特開2017-227032(P2017-227032A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2017227032-建築用ハンガーの変形防止金具 図000003
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  • 特開2017227032-建築用ハンガーの変形防止金具 図000009
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-227032(P2017-227032A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】建築用ハンガーの変形防止金具
(51)【国際特許分類】
   E04B 9/18 20060101AFI20171201BHJP
【FI】
   E04B5/58 D
   E04B5/58 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-123517(P2016-123517)
(22)【出願日】2016年6月22日
(71)【出願人】
【識別番号】716002367
【氏名又は名称】澤田 祐二
(72)【発明者】
【氏名】澤田 祐二
(57)【要約】      (修正有)
【課題】デッキプレートに取り付けたハンガーが地震の揺れで回転、長手方向に移動又は、下方向に引っ張られてもデッキプレートから外れないハンガーを提供する。
【解決手段】デッキプレートに取り付けたハンガーの下に取り付ける回転移動落下防止金具であり、中央水平板部17と、その左右両側部に互いに対向した立上板部18と、中央水平板部17の長手方向の両端に羽部14とを備え、中央水平板部17の中央に吊りボルトが通る孔13があり、立上板部18の向かい合う面の4ヵ所の立ち上り部角11の間隔は、ハンガーの幅面が入る幅でハンガーを挟んで回転、移動を止め、立ち上り部角11から長さ面の少し中央部に向かい立上板部18の相対する面の間隔が狭くなった支え部12の所で、ハンガーの下に入りハンガーに当接し、下方向の変形を防止し、長手方向の両端の羽部穴15にビス16を通してデッキプレートに固定する建築用ハンガーの変形防止金具10。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
係合用凹陥部を有する天井部のデッキプレートに、天井材を取り付けるハンガーの、回転、横滑り、下方への変形防止装置であって、建築用ハンガーの変形防止金具とビスとからなり、建築用ハンガーの変形防止金具は、孔を有する中央水平板部と、該中央水平板部の左右両側部は互いに対向した立上板部にて構成し、中央水平板部の長手方向の両端にはビスの通る穴を有する羽部を設けたことを特徴とする建築用ハンガーの変形防止金具。
【請求項2】
変形防止金具を構成する立上板部の両側立ち上り部角は中央水平板部より幅広に構成してハンガーを挟み込み、支え部で支えるようにしたことを特徴とする請求項1記載の建築用ハンガーの変形防止金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビル等の建物躯体の天井部のデッキプレートの溝条に取り付ける、ハンガーの地震時における回転、横滑り、下への変形を防止するために取り付ける、建築用ハンガーの変形防止金具である。
【背景技術】
【0002】
鉄骨、鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の建物には、デッキプレート(21)の上にコンクリートを打設して床を形成したものがある。このようにして形成した床はデッキプレートの裏面を形成している。この建物は(図6)に示すように、上階の床の裏側のデッキプレート(21)天井板(34)がハンガー(22)及び吊りボルト(31)を介して吊り下げられている。
【0003】
ここで(図7)に示すように、デッキプレート(21)の各裾部の裏側には溝条(23)が長手方向に向けて各々形成されている。また、ハンガー(22)は中央部の高い略への字状に折り曲げられた金属板からなる取り付け金具である。ハンガー(22)は、両端部をデッキプレート(21)の裏側の溝条(23)に嵌合させることによってデッキプレート(21)の裏側に取り付けられる。
【0004】
ハンガー(22)の中央部には、吊りボルト(31)がねじ込めるように雌ネジ加工されており、吊りボルト(31)の上部が下方から上方に向けてねじ込まれた状態で取り付けられ、吊りボルト(31)の下部には取り付け金具(32)が野縁、野縁受け(以下、「野縁等」という)(33)を介して天井板が吊り下げられている。
【0005】
ハンガー(22)と吊りボルト(31)は、上階の床の裏面のデッキプレート(21)に強固に取り付けられているわけであるが、強い地震の際には天井板(34)や吊りボルト(31)が大きく揺れ、天井板(34)を吊っている吊りボルト(31)に水平及び垂直方向や捩れ等の想定外の強い力が働き、ハンガー(22)がデッキプレート(21)の長手方向に強く引っ張られ、ハンガー(22)の両端部がデッキプレート(21)の内側の溝条(23)に沿って滑るかもしれない。
【0006】
そして、ハンガー(22)の両端部がデッキプレート(21)の内側の溝条(23)に沿って滑ると、ハンガー(22)の両端部とデッキプレート(21)との間の摩擦力の違いからハンガー(22)が回転し、ハンガー(22)の端部がデッキプレート(21)の溝条(23)から外れ、天井板(34)がハンガー(22)とともに脱落、落下してしまうかもしれない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2015−183465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、大きな地震で建物が激しく揺れてハンガーが想定外の力で上階の床の裏面のデッキプレートの長手方向又は、下方向に強く引っ張られた場合、ハンガーが回転又は、変形して上階の床の裏面のデッキプレートから外れ、天井板がハンガーとともに落下する可能性を排除することができない点と、(特許文献1)では部品数が多く、取り付けが複雑なために複数個取り付けるためには、時間もコストもかかる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためには、部品数も少なく、より簡単に取り付けることにより、時間も、コストも抑えることができるようにした、建築用ハンガーの変形防止金具で、ハンガーの略への字型の長手側の両端部4ヶ所を、建築用ハンガーの変形防止金具の立ち上り部角4ヶ所で挟み、略への字型のハンガーの両端部を挟んだ立上板部の少し両中央部よりで、建築用ハンガーの変形防止金具(図3)の支え部(12)でハンガーを下から支え、中央水平板部の長手側の両羽部の穴を使い、ビスでデッキプレートに取り付けて、ハンガーが回転、横滑り又は、変形してデッキプレートから外れ、天井板と共に落下しないようにする、建築用ハンガーの変形防止金具である。
【発明の効果】
【0010】
建築用ハンガーの変形防止金具は、立上板部の立ち上り部角4ヶ所で、ハンガーの略への字型の長手側の両端部4ヶ所を強固に挟み、中央水平板部の長手側の両羽部の穴を使い、ビスでデッキプレートに強固に取り付けているため、地震の揺れなどで、ハンガーの回転を防止し、デッキプレートの内側の溝条に沿っての滑りを防止し、天井板がハンガーとともに落下しないようになる。
【0011】
また、本発明の建築用ハンガーの変形防止金具は、立上板部の立ち上り部角4ヶ所で、ハンガーの略への字型の長手側の両端部4ヶ所を挟み、略への字型のハンガーの両端部を挟んだ少し両中央部側の4ヶ所を、建築用ハンガーの変形防止金具の立上板部の支え部で下から支え、下への変形を防止しているため、ハンガーがデッキプレートから外れ、天井板がハンガーとともに落下しないようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は本発明の建築用ハンガーの変形防止金具の上方側から示す斜視図である。
図2図2は本発明に係わる建築用ハンガーの変形防止金具の上方図である。
図3図3は本発明に係わる建築用ハンガーの変形防止金具と、ハンガー、吊りボルトをデッキプレートに取り付けた一例を横から見た説明図である。
図4図4は本発明に係わる建築用ハンガーの変形防止金具と、ハンガー、をデッキプレートに取り付けた一例を下より示した説明図である。
図5図5は上記に同じく取り付けた一例を大きくし、立上板部の立ち上がり部角、支え部をわかりやすく示した図。
図6図6はデッキプレートにハンガー、吊りボルト、天井板を取り付けた様子を示す説明図である。
図7図7はデッキプレートにハンガーを取り付けた様子を横から示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は地震の際にデッキプレートからハンガーが外れハンガーと共に天井板が落ちるおそれをなくすという目的を最小の部品点数で取り付けて、ハンガーの機能を損なわずに実現した、建築用ハンガーの変形防止金具で、建築用ハンガーの変形防止金具(10)とビス(16)を示す。建築用ハンガーの変形防止金具(10
)は、鉄鋼製の板材で制作されたものでありバーリング加工された孔(13)を形成した中央水平板部の左右両端部から上向きに立ち上がる一対の立上板部(11,12)を形成し、中央水平板部の長さ面の羽部(14)を形成し、羽部(14)にビスの通る穴を有するものである。
【0014】
図7)に示すように、デッキプレート(21)の各裾部の裏側には溝条(23)が長手方向に向けて各々形成されている。また、ハンガー(22)は中央部の高い略への字状に折り曲げられた金属板からなる建築用ハンガーである。ハンガー(22)は、両端部をデッキプレート(21)の裏側の溝条(23)に嵌合させることによってデッキプレート(21)の裏側に取り付けられて、吊りボルトをハンガーのねじ孔にねじ込んで従来どおり取り付ける。
【0015】
本発明の建築用ハンガーの変形防止金具は上記の中で、吊りボルトをハンガーのねじ孔にねじ込む前にハンガーの左右の端を挟み込むように(11)で取り付けて、支え部(12)でハンガーの下を支え、羽部(14)の穴にビスを通してデッキプレートに取り付ける、そして吊りボルトをハンガーのねじ孔にねじ込んで従来どおり取り付ける。
【実施例】
【0016】
本発明に係わる建築用ハンガーの変形防止金具を図示の実施例に基づいて説明する。以下の実施例はあくまでも本考案を例示説明するものであって、本発明は、以下の具体的な実施例に限定されるものではない。図1は本発明に係わる建築用ハンガーの変形防止金具を上方側から示す斜視図で本体とビスからなる。
【0017】
建築用ハンガーの変形防止金具は凹型で立上板部の相対する面は、対称であり、立上板部の向かい合う面の立ち上り部角4ヵ所の間隔は、ハンガーの幅面が入る幅で立ち上がっていて、(図3図4)はデッキプレートに、ハンガー、建築用ハンガーの変形防止金具、吊りボルトを取り付けた図である。
【0018】
立上板部の立ち上り部角4ヵ所の高さは、ハンガーをデッキプレートに取り付けて、建築用ハンガーの変形防止金具をビスで取り付けて、そして吊りボルトを取り付け、吊りボルトの上端部がデッキプレートに当接させ更にねじ込んでハンガーが強く取り付けられたとき立ち上り部角(11)が(図5)で示すように、ハンガーの両端部を挟んでデッキプレートに当接して、ハンガーの回転防止し、デッキプレートの内側の溝条に沿っての滑りを防止する。
【0019】
立上板部の立ち上り部角から長さ面の少し中央部に向かい立上板部の相対する面の間隔が狭くなり、(図2)狭くなった立上板部の支え部(12)の所は、ハンガー幅よりは狭くなっている金具で(図5)立上板部の支え部はハンガーの下部に当接していてハンガーの下への変形を防止している。
【0020】
立上板部の支え部の立ち上がりの高さは、ハンガーをデッキプレートに取り付けて、建築用ハンガーの変形防止金具をビスで取り付け吊りボルトを取り付け、吊りボルトの上端部がデッキプレートに当接させ更にねじ込んでハンガーが強く取り付けられたとき立上板部の支え部がハンガーの略への字の下部(図5)に強く当接する高さである。
【0021】
図6)デッキプレートに天井板を吊り下げるために、ハンガー、略への字状の細長板状の金属板で中央部に孔(バーリング加工)があり、孔の内側に雌ネジを加工しているねじ孔に吊りボルトの上部が下方から上方に向けてねじ込まれておりハンガー及び野縁、野縁受けを介して吊り下げられている。
【0022】
図4のようにデッキプレートにハンガーを取り付け、建築用ハンガーの変形防止金具をビスで取り付けることにより、地震の揺れなので、デッキプレートに取り付けているハンガーが、回転、横滑り、下への変形を防止し、天井板がハンガーとともに落下しないようにした。
【0023】
この建築用ハンガーの変形防止金具の中央部に吊りボルトの軽より少し大きい内径を持つ孔を備えた金具であり、孔の大きさを変え、吊りボルトのねじ込める大きさの雌ネジを作り、吊りボルトを貫通させ吊りボルトの上端部をデッキプレートに当接させ固定すると、この金具だけで耐震金具(ハンガー)になる。
【符号の説明】
【0024】
10 建築用ハンガーの変形防止金具
11 立ち上り部角
12 支え部
13 孔(バーリング加工孔、雌ネジはない)
14 羽部
15 穴
16 ビス
17 中央水平板部
18 立上板部
21 デッキプレート
22 ハンガー
23 溝条
31 吊りボルト
32 取り付け金具
33 野縁等
34 天井板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7