【解決手段】昇降搬送装置1では、第1荷物台21は、荷物Wを前後方向に移動可能な第1コンベア31を有する。第1前後駆動装置23は、第1荷物台21を前後方向に駆動する装置であって、第1荷物台21を前後方向に移動自在に支持する額縁状フレーム53を有する。一対の昇降案内フレーム55A、55Bは、額縁状フレーム53の前端及び後端に接続されている。昇降案内部材は一対の昇降案内フレーム55A、55Bに装着されている。第1昇降駆動装置25は、第1前後駆動装置23を昇降駆動する。額縁状フレーム53は、前後方向に延びて上下に配置された上側枠材101及び下側枠材103と、上下方向に延びて上側枠材101及び前記下側枠材103の前端同士及び後端同士をそれぞれ接続する前側枠材105と後側枠材107とを有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の昇降装置では、昇降搬送できる荷物は一度に1個だけである。つまり、昇降装置の搬送能力が十分ではない。したがって、昇降装置は、自動倉庫に対して大量の荷物を短時間で搬入・搬出できない。
一方、昇降装置の荷物搬送能力を向上する構造を採用すれば、製造コストが従来に比べて高くなることが予想される。
【0005】
本発明の目的は、昇降搬送装置において、昇降搬送能力を向上させつつ製造コストを抑えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
【0007】
本発明の一見地に係る昇降搬送装置は、荷物を昇降して搬送する装置である。昇降搬送装置は、荷物台と、前後駆動装置と、一対の昇降案内フレームと、昇降案内部材と、昇降駆動装置とを備えている。
荷物台は、荷物を前後方向に移動可能なコンベアを有する。
前後駆動装置は、荷物台を前後方向に駆動する装置であって、荷物台を前後方向に移動自在に支持する額縁状フレームを有する。
一対の昇降案内フレームは、額縁状フレームの前端及び後端に接続されている。
昇降案内部材は、一対の昇降案内フレームに装着されている。
昇降駆動装置は、前後駆動装置を昇降駆動する。
額縁状フレームは、前後方向に延びて上下に配置された上側枠材及び下側枠材と、上下方向に延びて上側枠材及び下側枠材の前端同士及び後端同士をそれぞれ接続する前側枠材と後側枠材とを有する。
この装置では、荷物台が前後駆動装置によって前後方向に移動自在に駆動されるので、2台の昇降駆動装置を組み合わせることで2つの荷物台をすれ違い昇降可能にできる。これにより、昇降搬送装置の昇降搬送能力が向上する。
さらに、中央部となる額縁状フレームと端部となる昇降案内フレームとを別部品にすることで、それぞれの部品に適切な製造方法を選択でき、結果としてコストを抑えられる。また、中央部を額縁状とすることで、サブユニットとして組立可能になる。
【0008】
前後駆動装置は、一対の直動ガイドと、駆動アクチュエータとをさらに有していてもよい。
一対の直動ガイドは、上側枠材及び下側枠材にそれぞれ取り付けられ、荷物台を前後方向に案内してもよい。
駆動アクチュエータは、上側枠材及び下側枠材の中間に配置され、荷物台に作用する駆動力を発生してもよい。
この装置では、上側枠材及び下側枠材の各々に直動ガイドを取り付けることで、荷物台を安定的に案内できる。さらに、上側枠材及び下側枠材の中間に駆動アクチュエータを配置することで、昇降搬送装置の左右方向長さを抑えることができる。
【0009】
昇降案内フレームは上下に延びる部材であってもよい。
昇降案内部材は、上下一対のローラと、上方一対のローラ及び下方一対のローラとを有していてもよい。上下一対のローラは、昇降案内フレームに装着され、前後方向の荷重を支持してもよい。上方一対のローラ及び下方一対のローラは、昇降案内フレームに装着され、前後方向に直交する左右方向の荷重を支持してもよい。
この装置では、昇降案内部材が装着される部材は、上下に延びる一体の部材としての昇降案内フレームである。したがって、昇降案内部材の剛性と精度を確保できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る昇降搬送装置では、昇降搬送能力を向上させつつ製造コストが抑えられる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.第1実施形態
(1)昇降搬送装置の概略構成
図1及び
図2を用いて、第1実施形態の昇降搬送装置1を説明する。
図1は、第1実施形態の昇降搬送装置の概略正面図である。
図2は、複数の昇降搬送装置の平面図である。
昇降搬送装置1は、複数段の棚を有する自動倉庫3に荷物Wを搬入又は自動倉庫3から荷物Wを搬出する装置である。なお、以下の説明では、
図1の左右方向を前後方向(矢印X方向)といい、前後方向に直交する方向を左右方向(矢印Y方向)という。
【0013】
図1に示すように、昇降搬送装置1は、自動倉庫3の入出庫部5と、入出庫ステーション7との前後方向間に配置されており、両者の間で荷物Wを搬送する。自動倉庫3は、各段シャトル式の自動倉庫であり、ラックの段ごとに搬送車(図示せず)が往復移動可能に配置されている。入出庫部5は、自動倉庫3に荷物Wを搬入及び自動倉庫3から搬出するための装置である。入出庫部5は、複数の段5A〜5Kを有している。段5A〜5Kは、荷物Wを前後方向に搬送するためのコンベア9A〜9Kを有している。コンベア9A〜9Kの図右側には、自動倉庫3の各段を走行する搬送車(図示せず)が配置されている。入出庫ステーション7は、複数の段7A〜7Dをそれぞれ有している。段7A、7Bは入出庫ステーション7の上側に配置され、段7C、7Dは入出庫ステーション7の下側に配置されている。段7A〜7Dは、荷物Wを前後方向に搬送するためのコンベア10A〜10Dをそれぞれ有している。
【0014】
(2)昇降搬送装置の詳細構成
図3〜
図4を用いて、昇降搬送装置1の詳細構成を説明する。
図3は、昇降搬送装置の平面図である。
図4は、昇降搬送装置の部分拡大図である。
昇降搬送装置1は、荷物Wを昇降して搬送する装置である。昇降搬送装置1は、循環する無端駆動伝達部材43(後述)を用いて第1荷物台21及び第2荷物台27(後述)を昇降させる。第1荷物台21と第2荷物台27とは互いに近接しており、平面視で同じ領域内を前後方向に移動可能であり、平面視で異なる位置に移動していれば上下方向にすれ違い移動が可能である。
【0015】
昇降搬送装置1は、一対の第1支柱41A、41B、一対の第2支柱42A、42Bを有している。4本の支柱41A、41B、42A、42Bは、平面視で矩形の頂点位置に配置されている。一対の第1支柱41A、41Bは、前後方向に互いに間隔を空けて配置されている。一対の第2支柱42A、42Bは、一対の第1支柱41A、41Bに対して左右方向に間隔を空けて配置され、さらに前後方向に互いに間隔を空けて配置されている。
昇降搬送装置1は、
図7に示すように、第1搬送装置11と、第2搬送装置13とを有している。第1搬送装置11は、第1昇降駆動装置25、第1荷物台21、第1前後駆動装置23を有している。第2搬送装置13は、第2昇降駆動装置31、第2荷物台27、第2前後駆動装置29を有している。
【0016】
(2−1)第1前後駆動装置
図3〜
図5を用いて、第1前後駆動装置23を説明する。
図3は、昇降搬送装置の平面図である。
図4は、昇降搬送装置の部分拡大側面図である。
図5は、昇降案内部材と支柱との関係示す横断面図である。
第1前後駆動装置23は、第1荷物台21を前後方向に移動自在に支持及び駆動する。
第1前後駆動装置23は、サブユニット51を有している。サブユニット51は、無端駆動伝達部材43(後述)に連結されている。
【0017】
サブユニット51は、複数のフレームから構成されており、一対の第1支柱41A、41Bによって昇降自在に支持されている。このようにサブユニット51は一対の第1支柱41A、41Bに支持されて昇降されるので、サブユニット51の姿勢が安定しており、そのため第1荷物台21(後述)の姿勢が正しく維持される。
サブユニット51は、額縁状フレーム53を有する。額縁状フレーム53は、前後方向に延びて上下に配置された上側枠材101及び下側枠材103と、上下方向に延びて上側枠材101及び下側枠材103の前端同士及び後端同士をそれぞれ接続する前側枠材105と後側枠材107とを有する。このように額縁状フレーム53がフレームからなる枠形状を有しているので、剛性が高くなる。また、額縁状フレーム53の軽量化も実現される。
【0018】
図3に示すように、一対の上側枠材101及び下側枠材103は平面視では左右方向に短い幅を有しており、一対の上側枠材101及び下側枠材103の左右方向幅は第1支柱41A、41Bの左右方向幅より短い。また、一対の上側枠材101及び下側枠材103は、第1支柱41A、41Bの左右方向幅の領域に概ね対応して配置されている。
サブユニット51には、一対の昇降案内フレーム55A、55B(昇降案内フレームの一例)が装着されている。一対の昇降案内フレーム55A、55Bは、額縁状フレーム53の前端及び後端に接続されており、上下に長い部材である。一対の昇降案内フレーム55A、55Bと額縁状フレーム53との接続は、ボルト、溶接等の公知の技術が用いられる。
【0019】
以下、昇降案内フレーム55Aに装着される昇降案内部材を説明する。なお、以下の説明は、昇降案内フレーム55Bについても同様である。
昇降案内フレーム55Aには、上方一対のガイドローラ36A及び下方一対のガイドローラ36Bが装着されている。ガイドローラ36A及び36Bは、回転軸が前後方向を向いており、左右方向の荷重を支持する。
図5に示すように、一対の第1支柱41A、41Bには、前後方向に延びる第1プレート91が固定されており、ガイドローラ36A、36Bは、第1プレート91の両面に当接している。
【0020】
昇降案内フレーム55Aには、上下一対のガイドローラ37A、37Bが装着されている。上下一対のガイドローラ37A、37Bは、回転軸が左右方向を向いており、前後方向の荷重を支持している。
図5に示すように、一対の第1支柱41A、41Bには、前後方向に延びる壁面93が設けられており、ガイドローラ37A、37Bは、壁面93に当接している。
上記の構造の効果として、昇降案内部材(上方一対のガイドローラ36A及び下方一対のガイドローラ36B、上下一対のガイドローラ37A、37B)が組み付けられる部材は、上下に延びる一体の部材としての昇降案内フレーム55Aである。したがって、昇降案内部材の剛性と精度を確保できる。
【0021】
上記の構造の効果として、中央部となる額縁状フレーム53と端部となる一対の昇降案内フレーム55A、55Bとを別部品にすることで、それぞれの部品に適切な製造方法を選択することができ、結果としてコストを抑えることができる。例えば、額縁状フレーム53は、溶接と機械加工により製作される。昇降案内フレーム55A、55Bは、鋳造と機械加工により製作される。また、中央部を額縁状とすることで、サブユニットとして組立可能になる。
第1前後駆動装置23は、第1直進ガイド機構54A(直動ガイドの一例)を有している。第1直進ガイド機構54Aは、第1荷物台21を第1昇降駆動装置25のサブユニット51に対して前後方向に移動可能に支持する部材である。第1直進ガイド機構54Aは、上側枠材101に取り付けられている。第1直進ガイド機構54Aは、例えばリニアガイドである。
【0022】
第1前後駆動装置23は、第2直進ガイド機構54B(直動ガイドの一例)を有している。第2直進ガイド機構54Bは、第1荷物台21を第1昇降駆動装置25のサブユニット51に対して前後方向に移動可能に支持する部材である。第2直進ガイド機構54Bは、下側枠材103に取り付けられている。第2直進ガイド機構54Bは、例えばリニアガイドである。
【0023】
第1前後駆動装置23は、直進駆動機構57(駆動アクチュエータの一例)を有している。直進駆動機構57は、第1荷物台21に対して前後方向に力を付与する機構である。直進駆動機構57は、上側枠材101及び下側枠材103の中間に配置されている。直進駆動機構57は、額縁状フレーム53に取り付けられている。
直進駆動機構57は、ボールねじ59とナット60によって構成されている。ボールねじ59は、サブユニット51に固定され、前後方向に延びている。より具体的には、ボールねじ59は、額縁状フレーム53に回転自在に固定されている。ナット60は、第1荷物台21に固定されている。
【0024】
直進駆動機構57は、第1スライドモータ85を有している。第1スライドモータ85がボールねじ59を回転させると、ナット60と共に第1荷物台21が前後方向に移動する。第1スライドモータ85も額縁状フレーム53に固定されている。
このように上側枠材101及び下側枠材の103にそれぞれ第1直進ガイド機構54A及び第2直進ガイド機構54Bを取り付けることで、第1荷物台21を安定的に案内できる。さらに、上側枠材101及び下側枠材103の中間に直進駆動機構57を配置することで、昇降搬送装置1の左右方向長さを抑えることができる。
【0025】
図3に示すように、直進駆動機構57は、平面視でサブユニット51すなわち一対の上側枠材101及び下側枠材103の左右方向幅内に収まるように配置されている。したがって、昇降搬送装置1の左右方向の寸法が短くなる。ここで、「左右方向幅内に収まるように配置されている」とは、直進駆動機構57が平面視でサブユニット51すなわち一対の上側枠材101及び下側枠材103に対して左右方向に突出していないことを意味する。
ただし、他の実施形態として、直進駆動機構57は、平面視でサブユニット51の左右方向幅内から一部又は全部がはみ出るように配置されていてもよい。
【0026】
(2−2)第1昇降駆動装置
第1昇降駆動装置25は、第1前後駆動装置23を昇降移動自在に支持及び駆動するための装置である。
第1昇降駆動装置25は、無端駆動伝達部材43を有している。無端駆動伝達部材43はチェーンである。無端駆動伝達部材43は、サブユニット51を昇降させるための部材である。無端駆動伝達部材43は、左右方向に平行な鉛直面内で周回移動可能に配置されている。
具体的には、無端駆動伝達部材43は、
図4に示すように、昇降案内フレーム55A、55Bの上下にある連結部61A、61Bに接続されている。ただし、無端駆動伝達部材43は、額縁状フレーム53に接続されていてもよい。
【0027】
第1昇降駆動装置25は、無端駆動伝達部材43を回転駆動させるための第1昇降モータ47(
図7)を有している。第1昇降モータ47は、第1支柱41A、第1支柱41B、第2支柱42A、第2支柱42Bの上部に設けられている。
図6を用いて、第1昇降駆動装置25を説明する。
図6は、昇降駆動装置の部材の配置関係を説明するための模式図である。
【0028】
第1昇降駆動装置25は、複数の第1方向転換部材45を有している。第1方向転換部材45はスプロケットである。無端駆動伝達部材43は、複数の第1方向転換部材45に掛けられている。第1方向転換部材45の1つが第1昇降モータ47によって駆動されることで、無端駆動伝達部材43が周回移動する。第1昇降モータ47の回転方向が切り換えられると、無端駆動伝達部材43の周回方向が切り換えられる。
【0029】
(2−3)第1荷物台
第1荷物台21は、
図3に示すように、荷物Wを前後移動可能な第1コンベア33を有している。第1荷物台21は、サブユニット51に対して左右方向片側において片持ちで支持されている。
第1荷物台21の前後方向長さはサブユニット51の前後方向長さの半分程度である。したがって、第1荷物台21は、サブユニット51に対して、平面視で前後方向両側の第1位置と第2位置の間で移動可能である。第1コンベア33は、第1コンベアモータ87(
図7)によって駆動される。
この実施形態では、第1コンベア33は、上下方向に並んで配置された二段のコンベアである。二段の第1コンベア33は一体に動作可能である。これにより、昇降搬送装置1が荷物Wを搬送する能力が向上する。
【0030】
(2−4)第2搬送装置
第2搬送装置13は、第1搬送装置11と基本的な構造が同じである。つまり、第2昇降駆動装置31の基本的な構造は、第1昇降駆動装置25と同じである。第2前後駆動装置29の基本的な構造は、第1前後駆動装置23と同じである。第2荷物台27の基本的構造は、第1荷物台21と同じである。
以上より、第2搬送装置13の構造の説明を省略する。
【0031】
(3)昇降搬送装置の制御構成
図7を用いて、昇降搬送装置1の制御構成を説明する。
図7は、昇降搬送装置の制御構成を示すブロック図である。
昇降搬送装置1は、コントローラ83を有している。コントローラ83は、昇降搬送装置1の各種構成を制御する装置である。コントローラ83は、プロセッサ(例えば、CPU)と、記憶装置(例えば、ROM、RAM、HDD、SSDなど)と、各種インターフェース(例えば、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、通信インターフェースなど)を有するコンピュータシステムである。コントローラ83は、記憶部(記憶装置の記憶領域の一部又は全部に対応)に保存されたプログラムを実行することで、各種制御動作を行う。
コントローラ83は、単一のプロセッサで構成されていてもよいが、各制御のために独立した複数のプロセッサから構成されていてもよい。
【0032】
コントローラ83は、第1搬送装置11の第1昇降モータ47、第1スライドモータ85、第1コンベアモータ87に接続されている。
コントローラ83は、第2搬送装置の13の第2昇降モータ67、第2スライドモータ89、第2コンベアモータ90に接続されている。
コントローラ83は上記モータの動作を制御する。なお、コントローラ83には、各装置の位置及び状態を検出するための複数のセンサ(図示せず)が接続されている。
【0033】
(4)昇降搬送装置の動作
(4−1)基本動作
昇降搬送装置1では、第1昇降駆動装置25が第1前後駆動装置23を昇降移動させ、第1前後駆動装置23が第1荷物台21を前後移動させ、第1荷物台21の第1コンベア33が荷物Wを前後移動させる。第1荷物台21の前後移動は、第1前後駆動装置23の昇降移動と同時であってもよいし、第1前後駆動装置23の昇降移動が停止しているときでもよい。また、第2昇降駆動装置31が第2前後駆動装置29を昇降移動させ、第2前後駆動装置29が第2荷物台27を前後移動させ、第2荷物台27の第2コンベア35が荷物Wを前後移動させる。第2荷物台27の前後移動は、第2前後駆動装置29の昇降移動と同時であってもよいし、第2前後駆動装置29の昇降移動が停止しているときでもよい。上記の動作により、昇降搬送装置1が荷物Wを搬送できる。
昇降搬送装置1では、2台の荷物台が荷物Wの搬送を行うので、昇降搬送装置1の搬送能力が向上している。特に、第1荷物台21と第2荷物台27とを平面視で重ならない前後方向位置に移動させた状態で相対的に昇降移動させることにより両者のすれ違い移動ができるので、荷物搬送の自由度が高くなる。したがって、昇降搬送装置1が荷物Wを搬送する能力が向上する。また、第1荷物台21と第2荷物台27を近接して配置することができ、昇降搬送装置1のサイズを小さくできる。
【0034】
昇降搬送装置1では、2台の荷物台が荷物Wの搬送を行うので、1台の荷物台が故障したとしても、残りの1台の荷物台で搬送動作が実行できる。特に故障した荷物台は入出庫ステーション7側でかつコンベア11Bとコンベア11Cとの間で待機すれば、いずれのコンベアに対しても残りの1台の荷物台がアクセスできる。
【0035】
(4−2)すれ違い動作の原理
第1前後駆動装置23のサブユニット51と第2前後駆動装置29のサブユニット51は、前述のように、平面視において、左右方向に離れた位置に配置されている。そして、両者の間が、平面視において、第1荷物台21と第2荷物台27が移動可能な第1位置と第2位置とになっている。
図3に示すように、第1荷物台21が第1位置にあり第2荷物台27が第2位置にある場合、又は、第1荷物台21が第2位置にあり第2荷物台27が第1位置にある場合、両者は平面視で重なっていない。
図8及び
図9を用いて、第1荷物台21と第2荷物台27との上下方向すれ違い動作を説明する。
図8及び
図9は、昇降台同士のすれ違い動作を説明するための模式図である。
【0036】
コントローラ83は、第1前後駆動装置23と第2前後駆動装置29によって第1荷物台21と第2荷物台27とを平面視で重ならない前後方向位置に移動させた状態で、第1昇降駆動装置25と第2昇降駆動装置31とによって第1前後駆動装置23と第2前後駆動装置をそれぞれ昇降移動させることにより第1荷物台21と第2荷物台27とをすれ違い移動させる。
なお、すれ違い移動は、第1荷物台21と第2荷物台27の一方が停止しており、他方が昇降移動することでも実現される。
【0037】
2.本実施形態の特徴
昇降搬送装置1(昇降搬送装置の一例)は、荷物W(荷物の一例)を昇降して搬送する装置である。昇降搬送装置1は、第1荷物台21(荷物台の一例)と、第1前後駆動装置23(前後駆動装置の一例)と、一対の昇降案内フレーム55A、55B(一対の昇降案内フレームの一例)と、上方一対のガイドローラ36A及び下方一対のガイドローラ36B、上下一対のガイドローラ37A、37B(昇降案内部材の一例)と、第1昇降駆動装置25(昇降駆動装置の一例)とを備えている。
第1荷物台21は、荷物Wを前後方向に移動可能な第1コンベア33(コンベアの一例)を有する。
第1前後駆動装置23は、第1荷物台21を前後方向に駆動する装置であって、第1荷物台21を前後方向に移動自在に支持する額縁状フレーム53(額縁状フレームの一例)を有する。一対の昇降案内フレーム55A、55Bは、額縁状フレーム53の前端及び後端に接続されている。上方一対のガイドローラ36A及び下方一対のガイドローラ36B、上下一対のガイドローラ37A、37Bは、一対の昇降案内フレーム55A、55Bに装着されている。
第1昇降駆動装置25は、第1前後駆動装置23を昇降駆動する。
額縁状フレーム53は、前後方向に延びて上下に配置された上側枠材101(上側枠材の一例)及び下側枠材103(下側枠材の一例)と、上下方向に延びて上側枠材101及び下側枠材103の前端同士及び後端同士をそれぞれ接続する前側枠材105(前側枠材の一例)と後側枠材107(後側枠材の一例)とを有する。
【0038】
この装置では、中央部となる額縁状フレーム53と端部となる昇降案内フレーム55A、55Bとを別部品にすることで、それぞれの部品に適切な製造方法を選択でき、結果としてコストを抑えられる。また、中央部を額縁状とすることで、サブユニット51として組立可能になる。
【0039】
3.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
【0040】
前記実施形態では各昇降台は2台つまり複数のコンベアを有していたが、昇降台のコンベアの数は特に限定されない。例えば、昇降台のコンベアの数は単数であってもよいし、3台以上であってもよい。
前記実施形態では昇降搬送装置は自動倉庫への荷物の搬入及び自動倉庫からの搬出の両方に用いられていたが、搬入のみ又は搬出のみに用いられてもよい。
無端駆動伝達部材はベルトでもよい。
前記実施形態では昇降駆動装置にはカウンターウェイトが設けられていなかった。しかし、カウンターウェイトが昇降駆動装置に設けられた昇降搬送装置にも本発明を適用できる。