特開2017-227047(P2017-227047A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-227047(P2017-227047A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】タイル貼り外壁構造
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/08 20060101AFI20171201BHJP
【FI】
   E04F13/08 101U
   E04F13/08 101F
   E04F13/08 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-124085(P2016-124085)
(22)【出願日】2016年6月23日
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105843
【弁理士】
【氏名又は名称】神保 泰三
(72)【発明者】
【氏名】松原 悟志
【テーマコード(参考)】
2E110
【Fターム(参考)】
2E110AA14
2E110AA15
2E110AA28
2E110AA42
2E110AA48
2E110AA57
2E110AB04
2E110AB22
2E110BA12
2E110BB22
2E110BC11
2E110CA09
2E110DA10
2E110DA22
2E110DB14
2E110DB23
2E110DC02
2E110GA34W
2E110GB02Y
2E110GB28W
(57)【要約】
【課題】外壁タイルを外壁下地に螺子で締結することはせず、この外壁下地の不陸の影響を軽減して極力フラットな外壁タイル仕上げ面を形成できるタイル貼り外壁構造を提供する。
【解決手段】外壁タイル1の上部側1aの裏面に、首部および当該首部よりも大きな頭部を有する係合突起部11が設けられており、上記外壁タイル1が取り付けられる外壁下地20に上記係合突起部11が掛けられる凹所20aが設けられており、上記外壁タイル1の上部側1aおよび上記凹所20aは、1つ上側に設けられる他の外壁タイル1で覆われる.
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁タイルの上部側の裏面に、首部および当該首部よりも大きな頭部を有する係合突起部が設けられており、上記外壁タイルが取り付けられる外壁下地に上記係合突起部が掛けられる凹所が設けられており、上記外壁タイルの少なくとも上部側が、上側に設けられる他の外壁タイルで覆われることを特徴とするタイル貼り外壁構造。
【請求項2】
請求項1に記載のタイル貼り外壁構造において、上記凹所内には受け部材が装着されており、この受け部材には、上記係合突起部の頭部が収容される頭部収容部と、上記係合突起部の首部を下方にスライドさせることができる首部収容部とが形成されていることを特徴とするタイル貼り外壁構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のタイル貼り外壁構造において、上記外壁下地に板状部材が設けられており、上記凹所が位置する上記板状部材の対応箇所には、上記係合突起部が通される孔部が形成されていることを特徴とするタイル貼り外壁構造。
【請求項4】
請求項3に記載のタイル貼り外壁構造において、上記孔部の上部側には上記係合突起部の頭部が挿通できる挿通部が形成されており、上記孔部の下部側には上記係合突起部の首部を下方にスライドさせることができるスライド部が形成されていることを特徴とするタイル貼り外壁構造。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載のタイル貼り外壁構造において、上記板状部材が水平方向に複数枚離間して設けられており、各板状部材には上記孔部が縦に所定間隔で配置された列が複数列形成されていることを特徴とするタイル貼り外壁構造。
【請求項6】
請求項5に記載のタイル貼り外壁構造において、上記板状部材は、左右に隣り合う外壁下地の間に形成される縦目地を塞がないように当該縦目地の左右両側に設けられており、上記外壁タイルが上記縦目地を塞ぐように設けられることを特徴とするタイル貼り外壁構造。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載のタイル貼り外壁構造において、上記板状部材は、上下に配置される外壁下地の間に形成される横目地を塞がないように、上下に連続するように設けられており、上記外壁タイルが上記横目地を塞ぐように設けられることを特徴とするタイル貼り外壁構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、外壁下地に外壁タイルを引っ掛けて設けるようにしたタイル貼り外壁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
タイル貼り外壁構造を得る従来工法としては、専用ベースボードの凸部に外壁タイル裏の凹部を引っ掛け、金具や接着剤等で固定する引っ掛け工法、タイル専用の窯業系サイディングに直接に外壁タイルを接着剤で貼り付ける接着剤貼り工法等が知られている。
【0003】
また、特許文献1には、建築物の外壁面に並べて施工される外壁タイル材が開示されている。この外壁タイル材は、当該外壁タイル材同士を面方向に連結する相決り(あいじゃくり)継手となる表側凸部および裏側凸部と、この裏側凸部に間隔をあけて複数個所に配置され、裏側凸部を貫通し、外壁タイル材を建築物の外壁面に固定する固定具が挿入される取付孔と、裏側凸部の裏面側で取付孔を囲んで配置され、裏側凸部の裏面よりも凹んでいて、コーキング剤が充填される充填凹部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−163444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記接着剤貼り工法では、下地面の不陸を調整(抑制)するための作業が必要になるという問題がある。また、上記引っ掛け工法では、隣接するタイル間に重ね代が無く、タイル間の目地部の隙間をあけておく空目地を採用した場合には、雨水が浸入し易いという問題がある。また、上記特許文献1のタイル貼り外壁構造では、隣接するタイル間に重ね代が存在するため、空目地でも雨水が浸入し難いという利点があるものの、固定具(螺子釘)によって外壁タイル材を外壁面に固定する構造であるため、外壁下地の不陸が反映されやすく、外壁タイル仕上げ面がフラットになり難いという欠点がある。
【0006】
この発明は、上記の事情に鑑み、空目地でも雨水が浸入し難く、外壁下地の不陸の影響を軽減して極力フラットな外壁タイル仕上げ面を形成できるタイル貼り外壁構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明のタイル貼り外壁構造は、上記の課題を解決するために、外壁タイルの上部側の裏面に、首部および当該首部よりも大きな頭部を有する係合突起部が設けられており、上記外壁タイルが取り付けられる外壁下地に上記係合突起部が掛けられる凹所が設けられており、上記外壁タイルの少なくとも上部側が、上側に設けられる他の外壁タイルで覆われることを特徴とする。
【0008】
上記の構成であれば、上記外壁タイルの上部側の裏面に設けられた係合突起部を、上記凹所に引っ掛けることによって上記外壁タイルが上記外壁下地に貼られていくことになる。すなわち、外壁タイルは外壁下地に螺子等で固定されず、位置的な融通性(自由度)が得られるので、外壁下地の不陸の影響を軽減して極力フラットな外壁タイル仕上げ面を形成することが容易となる。また、上記外壁タイルの少なくとも上部側が、上側に設けられる他の外壁タイルで覆われるため、上下配置の外壁タイルの目地が空目地でも雨水が浸入し難い。もちろん、上部側だけでなく、左右側でも重なるようにしておけば、左右配置の外壁タイルの目地が空目地でも雨水が浸入し難くなる。
【0009】
上記凹所内には受け部材が装着されており、この受け部材には、上記係合突起部の頭部が収容される頭部収容部と、上記係合突起部の首部を下方にスライドさせることができる首部収容部とが形成されていてもよい。これによれば、上記外壁タイルによる荷重が上記凹所に直接加わらず、上記受け部材を介して凹所に加わるため、この凹所の欠け等を抑制することができる。
【0010】
上記外壁下地に板状部材が設けられており、上記凹所が位置する上記板状部材の対応箇所には、上記係合突起部が通される孔部が形成されていてもよい。これによれば、上記外壁タイルは上記板状部材の表面位置を基準に配置されることになる。上記外壁下地の表面よりも上記板状部材の表面をフラットに形成することは容易であるので、フラットな外壁タイル仕上げ面を形成することが容易になる。また、上記板状部材によって上記外壁下地が補強される利点もある。
【0011】
上記孔部の上部側には上記係合突起部の頭部が挿通できる挿通部が形成されており、上記孔部の下部側には上記係合突起部の首部を下方にスライドさせることができるスライド部が形成されていてもよい。これによれば、上記孔部が上記首部収容部と同様の部位を持つことになり、上記外壁タイルの支持がより強固に行えるようになる。
【0012】
上記板状部材が水平方向に複数枚離間して設けられており、各板状部材には上記孔部が縦に所定間隔で配置された列が複数列形成されていてもよい。これによれば、水平方向に隣り合って配置される一方の側の外壁タイルの係合突起部用として上記複数列のうちの例えば1列を用いるとともに、他方の側の外壁タイルの係合突起部用として他の列を用いて上記外壁タイルを取り付けていくことができる。また、水平に隣り合う板状部材の間に配置される上記外壁タイルと上記外壁下地との間に、上記板状部材の板厚に対応する隙間部が形成され、この隙間部によって雨水を排水することができる。
【0013】
上記板状部材は、左右に隣り合う外壁下地の間に形成される縦目地を塞がないように当該縦目地の左右両側に設けられており、上記外壁タイルが上記縦目地を塞ぐように設けられていてもよい。これによれば、左右に隣り合う外壁下地に多少の出入りがあっても、上記外壁タイルは上記外壁下地に螺子等で固定されず、位置的な融通性が得られることから、上記外壁タイルを取り付けることが可能であり、また、左右に隣り合う外壁下地に多少の出入りがあることによる不陸を目立たなくすることができる。また、左右に隣り合う外壁下地は、地震等でずれ動くことが生じるが、上記のように、上記外壁タイルは、上記外壁下地に螺子等で締結されず、位置的な融通性が得られていることから、上記外壁下地の面内方向のずれ動きに対する障害になり難く、また、面外方向のずれ動きによる外壁タイルの割れも軽減できる。
【0014】
上記板状部材は、上下に配置される外壁下地の間に形成される横目地を塞がないように、上下に連続するように設けられており、上記外壁タイルが上記横目地を塞ぐように設けられていてもよい。これによれば、上下に配置される外壁下地に多少の出入りがあっても、上記外壁タイルは、上記外壁下地に螺子等で固定されず、位置的な融通性が得られることから、上記外壁タイルを取り付けることが可能であり、また、上下に配置される外壁下地に多少の出入りがあることによる不陸を目立たなくすることができる。また、上記と同様、上記外壁タイルは、上記外壁下地に螺子等で締結されず、位置的な融通性が得られていることから、上記外壁下地の面内方向のずれ動きに対する障害になり難く、また、面外方向のずれ動きによる外壁タイルの割れも軽減できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明であれば、外壁タイルを外壁下地にネジ等で固定せず、この外壁下地の不陸の影響を軽減して極力フラットな外壁タイル仕上げ面を形成できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態にかかるタイル貼り外壁構造を垂直断面により示した説明図である。
図2図1のタイル貼り外壁構造を水平断面により示した説明図である。
図3図1のタイル貼り外壁構造で用いた外壁タイルを示した図であって、同図(A)は正面図、同図(B)は側面図、同図(C)は同図(A)のA−A矢視の概略の断面である。
図4図1のタイル貼り外壁構造で用いた受け部材を示した図であって、同図(A)は正面図、同図(B)は概略の断面図である。
図5】同図(A)は本発明の実施形態にかかるタイル貼り外壁構造の正面図であり、同図(B)は図2に対応した図であって一壁部の略全体を示した図であり、同図(C)は図1に対応した図であって一壁部の略全体を示した図である。
図6図1のタイル貼り外壁構造で用いた板状部材の孔部の形状例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
この実施形態にかかるタイル貼り外壁構造においては、図1および図2に示すように、各外壁タイル1の上部側1aの裏面には左右2箇所に係合突起部11が設けられており、上記外壁タイル1が取り付けられる外壁下地20には、上記係合突起部11が引っ掛けられる凹所20aが設けられており、上記外壁タイル1の上部側1aおよび上記凹所20aが、1つ上側に設けられる他の外壁タイル1の下部側1bで覆われるようになっている。
【0018】
上記凹所20aは、二つの円形部が縦に並ぶ略小判状の長穴形状を有しており(図4(A)参照)、上部側においては上記円形部が表側から底側に通しで形成される一方、下部側においては上記円形部が底側において形成され、表側には上記円形部を狭める形状の壁部が形成されている。上記凹所20aの上部側から入れられて上記底側に在る物は、上記壁部によって上記凹所20aから離脱し難いようになっている。
【0019】
上記外壁下地20は、耐火性を有する板材からなり、外壁パネル2の屋外側に取り付けられている。そして、この外壁パネル2は、例えば、Cチャンネルを組み合わせた四角形状のフレーム21を備えており、このフレーム21は、梁3に取り付けられた支持部31にボルト等によって固定されている。
【0020】
図3(A)、図3(B)および図3(C)に示すように、上記外壁タイル1は、上記上部側1aが上記外壁下地20に近接し、上記下部側1bが上記外壁下地20から離間するような段形状に形成されている。上記離間の幅は、上部側1aの厚さに対応しており、上下方向に配置される複数の外壁タイル1は、いわゆる相決り(あいじゃくり)継手形式で取り付けられる。
【0021】
また、上記外壁タイル1の左側の下面部には、突出部12が形成され、また、上記外壁タイル1の右側の下面部には、隣の外壁タイル1における上記突出部12が収容される凹部13が形成されており、左右に隣り合う上記外壁タイル1、1は、上記突出部12と上記凹部13の箇所を重ね合わせて設けられる。なお、上記突出部12と上記凹部13の左右凹凸関係を逆にすることもできる。
【0022】
上記係合突起部11は、例えば、金属等からなり、上記上部側1aの裏面に直交する方向に延びる首部(軸部)と、この首部の先端に位置し、上記首部よりも大径の略円錐台形状(首部側ほど小径)をなす頭部とを有する。なお、この実施形態では、上記係合突起部11における上記頭部と反対側の端には、当該頭部と略同形状の大径部が形成されており、この大径部が上部側1aの表面側に露呈し、当該大径部が上記首部(軸部)および上記上部側1aに例えば接着剤によって固定されている。もちろん、接着剤ではなく、かしめ等によって、上記大径部が上記首部(軸部)および上記上部側1aに固定されていてもよい。
【0023】
上記凹所20a内には受け部材25が装着されている。この受け部材25は、例えば、金属板を加工してなり、中空で略円錐台形状を有している。上記凹所20aの上部側から入れられて当該凹所20aの下部側の底側に在る上記受け部材25は、上記壁部によって上記凹所20aから離脱し難い状態となっている。また、上記受け部材25には、図4(A)および図4(B)に示すように、上記係合突起部11の頭部が収容される頭部収容部25aと、上記係合突起部11の首部を下方にスライドさせて、この首部を支持することができる首部収容部25bが形成されている。首部収容部25bの上方側には、上記係合突起部11の頭部を挿通させる切欠き部が形成されている。
【0024】
図5(A)、図5(B)および図5(C)に示すように、上記外壁下地20に鋼板からなる板状部材5が接着剤等により貼られている。そして、上記凹所20aが位置する上記板状部材5の対応箇所には、上記係合突起部11が通される孔部51が形成されている。上記板状部材5は、例えば、板厚1.6mm程度の鋼板からなる。
【0025】
図6に示すように、上記孔部51の上部側には上記係合突起部11の頭部が挿通できる略円形の挿通部51aが形成されており、上記孔部51の下部側には上記係合突起部11の首部を下方にスライドさせることができる略U字状のスライド部51bが形成されている。すなわち、上記孔部51は、上記受け部材25の首部収容部25bと同様の部位を持っている。もちろん、上記孔部51は、上記受け部材25の頭部収容部25aを含むような大きな円形状に形成されていてもよい。
【0026】
上記板状部材5は、水平方向に複数枚離間して設けられており、各板状部材5には上記孔部51が縦に所定間隔で配置された列が2列形成されている。そして、水平方向に隣り合って配置される一方の側の外壁タイル1の上記係合突起部11用として上記2列のうちの1列を用いるとともに、他方の側の外壁タイル1の上記係合突起部11用として他の1列を用いて上記外壁タイル1を取り付けている。また、水平に隣り合う板状部材5の間に配置される上記外壁タイル1と上記外壁下地20との間に、上記板状部材5の板厚に対応する隙間部が形成される。
【0027】
上記板状部材5は、左右に隣り合う外壁下地20の間に形成される縦目地28を塞がないように当該縦目地28の左右両側に設けられており、上記外壁タイル1が上記縦目地28を塞ぐように設けられる。
【0028】
また、上記板状部材5は、上下に配置される外壁下地20の間に形成される横目地29を塞がないように、上下に連続するように設けられており、上記外壁タイル1が上記横目地29を塞ぐように設けられる。
【0029】
外壁の出隅箇所には、断面L字形状の外壁タイル1Cが取り付けられる。そして、上記外壁タイル1Cと上記外壁タイル1との間には、外壁タイル1Bが取り付けられる。外壁タイル1Bは外壁タイル1よりも幅が短いものとなっている。また、この幅に対応して、上記出隅付近に設けられる2枚の板状部材5の間隔も狭くなっている。
【0030】
上記の構成であれば、上記外壁タイル1の上部側1aの裏面に設けられた係合突起部11を、上記凹所20aに掛けることによって上記外壁タイル1が上記外壁下地20に貼られることになる。すなわち、外壁タイル1は外壁下地20に螺子等で締結されず、位置的な融通性(自由度)が得られるので、この外壁下地20の不陸の影響を軽減して極力フラットな外壁タイル仕上げ面を形成することが容易となる。また、上記外壁タイル1の上部側1aが、上側に設けられる他の外壁タイル1で覆われ、また、上記突出部12と凹部13が重なるため、上下配置の外壁タイル1の目地が空目地でも雨水が浸入し難い。
【0031】
上記凹所20a内に受け部材25が装着されており、この受け部材25に、上記係合突起部11の頭部が収容される頭部収容部25aと、上記係合突起部11の首部を下方にスライドさせることができる首部収容部25bとが形成されていてもよい。これによれば、上記外壁タイル1による荷重が上記凹所20aに直接加わらず、上記受け部材25を介して凹所20aに加わるため、この凹所20aの欠け等を抑制することができる。
【0032】
上記外壁下地20に板状部材5が貼られており、上記板状部材5の上記凹所20aが位置する箇所には、上記係合突起部11が通される孔部51が形成されていてもよい。これによれば、上記外壁タイル1は上記板状部材5の表面位置を基準に配置されることになる。上記外壁下地20の表面よりも上記板状部材5の表面をフラットに形成することは容易であるので、フラットな外壁タイル仕上げ面を形成することがより容易になる。また、上記板状部材5によって上記外壁下地20が補強される利点もある。
【0033】
上記孔部51の上部側には上記係合突起部11の頭部が挿通できる挿通部51aが形成されており、上記孔部51の下部側には上記係合突起部11の首部を下方にスライドさせることができるスライド部51bが形成されていてもよい。これによれば、上記孔部51が上記受け部材25の首部収容部25bと同様の部位を持つことになり、上記外壁タイル1の支持がより強固に行えるようになる。
【0034】
上記板状部材5が水平方向に複数枚離間して設けられており、各板状部材5には上記孔部51が縦に所定間隔で配置された列が2列形成されていていると、水平方向に隣り合って配置される一方の側の外壁タイル1の1つの係合突起部11用として上記2列のうちの1列を用いるとともに、他方の側の外壁タイル1の1つの係合突起部11用として他の1列を用いて上記外壁タイルを取り付けていくことができる。また、水平に隣り合う板状部材5の間に配置される上記外壁タイル1と上記外壁下地20との間に、上記板状部材5の板厚に対応する隙間部が形成され、この隙間によって雨水を排水することができる。
【0035】
上記板状部材5が、左右に隣り合う外壁下地20の間に形成される縦目地28を塞がないように当該縦目地28の左右両側に設けられており、上記外壁タイル1が上記縦目地28を塞ぐように設けられていると、左右に隣り合う外壁下地20に多少の出入りがあっても、上記外壁タイル1は上記外壁下地20に螺子等で固定されず、位置的な融通性が得られていることから、上記外壁タイル1を取り付けることが可能であり、また、左右に隣り合う外壁下地20に多少の出入りがあることによる不陸を目立たなくすることができる。また、左右に隣り合う外壁下地20は、地震等でずれ動くことが生じるが、上記外壁タイル1は、上記外壁下地20に螺子等で固定されず、位置的な融通性が得られていることから、上記外壁下地20の面内方向のずれ動きに対する障害になり難い。
【0036】
上記板状部材5が、上下に配置される外壁下地20の間に形成される横目地29を塞がないように、上下に連続するように設けられており、上記外壁タイル1が上記横目地29を塞ぐように設けられていると、上下に配置される外壁下地20に多少の出入りがあっても、上記外壁タイル1は上記外壁下地20に螺子等で固定されず、位置的な融通性が得られていることから、上記外壁タイル1を取り付けることが可能であり、また、上下に隣り合う外壁下地20に多少の出入りがあることによる不陸を目立たなくすることができる。また、上記と同様、上記外壁タイル1は、上記外壁下地20に螺子等で固定されず、位置的な融通性が得られていることから、上記外壁下地20の面内方向のずれ動きに対する障害になり難い。
【0037】
なお、上記の例では、接着剤を全く使わないこととしたが、これに限定されるものではなく、例えば、上記係合突起部11の頭部が、上記受け部材25の頭部収容部25a内で接着固定されるように接着剤を用いてもよいものである。
【0038】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 :外壁タイル
1B :外壁タイル
1C :外壁タイル
1a :上部側
1b :下部側
2 :外壁パネル
5 :板状部材
11 :係合突起部
12 :突出部
13 :凹部
20 :外壁下地
20a :凹所
21 :フレーム
25 :受け部材
25a :頭部収容部
25b :首部収容部
28 :縦目地
29 :横目地
31 :支持部
51 :孔部
51a :挿通部
51b :スライド部
図1
図2
図3
図4
図5
図6