【解決手段】所定枚数の用紙Pを積層した用紙束PPを包装紙11で包んだ用紙パック10Aにおいて、包装紙11は、一つの方向の前方側を前面11a側に設定した場合に、この上面11fgが一つの方向と直交する方向を一方の上面11fと他方の上面11gとに2分されて、一方の上面11fのうちで一つの方向に沿った側端部11f1側が他方の上面11gのうちで一つの方向に沿った側端部11g1側の下に潜り込んで封じ込められており、且つ、他方の上面11gに用紙パック10Aを開封するための切り取り線11hが一つの方向に沿って形成されていると共に、上面11fgに用紙パック10Aの開封順序を示す用紙パック開封順表示部11iが前面11a側から後面11b側に向かって開封順に設けられている用紙パック10Aを提供する。
前記包装紙は、前記一方の上面の側端部側が前記他方の上面の側端部側の下に潜り込んだ際に、前記一方の上面と前記他方の上面とが前記一つの方向と直交する方向に帯状に重なり、前記他方の上面の縁部近傍に前記接着部が形成されるとともに、前記他方の上面の前記一方の上面と重なる部分であって、前記接着部と前記一方の上面の縁部との間に前記切り取り線が形成されていることを特徴とする請求項1記載の用紙パック。
【背景技術】
【0002】
一般的に、所定枚数(例えば500枚)の用紙を積層した用紙束の周囲を包装紙で包んだ用紙パックは、用紙に画像や文字を印刷する印刷装置や、用紙に画像や文字を複写する複写機などに設けた給紙装置に適用されている。
【0003】
この種の用紙パックの一例として、包装紙の折り返し部における接着力の強弱に係わらず、長期間にわたって安定した開封動作を行うことができる用紙パックおよび給紙装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図15は特許文献1に開示された従来例の用紙パックを示している。
【0005】
図15に示す如く、特許文献1に開示された従来例の用紙パック100では、この内部に用紙束101が包装シート(包装紙)102により包み込まれている。
【0006】
そして、包装シート102の一端側の下部に突出部103が外側に向かって突出しており、この突出部103の上方に用紙後端を規制するバックフェンス106が包装シート102の一端側と対向して設置されている。
【0007】
一方、包装シート102の一端側とは反対の他端側の上部には、折り返し部104が包装シート102の一端側に向かって短い長さに形成されており、この折り返し部104は接着部105により接着されている。
【0008】
更に、包装シート102の上面102hには、接着部105に隣接し且つ突出部103の突出方向に対して直交する方向に亘って破断部107が形成されている。
【0009】
この際、破断部107は包装シート102の他の部分よりも強度が小さく設定されており、具体的には、包装シート102に切れ目を設けるか、シート厚を薄くすることで形成されている。
【0010】
そして、用紙パック100を不図示の給紙装置内にセットしたときに、不図示の用紙パック開封装置により突出部103を矢印a方向に引くと、接着部105が剥がれる前に破断部107が切り離されるので、破断部107の存在により接着部105の状態に左右されることなく、用紙パック100を安定して開封できる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に本発明に係る用紙パックの一実施形態について、第1実施形態,第2実施形態,第3実施形態の順に詳細に説明する。
【0025】
本発明に係る用紙パックは、所定枚数(例えば500枚)の用紙を積層した用紙束の周囲を1枚の包装紙で包み込んでおり、用紙に画像や文字を印刷する印刷装置や、用紙に画像や文字を複写する複写機などに設けた給紙装置に適用されている。
【0026】
そして、用紙パック開封時に、ユーザが包装紙の上面に表示した用紙パック開封順表示部に従って人手により用紙の長手方向となる一つの方向の前方側の包装紙を取り除いた後に、前方側よりも後方側の包装紙内の用紙束を人手により撓ませて用紙間に空気を入れて各用紙を捌き、給紙装置の給紙台上にセット(装着)できるように構成されている。
【0027】
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係る用紙パックを一部破断して斜視的に示している。また、
図2(a)は本発明の第1実施形態に係る用紙パックを上面から見て示し、
図2(b)は
図2(a)中のイ−イ断面を示している。
【0028】
図1及び
図2(a),(b)に示す如く、本発明の第1実施形態に係る用紙パック10Aでは、所定枚数(例えば500枚)の用紙Pを積層した用紙束PPの周囲を1枚の包装紙11により内部を密閉した状態で包み込んでいる。
【0029】
この際、用紙束PP内の各用紙Pは、例えばA4サイズ(210mm×297mm)などにより長方形状に形成されており、この用紙Pの紙面と平行な一つの方向(長手方向又は縦方向)の前方側を用紙Pを給紙する用紙給紙方向側として、包装紙11の前方側を取り除いて用紙束PPの捌きを人手により行い、しかる後、捌いた用紙束PPを後述する第1給紙装置20A(
図8)に装着する場合について以下説明する。
【0030】
第1実施形態の用紙パック10Aは、一つの方向となる用紙給紙方向の前方側を包装紙11の前面11a側に設定した場合に、包装紙11の前面11aの上部側に上部前面折り部11a1,11a2が下方に向かって折り曲げ形成され、且つ、前面11aの下部側に下部前面折り部11a3が上方に向かって折り曲げ形成されて、上下の前面折り部同士が重なり合って接着により前面11a側が封じ込められている。
【0031】
この際、上部前面折り部11a1,11a2及び下部前面折り部11a3の長さαは、用紙束PPの厚みより僅かに短く設定されている。
【0032】
また、包装紙11の前面11aとは反対側の後面11bも前面11aと同様に上部後面折り部(11b1,11b2…図示せず)と下部後面折り部(11b3…図示せず)とが折り曲げ形成されて、上下の後面折り部同士が重なり合って接着により後面11b側が封じ込められている。
【0033】
また、包装紙11の下面11cは一様な面に形成されており、この下面11cは長手方向の各端部が前後の面11a,11b側に向かって折り曲げられて下部前面折り部11a3,(下部後面折り部11b3)に連接していると共に、短手方向(用紙幅方向)の各端部が左右の側面11d,11e側に向かって折り曲げられている。
【0034】
また、包装紙11は、下面11cとは反対側の上面11fgが、用紙給紙方向(一つの方向)と直交する方向(用紙幅方向)を一方の上面11fと他方の上面11gとに2分して形成されている。
【0035】
即ち、包装紙11の上面11fgは、左側面11dと連接して上部内側に折り曲げられた一方の上面11fと、右側面11eと連接して上部内側に折り曲げられた他方の上面11gとに用紙幅方向の略中央部位で2分して形成され、且つ、両上面11f,11gは前後の面11a,11b側にも折り曲げられて上部前面折り部11a1,11a2,上部後面折り部(11b1,11b2)に連接している。
【0036】
そして、一方の上面11fは用紙幅方向の左側に位置してこの一方の上面11fのうちで用紙給紙方向に沿った側端部11f1側が、他方の上面11gのうちで用紙給紙方向に沿った側端部11g1側の下に潜り込んでおり、且つ、他方の上面11gは用紙幅方向の右側に位置してこの他方の上面11g中で用紙給紙方向に沿った側端部11g1側が一方の上面11f上に重なり合っている。
【0037】
また、包装紙11の一方の上面11fと他方の上面11gは、一方の上面11fの側端部11f1と、他方の上面11gの側端部11g1との間の区間Kでオーバーラップしている。
【0038】
この際、一方の上面11f中のオーバーラップ区間内を下側オーバーラップ部11f2とし、且つ、他方の上面11g中のオーバーラップ区間内を上側オーバーラップ部11g2とすると、下側オーバーラップ部11f2及び上側オーバーラップ部11g2は前面11aと後面11bとの間で用紙給紙方向(一つの方向)に沿って帯状に形成されていることになる。
【0039】
また、包装紙11は、上側オーバーラップ部11g2の裏面で側端部(縁部)11g1側の近傍が接着剤12によって用紙給紙方向に沿って下側オーバーラップ部11f2上に接着されているので、包装紙11の上面11fgが接着により封じ込められている。用紙Pの長手方向に沿って延びる接着剤12は、特許請求の範囲における接着部を構成する。
【0040】
なお、包装紙11の前側の上部前面折り部11a1,11a2と下部前面折り部11a3とは接着部11m1により封止されている。図示を省略しているが、同様に、包装紙11の後側の上部後面折り部(11b1,11b2)と下部後面折り部(11b3)とは接着部(11m2)より封止されている。
【0041】
また、包装紙11は、この前面11a側を用紙給紙方向の前方側とした場合に対応して、前面11aから用紙給紙方向に沿った所定の長さLの位置に開封テープ13が用紙幅方向の全周に亘って巻回されている。
【0042】
上記した開封テープ13は、この開封テープ13を引き剥がしたときに、後述するように用紙給紙方向の前方側の包装紙11F(
図3)を分離する機能を有している。
【0043】
この際、上記した所定の長さLは、用紙パック10Aを後述する第1給紙装置20A(
図8)の給紙台21上にセットしたときに、用紙束PPのうちで最上層の用紙Pに給紙ローラ23が接離できるように設定されている。
【0044】
また、包装紙11は、下側オーバーラップ部11f2の側端部11f1と上側オーバーラップ部11g2の側端部11g1との間の中間部位で上側オーバーラップ部11g2に用紙パック10Aを開封するための切り取り線11hがミシン目により開封テープ13の位置から後面11b側まで用紙給紙方向に沿って形成されている。この切り取り線(ミシン目)11hは、下側オーバーラップ部11f2上に接着剤12により接着されている上側オーバーラップ部11g2を人手により下側オーバーラップ部11f2上から離間させる機能を有している。
【0045】
そして、上側オーバーラップ部11g2側に形成された切り取り線(ミシン目)11hは、下側オーバーラップ部11f2上に重なった状態で用紙給紙方向に沿って形成されている。また、この切り取り線(ミシン目)11hは、上側オーバーラップ部11g2の縁部(11g1)近傍に形成された接着部(接着剤12の部位)と、下側オーバーラップ部11f2の縁部(11f1)との間の領域であって、前記接着部及び前記縁部(11f1)に重ならない位置に形成されている。
【0046】
更に、包装紙11の一方の上面11f及び他方の上面11g上には、用紙パック10Aの開封順序を示す用紙パック開封順表示部11iが「1」,「2」,「3」,「4」の数字を用いて包装紙11の前面11a側から後面11b側に向かって所定の間隔を隔てて用紙パック開封順に設けられている。
【0047】
そして、用紙パック開封順表示部11iは、1番目の「1」から4番目の「4」に向かって数字順に開封する順序が印刷されており、且つ、「1」,「2」,「3」,「4」の組が包装紙11の上面11fgの用紙幅方向の左右に分かれて印刷されている。
【0048】
これにより、後述するように、ユーザが包装紙11の左右の側面11d,11e側を「1」,「2」,「3」,「4」の順に両手で把持しながら包装紙11の上側オーバーラップ部11g2に形成した切り取り線(ミシン目)11hの近傍部位を凸状に撓ませることで、切り取り線(ミシン目)11hを切り開くことができるようになっている。
【0049】
従って、用紙パック開封順表示部11iは、ユーザの人手による用紙パック10Aの開封動作に伴って、上側オーバーラップ部11g2に形成した切り取り線(ミシン目)11hを用紙パック開封順に切り開く作用を有していることになる。
【0050】
尚、第1実施形態では、包装紙11の下側オーバーラップ部11f2を包装紙11の上側オーバーラップ部11g2の裏面に潜り込ませているが、これとは逆に、包装紙11の上側オーバーラップ部11g2を包装紙11の下側オーバーラップ部11f2の裏面に潜り込ませても良く、この場合には上記の各形状を左右逆転させれば良いものである。
【0051】
ここで、上記のように構成した第1実施形態の用紙パック10Aの用紙パック開封動作について、
図3〜
図7を用いて説明する。
【0052】
図3〜
図6は本発明の第1実施形態に係る用紙パックにおいて、用紙パック開封動作1〜4を順に示している。また、
図7は
図4〜
図6に示した用紙パック開封動作2〜4における用紙パックの状態を模式的に示している。
【0053】
本発明の第1実施形態に係る用紙パック10Aを開封する際、包装紙11の上面11fgに表示した用紙パック開封順表示部11iに従ってユーザの人手により開封動作を行う。
【0054】
まず、
図3に示した用紙パック開封動作1では、用紙パック開封順表示部11i中で1番目の「1」に従って、ユーザが包装紙11の前面11aから後面11bに向かった所定の長さLの位置に巻回された開封テープ13を包装紙11から剥離する。
【0055】
これにより、ユーザは用紙給紙方向の前方側の包装紙11Fを袋状のまま容易に抜き取ることができるので、用紙給紙方向の前方側の用紙束PPが所定の長さLの範囲に亘って外部に露出する。
【0056】
このとき、用紙給紙方向とは反対側の後方側の包装紙11Rは、下側オーバーラップ部11f2と上側オーバーラップ部11g2とが接着剤12により封じられたままであり、且つ、包装紙11の後方側の接着部(11m2…図示せず)により封止されている。
【0057】
次に、
図4に示した用紙パック開封動作2では、ユーザが用紙パック開封順表示部11i中で2番目の「2」に従って、「2」の位置で後方側の包装紙11Rの左右の側面11d,11e側を両手で把持しながら上側オーバーラップ部11g2に形成した切り取り線(ミシン目)11hの近傍部位が凸状になるよう用紙束PPを矢印方向に撓ませる。
【0058】
この用紙束PPの撓ませに伴って、上側オーバーラップ部11g2に形成した切り取り線(ミシン目)11hが「2」の位置よりも少し下方まで切り離されて上側オーバーラップ部11g2の用紙給紙方向の前方側が拡開するので、上側オーバーラップ部11g2の前方側が下側オーバーラップ部11f2の前方側から切り離される。
【0059】
次に、
図5に示した用紙パック開封動作3では、用紙パック開封順表示部11i中で3番目の「3」に従って、ユーザが「2」の位置と同様に、「3」の位置で後方側の包装紙11Rの左右の側面11d,11e側を両手で把持しながら用紙束PPを矢印方向に再度撓ませながら上側オーバーラップ部11g2に形成した切り取り線(ミシン目)11hを「3」の位置よりも少し下方まで切り離す。
【0060】
次に、
図6に示した用紙パック開封動作4では、用紙パック開封順表示部11i中で4番目の「4」に従って、ユーザが「2」の位置及び「3」の位置と同様に、「4」の位置で後方側の包装紙11Rの左右の側面11d,11e側を両手で把持しながら用紙束PPを矢印方向に再々度撓ませながら上側オーバーラップ部11g2に形成した切り取り線(ミシン目)11hを「4」の位置よりも少し下方まで切り離す。
【0061】
この際、
図7に拡大して示す如く、用紙パック開封動作2〜4を行う際に、後方側の包装紙11Rの左右の側面11d,11e側を各用紙パック開封順の位置ごとに両手で把持しながら上側オーバーラップ部11g2に形成した切取り線(ミシン目)11hの近傍部位が凸状になるように用紙束PPを矢印方向に撓ませて、切り取り線(ミシン目)11hを前面11a側から後面11b側に向かって徐々に切り開いている。
【0062】
このとき、後方側の包装紙11Rのうちで下側オーバーラップ部11f2側及び上側オーバーラップ部11g2側の用紙Pが共に左右の側面11d,11eに向かって引張られて後方側の包装紙11R内の用紙Pが撓む一方、後方側の包装紙11Rのうちで下面11c側の用紙Pは互いに内側に向かって圧縮される。
【0063】
また、切り取り線(ミシン目)11hの部分から包装紙11が切り開かれて行くと、中の用紙Pが矢印B方向に撓み、密着している用紙同士が剥がれると同時に用紙間に空気が入り込む。
【0064】
この後、後方側の包装紙11Rが切り取り線(ミシン目)11hを介して用紙パック開封順表示部11i中で最後の「4」の位置まで切り離されたときには、用紙間に空気が十分に入り込むので、用紙一枚ずつの間に微小な滑りが生じて用紙束PP内の各用紙Pが無理なく捌かれる。
【0065】
そして、後方側の包装紙11R内で各用紙Pの捌きが完了した段階で用紙パック開封動作が終了する。
【0066】
次に、本発明の第1実施形態に係る用紙パック10Aを開封した後の給紙装置へのセット(装着)の一例について、
図8(a),(b)を用いて説明する。
【0067】
まず、前述のようにして捌きが完了した用紙束PPについて、後方側の包装紙11Rを抜き取り、用紙束PPのみとする。
【0068】
そして、
図8(a),(b)に示す如く、用紙束PPのみを第1給紙装置20Aの給紙台21上にセットする。
【0069】
上記した第1給紙装置20Aは、昇降駆動される給紙台21と、給紙台21上で用紙束PPの用紙幅方向の左右を規制する左右一対のサイドフェンス22L,22Rと、用紙給紙方向の前方側の用紙束PPのうちで最上層の用紙Pに接離する給紙ローラ23と、給紙ローラ23により給紙された用紙Pを1枚ずつ分離して給送する捌きローラ24及び捌き板25とで構成されている。
【0070】
この第1給紙装置20Aでは、用紙束PPのうちで最上層の用紙Pに給紙ローラ23を当接させて、この給紙ローラ23及び捌きローラ24を反時計方向に回転させたときに、後方側の用紙束PPの用紙間には空気が入り込んでいるので、給紙動作における用紙Pの重送が生じる頻度を確実に減少させることができる。
【0071】
従って、第1実施形態の用紙パック10Aを用いることで、熟練していない通常のユーザでも用紙Pの重送が生じる可能性を確実に減少させことができる。
【0072】
なお、上記第1実施形態の用紙パック10Aは、開封前の用紙保管時等において、用紙パック10Aの切り取り線11hが形成された上面11fg側が下向きになるように用紙パック10Aを置くことで、用紙Pの重量によって切り取り線11h全体が下側オーバーラップ部11f2と密着するため、切り取り線部分からゴミや埃、及び湿気が侵入することを防止できる。
【0073】
また、用紙パック10Aを積み重ねることにより、用紙Pの重量によって前記切り取り線11hと前記下側オーバーラップ部11f2の密着が強められ、埃や湿気等の防止効果が一層高まる。用紙パック10Aを積み重ねる場合、一番上となる用紙パック以外の用紙パック10Aは、切り取り線11hが形成された上面11fg側が上向きとなってもよいことは勿論である。
【0074】
ところで、第1実施形態の用紙パック10Aにおいて、包装紙11の上面11fgに示した用紙パック開封順表示部11iの一例として「1」,「2」,「3」,「4」の数字を用いて表示しているが、更に、用紙パック開封順序をわかり易く表示する他例1,2について、
図9及び
図10を用いて説明する。
【0075】
図9は本発明の第1実施形態に係る用紙パックにおいて、用紙パック開封順表示部の他例1を示している。また、
図10は本発明の第1実施形態に係る用紙パックにおいて、用紙パック開封順表示部の他例2を示している。
【0076】
まず、
図9に示す如く、本発明の第1実施形態に係る用紙パック10Aにおいて、用紙パック開封順表示部の他例1では、包装紙11の上面11fg上に示した用紙パック開封順表示部11iとして「1」,「2」,「3」,「4」の数字表示に加えて、更に、包装紙11の上面11fg上に用紙パックセット手順を示す用紙パックセット手順表示部11jが左右の用紙パック開封順表示部11i間に印刷されている。
【0077】
上記した用紙パックセット手順表示部11jでは、
「1.「1」の位置にある開封テープを全周に亘って抜き取り、包装紙の前方を剥がしてください。
2.この面を上にして、「2」,「3」,「4」の順に、各順の位置を両手で把持して、切り取り線の部位の用紙中央部が凸状になるように撓ませて切り取り線を開いてください。
3.包装紙の後方を残したまま切り開いた切り取り線の部位を元の位置に戻し、この面を下にして給紙台上にセットしてください。」などと具体的に表示している。
【0078】
これにより第1実施形態の用紙パック10Aにおける用紙パック開封動作がよりわかり易くなる。
【0079】
次に、
図10に示す如く、本発明の第1実施形態に係る用紙パック10Aにおいて、用紙パック開封順表示部の他例2では、包装紙11の上面11fg上の左右に表示した用紙パック開封順表示部11i中で「1」,「2」,「3」,「4」の各位置に人手の親指形表示部11kを左右の側面11d,11eから上面11fgにかけて印刷表示して、用紙パック10Aを両手で撓ませる方法を具体的に示している。
【0080】
これにより第1実施形態の用紙パック10Aにおける用紙パック開封動作時に、包装紙11内の用紙束PPを撓ませる方法がよりわかり易くなる。
【0081】
なお、
図10に示す用紙パック10Aにおいて、切り取り線11hを直線状に形成しているが、切り取り線を例えば正弦波型としたり、三角波型としてもよい。
【0082】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る用紙パック10A’を給紙装置にセット(装着)する場合の一例について、
図11(a),(b)を用いて説明する。
【0083】
図11(a),(b)に示す如く、第2実施形態に係る用紙パック10A’は、開封前の用紙束PPと包装紙11からなる構成が先に
図1及び
図2(a),(b)を用いて説明した第1実施形態の用紙パック10Aと同一である。
【0084】
そして、第2実施形態に係る用紙パック10A’でも、先に
図3〜
図6を用いて説明したように、前方側の包装紙11Fを分離した後、後方側の包装紙11R内での用紙束PPの捌き処理を行う工程についても第1実施形態と同様であり、その説明を省略する。
【0085】
先に説明した第1実施形態では、用紙束PPの捌き処理を行った後、後方側の包装紙11Rも取り去り、捌かれた用紙束PPを第1給紙装置20A(
図8)にセットしていたが、この第2実施形態では、後方側の包装紙11R内で捌かれた用紙束PPが包まれたままの状態において、用紙束PPを第2給紙装置20Bの給紙台21上に載置する。
【0086】
この際、後方側の包装紙11Rの上側オーバーラップ部11g2に形成した切り取り線(ミシン目)11hの部位は、用紙給紙方向に沿って切り開かれているが、この切り開かれた部分が直線状に重なるように用紙束PPの形を整え、元の位置に戻す。
【0087】
この後、後方側の包装紙11Rの上面11fgが下になるように上下を反転させて、後方側の包装紙11Rの上面11fgを第2給紙装置20Bの給紙台21上にセットする。従って、後方側の包装紙11Rの下面11cが上になる。
【0088】
上記した第2給紙装置20Bは、第2実施形態の用紙パック10A’内の用紙束PPを載置する給紙台21と、給紙台21台上で用紙束PPの用紙幅方向の左右を規制する左右一対のサイドフェンス22L,22Rと、用紙給紙方向の前方側の用紙束PPのうちで最上層の用紙Pに接離する給紙ローラ23と、給紙ローラ23により給紙された用紙Pを1枚ずつ分離して給送する捌きローラ24及び捌き板25とで構成されている。
【0089】
また、給紙台21の下部には、後方側の包装紙11Rから露出した用紙Pを検知するための用紙有無センサ30が設けられており、この用紙有無センサ30の取り付け位置は、先に
図3を用いて説明したように、前方側の包装紙11Fを取り除いたときに、前面11aから用紙給紙方向に沿った所定の長さL内に設定されている。
【0090】
このような第2実施形態とすることで、第1実施形態と同様に給紙動作における用紙Pの重送が生じる頻度を確実に減少させることができる。また、用紙束PPを捌いた後で後方側の包装紙11Rを取ることなく第2給紙装置20Bにセットできるため、用紙Pの位置ずれを抑えつつ迅速に用紙束PPを第2給紙装置20Bにセットすることができる。
【0091】
なお、
図11(a),(b)においては後方側の包装紙11Rの下面11cが上になるように用紙束PPを給紙台21上にセットしているが、後方側の包装紙11Rの下面11cが下になるように用紙束PPをセットしてもよいことは勿論である。
【0092】
[第3実施形態]
図12は本発明の第3実施形態に係る用紙パックを一部破断して斜視的に示している。また、
図13(a)は本発明の第3実施形態に係る用紙パックを上面から見て示し、
図13(b)は
図13(a)中のイ−イ断面を示している。また、
図14は本発明の第3実施形態に係る用紙パックにおいて、用紙パック開封動作を示している。
【0093】
図12及び
図13(a),(b)に示す如く、本発明の第3実施形態に係る用紙パック10Bも、先に
図1及び
図2(a),(b)を用いて説明した第1実施形態の用紙パック10Aと同様に、所定枚数(例えば500枚)の用紙Pを積層した用紙束PPの周囲を1枚の包装紙11により内部を密閉した状態で包み込んでいる。
【0094】
ここで、本発明の第3実施形態に係る用紙パック10Bは、先に説明した本発明の第1実施形態に係る用紙パック10Aに対して一部異なっており、第1実施形態と同じ構成部に対して同一の符号番号を付して詳細な説明を省略し、第1実施形態に対して異なる構成部に新たな符号番号を付して異なる点についてのみ以下説明する。
【0095】
勿論、第3実施形態に係る用紙パック10Bは、第1実施形態と同じ構成で先に
図11(a),(b)を用いて説明した本発明の第2実施形態の用紙パック10A’に対しても一部異なっている。
【0096】
図12及び
図13(a),(b)に示す如く、第3実施形態に係る用紙パック10Bでは、先に説明した第1実施形態の用紙パック10Aの包装紙11の用紙給紙方向の前方側に巻回させた開封テープ13を削除して、第3実施形態の用紙パック10Bに対して簡素化及びコストダウン化を図っている点が第1実施形態に対して異なっている。
【0097】
上記に伴って、包装紙11の上面11fg中で上側オーバーラップ部11g2に形成した切り取り線(ミシン目)11h’は、包装紙11の前面11a側に形成した上部前面折り部11a2の端部から後面11bまでの間を用紙給紙方向(一つの方向)に沿って形成されている点が第1実施形態とは異なっている。
【0098】
従って、第3実施形態に係る用紙パック10Bを開封するときに、先に
図3を用いて説明した開封テープ13を剥離する動作はない。この実施形態では下部前面折り部11a3をユーザが手で引張り、接着部11m1による前側の上部前面折り部11a1,11a2と下部前面折り部11a3との接着を剥離する。すると、
図14に示すように用紙束PPの前側の部分が露出する状態となる。
【0099】
この後、包装紙11の上面11fgに表示した用紙パック開封順表示部11iに従って用紙パック10Bを開封する用紙パック開封動作2〜4は、先に
図4〜
図6を用いて説明した第1実施形態における用紙パック開封動作2〜4と同じに行えば良い。
【0100】
そして、用紙パック開封動作2〜4により包装紙11内の用紙束PPを捌いた後に、包装紙11を全て取り除き、用紙束PPのみを第1給紙装置20A(
図8)の給紙台21上にセットすれば良い。
【0101】
なお、第3実施形態では、第1実施形態と異なり、用紙パック開封動作2に至るまでの切り取り線(ミシン目)11h’の長さがやや長いが、切り取り線11h’が前面側の開放端まできっちりと形成されているため、大きな力を要することなく切り取り線11h’を容易に開いていくことができる。
【0102】
従って、本発明の第3実施形態に係る用紙パック10Bでも、第1実施形態と略同様な効果が得られる。