【解決手段】収納始めの端部20Aを上面61Aに臨ませ、段ボール箱61内にジッパーテープ20を落下させつつ周回状に収納し、収納始めの端部20Bを上面61Aに臨ませて梱包したL仕様用の梱包体6を用いる。R仕様用に変更する場合、上面開口61A1から端部20A,20Bを延出させ、上面61Aから底面に設けた切り込み68Aを通して、底面側に移動させる。上面開口61A1および切り込み68Aを仮封止し、梱包体6の天地を逆転させる。底面を開口させ、端部20A,20Bを延出させ、収納始めの端部20Aから供給させることでR仕様用となる。
テープ類を収納容器の鉛直方向における上面の開口から内部へ落下させながら、前記収納容器の鉛直方向に沿った中心軸を中心として周回状に収納して梱包するテープ類の梱包方法であって、
前記テープ類の収納始めの端部は、前記テープ類の収納終わりの端部が位置される前記収納容器の上面の開口とは異なる面に臨んで位置させる
ことを特徴とするテープ類の梱包方法。
テープ類を収納容器の鉛直方向における上面の開口から内部へ落下させながら、前記収納容器の鉛直方向に沿った中心軸を中心として周回状に収納して梱包するテープ類の梱包方法であって、
前記テープ類の収納始めの端部および収納終わりの端部を、前記収納容器の側面にそれぞれ臨んで位置させる
ことを特徴とするテープ類の梱包方法。
テープ類が収納容器の鉛直方向における上面の開口から内部へ落下されながら、前記収納容器の鉛直方向に沿った中心軸を中心として周回状に収納されて梱包されたテープ類梱包体から、前記テープ類を取り出すテープ類の取出方法であって、
前記テープ類梱包体は、前記テープ類の収納始めの端部および収納終わりの端部が前記収納容器の上面の開口に臨んで前記テープ類を収納したものであり、
前記テープ類梱包体の前記収納容器の上面を開口させ、前記上面の開口に臨む前記テープ類の収納始めの端部および収納終わりの端部を前記上面の開口から延出させる工程と、
前記収納容器の上面の開口から底面に亘って側面を切断して側面の開口を形成し、前記延出するテープ類の収納始めの端部および収納終わりの端部を、前記側面の開口を通して前記収納容器の底面側に移動させる工程と、
前記収納容器の上面の開口および側面の開口を閉塞して前記テープ類梱包体の天地を逆転させる工程と、
前記天地が逆転された前記テープ類梱包体の前記収納容器の上方に臨む底面を開口させ、前記収納始めの端部を取り出す工程と、を実施する
ことを特徴とするテープ類の取出方法。
テープ類が収納容器の鉛直方向における上面の開口から内部へ落下されながら、前記収納容器の鉛直方向に沿った中心軸を中心として周回状に収納されて梱包されたテープ類梱包体から、前記テープ類を取り出すテープ類の取出方法であって、
前記テープ類梱包体は、前記テープ類の収納始めの端部が前記収納容器の底面に臨んで位置し、前記テープ類の収納終わりの端部が前記収納容器の上面に臨んで位置する状態に、前記テープ類を収納したものであり、
前記テープ類梱包体の天地を逆転する工程と、
前記天地が逆転されたテープ類梱包体における前記収納容器の上方に臨む底面を開口させ、当該底面の開口に臨む前記収納始めの端部を取り出す工程と、を実施する
ことを特徴とするテープ類の取出方法。
テープ類が収納容器の鉛直方向における上面の開口から内部へ落下されながら、前記収納容器の鉛直方向に沿った中心軸を中心として周回状に収納されて梱包されたテープ類梱包体から、前記テープ類を取り出すテープ類の取出方法であって、
前記テープ類梱包体は、前記テープ類の収納始めの端部が前記収納容器の側面に臨んで位置し、前記テープ類の収納終わりの端部が前記収納容器の上面に臨んで位置する状態に、前記テープ類を収納したものであり、
前記収納容器の側面を開口させ、前記テープ類の収納始めの端部を外部に延出させる工程と、
前記側面から延出する収納始めの端部を、前記テープ類梱包体の底面側に移動させる工程と、
前記テープ類梱包体の天地を逆転させる工程と、
前記天地が逆転されたテープ類梱包体における収納容器の上方に臨む底面を開口させ、前記収納容器の側面の開口から延出された前記テープ類の収納始めの端部を、前記開口された上方に臨む底面から延出させて、前記収納始めの端部を取り出す工程と、を実施する
ことを特徴とするテープ類の取出方法。
テープ類が収納容器の鉛直方向における上面の開口から内部へ落下されながら、前記収納容器の鉛直方向に沿った中心軸を中心として周回状に収納されて梱包されたテープ類梱包体から、前記テープ類を取り出すテープ類の取出方法であって、
前記テープ類梱包体は、前記テープ類の収納始めの端部および収納終わりの端部がそれぞれ前記収納容器の側面に臨んで位置する状態に、前記テープ類を収納したものであり、
前記収納容器の側面を開口させ、前記テープ類の収納始めの端部および収納終わりの端部のそれぞれを外部に延出させる工程と、前記側面から延出する収納始めの端部および収納終わりの端部を、前記テープ類梱包体の上面側にそれぞれ移動させる工程と、前記収納容器の上面を開口させ、前記収納容器の側面の開口から延出された前記収納始めの端部および収納終わりの端部を、前記開口された上面から延出させる工程と、を実施、または、
前記収納容器の側面を開口させ、前記テープ類の収納始めの端部および収納終わりの端部のそれぞれを外部に延出させる工程と、前記側面から延出する収納始めの端部および収納終わりの端部を、前記テープ類梱包体の底面側にそれぞれ移動させる工程と、前記テープ類梱包体の天地を逆転させる工程と、前記天地が逆転されたテープ類梱包体における収納容器の上方に臨む底面を開口させ、前記収納容器の側面の開口から延出された前記収納始めの端部および収納終わりの端部を、前記開口された上方に臨む底面から延出させる工程と、を実施する
ことを特徴とするテープ類の取出方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1,2に記載のようなバラ仕様では、例えば
図1に示すように、収納を開始するジッパーテープZの収納始めの端部Z1が、段ボール箱Yの上面の開口Y1から引き出された状態で、ジッパーテープZが順次落下されて収納される。そして、ジッパーテープZの収納終わりZ2の端部も、段ボール箱Yの上面の開口Y1から引き出され、収納始めの端部Z1と、収納終わりの端部Z2とに異なる目印が付されて梱包される。この梱包されたジッパーテープZを用いて製袋する場合、ジッパーテープZの引き出されている収納始めの端部Z1が、他のバラ仕様の収納終わりの端部Z2と繋ぎ合わされ、連続的にジッパーテープZを製袋機へ供給できるようにしている。この後、ジッパーテープZの収納終わりの端部Z2から製袋機に供給され、収納されたジッパーテープZの上から順次取り出される。
【0005】
そして、例えば
図2に示すように、雄部材Z3の爪形状が非対称のものなど、断面形状が非対称となるジッパーテープZを用いて製袋した場合、製袋方法や製袋機の特性などにより、製袋されたジッパーテープ付袋体Xは、異なる特性のものとなる。
具体的には、雄部材Z3が図面上側に位置した状態で、ジッパーテープ付袋体Xの図面右側が開封される側となるトップシールX1が位置する形態(
図2(A)参照)と、その反対の図面左側にトップシールX1が位置する形態(
図2(B)参照)との異なる形態となる。
これら異なるジッパーテープ付袋体Xは、雄部材Z3の爪形状が断面非対称であることから、係合する雄部材Z3および雌部材Z4の係合解除性や耐内圧特性などの特性が全く異なる。すなわち、
図2(A)に示すジッパーテープ付袋体Xでは、トップシールX1側が開口され、開口側から雄部材Z3および雌部材Z4の係合を容易に解除できるとともに、内圧が高くなった場合には、雄部材Z3および雌部材Z4が強く係合して、不用意に開封してしまうことを防止できる。一方、
図2(B)に示すジッパーテープ付袋体Xでは、トップシールX1側が開口され、開口側から雄部材Z3および雌部材Z4の係合を解除しようとすると、雄部材Z3および雌部材Z4が強く係合して開封できない。このように、製袋されたジッパーテープ付袋体の開封挙動が変わってしまう。
このため、従来では、
図2(A)に示す形態に製袋するために、ジッパーテープZの収納終わりの端部Z2を供給する右仕様の梱包品と、
図2(B)に示す形態に製袋するために、ジッパーテープZの収納終わりの端部Z2を供給する左仕様の梱包品と、異なる2種類の仕様で梱包している。そして、製袋時に梱包の右仕様(R仕様とも称される)と左仕様(L仕様とも称される)とが適宜選択されて利用されている。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みて、梱包の仕様を変更可能なテープ類の梱包方法およびテープ類の取出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のテープ類の梱包方法は、テープ類を収納容器の鉛直方向における上面の開口から内部へ落下させながら、前記収納容器の鉛直方向に沿った中心軸を中心として周回状に収納して梱包するテープ類の梱包方法であって、前記テープ類の収納始めの端部は、前記テープ類の収納終わりの端部が位置される前記収納容器の上面の開口とは異なる面に臨んで位置させることを特徴とする。
【0008】
この発明では、テープ類の収納始めの端部を収納容器の上面の開口とは異なる面に臨む位置に位置させ、テープ類の収納終わりの端部を収納容器の上面の開口に位置させて収納させる。
このことから、上面の開口からテープ類を収納終わりの端部側から取り出す場合と、収納容器の上面の開口とは異なり収納始めの端部が位置する面を、鉛直方向の上方に臨ませ、テープ類を収納始めの端部側から取り出す場合では、例えばテープ類を用いて製袋された袋体が、いわゆる左仕様および右仕様の異なる仕様となる。このため、テープ類を取り出す端部側により、一つの梱包形態でも仕様を変更でき、それぞれ異なる仕様に梱包する必要がなく、部品点数を低減できる。
【0009】
ここで、収納容器の上面開口とは異なる面とは、収納容器の底面と側面とのいずれかである。
また、いわゆる左仕様および右仕様は、断面が非対称のテープ類を用いて製袋するなど、被取付物にテープ類を取り付けた状態が対称線で異なる仕様をいう。
【0010】
そして、本発明では、前記テープ類の収納始めの端部は、前記収納容器の底面に臨んで位置させる構成とすることもできる。
この発明では、テープ類が収納された収納容器の上面を上方に臨む状態とすることで、収納終わりの端部が収納容器の上面に位置して容易に取り出せる。一方、収納容器の底面を上方に臨む状態に天地を逆転させることで、収納始めの端部が収納容器の上面に位置して容易に取り出せる状態となる。
このため、テープ類が収納された収納容器の天地を逆転させるのみで、収納容器の上面からテープ類を順次取り出しできる端部側を、一つの梱包形態で選択できる。よって、例えば、断面が非対称のテープ類の場合、製袋するいわゆる左仕様および右仕様を、収納容器の天地を逆転させるのみで容易に変更できる。
【0011】
また、本発明では、前記テープ類の収納始めの端部は、前記収納容器の側面に臨んで位置させる構成とすることもできる。
この発明では、テープ類の収納終わりの端部を収納容器の上面から順次取り出す場合には、テープ類が収納された収納容器の上面を開口させる。一方、テープ類の収納始めの端部を取り出す場合には、テープ類の収納始めの端部が位置する側面を上方に臨む状態に位置させる。
このように、テープ類が収納された収納容器を、上面が上方に臨む状態と、側面が上方に臨む状態に位置させるのみで、収納容器の上面からテープ類を順次取り出しできる端部側を、一つの梱包形態で選択できる。よって、例えば、断面が非対称のテープ類の場合、製袋するいわゆる左仕様および右仕様を、収納容器の載置される姿勢を変更させるのみで容易に変更できる。
【0012】
本発明のテープ類の梱包方法は、テープ類を収納容器の鉛直方向における上面の開口から内部へ落下させながら、前記収納容器の鉛直方向に沿った中心軸を中心として周回状に収納して梱包するテープ類の梱包方法であって、前記テープ類の収納始めの端部および収納終わりの端部を、前記収納容器の側面にそれぞれ臨んで位置させることを特徴とする。
【0013】
この発明では、テープ類の収納始めの端部を収納容器の側面に位置させた後、テープ類を収納容器内に落下させながら、収納容器の鉛直方向に沿った中心軸を中心として周回状に収納し、収納終わりの端部を収納容器の側面に位置させて梱包している。
そして、テープ類の収納終わりの端部を収納容器の上面から順次取り出す場合には、例えば、収納終わりの端部が臨む側面を開口させて収納終わりの端部を側面から引き出し、収納容器の開口させた上面に移動させる。一方、テープ類の収納始めの端部を収納容器の上面から順次取り出す場合には、収納容器の天地を逆転させ、収納始めの端部が臨む側面を開口させて収納始めの端部を側面から引き出し、収納容器の上方に臨み開口された上面に移動させればよい。
このように、テープ類が収納された収納容器の載置される姿勢を変更させるのみで、収納容器の上面から順次取り出せるテープ類の端部側を選択できる。したがって、例えばテープ類を用いて製袋された袋体が、取り出す端部側により、いわゆる左仕様および右仕様の異なる仕様となる。このため、テープ類を取り出す端部側により、一つの梱包形態でも仕様を変更でき、それぞれ異なる仕様に梱包する必要がなく、部品点数を低減できる。
【0014】
そして、本発明では、前記テープ類の収納始めの端部および収納終わりの端部を、前記収納容器の同一側面にそれぞれ臨んで位置させる構成とすることもできる。
この発明では、テープ類の端部が位置する収納容器の側面を開口させ、テープ類の端部を外部に臨ませる。そして、テープ類の収納終わりの端部を収納容器の上面から順次取り出す場合には、側面に臨む収納終わりの端部を収納容器の開口させた上面に移動させる。一方、テープ類の収納始めの端部を収納容器の上面から順次取り出す場合には、収納容器の天地を逆転させるとともに、側面の開口から臨む収納始めの端部を収納容器の上方に臨み開口された上面に移動させる。
このように、テープ類の両端部を同一の側面にそれぞれ位置させることで、開口した側面にテープ類の両端部がそれぞれ臨むため、いわゆる左仕様および右仕様の選択が容易にできる。
【0015】
また、本発明では、前記テープ類の収納始めの端部を、前記収納容器に対して前記臨む位置に仮止めしてから前記テープ類を前記収納容器内に落下させる構成とすることもできる。
この発明では、テープ類の収納始めの端部を、収納容器に対して臨ませる位置に仮止めした後、テープ類を収納容器内に落下して収納させることで、テープ類の収納始めの端部を、収納容器の所定の位置に位置決めできる。このことにより、収納始めの端部が位置する位置で収納容器を開口させることで、収納始めの端部を容易に取り出しできる。
【0016】
さらに、本発明では、前記収納容器の面の外面には、前記収納始めの端部が臨む位置を報知する印が付されている構成とすることもできる。
この発明では、収納始めの端部が臨む位置が、収納容器に設けられた印により、収納容器の外面から容易に判定でき、収納始めの端部の取り出しが容易にできる。
【0017】
また、本発明では、前記収納始めの端部が位置する前記収納容器の面には、当該面の少なくとも一部を除去して開口可能とする開口形成部が設けられている構成とすることもできる。
この発明では、収納容器の上面の開口に位置しない収納始めの端部でも、開口形成部にて収納容器に開口を形成させることで、収納始めの端部が外部に臨み、収納始めの端部を容易に取り出しできる。
ここで、収納容器の面の少なくとも一部の除去とは、切断の他、予め形成した開口を塞ぐ封止部材の除去など、収納容器に開口を形成させるいずれの方法が適用できる。
また、開口形成部としては、例えばカットテープを用いて収納容器を切断したり、いわゆるミシン目と称される破線状の穴である目打ちとしたり、予め形成した収納容器の開口を塞ぐ蓋や粘着シートなどの封止部材などが適用できる。
【0018】
そして、本発明では、本発明のテープ類の梱包方法において、前記テープ類は、長手方向に対する断面形状が、幅方向において非対称である構成とすることもできる。
この発明では、断面が非対称のテープ類において、例えば製袋時に供給するテープ類の端部が収納始めの端部または収納終わりの端部により、製袋された形態が異なる。このことにより、いわゆる左仕様および右仕様を、供給する端部により容易に変更できることから、所望の形態に容易に製袋できる。
【0019】
本発明のテープ類の取出方法は、テープ類が収納容器の鉛直方向における上面の開口から内部へ落下されながら、前記収納容器の鉛直方向に沿った中心軸を中心として周回状に収納されて梱包されたテープ類梱包体から、前記テープ類を取り出すテープ類の取出方法であって、前記テープ類梱包体は、前記テープ類の収納始めの端部および収納終わりの端部が前記収納容器の上面の開口に臨んで前記テープ類を収納したものであり、前記テープ類梱包体の前記収納容器の上面を開口させ、前記上面の開口に臨む前記テープ類の収納始めの端部および収納終わりの端部を前記上面の開口から延出させる工程と、前記収納容器の上面の開口から底面に亘って側面を切断して側面の開口を形成し、前記延出するテープ類の収納始めの端部および収納終わりの端部を、前記側面の開口を通して前記収納容器の底面側に移動させる工程と、前記収納容器の上面の開口および側面の開口を閉塞して前記テープ類梱包体の天地を逆転させる工程と、前記天地が逆転された前記テープ類梱包体の前記収納容器の上方に臨む底面を開口させ、前記収納始めの端部を取り出す工程と、を実施することを特徴とする。
【0020】
この発明では、収納されたテープ類の収納終わりの端部から取り出して供給する場合、収納容器の天地を逆転させることなく、収納容器の上面に位置する収納終わりの端部を上面から順次取り出す。
一方、収納されたテープ類の収納始めの端部から取り出して供給する場合、収納容器の上面開口から底面に亘って側面を切断し、収納容器の上面に臨む収納始めの端部を、切断した側面開口から底面側に移動させ、収納容器の天地を逆転する。そして、上面側となった移動させた収納始めの端部を上面側―から順次取り出す。
このことから、供給するテープ類の端部側に応じて、収納容器の天地を適宜逆転させることで、上面側から容易に取り出しできる。このため、製袋時などに供給する端部側を容易に選択でき、いわゆる左仕様および右仕様を容易に変更できることから、製袋などのテープ類を用いる製造の効率を向上できる。
なお、端部を引き出す工程の後に端部を移動させる工程を実施し、天地を逆転させる工程を実施する場合の他、端部を引き出す工程の後に天地を逆転させる工程を実施し、端部を移動させる工程を実施するなど、工程の順番は適宜変更できる。
【0021】
本発明のテープ類の取出方法は、テープ類が収納容器の鉛直方向における上面の開口から内部へ落下されながら、前記収納容器の鉛直方向に沿った中心軸を中心として周回状に収納されて梱包されたテープ類梱包体から、前記テープ類を取り出すテープ類の取出方法であって、前記テープ類梱包体は、前記テープ類の収納始めの端部が前記収納容器の底面に臨んで位置し、前記テープ類の収納終わりの端部が前記収納容器の上面に臨んで位置する状態に、前記テープ類を収納したものであり、前記テープ類梱包体の天地を逆転する工程と、前記天地が逆転されたテープ類梱包体における前記収納容器の上方に臨む底面を開口させ、当該底面の開口に臨む前記収納始めの端部を取り出す工程と、を実施することを特徴とする。
【0022】
この発明では、収納されたテープ類の収納終わりの端部から取り出して供給する場合、収納容器の天地を逆転させることなく、収納容器の上面に位置する収納終わりの端部を上面から順次取り出して供給する。一方、収納始めの端部から供給する場合には、収納容器の天地を逆転し、上面側となった収納始めの端部を上面から順次取り出して供給する。
このことから、供給するテープ類の端部側に応じて、収納容器の天地を適宜逆転させるのみで、供給するテープ類の端部を上面側から容易に取り出しできる。このため、製袋時などに供給する端部側を容易に選択でき、いわゆる左仕様および右仕様を容易に変更できることから、製袋などのテープ類を用いる製造の効率を向上できる。
【0023】
そして、本発明では、前記テープ類梱包体の天地を逆転する工程の前に、前記テープ類梱包体の前記収納容器の上面を開口させ、前記上面の開口に臨む前記テープ類の収納終わりの端部を前記上面の開口から延出させる工程と、前記収納容器の上面の開口から底面に亘って側面を切断して側面の開口を形成し、前記上面の開口から延出するテープ類の収納終わりの端部を、前記側面の開口を通して前記収納容器の底面側に移動させる工程と、前記収納容器の上面の開口および側面の開口を閉塞する工程と、を実施する構成とすることもできる。
この発明では、テープ類梱包体の天地を逆転する工程の前に、上面の開口に臨む収納終わりの端部を底面側に移動させておくことで、例えば収納始めの端部側から取り出して供給する場合、収納終わりの端部に、他の収納容器に収納されたテープ類の収納始めの端部を繋ぎ合わせることができる。このことにより、テープ類の連続供給が容易にできる。
【0024】
本発明のテープ類の取出方法は、テープ類が収納容器の鉛直方向における上面の開口から内部へ落下されながら、前記収納容器の鉛直方向に沿った中心軸を中心として周回状に収納されて梱包されたテープ類梱包体から、前記テープ類を取り出すテープ類の取出方法であって、前記テープ類梱包体は、前記テープ類の収納始めの端部が前記収納容器の側面に臨んで位置し、前記テープ類の収納終わりの端部が前記収納容器の上面に臨んで位置する状態に、前記テープ類を収納したものであり、前記収納容器の側面を開口させ、前記テープ類の収納始めの端部を外部に延出させる工程と、前記側面から延出する収納始めの端部を、前記テープ類梱包体の底面側に移動させる工程と、前記テープ類梱包体の天地を逆転させる工程と、前記天地が逆転されたテープ類梱包体における収納容器の上方に臨む底面を開口させ、前記収納容器の側面の開口から延出された前記テープ類の収納始めの端部を、前記開口された上方に臨む底面から延出させて、前記収納始めの端部を取り出す工程と、を実施することを特徴とする。
【0025】
この発明では、収納されたテープ類の収納終わりの端部から取り出して供給する場合、収納容器の天地を逆転させることなく、収納容器の上面に位置する収納終わりの端部を上面から順次取り出す。
一方、収納されたテープ類の収納始めの端部から取り出して供給する場合、収納容器の側面を開口して収納始めの端部を延出させ、収納容器の底面側へ移動させ、収納容器の天地を逆転する。そして、天地逆転により上面側となった底面を開口させ、側面から延出する収納始めの端部を上面側となった底面に移動して延出させ、上面側から順次取り出す。
このことから、供給するテープ類の端部側に応じて、収納容器の天地を適宜逆転させることで、上面側から容易に取り出しできる。このため、製袋時などに供給する端部側を容易に選択でき、いわゆる左仕様および右仕様を容易に変更できることから、製袋などのテープ類を用いる製造の効率を向上できる。
なお、側面から収納始めの端部を延出した後に収納容器を天地逆転し、側面から延出する収納始めの端部を上面側となった底面側に移動させ、底面を開口させて取り出したり、側面から収納始めの端部を延出した後に収納容器を天地逆転し、上面側となった底面を開口させた後に側面から延出する収納始めの端部を底面の開口へ移動させて取り出したりするなど、工程の順番は適宜変更できる。
【0026】
そして、本発明では、前記テープ類梱包体の天地を逆転させる工程の前に、前記テープ類梱包体の前記収納容器の上面を開口させ、前記上面の開口に臨む前記テープ類の収納終わりの端部を前記上面の開口から延出させる工程と、前記上面の開口から延出された収納終わりの端部を、前記収納始めの端部が延出する収納容器の側面の開口を通して、前記テープ類梱包体の底面側に移動させる工程と、を実施するとともに、前記開口された上面に臨む底面から、前記収納始めの端部とともに、前記底面側に移動された収納終わりの端部を延出させる工程を実施する構成とすることもできる。
この発明では、テープ類梱包体の天地を逆転する工程の前に、上面の開口に臨む収納終わりの端部を底面側に移動させておくことで、例えば収納始めの端部側から取り出して供給する場合、収納終わりの端部に、他の収納容器に収納されたテープ類の収納始めの端部を繋ぎ合わせることができる。このことにより、テープ類の連続供給が容易にできる。
【0027】
本発明のテープ類の取出方法は、テープ類が収納容器の鉛直方向における上面の開口から内部へ落下されながら、前記収納容器の鉛直方向に沿った中心軸を中心として周回状に収納されて梱包されたテープ類梱包体から、前記テープ類を取り出すテープ類の取出方法であって、前記テープ類梱包体は、前記テープ類の収納始めの端部および収納終わりの端部がそれぞれ前記収納容器の側面に臨んで位置する状態に、前記テープ類を収納したものであり、前記収納容器の側面を開口させ、前記テープ類の収納始めの端部および収納終わりの端部のそれぞれを外部に延出させる工程と、前記側面から延出する収納始めの端部および収納終わりの端部を、前記テープ類梱包体の上面側にそれぞれ移動させる工程と、前記収納容器の上面を開口させ、前記収納容器の側面の開口から延出された前記収納始めの端部および収納終わりの端部を、前記開口された上面から延出させる工程と、を実施、または、前記収納容器の側面を開口させ、前記テープ類の収納始めの端部および収納終わりの端部のそれぞれを外部に延出させる工程と、前記側面から延出する収納始めの端部および収納終わりの端部を、前記テープ類梱包体の底面側にそれぞれ移動させる工程と、前記テープ類梱包体の天地を逆転させる工程と、前記天地が逆転されたテープ類梱包体における収納容器の上方に臨む底面を開口させ、前記収納容器の側面の開口から延出された前記収納始めの端部および収納終わりの端部を、前記開口された上方に臨む底面から延出させる工程と、を実施することを特徴とする。
【0028】
この発明では、まず、収納容器の側面を開口させて、収納始めの端部および収納終わりの端部をそれぞれ外部に延出する。
そして、収納終わりの端部から取り出して供給する場合、側面の開口から延出する収納始めの端部および収納終わりの端部を収納容器の上面側に移動させ、開口する上面からそれぞれ延出し、収納終わりの端部を取り出して供給する。ここで、側面の開口から延出した収納始めの端部および収納終わりの端部を、上面側に移動させた後に上面を開口させたり、上面を開口させた後に上面側に移動させたり、工程の順番は適宜変更できる。
一方、収納始めの端部から取り出して供給する場合、側面から延出する収納始めの端部および収納終わりの端部を、収納容器の底面側に移動させた後に収納容器の天地を逆転、もしくは収納容器の天地を逆転させた後に収納容器の底面側に移動させ、開口させた上面側となった底面からそれぞれ延出させ、収納始めの端部を取り出して供給する。ここで、側面から端部をそれぞれ延出した後に収納容器を天地逆転し、側面から延出する端部を上面側となった底面側にそれぞれ移動させ、底面を開口させて取り出したり、側面から端部をそれぞれ延出した後に収納容器を天地逆転し、上面側となった底面を開口させた後に側面から延出する収納始めの端部を底面の開口へ移動させて取り出したりするなど、工程の順番は適宜変更できる。
このことから、供給するテープ類の端部側に応じて、収納容器の天地を適宜逆転させることで、上面側から容易に取り出しできる。このため、製袋時などに供給する端部側を容易に選択でき、いわゆる左仕様および右仕様を容易に変更できることから、製袋などのテープ類を用いる製造の効率を向上できる。また、取り出さない端部側には、連続供給のための他のテープ類の端部を繋ぎ合わせればよく、連続供給のための繋ぎ合わせも上面側から容易に作業できる。
【0029】
そして、本発明では、本発明のテープ類の取出方法において、前記テープ類は、長手方向に対する断面形状が、幅方向において非対称である構成とすることもできる。
この発明では、断面が非対称のテープ類において、例えば製袋時に供給するテープ類の端部が収納始めの端部または収納終わりの端部により、製袋された形態が異なる。このことにより、いわゆる左仕様および右仕様を、供給する端部により容易に変更できることから、所望の形態に容易に製袋できる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態では、テープ類としてジッパーテープを例示するが、これに限らず、開封用のテープ、面ファスナー、防虫や脱酸素などの機能性のテープなど、テープ状のものであればよい。また、ジッパーテープなどのように、断面形状が非対称のものに限られない。
【0032】
[第一実施形態]
<ジッパーテープ付袋体の構成>
図3は、ジッパーテープ付袋体の平面を示す。
図4は、ジッパーテープ付袋体の断面を示す。
【0033】
図3,4に示すように、ジッパーテープ付袋体1は、食品、薬品、医療品、文具、雑貨などの各種物品を包装する袋体で、袋本体10と、袋本体10の内面に接合、例えばヒートシールされたジッパーテープ20とを備えている。
なお、袋本体10とジッパーテープ20との接合としては、ヒートシールに限らず、超音波による溶着、接着剤などを用いた接着など、各種方法を利用できる。
【0034】
(袋本体の構成)
袋本体10は、フィルムである基材フィルム11が2枚重ね合わされ、重なり合う周縁に、一対の接合部であるサイドシール部12とトップシール部13が形成される。
なお、2枚の基材フィルム11により製袋されたものに限らない。例えば、1枚の基材フィルムが折り返されて重ね合わされ、重なり合う周縁部分を接合して製袋するなど、三方製袋法、四方製袋法、ピロー式製袋法、回転ドラム式製袋方法など、各種製袋方法にて形成される構成に適用できる。
そして、袋本体10は、トップシール部13に沿ってジッパーテープ20が取り付けられ、ジッパーテープ20を取り付ける内部に、被包装物を収納する収納空間14を区画形成している。袋本体10は、トップシール部13が切除されて開封された縁が、ジッパーテープ20にて再封止される図示しない開口部の縁となる。なお、袋本体10は、下部に開口する図示しない投入口から被包装物が収納された後、ボトムシール部15が形成されて封止される。
【0035】
(ジッパーテープの構成)
ジッパーテープ20は、
図4に示すように、雄部材21および雌部材22を備えている。ジッパーテープ20は、袋本体10の開口部、すなわちトップシール部13が設けられる基材フィルム11の縁に沿って、取り付けられている。
雄部材21は、長手帯状に形成された雄側帯状基部21Aと、雄側帯状基部21Aに長手方向に沿って設けられ、壁状に突出する断面が鉤状に突出する雄部21Bと、を有している。雄部21Bは、トップシール部13側に突出する断面山形状の爪部21B1と、収納空間14側に突出する断面鉤形状の鉤部21B2とを備えている。
雌部材22は、雄部材21と同様に、長手帯状に形成された雌側帯状基部22Aと、雌側帯状基部22Aに長手方向に沿って設けられ、断面が凹状で雄部21Bが係合可能に突出する雌部22Bと、を有している。
【0036】
そして、ジッパーテープ付袋体1は、
図4において、ジッパーテープ20の雄部材21が図面上側に位置した状態で、ジッパーテープ付袋体1の図面左側が開封される側のトップシール部13が位置する形態、いわゆるL仕様で製造されている。このL仕様のジッパーテープ付袋体1は、雄部21Bの断面非対称な形状により、トップシール部13を除去した開封後のジッパーテープ付袋体1において、雄部21Bおよび雌部22Bの係合解除が容易である。また、ジッパーテープ付袋体1の収納空間14の内圧が高まっても、雄部21Bおよび雌部22Bの係合が解除されにくい。このように、
図4に示すいわゆるL仕様のジッパーテープ付袋体1は、易開封で高封止性の特性を示す。
【0037】
<ジッパーテープ付袋体の製造>
次に、上記いわゆるL仕様のジッパーテープ付袋体1を製造する動作について、図面を参照して説明する。ここでは、いわゆるL仕様のジッパーテープ付袋体1を製造する構成を例示するが、いわゆるR仕様のジッパーテープ付袋体1を製造してもよい。この場合には、梱包体6として、いわゆるR仕様でジッパーテープ20が梱包されたものを用いればよい。
図5は、ジッパーテープ付袋体の製造装置を示す概略斜視図である。
図6は、ジッパーテープの梱包体からジッパーテープを取り出す動作を示す説明図である。(A)は、ジッパーテープの梱包体を示す斜視図、(B)は、上面を開口させた梱包体を示す斜視図、(C)は、ジッパーテープの端部を移動させた梱包体を示す斜視図である。
図7は、ジッパーテープの梱包体からジッパーテープを取り出す動作を示す説明図である。(D)は、開口を封止した梱包体を示す斜視図、(E)は、天地を逆転させた梱包体を示す斜視図、(F)は、底面を開口させた梱包体を示す斜視図である。
なお、ジッパーテープ付袋体1の製造として三方製袋法を例示するが、種々の方法を採用することができる。
【0038】
(製造装置)
図5に示す製造装置5は、いわゆる三方製袋機を基本構成とするいわゆる二丁取りの装置で、二対の雄部材21および雌部材22を基材フィルム11に接合し、二つのジッパーテープ付袋1Aを製袋するものである。
ここで、ジッパーテープ20は、雄部材21の雄部21Bおよび雌部材22の雌部22Bが係合された状態で、いわゆるバラ仕様で梱包された2つの梱包体6(
図6,7参照)から、それぞれ製造装置5に供給されて基材フィルム11に接合される。
そして、製造装置5は、フィルム巻取ロール111から基材フィルム11を送り出すフィルム送出装置51と、梱包体6からジッパーテープ20を送り出す一対のテープ送出装置52A,52Bと、ジッパーテープ20を基材フィルム11にそれぞれヒートシールし、基材フィルム11からジッパーテープ付袋体1を形成させる製袋装置54と、などを備えている。
製袋装置54は、基材フィルム11とジッパーテープ20とをヒートシールする一対のシールバー541と、トップシール部13を形成するトップシールバー543と、サイドシール部12を形成するサイドシールバー544と、ジッパーテープ20間で切断する第一切断部545と、サイドシール部12毎に切断し、トップシール部13とサイドシール部12との三方がヒートシールされたジッパーテープ付袋1Aを得る第二切断部546と、を備えている。
【0039】
(梱包体の構成)
そして、テープ送出装置52A,52Bで用いる梱包体6は、
図6,7に示すように、収納容器である段ボール箱61内に、ジッパーテープ20が落下されながら収納されたものである。
この梱包体6は、段ボール箱61と、段ボール箱61内に収容されたビニール袋62と、段ボール箱61内の底部に対角線状に配置された支持板63と、支持板63の中央に、軸方向が段ボール箱61の鉛直方向の中心軸に沿って立設された円筒状の芯部材64と、ビニール袋62内に芯部材64を軸として周回状に収納されたジッパーテープ20と、を備えている。
この梱包体6は、
図6(B)に示すように、ジッパーテープ20の収納始めの端部20Aが、段ボール箱61の上面開口61A1から導出されたビニール袋62の開口縁62Aの近傍に、収納始めを示す表示が施された粘着テープ65Aにて予め仮止めされている。この仮止めの状態は、粘着テープ65Aが接着される側がジッパーテープ20の雄部材21側となるようになっている。この状態で、ジッパーテープ20が段ボール箱61内に落下されつつ、芯部材64を軸として周回状に収納されている。そして、ジッパーテープ20の収納終わりの端部20Bは、収納始めの端部20Aと同様に、収納終わりを示す表示が施された粘着テープ65Bにて仮止めされている。そして、梱包体6は、
図6(A)に示すように、段ボール箱61の上面開口61A1が封止され、ジッパーテープ20が梱包されている。なお、粘着テープ65A,65Bの表示は、文字などによる表示の他、色別など、端部20A,20Bを差別化できるいずれの表示が適用できる。
【0040】
なお、梱包体6は、ジッパーテープ20の収納終わりの端部20Bから、テープ送出装置52A(
図5中紙面下側)でジッパーテープ20を送り出した際、いわゆるL仕様で製袋される状態で梱包されている。
そして、段ボール箱61の外面には、いわゆるL仕様でジッパーテープ20が梱包されていることを報知する印である仕様表示66が設けられている。さらに、段ボール箱61の外面には、いわゆるL仕様用でジッパーテープ20を供給するため、上面開口61A1から、収納終わりの端部20Bを取り出し可能であることを報知する表示、すなわち梱包状態の天地を示す印である天地表示67が設けられている。
【0041】
(製造方法)
そして、いわゆるL仕様のジッパーテープ付袋体1の製造に際しては、基材フィルム11を送り出すフィルム送出工程と、ジッパーテープ20をそれぞれ送り出すテープ送出工程と、ジッパーテープ20を基材フィルム11にヒートシールして、いわゆるL仕様のジッパーテープ付袋1Aのみをいわゆる二丁取りで製袋する製袋工程と、などを実施する。
まず、フィルム送出装置51にフィルム巻取ロール111を装着するとともに、一対のテープ送出装置52A,52Bにジッパーテープ20を供給可能に装着しておく。
【0042】
ここで、ジッパーテープ20の装着に際して、いわゆるL仕様用の梱包体6のみを用いる。そして、テープ送出装置52A(
図5中紙面下側)には、L仕様用の梱包体6におけるジッパーテープ20の収納終わりの端部20Bを装着し、供給する状態とする。一方、テープ送出装置52B(
図5中紙面上側)には、L仕様用の梱包体6におけるジッパーテープ20の収納始めの端部20Aを装着し、供給する状態とする。
テープ送出装置52Aに収納終わりの端部20Bを装着する場合、いわゆるL仕様用の梱包体6の上面61Aを開口させ、粘着テープ65Bを取り外して、ジッパーテープ20の収納終わりの端部20Bを、上面開口61A1から延出させる。この取り出した状態では、ジッパーテープ20の端部20A,20Bに、それぞれ粘着テープ65A,65Bを取り付けたままとする。そして、雄部材21側が鉛直方向の上側となる状態で送り出される状態に、収納終わりの端部20Bを一方のテープ送出装置52Aに装着させる。
【0043】
一方、テープ送出装置52Bに収納始めの端部20Aを装着する場合、
図6(A)に示すいわゆるL仕様用の梱包体6について、
図6(B)に示すように、梱包体6の上面61Aを開口させる。そして、カッターナイフやハサミなどの切断具を用い、段ボール箱61の上面開口61A1およびビニール袋62の開口縁62Aから、段ボール箱61の底面61C(
図7(D)参照)に亘って、それぞれ側面の開口である切り込み68A(
図6(C)参照)を設ける。この後、粘着テープ65A,65Bをビニール袋62からそれぞれ取り外し、
図6(C)に示すように、ジッパーテープ20の端部20A,20Bを、切り込み68Aを通して段ボール箱61の底面61C側へ移動させる。なお、ジッパーテープ20の端部20A,20Bには、粘着テープ65A,65Bは取り付けたままとしておく。
【0044】
そして、
図7(D)に示すように、段ボール箱61の上面開口61A1および切り込み68Aを仮封止する。この仮封止の際、ジッパーテープ20の端部20A,20Bは、段ボール箱61から延出する状態のままとする。さらに、
図7(E)に示すように、梱包体6の天地を逆転させる。
この後、段ボール箱61の上方に臨む底面61Cを開口させ、切断具を用いて切り込み68Aを延長し、支持板63を取り外し、
図7(F)に示すように、ジッパーテープ20の端部20A,20Bを、上方に臨む底面61Cの底面開口61C1から延出させる。この状態で、収納始めの端部20Aから順次供給できる状態となり、いわゆるR仕様用の梱包体6となる。そして、この天地が逆転された梱包体6から、収納始めの端部20Aを他方のテープ送出装置52Bに装着させる。この装着の際、雄部材21が上方に臨む状態とする。
【0045】
この状態で、フィルム送出工程でフィルム送出装置51から基材フィルム11を送り出すとともに、テープ送出工程でテープ送出装置52A,52Bから、それぞれいわゆるL仕様用とR仕様用とでジッパーテープ20を送り出す。
製袋工程では、ジッパーテープ20の雄部材21および雌部材22を、基材フィルム11に対して所定の位置に位置決めし、シールバー541により、ジッパーテープ20の雄部材21および雌部材22を、基材フィルム11にそれぞれヒートシールする。
この後、トップシールバー543によりトップシール部13を形成する。続いて、サイドシールバー544により、基材フィルム11をヒートシールしてサイドシール部12を形成する。この後、第一切断部545および第二切断部546により切断し、トップシール部13とサイドシール部12との三方がシールされたジッパーテープ付袋1Aを二丁切り出す。
そして、得られたジッパーテープ付袋1Aに、図示しない充填装置により、被包装物を所定量投入し、被包装物を投入した縁をシールしてボトムシール部15を形成し、被包装物が収納されたジッパーテープ付袋体1が得られる。
【0046】
<第一実施形態の効果>
上述したように、上記第一実施形態では、ジッパーテープ20の端部20A,20Bが、それぞれ段ボール箱61の上面開口61A1に臨む状態で梱包された梱包体6を用いる。そして、テープ送出装置52Aからジッパーテープ20を供給する場合には、梱包体6の上面61Aを開口させ、開口された上面開口61A1に臨む収納終わりの端部20Bを引き出して供給する。一方、テープ送出装置52Bからジッパーテープ20を供給する場合には、上面開口61A1に臨む端部20A,20Bを、段ボール箱61に設けた切り込み68Aを通して底面61C側に移動させる。そして、天地を逆転させることで、ジッパーテープ20が絡まずに収納始めの端部20Aから引き出せるようにし、収納始めの端部20Aを供給する。
ここで、一対のテープ送出装置52A,52Bを備え、一つの仕様のジッパーテープ付袋1Aをいわゆる二丁取りで製袋する製造装置5では、基材フィルム11の送り出し方向を対称線として、対称的にジッパーテープ20を供給する構成となっている。この二丁取りで製袋する製造装置5を用いて製袋する場合、対称的にジッパーテープ20を供給するため、いわゆるL仕様用とR仕様用との異なる形態で梱包されたものを用いる必要がある。すなわち、一対のテープ送出装置52A,52Bに、同一の梱包状体の梱包体6を用いて製袋した場合、製造されるジッパーテープ付袋1Aは、易開封で内圧が高まっても開封しない高封止性のL仕様と、開封が困難となる例えば改竄防止目的のR仕様と、開封挙動が異なるものとなってしまう。
一方、本発明では、いわゆるL仕様用の梱包体6のみでも、天地を適宜逆転させ、端部20A,20Bを適宜供給させている。このため、いわゆるL仕様とR仕様とが対称的に製造されてしまうことなく、いわゆるL仕様のジッパーテープ付袋体1のみを製造できる。したがって、2つの仕様の梱包体6を用いる必要がないので、用いる部品点数を減少できることから、製造作業やバラ仕様の梱包体6の管理負荷を低減でき、ジッパーテープ付袋体1の製造が容易にでき、製造効率を向上できる。
【0047】
そして、用いるジッパーテープ20が、雄部材21の雄部21Bの長手方向に対する断面形状が、幅方向で非対称な形状である。すなわち、いわゆるL仕様のジッパーテープ付袋体1で、易開封性および高封止性を付与するために、雄部21Bが断面非対称に形成されている。
このことから、製造装置5に供給する向きが、例えば上側に雄部材21が位置するか、雌部材22が位置するかで、製造されるジッパーテープ付袋体1の仕様が異なってしまい、所望の特性のジッパーテープ付袋体1が得られなくなってしまう。したがって、このような非対称なジッパーテープ20を用いて製袋する場合には、特に有効である。
【0048】
また、上記第一実施形態では、テープ送出装置52Bからジッパーテープ20の収納始めの端部20Aを供給するために、梱包体6の天地を逆転させる際、収納終わりの端部20Bも底面61C側に移動させている。
このため、他の梱包体6の天地を逆転させていわゆるR仕様としたものを連設する際、既に収納終わりの端部20Bは上方に臨んでいるため、天地を逆転させてR仕様とした他の梱包体6の収納始めの端部20Aを容易に連結できる。したがって、ジッパーテープ20の連続供給が容易にできる。
【0049】
そして、上記第一実施形態では、ジッパーテープ20の収納始めの端部20Aを、段ボール箱61の上面61Aに臨む位置に仮止めした後、ジッパーテープ20を段ボール箱61内に落下して収納させた梱包体6としている。
このため、段ボール箱61を開封した際、ジッパーテープ20の収納始めの端部20Aが、上面開口61A1に臨むことから、例えば他のL仕様の梱包体6の収納終わりの端部20Bに連結して、ジッパーテープ20を連続供給できるようにすることが容易にできる。
【0050】
また、上記第一実施形態では、梱包体6では、粘着テープ65A,65Bを、ジッパーテープ20の雄部材21側に粘着する状態で仮止めしている。
このため、ジッパーテープ20を製造装置5に装着する際、ジッパーテープ20の雄部材21がいずれ側か容易に判断できる。したがって、正しい仕様のジッパーテープ付袋体1に製造することが、容易にできる。
【0051】
そして、上記第一実施形態では、段ボール箱61の外面に仕様表示66および天地表示67を設けている。
このため、いわゆるL仕様として供給される収納終わりの端部20B、およびL仕様として連結される収納始めの端部20Aが、段ボール箱61のいずれの面、すなわち上面61Aに位置することが、段ボール箱61を開封しなくても判定できる。したがって、端部20A,20Bの取り出しが容易にでき、ジッパーテープ付袋体1の製造が容易にできる。
【0052】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態を図面に基づいて説明する。
この第二実施形態は、第一実施形態におけるジッパーテープ20の梱包状態とは異なるものである。すなわち、第二実施形態は、ジッパーテープ20の収納始めの端部20Aが底面61Cに臨む位置で、収納終わり端部20Bが上面61Aに臨む位置で梱包されたものを例示する。
なお、第一実施形態と同一または類似の構成については、同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
図8は、ジッパーテープの梱包体からジッパーテープを取り出す動作を示す説明図である。(A)は、ジッパーテープの梱包体を示す斜視図、(B)は、上面を開口させた梱包体を示す斜視図、(C)は、ジッパーテープの収納終わりの端部を移動させた梱包体を示す斜視図である。
図9は、ジッパーテープの梱包体からジッパーテープを取り出す動作を示す説明図である。(D)は、開口を封止した梱包体を示す斜視図、(E)は、天地を逆転させた梱包体を示す斜視図、(F)は、底面を開口させた梱包体を示す斜視図である。
【0053】
<梱包体の構成>
図8,9に示すように、梱包体7は、段ボール箱61内にジッパーテープ20が落下されながら収納されたもので、段ボール箱61と、ビニール袋62と、支持板63と、芯部材64と、ジッパーテープ20と、を備えている。
段ボール箱61は、上面61Aから底面61Cに亘って切り込み68Aを形成できるように、例えばカットテープや紐状体などの開口形成部としての切断条68が設けられている。
そして、梱包体7は、
図8(A)に示すように、ジッパーテープ20の収納始めの端部20Aが、段ボール箱61の底面61Cに位置するビニール袋62に、粘着テープ65Aにて予め仮止めされている。この状態で、ジッパーテープ20が段ボール箱61内に落下されつつ、芯部材64を軸として周回状に収納されている。そして、ジッパーテープ20の収納終わりの端部20Bは、段ボール箱61の上面開口61A1から導出されたビニール袋62の開口縁62Aの近傍に、粘着テープ65Bにて仮止めされている。そして、梱包体6は、
図8(A)に示すように、段ボール箱61の上面開口61A1が封止され、ジッパーテープ20が梱包されている。
【0054】
<ジッパーテープ付袋体の製造方法>
そして、ジッパーテープ付袋体1の製造に際しては、フィルム送出装置51にフィルム巻取ロール111を装着するとともに、一対のテープ送出装置52A,52Bにジッパーテープ20を供給可能に装着しておく。
ジッパーテープ20の装着に際しては、テープ送出装置52A(
図5中紙面下側)にはいわゆるL仕様で、テープ送出装置52B(
図5中紙面上側)にはいわゆるR仕様で、ジッパーテープ20を供給する状態とする。
【0055】
すなわち、ジッパーテープ20をテープ送出装置52Aで供給する場合には、梱包体6の上面61Aを開口させ、粘着テープ65Bをビニール袋62から取り外し、ジッパーテープ20の収納終わりの端部20Bを、上面開口61A1から取り出す。この取り出した状態では、ジッパーテープ20の収納終わりの端部20Bに、粘着テープ65Bを取り付けたままとする。
そして、雄部材21側が鉛直方向の上側となる状態で送り出される状態に、収納終わりの端部20Bを一方のテープ送出装置52Aに装着させる。
【0056】
一方、ジッパーテープ20をテープ送出装置52Bで供給する場合には、
図8(A)に示す梱包体7について、
図8(B)に示すように、梱包体7の上面61Aを開口させる。そして、段ボール箱61の切断条68を段ボール箱61から切り取るようにして、段ボール箱61の上面61Aから底面61Cに亘る切り込み68Aを形成する。この後、粘着テープ65Bをビニール袋62からそれぞれ取り外し、
図8(C)に示すように、ジッパーテープ20の収納終わりの端部20Bを、切り込み68Aを通して段ボール箱61の底面61C側へ移動させる。
そして、
図9(D)に示すように、収納終わりの端部20Bが切り込み68Aから外部に延出状態で、段ボール箱61の上面開口61A1および切り込み68Aを仮封止する。さらに、
図9(E)に示すように、梱包体6の天地を逆転させる。
この後、段ボール箱61の上方に臨む底面61Cを開口させ、切断条68をさらに切り取って切り込み68Aを延長し、支持板63を取り外し、
図9(F)に示すように、ジッパーテープ20の収納終わりの端部20Bを、上方に臨む底面開口61C1から延出させる。また、底面61Cの開口により、ジッパーテープ20の収納始めの端部20Aが、底面開口61C1に臨む状態となる。そして、収納始めの端部20Aを、他方のテープ送出装置52Bに装着させる。この装着の際、雄部材21が上方に臨む状態とする。
【0057】
<第二実施形態の効果>
上述したように、上記第二実施形態では、ジッパーテープ20の収納始めの端部20Aを底面61Cに臨ませ、収納終わりの端部20Bを上面61Aに臨ませて梱包した梱包体7を用いる。そして、テープ送出装置52Aからジッパーテープ20を供給する場合には、梱包体7の上面61Aを開口させ、上面開口61A1に臨む収納終わりの端部20Bを引き出して供給する。一方、テープ送出装置52Bからジッパーテープ20を供給する場合には、天地を逆転させて上方に臨む底面61Cを開口させることで、収納始めの端部20Aを引き出して供給できる。
このように、第一実施形態と同様に、いわゆるL仕様用の梱包体6のみでも、天地を適宜逆転させ、対称的にジッパーテープ20を供給するテープ送出装置52A,52Bから、端部20A,20Bを適宜供給させている。このため、いわゆるL仕様とR仕様とが対称的に製造されてしまうことなく、いわゆるL仕様のジッパーテープ付袋体1のみを製造できる。したがって、2つの仕様の梱包体6を用いる必要がなく、用いる部品点数を減少できることから、製造作業やバラ仕様の梱包体6の管理負荷を低減でき、ジッパーテープ付袋体1の製造が容易にでき、製造効率を向上できる。
そして、第一実施形態と同様、非対称なジッパーテープ20を用いて製袋する場合には、特に有効である。
【0058】
また、第二実施形態では、収納始めの端部20Aから取り出して送り出す際、上面開口61A1に臨む収納終わりの端部20Bを、切り込み68Aを通して底面61C側に移動させ、収納始めの端部20Aと共に上方に臨む状態としている。
このため、第一実施形態と同様、他の梱包体6の天地を逆転させていわゆるR仕様としたものを連設する際、既に収納終わりの端部20Bは上方に臨んでいるため、容易に連結でき、ジッパーテープ20を容易に連続供給できる。
なお、梱包体7からジッパーテープ20の収納終わりの端部20Bを取り出し、テープ送出装置52Aに装着して供給する場合、ジッパーテープ20を連続供給するために、収納始めの端部20Aを取り出す場合、まず梱包体7の天地を逆転させる。そして、
図8(B),(C)、
図9(D),(E),(F)における収納終わり端部20Bを取り出す作業のように、収納始めの端部20Aを取り出す作業を実施する。このことにより、梱包体7の上面開口61A1に端部20A,20Bが延出する状態となり、連続供給のための連結も容易にできる。
【0059】
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態を図面に基づいて説明する。
この第三実施形態は、第一実施形態および第二実施形態におけるジッパーテープ20の梱包状態とは異なるものである。すなわち、第三実施形態は、ジッパーテープ20の収納始めの端部20Aが側面61Bに臨む位置で、収納終わり端部20Bが上面61Aに臨む位置で梱包されたものを例示する。
なお、第一実施形態および第二実施形態と同一または類似の構成については、同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0060】
図10は、ジッパーテープの梱包体からジッパーテープをL仕様で取り出す動作を示す説明図である。(A)は、ジッパーテープの梱包体を示す斜視図、(B)は、上面を開口させた梱包体を示す斜視図である。
図11は、ジッパーテープの梱包体からジッパーテープをL仕様で取り出す動作を示す説明図である。(C)は、ジッパーテープの収納始めの端部を側面の開口から延出させた梱包体を示す斜視図、(D)は、ジッパーテープの収納終わりの端部を、上面の開口に移動させた梱包体を示す斜視図である。
図12は、ジッパーテープの梱包体からR仕様でジッパーテープを取り出す動作を示す説明図である。(A)は、ジッパーテープの梱包体を示す斜視図、(B)は、上面を開口させた梱包体を示す斜視図、(C)は、ジッパーテープの収納始めおよび収納終わりの端部を、それぞれ側面の開口から延出させた梱包体を示す斜視図である。
図13は、ジッパーテープの梱包体からジッパーテープをR仕様で取り出す動作を示す説明図である。(D)は、開口を封止した梱包体を示す斜視図、(E)は、天地を逆転させた梱包体を示す斜視図、(F)は、底面を開口させた梱包体を示す斜視図である。
【0061】
<梱包体の構成>
図10〜13に示すように、梱包体8は、段ボール箱61内にジッパーテープ20が落下されながら収納されたもので、段ボール箱61と、ビニール袋62と、支持板63と、芯部材64と、ジッパーテープ20と、を備えている。
段ボール箱61は、一つの側面61Bに円形の側面開口61B1を形成させるいわゆるミシン目、すなわち破線状に連続する複数の孔の目打ち69(開口形成部)が設けられている。この目打ち69は、上面開口61A1および底面開口61C1に連続するように形成されている。なお、目打ち69が円形に形成された内側には、ジッパーテープ20の収納始めの端部20Aおよび収納終わりの端部20Bが位置し、側面61Bを開口可能である旨を報知する印である開口表示81が形成されている。
【0062】
そして、梱包体8は、
図10(A)および
図12(A)に示すように、ジッパーテープ20の収納始めの端部20Aが、段ボール箱61の側面61Bで、円形に形成された目打ち69の内側に位置するビニール袋62に、粘着テープ65Aにて予め仮止めされている。この状態で、ジッパーテープ20が段ボール箱61内に落下されつつ、芯部材64を軸として周回状に収納されている。
また、ジッパーテープ20の収納終わりの端部20Bは、目打ち69の内側に位置するビニール袋62に、粘着テープ65Bにて仮止めされる。そして、梱包体6は、
図10(A)および
図12(A)に示すように、段ボール箱61の上面開口61A1が封止され、ジッパーテープ20が梱包されている。
【0063】
<ジッパーテープ付袋体の製造方法>
そして、ジッパーテープ付袋体1の製造に際しては、フィルム送出装置51にフィルム巻取ロール111を装着するとともに、一対のテープ送出装置52A,52Bにジッパーテープ20を供給可能に装着しておく。
ジッパーテープ20の装着に際しては、テープ送出装置52AにはいわゆるL仕様で、テープ送出装置52BにはいわゆるR仕様で、ジッパーテープ20を供給する状態とする。
【0064】
すなわち、ジッパーテープ20をテープ送出装置52Aで供給する場合には、
図10(A)に示す梱包体8について、
図10(B)に示すように、梱包体8の上面61Aを開口させる。そして、
図11(C)に示すように、段ボール箱61の側面61Bを目打ち69で切断するとともに、ビニール袋62を破き、側面開口61B1を形成する。
そして、側面開口61B1に臨むジッパーテープ20の収納始めの端部20Aおよび収納終わりの端部20Bを、側面開口61B1からそれぞれ延出させる。さらに、目打ち69で切断して側面開口61B1を上面開口61A1に連通させ、収納始めの端部20Aおよび収納終わりの端部20Bを切り込み68Aを移動させ、
図11(D)に示すように、上面開口61A1からそれぞれ延出させる。
なお、収納始めの端部20Aおよび収納終わりの端部20Bは、切り込み68Aを移動させず、側面開口61B1から上面開口61A1へ潜らせるようにして、上面開口61A1からそれぞれ延出させてもよい。
【0065】
この後、ジッパーテープ20の収納終わりの端部20Bを、上面開口61A1から取り出す。この取り出した状態では、ジッパーテープ20の収納終わりの端部20Bに、粘着テープ65Bを取り付けたままとする。
そして、雄部材21側が鉛直方向の上側となる状態で送り出される状態に、収納終わりの端部20Bを一方のテープ送出装置52Aに装着させればよい。
また、ジッパーテープ20を連続供給するために、他の梱包体8を連結する場合には、上面開口61A1から延出させた収納始めの端部20Aに、他の梱包体8の上面開口61A1から延出させた収納終わりの端部20Bを連結すればよい。このことにより、上方からジッパーテープ20の連結作業が実施可能となる。
【0066】
一方、ジッパーテープ20をテープ送出装置52Bで供給する場合には、
図12(A)に示す梱包体8について、
図12(B)に示すように、梱包体8の上面61Aを開口させる。さらに、段ボール箱61の側面61Bを目打ち69で切断するとともに、ビニール袋62を破き、側面開口61B1を形成する。
そして、
図12(C)に示すように、側面開口61B1に臨むジッパーテープ20の収納始めの端部20Aおよび収納終わりの端部20Bを、側面開口61B1からそれぞれ延出させる。
【0067】
この後、
図13(D)に示すように、段ボール箱61の上面開口61A1を仮封止する。さらに、
図13(E)に示すように、梱包体6の天地を逆転させる。
さらに、段ボール箱61の上方に臨む底面61Cを開口させ、目打ち69で切断し、切り込み68Aを形成する。この切り込み68Aにより、側面開口61B1を底面開口61C1に連通させる。そして、側面開口61B1から延出するジッパーテープ20の端部20A,20Bを、それぞれ切り込み68Aを通して、
図13(F)に示すように、底面開口61C1から延出させる。この後、収納始めの端部20Aを、他方のテープ送出装置52Bに装着させる。
また、他の梱包体8のジッパーテープ20を連結する場合には、底面開口61C1から延出する収納終わりの端部20Bに連結させればよい。
【0068】
<第三実施形態の効果>
上述したように、上記第三実施形態では、ジッパーテープ20の収納始めの端部20Aおよび収納終わりの端部20Bを、側面61Bに臨ませて梱包した梱包体8を用いる。そして、テープ送出装置52Aからジッパーテープ20を供給する場合には、梱包体8の側面61Bを開口させ、側面開口61B1に臨む収納終わりの端部20Bを上面開口61A1へ移動させ、上面開口61A1から引き出して供給する。一方、テープ送出装置52Bからジッパーテープ20を供給する場合には、収納始めの端部20Aが臨む側面61Bを開口させ、開口された側面開口61B1から延出した収納始めの端部20Aを、底面61C側に移動させる。そして、天地を逆転させることで、ジッパーテープ20が絡まずに収納始めの端部20Aから引き出せるようにし、収納始めの端部20Aを供給している。
このように、第一実施形態および第二実施形態と同様に、いわゆるL仕様用の梱包体8のみでも、天地を適宜逆転させ、対称的にジッパーテープ20を供給するテープ送出装置52A,52Bから、端部20A,20Bを適宜供給させている。このため、いわゆるL仕様とR仕様とが対称的に製造されてしまうことなく、いわゆるL仕様のジッパーテープ付袋体1のみを製造できる。したがって、2つの仕様の梱包体8を用いる必要がなく、用いる部品点数を減少できることから、製造作業やバラ仕様の梱包体6の管理負荷を低減でき、ジッパーテープ付袋体1の製造が容易にでき、製造効率を向上できる。
そして、第一実施形態および第二実施形態と同様、非対称なジッパーテープ20を用いて製袋する場合には、特に有効である。
また、上方に端部20A,20Bの双方を移動させておくことで、上方からジッパーテープ20の連結が容易となり、ジッパーテープ20の連続供給が容易にできる。
さらに、収納始めの端部20Aおよび収納終わりの端部20Bの双方を同一の側面61Bに臨んで配置させたので、端部20A,20Bの取り出しが容易にできる。
【0069】
[変形例]
なお、本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した材質、層構成などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではない。さらに、それらの材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0070】
例えば、梱包体6,7,8の収納容器としては、段ボール製の箱に限らず、天地を逆転可能で、上面61Aや底面61Cを開口し、ジッパーテープ20の端部20A,20Bを適宜取り出し可能な、いずれの形態の箱体を利用できる。また、箱体としては、直方体や立方体形状に限らず、例えば円筒形なども利用できる。
また、ビニール袋62は、水濡れ防止のためのものであり、ビニール袋62を設けないものでもよい。
さらに、芯部材64は、ジッパーテープ20を端部20A,20Bから取り出す時に絡み合わないように、一方向の周回状に収納させるためのもので、一方向の周回状に収納であれば、設けなくてもよい。同様に、支持板63は、芯部材64を立設するための部材であり、芯部材64を立設可能ないずれの構成とすることができ、設けない構成でもよい。
【0071】
また、ジッパーテープ20の梱包状態としては、上記各実施形態に限られたものではなく、例えばジッパーテープ20の端部20A,20Bの双方を、段ボール箱61の側面61Bに臨むように収納したものでもよい。そして、側面61Bに位置させた端部20A,20Bは、同一の側面61Bでも、異なる側面61Bでもよい。なお、異なる側面61Bに端部20A,20Bがそれぞれ臨むようにした場合には、各側面61Bに端部20A,20Bが位置することを報知する開口表示81などの印を設けておくとよい。
特に、側面61Bに端部20A,20Bがそれぞれ臨む構成では、例えば
図14に示すように、ジッパーテープ20を挿通可能な程度の比較的に小さい側面開口61B1を、側面61Bに形成しておく。この側面開口61B1には、上面開口61A1や底面開口61C1に連通させる目打ち69が連続して設けておくとよい。このことにより、端部20A,20Bを移動させるための比較的大きな側面開口61B1を形成させたり、切断具にて切り込み68Aを形成させたりする必要がなく、端部20A,20Bの取り出しが容易にできる。
なお、目打ちに限らず、例えば
図15に示すように、切断条68を設けてもよい。このような切断条68で切断する構成では、切断条68を引っ張るなどして段ボール箱61を切断するので、端部20A,20Bの取り出しが容易にできる。
【0072】
また、テープ類としては、雄部が断面非対称のジッパーテープ20に限らず、雄部の断面が対称形のジッパーテープの梱包や取り出しにも適用できる。
さらには、断面非対称のテープ類としては、例えば
図16に示すように、雄部21Bおよび雌部22Bが複数対設けられたジッパーテープ20としてもよい。
さらに、テープ類としては、ジッパーテープ20に限らず、断面形状が非対称な各種テープ類を対象とすることができる。
【0073】
また、例えば、
図17に示すように、雄部材21および雌部材22の幅寸法が異なるジッパーテープ20や、カットテープなどの開封条30を備えたジッパーテープ20などとしてもよい。
この
図17に示すような、袋本体10の一方の基材フィルム11側のみに、ジッパーテープ20の一面側を接合する構成では、いわゆるL仕様用とR仕様用との異なる形態で梱包したものを用いて製袋した場合、基材フィルム11に接合する位置が対称的に逆となる。このため、いわゆるL仕様用またはR仕様用の一つの梱包状態のものとした場合、所望とするジッパーテープ付袋体1とは接合状態が逆のものとなってしまう。一方、本発明では、一つの梱包状態でも、いわゆるL仕様用またはR仕様用に変更できるため、片側のみ接合する
図17の構成としても、適宜対応できる。したがって、汎用性の向上が期待できる。