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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-226631(P2017-226631A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】液体口腔用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/44 20060101AFI20171201BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20171201BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   A61K8/44
   A61K8/46
   A61Q11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-125156(P2016-125156)
(22)【出願日】2016年6月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄
(74)【代理人】
【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人
(72)【発明者】
【氏名】筒井 生
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA122
4C083AB051
4C083AB052
4C083AB312
4C083AC101
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC212
4C083AC472
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC712
4C083AC782
4C083AC791
4C083AC792
4C083AD532
4C083BB07
4C083BB21
4C083BB41
4C083CC41
4C083DD01
4C083EE01
4C083EE07
4C083EE31
(57)【要約】
【課題】香料を含有するなか、アシルアミノ酸又はその塩による良好な発泡性の発現を確保しながら、長期にわたり優れた低温保存安定性を発揮することのできる液体口腔用組成物に関する。
【解決手段】次の成分(A)、(B)、(C)、並びに(D):
(A)アシルグルタミン酸、及びアシルメチルタウリンから選ばれるアシルアミノ酸又はその塩 0.01質量%以上0.3質量%以下
(B)香料
(C)両性界面活性剤 0.1質量%以上1.5質量%以下
(D)水 50質量%以上95質量%以下
を含有し、成分(B)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((B)/(C))が0.05以上1.5以下であり、かつノニオン界面活性剤の含有量が成分(C)の含有量以下であり、かつ25℃におけるpHが6以上である液体口腔用組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)、(C)、並びに(D):
(A)アシルグルタミン酸、及びアシルメチルタウリンから選ばれるアシルアミノ酸又はその塩 0.01質量%以上0.3質量%以下
(B)香料
(C)両性界面活性剤 0.1質量%以上1.5質量%以下
(D)水 50質量%以上95質量%以下
を含有し、成分(B)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((B)/(C))が0.05以上1.5以下であり、かつノニオン界面活性剤の含有量が成分(C)の含有量以下であり、かつ25℃におけるpHが6以上である液体口腔用組成物。
【請求項2】
アルキル硫酸塩(E)を含有し、かつ成分(E)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((E)/(C))が、1.7以下である請求項1に記載の液体口腔用組成物。
【請求項3】
成分(E)の含有量と成分(A)の含有量との質量比((E)/(A))が、1以上50以下である請求項2に記載の液体口腔用組成物。
【請求項4】
成分(E)の含有量が、0.1質量%以上1.5質量%以下である請求項2又は3に記載の液体口腔用組成物。
【請求項5】
成分(B)の含有量が、0.1質量%以上1.5質量%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体口腔用組成物。
【請求項6】
成分(B)の含有量に対するエタノールの含有量が、20倍以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体口腔用組成物。
【請求項7】
研磨性粉体の含有量が、0.1質量%以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体口腔用組成物。
【請求項8】
泡吐出容器に充填されてなる請求項1〜7のいずれか1項に記載の液体口腔用組成物。
【請求項9】
透明又は半透明である請求項1〜8のいずれか1項に記載の液体口腔用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体口腔用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、歯面に付着した歯垢又は歯石の除去効果や、う蝕防止効果、着色汚れの除去効果等、種々の性能を発揮し得る液体口腔用組成物が開発されている。例えば、特許文献1には、発泡剤としても知られるアシルグルタミン酸塩等のN−アシルアミノ酸又はその塩と、ピロリン酸又はその塩とを特定の含有量かつ特定の質量比で併用する口腔用組成物が開示されており、歯面に存在するタンパク質汚れの除去性能を高めている。
【0003】
一方、液体口腔用組成物に香料を配合する際、かかる香料の溶解又は分散を促進するうえで、一般にはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のノニオン界面活性剤が好適に用いられるなか、泡性能を確保する上で両性界面活性剤も併用されている。例えば、特許文献2には、ノニオン界面活性剤や香料とともに、イミダゾリニウムベタイン型等の両性界面活性剤等を含む泡状口腔用組成物が開示されている。また、特許文献3には、カルボン酸型両性界面活性剤等を含む泡沫状となる口腔用組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−12655号公報
【特許文献2】特開平11−130647号公報
【特許文献3】特開平10−87457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1にも記載されるように、アシルグルタミン酸塩等のアシルアミノ酸又はその塩は、発泡性や汚れ除去性能には優れるものの、液体口腔用組成物において、良好な風味を付与するために配合される香料とともにこれを併用すると、各含有成分の分離や白濁等が発生し、組成物の安定性が低下するおそれがある。また、上記特許文献2〜3に記載されるように、ノニオン界面活性剤を配合することによって香料の溶解又は分散の促進を図ったとしても、かかるノニオン界面活性剤の含有量によっては、本来アシルアミノ酸又はその塩によりもたらされるべき良好な発泡性が低下するおそれもある。
【0006】
したがって、本発明は、香料を含有するなか、アシルアミノ酸又はその塩による良好な発泡性の発現を確保しながら、長期にわたり優れた低温保存安定性を発揮することのできる液体口腔用組成物に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明者は、種々検討したところ、香料とともに特定のアシルアミノ酸又はその塩を特定のpH領域で特定量含有するなか、特定量の両性界面活性剤を香料との間で特定の量比としつつ、ノニオン界面活性剤の含有量を両性界面活性剤に対して特定量に制限することにより、香料を含有するにもかかわらず、アシルアミノ酸又はその塩によって良好な発泡性を発現しながら、長期にわたり優れた低温保存安定性を発揮することのできる液体口腔用組成物が得られることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)、並びに(D):
(A)アシルグルタミン酸、及びアシルメチルタウリンから選ばれるアシルアミノ酸又はその塩 0.01質量%以上0.3質量%以下
(B)香料
(C)両性界面活性剤 0.1質量%以上1.5質量%以下
(D)水 50質量%以上95質量%以下
を含有し、成分(B)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((B)/(C))が0.05以上1.5以下であり、かつノニオン界面活性剤の含有量が成分(C)の含有量以下であり、かつ25℃におけるpHが6以上である液体口腔用組成物に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の液体口腔用組成物によれば、製造直後から長期にわたって低温で保存した場合においても、アシルアミノ酸又はその塩によりもたらされるべき良好な発泡性を保持しつつ、分離や白濁等の発生を有効に抑制して、香料を安定に含有することができる。したがって、透明性又は半透明性の外観を付与することも可能である。
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の液体口腔用組成物は、成分(A)として、アシルグルタミン酸、及びアシルメチルタウリンから選ばれるアシルアミノ酸又はその塩を0.01質量%以上0.3質量%以下含有する。かかる成分(A)を特定の量で含有することにより、良好な汚れ除去性能を有しつつ、優れた発泡性を発現することができる。
【0011】
アシルグルタミン酸及びアシルメチルタウリンのアシル基は、良好な汚れの除去性能を保持しつつ優れた低温安定性もたらす観点、及び良好な発泡性を確保する観点から、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖を有する脂肪酸又はそれらの混合脂肪酸を由来としたものであって、直鎖脂肪酸又は直鎖脂肪酸の混合脂肪酸を由来としたものが好ましく、炭素数6〜22のアシル基であるのが好ましく、炭素数10〜20のアシル基であるのがより好ましく、炭素数12〜18のアシル基であるのがさらに好ましい。かかるアシル基としては、液体口腔用組成物の泡立ち、扱いやすさの点から、カプリロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、及びココイル基から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ラウロイル基、ミリストイル基、及びココイル基から選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、ラウロイル基、及びミリストイル基から選ばれる1種以上がさらに好ましい。
【0012】
アシルグルタミン酸のアミノ酸部分であるグルタミン酸は、D体、L体或いはD体とL体の混合物のいずれであってもよく、L体であるのが好ましい。かかるアシルグルタミン酸としては、具体的には、N−ラウロイルグルタミン酸、N−ミリストイルグルタミン酸、N−ココイルグルタミン酸、及びN−ラウロイルアスパラギン酸から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、N−ラウロイルグルタミン酸、及びN−ミリストイルグルタミン酸から選ばれる1種又は2種がより好ましい。
【0013】
アシルメチルタウリンとしては、ヤシ油脂肪酸メチルタウリン、N−カプロイルメチルタウリン、N−ラウロイルメチルタウリン、N−ミリストイルメチルタウリン、N−パルミトイルメチルタウリン、N−ステアロイルメチルタウリン、及びN−オレオイルメチルタウリンから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、N−ラウロイルメチルタウリン、及びN−ミリストイルメチルタウリンから選ばれる1種又は2種がより好ましい。
【0014】
これらアシルアミノ酸の塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム、亜鉛等の他の無機塩;アンモニウム塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン塩;アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、アシルアミノ酸塩の塩としては、香味や入手容易性の観点から、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
【0015】
成分(A)の含有量は、良好な発泡性や汚れ除去性能を確保する観点から、本発明の液体口腔用組成物中に、0.01質量%以上であって、好ましくは0.02質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上である。また、成分(A)の含有量は、後述する成分(B)によりもたらされる良好な香味を確保する観点から、本発明の液体口腔用組成物中に、0.3質量%以下であって、好ましくは0.25質量%以下であり、より好ましくは0.22質量%以下である。そして、成分(A)の含有量は、本発明の液体口腔用組成物中に、0.01質量%以上0.3質量%以下であって、好ましくは0.02〜0.25質量%であり、より好ましくは0.05〜0.22質量%である。
【0016】
本発明の液体口腔用組成物は、成分(B)として、香料を含有する。本発明の液体口腔用組成物であれば、かかる成分(B)を含有することによって良好な香味を確保しながら、長期にわたり優れた低温保存安定性を発揮することができる。
【0017】
かかる成分(B)としては、ペパーミント油、スペアミント油、シナモン油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、セージクラリー油、ナツメグ油、ファンネル油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、バジル油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ジンジャ−油、グレープフルーツ油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、レモンバーム油、ピメントベリー油、パルマローザ油、オリバナム油、パインニードル油、ペチグレン油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油等の天然香料成分、及びこれら天然香料成分を加工処理した香料成分;メントール、プレトール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、シトロネリルアセテート、リナロール、リナリルアセテート、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、シトロネロール、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビルアセテート、ジヒドロカルビルアセテート、アニスアルデヒド、ベンズアルデヒド、カンファー、ラクトン、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、ブチルアセテート、イソアミルアセテート、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、メチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料成分;ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料成分が挙げられる。
【0018】
成分(B)の含有量は、良好な風味の観点から、本発明の液体口腔用組成物中に、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.2質量%以上であり、本発明の液体口腔用組成物であれば0.4質量%以上含有する場合にも好適に用いることが可能であり、長期にわたる低温保存安定性を確保する観点、及び苦味や塩味、刺激等の不快な味を抑制する観点から、好ましくは1.5質量%以下であり、より好ましくは1.2質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下である。
【0019】
本発明の液体口腔用組成物は、成分(C)として、両性界面活性剤を0.1質量%以上1.5質量%以下含有する。かかる成分(C)を特定の量で含有し、かつ上記成分(B)との間で特定の量的関係を有することにより、製造直後から低温保存後に至るまで、長期にわたり成分(B)を良好に溶解又は分散させて、高い安定性を発現することができる。
【0020】
成分(C)の両性界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の酢酸ベタイン;2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチル−N−イミダゾリウムベタイン等のイミダゾリニウムベタイン;ラウリルスルホベタインやラウリルヒドロキシスルホベタイン等のアルキルスルホベタイン;ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のヤシ油脂肪酸アミドアルキルベタイン;N−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウム等の長鎖アルキルイミダゾリンベタイン塩から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、低温での析出物の発生を効果的に抑制する観点、及び使用感の観点から、ヤシ油脂肪酸アミドアルキルベタイン、及びアルキルスルホベタインから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ヤシ油脂肪酸アミドアルキルベタインがより好ましく、アルキルの炭素数が2〜5であるヤシ油脂肪酸アミドアルキルベタインがさらに好ましく、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインがよりさらに好ましい。
【0021】
成分(C)の含有量は、長期にわたる低温での保存後においても成分(B)を良好に溶解又は分散させる観点から、本発明の液体口腔用組成物中に、0.1質量%以上であって、好ましくは0.2質量%以上であり、より好ましくは0.4質量%以上である。また、成分(C)の含有量は、良好な香味等、優れた使用感を確保する観点から、本発明の液体口腔用組成物中に、1.5質量%以下であって、好ましくは1.2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下である。そして、成分(C)の含有量は、本発明の液体口腔用組成物中に、0.1質量%以上1.5質量%以下であって、好ましくは0.2〜1.2質量%であり、より好ましくは0.4〜1質量%である。
【0022】
本発明の液体口腔用組成物において、成分(B)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((B)/(C))は、良好な香味等、優れた使用感を確保する観点から、0.05以上であって、好ましくは0.1以上であり、より好ましくは0.2以上である。また、成分(B)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((B)/(C))は、長期にわたる低温での保存後においても成分(B)を良好に溶解又は分散させる観点から、1.5以下であって、好ましくは1.2以下であり、より好ましくは1以下である。
【0023】
本発明の液体口腔用組成物において、成分(B)の含有量と成分(A)及び成分(C)の合計含有量との質量比((B)/((A)+(C)))は、良好な発泡性を保持しつつ、長期にわたる低温での保存後においても成分(B)を良好に溶解又は分散させる観点から、好ましくは0.008以上であり、より好ましくは0.18以上であり、さらに好ましくは0.38以上である。また、成分(B)の含有量と成分(A)及び成分(C)の合計含有量との質量比((B)/((A)+(C)))は、良好な香味等の優れた使用感を確保する観点から、好ましくは1.3以下であり、より好ましくは1.1以下であり、さらに好ましくは0.9以下である。
【0024】
本発明の液体口腔用組成物は、成分(D)として、水を50質量%以上95質量%以下含有する。本発明における成分(C)の水とは、液体口腔用組成物に配合した精製水やイオン交換水等だけでなく、配合した各成分に含まれる水分をも含む、液体口腔用組成物中に含まれる全水分を意味する。かかる成分(C)の水を含有することにより、各成分を良好に分散又は溶解させて口腔内で良好に拡散させつつ、良好な外観と使用感を保持することができる。
【0025】
成分(D)の含有量は、良好な外観と使用感を確保する観点から、本発明の液体口腔用組成物中に、50質量%以上であって、好ましくは55質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上である。また、成分(D)の含有量は、良好な外観と香味等の使用感を確保する観点、及び本発明の液体口腔用組成物を泡吐出容器に充填した際に、良好な泡質と容器からの吐出性を保持する観点から、本発明の液体口腔用組成物中に、95質量%以下であって、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは85質量%以下であり、さらに好ましくは75質量%以下である。そして、成分(D)の含有量は、本発明の液体口腔用組成物中に、50質量%以上95質量%以下であって、好ましくは55〜90質量%であり、より好ましくは60〜85質量%である。
【0026】
本発明の液体口腔用組成物において、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のノニオン界面活性剤の含有量は、成分(C)の含有量以下である。このように、成分(C)の含有量に対してノニオン界面活性剤の含有を制限することにより、長期にわたる低温での保存後においても成分(B)を良好に溶解又は分散させつつ、成分(A)によりもたらされる良好な発泡性を確保することができる。
【0027】
ノニオン界面活性剤の含有量は、良好な発泡性を確保する観点、低温保存をかけた場合の液粘度上昇を抑制する観点、高温で保存をかけた場合の安定性確保の観点から、成分(C)の含有量以下であって、好ましくは成分(C)の含有量に対して0.5倍以下であり、より好ましくは0.2倍以下である。また、ノニオン界面活性剤の含有量は、同様の観点から、本発明の液体口腔用組成物中に、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以下であり、さらに好ましくは0.2質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.1質量%以下であり、或いは本発明の液体口腔用組成物は、ノニオン界面活性剤を含有しないのが好ましい。
【0028】
本発明の液体口腔用組成物は、発泡性を向上する観点から、成分(E)としてアルキル硫酸塩を含有することが好ましい。かかる成分(E)としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、パルミチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、カプリル硫酸ナトリウムが挙げられる。かかる成分(E)を含有する場合、長期にわたる低温保存安定性を有効に確保する観点から、成分(E)の含有量と成分(C)の含有量との質量比((E)/(C))が、好ましくは1.7以下であり、より好ましくは1.5以下であり、さらに好ましくは1.3以下であり、発泡性を向上する観点から、好ましくは0.1以上であり、より好ましくは0.2以上であり、さらに好ましくは0.4以上である。
【0029】
また、成分(E)を含有する場合、発泡性を向上する観点から、成分(E)の含有量と成分(A)の含有量との質量比((E)/(A))は、好ましくは1以上であり、より好ましくは2以上であり、さらに好ましくは3以上である。また、成分(E)の含有量と成分(A)の含有量との質量比((E)/(A))は、長期にわたる低温保存安定性を有効に確保する観点から、好ましくは50以下であり、より好ましくは30以下であり、さらに好ましくは25以下であり、よりさらに好ましくは15以下である。
【0030】
さらに、成分(E)を含有する場合、かかる成分(E)の含有量は、発泡性を向上する観点から、本発明の液体口腔用組成物中に、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.2質量%以上であり、さらに好ましくは0.3質量%以上である。また、成分(E)の含有量は、長期にわたる低温保存安定性を有効に確保する観点から、本発明の液体口腔用組成物中に、好ましくは1.5質量%以下であり、より好ましくは1.2質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下である。
【0031】
本発明の液体口腔用組成物において、成分(B)を良好に溶解又は分散させつつ優れた発泡性を確保する観点、及び良好な使用感を保持する観点から、エタノールの含有を制限するのが好ましく、エタノールの含有を制限しても各成分の溶解性又は分散性を確保して、長期にわたる低温保存安定性を良好に保持することができる。エタノールの含有量は、成分(B)の含有量に対し、好ましくは20倍以下であり、より好ましくは15倍以下であり、さらに好ましくは10倍以下である。また、エタノールの含有量は、同様の観点から、本発明の液体口腔用組成物中に、好ましくは8質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、さらに好ましくは3質量%以下であり、或いは本発明の液体口腔用組成物は、エタノールを含有しないのが好ましい。
【0032】
本発明の液体口腔用組成物において、各成分の溶解性又は分散性を確保しつつ、透明性又は半透明性の外観を付与する観点、及び泡吐出容器に充填した際に良好な吐出性を保持する観点から、研磨性粉体の含有を制限するのが好ましい。かかる研磨性粉体としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、吸油量が50〜150mL/100gの研磨性シリカ、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、リン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、及び炭酸マグネシウム等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
なお、吸油量とは、シリカが担持できる油量を示したものであり、測定方法はJIS K5101−13−2(2004年制定)に基づく方法により、吸収される煮あまに油の量により特定する。
【0033】
研磨性粉体の含有量は、長期にわたる低温での保存後においても、各成分、特に成分(B)の溶解性又は分散性を確保する観点、及び透明性又は半透明性の外観を付与する観点から、本発明の液体口腔用組成物中に、好ましくは0.1質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以下であり、さらに好ましくは0.01質量%以下であり、或いは本発明の液体口腔用組成物は、研磨性粉体を含有しないのが好ましい。
【0034】
本発明の液体口腔用組成物は、各成分の溶解性又は分散性を確保して、長期にわたる低温保存安定性を有効に高める観点から、25℃におけるpHが6以上であって、好ましくは6.5以上であり、より好ましくは7以上であり、さらに好ましくは7.5以上であり、好ましくは11以下であり、より好ましくは10.8以下であり、さらに好ましくは10.5以下である。
なお、本発明の液体口腔用組成物の25℃におけるpHを上記範囲に調整する上で、pH調整剤を用いてもよい。かかるpH調整剤としては、炭酸塩や重炭酸塩;水酸化カリウムや水酸化ナトリウム;クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、コハク酸等の有機酸又はこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、炭酸塩、重炭酸塩が好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウムが好ましい。この場合、pH調整剤の含有量は、液体口腔用組成物のpHを安定化させる観点から、本発明の液体口腔用組成物中に、好ましくは0.1〜2質量%であり、より好ましくは0.15〜1.5質量%であり、さらに好ましくは0.18〜1質量%であり、よりさらに好ましくは0.2〜0.8質量%である。
【0035】
本発明の液体口腔用組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記成分のほか、例えば、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース又はその塩、ヒドロキシエチルセルロース、カラギーナン、キサンタンガム等の粘結剤;グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等のポリオール;保存剤;顔料;色素等を適宜含有させることができる。なかでも、ポリエチレングリコールの質量平均分子量は、本発明の液体口腔用組成物を泡吐出容器に充填した際、泡吐出容器の多孔質部材の目詰まりを有効に防止する観点から、好ましくは1000以下であって、より好ましくは850以下であり、良好な泡質の観点から、好ましくは200以上であり、より好ましくは400以上である。本発明の液体口腔用組成物を泡吐出容器に充填した際、泡吐出容器の多孔質部材の目詰まりを有効に防止する観点から、20℃で液体の上記ポリオールの含有量は、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上であり、好ましくは40質量%以下であり、さらに好ましくは35質量%以下である。
なお、上記ポリエチレングリコールの平均分子量とは、GPC(ゲルパーミェーションクロマトグラフィ)により測定される質量平均分子量を意味する。
【0036】
本発明の液体口腔用組成物は、泡状で口腔内へ適用することにより、優れた使用感を実感しながら、口腔内の隅々まで上記液体口腔用組成物を行き渡らせる観点から、泡吐出容器に充填されてなるのが好ましい。かかる泡吐出容器は、吐出口を備えていればよく、ノンエアゾールタイプの容器であってもエアゾールタイプの容器であってもよい。本発明の液体口腔用組成物を使用する際には、泡吐出容器が備える吐出口から、内容物である上記液体口腔用組成物を口腔内へ直接吐出して、吐出口を経由した液体口腔用組成物を泡状で口腔内へ適用することができる。
【0037】
ノンエアゾールタイプの容器とは、圧縮ガス等の噴射剤が不要の常圧容器であり、かかる容器としては、例えば、スクイズタイプの容器とポンプタイプの容器が挙げられる。これらの容器は、内容物が吐出口を経由する際に良好に泡状の組成物を形成する観点、及び形成された泡が良好な保持性や均質性を有し、使用感等を高める等の観点から、いずれも容器本体から吐出口に至るまでの内容物の流路中に、メッシュや複数の小孔を設けた多孔質部材を介在させてなる容器であるのが好ましい。
【0038】
スクイズタイプの容器とは、変形可能な容器本体に位置する胴部をスクイズ変形させることにより、必要に応じて多孔質部材を経由させながら、ヘッドスペース内から圧送される空気と内容物を混合して泡を形成させ、かかる泡を吐出口から吐出させるものである。具体的には、例えば、特開平7−215352号公報、実開昭58−174272号公報、及び実開昭62−42787号公報に記載の容器等を用いることができる。
【0039】
ポンプタイプの容器とは、吐出口を有する泡吐出器に備えられたポンプヘッドを押し込むことにより、必要に応じて多孔質部材を経由させながら、外部から流入する空気と内容物を混合して泡を形成させ、かかる泡を吐出口から吐出させるものである。通常、外部から空気を流入させるための空気シリンダーと、内容物の流路となる液シリンダーを備えるとともに、ポンプヘッドの押し込みにより圧送される空気と内容物とを混合させるための混合室を備える。具体的には、例えば、特開平7−315463号公報、特開平8−230961号公報、及び実開平3−7963号公報に記載の容器等を用いることができる。
【0040】
エアゾールタイプの容器とは、噴射剤として圧縮ガスを充填してなる容器であり、吐出口から内容物が吐出される際、バルブ機構を介してガスを取り込みながら泡が形成される。用いる圧縮ガスとしては、炭酸ガスを90質量%以上含有するガスであるのが好ましい。
【0041】
これら泡吐出容器のなかでも、使用性の観点、すなわち吐出口から内容物を口腔内へ直接吐出しやすい観点、及び利便性や携帯性にも優れる観点から、スクイズ容器が好ましく、容器本体から吐出口に至るまでの内容物の流路中に、#90〜#305のメッシュを備える容器がより好ましい。
【0042】
本発明の液体口腔用組成物は、長期にわたる低温での保存後においても、成分(B)を安定に溶解又は分散することができるため、透明又は半透明であって、着色されていてもよい。透明又は半透明であるとは、具体的には、液体口腔用組成物を光路長10mmのセルに充填した際における吸収波長550nmの光の透過率が80%以上であることを意味し、かかる透過率は、さらに90%以上であることが好ましい。なお、セルとしては、石英セルを用いる。
【実施例】
【0043】
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。
【0044】
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。
【0045】
[実施例1〜14、比較例1〜4]
表1〜2に示す処方にしたがって、25℃におけるpHを10に調整した液体口腔用組成物を製造し、以下の方法にしたがって、各評価を行った。
結果を表1〜2に示す。
また、本発明の液体口腔用組成物において、成分(B)の香料として用い得る具体的な香料を表4〜6に示す。なお、実施例1〜15、及び比較例1〜4では、表4に示す香料を用いた。
【0046】
《製造直後の外観》
得られた各液体口腔用組成物をガラス瓶に充填し、ガラス瓶の外側から内容物の液体口腔用組成物を目視により観察し、以下の基準にしたがって評価した。
A:透明で均一であった
B:多少白濁していたものの、均一であった
C:白濁していたものの、析出物までは確認されなかった
D:分離又は析出物が確認された
【0047】
《低温安定性(−5℃10日間保存後の外観)》
得られた各液体口腔用組成物をガラス瓶に充填し、−5℃で10日間保存した後、ガラス瓶の外側から内容物の液体口腔用組成物を目視により観察し、上記「製造直後の外観」と同様の基準にしたがって評価した。
【0048】
《低温安定性(−5℃10日間保存後の粘度)》
得られた各液体口腔用組成物をガラス瓶に充填し、−5℃で10日間保存した後、BL粘度計(東機産業(株)社製、M1ローター、回転数:30rpm/1分間)を用い、−5℃に保持したまま液粘度(mPa・s)を測定した。
【0049】
《泡粘度》
得られた各液体口腔用組成物100gをポンプフォーマー容器(F5ポンプフォーマー、メッシュ:2枚、メッシュサイズ:#255/#255、大和製罐(株))に充填し、吐出口から内容物を吐出させ、BH粘度計(東機産業(株)社製、H2ローター、回転数:5rpm/1分間)を用い、室温(25℃)にて泡粘度(mPa・s)を測定した。
【0050】
《泡持ち》
得られた各液体口腔用組成物100gを上記ポンプフォーマー容器に充填し、室温(25℃)にて、ろ紙(ADVANTEC No.1、70mm)を5枚重ねた上に、吐出口から約1gの内容物を吐出させた。吐出後30秒経過した時点で泡をふき取り、ろ紙の重量変化を測定し(排液量)、以下の計算式から排液率(%)を算出した。排液率の数値が低いほど泡持ちがよいことを意味する。
排液率(%)=(排液量)/(泡吐出重量)×100
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
[実施例15]
表3に示す処方にしたがって、25℃におけるpHを10に調整して製造した液体口腔用組成物は、長期にわたり優れた低温保存安定性を発揮し、かつ透明性が高い。
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】