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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-226381(P2017-226381A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】サイドエアバッグ装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/207 20060101AFI20171201BHJP
   B60R 21/231 20110101ALI20171201BHJP
   B60N 2/427 20060101ALI20171201BHJP
   B60N 2/58 20060101ALI20171201BHJP
   A47C 31/02 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   B60R21/207
   B60R21/231
   B60N2/427
   B60N2/58
   A47C31/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-125462(P2016-125462)
(22)【出願日】2016年6月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】平岩 卓也
(72)【発明者】
【氏名】飯田 崇
【テーマコード(参考)】
3B087
3D054
【Fターム(参考)】
3B087CD05
3B087DE03
3D054AA02
3D054AA03
3D054AA04
3D054AA07
3D054AA21
3D054BB23
3D054CC04
3D054CC06
3D054CC11
3D054EE20
3D054FF16
(57)【要約】
【課題】副膨張部を適切に膨張させて乗員を車内側へ好適に移動させる。
【解決手段】サイドエアバッグ装置におけるインフレータ41は、車両用シート12のシートバック14における車外側の側部18内に配置される。主膨張部51は、側部18に収納され、かつインフレータ41からの膨張用ガスにより膨張し、シートバック14から出て、車両用シート12に正規の姿勢で着座している乗員Pと車両の側壁部との間で前方へ向けて展開する。少なくとも主要部が上記側部18に収納された副膨張部85は、主膨張部51のシートバック14外部での展開に先立ち、インフレータ41からの膨張用ガスにより乗員Pを車内側へ押圧するように、シートバック14内で膨張する。サイドエアバッグ装置は、さらに、副膨張部85が、側部18の後端部に対し車内側に隣接する間隙G1に向けて膨張するのを規制する外テンションベルト101を規制手段として備える。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用シートのシートバックにおける車外側の側部内に配置されるインフレータと、
前記シートバックにおける車外側の側部に収納され、かつ前記インフレータから供給される膨張用ガスにより膨張し、前記シートバックから出て、前記車両用シートに正規の姿勢で着座している乗員と車両の側壁部との間で前方へ向けて展開する主膨張部と、
少なくとも主要部が、前記シートバックにおける車外側の側部に収納され、前記主膨張部のシートバック外部での展開に先立ち、前記インフレータからの膨張用ガスにより前記乗員を車内側へ押圧するように、前記シートバック内で膨張する副膨張部と
が設けられたエアバッグを備えるサイドエアバッグ装置であって、
前記副膨張部が、前記シートバックにおける車外側の側部の後端部に対し車内側に隣接する間隙に向けて膨張するのを規制する規制手段がさらに設けられているサイドエアバッグ装置。
【請求項2】
前記シートバック内には、その骨格部をなすシートフレームが配置されており、
前記シートフレームのうち、前記シートバックにおける車外側の側部に位置するものは、車外側のサイドフレーム部により構成されており、
前記規制手段は、車外側の前記サイドフレーム部の後端部に対し車内側に隣接する空間を前記間隙とし、前記副膨張部の前記間隙へ向かう膨張を規制する請求項1に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項3】
前記シートフレームは、車幅方向の中央部分であり、かつ前記シートバックの後端部に配置された受圧板と、前記受圧板を、同受圧板から離間した状態で取り囲む外フレーム部とを備え、
車外側の前記サイドフレーム部は、前記外フレーム部の一部により構成されており、
前記副膨張部は前記受圧板よりも前側に収納されており、
前記規制手段は、車外側の前記サイドフレーム部の後端部と前記受圧板との間の空間を前記間隙とし、前記副膨張部の前記間隙へ向かう膨張を規制する請求項2に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項4】
前記規制手段は、前記副膨張部を取り囲む外テンションベルトにより構成され、
前記外テンションベルトは、前記副膨張部の膨張に伴い緊張状態となって前記副膨張部の膨張形状を規制することで、前記副膨張部の前記間隙に向かう膨張を規制する請求項2又は3に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項5】
前記エアバッグは車外側の前記サイドフレーム部に固定され、
前記外テンションベルトは長尺状をなしており、
前記外テンションベルトの一端部には、車外側の前記サイドフレーム部に取付けられる被着部が設けられ、
前記外テンションベルトの他端部は、車外側の前記サイドフレーム部に対する前記エアバッグの固定箇所に隣接する箇所であって、前記副膨張部が膨張を完了したときに外テンションベルトが緊張した状態となる箇所に固定されている請求項4に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項6】
前記インフレータは、前記主膨張部内及び前記副膨張部内のいずれか一方に配置されており、
前記主膨張部及び前記副膨張部は、それぞれに設けられた連通口を介して連通されるとともに、それらの連通口の周囲に設けられた環状結合部により相互に結合されており、
前記外テンションベルトの前記他端部は、前記環状結合部の少なくとも一部により前記主膨張部及び前記副膨張部に固定されている請求項5に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項7】
前記規制手段は、前記副膨張部内に架け渡された長尺状の内テンションベルトにより構成され、
前記内テンションベルトは、前記副膨張部の膨張に伴い緊張状態となって前記副膨張部が前記間隙に向けて膨張するのを規制する請求項1〜3のいずれか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側突等により、車両用シートの側方から車両に衝撃が加わった場合に、車両用シートの外部及び内部でエアバッグを膨張させて、その車両用シートに着座している乗員を衝撃から保護するサイドエアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
側突等により車両に対し、車両用シートの側方から衝撃が加わった場合に、その車両用シートに着座している乗員を保護する装置として、サイドエアバッグ装置が広く知られている。このサイドエアバッグ装置では、一般に、インフレータと、インフレータから供給される膨張用ガスにより膨張するエアバッグとが、車両用シートのシートバック(背もたれ部)における車外側の側部内に組付けられている。
【0003】
上記サイドエアバッグ装置の一形態として、エアバッグが、主膨張部(主エアバッグ)と、副膨張部(補助エアバッグ)とを備えて構成されるものが、例えば、特許文献1に記載されている。主膨張部及び副膨張部は、いずれもシートバックにおける車外側の側部に収納されている。なお、部材名称に続くかっこ内の語句は、特許文献1で使用されている部材名称を示している。
【0004】
主膨張部は、インフレータから供給される膨張用ガスにより膨張し、シートバックから出て、乗員と車両の側壁部との間で前方へ向けて展開する。副膨張部は、上記主膨張部のシートバック外部での展開に先立ち、膨張用ガスにより乗員を車内側へ押圧するように、シートバック内で車内側へ向けて膨張する。この膨張した副膨張部により、シートバックのうち副膨張部よりも前側部分が押されて斜め前車内側へ膨らむ。この膨らんだ部分によって、シートバックにもたれている乗員の背中が押されて、乗員が車内側へ移動させられる。乗員と側壁部との間の空間が拡げられ、主膨張部が前方へ展開及び膨張しやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−23494号公報
【特許文献2】特開2011−105126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記サイドエアバッグ装置が、例えば、特許文献2に記載されているような車両用シートに適用された場合、次の懸念がある。
特許文献2に記載された車両用シートでは、シートバックの骨格部分をなすシートフレームとして、車幅方向の中央部分に配置された受圧板(樹脂プレート)と、その受圧板を、同受圧板から離間した状態で取り囲む外フレーム部とを備えるものが用いられている。受圧板は、車両用シートに着座した乗員の背中を安定した状態で支持するためのものであり、シートバックの後端部に配置されている。外フレーム部のうち、シートバックにおける車外側の側部に位置するものは、車外側のサイドフレーム部により構成されている。なお、部材名称に続くかっこ内の語句は、特許文献2で使用されている部材名称を示している。
【0007】
この車両用シートに上記サイドエアバッグ装置が適用される場合には、同サイドエアバッグ装置の主要部をなすエアバッグ及びインフレータが、シートバックにおける車外側の側部に組付けられる。副膨張部は、シートバックにおける車外側の側部のうち、受圧板よりも前側に収納される。そして、インフレータから膨張用ガスが噴出されると、主膨張部及び副膨張部がそれぞれ膨張される。この際、副膨張部が乗員によって前方から押されて、後方へ膨張し、車外側のサイドフレーム部と受圧板との間の間隙に入り込むと、シートバックのうち副膨張部よりも前側部分を押して斜め前車内側へ膨らませようとする副膨張部の反力が低下する。その結果、乗員を車内側へ移動させて、乗員と側壁部との間の空間を拡大させることが充分行なわれないおそれがある。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、副膨張部を適切に膨張させて乗員を車内側へ好適に移動させることのできるサイドエアバッグ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するサイドエアバッグ装置は、車両用シートのシートバックにおける車外側の側部内に配置されるインフレータと、前記シートバックにおける車外側の側部に収納され、かつ前記インフレータから供給される膨張用ガスにより膨張し、前記シートバックから出て、前記車両用シートに正規の姿勢で着座している乗員と車両の側壁部との間で前方へ向けて展開する主膨張部と、少なくとも主要部が、前記シートバックにおける車外側の側部に収納され、前記主膨張部のシートバック外部での展開に先立ち、前記インフレータからの膨張用ガスにより前記乗員を車内側へ押圧するように、前記シートバック内で膨張する副膨張部とが設けられたエアバッグを備えるサイドエアバッグ装置であって、前記副膨張部が、前記シートバックにおける車外側の側部の後端部に対し車内側に隣接する間隙に向けて膨張するのを規制する規制手段がさらに設けられている。
【0010】
上記の構成によれば、インフレータから膨張用ガスが噴出されると、主膨張部及び副膨張部がそれぞれ膨張する。主膨張部は、シートバックから出て、同シートバックに正規の姿勢でもたれている乗員と車両の側壁部との間で前方へ向けて展開する。副膨張部の膨張は、主膨張部のシートバック外部での展開に先立ち、乗員を車内側へ押圧するように、シートバック内で行なわれる。シートバックのうち副膨張部よりも前側部分が、その副膨張部によって押されて斜め前車内側へ膨らむ。このシートバックの膨らんだ部分によって、シートバックにもたれている乗員が車内側へ押さえられる。
【0011】
この際、仮に、副膨張部が、シートバックにおける車外側の側部の後端部に対し車内側に隣接する間隙に向けて膨張すると、シートバックのうち副膨張部よりも前側部分を押して斜め前車内側へ膨らませようとする副膨張部の反力が低下する。
【0012】
しかし、副膨張部は、上記間隙に向けて膨張することを規制手段によって規制される。従って、副膨張部内の膨張用ガスの圧力が受け止められて、上記反力が効率よく得られる。シートバックのうち副膨張部よりも前側部分が斜め前車内側へ膨らみ、乗員が車内側へ好適に移動させられる。
【0013】
乗員の車内側への移動により、乗員と側壁部との空間が拡げられ、主膨張部が前方へ展開しやすくなる。その結果、展開した主膨張部が、乗員と車内側へ入り込んでくる側壁部との間に介在してその乗員を拘束し、側壁部を通じて乗員に伝わる側方からの衝撃を緩和するといった、サイドエアバッグ装置本来の性能が発揮されやすくなる。
【0014】
上記サイドエアバッグ装置において、前記シートバック内には、その骨格部をなすシートフレームが配置されており、前記シートフレームのうち、前記シートバックにおける車外側の側部に位置するものは、車外側のサイドフレーム部により構成されており、前記規制手段は、車外側の前記サイドフレーム部の後端部に対し車内側に隣接する空間を前記間隙とし、前記副膨張部の前記間隙へ向かう膨張を規制することが好ましい。
【0015】
上記の構成によれば、シートバックの骨格部をなすシートフレームのうち、車外側のサイドフレーム部は、シートバックにおける車外側の側部に位置する。この車外側のサイドフレーム部の後端部に対し車内側に隣接する空間は、上記間隙とされる。そして、副膨張部がこの間隙に向けて膨張することは、規制手段によって規制される。
【0016】
上記サイドエアバッグ装置において、前記シートフレームは、車幅方向の中央部分であり、かつ前記シートバックの後端部に配置された受圧板と、前記受圧板を、同受圧板から離間した状態で取り囲む外フレーム部とを備え、車外側の前記サイドフレーム部は、前記外フレーム部の一部により構成されており、前記副膨張部は前記受圧板よりも前側に収納されており、前記規制手段は、車外側の前記サイドフレーム部の後端部と前記受圧板との間の空間を前記間隙とし、前記副膨張部の前記間隙へ向かう膨張を規制することが好ましい。
【0017】
上記の構成によれば、シートバック内の後端部では、車外側のサイドフレーム部と受圧板との間に間隙が存在する。一方、副膨張部は、シートバックのうち、受圧板よりも前側に収納されている。そのため、副膨張部が後方へ膨張すると、上記間隙に入り込むおそれがある。しかし、副膨張部が上記間隙へ向けて膨張することは、規制手段によって規制される。
【0018】
このように、シートフレームが受圧板と外フレーム部とを備えるシートバックにサイドエアバッグ装置が組込まれた場合、副膨張部が適切に膨張させられる。
上記サイドエアバッグ装置において、前記規制手段は、前記副膨張部を取り囲む外テンションベルトにより構成され、前記外テンションベルトは、前記副膨張部の膨張に伴い緊張状態となって前記副膨張部の膨張形状を規制することで、前記副膨張部の前記間隙に向かう膨張を規制することが好ましい。
【0019】
上記の構成によれば、インフレータから膨張用ガスを供給された副膨張部が膨張すると、その膨張に伴い、副膨張部を取り囲む外テンションベルトが緊張状態となる。この外テンションベルトにより、副膨張部の膨張形状が規制され、副膨張部が上記間隙に向けて膨張することを規制される。
【0020】
上記サイドエアバッグ装置において、前記エアバッグは車外側の前記サイドフレーム部に固定され、前記外テンションベルトは長尺状をなしており、前記外テンションベルトの一端部には、車外側の前記サイドフレーム部に取付けられる被着部が設けられ、前記外テンションベルトの他端部は、車外側の前記サイドフレーム部に対する前記エアバッグの固定箇所に隣接する箇所であって、前記副膨張部が膨張を完了したときに外テンションベルトが緊張した状態となる箇所に固定されていることが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、車外側のサイドフレーム部は、これに取付けられた外テンションベルトの被着部が動くのを規制する。また、車外側のサイドフレーム部は、外テンションベルトの他端部が動くのを規制する。これは、同他端部が、エアバッグのうち、車外側のサイドフレーム部に対する同エアバッグの固定箇所に隣接する箇所に固定されているからである。
【0022】
外テンションベルトにおいて、上記被着部と他端部との間の中間部分は、副膨張部の膨張に追従して動くことが可能である。しかも、上記他端部のエアバッグに対する固定箇所は、副膨張部が膨張を完了したときに外テンションベルトが緊張した状態となる箇所である。そのため、外テンションベルトは、副膨張部の膨張に伴い引っ張られて緊張状態となることで、その副膨張部の膨張形状を規制する。
【0023】
上記サイドエアバッグ装置において、前記インフレータは、前記主膨張部内及び前記副膨張部内のいずれか一方に配置されており、前記主膨張部及び前記副膨張部は、それぞれに設けられた連通口を介して連通されるとともに、それらの連通口の周囲に設けられた環状結合部により相互に結合されており、前記外テンションベルトの前記他端部は、前記環状結合部の少なくとも一部により前記主膨張部及び前記副膨張部に固定されていることが好ましい。
【0024】
上記の構成によれば、インフレータから噴出された膨張用ガスは、主膨張部及び副膨張部のうちインフレータの配置されたものに供給される。その膨張用ガスの一部は、主膨張部及び副膨張部のそれぞれに設けられた連通口を介して、主膨張部及び副膨張部のうちインフレータの配置されていないものに供給される。
【0025】
主膨張部の連通口と副膨張部の連通口とは、それらの周囲に設けられた環状結合部によって相互に結合されているところ、外テンションベルトの他端部は、この環状結合部の少なくとも一部を利用して主膨張部及び副膨張部に結合されている。このように、環状結合部は、主膨張部及び副膨張部を連通口の周りで結合するだけでなく、外テンションベルトの他端部を主膨張部及び副膨張部に結合している。従って、外テンションベルトの他端部を、エアバッグの上記箇所とは異なる箇所に結合する場合とは異なり、結合箇所を新たに設けなくてもすむ。
【0026】
上記サイドエアバッグ装置において、前記規制手段は、前記副膨張部内に架け渡された長尺状の内テンションベルトにより構成され、前記内テンションベルトは、前記副膨張部の膨張に伴い緊張状態となって前記副膨張部が前記間隙に向けて膨張するのを規制することが好ましい。
【0027】
上記の構成によれば、インフレータから膨張用ガスを供給された副膨張部が膨張すると、その膨張に伴い、副膨張部内に架け渡された内テンションベルトが緊張状態となる。この内テンションベルトにより、副膨張部の膨張形状が規制され、副膨張部が上記間隙に向けて膨張することを規制される。
【発明の効果】
【0028】
上記サイドエアバッグ装置によれば、副膨張部を適切に膨張させて乗員を車内側へ好適に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】サイドエアバッグ装置の一実施形態を示す図であり、同装置が設けられた車両用シートを乗員とともに示す側面図。
図2】一実施形態において、車両用シート、エアバッグ、乗員及び側壁部の位置関係を示す平面図。
図3】一実施形態におけるシートフレームを車両前方から見た正面図。
図4】一実施形態において、エアバッグが非膨張展開状態にされたエアバッグモジュールを車外側から見た側面図。
図5】一実施形態において、エアバッグが非膨張展開状態にされたエアバッグモジュールを車内側から見た部分側面図。
図6】一実施形態において、主膨張部と副膨張部とを分離した状態で示す側面図。
図7】一実施形態において、エアバッグの各構成部材をそれぞれ展開させた状態で示す部分分解斜視図。
図8図4のエアバッグモジュールの内部構造を乗員及び車両用シートとともに示す側断面図。
図9図4の9−9線断面図。
図10図4の10−10線断面図。
図11図4の11−11線断面図。
図12】一実施形態において、シートバックの内部構造を示す部分平断面図。
図13】一実施形態において、副膨張部が膨張を完了したときのシートバック内部の状態を示す部分平断面図。
図14】外テンションベルトのずれ抑制手段が設けられたサイドエアバッグ装置を説明する図であり、図5に対応する部分側面図。
図15】同じく外テンションベルトのずれ抑制手段が設けられたサイドエアバッグ装置を説明する図であり、図10に対応する断面図。
図16】上記実施形態とは異なる構成の外テンションベルトが用いられたサイドエアバッグ装置を説明する図であり、図13に対応する部分平断面図。
図17】規制手段として内テンションベルトが用いられたサイドエアバッグ装置を説明する図であり、図13に対応する部分平断面図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、サイドエアバッグ装置の一実施形態について、図1図13を参照して説明する。
なお、以下の記載においては、車両の前進方向を前方として説明し、車両の後進方向を後方として説明する。また、車両の幅方向(車幅方向)における中央部を基準とし、その中央部に近づく側を「車内側」とし、中央部から遠ざかる側を「車外側」とする。また、車両用シートには、衝突試験用のダミーと同様の体格を有する乗員が正規の姿勢で着座しているものとする。このダミーは、例えば国際統一側面衝突ダミー(WorldSID)のAM50(米国成人男性の50%をカバーするモデル)である。
【0031】
図1及び図2に示すように、車両10において側壁部11の車内側の近傍には、車両用シート12が配置されている。ここで、側壁部11とは、車両10の側部に配置された車両構成部材を指し、主としてドア、ピラー等がこれに該当する。例えば、前席に対応する側壁部11は、フロントドア、センターピラー(Bピラー)等である。また、後席に対応する側壁部11は、サイドドア(リヤドア)の後部、Cピラー、タイヤハウスの前部、リヤクォータ等である。
【0032】
車両用シート12は、シートクッション13と、そのシートクッション13の後側から起立し、かつ傾斜角度を調整可能に構成されたシートバック14と、シートバック14上に取付けられたヘッドレスト15とを備えている。車両用シート12は、シートバック14が前方を向く姿勢で車室内に配置されている。このように配置された車両用シート12の幅方向は、車幅方向と合致する。
【0033】
ここで、シートバック14の車幅方向における各部を区別するために、同方向における中間部分を中間部16といい、同方向における両側部分を側部17,18というものとする。
【0034】
図3及び図12に示すように、シートバック14の骨格部分は、シートフレーム20によって構成されている。シートフレーム20の周縁部分を構成する外フレーム部21は、一対のサイドフレーム部22,23と上フレーム部24とを備えている。各サイドフレーム部22,23は、金属板を曲げ加工することによって、上下方向へ延びる形状に形成されており、各側部17,18内に配置されている。上フレーム部24は、パイプ材を門形に屈曲させることによって形成されており、その両端部において、両サイドフレーム部22,23の上端部に固定されている。
【0035】
上フレーム部24には、車幅方向に延びる板状の上補助フレーム部25が架け渡されている。また、両サイドフレーム部22,23の下部間には、車幅方向に延びる板状の下補助フレーム部26が架け渡されている。上補助フレーム部25と下補助フレーム部26との間には、ばね材からなるロッド27が架け渡されている。ロッド27には、車両用シート12に着座した乗員Pの背中を安定した状態で支持するための受圧板28が前側から取付けられている。
【0036】
シートフレーム20の近傍には、ウレタンフォーム等の弾性材からなるシートパッド30が配設されている。シートパッド30の一部は、車外側のサイドフレーム部23の後側であって受圧板28から車外側に離間した箇所に位置している。シートパッド30の上記部分を、他の部分と区別するために、後パッド部30aというものとする。シートパッド30は、複数枚の表皮31によって被覆されている。隣り合う表皮31は、縫合により相互に結合されている。
【0037】
車外側の側部18及びその近傍であって車外側のサイドフレーム部23の周りには、収納部32が設けられている。収納部32は、サイドエアバッグ装置の主要部をなすエアバッグモジュールABMを組付けるための空間として設けられている。
【0038】
シートパッド30には、収納部32の斜め前車外側の角部から延びるスリット33が設けられている。また、車外側の側部18におけるシートパッド30の前角部には溝部34が設けられている。そして、シートパッド30において、これらのスリット33と溝部34とによって挟まれた箇所は薄肉状をなしており、後述するエアバッグ50の主膨張部51によって破断される破断予定部35を構成している。
【0039】
エアバッグモジュールABMは、ガス発生器40及びエアバッグ50を主要な構成部材として備えている。次に、これらの構成部材の各々について説明する。
<ガス発生器40>
図8及び図12に示すように、ガス発生器40は、インフレータ41と、そのインフレータ41を覆うリテーナ44とを備えている。ここでは、インフレータ41として、パイロタイプと呼ばれるタイプが採用されている。インフレータ41は、長尺状をなす本体部42と、本体部42よりも小径の円柱状をなし、かつ本体部42の一端部(上端部)に設けられたガス噴出部43とを備えている。本体部42の内部には、膨張用ガスを発生するガス発生剤(図示略)が収容されている。本体部42の他端部(下端部)には、インフレータ41への作動信号の入力配線となるハーネス(図示略)が接続されている。ガス噴出部43は、本体部42で生成された膨張用ガスを径方向外方へ噴出する。
【0040】
なお、インフレータ41としては、上記ガス発生剤を用いたパイロタイプに代えて、高圧ガスの充填された高圧ガスボンベの隔壁を火薬等によって破断して膨張用ガスを噴出させるタイプ(ハイブリッドタイプ)が用いられてもよい。
【0041】
一方、リテーナ44は、膨張用ガスの噴出する方向を制御するディフューザとして機能するとともに、インフレータ41をエアバッグ50等と一緒に車外側のサイドフレーム部23に締結する機能を有する部材である。リテーナ44の大部分は、金属板等の板材を曲げ加工等することによって略筒状に形成されている。リテーナ44においてガス噴出部43に対向する箇所には窓部(図示略)が設けられており、ガス噴出部43から噴出された膨張用ガスの一部がこの窓部を通じてリテーナ44の外部に供給される。
【0042】
リテーナ44には、これをサイドフレーム部23に取付けるための係止部材として、一対のボルト45が固定されている。なお、ガス発生器40は、インフレータ41とリテーナ44とが一体になったものであってもよい。
【0043】
図2及び図3に示すように、エアバッグ50の主要部は、主膨張部51と、これよりも容量の少ない副膨張部85とによって構成されている。主膨張部51は、膨張用ガスにより膨張してシートバック14から出て、同シートバック14に正規の姿勢でもたれている乗員Pと側壁部11との間で前方へ向けて展開する。これに対し、副膨張部85は、主膨張部51のシートバック14外部での展開に先立ち、膨張用ガスにより乗員Pの上半身を車内側へ押圧するようにシートバック14内の受圧板28よりも前側で膨張し、主膨張部51よりも早い時期に膨張を完了する。
【0044】
図4図6では、主膨張部51及び副膨張部85が、ともに膨張用ガスを充填させることなく平面状に展開させられた状態(以下「非膨張展開状態」という)で示されている。また、図7では、エアバッグ50の各構成部材がそれぞれ展開された状態で示されている。
【0045】
<主膨張部51>
図8には、車幅方向の中央部分で分離された主膨張部51が車両用シート12及び乗員Pとともに示されている。ただし、同図8では、副膨張部85の図示が省略されている。
【0046】
図4及び図6図8に示すように、主膨張部51は、1枚の布片(基布、パネル布等とも呼ばれる)を、折り線52に沿って二つ折りして車幅方向に重ね合わせ、その重ね合わされた部分を結合させることにより形成されている。ここでは、主膨張部51の重ね合わされた2つの部分を区別するために、車内側に位置するものを布部53といい、車外側に位置するものを布部54というものとする。
【0047】
各布部53,54は、主膨張部51が車両用シート12と側壁部11との間の空間で展開及び膨張したときに、その空間のうち、乗員Pの上半身の多くの部分(腰部PPから肩部PSにかけての部位)の側方となる領域を占有し得る形状及び大きさに形成されている(図1参照)。
【0048】
なお、本実施形態では、折り線52が主膨張部51の後端部に位置するように布片が二つ折りされているが、折り線52が主膨張部51の他の端部、例えば前端部、上端部、下端部等に位置するように布片が二つ折りされてもよい。また、主膨張部51は折り線52に沿って分割された2枚の布片からなるものであってもよい。さらに、主膨張部51は3枚以上の布片からなるものであってもよい。
【0049】
両布部53,54としては、強度が高く、かつ可撓性を有していて容易に折り畳むことのできる素材、例えばポリエステル糸、ポリアミド糸等を用いて形成した織布等が適している。
【0050】
両布部53,54の上記結合は、それらの周縁部に設けられた周縁結合部55においてなされている。本実施形態では、周縁結合部55は両布部53,54の周縁部のうち、後端部(折り線52の近傍部分)等を除く部分を、縫製(縫糸で縫合)することにより形成されている。このように、結合が縫製による点は、後述する各種結合部についても同様である。各種結合部とは、後縦結合部63,64、前縦結合部65、縦結合部72、上横結合部75、前縦結合部76、周縁結合部89、環状結合部91等である。
【0051】
上記縫製に関し、図4図6図8及び図14では、3つの線種によって縫製部分が表現されている。1つ目の線種は、一定長さの太線を断続的に並べて表現した線であり、これは、縫糸を側方から見た状態を示している(図4における周縁結合部55等参照)。2番目の線種は、一定長さ(一般的な破線よりも長い長さ)の細線を断続的に並べて表現した線であり、これは、例えば布片の奥に位置していて直接は見えない(隠れている)縫糸の状態を示している(図4における前縦結合部65等参照)。3番目の線種は、点を一定間隔おきに並べて表現した線であり、これは、縫製部分を通る面における縫糸の断面を示している(図8における周縁結合部55等参照)。
【0052】
なお、周縁結合部55は、上記縫糸を用いた縫合とは異なる手段、例えば接着剤を用いた接着によって形成されてもよい。この点は、上記各種結合部についても同様である。
主膨張部51内には、区画部60及びインナチューブ70が設けられている。これらの部材のうち、区画部60は、一般的にテザーと呼ばれるものと同様の構成を有している。
【0053】
<区画部60>
図4及び図6図8に示すように、区画部60は、主膨張部51を前後方向に2つの部屋(後膨張室56、前膨張室57)に区画するためのものであり、主膨張部51と同様の素材からなる一対の布部61,62によって構成されている。両布部61,62の下部は、下側ほど前方に位置するように傾斜している。こうした両布部61,62は、主膨張部51が非膨張展開状態にあるとき、車幅方向に重ねられた状態となる。両布部61,62の上端部は、上述した周縁結合部55の一部によって、主膨張部51の両布部53,54の上端部に対し、共縫いにより結合されている。また、区画部60における両布部61,62の前下端部は、上述した周縁結合部55の一部によって、主膨張部51の両布部53,54の前下部に対し、共縫いにより結合されている。
【0054】
車内側の布部61は、その後側の周縁部に沿って設けられた車内側の後縦結合部63によって車内側の布部53に結合されている。車外側の布部62は、その後側の周縁部に沿って設けられた車外側の後縦結合部64によって車外側の布部54に結合されている(図10参照)。
【0055】
区画部60の両布部61,62は、それらの前側の周縁部に沿って設けられた前縦結合部65によって相互に結合されている(図10参照)。区画部60は、上記形態の結合により、主膨張部51の両布部53,54間に架け渡されている。
【0056】
主膨張部51において区画部60よりも後側の空間は、後膨張室56を構成している。後膨張室56内の後端部には上記ガス発生器40が配置される。詳細については、後述する。後膨張室56は、インフレータ41からの膨張用ガスが前膨張室57に対するよりも早い時期から供給されて、乗員Pの上半身のうち、胸部PTの後半部の側方と、腰部PPの側方とで展開及び膨張する。
【0057】
また、主膨張部51において区画部60よりも前側の空間は、前膨張室57を構成している。前膨張室57は、後膨張室56及び区画部60を経由した膨張用ガスが供給されて、乗員Pの上半身のうち、胸部PTの前半部の側方と肩部PSの側方とで展開及び膨張する。
【0058】
区画部60には、後膨張室56と前膨張室57とを連通させる開口部66が形成されている。本実施形態では、開口部66は、区画部60における各布部61,62に一対ずつあけられた孔によって構成されている。
【0059】
なお、開口部66は、布部61,62毎に1つ又は3つ以上設けられてもよい。また、開口部66は、両布部61,62の片方にのみ設けられてもよい。
<インナチューブ70>
インナチューブ70は、上記後膨張室56内に配置されており、ガス発生器40の下端部を除く多くの部分を包み込んでいる。ガス発生器40において、インナチューブ70によって囲まれる部分には、インフレータ41のガス噴出部43が含まれる。インナチューブ70は、ガス噴出部43から噴出された膨張用ガスを整流する機能を有している。
【0060】
インナチューブ70の形成のために、主膨張部51と同様の素材からなる略矩形状をなす1枚の布片が用いられている。この布片としては、表面にシリコーン樹脂がコーティングされたものが用いられてもよい。
【0061】
展開された状態の上記布片の幅方向における中央部分には、上下方向に延びる折り線71が設定されている。布片は、上記折り線71を、展開された状態の主膨張部51の折り線52に合致させた状態で配置されている。布片は、折り線71,52に沿って設けられた縦結合部72によって、主膨張部51に結合されている。この結合により、インナチューブ70の主膨張部51に対する位置決めがなされている。
【0062】
布片は、上記折り線71に沿って二つ折りされて車幅方向に重ね合わされている。布片の上記の重ね合わされた2つの部分を区別するために、車内側に位置する部分を布部73といい、車外側に位置する部分を布部74というものとする。
【0063】
重ね合わされた両布部73,74は、それらの上縁部に沿って設けられた上横結合部75によって相互に結合されている。これに対し、重ね合わされた両布部73,74の下縁部は相互に結合されていない。また、重ね合わされた両布部73,74は、それらの前縁部に沿って設けられた前縦結合部76によって相互に結合されている。ただし、両布部73,74の前端上部では前縦結合部76が設けられておらず、両布部73,74は結合されていない。
【0064】
こうした形態の結合により、上端が閉塞され、かつ下端が開放され、さらに前上部が開放された、全体として略上下方向に延びる筒状のインナチューブ70が構成されている。このインナチューブ70の前上部における開放部分と下端の開放部分とは、インフレータ41のガス噴出部43からインナチューブ70に噴出された膨張用ガスをそれぞれ後膨張室56に供給するガス供給口77,78を構成している。
【0065】
重ね合わされた状態でそれぞれ二つ折りされた主膨張部51及びインナチューブ70の各後端部であって上下方向の中間部分には、折り線52,71に直交する方向へ延びるスリット81が形成されている(図7参照)。両布部53,54及び両布部73,74においてスリット81よりも下側部分は、主膨張部51及びインナチューブ70の他の部分の内側へ折り曲げた状態で入り込ませられた内折り部82となっている(図9参照)。主膨張部51における内折り部82の下端部は、周縁結合部55の一部によって両布部53,54の他の部分に結合(共縫い)されている。また、内折り部82の形成に伴い、スリット81が開かれて、ガス発生器40の挿入口83が形成されている。車内側の布部53,73において、スリット81(挿入口83)の上方には、ガス発生器40の一対のボルト45を挿通するためのボルト挿通孔58,84がそれぞれあけられている。
【0066】
そして、略上下方向へ延びる姿勢にされたガス発生器40の下端部を除く大部分は、上記挿入口83を通じて、主膨張部51の後膨張室56内の後端部であり、かつインナチューブ70内の後端部に挿通されている。ガス発生器40の下端部は主膨張部51の外部に露出されている。ガス発生器40のボルト45が対応するボルト挿通孔84,58に挿通されることにより、ガス発生器40が、インナチューブ70及び主膨張部51に対し位置決めされた状態で係止されている。
【0067】
<副膨張部85>
図4図5及び図7に示すように、副膨張部85は、主膨張部51と同様の素材からなる1枚の布片を、その幅方向における中央部分に設定した折り線86に沿って二つ折りして車幅方向に重ね合わせ、その重ね合わされた部分を結合させることにより形成されている。ここでは、副膨張部85の重ね合わされた2つの部分を区別するために、車外側に位置するもの(布部53に隣接するもの)を布部88といい、車内側に位置するもの(布部53に隣接しないもの)を布部87というものとする。
【0068】
各布部87,88は、副膨張部85が膨張したとき、乗員Pの肩部PSと同程度の高さに位置し、その肩部PSを車内側へ押圧し得る形状及び大きさに形成されている。
なお、本実施形態では、折り線86が副膨張部85の後端部に位置するように布片が二つ折りされているが、折り線86が副膨張部85の他の端部に位置するように布片が二つ折りされてもよい。また、副膨張部85は折り線86に沿って分割された2枚の布片からなるものであってもよい。さらに、副膨張部85は3枚以上の布片からなるものであってもよい。
【0069】
副膨張部85における両布部87,88の上記結合は、それらの周縁部のうち後端部(折り線86の近傍部分)等を除く部分に設けられた周縁結合部89においてなされている(図10図11参照)。「後端部等」には、重ね合わされた両布部87,88の後下部が含まれる。両布部87,88の上記後下部では、周縁結合部89は、その後下部を迂回するように屈曲している。副膨張部85において、周縁結合部89によって囲まれた領域は、膨張用ガスが供給されて膨張する膨張領域Z1を構成している。また、副膨張部85において、周縁結合部89によって囲まれていない領域、すなわち、膨張領域Z1の周りの領域は、膨張用ガスが供給されず膨張しない非膨張領域Z2を構成している。この非膨張領域Z2には上記後下部が含まれている。
【0070】
副膨張部85の膨張領域Z1内には、上記主膨張部51内におけるような区画部60やインナチューブ70に相当するものは設けられておらず、またインフレータ41は配置されていない。
【0071】
非膨張展開状態の副膨張部85は、その少なくとも一部を、同じく非膨張展開状態の主膨張部51に対し重ねられた状態で配置されている。本実施形態では、副膨張部85の上端部を除く大部分が、主膨張部51の上部に対し重ねられた状態で、副膨張部85の主膨張部51に対する配置がなされている(図5参照)。
【0072】
主膨張部51の後膨張室56、インナチューブ70、及び副膨張部85の膨張領域Z1において、インフレータ41のガス噴出部43の近傍であって、上記膨張領域Z1が主膨張部51に対し重なる部分には、それぞれ孔からなる連通口59,79,90が形成されている。主膨張部51、インナチューブ70及び副膨張部85は、それぞれの連通口59,79,90を介して連通されている(図10図11参照)。連通口59,79,90の開口面積は互いに同一、又は略同一であって共通している。
【0073】
本実施形態では、ガス噴出部43が、副膨張部85の膨張領域Z1と主膨張部51との重なり部分であり、かつ連通口59,79,90と本体部42との間に位置するようにインフレータ41が配置されることで、ガス噴出部43が連通口59,79,90に接近した箇所に位置している。
【0074】
そして、主膨張部51、インナチューブ70及び副膨張部85は、それぞれの連通口59,79,90の周囲に設けられた環状結合部91のみにより、相互に結合されている。
両布部87,88の上記非膨張領域Z2のうち上記後下部には、ガス発生器40の一対のボルト45を挿通するためのボルト挿通孔92があけられている。そして、インナチューブ70及び主膨張部51の両者に挿通された上記インフレータ41のボルト45が、副膨張部85における両布部87,88のボルト挿通孔92に挿通されている。
【0075】
ところで、図12に示すように、ガス発生器40及びエアバッグ50を主要な構成部材として有するエアバッグモジュールABMは、シートバック14における車外側の側部18等における収納部32に収容されている。
【0076】
ガス発生器40から延びて、インナチューブ70、主膨張部51及び副膨張部85のそれぞれに挿通された一対のボルト45が、サイドフレーム部23に対し車外側から挿通されている。これらのボルト45に対し、車内側からナット46が締付けられている。この締付けにより、ガス発生器40が、主膨張部51の後膨張室56、インナチューブ70、及び副膨張部85の非膨張領域Z2と一緒にサイドフレーム部23に固定されている。
【0077】
ガス発生器40は、上述したボルト45及びナット46とは異なる部材によってサイドフレーム部23に固定されてもよい。
なお、図12中の47は、ボルト45が副膨張部85を傷付けないように、サイドフレーム部23に対し車内側から取付けられて、ボルト45及びナット46を覆うカバーである。
【0078】
非膨張展開状態の主膨張部51は、ロール折り、蛇腹折り等によって折り畳まれることにより、前後方向及び上下方向にコンパクトにされた状態で上記収納部32に配置されている。ロール折りは、主膨張部51の一方の端部を中心とし、その周りに他の部分を巻き付ける折り態様である。蛇腹折りは、主膨張部51を、一定幅ずつ交互に折り方向を変えながら折り返す折り態様である。
【0079】
これに対し、副膨張部85のうち車外側のサイドフレーム部23との固定箇所よりも車内側の部分は、折り畳まれることなく車幅方向に展開された状態で、シートバック14内の受圧板28よりも前側に配置されている。より詳しくは、副膨張部85はサイドフレーム部23に対し、その車外側から固定されている。副膨張部85は、サイドフレーム部23の前側を通って、同サイドフレーム部23の車内側に回り込み、カバー47とシートパッド30との間を通って、受圧板28とその前側のシートパッド30との間に配置されている。受圧板28とその前側のシートパッド30との間では、副膨張部85の布部88が布部87の前側に位置している。このように、副膨張部85の主要部が受圧板28よりも前側で側部18内に収納され、同副膨張部85の一部が受圧板28よりも前側で中間部16内に配置されている。
【0080】
さらに、図12に示すように、主として表皮31とシートパッド30との間であって、車外側のサイドフレーム部23と、エアバッグモジュールABMの周りとに対応する箇所には、主膨張部51の展開性向上を目的として、低伸長性材料によってそれぞれ帯状に形成された力布93が巻き付けられている。力布93は、主膨張部51の展開及び膨張の初期に伸長した状態となることにより、所定の展開方向とは異なる方向への主膨張部51の膨張を抑制する。また、力布93は、シートパッド30の変形や表皮31の伸びを抑制することで、シートパッド30を破断予定部35で破断され始めるようにする。このようにして、力布93は、膨張する主膨張部51による車外側の側部18の破断を補助する。
【0081】
ただし、上記力布93は、副膨張部85の膨張エリアから上方又は下方へ離間した箇所に配置されている。この配置により、力布93が、副膨張部85に干渉して、その副膨張部85の膨張を妨げることが起こりにくい。表現を変えると、力布93は、副膨張部85の膨張時にその副膨張部85と干渉しない位置に配置されている。
【0082】
図1に示すように、サイドエアバッグ装置は、上述したエアバッグモジュールABMの他に衝撃センサ95及び制御装置96を備えている。衝撃センサ95は加速度センサ等からなり、車両10の側壁部11(図2参照)等に設けられており、同側壁部11に側方から加えられる衝撃を検出する。制御装置96は、衝撃センサ95からの検出信号に基づきインフレータ41の作動を制御する。
【0083】
さらに、車両10には、車両用シート12に着座している乗員Pをその車両用シート12に拘束するためのシートベルト装置が装備されているが、図1等ではこのシートベルト装置の図示が省略されている。
【0084】
以上が、サイドエアバッグ装置の基本構成である。本実施形態では、上記基本構成に加え、図3及び図12に示すように、シートバック14内の受圧板28よりも前側に収納されている副膨張部85が、シートバック14の後端部であって、車外側の側部18の後端部に対し車内側に隣接する間隙G1に向けて膨張するのを規制する規制手段がさらに設けられている。この間隙G1は、サイドフレーム部23の後端部及び後パッド部30aと、受圧板28との間の空間によって構成されている。
【0085】
規制手段は、上記力布93と同様に、低伸張性素材によって長尺状に形成された外テンションベルト101によって構成されている。外テンションベルト101としては、副膨張部85の上下方向の寸法よりも狭い幅を有するものが用いられている。外テンションベルト101は、副膨張部85の上下方向における中間部分を、その副膨張部85の外側から取り囲むように配置されている。この外テンションベルト101の配置された上下方向の領域には、連通口59,79,90及び環状結合部91が位置している。
【0086】
外テンションベルト101は、その一端部に設けられた被着部101aにおいて車外側のサイドフレーム部23の後端部に取付けられている。図6及び図7に示すように、外テンションベルト101の他端部101bは、エアバッグ50の車外側のサイドフレーム部23との固定箇所に隣接する箇所であって、副膨張部85が膨張を完了したときに外テンションベルト101が緊張した状態となる箇所に固定されている。本実施形態では、この箇所として、主膨張部51の車内側の布部53と、副膨張部85の車外側の布部88との間であって、連通口59,79,90に対し前側に隣接する部分が設定されている。外テンションベルト101の他端部101bは、連通口59,79,90には位置していない。そして、他端部101bが上記の箇所に配置され、環状結合部91の一部によって主膨張部51、インナチューブ70及び副膨張部85に共縫いされている。
【0087】
次に、上記のようにして構成された本実施形態のサイドエアバッグ装置の作用及び効果について説明する。
図1及び図2に示すように、車両10の走行中等に、側突等により側壁部11に所定値以上の衝撃が加わり、そのことが衝撃センサ95によって検出されると、その検出信号に基づき制御装置96からインフレータ41に対し、これを作動させるための作動信号が出力される。この作動信号に応じて、インフレータ41のガス噴出部43から膨張用ガスが噴出される。噴出された膨張用ガスは、まず、図8に示すようにガス噴出部43を囲んでいるインナチューブ70に供給される。この膨張用ガスにより、主膨張部51においてインナチューブ70の周りの部分が膨張を開始する。
【0088】
また、膨張用ガスは、インナチューブ70の整流作用を受ける。この整流作用により、膨張用ガスの一部は、インナチューブ70の前上部のガス供給口77(図10参照)と下端のガス供給口78(図11参照)とを通って、主膨張部51の後膨張室56に供給される。
【0089】
これらの2箇所のガス供給口77,78からの膨張用ガスにより後膨張室56の内圧が上昇し、同後膨張室56が膨張を開始する。後膨張室56が膨張することで、区画部60がそれぞれ車幅方向の両側へ引っ張られる。区画部60が緊張状態となることで、後膨張室56の車幅方向の膨張が規制される(図2図3参照)。
【0090】
また、後膨張室56に供給された膨張用ガスの一部は、区画部60の開口部66を通って前膨張室57に流出する。前膨張室57は、流入した膨張用ガスにより、後膨張室56に遅れて膨張を開始する。
【0091】
これらの後膨張室56及び前膨張室57の各膨張は、折り畳まれた順とは逆の順に、折り状態の解消(展開)を伴いながらなされる。このように展開及び膨張する主膨張部51によってシートバック14のシートパッド30が押圧され、破断予定部35(図13参照)において破断される。主膨張部51は、その一部を収納部32に残した状態で、破断された箇所を通じてシートバック14から、前方へ飛び出す(図1図2参照)。
【0092】
一方で、インフレータ41のガス噴出部43からインナチューブ70内に噴出された膨張用ガスの一部は、そのインナチューブ70の連通口79から、主膨張部51の連通口59及び副膨張部85の連通口90を順に通って同副膨張部85内に流入する(図10図11参照)。このとき、外テンションベルト101の他端部101bは、連通口59,79,90に位置していないため、膨張用ガスの流通の妨げとはならない。そして、上記膨張用ガスにより副膨張部85が、シートバック14内において受圧板28よりも前側で、中間部16と車外側の側部18との境界部の近傍に向けて膨張し始める。
【0093】
副膨張部85の膨張に際しては、図12に示すように、高い剛性を有する車外側のサイドフレーム部23が受圧部として機能し、副膨張部85内で拡散する膨張用ガスの圧力を受け止めるとともに、シートバック14の上記境界部の近傍に向かう反力を発生させる。この反力により、図13に示すように、副膨張部85が斜め前車内側へ向けて膨張していく。この膨張する副膨張部85によって、車外側の側部18において、中間部16寄りの箇所が押圧されて斜め前車内側へ向けて膨らむ。
【0094】
この際、仮に、副膨張部85が後方へ膨張して、サイドフレーム部23の後端部及び後パッド部30aと受圧板28との間の間隙G1に入り込むと、シートバック14のうち副膨張部85よりも前側部分を押して斜め前車内側へ膨らませようとする副膨張部85の反力が低下する。
【0095】
しかし、本実施形態では、副膨張部85は、図13に示すように、上記間隙G1に向けて膨張することを規制手段によって抑制される。すなわち、外テンションベルト101の被着部101aはサイドフレーム部23の後端部に取付けられていて、動くことを、サイドフレーム部23によって規制される。また、外テンションベルト101のうち、エアバッグ50のサイドフレーム部23との固定箇所の近くに固定されている他端部101bは、動くことをサイドフレーム部23によって規制される。外テンションベルト101において、上記被着部101aと他端部101bとの間の中間部分は、副膨張部85の膨張に追従して動くことが可能である。しかも、上記他端部101bは、副膨張部85が膨張を完了したときに外テンションベルト101が緊張した状態となる箇所でエアバッグ50に固定されている。そのため、副膨張部85の膨張に伴い外テンションベルト101が引っ張られる。そして、副膨張部85が膨張を完了したときには、外テンションベルト101は緊張状態となって、副膨張部85の膨張形状を、平断面が略円状になるように規制する。副膨張部85は、上記間隙G1に向けて後方へ膨張してその間隙G1に入り込むことを抑制される。
【0096】
従って、副膨張部85内の膨張用ガスの圧力が受け止められて、上記反力が効率よく得られる。
ここで、副膨張部85は、折り畳まれた状態で収納されている場合には、その折りを解消しながら膨張する。そのため、折りの解消に膨張用ガスのエネルギーの一部が奪われ、そのことが、円滑な膨張の妨げとなる。これに対し、本実施形態では、副膨張部85が予め展開された状態で収納されているため、折りの解消が不要となり、膨張が円滑に行なわれる。
【0097】
そして、上記のようにして、副膨張部85が膨張されることで、主膨張部51がシートバック14の外部で前方へ向けて展開する前に、斜め前車内側へ向けて膨らむ中間部16により、図13に示すように、シートバック14にもたれている乗員Pの背中が斜め前車内側へ押される。乗員Pは、図2において二点鎖線で示すように車内側へ移動させられる。この移動方向は、側壁部11から遠ざかる方向である。しかも、副膨張部85は、主膨張部51よりも小容量であることもあり、主膨張部51よりも早い時期に膨張を完了する。そのため、副膨張部85により、主膨張部51のシートバック14外部での展開に先立ち乗員Pを車内側へ押圧する作用が適切に行なわれる。そして、上記移動により、側壁部11と乗員Pとの間の空間が車幅方向に拡げられる。
【0098】
一方で、シートバック14から、前方へ飛び出した主膨張部51は、その後も展開及び膨張を続け、シートバック14の外部、より正確には、側壁部11と乗員Pの上半身との間で前方へ向けて展開及び膨張する。
【0099】
この際、上記したように、副膨張部85による乗員Pの移動に伴い側壁部11と乗員Pとの間の空間が車幅方向に拡大されている。そのため、こうした副膨張部85による空間の拡大がなされない場合に比べ、主膨張部51は、乗員Pと車室内に入り込んでくる側壁部11との間で展開及び膨張しやすい。
【0100】
そして、上記のようにして展開及び膨張した主膨張部51により、乗員Pが拘束される。すなわち、展開及び膨張した主膨張部51が、乗員Pの上半身と、車室内に進入してくる側壁部11との間に介在する。この主膨張部51により、側壁部11を通じて乗員Pへ伝わる側方からの衝撃が緩和され、同乗員Pが衝撃から保護される。
【0101】
本実施形態によると、上記以外にも次の効果が得られる。
図6及び図7に示すように、外テンションベルト101は、その他端部101bにおいてエアバッグ50(主膨張部51及び副膨張部85)に固定されている。そのため、外テンションベルト101は、サイドエアバッグ装置の運搬時や、シートバック14への組付け時に扱いやすい。
【0102】
・主膨張部51、インナチューブ70及び副膨張部85の連通口59,79,90は、それらの周囲に設けられた環状結合部91によって相互に結合されているところ、外テンションベルト101の他端部101bは、この環状結合部91を利用して主膨張部51、インナチューブ70及び副膨張部85に結合されている。このように、環状結合部91は、主膨張部51、インナチューブ70及び副膨張部85を結合するだけでなく、外テンションベルト101の他端部101bを主膨張部51、インナチューブ70及び副膨張部85に結合している。従って、外テンションベルト101の他端部101bを、エアバッグ50の上記箇所とは異なる箇所に結合する場合とは異なり、結合箇所を新たに設けなくてもすむ。
【0103】
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変形例として実施することもできる。
<主膨張部51について>
・主膨張部51から区画部60及びインナチューブ70の少なくとも一方が省略されてもよい。
【0104】
・主膨張部51は、その略全体が上記実施形態のように膨張領域からなるものであってもよいが、膨張用ガスが供給されず膨張することのない非膨張領域を一部に有するものであってもよい。
【0105】
・主膨張部51は、複数の区画部60により前後方向に3つ以上の複数の膨張室に区画されてもよい。
・インナチューブ70は、インフレータ41の少なくともガス噴出部43を取り囲んだ状態で配置されればよい。従って、上記実施形態では、インフレータ41の大部分がインナチューブ70によって取り囲まれたが、ガス噴出部43のみがインナチューブ70によって取り囲まれてもよい。
【0106】
<副膨張部85について>
・副膨張部85も、主膨張部51と同様に折り畳まれた状態でシートバック14内に配置されてもよい。例えば、副膨張部85は、車幅方向における中央部分において上下方向に延びる折り線に従って折り重ねられてもよい。このようにした場合、副膨張部85の膨張形状は外テンションベルト101によって規制されるため、同副膨張部85を適正に膨張させることができる。
【0107】
・上記のように折り畳まれた副膨張部85は、その全体が側部18内に収納されてもよい。
・非膨張展開状態の副膨張部85は、その全体が非膨張展開状態の主膨張部51に対し重ねられた状態で配置されてもよい。
【0108】
・外テンションベルト101が幅方向へずれるのを抑制するずれ抑制手段が設けられてもよい。図14及び図15は、副膨張部85にずれ抑制手段が設けられた一例を示している。
【0109】
この変形例では、副膨張部85において、周縁結合部89を外側から取り囲む部分(以下、縫い代106という)に、ずれ抑制手段としてスリット107が形成されている。スリット107の長さは、外テンションベルト101の幅よりも僅かに長く設定されている。そして、外テンションベルト101のうち、布部87及び布部88を跨ぐ部分がスリット107に挿通されている。この変形例によれば、スリット107によって、外テンションベルト101の幅方向の動き(ずれ)を抑制することができる。
【0110】
そのため、外テンションベルト101が正規の位置からずれた状態のエアバッグモジュールABMが車外側のサイドフレーム部23に取付けられるのを抑制することができる。
<主膨張部51及び副膨張部85の両者について>
・主膨張部51及び副膨張部85は、連通口59,90の周りの環状結合部91に加え、連通口59,90から遠ざかった箇所で相互に連結されてもよい。
【0111】
<規制手段について>
・外テンションベルト101の他端部101bは、上記実施形態(連通口59,79,90に対し前側に隣接する箇所)とは異なる箇所でエアバッグ50に固定されてもよい。この場合、上記他端部101bは、環状結合部91のような環状をなす結合部によってエアバッグ50に固定されてもよい。
【0112】
・上記他端部101bは、副膨張部85のみに対し固定されてもよいし、主膨張部51のみに対し固定されてもよい。
・上記他端部101bは縫合とは異なる結合手段、例えば接着によってエアバッグ50に固定されてもよい。
【0113】
・上記他端部101bは、環状結合部91の全部によってエアバッグ50に結合されてもよい。この場合には、他端部101bにおいて、連通口59,79,90に対応する箇所に連通口が設けられる。
【0114】
・他端部101bは、外テンションベルト101の幅方向における一部でエアバッグ50に固定された上記実施形態とは異なり、全幅にわたってエアバッグ50に固定されてもよい。
【0115】
・外テンションベルト101として、上記実施形態よりも上下方向の幅の広いものが用いられてもよい。例えば、副膨張部85の上下方向の寸法と同じ幅を有する外テンションベルト101が用いられてもよい。
【0116】
図16に示すように、副膨張部85を取り囲む外テンションベルト101は、その長さ方向に並べられた複数の布片102によって構成されてもよい。隣り合う一対の布片102は、結合部103によって結合される。この場合、外テンションベルト101の長さ方向における結合部103の位置を変更することで、外テンションベルト101によって規制することのできる副膨張部85の膨張形状を変更することが可能である。
【0117】
図17に示すように、規制手段として、上記外テンションベルト101に代えて、副膨張部85内に長尺状の内テンションベルト104が配置されてもよい。内テンションベルト104の両方の端部104a,104bは、副膨張部85が膨張を完了したときに相対向する箇所に対し、結合部105によって結合されている。一方の端部104aは、副膨張部85のサイドフレーム部23との固定箇所に接近した箇所で、同副膨張部85に結合されることが望ましい。これは、副膨張部85の膨張に伴い緊張状態となった内テンションベルト104の端部104aが動くのを規制することで、膨張状態の副膨張部85を動きにくくするためである。
【0118】
この変形例によると、インフレータ41から膨張用ガスを供給された副膨張部85が膨張すると、その膨張に伴い、副膨張部85内に架け渡された内テンションベルト104が緊張状態となる。この内テンションベルト104により、副膨張部85の膨張形状が規制され、副膨張部85が間隙G1に向けて膨張することを規制される。従って、この変形例によっても、上記実施形態と同様に、副膨張部85を適切に膨張させて乗員Pを車内側へ好適に移動させることができる。
【0119】
<その他>
・上記サイドエアバッグ装置は、シートフレーム20が受圧板28を備える車両用シート12に限らず、シートバック14における車外側の側部18の後端部に対し、車内側に隣接する箇所に間隙G1を有する車両用シートであれば広く適用可能である。
【0120】
・規制手段(外テンションベルト101、内テンションベルト104)は、副膨張部85として上記実施形態よりも容量の多いものが用いられたサイドエアバッグ装置や、ガス発生器40が、主膨張部51内に代えて副膨張部85内に配置されたサイドエアバッグ装置にも適用可能である。
【0121】
・上記サイドエアバッグ装置は、シートバック14が車両の前方とは異なる方向、例えば側方を向く姿勢で車両用シート12が配置された車両において、その車両用シート12に対し側方(車両の前後方向)から衝撃が加わった場合に、同衝撃から乗員Pを保護するタイプのサイドエアバッグ装置にも適用可能である。
【0122】
・上記サイドエアバッグ装置が適用される車両には、自家用車に限らず各種産業車両も含まれる。
【符号の説明】
【0123】
10…車両、11…側壁部、12…車両用シート、14…シートバック、17,18…側部、20…シートフレーム、21…外フレーム部、22,23…サイドフレーム部、28…受圧板、41…インフレータ、50…エアバッグ、51…主膨張部、59,79,90…連通口、85…副膨張部、91…環状結合部、101…外テンションベルト(規制手段)、101a…被着部、101b…他端部、104…内テンションベルト(規制手段)、G1…間隙、P…乗員。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
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図16
図17