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特開2017-227305シール装置及びこれを備えた軸受装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-227305(P2017-227305A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】シール装置及びこれを備えた軸受装置
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/80 20060101AFI20171201BHJP
   F16C 33/78 20060101ALI20171201BHJP
   F16C 19/06 20060101ALI20171201BHJP
   F16J 15/447 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   F16C33/80
   F16C33/78 Z
   F16C19/06
   F16J15/447
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2016-125259(P2016-125259)
(22)【出願日】2016年6月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000225359
【氏名又は名称】内山工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100087664
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 宏行
(74)【代理人】
【識別番号】100143926
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 公敏
(74)【代理人】
【識別番号】100149504
【弁理士】
【氏名又は名称】沖本 周子
(72)【発明者】
【氏名】柴山 昌範
(72)【発明者】
【氏名】阪本 康裕
【テーマコード(参考)】
3J016
3J042
3J701
【Fターム(参考)】
3J016AA02
3J016BB02
3J016BB17
3J016CA02
3J042AA04
3J042AA09
3J042CA10
3J042CA21
3J042DA10
3J042DA20
3J701AA02
3J701AA32
3J701AA42
3J701AA52
3J701AA62
3J701BA73
3J701BA77
3J701EA77
3J701FA38
(57)【要約】      (修正有)
【課題】軸受装置のトルクの低減が可能で、シール性の向上が可能でありながらも、第1シール部材と第2シール部材とを簡易に組み合わせ状態に維持し得るシール装置及びこれを備えた軸受装置を提供する。
【解決手段】シール装置9は、相対的に同軸回転する内側部材4及び外側部材5のうちの一方の部材4に装着される第1シール部材と他方の部材5に装着される第2シール部材とを備え、第1及び第2シール部材が内側部材及び外側部材に装着された状態で内側部材及び外側部材間の被シール空間6と外部空間とを連通させるラビリンスシールを構成する軸方向に延びる複数の非接触シール部と径方向に延びる複数の非接触シール部とが交互に形成される構成とした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対的に同軸回転する内側部材及び外側部材のうちの一方の部材に装着される第1シール部材と他方の部材に装着される第2シール部材とを備えており、
前記第1シール部材は、前記一方の部材に嵌合される第1円筒部と、該第1円筒部の軸方向に間隔を空けた部位からそれぞれ径方向に突出するように設けられた第1円板部及び第2円板部と、を有し、前記第2シール部材は、前記他方の部材に嵌合される第2円筒部と、該第2円筒部から径方向に突出するように設けられ、かつ前記第1シール部材の第1円筒部、第1円板部及び第2円板部によって区画された溝部に挿入される第3円板部と、を有し、
前記第1円板部、前記第2円板部及び前記第3円板部のうちの少なくとも一つが弾性を有した円板部とされ、該円板部の弾性変形を伴って前記第3円板部が前記溝部に挿入可能とされており、
前記第1シール部材及び前記第2シール部材が前記内側部材及び前記外側部材に装着された状態で、前記内側部材及び前記外側部材間の被シール空間と外部空間とを連通させるラビリンスシールを構成する軸方向に延びる複数の非接触シール部と径方向に延びる複数の非接触シール部とが交互に形成される構成とされていることを特徴とするシール装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第3円板部が前記溝部に挿入された状態で、該第3円板部の軸方向両側と前記第1円板部及び前記第2円板部とが対向されて前記径方向に延びる非接触シール部が形成され、該第3円板部の周端部と前記第1円筒部とが対向されて前記軸方向に延びる非接触シール部が形成される構成とされていることを特徴とするシール装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記第1円板部の周端部及び前記第2円板部の周端部とこれらが対向される部位とが対向されて前記軸方向に延びる非接触シール部が形成される構成とされていることを特徴とするシール装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記第1円板部は、前記第1円筒部からの突出寸法が前記第2円板部の前記第1円筒部からの突出寸法よりも小とされており、
前記第1円板部及び前記第3円板部のうちの少なくとも一つが前記弾性を有した円板部とされ、前記第1円板部の周端部と前記第3円板部の周端部とが軸方向に見て互いに重なり合うように配される構成とされていることを特徴とするシール装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項において、
前記第3円板部の周端部と前記第1円板部及び前記第2円板部とは、軸方向に見て全周に亘って互いに重なり合うように配される構成とされていることを特徴とするシール装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項において、
前記第1円板部が前記弾性を有した円板部とされており、
前記溝部の軸方向に沿う溝幅寸法は、前記第1円板部の前記第1円筒部からの突出寸法と前記第3円板部の軸方向に沿う厚さ寸法とを足し合わせた寸法よりも大とされていることを特徴とするシール装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項において、
前記弾性を有した円板部は、周方向に見た断面形状が軸方向中心線を対称軸とする線対称状となるように形成されていることを特徴とするシール装置。
【請求項8】
相対的に同軸回転する内側部材及び外側部材と、これらに装着される請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシール装置と、を備えていることを特徴とする軸受装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相対的に同軸回転する内側部材及び外側部材で構成される軸受装置に適用されるシール装置及びこれを備えた軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、相対的に同軸回転する内側部材及び外側部材で構成される軸受装置に装着される密封装置が知られている。このような密封装置としては、一方の部材に装着される芯金に弾性部材からなるシールリップを設け、このシールリップを他方の部材に装着されるスリンガに弾性的に接触させる構成としたいわゆるパックシール(組み合わせシール)が知られている。このような密封装置では、シールリップがスリンガに摺るように接触するため摺動抵抗が高くなり、軸受装置のトルクが高くなる傾向があった。
例えば、下記特許文献1には、外輪に嵌合される第1の嵌合部の一端に、玉に近づく方向に斜めに折り曲げられた第1のシールド部を設けた第1のシールド部材と、内輪に嵌合される第2の嵌合部の一端に、玉から遠ざかる方向に斜めに折り曲げられた第2のシールド部を設けた第2のシールド部材と、を備えた転がり軸受が開示されている。この転がり軸受は、第1のシールド部と第2のシールド部とを互いに平行とし、これらの間にラビリンスシールを形成した構成とされている。
【0003】
また、下記特許文献2には、内輪に嵌合される円環部の外周面にラビリンスシールを構成する3条の鍔部を設けた第1環状部材と、それぞれの端面間寸法が第1環状部材の3条の鍔部の端面間寸法に対応するように配置され、これら3条の鍔部とによってラビリンスシールを構成する一対の鍔部が設けられた被覆部を有した第2環状部材と、を備えたシール構造が開示されている。このシール構造は、第2環状部材の被覆部に破断部を設けた構成とし、この破断された部位を離反させるように拡径させて第1環状部材の外周面に被せられた第2環状部材を外周面から覆うシールホルダを設けた構成とされている。
また、下記特許文献3には、外輪に取り付けられる外側剛性キャリアの環状脚部に、軸方向に延びる径方向内側及び外側のリップを設けた弾性シール本体を取り付けた構成とし、車軸周りに配置される金属内側スリーブの径方向外向きに延びる障壁に、弾性シール本体のリップ間に配されて非接触ラビリンス通路を形成する軸方向に延びる環状突出部を設けた構成としたシールアセンブリが開示されている。また、金属内側スリーブに、アセンブリを組み立てられた状態に維持する封じ込めフランジを径方向外向きに延びるように設けた構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−193761号公報
【特許文献2】特開2000−606号公報
【特許文献3】特許第5665183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された転がり軸受では、第1のシールド部材と第2のシールド部材とは、転がり軸受に組み付けられていない状態では、分離した状態となり、取扱性及び組付性の観点からは更なる改善が望まれる。
また、上記特許文献2に記載されたシール構造では、第2環状部材を拡径させて第1環状部材の外周面に被せた後に、固定ボルトによって互いに固定される一対のリング部材からなるシールホルダを、第2環状部材を覆うように設ける必要がある。また、上記特許文献3に記載されたシールアセンブリにおいても、外側剛性キャリアと金属内側スリーブとを組み立てた状態に維持するためには、これらを組み合わせた状態で、金属内側スリーブの端部を加締め等によって折り曲げて封じ込めフランジを形成する必要があり、これら特許文献2,3に記載されたシール構造やシールアセンブリでは、組付工程が複雑化するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、軸受装置のトルクの低減が可能で、シール性の向上が可能でありながらも、第1シール部材と第2シール部材とを簡易に組み合わせ状態に維持し得るシール装置及びこれを備えた軸受装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明に係るシール装置は、相対的に同軸回転する内側部材及び外側部材のうちの一方の部材に装着される第1シール部材と他方の部材に装着される第2シール部材とを備えており、前記第1シール部材は、前記一方の部材に嵌合される第1円筒部と、該第1円筒部の軸方向に間隔を空けた部位からそれぞれ径方向に突出するように設けられた第1円板部及び第2円板部と、を有し、前記第2シール部材は、前記他方の部材に嵌合される第2円筒部と、該第2円筒部から径方向に突出するように設けられ、かつ前記第1シール部材の第1円筒部、第1円板部及び第2円板部によって区画された溝部に挿入される第3円板部と、を有し、前記第1円板部、前記第2円板部及び前記第3円板部のうちの少なくとも一つが弾性を有した円板部とされ、該円板部の弾性変形を伴って前記第3円板部が前記溝部に挿入可能とされており、前記第1シール部材及び前記第2シール部材が前記内側部材及び前記外側部材に装着された状態で、前記内側部材及び前記外側部材間の被シール空間と外部空間とを連通させるラビリンスシールを構成する軸方向に延びる複数の非接触シール部と径方向に延びる複数の非接触シール部とが交互に形成される構成とされていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、軸受装置のトルクの低減が可能で、シール性の向上が可能でありながらも、第1シール部材と第2シール部材とを簡易に組み合わせ状態に維持することができる。つまり、第1シール部材と第2シール部材とを相対的に軸方向に沿う方向に移動させれば、弾性を有した円板部の弾性変形を伴って第3円板部を溝部に挿入させることができる。これにより、第1シール部材の第1円筒部と第2円筒部とによって第2シール部材の第3円筒部が挟まれるように保持され、第1シール部材と第2シール部材とを組み合わせた状態に維持することができ、取扱性及び軸受装置への組付性を向上させることができる。また、組み合わせた状態で他の部材によって覆う必要があるものや加締め等の必要があるものと比べて、第1シール部材と第2シール部材とを簡易に組み合わせ状態に維持することができる。
また、これら第1シール部材及び第2シール部材によって非接触型シールを構成することができるので、弾性的に接触するシールリップを有したものと比べて、軸受装置のトルクを低減することができ、また、摩耗等による劣化が生じ難くなるので、耐用寿命の長期化を図ることができる。また、軸方向に延びる少なくとも2つの非接触シール部と径方向に延びる少なくとも2つの非接触シール部とが交互に形成されることとなるので、比較的に複雑な経路のラビリンスシールを構成することができ、シール性能を向上させることができる。これにより、軸受装置の被シール空間に充填されたグリースの外部空間への漏洩を抑制することができ、また、外部空間から軸受装置の被シール空間への塵埃等の侵入を抑制することができる。
【0009】
本発明においては、前記第3円板部が前記溝部に挿入された状態で、該第3円板部の軸方向両側と前記第1円板部及び前記第2円板部とが対向されて前記径方向に延びる非接触シール部が形成され、該第3円板部の周端部と前記第1円筒部とが対向されて前記軸方向に延びる非接触シール部が形成される構成としてもよい。
本発明によれば、第1シール部材の溝部の溝底面及び溝幅方向両面と第3円板部の周端面及び軸方向両面とがそれぞれ対向されて径方向に延びる2つの非接触シール部と軸方向に延びる1つの非接触シール部とを形成することができる。
【0010】
本発明においては、前記第1円板部の周端部及び前記第2円板部の周端部とこれらが対向される部位とが対向されて前記軸方向に延びる非接触シール部が形成される構成としてもよい。
本発明によれば、外部空間側及び被シール空間側のうちの一方側に配されることとなる第1円板部の周端部とこれが対向される部位とが対向されて軸方向に延びる非接触シール部が形成され、外部空間側及び被シール空間側のうちの他方側に配されることとなる第2円板部の周端部とこれが対向される部位とが対向されて軸方向に延びる非接触シール部が形成される。つまり、被シール空間と外部空間とを連通させるラビリンスシールの被シール空間側及び外部空間側のそれぞれに軸方向に延びる非接触シール部が形成されることとなる。これにより、軸受装置の被シール空間に充填されたグリースの外部空間への漏洩をより効果的に抑制することができ、また、外部空間から軸受装置の被シール空間への塵埃等の侵入をより効果的に抑制することができる。
【0011】
本発明においては、前記第1円板部を、前記第1円筒部からの突出寸法が前記第2円板部の前記第1円筒部からの突出寸法よりも小とされたものとし、前記第1円板部及び前記第3円板部のうちの少なくとも一つを前記弾性を有した円板部とし、前記第1円板部の周端部と前記第3円板部の周端部とが軸方向に見て互いに重なり合うように配される構成としてもよい。
本発明によれば、突出寸法が小とされた第1円板部側から第3円板部を相対的に軸方向に移動させることで、第1円板部及び第3円板部の両方または一方の弾性変形を伴って第3円板部を溝部に容易に挿入させることができる。
【0012】
本発明においては、前記第3円板部の周端部と前記第1円板部及び前記第2円板部とは、軸方向に見て全周に亘って互いに重なり合うように配される構成としてもよい。
本発明によれば、これら第1円板部、第2円板部及び第3円板部のうちの少なくとも一つの周端部に切欠状の凹部を設けて互いに重なり合わない箇所を設けたようなものと比べて、シール性を効果的に向上させることができる。
【0013】
本発明においては、前記第1円板部を前記弾性を有した円板部とし、前記溝部の軸方向に沿う溝幅寸法を、前記第1円板部の前記第1円筒部からの突出寸法と前記第3円板部の軸方向に沿う厚さ寸法とを足し合わせた寸法よりも大としてもよい。
本発明によれば、第1シール部材と第2シール部材とを相対的に軸方向に沿う方向に移動させて第1円板部の弾性変形を伴って第3円板部を溝部に挿入させて組み合わせた際に、第1円板部が倒れた状態となることを抑制することができる。つまり、第1シール部材と第2シール部材とを相対的に軸方向に沿う方向に移動させれば、第1円板部が第3円板部に押さえ付けられるようにして倒伏された状態となるが、第3円板部を第2円板部に近接または当接させれば、第3円板部が第1円板部を乗り越えた状態となり、第1円板部の復元が可能となる。
【0014】
本発明においては、前記弾性を有した円板部を、周方向に見た断面形状が軸方向中心線を対称軸とする線対称状となるように形成されたものとしてもよい。
例えば、弾性を有した円板部を、軸方向一方に傾斜したリップ状の形状としたり、軸方向一方側に凹部が設けられた形状としたりした場合において、この円板部が回転側となる部材に設けられた場合には、この円板部が遠心力によって倒れるように変形したり、起き上がるように変形したりするようなことが考えられ、これにより、この円板部が対向する部位に接触してしまうようなことが考えられる。本発明によれば、弾性を有した円板部が回転側となる部材に設けられる場合にも、遠心力よる変形を抑制することができ、この円板部とこれが対向する部位との非接触シール部を確保することができる。
【0015】
また、前記目的を達成するために、本発明に係る軸受装置は、相対的に同軸回転する内側部材及び外側部材と、これらに装着される本発明に係るシール装置と、を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、上記のようにトルクを低減することができ、また、シール性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るシール装置及びこれを備えた軸受装置は、上述のような構成としたことで、軸受装置のトルクの低減が可能で、シール性の向上が可能でありながらも、第1シール部材と第2シール部材とを簡易に組み合わせ状態に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係るシール装置の一例及びこれを備えた軸受装置の一例を模式的に示す概略縦断面図である。
図2】(a)は、図1におけるX部に対応させた一部破断概略拡大縦断面図、(b)は、同シール装置を組み合わせる際の状態を模式的に示す(a)に対応させた概略縦断面図である。
図3図1におけるV方向から見た同シール装置の概略側面図である。
図4】(a)は、本発明の他の実施形態に係るシール装置の一例及びこれを備えた軸受装置の一例を模式的に示し、図2(a)に対応させた一部破断概略拡大縦断面図、(b)は、同シール装置を組み合わせる際の状態を模式的に示す(a)に対応させた概略縦断面図である。
図5】(a)は、本発明の更に他の実施形態に係るシール装置の一例及びこれを備えた軸受装置の一例を模式的に示し、図2(a)に対応させた一部破断概略拡大縦断面図、(b)は、同シール装置を組み合わせる際の状態を模式的に示す(a)に対応させた概略縦断面図である。
図6】(a)は、本発明の更に他の実施形態に係るシール装置の一例及びこれを備えた軸受装置の一例を模式的に示し、図2(a)に対応させた一部破断概略拡大縦断面図、(b)は、同シール装置を組み合わせる際の状態を模式的に示す(a)に対応させた概略縦断面図である。
図7】(a)は、本発明の更に他の実施形態に係るシール装置の一例及びこれを備えた軸受装置の一例を模式的に示し、図2(a)に対応させた一部破断概略拡大縦断面図、(b)は、同シール装置を組み合わせる際の状態を模式的に示す(a)に対応させた概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、図2図4図7では、切断面の後方側の図示を省略した切断部端面図として図示している。
図1図3は、第1実施形態に係るシール装置の一例及びこれを備えた軸受装置の一例を模式的に示す図である。
【0019】
本実施形態に係るシール装置9は、図1に示すように、相対的に同軸回転する内側部材としての内輪4及び外側部材としての外輪5で構成される軸受装置1に装着される構成とされている。
本実施形態に係る軸受装置1は、内輪4及び外輪5と、これらに装着される本実施形態に係るシール装置9と、を備えている。
図1では、内輪4に軸2が挿通され、外輪5がハウジング等の軸受部分3に嵌め込まれた例を示している。なお、軸2が軸受部分3に対して回転、つまり、回転部材としての内輪4が固定部材としての外輪5に対して回転される態様に限られず、外輪5が内輪4に対して回転される態様としてもよい。
また、軸受装置1は、内輪4と外輪5との間に転動体(図例では、玉)8を介装させた転がり軸受装置とされている。
これら内輪4と外輪5との間に、全周に亘って環状に被シール空間6が形成される。
【0020】
被シール空間6には、単列の転動体8がリテーナ(保持器)7に保持された状態で、内輪4の軌道輪4a及び外輪5の軌道輪5aを転動可能に介装されており、グリースが充填されている。なお、軸受装置1としては、内輪4と外輪5との間に、複列状に転動体8を設けた構成としてもよい。また、軸受装置1としては、図例のように、内輪4及び外輪5に、溝状の軌道輪4a,5aを設けた深溝玉軸受に限られず、アンギュラ玉軸受としてもよい。また、軸受装置1としては、転動体8を玉(ボール)とした玉軸受に限られず、転動体8を円筒ころや円錐ころ等としたころ軸受としてもよく、また、内輪4及び外輪5のうちの一方にフランジ状やハブ状等の固定部を有した軸受装置1としてもよい。
また、被シール空間6における軸2方向両側端部の内輪4と外輪5との間に、本実施形態に係るシール装置9,9をそれぞれに装着した構造としている。これら軸2方向両側のシール装置9,9によって被シール空間6の軸2方向両端部がシールされ、被シール空間6内への異物等の侵入や被シール空間6内に充填されたグリースの外部への漏出が抑制される。なお、これら軸2方向両側のシール装置9,9は、互いに同様の構成であるので、以下では、一方のシール装置9を例にとって説明する。
【0021】
シール装置9は、図2(a)に示すように、内輪4及び外輪5のうちの一方の部材4に装着される第1シール部材10と他方の部材5に装着される第2シール部材20とを備えている。本実施形態では、一方の部材を内輪4とし、他方の部材を外輪5としている。
第1シール部材10は、内輪4に嵌合される第1円筒部12,16と、第1円筒部12,16の軸2方向に間隔を空けた部位からそれぞれ径方向に突出するように設けられた第1円板部17及び第2円板部13と、を有している。第2シール部材20は、外輪5に嵌合される第2円筒部22,26と、第2円筒部22,26から径方向に突出するように設けられ、かつ第1シール部材10の第1円筒部12,16、第1円板部17及び第2円板部13によって区画された溝部30に挿入される第3円板部27と、を有している。また、第1円板部17、第2円板部13及び第3円板部27のうちの少なくとも一つが弾性を有した円板部17とされ、この円板部17の弾性変形を伴って第3円板部27が溝部30に挿入可能とされている(図2(b)参照)。また、シール装置9は、第1シール部材10及び第2シール部材20が内輪4及び外輪5に装着された状態で、内輪4及び外輪5間の被シール空間6と外部空間とを連通させるラビリンスシールを構成する軸方向に延びる複数の非接触シール部31,33,35と径方向に延びる複数の非接触シール部32,34とが交互に形成される構成とされている。
【0022】
本実施形態では、第1シール部材10を、第1芯金11に第1弾性部材15を固着した構成とし、第2シール部材20を、第2芯金21に第2弾性部材25を固着した構成としている。第1芯金11及び第2芯金21は、ステンレス鋼板や冷間圧延鋼板(SPCC)などの金属材から形成された金属製とされ、板金加工されたリング状とされている。
第1芯金11は、内輪4の外周面4bに嵌合され、第1円筒部を構成する芯金円筒部12と、この芯金円筒部12の軸2方向一方側(被シール空間6側)端部に連なり、該端部から径方向外側に向けて突出するように環状に設けられ、第2円板部を構成する芯金円板部13と、を備えている。
【0023】
芯金円板部13は、軸2方向他方側(外部空間側)に向く面が溝部30の溝幅方向(軸2方向と同方向)一方側の溝内壁面を構成する。
また、芯金円板部13は、その周端部となる突出方向先端部が対向される部位としての外輪5の内周面5bに対向されて軸2方向に延びる非接触シール部としての第5非接触シール部35を形成する構成とされている。この芯金円板部13の径方向に沿う突出寸法は、第1シール部材10が内輪4に装着された状態で、その先端部と外輪5の内周面5bとの間に僅かな隙間状のラビリンスシールを構成する第5非接触シール部35が形成されるように適宜の寸法としてもよい。また、芯金円板部13は、その先端部と外輪5の内周面5bとの間に全周に亘って略一様な第5非接触シール部35が形成されるように構成されている。
なお、第1芯金11を、全周に亘って略一様な断面形状とされたものとしてもよい。
【0024】
第1弾性部材15は、NBR、H−NBR、ACM、AEM、FKM、シリコーンゴム等のゴム材(弾性材料)からなり、第1芯金11に加硫成型等によって固着一体とされている。この第1弾性部材15は、第1芯金11の芯金円筒部12の外周面を被覆するように設けられ、第1円筒部を構成する弾性円筒部16と、この弾性円筒部16の軸2方向他方側(外部空間側)端部に連なり、該端部から径方向外側に向けて突出するように環状に設けられ、第1円板部を構成する弾性円板部17と、を備えている。本実施形態では、この第1円板部を構成する弾性円板部17を、互いに軸2方向に移動させるようにして第1シール部材10と第2シール部材20とを組み合わせる際に、主として弾性変形する弾性を有した円板部としている。
また、第1弾性部材15は、第1芯金11の芯金円筒部12の軸2方向他方側(外部空間側)端部を被覆するように設けられた外端被覆部18を備えている。本実施形態では、弾性円板部17を、この外端被覆部18よりも軸2方向一方側(被シール空間6側)に位置するように設けた構成としている。
弾性円筒部16は、芯金円板部13と弾性円板部17との間の外周面が溝部30の溝底面を構成する。図例では、この弾性円筒部16の弾性円板部17よりも軸2方向他方側(外部空間側)部位の外周面を、溝部30の溝底面よりも軸心側(径方向内側)に位置するように設けた例を示している。つまり、この弾性円筒部16の弾性円板部17よりも外部空間側部位の径方向に沿う厚さ寸法を、弾性円筒部16の溝部30の溝底面を構成する部位の径方向に沿う厚さ寸法よりも小とし、この外部空間側部位に連なるように外端被覆部18を設けた構成としている。
【0025】
弾性円板部17は、軸2方向一方側(被シール空間6側)に向く面が溝部30の溝幅方向他方側の溝内壁面を構成する。この弾性円板部17及び芯金円板部13によって溝幅方向両側が区画され、弾性円筒部16によって溝底が区画された溝部30は、径方向外側に向けて開口し、かつ当該第1シール部材10の全周に亘って設けられている。
また、本実施形態では、この弾性円板部17の第1円筒部を構成する弾性円筒部16からの径方向に沿う突出寸法Hを、芯金円板部13の弾性円筒部16からの突出寸法よりも小としている。つまり、弾性円板部17の溝部30の溝底面からの突出寸法Hを、芯金円板部13の溝部30の溝底面からの突出寸法よりも小としている。
また、弾性円板部17は、その周端部となる突出方向先端部が対向される部位としての第2弾性部材25の弾性基部26の内周面に対向されて軸2方向に延びる非接触シール部としての第1非接触シール部31を形成する構成とされている。この弾性円板部17の突出寸法Hは、第1シール部材10及び第2シール部材20が内輪4及び外輪5に装着された状態で、その先端部と第2弾性部材25の弾性基部26の内周面との間に僅かな隙間状のラビリンスシールを構成する第1非接触シール部31が形成されるように適宜の寸法としてもよい。また、弾性円板部17は、その先端部と第2弾性部材25の弾性基部26の内周面との間に全周に亘って略一様な第1非接触シール部31が形成されるように構成されている。本実施形態では、第1シール部材10及び第2シール部材20が内輪4及び外輪5に装着された状態で、この第1非接触シール部31の径方向に沿う寸法と上記した第5非接触シール部35の径方向に沿う寸法とが略同寸法となるように構成している。
【0026】
また、本実施形態では、弾性円板部17を、周方向に見た断面形状が軸2方向中心線を対称軸とする線対称状となるように形成している。また、この弾性円板部17を、周方向に見た断面形状が略方形状とされたものとしている。つまり、この弾性円板部17は、軸2方向に傾斜状とされることなく、径方向外側に延びるように形成されている。
この弾性円板部17の軸2方向に沿う厚さ寸法は、後記する第3非接触シール部33の径方向に沿う寸法よりも小とされている。この弾性円板部17の厚さ寸法は、弾性変形性やシール性、組み合わせ性、組み合わせ後の非分離性等の観点から適宜の寸法とされたものとしてもよい。また、図例では、この弾性円板部17の厚さ寸法を、芯金円板部13の軸2方向に沿う厚さ寸法と概ね同寸法とした例を示しているが、芯金円板部13の厚さ寸法以下としてもよい。
なお、第1弾性部材15を、全周に亘って略一様な断面形状とされたものとしてもよい。
【0027】
第2芯金21は、外輪5の内周面5bに嵌合され、第2円筒部を構成する芯金円筒部22と、この芯金円筒部22の軸2方向他方側(外部空間側)端部に連なり、該端部から径方向内側に向けて突出するように環状に設けられた芯金円板部23と、を備えている。
芯金円板部23は、軸2方向に見て、第1シール部材10の芯金円板部13の先端部と重なり合うように配される構成とされている。
また、芯金円板部23は、第1シール部材10及び第2シール部材20が内輪4及び外輪5に装着された状態で、軸2方向他方側(外部空間側)に向く面が第1シール部材10の外端被覆部18の軸2方向他方側(外部空間側)に向く面と略同一平面状となるように配される構成とされている。
なお、第2芯金21を、全周に亘って略一様な断面形状とされたものとしてもよい。
【0028】
第2弾性部材25は、上記同様なゴム材からなり、第2芯金21に加硫成型等によって固着一体とされている。この第2弾性部材25は、第2芯金21の芯金円筒部22の内周面を被覆するように設けられ、第2円筒部を構成する弾性基部26と、この弾性基部26の軸2方向一方側(被シール空間6側)端部に連なり、該端部から径方向内側に向けて突出するように環状に設けられ、第3円板部を構成する弾性円板部27と、を備えている。
また、第2弾性部材25は、第2芯金21の芯金円筒部22の軸2方向一方側(被シール空間6側)端部を被覆するように設けられた内端被覆部28を備えている。また、第2弾性部材25は、第2芯金21の芯金円板部23の軸心側の端部を被覆するように設けられた軸心端被覆部29を備えている。本実施形態では、弾性基部26を、第2芯金21の芯金円板部23の軸2方向一方側(被シール空間6側)に向く面を被覆するように、かつ軸心端被覆部29に連なるように設けた構成としている。また、弾性円板部27よりも軸2方向他方側(外部空間側)の弾性基部26の内周面と軸心端被覆部29の内周面とを面一状に設けた構成としている。
【0029】
また、弾性円板部27よりも軸2方向他方側(外部空間側)の弾性基部26及び軸心端被覆部29の内周面に、上記した第1シール部材10の弾性円板部17の先端部が対向される。
弾性円板部27は、第1シール部材10の溝部30に挿入される構成とされている。本実施形態では、弾性円板部27が溝部30に挿入された状態で、弾性円板部27の軸2方向両側と第1シール部材10の弾性円板部17及び芯金円板部13とが対向されて径方向に延びる非接触シール部としての第2非接触シール部32及び第4非接触シール部34が形成される構成とされている。また、弾性円板部27が溝部30に挿入された状態で、弾性円板部27の周端部となる突出方向先端部と第1シール部材10の弾性円筒部16とが対向されて軸2方向に延びる非接触シール部としての第3非接触シール部33が形成される構成とされている。つまり、弾性円板部27が溝部30に挿入された状態で、この弾性円板部27の軸2方向両側と溝部30の溝幅方向両側の溝内壁面との間に径方向に延びる第2非接触シール部32及び第4非接触シール部34が形成され、弾性円板部27の先端部と溝部30の溝底面との間に軸2方向に延びる第3非接触シール部33が形成される構成とされている。
【0030】
また、この弾性円板部27の先端部と第1シール部材10の弾性円板部17の先端部とが軸2方向に見て互いに重なり合うように配される構成とされている。つまり、これら第1シール部材10の弾性円板部17及び第2シール部材20の弾性円板部27の先端部同士が軸2方向に見て互いに重なり合うように配される構成とされている。
また、弾性円板部27の先端部と第1シール部材10の弾性円板部17及び芯金円板部13とは、軸2方向に見て全周に亘って互いに重なり合うように配される構成とされている(図3参照)。本実施形態では、第2シール部材20の弾性円板部27並びに第1シール部材10の弾性円板部17及び芯金円板部13を、全周に亘って略一様な断面形状とされたものとしている。つまり、軸2方向に見た状態における弾性円板部27の先端部と第1シール部材10の弾性円板部17及び芯金円板部13との径方向に沿う重なり幅寸法が全周に亘って略一様な寸法となるように構成している。
【0031】
また、本実施形態では、弾性円板部27は、互いに軸2方向に移動させるようにして第1シール部材10と第2シール部材20とを組み合わせる際に、第1シール部材10の弾性円板部17よりも弾性変形され難いように、第1シール部材10の弾性円板部17よりも剛性が大とされている。この弾性円板部27は、図2(b)に示すように、互いに軸2方向に移動させるようにして第1シール部材10と第2シール部材20とを組み合わせる際に、略変形しないような構成とされたものでもよい。図例では、この弾性円板部27の軸2方向に沿う厚さ寸法Tを、第1シール部材10の弾性円板部17の軸2方向に沿う厚さ寸法の3倍程度の寸法とした例を示している。また、この弾性円板部27を、周方向に見た断面形状が軸2方向中心線を対称軸とする線対称状となるように形成している。また、この弾性円板部27を、周方向に見た断面形状が略方形状とされたものとしている。つまり、この弾性円板部27は、軸2方向に傾斜状とされることなく、軸心側に延びるように形成されている。
【0032】
また、この弾性円板部27の厚さ寸法Tと第1シール部材10の弾性円板部17の突出寸法Hとを足し合わせた寸法を、溝部30の溝幅寸法Wよりも小としている。つまり、図2(b)に示すように、互いに軸2方向に移動させるようにして第1シール部材10と第2シール部材20とを組み合わせる際に、第2シール部材20の弾性円板部27によって倒伏されるように弾性変形する第1シール部材10の弾性円板部17の復元が可能なように、溝部30の溝幅寸法Wを弾性円板部27の厚さ寸法Tと第1シール部材10の弾性円板部17の突出寸法Hとを足し合わせた寸法よりも大としている。なお、本実施形態のように、弾性円板部27を弾性材料から形成されたものとした場合には、互いに軸2方向に移動させるようにして第1シール部材10と第2シール部材20とを組み合わせた状態で、主として弾性変形する第1シール部材10の弾性円板部17が噛み込まれて倒伏した状態とならないように、弾性円板部27の変形を考慮して各寸法H,T,Wを設定するようにしてもよい。
【0033】
また、この弾性円板部27の厚さ寸法T及び弾性基部26の内周面からの突出寸法は、第1シール部材10及び第2シール部材20が内輪4及び外輪5に装着された状態で、弾性円板部27の軸2方向両側及び先端部と溝部30の両溝内壁面及び溝底面との間に僅かな隙間状のラビリンスシールを構成する非接触シール部32,33,34が形成されるように適宜の寸法としてもよい。また、弾性円板部27は、第1シール部材10の弾性円板部17との間に全周に亘って略一様な第2非接触シール部32が形成されるように構成されている。また、弾性円板部27は、第1シール部材10の弾性円筒部16との間に全周に亘って略一様な第3非接触シール部33が形成されるように構成されている。また、弾性円板部27は、第1シール部材10の芯金円板部13との間に全周に亘って略一様な第4非接触シール部34が形成されるように構成されている。また、この第4非接触シール部34は、弾性円板部27の径方向外側に連なるように設けられた弾性基部26と芯金円板部13との間にも連なるように形成される。
【0034】
上記構成とされた本実施形態に係るシール装置9は、第1シール部材10及び第2シール部材20が内輪4及び外輪5に装着されれば、外部空間と被シール空間6とを連通させるラビリンスシールが形成される。本実施形態では、第2非接触シール部32の軸2方向に沿う寸法と第4非接触シール部34の軸2方向に沿う寸法とが略同寸法となるように構成している。また、第3非接触シール部33の径方向に沿う寸法と上記した第1非接触シール部31及び第5非接触シール部35の径方向に沿う寸法とが略同寸法となるように構成している。また、周方向に見て軸2方向に延びる第1非接触シール部31、第3非接触シール部33及び第5非接触シール部35の径方向に沿う寸法と、周方向に見て径方向に延びる第2非接触シール部32及び第4非接触シール部34の軸2方向に沿う寸法と、が略同寸法となるように構成している。つまり、本実施形態では、周方向に見た状態におけるラビリンスシールの隙間寸法を、後記する凹部26aが設けられた箇所を除いて、外部空間から被シール空間6までの全体に亘って概ね一様な寸法としている。
【0035】
また、ラビリンスシールの外部空間側の開口を構成する第1非接触シール部31が、内輪4と外輪5との間の径方向略中央部において開口するように形成される。また、この第1非接触シール部31の被シール空間6側に連なるように、かつ軸心側に向けて延びるように第2非接触シール部32が形成される。また、この第2非接触シール部32の軸心側に連なるように、かつ被シール空間6側に向けて延びるように第3非接触シール部33が形成される。また、この第3非接触シール部33の被シール空間6側に連なるように、かつ径方向外側に向けて延びるように第4非接触シール部34が形成される。また、この第4非接触シール部34の径方向外側に連なるように、かつ被シール空間6側に向けて延びるように第5非接触シール部35が形成される。また、ラビリンスシールの被シール空間6側の開口を構成する第5非接触シール部35が、外輪5の内周面5bに沿って開口するように形成される。
【0036】
また、本実施形態では、第2弾性部材25の弾性基部26に、グリーストラップを構成する凹部26aを設けた構成としている。このような構成とすれば、凹部26aにおいてグリース溜まりを形成することができ、グリースの外部空間への漏洩を効果的に抑制することができる。
この凹部26aは、第1シール部材10及び第2シール部材20が内輪4及び外輪5に装着された状態で、軸2方向一方側(被シール空間6側)となる第1シール部材10の芯金円板部13の先端部位に向けて開口するように設けられている。また、この凹部26aは、周方向に延びる溝状に全周に亘って設けられたものとしてもよく、周方向に間隔を空けて設けられたものとしてもよい。また、この凹部26aは、軸2方向に見て弾性円板部27と重なり合わないように設けられている。この凹部26aを設ける位置や、軸2方向に沿う深さ寸法、径方向に沿う幅寸法は、グリースの受け入れが可能なように、また、弾性円板部27の弾性変形を抑制する観点等から適宜の位置や寸法としてもよい。また、この凹部26aよりも径方向外側となる内端被覆部28の被シール空間6側に向く面を、弾性基部26及びこれに連なるように設けられた弾性円板部27の被シール空間6側に向く面と略同一平面状となるように設けた構成としている。図例では、内端被覆部28の径方向外側の被シール空間6側の角部にC面取状の面取部を設けた構成としており、この面取部を除いた内端被覆部28の被シール空間6側に向く面を、弾性基部26及び弾性円板部27の被シール空間6側に向く面と略同一平面状としている。
なお、第2弾性部材25を、全周に亘って略一様な断面形状とされたものとしてもよい。
【0037】
本実施形態に係るシール装置9及びこれを備えた軸受装置1は、上述のような構成としたことで、軸受装置1のトルクの低減が可能で、シール性の向上が可能でありながらも、第1シール部材10と第2シール部材20とを簡易に組み合わせ状態に維持することができる。
つまり、第1シール部材10に、第1円筒部12,16の軸2方向に間隔を空けた部位からそれぞれ径方向(本実施形態では、径方向外側)に突出するように第1円板部(弾性円板部)17及び第2円板部(芯金円板部)13を設けた構成としている。また、第2シール部材20に、第2円筒部22,26から径方向(本実施形態では、径方向内側)に突出するように第3円板部(弾性円板部)27を設けた構成としている。また、これら弾性円板部17、芯金円板部13及び弾性円板部27のうちの少なくとも一つを、弾性を有した円板部(弾性円板部)17とし、この弾性円板部17の弾性変形を伴って弾性円板部27が、第1シール部材10の溝部30に挿入可能とされている。従って、第1シール部材10と第2シール部材20とを相対的に軸2方向に沿う方向に移動させれば、第1シール部材10の弾性円板部17の弾性変形を伴って第2シール部材20の弾性円板部27を溝部30に挿入させることができる。これにより、第1シール部材10の弾性円板部17と芯金円板部13とによって第2シール部材20の弾性円板部27が挟まれるように保持され、第1シール部材10と第2シール部材20とを組み合わせた状態に維持することができ、取扱性及び軸受装置1への組付性を向上させることができる。また、組み合わせた状態で他の部材によって覆う必要があるものや加締め等の必要があるものと比べて、第1シール部材10と第2シール部材20とを簡易に組み合わせ状態に維持することができる。
【0038】
また、これら第1シール部材10及び第2シール部材20が内側部材(内輪)4及び外側部材(外輪)5に装着された状態で、内輪4及び外輪5間の被シール空間6と外部空間とを連通させるラビリンスシールを構成する軸方向に延びる複数の非接触シール部31,33,35と径方向に延びる複数の非接触シール部32,34とが交互に形成される構成としている。従って、これら第1シール部材10及び第2シール部材20によって非接触型シールを構成することができるので、弾性的に接触するシールリップを有したものと比べて、軸受装置1のトルクを低減することができ、また、摩耗等による劣化が生じ難くなるので、耐用寿命の長期化を図ることができる。また、軸2方向に延びる少なくとも2つの非接触シール部31,33,35と径方向に延びる少なくとも2つの非接触シール部32,34とが交互に形成されることとなるので、比較的に複雑な経路のラビリンスシールを構成することができ、シール性能を向上させることができる。これにより、軸受装置1の被シール空間6に充填されたグリースの外部空間への漏洩を抑制することができ、また、外部空間から軸受装置1の被シール空間6への塵埃等の異物の侵入を抑制することができる。
【0039】
また、本実施形態では、第2シール部材20の弾性円板部27が溝部30に挿入された状態で、この弾性円板部27の軸方向両側と第1シール部材10の弾性円板部17及び芯金円板部13とが対向されて径方向に延びる非接触シール部32,34が形成され、この弾性円板部27の先端部と第1円筒部12,16とが対向されて軸2方向に延びる非接触シール部33が形成される構成としている。従って、第1シール部材10の溝部30の溝幅方向両溝内壁面及び溝底面と弾性円板部27の軸方向両側面及び先端面とがそれぞれ対向されて径方向に延びる2つの非接触シール部32,34と軸方向に延びる1つの非接触シール部33とを形成することができる。
【0040】
また、本実施形態では、弾性円板部17の先端部及び芯金円板部13の先端部とこれらが対向される部位としての弾性基部26の内周面及び外輪5の内周面5bとが対向されて軸2方向に延びる非接触シール部31,35が形成される構成としている。従って、外部空間側及び被シール空間6側のうちの一方側に配されることとなる芯金円板部13の先端部とこれが対向される外輪5の内周面5bとが対向されて軸2方向に延びる非接触シール部35が形成される。また、外部空間側及び被シール空間6側のうちの他方側に配されることとなる弾性円板部17の先端部とこれが対向される弾性基部26の内周面とが対向されて軸2方向に延びる非接触シール部31が形成される。つまり、被シール空間6と外部空間とを連通させるラビリンスシールの被シール空間6側及び外部空間側のそれぞれに非接触シール部31,35が形成されることとなる。これにより、軸受装置1の被シール空間6に充填されたグリースの外部空間への漏洩をより効果的に抑制することができ、また、外部空間から軸受装置1の被シール空間6への塵埃等の侵入をより効果的に抑制することができる。
【0041】
また、本実施形態では、第1シール部材10の弾性円板部17の第1円筒部12,16からの突出寸法Hを、芯金円板部13の第1円筒部12,16からの突出寸法よりも小としている。また、この弾性円板部17及び第2シール部材20の弾性円板部27のうちの少なくとも一つを、弾性を有した円板部17とし、弾性円板部17の先端部と弾性円板部27の先端部とが軸2方向に見て互いに重なり合うように配される構成としている。従って、突出寸法Hが小とされた弾性円板部17側から弾性円板部27を相対的に軸方向に移動させることで、弾性円板部17及び弾性円板部27の両方または一方の弾性変形を伴って第2シール部材20の弾性円板部27を溝部30に容易に挿入させることができる。
【0042】
また、本実施形態では、第2シール部材20の弾性円板部27の先端部と第1シール部材10の弾性円板部17及び芯金円板部13とを、軸2方向に見て全周に亘って互いに重なり合うように配される構成としている。従って、これら弾性円板部17、芯金円板部13及び弾性円板部27のうちの少なくとも一つの先端部に切欠状の凹部を設けて互いに重なり合わない箇所を設けたようなものと比べて、シール性を効果的に向上させることができる。
【0043】
また、本実施形態では、第1シール部材10の弾性円板部17を、弾性を有した円板部17とし、溝部30の軸2方向に沿う溝幅寸法Wを、この弾性円板部17の第1円筒部12,16からの突出寸法Hと第2シール部材20の弾性円板部27の軸2方向に沿う厚さ寸法Tとを足し合わせた寸法よりも大としている。従って、第1シール部材10と第2シール部材20とを相対的に軸方向に沿う方向に移動させて弾性円板部17の弾性変形を伴って弾性円板部27を溝部30に挿入させて組み合わせた際に、弾性円板部17が倒伏された状態となることを抑制することができる。つまり、第1シール部材10と第2シール部材20とを相対的に軸2方向に沿う方向に移動させれば、弾性円板部17が弾性円板部27に押さえ付けられるようにして倒伏された状態となるが、弾性円板部27を芯金円板部13に近接または当接させれば、弾性円板部27が弾性円板部17を乗り越えた状態となり、弾性円板部17の復元が可能となる。
【0044】
また、本実施形態では、弾性を有した円板部(弾性円板部)17を、周方向に見た断面形状が軸方向中心線を対称軸とする線対称状となるように形成している。例えば、弾性を有した円板部17を、軸2方向一方に傾斜したリップ状の形状としたり、軸2方向一方側に凹部や凸部が設けられた形状としたりした場合において、この円板部17を有した部材(第1シール部材)10が回転側となる部材に装着される場合には、この円板部17が遠心力によって倒れるように変形したり、起き上がるように変形したりするようなことが考えられ、これにより、この円板部17が対向する部位26,27に接触してしまうようなことが考えられる。上記構成によれば、弾性を有した円板部17が回転側となる部材に設けられる場合にも、遠心力よる変形を抑制することができ、この円板部17とこれが対向する部位26,27との非接触シール部31,32を確保することができる。
【0045】
次に、本発明に係るシール装置の他の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図4は、第2実施形態に係るシール装置の一例を模式的に示す図である。
なお、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
また、本実施形態に係るシール装置9Aも、上記同様、相対的に同軸回転する内側部材としての内輪4及び外側部材としての外輪5で構成される軸受装置1に装着され、軸受装置1を構成する。
【0046】
本実施形態に係るシール装置9Aは、第2シール部材20Aの第2弾性部材25Aの構成が上記第1実施形態とは主に異なる。
本実施形態では、第2弾性部材25Aの弾性基部26Aに、凹部26aを設けていない構成としている。つまり、本実施形態では、第2シール部材20Aの弾性円板部27、弾性基部26A及び内端被覆部28の被シール空間6側に向く面を、上記した内端被覆部28の面取部を除いて面一状としている。
上記構成とされた本実施形態に係るシール装置9A及びこれを備えた軸受装置1においても、上記した第1実施形態と概ね同様の効果を奏する。
【0047】
次に、本発明に係るシール装置の更に他の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図5は、第3実施形態に係るシール装置の一例を模式的に示す図である。
なお、上記各実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
また、本実施形態に係るシール装置9Bも、上記同様、相対的に同軸回転する内側部材としての内輪4及び外側部材としての外輪5で構成される軸受装置1に装着され、軸受装置1を構成する。
【0048】
本実施形態に係るシール装置9Bは、第1シール部材10Aを、外輪5に装着されるものとし、第2シール部材20Bを、内輪4に装着されるものとしている。つまり、本実施形態では、上記各実施形態とは異なり、第1シール部材10Aが装着される一方の部材を外輪5とし、第2シール部材20Bが装着される他方の部材を内輪4としている。
第1シール部材10Aは、上記同様の金属材から形成された第1芯金11Aに、上記同様の弾性材料から形成された第1弾性部材15Aを固着した構成とされている。第2シール部材20Bは、上記同様の金属材から形成された第2芯金21Aに、上記同様の弾性材料から形成された第2弾性部材25Bを固着した構成とされている。
第1芯金11Aは、外輪5の内周面5bに嵌合され、第1円筒部を構成する芯金円筒部12Aと、この芯金円筒部12Aの外部空間側端部に連なり、該端部から軸心側に向けて突出するように環状に設けられた芯金円板部13Aと、を備えている。
【0049】
第1弾性部材15Aは、第1芯金11Aの芯金円筒部12Aの内周面を被覆するように設けられ、第1円筒部を構成する弾性円筒部16Aと、この弾性円筒部16Aの被シール空間6側端部に連なり、該端部から軸心側に向けて突出するように環状に設けられ、第1円板部を構成する弾性円板部17Aと、を備えている。この弾性円板部17Aは、上記同様、互いに軸2方向に移動させるようにして第1シール部材10Aと第2シール部材20Bとを組み合わせる際に、主として弾性変形する弾性を有した円板部を構成する(図5(b)参照)。また、第1弾性部材15Aは、第1芯金11Aの芯金円筒部12Aの被シール空間6側端部を被覆するように設けられた内端被覆部18Aを備えている。また、弾性円板部17Aを、この内端被覆部18Aよりも外部空間側に位置するように設けた構成としている。また、弾性円筒部16Aの弾性円板部17Aよりも被シール空間6側部位の径方向に沿う厚さ寸法を、弾性円筒部16Aの溝部30の溝底面を構成する部位の径方向に沿う厚さ寸法よりも小とし、この被シール空間6側部位に連なるように内端被覆部18Aを設けた構成としている。また、溝部30の溝底面を構成する弾性円筒部16Aの内周面を、径方向で芯金円板部13Aの先端面と略一致する位置となるように設けた構成としている。
【0050】
また、弾性円板部17Aは、その周端部となる突出方向先端部が対向される部位としての第2弾性部材25Bの外周面に対向されて軸2方向に延び、被シール空間6側において開口する非接触シール部としての第5非接触シール部35を形成する構成とされている。この弾性円板部17Aの突出寸法Hは、上記と概ね同様、第1シール部材10A及び第2シール部材20Bが外輪5及び内輪4に装着された状態で、その先端部と第2弾性部材25Bの外周面との間に第5非接触シール部35が形成されるように適宜の寸法としてもよい。
また、本実施形態では、第1弾性部材15Aに、弾性円筒部16Aの外部空間側端部に連なり、該端部から軸心側に向けて突出するように環状に設けられ、第2円板部を構成する弾性円板部19を設けた構成としている。つまり、本実施形態では、第1シール部材10Aの第1円板部及び第2円板部を構成する弾性円板部17A及び弾性円板部19の両方を、弾性材料から形成されたものとしている。
【0051】
この弾性円板部19は、第1芯金11Aの芯金円板部13Aの先端部を被覆するように、かつ芯金円板部13Aの先端部から軸心側に向けて延びるように設けられている。つまり、本実施形態では、第1芯金11Aの芯金円板部13Aの先端部と対向する部位とによって非接触シール部を構成する態様に代えて、この弾性円板部19の先端部とこれが対向される部位としての第2円筒部を構成する芯金円筒部22Aとによって軸2方向に延び、外部空間側において開口する非接触シール部としての第1非接触シール部31を形成する構成とされている。この弾性円板部19の突出寸法は、第1シール部材10A及び第2シール部材20Bが外輪5及び内輪4に装着された状態で、その先端部と芯金円筒部22Aの外周面との間に第1非接触シール部31が形成されるように適宜の寸法としてもよい。
また、この弾性円板部19を、周方向に見た断面形状が軸2方向中心線を対称軸とする線対称状となるように形成している。また、この弾性円板部19を、周方向に見た断面形状が略方形状とされたものとしている。つまり、この弾性円板部19は、軸2方向に傾斜状とされることなく、軸心側に延びるように形成されている。
【0052】
また、弾性円板部19の弾性円筒部16A(溝部30の溝底面)からの突出寸法を、弾性円板部17Aの弾性円筒部16A(溝部30の溝底面)からの突出寸法Hよりも大としている。
また、弾性円板部19の軸2方向に沿う厚さ寸法を、弾性円板部17A及び第1芯金11Aの芯金円板部13Aの軸2方向に沿う厚さ寸法よりも大としている。この弾性円板部19は、弾性円板部17Aよりも弾性変形し難い構成とされ、弾性円板部17Aよりも剛性が大とされている。
また、この弾性円板部19は、外部空間側に向く面が第1芯金11Aの芯金円板部13Aの外部空間側に向く面と面一状となるように設けられている。また、この弾性円板部19及び弾性円板部17Aの互いに向き合う面が溝部30の溝幅方向両溝内壁面を構成する。つまり、本実施形態では、第1弾性部材15Aが溝部30の溝幅方向両溝内壁面及び溝底面を区画する構成としている。この溝部30は、上記各実施形態とは逆側となる径方向内側に向けて開口し、かつ当該第1シール部材10Aの全周に亘って設けられている。
【0053】
第2芯金21Aは、内輪4の外周面4bに嵌合され、第2円筒部を構成する芯金円筒部22Aと、この芯金円筒部22Aの被シール空間6側端部に連なり、該端部から径方向外側に向けて突出するように環状に設けられ、第3円板部を構成する芯金円板部23Aと、を備えている。
芯金円筒部22Aは、第1シール部材10A及び第2シール部材20Bが外輪5及び内輪4に装着された状態で、外部空間側に向く端面が第1シール部材10Aの芯金円板部13A及び弾性円板部19の外部空間側に向く面と略同一平面状となるように配される構成とされている。本実施形態では、この芯金円筒部22Aの外周面並びに芯金円板部23Aの外部空間側に向く面及び先端面を第2弾性部材25Bによって被覆せずに露出させた構成としている。
【0054】
芯金円板部23Aは、本実施形態では、軸2方向に見て、第1シール部材10Aの芯金円板部13Aと重なり合わないように配される構成とされている。また、芯金円板部23Aは、上記と概ね同様、第1シール部材10Aの溝部30に挿入される構成とされている。つまり、本実施形態では、第1シール部材10Aの溝部30に挿入される第3円板部を、金属材から形成された芯金円板部23Aとしている。また、この芯金円板部23Aが溝部30に挿入された状態で、芯金円板部23Aの軸2方向両側と第1シール部材10Aの溝部30の溝幅方向両側の溝内壁面を構成する弾性円板部17A及び弾性円板部19とが対向されて径方向に延びる第2非接触シール部32及び第4非接触シール部34が形成される構成とされている。また、芯金円板部23Aが溝部30に挿入された状態で、芯金円板部23Aの先端部と第1シール部材10Aの溝部30の溝底面を構成する弾性円筒部16Aとが対向されて軸2方向に延びる第3非接触シール部33が形成される構成とされている。
【0055】
また、上記と概ね同様、この芯金円板部23Aの先端部と第1シール部材10Aの弾性円板部17Aの先端部とが軸2方向に見て互いに重なり合うように配される構成とされている。また、芯金円板部23Aの先端部と第1シール部材10Aの弾性円板部17A及び弾性円板部19とは、上記と概ね同様、軸2方向に見て全周に亘って互いに重なり合うように配される構成とされている。また、上記と概ね同様、この芯金円板部23Aの厚さ寸法Tと第1シール部材10Aの弾性円板部17Aの突出寸法Hとを足し合わせた寸法を、溝部30の溝幅寸法Wよりも小としている。
また、この芯金円板部23Aの厚さ寸法T及び芯金円筒部22Aの外周面からの突出寸法は、上記同様、第1シール部材10A及び第2シール部材20Bが外輪5及び内輪4に装着された状態で、芯金円板部23Aの軸2方向両側及び先端部と溝部30の両溝内壁面及び溝底面との間に非接触シール部32,33,34が形成されるように適宜の寸法としてもよい。
【0056】
第2弾性部材25Bは、本実施形態では、芯金円板部23Aの突出方向基端側部位の被シール空間6側に向く面を被覆するように設けられ、かつ、上記した第1シール部材10Aの弾性円板部17Aの先端部とによって第5非接触シール部35を形成する構成とされている。また、この第2弾性部材25Bは、第2円筒部を構成し、芯金円板部23Aの基端側部位から被シール空間6側に向けて突出するように環状に設けられている。また、この第2弾性部材25Bは、内周面が芯金円筒部22Aの内周面と面一状となるように設けられている。この第2弾性部材25Bの軸2方向に沿う寸法は、第1シール部材10A及び第2シール部材20Bが外輪5及び内輪4に装着された状態で、被シール空間6側に向く面が第1シール部材10Aの弾性円板部17Aの被シール空間6側に向く面よりも軸2方向で被シール空間6側に位置するように適宜の寸法としてもよい。図例では、この第2弾性部材25Bを、第1シール部材10A及び第2シール部材20Bが外輪5及び内輪4に装着された状態で、被シール空間6側に向く面が第1シール部材10Aの内端被覆部18Aの被シール空間6側に向く面と概ね同一平面状に位置する構成としている。また、この第2弾性部材25Bの径方向に沿う寸法は、第1シール部材10A及び第2シール部材20Bが外輪5及び内輪4に装着された状態で、第1シール部材10Aの弾性円板部17Aの先端部との間に第5非接触シール部35が形成されるように適宜の寸法としてもよい。
【0057】
上記構成とされた本実施形態に係るシール装置9Bは、上記と概ね同様、第1シール部材10A及び第2シール部材20Bが外輪5及び内輪4に装着されれば、外部空間と被シール空間6とを連通させるラビリンスシールが形成される。本実施形態においても、周方向に見た状態におけるラビリンスシールの隙間寸法を、外部空間から被シール空間6までの全体に亘って概ね一様な寸法としている。
また、本実施形態では、ラビリンスシールの外部空間側の開口を構成する第1非接触シール部31が、上記第1実施形態よりも内輪4側において開口するように形成される。また、この第1非接触シール部31の被シール空間6側に連なるように、かつ径方向外側に向けて延びるように第2非接触シール部32が形成される。また、この第2非接触シール部32の径方向外側に連なるように、かつ被シール空間6側に向けて延びるように第3非接触シール部33が形成される。また、この第3非接触シール部33の被シール空間6側に連なるように、かつ軸心側に向けて延びるように第4非接触シール部34が形成される。また、この第4非接触シール部34の軸心側に連なるように、かつ被シール空間6側に向けて延びるように第5非接触シール部35が形成される。また、ラビリンスシールの被シール空間6側の開口を構成する第5非接触シール部35が、内輪4と外輪5との間の径方向の概ね中央部において開口するように形成される。
上記構成とされた本実施形態に係るシール装置9B及びこれを備えた軸受装置1においても、上記した第1実施形態と概ね同様の効果を奏する。
【0058】
次に、本発明に係るシール装置の更に他の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図6は、第4実施形態に係るシール装置の一例を模式的に示す図である。
なお、上記各実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
また、本実施形態に係るシール装置9Cも、上記同様、相対的に同軸回転する内側部材としての内輪4及び外側部材としての外輪5で構成される軸受装置1に装着され、軸受装置1を構成する。
【0059】
本実施形態に係るシール装置9Cは、上記第3実施形態と同様、第1シール部材10Bを、外輪5に装着されるものとし、第2シール部材20Cを、内輪4に装着されるものとしている。
第1シール部材10Bの第1芯金11Bは、外輪5の内周面5bに嵌合され、第1円筒部を構成する芯金円筒部12Bと、この芯金円筒部12Bの外部空間側端部に連なり、該端部から軸心側に向けて突出するように環状に設けられ、第2円板部を構成する芯金円板部13Bと、を備えている。つまり、本実施形態では、上記第3実施形態とは異なり、上記第1実施形態及び第2実施形態と同様、芯金円板部13Bがラビリンスシールを区画する構成としている。この芯金円板部13Bは、その周端部となる突出方向先端部が対向される部位としての内輪4の外周面4bに対向されて軸2方向に延びる非接触シール部としての第1非接触シール部31を形成する構成とされている。図例では、この芯金円板部13Bの先端部が対向される部位となる内輪4の外周面4bに、C面取状の面取部を設けた例を示しているが、このような態様に限られない。
また、この芯金円板部13Bの径方向に沿う突出寸法は、第1シール部材10Bが外輪5に装着された状態で、その先端部と内輪4の外周面4bとの間に第1非接触シール部31が形成されるように適宜の寸法としてもよい。
【0060】
第1シール部材10Bの第1弾性部材15Bは、第1芯金11Bの芯金円筒部12Bの内周面を被覆するように設けられ、第1円筒部を構成する弾性円筒部16Bと、この弾性円筒部16Bの被シール空間6側端部に連なり、該端部から軸心側に向けて突出するように環状に設けられ、第1円板部を構成する弾性円板部17Bと、を備えている。また、第1弾性部材15Bは、第1芯金11Bの芯金円筒部12Bの被シール空間6側端部を被覆するように設けられた内端被覆部18Bを備えている。また、本実施形態では、弾性円筒部16Bの被シール空間6側端部及び内端被覆部18Bから軸心側に向けて突出するように弾性円板部17Bを設けた構成としている。また、内端被覆部18Bの被シール空間6側に向く面と弾性円板部17Bの被シール空間6側に向く面とを面一状としている。
また、弾性円板部17Bは、その周端部となる突出方向先端部が対向される部位としての第2弾性部材25Cの弾性基部26Bの外周面に対向されて軸2方向に延び、被シール空間6側において開口する非接触シール部としての第5非接触シール部35を形成する構成とされている。この弾性円板部17Bの突出寸法は、上記と概ね同様、第1シール部材10B及び第2シール部材20Cが外輪5及び内輪4に装着された状態で、その先端部と第2弾性部材25Cの弾性基部26Bの外周面との間に第5非接触シール部35が形成されるように適宜の寸法としてもよい。
【0061】
第2シール部材20Cの第2芯金21Bは、内輪4の外周面4bに嵌合され、第2円筒部を構成する芯金円筒部22Bと、この芯金円筒部22Bの被シール空間6側端部に連なり、該端部から径方向外側に向けて突出するように環状に設けられた芯金円板部23Bと、を備えている。この芯金円板部23Bは、第1シール部材10B及び第2シール部材20Cが外輪5及び内輪4に装着された状態で、被シール空間6側に向く面が第1シール部材10Bの弾性円板部17Bの被シール空間6側に向く面と略同一平面状となるように配される構成とされている。
第2シール部材20Cの第2弾性部材25Cは、第2芯金21Bの芯金円筒部22Bの内周面及び芯金円板部23Bの外部空間側に向く面を被覆するように設けられ、第2円筒部を構成する弾性基部26Bと、この弾性基部26Bの外部空間側端部に連なり、該端部から径方向外側に向けて突出するように環状に設けられ、第3円板部を構成する弾性円板部27Aと、を備えている。また、第2弾性部材25Cは、第2芯金21Bの芯金円筒部22Bの外部空間側端部を被覆するように設けられた外端被覆部28Aを備えている。また、第2弾性部材25Cは、第2芯金21Bの芯金円板部23Bの径方向外側の端部を被覆するように設けられた先端被覆部29Aを備えている。
【0062】
弾性基部26Bは、外部空間側に向く面が外端被覆部28Aの外部空間側に向く面と面一状となるように設けられている。また、弾性基部26Bは、外周面が先端被覆部29Aの外周面と面一状となるように設けられている。
弾性円板部27Aは、上記第1実施形態及び第2実施形態と同様、第1シール部材10Bの溝部30に挿入される構成とされている。この弾性円板部27Aよりも被シール空間6側の弾性基部26B及び先端被覆部29Aの外周面に、上記した第1シール部材10Bの弾性円板部17Bの先端部が対向される。また、この弾性円板部27Aは、外部空間側に向く面が弾性基部26B及び外端被覆部28Aの外部空間側に向く面よりも僅かに被シール空間6側に位置するように設けられている。この弾性円板部27Aが溝部30に挿入された状態で、上記と概ね同様、この弾性円板部27Aの軸2方向両側と溝部30の溝幅方向両側の溝内壁面との間に径方向に延びる第2非接触シール部32及び第4非接触シール部34が形成され、弾性円板部27Aの先端部と溝部30の溝底面との間に軸2方向に延びる第3非接触シール部33が形成される構成とされている。また、第2非接触シール部32は、弾性円板部27Aの軸心側に連なるように設けられた弾性基部26Bと芯金円板部13Bとの間にも連なるように形成される。
【0063】
また、本実施形態では、この弾性円板部27Aを、互いに軸2方向に移動させるようにして第1シール部材10Bと第2シール部材20Cとを組み合わせる際に、主として弾性変形する弾性を有した円板部を構成するものとしている(図6(b)参照)。この弾性円板部27Aの軸2方向に沿う厚さ寸法は、第5非接触シール部35の径方向に沿う寸法よりも小とされている。
また、上記した第1シール部材10Bの弾性円板部17Bは、互いに軸2方向に移動させるようにして第1シール部材10Bと第2シール部材20Cとを組み合わせる際に、第2シール部材20Cの弾性円板部27Aよりも弾性変形され難いように、第2シール部材20Cの弾性円板部27Aよりも剛性が大とされている。
また、本実施形態では、この弾性円板部27Aの突出寸法H1を、溝部30の溝幅寸法Wよりも小としている。つまり、上記と概ね同様、図6(b)に示すように、互いに軸2方向に移動させるようにして第1シール部材10Bと第2シール部材20Cとを組み合わせる際に、第1シール部材10Bの弾性円板部17Bによって倒伏されるように弾性変形する第2シール部材20Cの弾性円板部27Aの復元が可能なように、溝部30の溝幅寸法Wを弾性円板部27Aの突出寸法H1よりも大としている。なお、本実施形態のように、第1シール部材10Bの弾性円板部17Bを弾性材料から形成されたものとした場合には、上記と概ね同様、この第1シール部材10Bの弾性円板部17Bの変形を考慮して各寸法H1,Wを設定するようにしてもよい。
【0064】
上記構成とされた本実施形態に係るシール装置9Cは、上記と概ね同様、第1シール部材10B及び第2シール部材20Cが外輪5及び内輪4に装着されれば、外部空間と被シール空間6とを連通させるラビリンスシールが形成される。本実施形態においても、周方向に見た状態におけるラビリンスシールの隙間寸法を、外部空間から被シール空間6までの全体に亘って概ね一様な寸法としている。図例では、弾性基部26Bと芯金円板部13Bとの間に形成される第2非接触シール部32の隙間寸法を、弾性円板部27Aと芯金円板部13Bとの間に形成される第2非接触シール部32の隙間寸法よりも僅かに小さくした例を示している。
また、本実施形態では、ラビリンスシールの外部空間側の開口を構成する第1非接触シール部31が、内輪4の外周面4bに沿って開口するように形成される。また、この第1非接触シール部31以外の非接触シール部32,33,34,35は、上記第3実施形態と概ね同様に形成される。
上記構成とされた本実施形態に係るシール装置9C及びこれを備えた軸受装置1においても、上記した第1実施形態と概ね同様の効果を奏する。
【0065】
次に、本発明に係るシール装置の更に他の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図7は、第5実施形態に係るシール装置の一例を模式的に示す図である。
なお、上記各実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
また、本実施形態に係るシール装置9Dも、上記同様、相対的に同軸回転する内側部材としての内輪4及び外側部材としての外輪5で構成される軸受装置1に装着され、軸受装置1を構成する。
【0066】
本実施形態に係るシール装置9Dは、上記第3実施形態と同様、第1シール部材10Cを、外輪5に装着されるものとし、第2シール部材20Dを、内輪4に装着されるものとしている。
また、本実施形態では、上記第3実施形態と概ね同様、第1シール部材10Cの第1芯金11Cの第1円筒部を構成する芯金円筒部12Cの内周面及び第2円板部を構成する芯金円板部13Cの被シール空間6側に向く面を被覆するように第1弾性部材15Cを設けた構成としている。また、本実施形態においても、第1弾性部材15Cは、第1円筒部を構成する弾性円筒部16Cの被シール空間6側端部に連なり、第1芯金11Cの芯金円筒部12Cの被シール空間6側端部を被覆するように設けられた内端被覆部18Cを備えている。また、本実施形態では、第1円板部を構成する弾性円板部17Cを、内端被覆部18Cの被シール空間6側端部から軸心側に向けて突出するように設けた構成としている。また、溝部30の溝底面を、弾性円筒部16Cと内端被覆部18Cとによって区画した構成としている。換言すれば、弾性円筒部16Cを、芯金円筒部12Cよりも被シール空間6側に延出させるように設けた構成としている。
【0067】
また、弾性円板部17Cは、上記第3実施形態と同様、互いに軸2方向に移動させるようにして第1シール部材10Cと第2シール部材20Dとを組み合わせる際に、主として弾性変形する弾性を有した円板部を構成する(図7(b)参照)。また、本実施形態では、この弾性円板部17Cの先端部とこれが対向される部位とによって非接触シール部が形成されない構成としている。つまり、弾性円板部17Cの先端部の先側に、非接触シール部を構成する対向対象が配されない構成としている。
また、第1弾性部材15Cに、芯金円板部13Cとによって第2円板部を構成する弾性円板部19Aを設けた構成としている。この弾性円板部19Aは、弾性円筒部16Cの外部空間側端部から連なり、芯金円板部13Cの被シール空間6側に向く面及び先端部を被覆するように設けられている。また、上記第3実施形態と概ね同様、この弾性円板部19Aの先端部とこれが対向される部位としての第2円筒部を構成する芯金円筒部22Cとによって軸2方向に延び、外部空間側において開口する第1非接触シール部31を形成する構成とされている。また、本実施形態では、この弾性円板部19Aの先端部の外部空間側部位を被シール空間6側部位よりも軸心側に向けて突出させた構成としている。つまり、弾性円板部19Aの先端部に、段差部を設けた構成としている。
【0068】
第2シール部材20Dは、本実施形態では、第2芯金21Cのみによって構成されている。つまり、第2シール部材20Dに、第2弾性部材を設けていない構成としている。
この第2芯金21Cは、上記第3実施形態と概ね同様、内輪4の外周面4bに嵌合され、第2円筒部を構成する芯金円筒部22Cと、この芯金円筒部22Cの被シール空間6側端部に連なり、該端部から径方向外側に向けて突出するように環状に設けられ、第3円板部を構成する芯金円板部23Cと、を備えている。
芯金円板部23Cは、上記と概ね同様、第1シール部材10Cの溝部30に挿入される構成とされている。この芯金円板部23Cが溝部30に挿入された状態で、上記と概ね同様、この芯金円板部23Cの軸2方向両側と溝部30の溝幅方向両側の溝内壁面との間に径方向に延びる第2非接触シール部32及び第4非接触シール部34が形成され、芯金円板部23Cの先端部と溝部30の溝底面との間に軸2方向に延びる第3非接触シール部33が形成される構成とされている。
【0069】
上記構成とされた本実施形態に係るシール装置9Dは、上記と概ね同様、第1シール部材10C及び第2シール部材20Dが外輪5及び内輪4に装着されれば、外部空間と被シール空間6とを連通させるラビリンスシールが形成される。本実施形態では、上記のように、弾性円板部19Aの先端部に段差部を設けた構成としており、第1非接触シール部31の被シール空間6側部位の径方向に沿う寸法が第1非接触シール部31の外部空間側部位の径方向に沿う寸法よりも大となる構成とされている。また、この第1非接触シール部31の外部空間側部位の径方向に沿う寸法、第2非接触シール部32の軸2方向に沿う寸法及び第3非接触シール部33の径方向に沿う寸法を略同寸法としている。また、第4非接触シール部34の軸2方向に沿う寸法を、第2非接触シール部32の軸2方向に沿う寸法よりも僅かに小としている。また、本実施形態では、第5非接触シール部が形成されない以外は、上記第3実施形態と概ね同様な経路のラビリンスシールが形成される。つまり、本実施形態では、ラビリンスシールの被シール空間6側の開口(第4非接触シール部34)が、軸2方向ではなく、径方向(径方向内側)に開口する構成とされている。
上記構成とされた本実施形態に係るシール装置9D及びこれを備えた軸受装置1においても、上記した第1実施形態と概ね同様の効果を奏する。
【0070】
なお、上記各実施形態に係るシール装置9,9A〜9Dにおける互いに異なる構成を、適宜、組み替えたり、組み合わせたりして適用するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、第1円板部を構成する弾性円板部17,17A,17B,17C、第2円板部を構成する弾性円板部19、及び第3円板部を構成する弾性円板部27,27Aの周方向に見た断面形状を、略方形状とした例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、これら弾性円板部17,17A,17B,17C,19,27,27Aの周方向に見た断面形状を、軸2方向中心線を対称軸とする線対称状となるように、三角形状や等脚台形状等としたり、軸方向両側に対称状に凹部や突部が設けられた形状等としたりしてもよい。
また、第1シール部材10,10A〜10C及び第2シール部材20,20A〜20Dを、全周に亘って略一様な断面形状とせずに、例えば、第1円板部を構成する弾性円板部17,17A,17B,17C、第2円板部を構成する芯金円板部13,13B,13C及び弾性円板部19,19A、並びに第3円板部を構成する弾性円板部27,27A及び芯金円板部23A,23Cのうちの少なくとも一つの円板部の周方向の一部に切欠状の凹部等が設けられたものでもよい。
【0071】
また、上記各実施形態では、第1円板部17,17A,17B,17C、第2円板部13,13B,13C,19,19A、及び第3円板部27,27A,23A,23Cのうちの少なくとも一つの円板部を、金属材から形成された円板部を含んだ構成とした例を示しているが、このような態様に代えて、第1円板部、第2円板部及び第3円板部の全てを、弾性材料から形成されたものとしてもよい。上記各実施形態に係るシール装置9,9A〜9Dを構成する第1シール部材10,10A〜10C及び第2シール部材20,20A〜20Dの具体的構成は、上記した例に限られず、その他、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 軸受装置
4 内輪(内側部材)
5 外輪(外側部材)
6 被シール空間
9,9A〜9D シール装置
10,10A〜10C 第1シール部材
12,12A〜12C 芯金円筒部(第1円筒部)
13,13B,13C 芯金円板部(第2円板部)
16,16A〜16C 弾性円筒部(第1円筒部)
17,17A〜17C 弾性円板部(第1円板部)
19,19A 弾性円板部(第2円板部)
20,20A〜20D 第2シール部材
22,22A〜22C 芯金円筒部(第2円筒部)
23A,23C 芯金円板部(第3円板部)
25B 第2弾性部材(第2円筒部)
26,26A,26B 弾性基部(第2円筒部)
27,27A 弾性円板部(第3円板部)
30 溝部
31 第1非接触シール部(軸方向に延びる非接触シール部)
32 第2非接触シール部(径方向に延びる非接触シール部)
33 第3非接触シール部(軸方向に延びる非接触シール部)
34 第4非接触シール部(径方向に延びる非接触シール部)
35 第5非接触シール部(軸方向に延びる非接触シール部)
H 第1円板部の突出寸法
T 第3円板部の厚さ寸法
W 溝部の溝幅寸法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7