(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-226976(P2017-226976A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】車両トランクリッド用ラッチ装置
(51)【国際特許分類】
E05B 83/18 20140101AFI20171201BHJP
E05B 77/38 20140101ALI20171201BHJP
E05B 81/14 20140101ALI20171201BHJP
B62D 25/12 20060101ALI20171201BHJP
B60J 5/10 20060101ALI20171201BHJP
E05B 83/26 20140101ALN20171201BHJP
【FI】
E05B83/18
E05B77/38
E05B81/14
B62D25/12 N
B60J5/10 H
E05B83/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-121983(P2016-121983)
(22)【出願日】2016年6月20日
(71)【出願人】
【識別番号】000148896
【氏名又は名称】三井金属アクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100092945
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 千秋
(72)【発明者】
【氏名】田村 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】竹中 寿夫
【テーマコード(参考)】
2E250
3D004
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250HH01
2E250JJ09
2E250JJ33
2E250KK02
2E250LL05
2E250LL14
2E250MM03
2E250PP05
2E250PP06
3D004AA06
3D004BA03
3D004CA41
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡素化した車両トランクリッド用ラッチ装置のリリースアクチュエータを提供する。
【解決手段】車両トランクリッド用ラッチ装置は、ラッチ16と、ラッチ16と係合するラチェット18と、リリース回転するとラチェット18をラッチ16から離脱させる電動オープンレバー43と、電動オープンレバー43をリリース回転させるリリースアクチュエータとを備え、電動オープンレバー43の近傍にはリリースアクチュエータの駆動力で開扉回転する出力部材39を設ける。出力部材39は、開扉回転すると、非ブロック位置の電動オープンレバー43をリリース回転させると共に、電動オープンレバー43をブロック位置に変位させた後、ブロック位置の電動オープンレバー43に当接し、ブロック位置の電動オープンレバー43は出力部材39との当接により所定量だけ衝撃吸収回転した後、出力部材39との当接状態を維持した状態で回転停止する。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストライカ12と係合するラッチ16と;前記ラッチ16と係合して前記ラッチ16と前記ストライカ12との係合状態を保持するラチェット18と;リリース回転すると前記ラチェット18を前記ラッチ16から離脱させる電動オープンレバー43と;前記電動オープンレバー43をリリース回転させるリリースアクチュエータ36とを備え;
前記電動オープンレバー43の近傍には前記リリースアクチュエータ36の駆動力で開扉回転する出力部材39を設け;
前記出力部材39は、開扉回転すると、非ブロック位置の前記電動オープンレバー43に当接して前記電動オープンレバー43をリリース回転させると共に、前記電動オープンレバー43をブロック位置に変位させた後、ブロック位置の前記電動オープンレバー43に当接し;
ブロック位置の前記電動オープンレバー43は前記出力部材39との当接により所定量だけ衝撃吸収回転した後、前記出力部材39との当接状態を維持した状態で回転停止する構成とした車両トランクリッド用ラッチ装置。
【請求項2】
請求項1において、前記電動オープンレバー43の前記衝撃吸収回転は前記リリース回転と反対方向の回転とした車両トランクリッド用ラッチ装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記電動オープンレバー43は前記出力部材39との当接により所定量だけ衝撃吸収回転すると、前記ラチェット18と当接して回転停止する構成とした車両トランクリッド用ラッチ装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、更に、手動開扉手段29に連結される手動オープンレバー26を備え、前記手動オープンレバー26は、回転すると、前記ラチェット18を回転させて前記ラッチ16から離脱させると共に、前記ラチェット18の回転を介して前記電動オープンレバー43を非ブロック位置からブロック位置に回転させ得る構成とした車両用トランクリッド用ラッチ装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項において、前記ラチェット18には前記ラッチ16に向かって付勢する噛合バネ20を設け、前記ラチェット18が前記噛合バネ20の弾力により前記ラッチ16と係合する方向に回転すると、前記電動オープンレバー43に当接して前記電動オープンレバー43をブロック位置から非ブロック位置に回転させ得る構成とした車両用トランクリッド用ラッチ装置。
【請求項6】
請求項4において、前記電動オープンレバー43は前記ラチェット18の屈曲部48の両側に位置する第1先端部49と第2先端部50とを有し、前記出力部材39の出力により前記電動オープンレバー43がリリース回転したときは、前記第1先端部49が前記屈曲部48の一方側に当接して前記ラチェット18を前記ラッチ16から離脱させ、前記手動オープンレバー26が前記ラチェット18を回転させて前記ラッチ16から離脱させたときは、前記屈曲部48の他方側が前記第2先端部50に当接して前記電動オープンレバー43を非ブロック位置からブロック位置に回転させ得る構成とした車両用トランクリッド用ラッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両トランクリッド(バックドア)用ラッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両扉のラッチ装置には、ラチェットをモータ等の動力でラッチから解放させて、車両扉を開扉可能にするリリースアクチュエータ機構が設けられたものがある。リリースアクチュエータ機構は、車両のスライド式扉や車両トランクルームの開閉扉(トランクリッド・バックドア、以下トランクリッド)用ラッチ装置に用いられることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−166750号公報
【特許文献2】特開2001−182400号公報
【特許文献3】特開2014−047521号公報
【特許文献4】特開2015−209642号公報
【特許文献5】米国特許第7111877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スライド式扉に用いられるリリースアクチュエータ機構に比べ、トランクリッドに用いられるリリースアクチュエータ機構は、他の機構、例えば、ロック機構、チャイルドプルーフ機構、アンチセフト機構、ワンモーション機構等との組み合わせが不要であることが多く、このため、トランクリッド用ラッチ装置は、簡素化、軽量化、低コスト化に関する改良が盛んに行われている。
そこで、本発明では、ラッチ装置のリリースアクチュエータ機構と各部レバーとの連結関係を一段と簡素化すると共に、良好な作動音が得られるようにラッチ装置を改良したものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
よって、本発明は、ストライカ12と係合するラッチ16と;前記ラッチ16と係合して前記ラッチ16と前記ストライカ12との係合状態を保持するラチェット18と;回転すると前記ラチェット18を前記ラッチ16から離脱させる電動オープンレバー43と;前記電動オープンレバー43を回転させるリリースアクチュエータ36とを備え;前記電動オープンレバー43の近傍には前記リリースアクチュエータ36の駆動力で開扉回転する出力部材39を設け;前記出力部材39は開扉回転すると、非ブロック位置の前記電動オープンレバー43に当接して前記電動オープンレバー43をブロック位置に回転させて前記ラチェット18を前記ラッチ16から離脱させた後、ブロック位置の前記電動オープンレバー43に当接し;ブロック位置の前記電動オープンレバー43は前記出力部材39との当接により所定量だけ衝撃吸収回転した後、前記出力部材39との当接状態を維持した状態で回転停止する構成とした車両トランクリッド用ラッチ装置としたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の請求項1に係る発明にあっては、出力部材39を停止させる際に、電動オープンレバー43は所定量だけ衝撃吸収回転するため、出力部材39が電動オープンレバー43に当接した際の衝撃力が緩和され、静粛性の向上が期待できる。
本発明の請求項2に係る発明にあっては、電動オープンレバー43の反リリース回転することで衝撃力を緩和するので、次に出力部材39で電動オープンレバー43をリリース回転させる動きが円滑になる。
本発明の請求項3に係る発明にあっては、電動オープンレバー43がラチェット18に当接する際に、出力部材39が電動オープンレバー43に当接した際の衝撃力を分散できる。
本発明の請求項4に係る発明にあっては、手動オープンレバー26による開扉操作後も、リリースアクチュエータ36により開扉したときと同じ状態になる。
本発明の請求項5に係る発明にあっては、噛合バネ20の弾力によるラチェット18の回転力で、電動オープンレバー43をブロック位置から非ブロック位置に復帰させることができる。
本発明の請求項6に係る発明にあっては、電動オープンレバー43の第1先端部49と第2先端部50との間にラチェット18の屈曲部48が位置することで、電動オープンレバー43とラチェット18との関連的な連結が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明によるトランクリッド用ラッチ装置とトランクリッドを示す縦断面図である。
【
図2】ラッチ装置のラッチユニットの正面側斜視図である。
【
図3】ラッチユニットの内部を示す正面側斜視図である。
【
図4】ラッチユニットのラッチ・ラチェット機構とリリースアクチュエータ機構の正面図である。
【
図5】ラッチユニットのラッチ・ラチェット機構とリリースアクチュエータ機構の背面図である。
【
図6】ラッチユニットの手動オープンレバーの正面側斜視図である。
【
図7】ラッチユニットの出力部材の背面側斜視図である。
【
図8】ラッチユニットの電動オープンレバーの背面側斜視図である。
【
図9】ラッチ・ラチェット機構のラチェットの正面側斜視図である。
【
図10】ラッチ装置の閉扉状態を示す作用説明図である。
【
図11】出力部材の回転によりラチェットがラッチから離脱してラッチが開扉回転した初期開扉状態を示す作用説明図である。
【
図12】出力部材が略180度回転して、出力部材のカム突起が初期ブロック位置のストッパーに当接した初期ブロック状態を示す作用説明図である。
【
図13】出力部材のカム突起とストッパーとの当接により電動オープンレバーが衝撃吸収回転した状態を示す作用説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明によるトランクリッド用ラッチ装置10の一実施形態を図面により説明する。ラッチ装置10は、ラッチユニット11と、ラッチユニット11と係合するストライカ12とを有する。ラッチユニット11はトランクリッド13に取り付けられ、ストライカ12は車体14に固定される。
【0009】
トランクリッド13は、外部(車外)に面するアウター金属パネル13Aと、トランクルーム内に面するライニングパネル13Bと、アウター金属パネル13Aとライニングパネル13Bとの間のインナー金属パネル13Cとを備える。
【0010】
ラッチユニット11は、上下方向の金属製屈曲ベースプレート15を備える。ベースプレート15はインナー金属パネル13Cにボルト等で固定される。ベースプレート15の下部には、ストライカ12と係合可能なラッチ16がラッチ軸17により支持され、また、ラッチ16と係合可能なラチェット18がラチェット軸19により支持される。ラッチ16とラチェット18との間には噛合バネ20が掛け渡され、互いが近接する方向に付勢させる。これらがラッチ・ラチェット機構を構成する。
【0011】
トランクリッド13を閉扉方向に移動させると、ストライカ12はベースプレート15の下部のストライカ通路21内に進入し、ラッチ16の凹部22に係合してラッチ16を回転させ、ラッチ16がラッチ位置まで回転すると、ラッチ16のラッチ段部23にラチェット18の係合爪24が係合し、トランクリッド13は閉扉状態に維持される。
【0012】
ベースプレート15には、支持軸25(
図5)により手動オープンレバー26(
図6)が軸止される。手動オープンレバー26は略L型を呈し、バネ27により
図5において反時計回転方向に付勢される。手動オープンレバー26の一方の連結アーム28には、キーシリンダやトランクオープナー等の手動開扉手段29に至る連結具30と、非常操作ハンドル31に至る連結具32を係合させる。非常操作ハンドル31は、ライニングパネル13Bの操作開口部33を介してトランクルームに対して露出させる。手動オープンレバー26は、手動開扉手段29又は非常操作ハンドル31の開扉操作でバネ27の弾力に抗して
図5において時計回転(リリース回転)する。
【0013】
手動オープンレバー26の他方の係合アーム34の先端は、ラチェット18に対して係合可能に対峙し、手動オープンレバー26がリリース回転すると、ラチェット18は手動オープンレバー26との当接により、
図5において、反時計回転して、係合爪24がラッチ段部23から離脱してラッチ16が解放され、トランクリッド13は開扉可能となる。
【0014】
ベースプレート15の上部には、アクチュエータハウジング35が固定され、アクチュエータハウジング35内にはモータ式リリースアクチュエータ36が収納される。リリースアクチュエータ36のモータ37の出力軸にはギヤ38が固定され、ギヤ38にはウォームホイール等の円形出力部材39(
図7)を噛合させる。出力部材39は枢軸40によりアクチュエータハウジング35(又はベースプレート15)に軸止する。
【0015】
出力部材39の背面側には枢軸40を挟んで直線上に並ぶ一対の第1カム突起41と、第2カム突起42とを一体的に設ける。第1カム突起41および第2カム突起42は、背面側に突き出ている。出力部材39は中立復帰用リターンスプリングを備えておらず、モータ37がオフのときは減速機構のギア抵抗でその場に保持される。
【0016】
出力部材39とラチェット18との間には、電動オープンレバー43(
図8)を配置し、電動オープンレバー43は支持軸44によりベースプレート15に軸止する。電動オープンレバー43の上部には、従動突起45とラバー製のストッパー46とが設けられる。従動突起45は、出力部材39の一対の第1カム突起41および第2カム突起42の回転軌跡上に臨む位置と、回転軌跡上から外れる位置とに変位する。また、ストッパー46も出力部材39の一対の第1カム突起41および第2カム突起42の回転軌跡上に臨む位置と、回転軌跡上から外れる位置とに変位する。
【0017】
基本的に、出力部材39の出力は、第1カム突起41又は第2カム突起42が従動突起45を押圧することで電動オープンレバー43に伝達され、出力部材39は第1カム突起41又は第2カム突起42がストッパー46に当接することで停止する。出力部材39の回転を停止させる詳細な構成については後述するが、この回転停止構成が本発明の重要な要旨となる。そして、本発明では、出力部材39を回転停止させる際の静粛性の向上が期待できると共に、電動オープンレバー43のガタツキを防止する付勢バネの省略が可能となる。
【0018】
電動オープンレバー43の下部には逆U字状の二叉部47を形成し、二叉部47内にはラチェット18の先端に設けた屈曲部48(
図9)を臨ませる。電動オープンレバー43が
図5において時計回転(リリース回転)すると、二叉部47の一方のボール状先端部49が屈曲部48の表側に当接して、ラチェット18を反時計回転させ、ラッチ16が解放され、トランクリッド13は開扉可能となる。二叉部45の他方のブロック先端部50は、屈曲部48の裏側面と対峙する。
【0019】
図10は閉扉状態を示しており、ラチェット18はラッチ16に係合している。この状態では、出力部材39の第1カム突起41および第2カム突起42は略水平方向に伸びている。また、モータ37がOFFになっていることで、出力部材39はこの位置に保たれている。閉扉状態では、電動オープンレバー43の従動突起45は、第1カム突起41および第2カム突起42の回転軌跡上に臨んでいるが、ストッパー46は第1カム突起41および第2カム突起42の回転軌跡上から外れる非ブロック位置にいる。電動オープンレバー43は、ボール状先端部49とラチェット18の屈曲部48との当接を介して、噛合バネ20の弾力により反リリース回転方向に付勢され、ベースプレート15又はアクチュエータハウジング35に設けた不動部材52に当接し、ガタツキ無く保持される。また、電動オープンレバー43の反リリース回転方向への付勢力を、従動突起45をカム突起41の側面に当接させることで吸収させることも可能であり、この場合、不動部材52を省略することができる。
【0020】
図10の状態からモータ37により出力部材39を反時計回転させると、第1カム突起41(又は第2カム突起42)が従動突起45に当接し、電動オープンレバー43を時計回転(リリース回転)させ、電動オープンレバー43のボール状先端部49がラチェット18の屈曲部48を押圧して、ラチェット18を反時計回転させる。すると、
図11のように、ラチェット18はラッチ16から離脱し、トランクリッド13は開扉される。
【0021】
更に出力部材39が反時計回転を継続すると、従動突起45は第1カム突起41の回転軌跡外に押し出され、電動オープンレバー43のストッパー46はブロック位置(より正確には、初期ブロック位置)に変位し、ストッパー46は第2カム突起42の回転軌跡上に臨むことになる。ストッパー46は出力部材39が180度回転する前に初期ブロック位置への変位を完了しており、出力部材39の回転が略180度に達すると、
図12のように、ストッパー46に対して第2カム突起42が当接・追突する。
【0022】
また、
図12のように、第2カム突起42が初期ブロック位置のストッパー46に接面した状態では、電動オープンレバー43のブロック先端部50とラチェット18の屈曲部48の裏側面との間には所定量のギャップ51が設定されている。
【0023】
ストッパー46はラバー製であるため、第2カム突起42がストッパー46に追突する際の静粛性は良好であるが、本発明では、更に静粛性を高めるために、ストッパー46と第2カム突起42との当接角度を従来の設計思想とは異なる角度にし、第2カム突起42がストッパー46に追突したとき、ストッパー46は第2カム突起42から逃げる方向に移動する構成にする。つまり、第2カム突起42がストッパー46に衝突すると、電動オープンレバー43は、ギャップ51に相当する距離を
図12において反リリース回転方向に戻される。このため、第2カム突起42がストッパー46にぶつかったときの衝撃力の一部は、電動オープンレバー43を反リリース回転させる力として吸収され、静粛性の更なる向上が期待される。
【0024】
第2カム突起42とストッパー46との衝突力により、電動オープンレバー43が反リリース回転(衝撃吸収回転)すると、
図13のように、電動オープンレバー43のブロック先端部50がラチェット18の屈曲部48の裏側面に当接する。開扉状態でのラチェット18は、ラッチ16との当接により回転が規制されているため、電動オープンレバー43の衝撃吸収回転は、ブロック先端部50が屈曲部48の裏側面に当接することで終了する。しかし、ブロック先端部50がラチェット18に当接することにより、衝撃力は更に分散されるため、静粛性の一層の向上が期待できる。なお、ストッパー46は、電動オープンレバー43が衝撃吸収回転した後も、第2カム突起42の回転軌跡上に留まっており、このときのストッパー46の位置が二次ブロック位置となる。
【0025】
モータ37への通電は、初期ブロック位置のストッパー46に第2カム突起42が衝突した時点で停止させるのが望ましく、電動オープンレバー43の衝撃吸収回転は出力部材39の余剰回転で行われるのが望ましい。
【0026】
手動開扉手段29又は非常操作ハンドル31の開扉操作で手動オープンレバー26が
図5において時計回転(リリース回転)すると、係合アーム34がラチェット18に当接してラチェット18を反時計回転させ、トランクリッド13は開扉可能となる。このとき、反時計回転するラチェット18の屈曲部48は、電動オープンレバー43のブロック先端部50を押すので、電動オープンレバー43は反リリース回転して、ストッパー46はブロック位置(正確には二次ブロック位置)に移動し、リリースアクチュエータ36により開扉したときと同じ状態になる。
【0027】
図13の開扉状態において、ストライカー12がラッチ16に当接してラッチ16がラッチ位置に至ると、ラチェット18が噛合バネ20の弾力で時計回転しラッチ16に係合する。すると、ラチェット18の屈曲部48は電動オープンレバー43のボール状先端部49を押圧して、電動オープンレバー43を反リリース回転させ、電動オープンレバー43をブロック位置から非ブロック位置に変位させ、
図10の閉扉状態となる。
【0028】
また、出力部材39のカム突起は、一対ではなく単体とすることも可能であり、この場合、出力部材39は360度回転して停止するだけである。
【符号の説明】
【0029】
10…ラッチ装置、11…ラッチユニット、12…ストライカ、13…トランクリッド、13A…アウター金属パネル、13B…ライニングパネル、13C…インナー金属パネル、14…車体、15…ベースプレート、16…ラッチ、17…ラッチ軸、18…ラチェット、19…ラチェット軸、20…噛合バネ、21…ストライカ通路、22…凹部、23…ラッチ段部、24…係合爪、25…支持軸、26…手動オープンレバー、27…バネ、28…連結アーム、29…手動開扉手段、30…連結具、31…非常操作ハンドル、32…連結具、33…操作開口部、34…係合アーム、35…アクチュエータハウジング、36…リリースアクチュエータ、37…モータ、38…ギヤ、39…出力部材、40…枢軸、41…第1カム突起、42…第2カム突起、43…電動オープンレバー、44…支持軸、45…従動突起、46…ストッパー、47…二叉部、48…屈曲部、49…ボール状先端部、50…ブロック先端部、51…ギャップ、52…不動部材。