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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-226603(P2017-226603A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】多層型化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/60 20060101AFI20171201BHJP
   A61K 8/03 20060101ALI20171201BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20171201BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20171201BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20171201BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   A61K8/60
   A61K8/03
   A61K8/34
   A61K8/31
   A61K8/37
   A61Q19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-121436(P2016-121436)
(22)【出願日】2016年6月20日
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄
(74)【代理人】
【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人
(72)【発明者】
【氏名】早瀬 基
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA032
4C083AA112
4C083AA122
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC111
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC262
4C083AC351
4C083AC352
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC432
4C083AC492
4C083AD022
4C083AD042
4C083AD152
4C083AD211
4C083AD212
4C083AD532
4C083AD622
4C083AD642
4C083CC04
4C083CC19
4C083CC23
4C083DD05
4C083DD23
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE16
(57)【要約】
【課題】マンノシルエリスリトールリピッドを含有し、振盪時に均一な分散状態となる良好な分散性を有し、静置時には界面が明瞭な二層以上に分離し、べたつかないなど使用感にも優れる多層化粧料の提供。
【解決手段】下記成分(A)〜(C)を含有し、成分(C)に対する成分(B)の含有質量比((B)/(C))が0.07以上8以下であり、成分(A)及び(B)の合計に対する水の含有質量比(水/[(A)+(B)])が0.1以下である多層型化粧料。
(A) マンノシルエリスリトールリピッド
(B) 成分(A)以外の多価アルコール
(C) IOB値が0以上0.18以下の油剤からなる液状油
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)〜(C)を含有し、成分(C)に対する成分(B)の含有質量比((B)/(C))が0.07以上8以下であり、成分(A)及び(B)の合計に対する水の含有質量比(水/[(A)+(B)])が0.1以下である多層型化粧料。
(A) マンノシルエリスリトールリピッド
(B) 成分(A)以外の多価アルコール
(C) IOB値が0以上0.18以下の油剤からなる液状油
【請求項2】
成分(B)に対する成分(A)の含有質量比((A)/(B))が0.01以上0.15以下である請求項1に記載の多層型化粧料。
【請求項3】
成分(C)が、炭化水素、直鎖飽和脂肪酸と分岐飽和アルコールのエステル、直鎖不飽和脂肪酸と直鎖飽和アルコールのエスエル、直鎖不飽和脂肪酸と直鎖不飽和アルコールのエステル、分岐飽和脂肪酸と分岐飽和アルコールのエステル、直鎖不飽和脂肪酸のトリグリセリド及び分岐飽和脂肪酸のトリグリセリドから選択される1種又は2種以上の液状油剤を含む請求項1又は2に記載の多層型化粧料。
【請求項4】
成分(B)が、2価以上5価以下の多価アルコールである請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層型化粧料。
【請求項5】
成分(A)及び(B)の合計に対する(D)エタノールの含有質量比((D)/[(A)+(B)])が、0.05以下である
【請求項6】
1〜4のいずれか1項に記載の多層型化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多層型化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
静置時には外観上、複数の層に分離しており、使用時に振盪して混合してから皮膚に適用する多層型化粧料が知られている(特許文献1、2参照)。これらの多層型化粧料は、振盪することにより各々均一な乳液状、粉末分散状となり、静置することにより分散した油分や粉末が上部又は下部に集まり、再び多層状の外観をなすものであり、化粧料外観の審美性に優れた化粧料である。
【0003】
一方、マンノシルエリスリトールリピッドは、セラミドに近い構造を持つバイオサーファクタントの一種として、肌に優しい界面活性剤として知られている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4-112811号公報
【特許文献2】特開2002-255739号公報
【特許文献3】特開2009-167159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
マンノシルエリスリトールリピッドを多層型化粧料に利用することができれば、肌に優しく、かつ化粧料外観の審美性に優れた多層型化粧料となることが考えられる。しかし、マンノシルエリスリトールリピッドはHLBが8.7程度の界面活性能を有し、それ自体は水や油への溶解性が低いため、これを水層−油層を含む多層型化粧料に使用した場合には振盪時に均一な分散状態になりにくいことが予測される。このため、マンノシルエリスリトールリピッドを多層型化粧料に利用することはほとんど検討されてこなかった。
【0006】
したがって本発明は、マンノシルエリスリトールリピッドを含有し、振盪時に均一な分散状態となり、静置時に各層の界面が明瞭である、化粧料外観の審美性及び使用感に優れる多層型化粧料に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、マンノシルエリスリトールリピッドを用いた多層型化粧料について鋭意検討した結果、水層−油層を含む多層型化粧料では、振盪時に均一な分散状態になりにくいばかりではなく、更に静置時においても、界面にマンノシルエリスリトールリピッドと水の会合体が形成されてしまうことで分離性に問題があることが明らかになった。また、同様の問題は、水層−油層を含む多層型化粧料だけでなく、水層−多価アルコール層を含む多層型化粧料にも生じていた。
【0008】
ここにおいて本発明者は、意外にも、多価アルコール層−特定の油剤を含有する油層を含む多層型化粧料の形態とすることによって、マンノシルエリスリトールリピッドを含有していても、振盪時に容易に均一な分散状態となり、静置時には各層の界面が明瞭な二層以上に分離し、使用感にも優れるものとなることを見いだし、本発明を完成した。
【0009】
すなわち本発明は、下記成分(A)〜(C)を含有し、成分(C)に対する成分(B)の含有質量比((B)/(C))が0.07以上8以下であり、成分(A)及び(B)の合計に対する水の含有質量比(水/[(A)+(B)])が0.1以下である多層型化粧料を提供するものである。
(A) マンノシルエリスリトールリピッド
(B) 成分(A)以外の多価アルコール
(C) IOB値が0以上0.18以下の油剤からなる液状油
【発明の効果】
【0010】
本発明の多層型化粧料は、振盪時に均一な分散状態となり、静置時には界面が明瞭な二層以上に分離し、化粧料外観の審美性に優れ、かつ、べたつかないなど使用感にも優れる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔定義〕
本発明において液状とは、「ASTM D 4359-90:Standard Test Method for Determining Whether a Material is a Liquid or Solid」に基づく固体−液体判定試験により、「液体」と判定される物質の状態をいう。また、本発明において固形状とは、前記固体−液体判定試験により「固体」と判定される物質をいう。ただし、101.3kPaの大気圧において融点又は溶け始めの温度が20℃以下の油剤は、前記固体−液体判定試験によらず、「液体」と判定する。
【0012】
本発明においてIOB値とは、Inorganic/Organic Balance(無機性/有機性比)の略であって、無機性値の有機性値に対する比率を表す値であり、有機化合物の極性の度合いを示す指標となるものである。IOB値は、具体的には、「IOB値=無機性値/有機性値」として表される。ここで、「無機性値」、「有機性値」のそれぞれについては、例えば、分子中の炭素原子1個について「有機性値」が20、同水酸基1個について「無機性値」が100といったように、各種原子又は官能基に応じた「無機性値」、「有機性値」が設定されており、有機化合物中の全ての原子及び官能基の「無機性値」、「有機性値」を積算することによって、当該有機化合物のIOB値を算出することができる(例えば、藤田著、「化学の領域」第11巻、第10号、第719頁〜第725頁、1957年参照)。
【0013】
本発明において油剤とは、水への溶解度(1013.25hPa、20℃)が2g/100gH2O未満の物質をいう。
【0014】
〔成分(A):マンノシルエリスリトールリピッド〕
本発明に用いられる成分(A)のマンノシルエリスリトールリピッド(以下、MELともいう)は、酵母が作る天然界面活性剤であり、下記一般式(1)で表され、マンノースの1位の酸素原子上にエリストリトール残基が置換し、2位及び3位の酸素原子上にアシル基が置換し、4位及び6位の酸素原子上にはアセチル基が置換していてもよい構造を有する化合物である。
【0015】
【化1】
【0016】
〔式中、R1及びR2は同一でも異なってもよく、水素原子又はアセチル基を示し、R3及びR4は同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜18の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又は炭素数2〜18の直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基、アルカジエニル基若しくはアルカトリエニル基を示す。〕
【0017】
なお、本発明において、通常の表記に従い、一般式(1)において、R1とR2が同時にアセチル基であるものは「MEL-A」、R1がアセチル基、R2が水素原子であるものは「MEL-B」、R1が水素原子、R2がアセチル基であるものは「MEL-C」、R1とR2が同時に水素原子であるものは「MEL-D」と表記する。これらのうち、静置時の各層への分離性の良さ、振盪時に均一な分散状態となる分散性の良さを有するものとする観点から、MEL-B及びMEL-Cから選択される1種又は2種が好ましい。
【0018】
3及び/又はR4がアルキル基である場合のR3及びR4の炭素数は、静置時の各層の界面の分離性の良さ、振盪時に均一な分散状態となる分散性の良さを有するものとする観点から、好ましくは3以上、より好ましくは7以上であり、また好ましくは15以下、より好ましくは13以下、更に好ましくは11以下である。R3及び/又はR4がアルキル基である場合の具体的な炭素数は、好ましくは1〜15、より好ましくは3〜13、更に好ましくは7〜11である。
【0019】
3及び/又はR4がアルケニル基、アルカジエニル基及びアルカトリエニル基のいずれかである場合のR3及びR4の炭素数は、静置時の各層への分離性の良さ、振盪時に均一な分散状態となる分散性の良さを有するものとする観点から、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは7以上であり、また好ましくは16以下、より好ましくは14以下、更に好ましくは11以下である。R3及び/又はR4がアルケニル基、アルカジエニル基及びアルカトリエニル基のいずれかである場合の具体的な炭素数は、好ましくは2〜16、より好ましくは4〜14、更に好ましくは炭素数7〜11である。
【0020】
これらのマンノシルエリスリトールリピッドは、市販品を使用することができ、例えばサーフメロウB(東洋紡績社製)、サーフメロウBBG(東洋紡績社製、1,3-ブチレングリコール50質量%溶液)を使用することができる。
【0021】
多層型化粧料中における成分(A)の含有量は、振盪時に均一な分散状態となる分散性の良さ、静置時の多層への分離の速さを向上させ、各層の界面の分離性を良好にする観点から、0.008質量%以上が好ましく、0.015質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上が更に好ましく、また、10質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましく、3質量%以下が更に好ましい。
【0022】
〔成分(B):成分(A)以外の多価アルコール〕
本発明で用いる成分(B)の多価アルコールは、分子内に2個以上の水酸基をもつ化合物である(ただし、成分(A)を除く)。2価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,3-プロパンジオール等が挙げられる。3価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。4価アルコールとしては、ジグリセリン、エリスリトール等が挙げられる。5価以上の多価アルコールとしては、トリグリセリン等のポリグリセリン;グルコース、マルトース、マルチトース、ショ糖、キシリトール、ソルビトール、マルビトール、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシエチレンエチルグルコシド、ポリオキシエチレンプロピレングルコシド等の糖類及び糖アルコールが挙げられる。
【0023】
また、振盪時に均一な分散状態となる分散性の良さ、静置時の多層への分離の速さを向上させる観点から、2価以上5価以下の多価アルコールから選択される1種又は2種以上が好ましく、2価以上4価以下の多価アルコールから選択される1種又は2種以上がより好ましく、2価及び3価の多価アルコールから選択される1種又は2種以上が更に好ましい。
【0024】
より具体的には、同様の観点から、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,3-プロパンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン及びエリスリトールから選択される1種又は2種以上が好ましく、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,3-プロパンジオール、グリセリン及びジグリセリンから選択される1種又は2種以上がより好ましく、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,3-プロパンジオール及びグリセリンから選択される1種又は2種以上が更に好ましい。
【0025】
多層型化粧料中における成分(B)の含有量は、振盪時に均一な分散状態となる分散性の良さ、静置時の多層への分離の速さを向上させ、各層の界面の分離性を良好にし、かつ保湿感を向上させる観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましく、また、85質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、70質量%以下が更に好ましい。
【0026】
多層型化粧料中における成分(B)に対する成分(A)の含有質量比((A)/(B))は、振盪時に均一な分散状態となる分散性の良さ、静置時の多層への分離の速さを向上させ、静置時の各層の界面の分離状態を良好にする観点から、0.01以上が好ましく、0.03以上がより好ましく、0.05以上が更に好ましく、また、0.15以下が好ましく、0.12以下がより好ましく、0.1以下が更に好ましい。
【0027】
〔成分(C):IOB値が0以上0.18以下の油剤からなる液状油〕
本発明に用いられる成分(C)は、IOB値が0以上0.18以下の油剤からなる液状油である。成分(C)は、多層型化粧料の振盪時に容易に分散できるように成分(C)全体として液状であればよく、配合時には一部に固形状油剤を用いても、他の液状油剤中に溶解され、成分(C)全体としては液状になるものであればよい。
【0028】
(IOB値が0以上0.18以下の液状油剤)
IOB値が0以上0.18以下の液状油剤としては、炭化水素油、エステル油等が挙げられる。これらは、いずれかを単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0029】
・IOB値が0以上0.18以下の液状炭化水素油
IOB値が0以上0.18以下の液状炭化水素油は、通常化粧料に用いられるものであればよく、例えば、α-オレフィンオリゴマー(IOB値:0)、流動パラフィン(IOB値:0)、軽質イソパラフィン(IOB値:0)、軽質流動イソパラフィン(IOB値:0)、流動イソパラフィン(IOB値:0)、重質流動イソパラフィン(IOB値:0)、スクワラン(IOB値:0)、スクワレン(IOB値:0.02)等の液状の直鎖又は分岐の炭化水素油が挙げられる。これらは動植物由来であってもよく、例えば、シュガースクワラン、オリーブスクワラン、米スクワラン、サメスクワラン、発酵生産したテルペン類を縮合させたスクワレンを水素添加したスクワラン等が挙げられる。
【0030】
・IOB値が0以上0.18以下の液状エステル油
IOB値が0以上0.18以下の液状エステル油としては、通常化粧料に用いられるものであればよく、直鎖又は分岐の飽和又は不飽和の脂肪酸と、直鎖又は分岐の飽和又は不飽和のアルコールとのエステルであって液状であるものが挙げられる。このうち、振盪時に均一な分散状態となる分散性の良さ、静置時の各層の界面の分離性を良好にする観点から、直鎖飽和脂肪酸と直鎖飽和アルコールのエステル、直鎖飽和脂肪酸と分岐飽和アルコールのエステル、直鎖不飽和脂肪酸と直鎖飽和アルコールのエステル、直鎖不飽和脂肪酸と直鎖不飽和アルコールのエステル、直鎖不飽和脂肪酸と分岐飽和アルコールのエステル、分岐飽和脂肪酸と直鎖飽和アルコールのエステル、分岐飽和脂肪酸と直鎖不飽和アルコールのエステル、分岐飽和脂肪酸と分岐不飽和アルコールのエステルが好ましい。
【0031】
IOB値が0以上0.18以下の液状エステル油のうち、直鎖飽和脂肪酸と直鎖飽和アルコールのエステルとしては、例えば、カプリル酸セチル(IOB値:0.13)、カプリン酸セチル(IOB値:0.12)、カプロン酸セチル(IOB値:0.14)、ミリスチン酸ブチル(IOB値:0.17)、パルミチン酸-n-ブチル(IOB値:0.15)等が挙げられる。
【0032】
IOB値が0以上0.18以下の液状エステル油のうち、直鎖飽和脂肪酸と分岐飽和アルコールのエステルとしては、例えば、カプリル酸オクチルドデシル(IOB値:0.11)、ミリスチン酸イソプロピル(IOB値:0.18)、ミリスチン酸イソトリデシル(IOB値:0.11)、ミリスチン酸イソセチル(IOB値:0.10)、ミリスチン酸イソステアリル(IOB値:0.10)、ミリスチン酸オクチルドデシル(IOB値:0.09)、パルミチン酸イソプロピル(IOB値:0.16)、パルミチン酸オクチル(IOB値:0.13)、パルミチン酸イソセチル(IOB値:0.10)、パルミチン酸2-ヘキシルデシル(IOB値:0.10)、パルミチン酸ヘプチルウンデシル(IOB値:0.09)、ステアリン酸オクチル(IOB値:0.12)、ステアリン酸イソセチル(IOB値:0.09)、パルミチン酸イソステアリル(IOB値:0.09)等が挙げられる。
【0033】
IOB値が0以上0.18以下の液状エステル油のうち、直鎖不飽和脂肪酸と直鎖飽和脂肪アルコールのエスエルとしては、例えば、オレイン酸エチル(IOB値:0.16)、オレイン酸デシル(IOB値:0.11)、オレイン酸ブチル(IOB値:0.14)、オレイン酸ラウリル(IOB値:0.10)、リノール酸エチル(IOB値:0.16)、リノール酸ステアリル(IOB値:0.09)等が挙げられる。
【0034】
IOB値が0以上0.18以下の液状エステル油のうち、直鎖不飽和脂肪酸と直鎖不飽和アルコールのエステルとしては、例えば、オレイン酸オレイル(IOB値:0.09)、エイコセン酸エイコセニル(IOB値:0.08)、エイコセン酸ドコセニル(IOB値:0.08)、ドコセン酸エイコセニル(IOB値:0.08)等が挙げられる。
【0035】
IOB値が0以上0.18以下の液状エステル油のうち、直鎖不飽和脂肪酸と分岐飽和脂肪アルコールのエステルとしては、例えば、オレイン酸イソデシル(IOB値:0.11)、オレイン酸オクチルドデシル(IOB値:0.08)、リノール酸イソプロピル(IOB値:0.16)等が挙げられる。
【0036】
IOB値が0以上0.18以下の液状エステル油のうち、分岐飽和脂肪酸と直鎖飽和アルコールのエステルとしては、例えば、ピバリン酸トリデシル(IOB値:0.18)、ピバリン酸ミリスチル(IOB値:0.17)、2-エチルヘキサン酸ステアリル(IOB値:0.12)、2-エチルヘキサン酸セチル(IOB値:0.13)、イソステアリン酸エチル(IOB値:0.15)、イソステアリン酸ヘキシル(IOB値:0.13)、イソノナン酸セトステアリル(IOB値:0.12)等が挙げられる。
【0037】
IOB値が0以上0.18以下の液状エステル油のうち、分岐飽和脂肪酸と直鎖不飽和アルコールのエステルとしては、例えば、イソステアリン酸オレイル(IOB値:0.09)が挙げられる。
【0038】
IOB値が0以上0.18以下の液状エステル油のうち、分岐飽和脂肪酸と分岐飽和アルコールのエステルとしては、例えば、ピバリン酸2-オクチルドデシル(IOB値:0.13)、ピバリン酸イソステアリル(IOB値:0.14)、2-エチルヘキサン酸ヘキシルデシル(IOB値:0.13)、2-エチルヘキサン酸イソステアリル(IOB値:0.12)、イソノナン酸2-エチルヘキシル(IOB値:0.18)、イソノナン酸イソデシル(IOB値:0.18)、イソノナン酸イソトリデシル(IOB値:0.15)、イソパルミチン酸エチルヘキシル(IOB値:0.13)、イソパルミチン酸オクチル(IOB値:0.13)、イソステアリン酸イソステアリル(IOB値:0.09)、イソステアリン酸イソプロピル(IOB値:0.15)、イソステアリン酸オクチルドデシル(IOB値:0.08)等が挙げられる。
【0039】
IOB値が0以上0.18以下の液状エステル油のうち、直鎖不飽和脂肪酸と多価アルコールのエステルとしては、ジオレイン酸エチレングリコール(IOB値:0.16)、ジオレイン酸プロピレングリコール(IOB値:0.16)等の直鎖不飽和脂肪酸と2価アルコールのエステル;トリオレイン酸グリセリル(IOB値:0.16)、トリリノール酸グリセリル(IOB値:0.17)等の直鎖不飽和脂肪酸のトリグリセリドが挙げられる。
【0040】
IOB値が0以上0.18以下の液状エステル油のうち、分岐飽和脂肪酸と多価アルコールのエステルとしては、例えば、ジイソステアリン酸エチレングリコール(IOB値:0.16)、ジイソステアリン酸プロピレングリコール(IOB値:0.16)等の分岐飽和脂肪酸と2価アルコールのエステル;トリイソステアリン酸グリセリル(IOB値:0.16)、トリイソパルミチン酸グリセリル(IOB値:0.18)等の分岐飽和脂肪酸のトリグリセリドが挙げられる。
【0041】
これらは動植物由来のものであってもよく、例えば、アボカド油(IOB値:0.17)、オリーブ油(IOB値:0.16)、ゴマ油(IOB値:0.16)、サザンカ油(IOB値:0.16)、サフラワー油(IOB値:0.16)、シア脂(IOB値:0.16)、トウモロコシ油(IOB値:0.16)、ナタネ油(IOB値:0.16)、ツバキ油(IOB値:0.16)、パーシック油(IOB値:0.16)、パーム核油(IOB値:0.16)、ヒマワリ油(IOB値:0.16)、マカデミアナッツ油(IOB値:0.16)、メドウフォーム油(IOB値:0.16)、大豆油(IOB値:0.16)、綿実油(IOB値:0.17)、ホホバ油(IOB値:0.07)、サメ肝油(IOB値:0.02)、ミンク油(IOB値:0.16)等が挙げられる。
【0042】
これらのうち、振盪時に均一な分散状態となる分散性の良さ、静置時の各層の界面の分離性の良さ、肌仕上がりの良さ、経時安定性を向上させる観点から、炭化水素、直鎖飽和脂肪酸と分岐飽和アルコールのエステル、直鎖不飽和脂肪酸と直鎖飽和アルコールのエスエル、直鎖不飽和脂肪酸と直鎖不飽和アルコールのエステル、分岐飽和脂肪酸と分岐飽和アルコールのエステル、直鎖不飽和脂肪酸のトリグリセリド及び分岐飽和脂肪酸のトリグリセリドから選択される1種又は2種以上がより好ましく、炭化水素、直鎖飽和脂肪酸と分岐飽和アルコールのエステル、直鎖不飽和脂肪酸と直鎖不飽和アルコールのエステル、直鎖不飽和脂肪酸のトリグリセリド及び分岐飽和脂肪酸のトリグリセリドから選択される1種又は2種以上がより好ましく、炭化水素、直鎖飽和脂肪酸と分岐飽和アルコールのエステル、直鎖不飽和脂肪酸のトリグリセリド及び分岐飽和脂肪酸のトリグリセリドから選択される1種又は2種以上が更に好ましい。
【0043】
(IOB値が0以上0.18以下の固形状油剤)
IOB値が0以上0.18以下の固形状油剤としては、炭化水素油、エステル油等が挙げられる。これらは、いずれかを単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0044】
・IOB値が0以上0.18以下の固形状炭化水素油
IOB値が0以上0.18以下の固形状炭化水素油としては、通常化粧料に用いられるものであればよく、セレシン(IOB値:0)、パラフィンロウ(IOB値:0)、マイクロクリスタリンワックス(IOB値:0)、ワセリン(IOB値:0)等が挙げられる。
【0045】
・IOB値が0以上0.18以下の固形状エステル油
IOB値が0以上0.18以下の固形状エステル油としては、通常化粧料に用いられるものであればよく、直鎖飽和又は不飽和脂肪酸と、直鎖飽和アルコール又は多価アルコールとのエステル、脂肪酸とステロールとのエステル等が挙げられる。このうち、塗布後の閉塞効果と振盪時に均一な分散状態となる分散性の良さを両立させる観点から、直鎖飽和脂肪酸と直鎖飽和アルコール又は多価アルコールとのエステル及び脂肪酸とステロールとのエステルから選択される1種又は2種以上が好ましい。
【0046】
IOB値が0以上0.18以下の固形状エステル油のうち、直鎖飽和脂肪酸と直鎖飽和アルコールのエステルとしては、例えば、ミリスチン酸デシル(IOB値:0.13)、ミリスチン酸セチル(IOB値:0.10)、ミリスチン酸ミリスチル(IOB値:0.11)、パルミチン酸メチル(IOB値:0.18)、パルミチン酸セチル(IOB値:0.09)、パルミチン酸ミリシル(IOB値:0.07)、ステアリン酸メチル(IOB値:0.16)、ステアリン酸エチル(IOB値:0.15)、ステアリン酸ブチル(IOB値:0.14)、ステアリン酸ステアリル(IOB値:0.08)、セロリン酸ミリシル(IOB値:0.05)等が挙げられる。
【0047】
IOB値が0以上0.18以下の固形状エステル油のうち、直鎖飽和脂肪酸と多価アルコールのエステルとしては、例えば、ジステアリン酸エチレングリコール(IOB値:0.16)、ジステアリン酸プロピレングリコール(IOB値:0.15)等の直鎖飽和脂肪酸と2価アルコールのエステル;トリパルミチン酸グリセリド(IOB値:0.18)、トリステアリン酸グリセリド(IOB値:0.16)、トリベヘン酸グリセリル(IOB値:0.13)等の直鎖飽和脂肪酸トリグリセリドなどが挙げられる。
【0048】
IOB値が0以上0.18以下の固形状エステル油のうち、脂肪酸とステロールのエステルとしては、例えば、ステアリン酸コレステリル(IOB値:0.16)、ステアリン酸フィトステリル(IOB値:0.16)、イソステアリン酸コレステリル(IOB値:0.16)、イソステアリン酸フィトステリル(IOB値:0.16)、イソステアリン酸シトステリル(IOB値:0.16)、オレイン酸コレステリル(IOB値:0.16)、オレイン酸フィトステリル(IOB値:0.16)等が挙げられる。
【0049】
これらは動植物又は鉱物由来のものであってもよく、例えば、固形状のカルナウバロウ(IOB値:0.05)、キャンデリラロウ(IOB値:0.05)、モンタンロウ(IOB値:0.05)、ミツロウ(IOB値:0.07)、モクロウ(IOB値:0.18)等が挙げられる。
【0050】
多層型化粧料中における成分(C)の含有量は、振盪時に均一な分散状態となる分散性の良さ、静置時の多層への分離の速さを向上させ、各層の界面の分離性を良好とし、肌のなめらかさ、保湿感を向上させる観点から、12質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、25質量%以上がより好ましく、また、92質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、85質量%以下が更に好ましい。
【0051】
成分(C)中にIOB値が0以上0.18以下の固形状油剤を含有する場合、成分(C)中におけるIOB値が0以上0.18以下の固形状油剤の含有量は、塗布後の閉塞効果と振盪時に均一な分散状態となる分散性の良さを両立させる観点から、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下、更に好ましくは0.05質量%以下、更に好ましくは0.01質量%以下である。
【0052】
成分(C)に対する成分(B)の含有質量比((B)/(C))は、振盪時に均一な分散状態となる分散性の良さ、静置時の多層への分離の速さを向上させ、各層の界面の分離性を良好にする観点から、0.07以上であることが必要であり、0.1以上であることがより好ましく、0.2以上が更に好ましく、また、8以下であることが必要であり、6以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましく、3以下が更に好ましい。
【0053】
〔成分(D):エタノール〕
本発明の多層型化粧料には、さっぱりとした感触を向上させる観点から、更に成分(D)としてエタノールを含有させることができる。成分(A)及び(B)の合計に対する成分(D)の含有質量比((D)/[(A)+(B)])は、振盪時に均一な分散状態となる分散性の良さ及び静置時の各層の界面の分離性の良さを両立させる観点から、0.05以下が好ましく、0.03以下がより好ましく、0.01以下が更に好ましい。上記理由から、本発明の多層型化粧料は実質的にエタノールを含有しないことが更に好ましい。
【0054】
〔水〕
本発明の多層型化粧料には、動植物抽出液等の水性成分を安定に含有させる観点から、更に水を含有することができる。成分(A)及び(B)の合計に対する水の含有質量比(水/[(A)+(B)])は、振盪時に均一な分散状態となる分散性の良さ及び静置時の各層の界面の分離性の良さを両立させる観点から、0.1以下であることが必要であり、0.09以下が好ましく、0.085以下がより好ましく、0.04以下が更に好ましい。
【0055】
〔成分(A)以外の界面活性剤〕
本発明の多層型化粧料は、振盪時に均一な分散状態となる分散性の良さ、静置時の多層へ分離する早さ、各層の界面の分離性の良さを調整する観点から、前記成分(A)以外の界面活性剤を含有することができる。目や粘膜等への刺激を低減する観点から、成分(A)以外の界面活性剤の多層型化粧料中の含有量は、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、更に好ましくは0.01質量%以下であり、成分(A)以外の界面活性剤を実質的に含有しないことが更に好ましい。
【0056】
〔IOB値が0.18超の油剤〕
本発明の多層型化粧料は、使用感触の調整や、油溶性薬剤や油溶性紫外線吸収剤等の溶解度を向上させるため、IOB値が0.18超の油剤を含有することができる。振盪時に均一な分散状態とする分散性の良さ及び静置時の各層の界面の分離性の良さを両立させる観点から、成分(C)に対するIOB値が0.18超の液状油剤の含有量は、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましく、1質量%以下が更に好ましい。また、同様の観点から、成分(C)に対するIOB値が0.18超の固形状油剤の含有量は、0.5質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、0.02質量%以下が更に好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
【0057】
〔その他の任意成分〕
本発明の多層型化粧料には、成分(B)以外の保湿剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、増粘剤、金属イオン封鎖剤、中和剤、pH調整剤、酸化防止剤、抗菌剤、防腐剤、制汗剤、薬剤、粉末、色剤、香料、動植物抽出液等の通常化粧料に用いられる各種の原料を含有することができる。なお、これらの各剤は、各剤としての用途に限られず、目的に応じて他の用途として転用、例えば、制汗剤を香料として使用したり、他の用途との兼用、例えば、制汗剤と香料としての効果を奏するものとして使用したりすることもできる。
【0058】
粉末としては、ケイ酸、無水ケイ酸(シリカ)、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、珪ソウ土、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン、モンモリロナイト、クレー、ベントナイト、バーミキュライト、酸化チタン皮膜雲母(雲母チタン)、オキシ塩化ビスマス、窒化ホウ素、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、低次酸化チタン、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、ゼオライト、セラミックスパウダー、クロルヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性臭化アルミニウム、塩基性ヨウ化アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウムジルコニウム、硫酸亜鉛、塩基性乳酸アルミニウム亜鉛、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ベンガラ、黒酸化鉄、黄酸化鉄、群青、紺青、酸化クロム、水酸化クロム、カラミン、カーボンブラック等の無機粉末が挙げられる。
【0059】
多層型化粧料中における粉末の含有量は、外観の審美性の良さ、静置時の各層の界面の分離性の良さを両立する観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、また、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下が更に好ましい。
【0060】
色剤としては、水溶性アナトー、イカスミ末、カラメル、β-カロチン、グアイズレン、クチナシ(青、黄)、コチニール、シニコン、パプリカ色素、ベニバナ(赤、黄)、銅クロロフィリンナトリウム等の天然色素、赤色202号、黄色401号、青色404号、赤色225号、黄色204号、青色403号、緑色202号、紫色201号、赤色226号等のタール色素等が挙げられる。
【0061】
多層型化粧料中における着色剤の含有量は、外観の審美性を良好にし、目や粘膜等への刺激を低減する観点から、0.00001質量%以上が好ましく、0.0001質量%以上がより好ましく、0.0004質量%以上がより好ましく、また、0.01質量%以下が好ましく、0.003質量%以下がより好ましく、0.001質量%以下が更に好ましい。
【0062】
〔粘度〕
本発明の多層型化粧料は、25℃、1013.25hPaの条件で流動性を有する剤形であることが好ましい。多層型化粧料の粘度は、振盪時に均一な分散状態となる分散性の良さ及び静置時の各層の界面の分離性の良さを両立させ、塗布時の垂れ落ちがなく、伸びを良好にする観点から、静置時におけるいずれの層(粉末を含有している場合には粉末が沈降又は浮上して形成される粉末層を除く)においても、好ましくは20mP・s以上であり、より好ましくは50mPa・s以上であり、更に好ましくは100mPa・s以上であり、また、好ましくは2200mPa・s以下であり、より好ましくは1500mPa・s以下であり、更に好ましくは800mPa・s以下である。なお、粘度は、B型粘度計(ビスメトロン粘度計:型式VS-A1(芝浦システム製)、ローターNo.4、12回転/分、30秒)を用いて測定することができる。
【0063】
〔剤形ほか〕
本発明の多層型化粧料は、静置時には互いに相溶しない状態で、少なくとも成分(C)を含む油層及び成分(B)を含む多価アルコール層を有する、二層以上の多層分離状態を保ち、使用時に振盪することで、均一な分散状態とすることができ、徐々に元の多層分離状態に復帰する化粧料である。例えば、油層−多価アルコール層からなる二層型化粧料、粉末層−油層−多価アルコール層からなる三層型化粧料などが挙げられる。
【0064】
本発明の多層型化粧料は、少なくとも油層と多価アルコール層を有するが、静置時には、容器の開口部側(上側)に油層、容器の底部側(下側)に多価アルコール層が存在しているようになる。
【0065】
本発明の多層型化粧料の形態とすることで、油剤の持つ閉塞性や皮膚柔軟性などの機能を維持しつつ、油剤に由来する油性感、上滑り感が抑えられるという効果も発現される。
【0066】
本発明の多層型化粧料は、外観の審美性に優れ、多価アルコールや液状油による保湿性、閉塞性、皮膚柔軟性等の機能を化粧料に付与することができることから、保温、抗老化、美白、パック、マッサージ、サンスクリーン、化粧下地、ファンデーション、リップクリーム、クレンジング料等の皮膚、好ましくは頭皮を除く皮膚、より好ましくは顔、身体、手足等のいずれかに塗布して使用することができ、皮膚外用化粧料として好適である。
【0067】
〔製造方法〕
本発明の多層型化粧料は、所定の成分を適宜混合することによって製造することができ、混合する順序によらず、全成分を均一に混合・分散することにより製造することができる。
例えば、本発明の多層型化粧料は、成分(A)〜(C)及び任意成分を混合攪拌する工程を含む製造方法により製造することができる。混合攪拌する工程においては、固形状油剤を含有する場合には、当該固形状油剤の融点以上の加熱下で混合攪拌する工程を含んでいてもよい。
【実施例】
【0068】
次に実施例によって、本発明を更に詳細に説明する。なお、実施例及び比較例における含有量の単位は、全て質量%である。
【0069】
以下、実施例、比較例の説明に先立ち、分散性評価、静置時の分離性評価について説明する。
【0070】
(1)振盪時の分散性評価
25℃の恒温槽にて、製造直後の多層型化粧料を上下に振盪(15cmの振盪幅、5回/3秒の振盪速度)し、振盪直後の分散度合いについて目視にて評価、以下の基準にて判定を行った。
【0071】
〔分散状態判定基準〕
〇:5回以内の振盪で、均一な分散状態が確認できた
△:5回超、10回以内の振盪で、均一な分散状態が確認できた
×:10回以内の振盪で均一な分散状態とならない、又は振盪を止めるとすぐに分離する(静置後30秒未満で油層と多価アルコール層にほぼ分離する)
【0072】
(2)静置時の分離性評価
25℃の恒温槽にて、製造直後の多層型化粧料を上下によく振盪(15cmの振盪幅、5回/3秒の振盪速度にて20回振盪)し、15分間静置した際の油相と多価アルコール相の分離度合いについて目視にて評価し、以下の基準にて判定を行った。
【0073】
〔分離状態判定基準〕
○:油層と多価アルコール層が分離しており、界面が明瞭である
△:油層と多価アルコール層が分離しているが、界面が不明瞭であるか、又は界面に析出物や凝集物が形成されている
×:油層と多価アルコール層が分離していない(乳化状態、又は全体的に析出物や凝集物が形成されている)
【0074】
実施例1〜55、比較例1〜28
表1〜7に記載の各成分を室温にて混合攪拌して二層型美容液を調製し、前記の評価を実施した。結果は各表に併せて記す。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】
【表4】
【0079】
【表5】
【0080】
【表6】
【0081】
【表7】
【0082】
各表に示すように、実施例は振盪することにより均一な乳化物を形成し、使用後に静置することで明確な層分離状態を示した。一方、比較例は均一な組成物を形成しない、あるいは使用後に明確な層分離状態を示すものではなかった。
【0083】
処方例1〜6
以下の処方に従い、各成分を室温にて混合攪拌して多層型化粧料を調製する。なお、下記処方における注釈は以下の成分を用いた。

*1〜5は、実施例と同じ
*6 カネカ・コエンザイムQ10(カネカ社製)
*7 ヨクイニン抽出液BG-S(丸善製薬社製)
*8 シーブレスト ゴールド(一丸ファルコス社製)
*9 ルナホワイトB(一丸ファルコス社製)
*10 ゲンチアナ抽出液BG-J(丸善製薬社製)
*11 キュアベリー(一丸ファルコス社製)
*12 火棘(丸善製薬社製)
*13 カンゾウ抽出液BG-J(丸善製薬社製)
*14 ファーメンテージ セイヨウナシB(一丸ファルコス社製)
*15 スターフルーツ葉抽出液 BG30(丸善製薬社製)
*16 オオバナサルスベリ抽出液(山川貿易社製)
*17 ユキノシタ抽出液BG(丸善製薬社製)
*18 チンピ抽出液BG40(丸善製薬社製)
*19 ALARIAN(Biotech Marine社製)
*20 ソウハクヒ抽出液(丸善製薬社製)
*21 ビオセルアクト アロエベラB(一丸ファルコス社製)
*22 ハイビスカスエキスA(GREENTECH S.A.社製)
*23 BIODYNES TRF IMPROVED 25(Arch Personal Care Products, L.P.社製)
*24 冬虫夏草抽出液(丸善製薬社製)
*25 センキュウ抽出液BG(丸善製薬社製)
*26 ツバキ種子抽出物(丸善製薬社製)
*27 サクラエキスB(一丸ファルコス社製)
*28 月桃葉抽出液BG(丸善製薬社製)
*29 トウヒリウキッドB(一丸ファルコス社製)
*30 フィトヒアロンB(一丸ファルコス社製)
*31 サルビア抽出液BG-J(丸善製薬社製)
*32 プリンセスケア(一丸ファルコス社製)
【0084】
処方例1(二層型抗老化美溶液)
成分 含有量(質量%)
サーフメロウBBG(*1) 2
グリセリン 29.7
オリーブ油(IOB値:0.16) 5
シュガースクワラン(IOB値:0) 51.93
マカデミアナッツ油(IOB値:0.16) 1
パルミチン酸レチニル 0.05
コエンザイムQ10(*6) 0.02
ハトムギエキス(*7) 0.1
スギノリエキス(*8) 0.05
メマツヨイグサエキス(*9) 0.03
ゲンチアナエキス(*10) 0.02
ビルベリー葉エキス(*11) 0.1
フェノキシエタノール 0.1

(調製法)
各成分を25℃にて混合し、均一に攪拌する。
【0085】
処方例2(二層型美白美容液)
成分 含有量(質量%)
サーフメロウBBG(*1) 1
グリセリン 27.2
1,3-ブチレングリコール 2
オリーブ油(IOB値:0.16) 3
シュガースクワラン(IOB値:0) 65
マカデミアナッツ油(IOB値:0.16) 0.5
ツバキ油(IOB値:0.16) 0.5
イソノナン酸イソノニル 0.5
アスコルビン酸テトライソパルミテート 0.5
カキョクエキス(*12) 0.09
水溶性甘草エキス(*13) 0.1
セイヨウナシ果汁発酵エキス(*14) 0.1
グリチリチン酸ジカリウム 0.01
スターフルーツエキス(*15) 0.1
オオバナサルスベリエキス(*16) 0.1
ユキノシタエキス(*17) 0.2
チンピエキス(*18) 0.1

(調製法)
各成分を25℃にて混合し、均一に攪拌する。
【0086】
処方例3(二層型保湿美溶液)
成分 含有量(質量%)
サーフメロウBBG(*1) 2
グリセリン 26.3
オリーブ油(IOB値:0.16) 61.5
アボカド油(IOB値:0.16) 0.5
ホホバ油(IOB値:0.07) 3
トリオクタン酸グリセリル 5
褐藻エキス(*19) 0.2
ソウハクヒエキス(*20) 0.1
アロエエキス(*21) 0.5
ハイビスカスエキス(*22) 0.1
酵母エキス(*23) 0.5
冬虫夏草エキス(*24) 0.2
センキュウエキス(*25) 0.09
ツバキエキス(*26) 0.01

(調製法)
各成分を25℃にて混合し、均一に攪拌する。
【0087】
処方例4(二層型サンオイル)
成分 含有量(質量%)
サーフメロウBBG(*1) 1
グリセリン 20
ジプロピレングリコール 9
オリーブ油(IOB値:0.16) 4.99
シュガースクワラン(IOB値:0) 54
油溶性甘草エキス 0.01
パラメトキシケイヒ酸2-エチルヘキシル 10
アボカド油(IOB値:0.17) 1
サクラエキス(*27) 0.3
ゲットウヨウエキス(*28) 0.2
トウヒエキス(*29) 0.1
オクラエキス(*30) 0.1
サルビアエキス(*31) 0.09
アスコルビン酸硫酸エステル2ナトリウム 0.01
ヒメフウロエキス(*32) 0.2

(調製法)
各成分を25℃にて混合し、均一に攪拌する。
【0088】
処方例5(二層型クレンジング)
成分 含有量(質量%)
サーフメロウBBG(*1) 0.6
グリセリン 20
プロパンジオール 10
オリーブ油(IOB値:0.16) 19.4
シュガースクワラン(IOB値:0) 40
イソノナン酸イソノニル 10

(調製法)
各成分を25℃にて混合し、均一に攪拌する。
【0089】
処方例6(二層型マッサージ料)
成分 含有量(質量%)
サーフメロウBBG(*1) 2
グリセリン 30
オリーブ油(IOB値:0.16) 40
シュガースクワラン(IOB値:0) 18
トリイソステアリン酸グリセリル 10

(調製法)
各成分を25℃にて混合し、均一に攪拌する。