特開2017-226932(P2017-226932A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2017226932-レッグウエア 図000003
  • 特開2017226932-レッグウエア 図000004
  • 特開2017226932-レッグウエア 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-226932(P2017-226932A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】レッグウエア
(51)【国際特許分類】
   A41B 11/14 20060101AFI20171201BHJP
【FI】
   A41B11/14 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2016-123341(P2016-123341)
(22)【出願日】2016年6月22日
(71)【出願人】
【識別番号】592159841
【氏名又は名称】関東ナイロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081558
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 晴男
(74)【代理人】
【識別番号】100154287
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 貴広
(72)【発明者】
【氏名】橋本 夏海
【テーマコード(参考)】
3B018
【Fターム(参考)】
3B018HA05
3B018HB07
(57)【要約】
【課題】穿き始めから穿き進んで最後の爪先部に達するまでのすべての段階において、前後の識別が容易であり、脚部の捩れによる穿き直しをする必要がないパンティストッキング等のレッグウエアを提供することを課題とする。
【解決手段】脚部3の全長に亘り、縦方向に直線的に伸びる線状、帯状又は面状のラインマーク5が形成される。ラインマーク5は、脚部3の編み上げと同時に、脚部3とは異なる編み組織にてもしくは太さの異なる糸を用いて編み込んで形成され、あるいは、脚部3に糸を直線的に定着して形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脚部の全長に亘り、縦方向に直線的に伸びる線状、帯状又は面状のラインマークが形成されていることを特徴とするレッグウエア。
【請求項2】
前記ラインマークは、前記脚部の内側面に沿って形成されている、請求項1に記載のレッグウエア。
【請求項3】
前記ラインマークは、後部の全面に亘って面状に形成されている、請求項1に記載のレッグウエア。
【請求項4】
前記ラインマークは、前記脚部の編み上げと同時に、前記脚部とは異なる編み組織にてあるいは太さの異なる糸を用いて編み込んで形成されたものである、請求項1乃至3のいずれかに記載のレッグウエア。
【請求項5】
前記ラインマークは、前記脚部に糸を直線的に定着して形成されたものである、請求項1又は2に記載のレッグウエア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レッグウエアに関するものであり、より詳細には、パンティストッキング、ストッキング、タイツ等を含む女性用のレッグウエアであって、着用時に前後の見分けが容易なレッグウエアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、パンティストッキングは腹部と脚部とから成り、全体的に伸縮性に富む組織に編み上げられている。しかし、パンティストッキングは一般に、その形態上前後が判然としないものが多いため、着用時に前後を容易に確認することができるようにするための工夫がなされている。
【0003】
例えば、腹部に前後識別マークを編み込むことが提唱されている(特許文献1:実開平1−22711号公報)。ところで、パンティストッキングの脚部は、新品時には折り目がしっかりとしているが、着用回数や洗濯を重ねたりすることにより型崩れし、次第に折り目がなくなってくるため、脚部の捩れを視認できなくなり、着用時に捩れたまま穿いてしまい、穿き直しをしなければならないことが少なくないが、腹部に前後識別マークを編み込む構成によっては、この事態を回避することができない。
【0004】
また、上記脚部の捩れを考慮して、パンティストッキングの腹部に前後識別マークを編み込むと共に、爪先部の足底側又は甲側に、足底と甲の識別マークを付すことが提案されている(特許文献2:実開平6−4006号公報)。しかし、この提案に係るパンティストッキングの場合、足底と甲の識別マークがその効果を発揮するのは、穿き進んで最後の爪先部に達した段階であり、そこに至る過程において、脚部の捩れの視認の助けとなる訳ではないので、やはり上記事態を回避し得るものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平1−22711号公報
【特許文献2】実開平6−4006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、従来、パンティストッキング等の着用時において、その前後を容易に確認することができるようにするための工夫が種々なされているが、それらは、穿き始めから穿き進んで最後の爪先部に達するまでのすべての段階において、前後の識別を容易にし得るものではなく、脚部の捩れによる穿き直しの手間の発生を回避し得るものではない。
【0007】
そこで本発明は、穿き始めから穿き進んで最後の爪先部に達するまでのすべての段階において、前後の識別が容易であり、脚部の捩れによる穿き直しを余儀なくされるおそれがないパンティストッキング等のレッグウエアを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための請求項1に係る発明は、脚部の全長に亘り、縦方向に直線的に伸びる線状、帯状又は面状のラインマークが形成されていることを特徴とするレッグウエアである。
【0009】
一実施形態においては、前記ラインマークは、前記脚部の内側面に沿って線状又は帯状に形成され、他の実施形態においては、前記ラインマークは、後部の全面に亘って面状に形成される。
【0010】
一実施形態においては、前記ラインマークは、前記脚部の編み上げと同時に、前記脚部とは異なる編み組織にてもしくは太さの異なる糸を用いて編み込んで形成され、あるいは、前記ラインマークは、前記脚部に糸を直線的に定着して形成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るレッグウエアは上記構成であって、上下方向に連続して伸びる識別ラインを備えているので、その識別ラインを見つつ着用することで、穿き始めから穿き進んで最後の爪先部に達するまでのすべての段階において、前後を誤ることがなく着用することができ、脚部に捩れが発生した場合においても、それを修正しつつ着用することができるので、穿き直しをする煩わしを受けるおそれがないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係るレッグウエアの一実施形態を示す外観図である。
図2】本発明に係るレッグウエアの他の実施形態を示す外観図である。
図3】本発明に係るレッグウエアの更に他の実施形態を示す外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を実施するための形態について、添付図面に依拠して説明する。図1乃至図3は、本発明に係るレッグウエアの一実施形態として、パンティストッキング1に適用した場合の外観図である。このパンティストッキング1は、一般のものと同様に、腹部2と脚部3と爪先部4とから成り、各部は一般のものと同様に編み上げられる。図示してないが、腹部2の内側には、従来と同様の前後識別マークが付される。
【0014】
本発明に係るパンティストッキング1の場合は、更に、腹部2から爪先部4に至る、線状、帯状又は面状のラインマーク5が付設される。ラインマーク5は連続するものに限らず、破線のような不連続のものであってもよいが、いずれにしても直線的な一つながりのものとされる。また、ラインマーク5は、脚部3と同色にして余り目立たないように形成することが好ましい。なお、添付図面に記載されているラインマーク5は、本発明の理解を高めるために、強調して目立つように表示してあるが、実際には、このように目立つものではないことを理解されたい。
【0015】
図1及び図2に示される例におけるラインマーク5は、常法による脚部3の編み上げと同時に、脚部3に沿って、例えば、幅1cmほどの帯状(図1)又は面状(図2)に編み上げて形成される。但し、その部分は、脚部3とは異なる編み組織、例えば、メッシュ編みにされ、あるいは、太さの異なる糸を用いて編み上げられる。メッシュ編みにしたり細い糸を用いる場合には、その部分の通気性を向上させることができる。また、別の実施形態におけるラインマーク5は、脚部3を編み上げた後に、脚部3に用いる糸よりも太い糸を、縫い付けたり、接着したりすることによって形成される(図3)。
【0016】
図1及び図3に示す例では、ラインマーク5は内側面の縦方向中心線に沿って、腹部2から脚部3を経て爪先部4に達するように直線的に形成されており、また、図2に示す例のラインマーク5は、後面部の全体に亘り、面状に形成されている。
【0017】
本発明に係るパンティストッキング1の場合は、腹部2の内側の前後識別マークを目印にして前後を認識した後、従来と同様にして、足を差し入れて手繰り上げながら着用する。その際、ラインマーク5を目印にして穿き進めていけば、脚部3の捩れを明確に視認することができるので、途中で捩れを修正しながら、前後誤りなく着用することが可能となる。
【0018】
上記説明はパンティストッキング1を例にしたものであるが、他のストッキング、タイツ等のレッグウエアについても、上記パンティストッキング1の場合と特に変わりはない。
【符号の説明】
【0019】
1 パンティストッキング
2 腹部
3 脚部
4 爪先部
5 ラインマーク
図1
図2
図3