特開2017-226279(P2017-226279A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-226279(P2017-226279A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】燃料供給管の給油部構造
(51)【国際特許分類】
   B60K 15/04 20060101AFI20171201BHJP
   F02M 37/00 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   B60K15/04 E
   F02M37/00 301Q
   B60K15/04 F
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-122664(P2016-122664)
(22)【出願日】2016年6月21日
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】三浦 悠佑
【テーマコード(参考)】
3D038
【Fターム(参考)】
3D038CA25
3D038CB01
3D038CC14
3D038CD14
(57)【要約】
【課題】ドレン孔が設けられている場合であっても、給油時における揮発燃料の吸引効率の低下を抑制すること。
【解決手段】給油口18と接続口20とを有する筒状部12と、筒状部12の給油口18側に配置され、ノズルによって給油口18を開く第1フラップ機構26と、筒状部12に形成され、該筒状部12の内部と外部とを連通させるドレン孔24と、ドレン孔24を開閉するドレン孔開閉弁54とを備え、ドレン孔開閉弁54は、給油口18からノズルが挿入されて給油する際、ノズルに押圧されてドレン孔24を閉じる弁体部50を有する開閉機構56が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給油ガンのノズルが挿入される開口と、燃料タンクへ燃料を供給する燃料供給管が接続された接続口とを有する筒部と、
前記筒部の前記開口側に配置され、前記ノズルが挿入されることにより前記開口を開くフラップ機構と、
前記筒部に形成され、該筒部の内部と外部とを連通させるドレン孔と、
前記ドレン孔を開閉するドレン孔開閉弁と、
を備え、
前記ドレン孔開閉弁は、前記ノズルが前記開口から挿入されたときに該ノズルに押圧されて前記ドレン孔を閉じる開閉機構を有することを特徴とする燃料供給管の給油部構造。
【請求項2】
請求項1記載の燃料供給管の給油部構造において、
前記開閉機構は、前記ノズルの外壁と当接するノズル当接部を備え、
前記ノズルが前記開口から挿入された際、前記ノズルの外壁の押圧力によって前記ノズル当接部が前記ドレン孔に近接する方向に変位することにより、弁体によって前記ドレン孔が閉塞された弁閉状態となることを特徴とする燃料供給管の給油部構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の燃料供給管の給油部構造において、
前記ノズル当接部は、前記開口側から前記接続口側に向けて立ち上がる傾斜面を有することを特徴とする燃料供給管の給油部構造。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の燃料供給管の給油部構造において、
前記筒部の前記接続口側に配置された他のフラップ機構をさらに備え、
前記他のフラップ機構は、前記ノズルが前記開口から挿入されたときに該ノズルに押圧されて前記接続口側の開口を開くことを特徴とする燃料供給管の給油部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給油口と燃料タンクとの間を連通接続する燃料供給管の給油部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関を備えた自動車等の車両には、給油ガンのノズルが挿入される給油口と燃料が溜められる燃料タンクとの間を連通接続する燃料供給管が設けられている。また、近年では、燃料の給油時における利便性を向上させるため、従来、給油口に設けているフューエルキャップを無くした、いわゆるキャップレス式の給油部構造が採用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、キャップレス式の給油部構造が開示され、この給油部は、シリンダ形状からなる外側カバーを備えている。外側カバーには、該外側カバーの内部空間内に進入した水や塵埃等を外部へ排出するドレン孔が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−71408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ガソリンスタンドの給油装置には、給油時の揮発燃料の大気への放出を抑制するため、給油と同時に揮発燃料をガソリンスタンドのタンク内に吸引する吸引機構を備えている場合がある。
【0006】
この吸引機構を備えた給油装置で給油を行った際、キャップレス式の給油部構造では、外部に連通するドレン孔から大気を同時に吸引してしまうため、揮発燃料の吸引効率が低下するおそれがある。
【0007】
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、ドレン孔が設けられている場合であっても、給油時における揮発燃料の吸引効率の低下を抑制することが可能な燃料供給管の給油部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するために、本発明は、給油ガンのノズルが挿入される開口と、燃料タンクへ燃料を供給する燃料供給管が接続された接続口とを有する筒部と、前記筒部の前記開口側に配置され、前記ノズルが挿入されることにより前記開口を開くフラップ機構と、前記筒部に形成され、該筒部の内部と外部とを連通させるドレン孔と、前記ドレン孔を開閉するドレン孔開閉弁と、を備え、前記ドレン孔開閉弁は、前記ノズルが前記開口から挿入されたときに該ノズルに押圧されて前記ドレン孔を閉じる開閉機構を有することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、給油時に揮発燃料を吸引した場合、開口から挿入された給油ガンのノズルに押圧されてドレン孔が閉じられた閉弁状態となる。この結果、本発明では、ドレン孔が設けられている場合であっても、給油時における揮発燃料の吸引効率の低下を抑制することができる。
【0010】
また、本発明は、前記開閉機構が、前記ノズルの外壁と当接するノズル当接部を備え、
前記ノズルが前記開口から挿入された際、前記ノズルの外壁の押圧力によって前記ノズル当接部が前記ドレン孔に近接する方向に変位することにより、弁体によって前記ドレン孔が閉塞された弁閉状態となることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、給油時に、開口から挿入されたノズルがノズル当接部に直接当接して弁体を変位させることで、ドレン孔開閉弁が弁閉状態となるようにしている。本発明では、このように構成することで、ドレン孔開閉弁を確実に弁閉状態とすることができると共に、ノズルの押圧力に影響しないで弁体が変位する間接的な機構を用いた場合と比較して、部品点数を削減して製造コストを低減することができる。
【0012】
さらに、本発明は、前記ノズル当接部が、前記開口側から前記接続口側に向けて立ち上がる傾斜面を有することを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、ノズル当接部に、開口側から接続口側に向けて立ち上がる傾斜面を設けることで、ノズル挿入時、ノズルがノズル当接部と引っ掛かることを抑制することができる。
【0014】
さらにまた、本発明は、前記筒部の前記接続口側に配置された他のフラップ機構をさらに備え、前記他のフラップ機構は、前記ノズルが前記開口から挿入されたときに該ノズルに押圧されて前記接続口側の開口を開くことを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、筒部の接続口側に他のフラップ機構が配置されることで、燃料供給管内への塵埃等の進入を確実に阻止することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、ドレン孔が設けられている場合であっても、給油時における揮発燃料の吸引効率の低下を抑制することが可能な燃料供給管の給油部構造を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る給油部構造を示す一部省略拡大断面図である。
図2】(a)及び(b)は、図1に示す開閉機構の動作説明に供される一部省略拡大断面図である。
図3】(a)は、本実施形態において、給油前の状態を示した断面図、(b)は、給油時に吸引機構によって吸引された状態を示す断面図である。
図4】(a)は、本出願人が案出した比較例において、給油前の状態を示した断面図、(b)は、比較例の給油時に吸引機構によって吸引された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る給油部構造を示す一部省略拡大断面図である。
【0019】
車両の所定部位には、図示しない燃料給油部が設けられている。この燃料給油部は、略円板状のリッド部(図示せず)と、リッド部を開閉自在に回動させるヒンジ部(図示せず)とを備えている。リッド部は、ロック機構によりリッド部の閉鎖状態を維持すると共に、車室内に設けられた解除レバーの操作によってロック解除状態となり、リッド部がヒンジ部を回動中心として所定角度回動して閉鎖状態から開放状態に切り換わる。
【0020】
図1に示されるように、本発明の実施形態に係る給油部構造10は、図示しない燃料給油部に適用され、円筒状の筒状部(筒部)12と、筒状部12から供給された燃料を燃料タンク14へ送給するフィラーパイプ(燃料供給管)16とを備えて構成されている。筒状部12は、給油ガンのノズルN(図2(a)、図2(b)参照)が挿入される給油口(開口)18と、燃料タンク12へ燃料を供給するフィラーパイプ16が接続された接続口20とを有する。
【0021】
筒状部12は、給油口18を形成する第1アウタ部材13aと、軸方向に沿って第1アウタ部材13aと一体的に組み付けられ、接続口20を形成する第2アウタ部材13bと、第1アウタ部材13aに外嵌され、後記するドレン孔24が形成されたカラ―部材13cとから構成されている。なお、ドレン孔24は、カラ―部材13cの孔部に装着されたゴム等のシール材料13dによって形成されている。
【0022】
筒状部12の軸方向に沿った給油口18と接続口20との間には、給油口18と接続口20とを連通させる内部空間部22が設けられている。また、筒状部12(カラ―部材13c)の中間には、内部空間部22と外部とを連通させるドレン孔24が形成されている。このドレン孔24は、貫通孔で形成されている。ドレン孔24は、筒状部12の内部空間部22内に進入した水や塵埃等を外部へ排出するためのものである。
【0023】
筒状部12の給油口18側には、第1フラップ機構(フラップ機構)26が配置されている。この第1フラップ機構26は、給油する際に給油口18を開閉するものである。例えば、後記するように、給油ガンのノズルNが給油口18から挿入されたとき、該ノズルNの先端に押圧されて給油口18が開かれる。
【0024】
第1フラップ機構26は、筒状部12の給油口18を開閉する左右の第1シャッタ部材28、28(但し、図1中では、一方の図示を省略している)を有する。この第1シャッタ部材28、28は、観音開き構造からなり、ノズルNが当接することにより、左右の第1シャッタ部材28、28が中央から両側に開口して、ノズルNが挿通可能に構成されている。
【0025】
筒状部12の接続口20側には、第2フラップ機構(他のフラップ機構)30が配置されている。この第2フラップ機構30は、給油する際に「接続口側の開口32」を開閉するものである。例えば、後記するように、給油ガンのノズルNが給油口18から挿入されたとき、該ノズルNの先端に押圧されて接続口側の開口32が開かれる(図3(b)参照)。筒状部12の接続口20側に第2フラップ機構30が配置されることで、フィラーパイプ16や燃料タンク14内への塵埃等の進入を確実に阻止することができる。
【0026】
第2フラップ機構30は、接続口側の開口32を開閉する第2シャッタ部材34と、第2シャッタ部材34の回動軸であるヒンジ部36と、ヒンジ部36に係着されて第2シャッタ部材34を閉状態へ付勢するばね部材38とを備えている。
【0027】
第2シャッタ部材34は、シャッタ本体34aを有する。シャッタ本体34aは、給油ガンのノズルNの先端と当接する当接面40を有する。シャッタ本体34aは、シャッタ本体34aの片側に配置されたヒンジ部36を回動中心として回動可能に設けられている。第2シャッタ部材34の回動動作によって、接続口側の開口32の下部に設けられた着座部位42に当接して接続口側の開口32が閉塞された閉状態と、着座部位42から離間して接続口側の開口32が開かれた開状態とが切り換えられる。
【0028】
筒状部12の給油口18と接続口20との間には、第1アウタ部材13aの内壁に装着され、スペーサとして機能する環状部材44と、第2アウタ部材13bの内壁に装着されるゴム製の内径部材46とがそれぞれ軸方向に沿って連続して配置されている。内径部材46の内側には、給油口18から接続口20に向かう方向において、筒状部12(第2アウタ部材13b)の内径側に向かって徐々に膨出するガイド部48が形成されている。
【0029】
ガイド部48は、給油口18から挿入されたノズルNが後記するノズル当接部60と当接するように、ノズルNをノズル当接部60の側(図1の紙面の右側)に向けて案内するものである。また、ガイド部48を設けることで、例えば、給油口18からのノズルNの挿入角度に拘わらず、ノズルNをノズル当接部60に確実に当接させることができる。
【0030】
第1アウタ部材13aには、後記する弁体部50のドレン孔24側への変位を規制する規制部52が設けられている。第2アウタ部材13bには、接続口側の開口32と、着座部位42とが形成されている。
【0031】
給油口18とドレン孔24との間には、ドレン孔24を開閉するドレン孔開閉弁54が配置されている。ドレン孔開閉弁54は、ノズルNが給油口18から挿入されたときに該ノズルNに押圧されてドレン孔24を閉じる開閉機構56を有する。
【0032】
開閉機構56は、弁体部(弁体)50と、弾性部58と、ノズル当接部60とを有し、これらは接続部を介して一体的に構成されている。弁体部50、弾性部58、及び、ノズル当接部60は、例えば、樹脂材料やゴム材料によって一体的に形成され、それぞれ、連動して一体的に変位するように設けられている。
【0033】
弁体部50は、断面矩形と断面山形とが結合された複合形状からなり、ドレン孔24に最も近接して配置され、ドレン孔24側に向かって変位(前進)することでドレン孔24を閉塞する(図2(a)参照)。また、弁体部50には、ドレン孔24側への変位を規制するストッパ62が設けられている。このストッパ62は、第1アウタ部材13aの規制部52と当接することで、弁体部50のドレン孔24側へのさらなる変位が規制される。
【0034】
弾性部58は、断面円形状で弾性力を有する中空体と、後記する板ばね部材64の先端が挿通されて板ばね部材64と係合する切欠部66とを有する。弁体部50とノズル当接部60との間に弾性部58を介在させることで、例えば、ノズル当接部60にノズルNが当接したときの振動や、弁体部50がドレン孔24に着座したときの振動を好適に吸収することができる。この結果、弁体部50によってドレン孔24を適切に閉状態とすることができる。
【0035】
ノズル当接部60は、弾性部58を起点として弁体部50と反対側に配置され、断面略三角形の山形形状で構成されている。また、ノズル当接部60は、給油口18側から接続口20側に向けて立ち上がる傾斜面68を有する。
【0036】
このノズル当接部60は、給油口18からノズルNが挿入された際、ノズルNの外壁と傾斜面68とが当接しノズルNの押圧力によってノズル当接部60を含む弁体部50全体がドレン孔24に近接する方向に変位する。これにより、ノズル当接部60と一体的に変位する弁体部50がシール部材13dに着座し、ドレン孔24が閉塞された弁閉状態となる。
【0037】
さらに、ノズル当接部60は、給油ガンのノズルNの先端側の下面部69と当接するように配置されていることが好ましい(図3(b)参照)。例えば、給油は、給油ガンのノズルNの先端側の下面部69を、給油部構造10に対してもたれかけた状態で行っている。そこで、ノズル当接部60をノズルNの先端側の下面部69と当接する位置に配置することで、ノズルNの自重によって弁体部50を確実にシール部材13dに着座させて弁閉状態とすることができる。なお、図3(b)において、「上下」は、鉛直上下方向を示している。
【0038】
板ばね部材64は、内径部材46に設けられた板ばね保持部70によって保持されている。この板ばね保持部70は、内径部材46に切り欠かれたスリットからなり、板ばね部材64をスリット内で挟持している。板ばね部材64は、帯状の矩形体からなり、スリット内に装着される被挟持部72と、被挟持部72から折曲して弾性部58の切欠部66内に臨む係合部74とを有する。
【0039】
板ばね部材66は、給油時以外の通常の状態において、ドレン孔開閉弁54が開弁状態となる方向(ドレン孔24が開かれる方向)へ付勢している(図2(b)参照)。
【0040】
本実施形態に係る給油構造10は、基本的に以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。図2(a)及び図2(b)は、図1に示す開閉機構の動作説明に供される一部省略拡大断面図である。以下、開閉機構56の動作について詳細に説明する。
【0041】
図1に示されるように、給油時以外の通常の状態では、板ばね部材64のばね力によって弁体部50がシール部材13dから離間し、ドレン孔24を介して内部空間部22と外部とが連通した状態に保持されている。
【0042】
本実施形態では、給油時以外の通常の状態において、ドレン孔開閉弁54が弁開状態となり、ドレン孔24を開状態とすることができる(図2(b)参照)。この結果、本実施形態では、通常の状態において、外部と連通するドレン孔24を介して内部空間部22内に進入した水や塵埃等を外部へ排出することができる。
【0043】
給油ガンのノズルNが給油口18から挿入された際、ノズルNの先端によって左右の第1シャッタ部材28、28が下方に押圧される。これにより、左右の第1シャッタ部材28、28が中央から両側に開口して、ノズルNが挿通可能となる。これにより、給油口18が開かれた開状態となる。
【0044】
さらに、給油口18から挿入されたノズルNが、さらにガイド部48の案内作用によって接続口20側に向かって進入し、ノズルNの外壁がノズル当接部60の傾斜面68に当接する。その際、ノズルNの押圧力によってノズル当接部60がドレン孔24側に向かって押圧され、ノズル当接部60、弾性部58、及び、弁体部50が一体的にドレン孔24側に向かって変位する。これにより、弁体部50は、シール部材13dに着座してドレン孔24が閉塞された閉弁状態となる(図2(a)参照)。なお、弁体部50は、ストッパ62が規制部52に当接することにより、その変位が規制される。
【0045】
図2(b)に示されるように、給油作業が終了してノズルNが給油口18から引き抜かれた際、弁体部50、弾性部58、及び、ノズル当接部60は、板ばね部材64のばね力によってドレン孔24から離間する方向に一体的に変位する。これにより、弁体部50は、シール部材13dから離間した原位置に復帰し、ドレン孔24が開弁状態となる。
【0046】
次に、給油時の揮発燃料の大気への放出を抑制するため、給油と同時に揮発燃料をガソリンスタンドのタンク内に吸引する吸引機構を備えた給油装置で給油を行った場合について説明する。
【0047】
図3(a)は、本実施形態において、給油前の状態を示した断面図、図3(b)は、給油時に吸引機構によって吸引された状態を示す断面図、図4(a)は、本出願人が案出した比較例において、給油前の状態を示した断面図、図4(b)は、比較例の給油時に吸引機構によって吸引された状態を示す断面図である。なお、図3(b)、及び、図4(b)において、参照数字80は、ノズルNを被覆するゴム製の蛇腹部を示している。
【0048】
本出願人が案出した比較例は、本実施形態に配置されたドレン孔開閉弁54(開閉機構56を含む)を除いて同じ構造で構成されている。よって、比較例において、本実施形態と同一の構成要素には、同一の参照符を付してその詳細な説明を省略する。
【0049】
比較例では、給油と同時に揮発燃料を吸引する吸引機構を備えた給油装置で給油を行った場合、外部に連通するドレン孔24から大気を同時に吸引してしまうため、揮発燃料の吸引効率が低下するおそれがある(図4(b)の白抜き矢印参照)。
【0050】
これに対して、本実施形態では、図3(a)に示されるように、給油時以外の通常時においてドレン孔24が開かれた状態にあるが、給油時にはドレン孔開閉弁54の開閉機構56が作動し、弁体部50がシール部材13dに着座してドレン孔24が閉じられた閉弁状態となる(図3(b)参照)。
【0051】
この結果、本実施形態では、給油と同時に揮発燃料を吸引する吸引機構を備えた給油装置で給油を行った場合、開閉機構56によってドレン孔24が閉じられた状態に保持されているため、給油時における揮発燃料の吸引効率の低下を好適に回避することができる。この結果、本実施形態では、比較例と比較して、給油時における揮発燃料の吸引量を増大させることができる(図3(b)の白抜き矢印参照)。
【0052】
さらに、本実施形態では、給油時に、給油口18から挿入されたノズルNがノズル当接部60に直接当接して弁体部50を変位させることで、ドレン孔開閉弁54が弁閉状態となるようにしている。本実施形態では、このように構成することで、ドレン孔開閉弁54を確実に弁閉状態とすることができる。また、本実施形態では、ノズルNの押圧力に影響しないで弁体部50が変位する間接的な機構を用いた場合と比較して、部品点数を削減して製造コストを低減することができる。
【0053】
さらにまた、本実施形態では、ノズル当接部60に、給油口18側から接続口20側に向けて立ち上がる傾斜面68を設けることで、ノズル挿入時、ノズルNがノズル当接部60と引っ掛かることを抑制することができる。この結果、ノズル当接部60に対してノズルNを円滑且つ安定して当接させることができる。
【符号の説明】
【0054】
10 給油部構造
12 筒状部(筒部)
14 燃料タンク
16 フィラーパイプ(燃料供給管)
18 給油口(開口)
20 接続口
24 ドレン孔
26 第1フラップ機構(フラップ機構)
30 第2フラップ機構(他のフラップ機構)
32 接続口側の開口
50 弁体部(弁体)
54 ドレン孔開閉弁
56 開閉機構
60 ノズル当接部
68 傾斜面
N ノズル
図1
図2
図3
図4