプリング63は、前後方向から見て保持部材40の車幅方向における中間位置から、車幅方向内側にオフセットした位置に配置されている。スプリング63は、第1ストラップ61および第2ストラップ62をカバー体14の内部に向かって引き込む方向に付勢している。これにより、スプリング63は、第1ストラップ61および第2ストラップ62を介して、保持部材40の車幅方向両端部をカバー体14側(すなわち後方)に向かって付勢し、保持部材40をカバー体14に接触させている。
【0039】
これら保持部材40、第1ストラップ61、第2ストラップ62およびスプリング63により、シート1の物品保持構造を構成している。以下、シート1の物品保持構造の作用について説明する。
図4に示すように、保持部材40により被保持体を保持する際には、保持部材40を前方に向かって移動させる。これにより、カバー体14と保持部材40との間に隙間が形成される。この隙間に被保持体を上方から挿入し、被保持体を溝部25内に収容する。そして、保持部材40をスプリング63の付勢力によりカバー体14に向かって移動させる。その結果、カバー体14と保持部材40との間に配置された被保持体は、溝部25の下面28により下方から支持されるとともに、カバー体14と保持部材40とに挟まれて保持される。
【0040】
このように、本実施形態では、保持部材40の車幅方向両端部をカバー体14側に向かって付勢する引き込み手段60を備える構成とした。特に、本実施形態では、引き込み手段60が、保持部材40における車幅方向内側端部に固定された第1ストラップ61と、保持部材40における車幅方向外側端部に固定された第2ストラップ62と、第1ストラップ61および第2ストラップ62をカバー体14の内側に向かって付勢するスプリング63と、を備える構成とした。
【0041】
この構成によれば、スプリング63により、第1ストラップ61および第2ストラップ62を介して、保持部材40の車幅方向両端部をカバー体14に向かって均等に付勢することができる。よって、保持部材40によりカバー体14との間で被保持体を保持する際に、保持部材40とカバー体14との間で被保持体がずれることを抑制できる。したがって、被保持体を安定的に保持することができるシート1の物品保持構造を提供できる。
【0042】
また、保持部材40の車幅方向両端部が均等に付勢されるので、保持部材40をカバー体14から離反させる場合に、保持部材40を車幅方向にずらさずに引き出すことができる。よって、保持部材40により被保持体を保持する状態において、外観意匠性が低下することを防止できる。
【0043】
また、保持部材40は、柔軟な第1ストラップ61および第2ストラップ62を介してシート1に接続されているので、シート1に対して自由に変位できる。したがって、保持部材40に荷重がかかった場合でも、保持部材40を荷重から逃がすことができ、保持部材40が破損することを防止できる。
【0044】
また、第1ストラップ61および第2ストラップ62は、柔軟に形成されているので、保持部材40とカバー体14との間に大きな被保持体を保持する場合であっても、第1ストラップ61と第2ストラップ62との間に被保持体を収容することができる。したがって、種々の大きさの被保持体を安定的に保持することができる。
【0045】
また、スプリング63は、保持部材40の車幅における中間位置からオフセットして配置されているので、スプリング63をカバー体14の内部における偏った位置に配置できる。したがって、シート1の物品保持構造の占める空間領域が大きくなることを抑制できる。
【0046】
また、カバー体14の前壁部23には、保持部材40と対向し、後方に向かって窪む溝部25が形成されている。このため、保持部材40とカバー体14との間で被保持体を保持する際に、被保持体を溝部25に収容することができるので、保持部材40とカバー体14との間から被保持体が脱落することを抑制できる。したがって、被保持体をより安定的に保持することができる。
【0047】
しかも、溝部25は、被保持体を下方から支持する下面28を備え、下面28は、前方に向かうに従い下方に向かって傾斜しているので、図5に示すように、被保持体Sに上方から下方に向かって大きな負荷がかかった際に、被保持体Sの下端部を前方に逃がすようにして、被保持体Sを溝部25から脱落させることができる。したがって、被保持体に過度の荷重がかかった際に被保持体、および溝部25の下面28を有するカバー体14全体が破損することを防止できる。
【0048】
また、保持部材40の前面には、弾性を有する材料により形成された表皮材43が配置されているので、例えば着座者の足が保持部材40に接触した場合や、後方に向かってスライドした前方のシート(不図示)が保持部材40に接触した場合等に、傷が付くことを防止できる。
【0049】
[第2実施形態]
第2実施形態のシート101の物品保持構造について説明する。なお、図1に示す第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図6は、第2実施形態に係るシートの要部の斜視図である。
図6に示すように、本実施形態のシート101は、シートクッション11の車幅方向内側の側部に取り付けられたカバー体114を備えている。
カバー体114は、車幅方向から見て前後方向に延びる形状に形成されたカバー本体117と、カバー本体117の前端部に固定された前カバー118と、を備えている。前カバー118は、例えば樹脂材料等により、上下方向に長い直方体状に形成されている。前カバー118は、上下方向に長い矩形状に形成された前後方向を向く前壁部121を有する。
【0050】
前壁部121は、後方に向かって凹む溝部125(凹部)を有する。溝部125は、上下方向に沿って延在し、前後方向から見て前壁部121の形状に倣って上下方向に長い矩形状に形成されている。溝部125の上端部は、上方に向かって開口している。溝部125は、後方に位置する底面126と、底面126の車幅方向内側の端縁から前方に向かって延びる第1側面127Aと、底面126の車幅方向外側の端縁から前方に向かって延びる第2側面127Bと、底面126の下端縁から前方に向かって延びる下面128(図10参照)と、により形成されている。
【0051】
図7は、図6のVII−VII線における断面図である。
図7に示すように、底面126には、後方に向かって窪む窪み129が形成されている。窪み129は、底面126における車幅方向中央部に形成され、上下方向に沿って一様に延在している。窪み129は、上下方向から見て円弧状に形成されている。第1側面127Aは、前方に向かうに従い車幅方向内側に向かって傾斜している。第2側面127Bは、前方に向かうに従い車幅方向外側に向かって傾斜している。図10に示すように、下面128は、前方に向かうに従い下方に向かって傾斜している。底面126、各側面127A,127Bおよび下面128は、滑らかに連なっている。
【0052】
図7に示すように、前壁部121には、4個の挿通孔121aが形成されている(図7では2個のみ図示)。各挿通孔121aは、溝部125の車幅方向両端部近傍にそれぞれ2個ずつ、上下に並んで形成されている。各挿通孔121aは、上下方向に長く形成された長孔である。各挿通孔121aには、後述する第1平ゴム部材161〜第4平ゴム部材164が挿通される。
【0053】
前カバー118の内側には、上下方向に延在する円柱状の第1ピン131A(第2固定部)および第2ピン131B(第1固定部)が配置されている。各ピン131A,131Bは、前壁部121の後面に対して僅かに離間した状態で配置されている。第1ピン131Aは、複数の挿通孔121aのうち車幅方向内側に形成された挿通孔121aよりも、僅かに車幅方向外側に配置されている。第2ピン131Bは、複数の挿通孔121aのうち車幅方向外側に形成された挿通孔121aよりも、僅かに車幅方向内側に配置されている。
【0054】
図6に示すように、前カバー118の前部には、前カバー118との間に被保持体を保持するための保持部材140が設けられている。保持部材140は、前後方向から見て矩形状に形成された部材である。保持部材140の車幅方向の寸法は、前カバー118の車幅方向の寸法と同等になっている。保持部材140の上下方向の寸法は、前カバー118の溝部125の上下方向の寸法の半分程度となっている。
【0055】
図8は、第2実施形態に係る保持部材の斜視図である。図9は、図6のIX−IX線における断面図である。なお、図8では、前ケース141を二点鎖線で示している。
図8および図9に示すように、保持部材140は、後方に向かって開口する凹状の前ケース141と、前ケース141の開口を塞ぐように配置された後ケース142と、を有する。
【0056】
図9に示すように、前ケース141の前面は、車幅方向中央部において、前後方向に直交する方向に沿って延びるとともに、車幅方向両端部において後方に向かって湾曲している。前ケース141は、硬質な樹脂材料により形成された基材143の前面に、弾性を有する材料により形成された表皮材144を配置することにより形成されている。これら基材143および表皮材144は、例えば射出成形により一体形成されている。基材143の後面には、後述するタッピングネジ146が螺入される複数の円筒部143aが形成されている。複数の円筒部143aは、後方に向かって立設されている。複数の円筒部143aは、例えば前後方向から見た前ケース141の4箇所の角部近傍に形成されている。
【0057】
後ケース142は、前後方向に直交する方向に延びる板状に形成されている。後ケース142は、前ケース141の後部の開口形状に略一致する矩形板状に形成されている。後ケース142の後面には、前方に向かって凹む窪み145が上下方向に沿って一様に形成されている。窪み145は、後ケース142の車幅方向中央部に形成されている。窪み145は、上下方向から見て円弧状に形成されている。後ケース142は、前ケース141に対してタッピングネジ146により固定されている。後ケース142は、前ケース141との間に空間を形成するように配置されている。すなわち、保持部材140は、中空構造を有する。
【0058】
図10は、第2実施形態に係るシートの要部の斜視図である。
図10に示すように、保持部材140の車幅方向両端部は、引き込み手段160により前カバー118に向かって離反可能な状態で付勢されている。引き込み手段160は、保持部材140の車幅方向内側端部の上部を付勢する第1平ゴム部材161(第1固定部材)と、保持部材140の車幅方向外側端部の上部を第2平ゴム部材162(第2固定部材)と、保持部材140の車幅方向内側端部の下部を第3平ゴム部材163(第1固定部材)と、保持部材140の車幅方向外側端部の下部を第4平ゴム部材164(第2固定部材、図8参照)と、を有する。各平ゴム部材161〜164は、伸縮性を有する材料、例えばゴム等により、帯状に形成されている。
【0059】
図7に示すように、第1平ゴム部材161は、保持部材140の車幅方向内側端部における上部から前カバー118の内部に向かって延びている。第1平ゴム部材161は、保持部材140の内部から、保持部材140の後面に形成された貫通孔140a(図8参照)を通じて外部に引き出されている。第1平ゴム部材161は、前壁部121に形成された車幅方向内側かつ上側の挿通孔121aを通って、前カバー118の内側まで延びている。第1平ゴム部材161は、前カバー118の内側において、車幅方向外側に向かって曲がり、前壁部121の後面と第1ピン131Aとの間を通って、前壁部121の後面に沿って延びている。第1平ゴム部材161の先端部161aは、第2ピン131Bに固定されている。なお、第1平ゴム部材161と第2ピン131Bとの固定は、図示するように第1平ゴム部材161の先端をループ状に形成して第2ピン131Bを挿通させてもよいし、接着等により固定してもよい。
【0060】
第2平ゴム部材162は、保持部材140の車幅方向外側端部における上部から前カバー118の内部に向かって延びている。第2平ゴム部材162は、保持部材140の内部から、保持部材140の後面に形成された貫通孔140b(図8参照)を通じて外部に引き出されている。第2平ゴム部材162は、前壁部121に形成された車幅方向外側かつ上側の挿通孔121aを通って、前カバー118の内側まで延びている。第2平ゴム部材162は、前カバー118の内側において、第2ピン131Bを軸に車幅方向内側に向かって曲がり、第1平ゴム部材161の後方を向く面に沿って延びている。第2平ゴム部材162の先端部162aは、第1ピン131Aに固定されている。なお、第2平ゴム部材162と第1ピン131Aとの固定は、第2平ゴム部材162の先端をループ状に形成して第1ピン131Aを挿通させてもよいし、接着等により固定してもよい。
【0061】
第1平ゴム部材161および第2平ゴム部材162は、保持部材140の内部において接続している。本実施形態では、第1平ゴム部材161および第2平ゴム部材162は、一体形成された単一の部材である。第1平ゴム部材161および第2平ゴム部材162は、保持部材140の内部に変位自在に挿通されている。すなわち、第1平ゴム部材161および第2平ゴム部材162は、保持部材140に移動可能に支持されている。
【0062】
図10に示すように、第3平ゴム部材163は、保持部材140の下部における車幅方向内側端部から前カバー118の内部に向かって延びている。第3平ゴム部材163は、第1平ゴム部材161と同様に構成されている。
図8に示すように、第4平ゴム部材164は、保持部材140の下部における車幅方向外側端部から前カバー118(図10参照)の内部に向かって延びている。第4平ゴム部材164は、第2平ゴム部材162と同様に構成されている。
第3平ゴム部材163および第4平ゴム部材164は、保持部材140の内部において接続している。
【0063】
第1平ゴム部材161および第2平ゴム部材162、並びに第3平ゴム部材163および第4平ゴム部材164は、保持部材140を前カバー118側(すなわち後方)に向かって付勢し、保持部材140を前カバー118に接触させている。
【0064】
これら保持部材140および各平ゴム部材161〜164により、シート101の物品保持構造を構成している。以下、シート101の物品保持構造の作用について説明する。
図10に示すように、保持部材140により被保持体を保持する際には、保持部材140を前方に向かって移動させる。これにより、前カバー118と保持部材140との間に隙間が形成される。この隙間に被保持体を上方から挿入し、被保持体を溝部125内に収容する。そして、保持部材140を各平ゴム部材161〜164の付勢力により前カバー118に向かって移動させる。その結果、前カバー118と保持部材140との間に配置された被保持体は、溝部125の下面128により下方から支持されるとともに、前カバー118と保持部材140とに挟まれて保持される。
【0065】
このように、本実施形態では、保持部材140の車幅方向両端部を前カバー118側に向かって付勢する引き込み手段160を備える構成とした。特に、本実施形態では、引き込み手段160は、保持部材140における車幅方向内側端部から延びる第1平ゴム部材161および第3平ゴム部材163と、保持部材140における車幅方向外側端部から延びる第2平ゴム部材162および第4平ゴム部材164と、を備え、各平ゴム部材161〜164は、伸縮可能に形成された構成とした。
【0066】
この構成によれば、各平ゴム部材161〜164により、保持部材140の車幅方向両端部を前カバー118に向かって均等に付勢することができる。よって、保持部材140により前カバー118との間で被保持体を保持する際に、保持部材140と前カバー118との間で被保持体がずれることを抑制できる。したがって、被保持体をより安定的に保持することができる。
【0067】
また、保持部材140の車幅方向両端部が均等に付勢されるので、保持部材140を前カバー118から離反させる場合に、保持部材140を車幅方向にずらさずに引き出すことができる。これにより、保持部材140により被保持体を保持する状態において、外観意匠性が低下することを防止できる。
【0068】
また、保持部材140は、柔軟な各平ゴム部材161〜164を介してシート101に接続されているので、シート101に対して自由に変位できる。したがって、保持部材140に荷重がかかった場合でも、保持部材140を荷重から逃がすことができ、保持部材140が破損することを防止できる。
【0069】
また、各平ゴム部材161〜164は、柔軟に形成されているので、保持部材140と前カバー118との間に大きな被保持体を保持する場合であっても、第1平ゴム部材161と第2平ゴム部材162との間、および第3平ゴム部材163と第4平ゴム部材164との間に収容することができる。したがって、種々の大きさの被保持体を安定的に保持することができる。
【0070】
また、第1平ゴム部材161および第3平ゴム部材163は、前カバー118に対して第2ピン131Bに固定され、第2平ゴム部材162および第4平ゴム部材164は、前カバー118に対して第1ピン131Aに固定され、第2ピン131Bは、車幅方向における第1ピン131Aよりも保持部材140の車幅方向外側端部側に配置され、第1ピン131Aは、第2ピン131Bよりも、車幅方向における保持部材140の車幅方向内側端部側に配置されている構成とした。
【0071】
この構成によれば、前後方向から見て、第1平ゴム部材161と第2平ゴム部材162とを前カバー118の内部において互いに重なるように配置することができる。第3平ゴム部材163と第4平ゴム部材164とについても同様である。このため、各平ゴム部材161〜164が占める領域が所定方向に大きくなることを防止しつつ、前カバー118の内部において各平ゴム部材161〜164をそれぞれ長尺に設けることができる。これにより、各平ゴム部材161〜164の伸び量を確保することが可能となるので、被保持体を保持する際に保持部材140を前カバー118からより大きく離間させることができる。したがって、種々の大きさの被保持体を安定的に保持することができる省スペース化されたシートの物品保持構造を提供できる。
【0072】
また、保持部材140が一体形成された第1平ゴム部材161および第2平ゴム部材162、並びに第3平ゴム部材163および第4平ゴム部材164を移動可能に支持しているので、各平ゴム部材161〜164のそれぞれにかかる負荷を均等としつつ、保持部材140を車幅方向に対して前後方向に向けて傾斜して配置することができる。したがって、種々の形状の被保持体を安定的に保持することができる。
【0073】
また、前カバー118の前壁部121には、保持部材140と対向し、後方に向かって窪む溝部125が形成されている。このため、第1実施形態と同様に、被保持体をより安定的に保持することができる。
【0074】
しかも、溝部125は、被保持体を下方から支持する下面128を備え、下面128は、前方に向かうに従い下方に向かって傾斜しているので、第1実施形態と同様に、被保持体に過度の荷重がかかった際に被保持体、および溝部125の下面128を有する前カバー118全体が破損することを防止できる。
【0075】
また、保持部材140の前面には、弾性を有する材料により形成された表皮材144が配置されているので、着座者の足が保持部材140に接触した場合や、後方に向かってスライドした前方のシート(不図示)が保持部材140に接触した場合等に、傷が付くことを防止できる。
【0076】
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態においては、シート1,101の物品保持構造が、シート1,101の前部に設けられているが、これに限定されず、例えば後部や側部に設けられていてもよい。
【0077】
また、上記実施形態においては、シート1,101の物品保持構造が、後列シートに設けられた場合について説明しているが、これに限定されず、例えば助手席のシートに設けられていてもよい。
【0078】
また、上記第2実施形態では、引き込み手段160として各平ゴム部材161〜164が上下に一対ずつ設けられているが、これに限定されず、平ゴム部材が車幅方向に並んで一対だけ配置されていてもよい。
【0079】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【符号の説明】
【0080】
1,101…シート 14,114…カバー体 118…前カバー(カバー体) 25,125…溝部(凹部) 28,128…下面 40,140…保持部材 60,160…引き込み手段 61…第1ストラップ(第1固定部材) 62…第2ストラップ(第2固定部材) 63…スプリング(付勢体) 131A…第1ピン(第2固定部) 131B…第2ピン(第1固定部) 161…第1平ゴム部材(第1固定部材) 162…第2平ゴム部材(第2固定部材) 163…第3平ゴム部材(第1固定部材) 164…第4平ゴム部材(第2固定部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10