特開2017-226301(P2017-226301A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-226301(P2017-226301A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】ステアリングホイールユニット
(51)【国際特許分類】
   B62D 5/04 20060101AFI20171201BHJP
   B62D 1/20 20060101ALI20171201BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   B62D5/04
   B62D1/20
   B60R16/02 610J
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-123317(P2016-123317)
(22)【出願日】2016年6月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雅人
【テーマコード(参考)】
3D030
3D333
【Fターム(参考)】
3D030DC16
3D030DC39
3D333CB02
3D333CB13
3D333CC18
3D333CD08
3D333CD19
3D333CD31
3D333CE08
3D333CE34
3D333CE36
3D333CE41
(57)【要約】
【課題】ステアリングシャフトとの連結が解除された場合でも、運転者に警報を発してフェールセーフを図ることができるステアリングホイールユニットを提供する。
【解決手段】IG−ONした後、ステアリングホイールユニット4が接続されている場合、ロック機構38のアクチュエータ33により駆動されたピン32が爪30の挿入孔31に挿入され、ステアリングホイール2による操舵にともないアシスト動作を開始する。ステアリングホイールユニット4が接続されていない場合、車速が0より大きい場合には走行中にステアリングホイールユニット4が外れたと判断し、ハザードランプを点滅させ、車両を減速停止させる。車速が0である場合には停止時にステアリングホイールユニット4が未接続のままIG−ONされたと判断し、ウォーニングランプを点灯、警告音を発して、運転者に異常報知する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングシャフトの回転駆動を車輪に伝達して転舵するステアリング機構を備えた車両に取り付けられるステアリングホイールユニットであって、
ステアリングホイールと、
一方の端に前記ステアリングホイールを連結し、他方の端に前記ステアリングシャフトと着脱自在な連結部を設けたステアリングホイールシャフトと、
前記ステアリングホイールシャフトに操舵補助力を与える電動モータと、
前記ステアリングホイールシャフトに取り付けられ、前記電動モータの回転を減速して伝達する減速機構部と、
前記ステアリングホイールシャフトに付与される操舵トルクを検出するトルクセンサと、
前記操舵トルクに基づいて前記操舵補助力を演算し、前記電動モータを駆動制御する制御部と、
前記ステアリングホイールシャフト、前記減速機構部、前記電動モータ、前記トルクセンサおよび前記制御部を収容するハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、ダッシュボードの運転席に対向する面に開口する凹部に取り付けられたブラケットに収容された状態で前記ブラケットと係合する係合手段と、
前記ステアリングホイールシャフトの下端部および前記ステアリングシャフトの上端部の接続を検出し、接続状態を前記制御部へ出力するシャフトセンサと、
前記シャフトセンサの検出結果に基づいて前記制御部から出力される信号により前記係合手段を解除不能に固定するハウジングロック機構部と、を備えることを特徴とするステアリングホイールユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のステアリングホイールユニットにおいて、
前記制御部は、IGがオンであり、かつ前記ステアリングホイールシャフトと前記ステアリングシャフトとが正常に接続されている場合、前記ハウジングロック機構部を作動させることを特徴とするステアリングホイールユニット。
【請求項3】
請求項1に記載のステアリングホイールユニットにおいて、
前記制御部は、IGがオンであり、かつ前記ステアリングホイールシャフトと前記ステアリングシャフトとが正常に接続されていない場合、運転者に対して警告を行うとともに、前記車両を減速停止させることを特徴とするステアリングホイールユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリングホイールを着脱できるステアリングホイールユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のステアリングシャフトの先端部にステアリングホイールユニットを着脱可能に支持し、このステアリングホイールユニットに操舵力検出手段を組み込むようにした電動パワーステアリング装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような電動パワーステアリング装置において、操舵力検出手段の部品交換や部品修理等のメンテナンスを容易に行うことができたり、操舵力検出手段により検出された信号を信号取出手段によってステアリングホイールユニットの外部に取り出すことができたりするように考慮されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−159872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような電動パワーステアリング装置では、ステアリングシャフトの上端部に着脱可能に接続されたステアリングホイールユニットがIG−ON(イグニッションオン)中、特に車両走行中に意図せず外れるおそれがある。この場合、操舵を続行することが不可能となり運転者が危険な状態に陥る可能性がある。あるいは、電動パワーステアリング装置を構成する電動モータおよび電動モータを駆動制御する制御部がステアリングホイールユニット内に組み込まれている場合、ステアリングホイールユニットが意図せず外れると、電動パワーステアリング装置は制御不能となり、制御部から運転者に警報を発して車両を減速停止させることができない。この結果、操舵不能となりフェールセーフを図ることが不可能になる。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ステアリングシャフトとの連結が解除された場合でも、運転者に警報を発して速やかにフェールセーフを図ることができるステアリングホイールユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ステアリングシャフトの回転駆動を車輪に伝達して転舵するステアリング機構を備えた車両に取り付けられるステアリングホイールユニットであって、ステアリングホイールと、一方の端に前記ステアリングホイールを連結し、他方の端に前記ステアリングシャフトと着脱自在な連結部を設けたステアリングホイールシャフトと、前記ステアリングホイールシャフトに操舵補助力を与える電動モータと、前記ステアリングホイールシャフトに取り付けられ、前記電動モータの回転を減速して伝達する減速機構部と、前記ステアリングホイールシャフトに付与される操舵トルクを検出するトルクセンサと、前記操舵トルクに基づいて前記操舵補助力を演算し、前記電動モータを駆動制御する制御部と、前記ステアリングホイールシャフト、前記減速機構部、前記電動モータ、前記トルクセンサおよび前記制御部を収容するハウジングと、前記ハウジングに設けられ、ダッシュボードの運転席に対向する面に開口する凹部に取り付けられたブラケットに収容された状態で前記ブラケットと係合する係合手段と、前記ステアリングホイールシャフトの下端部および前記ステアリングシャフトの上端部の接続を検出し、接続状態を前記制御部へ出力するシャフトセンサと、前記シャフトセンサの検出結果に基づいて前記制御部から出力される信号により前記係合手段を解除不能に固定するハウジングロック機構部と、を備えることを要旨とする。
【0007】
上記構成によれば、ステアリングシャフトに接続され、ステアリングホイールの操作をステアリング機構に作用させるステアリングホイールユニットにおいて、制御部からの信号によりハウジングロック機構部を作動させて係合手段を解除不能に固定できるので、車両状態に応じてステアリングホイールユニットの着脱を不可能にすることができる。これにより、走行中にステアリングホイールユニットが外れて制御不能になる危険を回避し、フェールセーフを図ることが可能になる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のステアリングホイールユニットにおいて、前記制御部は、IGがオンであり、かつ前記ステアリングホイールシャフトと前記ステアリングシャフトとが正常に接続されている場合、前記ハウジングロック機構部を作動させることを要旨とする。
【0009】
上記構成によれば、IGがオン中であり、かつステアリングホイールユニットが正常にステアリングシャフトに接続されていると判断された場合、ハウジングロック機構部を作動させて係合手段を運転席側に固定して通常の車両操舵を行うことができる。これにより、車両走行中に意図せずステアリングホイールユニットが外れることを防止し、走行時のフェールセーフを図ることが可能になる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のステアリングホイールユニットにおいて、前記制御部は、IGがオンであり、かつ前記ステアリングホイールシャフトと前記ステアリングシャフトとが正常に接続されていない場合、運転者に対して警告を行うとともに、車両を停止させることを要旨とする。
【0011】
上記構成によれば、IGがオン中であり、かつステアリングホイールユニットがステアリングシャフトから外れていると判断された場合、運転者に異常を報知するとともに、走行中の場合、車両を減速停止することができる。これにより、異常発生時に速やかにフェールセーフを図ることができ、運転者の危険を回避することが可能になる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ステアリングシャフトとの連結が解除された場合でも、運転者に警報を発して速やかにフェールセーフを図ることができるステアリングホイールユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図。
図2図1のステアリングホイールユニットの概略構造を示す図。
図3】ステアリングホイールユニットの取り付け方法を示す図。
図4】ステアリングホイールユニットの係合手段を固定するハウジングロック機構部を示す図。
図5】車両状態による制御部の処理手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置について、図に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置1の概略構成を示す模式図である。
図1に示すように、電動パワーステアリング装置1は、車両のステアリング機構に関連して設けられ、このステアリング機構に操舵補助力を与えるためのものである。電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール2および操舵補助機構部を構成するアシスト制御機構3からなるステアリングホイールユニット4と、ラックアンドピニオン機構14とを備えている。アシスト制御機構3に接続されるステアリングホイール2は、図示しない車両に対して回転可能に支持されたステアリングホイールシャフト5に連結されている。ラックアンドピニオン機構14は、ピニオン(ピニオンギヤ)13に噛み合うラック(ラックギヤ)12を有して回転不能かつ車両の左右方向に移動可能に延びる転舵軸としてのラック軸(ラックバー)15を有している。
【0015】
アシスト制御機構3に含まれるアクチュエータは、ステアリングホイールシャフト5に対して付設され、ステアリングホイールシャフト5に操舵補助力(動力)を付与する。このアクチュエータは、ステアリングホイールユニット4を構成しており、減速機構19と電動モータ20とを備えている。アクチュエータの駆動源である電動モータ20は、後述の入力プーリ25、出力プーリ26、およびベルト27(共に図2参照)からなる減速機構19を介してステアリングホイールシャフト5に連結されている。電動モータ20の回転力は減速機構19により減速されて、この減速された回転力がアシストトルクとしてステアリングシャフト6に伝達される。
【0016】
電動モータ20は、図示しないCPU(マイコン)を含んだ電子制御ユニットを構成するECU(制御部)21によって制御され、例えば3相のブラシレスモータが使用されている。また、電動モータ20の回転軸の回転速度は、電動モータ20に内蔵されたレゾレルバ等の回転角センサ22によって検出される回転角度θmから演算される。ECU21は、CPUとCPUによって制御され電動モータ20に電力を供給する駆動回路(インバータ)とを備えている。なお、ECU21は、例えばCANにより他のECU等と接続され、相互に通信して操舵指令値や各種センサの検出値、モータ制御に必要な他の情報等の交換を行う。
【0017】
さらに、アシスト制御機構3は、図示しないトーションバーを介してステアリングホイールシャフト5の入力軸および出力軸間の相対回転変位量により操舵トルクτを検出するトルクセンサ16を備えている。上記回転角センサ22を含むこれらのトルクセンサ16および車両速度である車速Vを検出する外部の車速センサ23が検出した値は、ECU21に入力されて演算処理される。
【0018】
ステアリングシャフト6は、コラムシャフト7、インターミディエイトシャフト8、およびピニオンシャフト9からなり、ステアリングホイール2の回転にともないステアリングホイールシャフト5を介して一体的に回転する。そして、ピニオンシャフト9の回転により、ラック軸15が軸方向に往復動作する。
【0019】
ラック軸15の両端部にはそれぞれタイロッド10が結合されており、各タイロッド10は図示しないナックルアームを介して転舵輪11に連結されている。ステアリングホイール2が操作されてステアリングシャフト6が回転すると、この回転がラックアンドピニオン機構14によって車両の左右方向に沿うラック軸15の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪11の転舵が達成される。
【0020】
図2は、図1のステアリングホイールユニット4の概略構造を示す図である。
図2に示すように、ステアリングホイールユニット4は、ステアリングホイール2と、ステアリングホイールシャフト5を含むアシスト制御機構3とを備えている。ステアリングホイールシャフト5は、その上端においてステアリングホイール2に軸線回りに一体回転するように接続されている。ステアリングホイールシャフト5の下端の連結部にはコラムシャフト7が嵌め合わされている。ステアリングホイールシャフト5とコラムシャフト7とは、一体回転するように軸中心を一致させ連結されている。
【0021】
アシスト制御機構3は、ステアリングホイールシャフト5を覆い、略直方体形状に形成されたステアリングホイールハウジング24内に減速機構19、電動モータ20、ECU21、およびトルクセンサ17を収容して構成されている。電動モータ20は、回転軸および回転角センサ22(図1参照)を有しており、回転軸がステアリングホイールシャフト5にほぼ平行になるように配置されている。トルクセンサ17は、ステアリングホイールシャフト5の周囲に配置されている。ECU21は、ステアリングホイールハウジング24に取り付けられており、外部からの電源線および信号線からなる配線ケーブル35がコネクタ36にて接続されている。
【0022】
減速機構19は、プーリ・ベルト機構からなる減速機構部であり、例えば電動モータ20の回転軸に連結された歯付の入力プーリ25と、ステアリングホイールシャフト5に連結された入力プーリ25よりも大径である歯付の出力プーリ26と、入力プーリ25および出力プーリ26間に掛け渡された歯付のベルト27とを有している。入力プーリ25は、電動モータ20の回転軸の軸方向に一体回転可能に連結されている。出力プーリ26は、ステアリングホイールシャフト5の周囲を取り囲んで配置されている。
【0023】
電動モータ20の回転軸が回転すると、これにともなって、入力プーリ25が回転する。そして、入力プーリ25の回転はベルト27を介して出力プーリ26に伝達され、出力プーリ26が入力プーリ25の回転よりも低速で回転する。
【0024】
次に、図3は、ステアリングホイールユニット4の取り付け方法を示す図である。
図3に示すように、車両のダッシュボード28の前面(正面側)に開口する凹部34にステアリングホイールユニット4を収容し、固定するための金属製のブラケット29が取り付けられている。ブラケット29の後面(背面側側面)には、コラムシャフト7(ステアリングシャフト6)と、ECU21(図2参照)の相手側の配線ケーブル35およびコネクタ36が接続されている。ステアリングホイールユニット4のステアリングホイールハウジング24の左右側面には、複数(本実施形態では、2個)の金属製の厚肉板状の爪(係合手段)30が引っ張り、および押し出し可能に取り付けられている。例えば、爪30はばね機構等により通常は外側に押し出された状態で保持され、外部の押釦等の操作によって内側に引っ込んだ状態に保持される。各爪30には、ステアリングホイールユニット4を固定するために図示しない後述のロック用ピン32を通す挿入孔31が設けられている。また、ブラケット29の後面のコラムシャフト7とステアリングホイールシャフト5との連結部には、両シャフト5,7の接続を検出するためのシャフトセンサ(例えば、圧力センサ等)37が設置されている。検出結果はECU21(図2参照)に入力される。
【0025】
ここで、車両のダッシュボード28の運転席の前面に開口する凹部34に取り付けられたブラケット29の左右側面には爪30を係合させて固定するための図示しない切り欠き穴が設けられている。ステアリングホイールユニット4をブラケット29に取り付ける際、爪30が引っ込んだ状態にしてステアリングホイールユニット4をブラケット29の収容部に嵌め込む(図中、矢印方向)。ステアリングホイールユニット4が嵌め込まれた状態で、爪30がブラケット29の切り欠き穴を通ってダッシュボード28側に突出し、爪30が固定される。このとき、ステアリングホイールシャフト5の下端の連結部およびECU21(図2参照)の図示しないコネクタは、それぞれ相手側のコラムシャフト7の上端ならびに配線ケーブル35およびコネクタ36と正確な結合位置において嵌め込まれて固定される。
【0026】
図4は、ステアリングホイールユニット4(アシスト制御機構3)の爪30を固定するロック機構(ハウジングロック機構部)38を示す図である。
図4に示すように、爪30に設けられた挿入孔31と、ピン32と、ECU21(図2参照)から出力される信号に基づいてピン32を上下方向(図中、矢印方向)に駆動するアクチュエータ(駆動ユニット)33とによりロック機構38が構成されている。複数(本実施形態では、2個)の爪30がステアリングホイールハウジング24の外側に押し出され、ブラケット29の切り欠き穴の端面に接触した状態にある場合、アクチュエータ33によって駆動されたピン32が爪30に設けられた挿入孔31に挿入される。これにより、2つの爪30が引っ込んだ状態でアシスト制御機構3をブラケット29内の収容部に嵌め込み、爪30を再びブラケット29の外側に押し出した後、爪30をロック機構38によりロックすることによりアシスト制御機構3をブラケット29に確実に固定するとともに、意図せず外れることを防止ことができる。
【0027】
次に、図5は、車両状態によるECU21の処理手順を示すフローチャートである。なお、以下に示す制御ブロック(ステップS501〜S508)は、ECU21のCPU(マイコン、図示せず)が実行するプログラムにより実現され、所定の周期毎に各演算処理が繰り返し実行されることにより、複数のフェールセーフ出力を行う。
【0028】
図5に示すように、まず、CPUは、IG−ON(イグニッションオン)したか否かを判定する(ステップS501)。IG−ONしていないと判断した場合(ステップS501:NO)、CPUは処理を終了してフローを抜ける。
【0029】
IG−ONしたと判断した場合(ステップS501:YES)、車両側運転席のステアリングシャフト6とアシスト制御機構3のステアリングホイールユニット4との接続状態を判定する(ステップS502)。このとき、ステアリングホイールシャフト5の下端部とコラムシャフト7の上端部との連結部に設けられた接続確認用のシャフトセンサ37により両シャフト5,7の接続を確認する。また、ECU21に結合される信号の有無により配線ケーブル35およびコネクタ36の接続を電気的に検出することもできる。なお、ECU21が接続されていない場合、相互に通信する他のECU等によりECU21の異常を検知する。
【0030】
ステアリングホイールユニット4が正常に接続されていることが確認された場合(ステップS502:YES)、ロック機構38をオン、すなわちアクチュエータ33によりピン32を駆動させて爪30の挿入孔31に挿入する(ステップS503)。続いて、ステアリングホイール2による操舵にともないアシスト動作を開始する(ステップS504)。その後、処理を終了してフローを抜ける。
【0031】
ステアリングホイールユニット4が接続されていない(かつIG−ON中)と判断された場合(ステップS502:NO)、引き続き車両が走行中か否かを判定する(ステップS505)。
車速Vが0より大きい場合(ステップS505:YES)、走行中にステアリングホイールユニット4が外れたと判断し、ハザードランプを点滅させ(ステップS506)、車両を減速停止させる(ステップS507)。その後、処理を終了してフローを抜ける。
【0032】
車速Vが0である場合(ステップS505:NO)、停止時にステアリングホイールユニット4が未接続のままIG−ONされたと判断し、ウォーニングランプを点灯するとともに、警告音を発して、運転者に異常を報知する(ステップS508)。その後、処理を終了してフローを抜ける。
【0033】
以上により、IG−ONしたとき、ステアリングホイールユニット4の接続状態、および車両の走行状態により異常を検知し処置することによって、特にステアリングホイールユニット4が外れた場合であっても、車両のフェールセーフを図ることができる。
【0034】
次に、上記のように構成された本実施形態であるステアリングホイールユニット4の作用および効果について説明する。
【0035】
上記構成によれば、ステアリングシャフト6に接続され、ステアリングホイール2の操作をステアリング機構に作用させるステアリングホイールユニット4において、ECU21からの信号によりロック機構38を作動させて爪30を解除不能に固定することができる。このため、車両状態に応じてステアリングホイールユニット4の着脱を不可能にすることができる。
【0036】
また、IG−ON中であり、かつステアリングホイールユニット4がステアリングシャフト6(コラムシャフト7)に接続されていると判断された場合、ロック機構38を作動させて爪30をダッシュボード28に設けたブラケット29に固定して通常の車両操舵を行うことができる。さらに、IG−ON中であり、かつステアリングホイールユニット4がステアリングシャフト6から外れていると判断された場合、運転者に異常を報知するとともに、走行中の場合には車両を減速停止することができる。そして、ロック機構38を有してステアリングシャフト6およびダッシュボード28に着脱自在に形成されたステアリングホイールユニット4を用いた電動パワーステアリング装置1を搭載することができる。
【0037】
これにより、車両走行中に意図せずステアリングホイールユニット4が外れて制御不能になる危険を回避し、走行時のフェールセーフを図ることが可能になるとともに、ステアリングホイールユニット4が外れる異常発生時にも確実に対処できる。この結果、車両状態に応じて操舵不能を回避してフェールセーフを図ることができる電動パワーステアリング装置の実現が可能になる。
【0038】
以上のように、本実施形態によれば、ステアリングシャフトとの連結が解除された場合でも、運転者に警報を発して速やかにフェールセーフを図ることができるステアリングホイールユニットを提供できる。
【0039】
以上、本発明に係る一実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することも可能である。
【0040】
上記実施形態では、ステアリングホイールユニット4側に爪30を設けてブラケット29に係合してロック機構38により固定する例を示したが、これに限定されるものでなく、安定した固定ができてステアリングホイールユニット4側から容易にロックできるものであればよい。
【0041】
上記実施形態において、爪30を作動させる構成は適宜選定されてよい。例えば、レバーとコイルばねとにより爪30を動作させるものや、金属製のワイヤー等で爪30を引っ張って出し入れするようにしてもよい。
【0042】
上記実施形態では、ロック機構38のピン32を爪30に設けた挿入孔31に挿入して固定する例を示したが、これに限定されるものでなく、他の方法、例えば電磁クラッチ等を用いて爪30を固定、離脱するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1:電動パワーステアリング装置、2:ステアリングホイール、3:アシスト制御機構、4:ステアリングホイールユニット、5:ステアリングホイールシャフト、
6:ステアリングシャフト、7:コラムシャフト、8:インターミディエイトシャフト、9:ピニオンシャフト、10:タイロッド、11:転舵輪、12:ラック、
13:ピニオン、14:ラックアンドピニオン機構、15:ラック軸、
16:トルクセンサ、19:減速機構(減速機構部)、20:電動モータ、
21:ECU(制御部)、22:回転角センサ、23:車速センサ、
24:ステアリングホイールハウジング(ハウジング)、25:入力プーリ、
26:出力プーリ、27:ベルト、28:ダッシュボード、29:ブラケット、
30:爪(係合手段)、31:挿入孔、32:ピン、33:アクチュエータ、
34:凹部、35:配線ケーブル、36:コネクタ、
37:シャフトセンサ、38:ロック機構(ハウジングロック機構部)
τ:操舵トルク、V:車速、θm:回転角度
図1
図2
図3
図4
図5