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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-227505(P2017-227505A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】供試体用机及び供試体支持装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 29/08 20060101AFI20171201BHJP
【FI】
   G01R29/08 Z
   G01R29/08 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-122721(P2016-122721)
(22)【出願日】2016年6月21日
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079290
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100136375
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 弘実
(72)【発明者】
【氏名】滝沢 幸治
(72)【発明者】
【氏名】鳥井 政志
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 良和
(57)【要約】
【課題】ターンテーブルが小型であっても転倒リスクを抑制することの可能な供試体用机、及び当該供試体用机を備える供試体支持装置を提供する。
【解決手段】ターンテーブル7上に載置される供試体用机1は、天板10と、ターンテーブル7上に載る主脚部13と、ターンテーブル7外の床面8上にある補助脚部15と、を有し、ターンテーブル7と主脚部13との間の摩擦力により、ターンテーブル7と共に回転する。ターンテーブル7の回転に伴って、ターンテーブル7外の床面8と補助脚部15との間の摩擦力により供試体用机1に加わるトルクが、ターンテーブル7と主脚部13との間の摩擦力により供試体用机1に加わるトルクよりも小さい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターンテーブル上に載置される供試体用机であって、
天板と、
ターンテーブル上に載る主脚部と、
前記ターンテーブル外の床面上にある補助脚部と、を有し、
前記ターンテーブルと前記主脚部との間の摩擦力により、前記ターンテーブルと共に回転することを特徴とする、供試体用机。
【請求項2】
前記ターンテーブルの回転に伴って、前記床面と前記補助脚部との間の摩擦力により前記供試体用机に加わるトルクが、前記ターンテーブルと前記主脚部との間の摩擦力により前記供試体用机に加わるトルクよりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載の供試体用机。
【請求項3】
前記主脚部の下面は、前記補助脚部の下面と比較して、摩擦係数が大きい材質からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の供試体用机。
【請求項4】
前記補助脚部の下面が、前記主脚部の下面よりも所定の長さだけ上方に位置することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の供試体用机。
【請求項5】
前記床面と前記補助脚部の下面との間に所定の長さの隙間が設けられることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の供試体用机。
【請求項6】
前記補助脚部の下部にキャスターが設けられることを特徴とする、請求項1又は2に記載の供試体用机。
【請求項7】
前記床面と前記キャスターとの間に所定の長さの隙間が設けられることを特徴とする、請求項6に記載の供試体用机。
【請求項8】
ターンテーブルと、
前記ターンテーブル上に載置された供試体用机と、を備え、
前記供試体用机は、
天板と、
前記ターンテーブル上に載る主脚部と、
前記ターンテーブル外の床面上にある補助脚部と、を有し、
前記ターンテーブルと前記主脚部との間の摩擦力により、前記供試体用机が前記ターンテーブルと共に回転することを特徴とする、供試体支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばEMI測定やイミュニティ試験において供試機器を載置するのに用いられる供試体用机及び供試体支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の電子機器が広く利用されるようになり、これらの電子機器が電磁波によって受ける影響や、電子機器自身が放射する電磁波が他の電子機器に与える影響が問題となっている。電子機器から発生される電磁波ノイズ測定(EMI測定、EMI:Electromagnetic Interference)は屋外試験場又は電波暗室にて行われており、外部から放射される電磁波ノイズに対する電子機器の耐性試験(イミュニティ試験)は電波暗室において行われている。
【0003】
放射エミッション測定用の電波暗室には、供試体(EUT:Equipment Under Test)を回転させるためのターンテーブルと、測定用アンテナを上下方向に走査させるためのアンテナポジショナとが設けられている。放射エミッションの測定時には、ターンテーブル上に供試体用机が配置されると共に、供試体用机の天板上にEUTが載置される。この状態で、EUTから一定の測定距離だけ離れた測定用アンテナを上下方向に走査したり、ターンテーブルを回転させながら、供試体からの最大放射ノイズを測定する。
【0004】
ここで、例えばCISPR(Comite International Special des Perturbations Radioelectriques)32のような放射エミッションの測定規格によれば、供試体は供試体用机の天板の前縁に揃えて載置される。また、ターンテーブルの回転中心上に供試体の中心(供試体が関連機器を含む場合は関連機器を含む仮想的な円周の中心)を合わせるように、供試体用机をターンテーブル上に配置する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−88175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
CISPR22では、供試体用机の天板の標準的な寸法が1.5m×1.0mであることから、天板の寸法が1.5m×1.0mの供試体用机が広く用いられている。これに加え、電波暗室の小型化等を図るために、ターンテーブルも例えば直径が1.5m程度のようにできるだけ小さいものが使用されることがある。この場合、天板の寸法が1.5m×1.0mの供試体用机を上述のようにターンテーブル上に配置して放射エミッションを測定しようとすると、下記の2つの課題が生じる。即ち、
(A)供試体用机の脚部の大きさを概ね天板の寸法と同じ程度とすると、脚部がターンテーブルからはみ出し、ターンテーブルと共に供試体用机を回転させることができなくなり、
(B)供試体用机の脚部の大きさをターンテーブルに収まる程に小さくすると、脚部は天板のうちターンテーブルの外側の領域にある部分を下方から支えることができず、ターンテーブルを回転させた際に転倒する可能性が生じる、
という課題がある。
【0007】
特許文献1は、「測定条件に応じて供試体台を移動させても脚部をターンテーブルに収めることができる供試体台を提供する」こと(特許文献1の[要約]の[課題])を課題とし、「前,後方向および左,右方向に広がる天板と、該天板の左,右方向の両側に配設され該天板を支持する左,右の脚部とを備えた供試体台において、前記各脚部は、下側脚部と、該下側脚部の上側に位置して該下側脚部に対して前,後方向に移動可能に取付けられた上側脚部とによって構成され、前記天板は、前記上側脚部と共に前,後方向に移動可能となり、前記上側脚部は、後側に位置して前記天板の中心側に向けて回転移動可能な後側回転部を備え、前記下側脚部は、前側に位置して前記天板の中心側に向けて回転移動可能な前側回転部を備える構成」(特許文献1の段落[0008])を開示している。ここで、特許文献1の図17ないし図19を見ると、直径が1.5m程度のターンテーブルに、天板の寸法が1.5m×1.0mの供試体用机を載置する場合であって、ターンテーブルの回転中心上に天板の前縁を合わせるように供試体用机を配置する場合に、後端支持部31の底面がターンテーブル5と接触するように配置している。この配置によって、直径が1.5m程度のターンテーブルに供試体用机を載置できるが、供試体用机の脚部の大きさ(範囲)をターンテーブルに収まる程に小さくしているため、脚部は天板のうちターンテーブルの外側の領域にある部分を下方から支えることができず、ターンテーブルを回転させた際に転倒する可能性が生じている。
【0008】
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、ターンテーブルが小型であっても転倒リスクを抑制することの可能な供試体用机、及び当該供試体用机を備える供試体支持装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある態様は、ターンテーブル上に載置される供試体用机であって、
天板と、
ターンテーブル上に載る主脚部と、
前記ターンテーブル外の床面上にある補助脚部と、を有し、
前記ターンテーブルと前記主脚部との間の摩擦力により、前記ターンテーブルと共に回転することを特徴とする。
【0010】
前記ターンテーブルの回転に伴って、前記床面と前記補助脚部との間の摩擦力により前記供試体用机に加わるトルクが、前記ターンテーブルと前記主脚部との間の摩擦力により前記供試体用机に加わるトルクよりも小さくてもよい。
【0011】
前記主脚部の下面は、前記補助脚部の下面と比較して、摩擦係数が大きい材質からなってもよい。
【0012】
前記補助脚部の下面が、前記主脚部の下面よりも所定の長さだけ上方に位置してもよい。
【0013】
前記床面と前記補助脚部の下面との間に所定の長さの隙間が設けられてもよい。
【0014】
前記補助脚部の下部にキャスターが設けられてもよい。
【0015】
前記床面と前記キャスターとの間に所定の長さの隙間が設けられてもよい。
【0016】
本発明のもう1つの態様は、供試体支持装置である。この供試体支持装置は、
ターンテーブルと、
前記ターンテーブル上に載置された供試体用机と、を備え、
前記供試体用机は、
天板と、
前記ターンテーブル上に載る主脚部と、
前記ターンテーブル外の床面上にある補助脚部と、を有し、
前記ターンテーブルと前記主脚部との間の摩擦力により、前記供試体用机が前記ターンテーブルと共に回転することを特徴とする。
【0017】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ターンテーブルが小型であっても転倒リスクを抑制することの可能な供試体用机、及び当該供試体用机を備える供試体支持装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態1に係る供試体用机1をターンテーブル7上に載置し、供試体用机1の天板10上に供試体30を載置した状態の三面図。
図2図1(A)の拡大図であって、ターンテーブル7の回転中心から主脚部13及び補助脚部15までの距離の説明図。
図3】本発明の実施の形態2に係る供試体用机2をターンテーブル7上に載置し、供試体用机2の天板10上に供試体30を載置した状態の三面図。
図4】本発明の実施の形態3に係る供試体用机3をターンテーブル7上に載置し、供試体用机3の天板10上に供試体30を載置した状態の右側面図。
図5】本発明の実施の形態4に係る供試体用机4をターンテーブル7上に載置し、供試体用机4の天板10上に供試体30を載置した状態の三面図。
図6】本発明の実施の形態5に係る供試体用机5をターンテーブル7上に載置し、供試体用机5の天板10上に供試体30を載置した状態の三面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0021】
実施の形態1
図1(A)〜(C)は、本発明の実施の形態1に係る供試体用机1をターンテーブル7上に載置し、供試体用机1の天板10上に供試体30を載置した状態の三面図であり、図1(A)は上面図(平面図)、図1(B)は正面図、図1(C)は右側面図である。ターンテーブル7は、例えば電波暗室内に設けられる。ターンテーブル7の上面と、ターンテーブル7外の床面8は、略面一あるいは3〜5mm以内の段差となっている。ターンテーブル7の上面及び床面8は、金属であってもよく、あるいは電波吸収体を敷設してもよく、さらに大地の電波反射を模擬した大地相当床からなってもよい。また、電波吸収体の表面が平坦でない、くさび形やピラミッド形の場合には、そのくさび形やピラミッド形に嵌合する発泡樹脂製(発泡スチロール等)の嵌合部材を電波吸収体の表面側に嵌合させ、電波吸収体の表面側に平坦な面を構築してもよい。さらに、金属、電波吸収体(発泡樹脂製(発泡スチロール等)の嵌合部材によって表面側に平坦な面を構築した電波吸収体を含む)や大地相当床の表面は、エポキシ樹脂等によってコーティングが施されたものであってもよく、樹脂板・樹脂シート等を載せた(接着した)ものであってもよい。供試体用机1及びターンテーブル7は、供試体支持装置を構成する。
【0022】
供試体用机1は、ターンテーブル7上に載置される供試体用電磁波低反射机であって、電磁波ノイズ測定(EMI測定)やアンテナの放射特性等、電磁波の測定に用いられる。測定対象となる供試体30は、各種の電子機器であって、供試体用机1の天板10上に載置される。ここでは、CISPR32に対応するために、供試体30を天板10の前縁に揃えて載置し、また、ターンテーブル7の回転中心上に供試体30の中心を合わせるように、平面寸法1.5m×1.0mの供試体用机1を直径1.5mのターンテーブル7上に配置している。供試体30は、一例として、平面寸法が0.1m×0.1mで高さが0.1mの比較的小さなものとしている。
【0023】
供試体用机1は、天板10と、ターンテーブル7上に載る主脚部13と、ターンテーブル7外の床面8上にある補助脚部15と、を有する。天板10、主脚部13、及び補助脚部15は、電磁波の反射が少ない材料からなってよく、例えば、発泡スチロール、あるいは発泡スチロールと樹脂板又は樹脂シートを張り合わせたものであってもよい。本実施の形態では、主脚部13が4本、補助脚部15が2本で、各脚部が互いに独立している。各脚部は、平断面寸法が0.2m×0.2mで、長さは天板10の上面がターンテーブル7の上面から0.8mの高さとなるように設定される。4本の主脚部13とターンテーブル7の上面との合計接触面積は、2本の補助脚部15とターンテーブル7外の床面8との合計接触面積よりも大きい。なお、各脚部の平断面寸法は、各脚部の材質や実現すべき耐荷重等により適宜変わり得る。
【0024】
主脚部13のうち2本は、天板10の前端部の左右両側からそれぞれ下方に延びてターンテーブル7の上面と接触する。主脚部13の残りの2本は、天板10の前後方向(短手方向)略中央の左右両側からそれぞれ下方に延びてターンテーブル7の上面と接触する。2本の補助脚部15は、天板10の後端部の左右両側からそれぞれ下方に延びてターンテーブル7外の床面8の上面と接触する。すなわち、本実施の形態では、補助脚部15は、ターンテーブル7外の床面8上に載る。好ましくは、主脚部13の下面(底面)は、補助脚部15の下面(底面)と比較して、摩擦係数が大きい材質からなる。例えば、主脚部13の下面にゴムシート等からなる高摩擦係数の抵抗シートを貼付(接着)し、補助脚部15の下面にシリコンコーティングシートあるいはシリコンコーティングフィルム等からなる低摩擦係数の抵抗シートを貼付(接着)する。
【0025】
上記、ターンテーブル7の直径、供試体用机1の寸法、供試体30の寸法のために、供試体用机1の主脚部13は、供試体用机1の短手方向の概ね中心付近までしか設置することができない。このため、主脚部13をターンテーブル上に設置しただけの状態でターンテーブル7を回転させると、供試体用机1が転倒する可能性がある。そこで本実施の形態では、供試体用机1にターンテーブル7外の床面8上にある補助脚部15を設けることにより、ターンテーブル7が回転した際にも供試体用机1の転倒を防止する。しかしながら、補助脚部15とターンテーブル7外の床面8との間の摩擦力(摩擦による抵抗)が大きいと、ターンテーブル7が回転した際に、供試体用机1のターンテーブル7上での位置がずれてしまうという問題が生じる。そこで本実施の形態では、ターンテーブル7が回転する際における、補助脚部15とターンテーブル7外の床面8との間の摩擦力を、主脚部13とターンテーブル7との間の摩擦力よりも小さくする。これにより、ターンテーブル7の回転に伴って、ターンテーブル7外の床面8と補助脚部15との間の摩擦力により供試体用机1に加わるトルクを、ターンテーブル7と主脚部13との間の摩擦力により供試体用机1に加わるトルクよりも小さくすることができ、ターンテーブル7と主脚部13との間の摩擦力により、ターンテーブル7と共に供試体用机1を回転させることができる(ターンテーブル7上での供試体用机1の位置を意図した位置に保つことが可能となる)。
【0026】
図2は、図1(A)の拡大図であって、ターンテーブル7の回転中心から主脚部13及び補助脚部15までの距離の説明図である。図2により、各脚部に便宜上番号を付す。ここで、
・ターンテーブル7中心と各脚部までの距離:rn
(nは、n=1,2,・・・,6で、図2に示す各脚部の番号に対応)
・1つの主脚部13に掛かる荷重:Nin
・1つの補助脚部15に掛かる荷重:Nout
(供試体30の位置により、通常はNin≧Nout)
・主脚部13底部とターンテーブル7との接触面の静止摩擦係数:μin
・補助脚部15底部とターンテーブル7外の床面8との接触面の静止摩擦係数:μout
・補助脚部15底部とターンテーブル7外の床面8との接触面の動摩擦係数:μouta
(一般的に、μout ≧ μouta)
と定義すると、
・各主脚部13の静止摩擦力:Fin_n=μin×Nin
・各補助脚部15の静止摩擦力:Fout_n=μout×Nout
・各補助脚部15の動摩擦力:Fouta_n=μouta×Nout
・ターンテーブル7の回転開始時に各主脚部13とターンテーブル7の上面との間の摩擦力により供試体用机1に加わるトルク:Tin_n=Fin_n×rn
・ターンテーブル7の回転開始時に各補助脚部15とターンテーブル7外の床面8の上面との間の摩擦力により供試体用机1に加わるトルク:Tout_n=Fout_n×rn
・ターンテーブル7の回転中に各補助脚部15とターンテーブル7外の床面8の上面との間の摩擦力により供試体用机1に加わるトルク:Touta_n=Fouta_n×rn
・ターンテーブル7と共に供試体用机1を回転させ始めるための条件:
ΣTin_n>ΣTout_n
(Tin_nは、Tin_1〜Tin_4の合計)
(ΣTout_nは、Tout_5+Tout_6)
・ターンテーブル7と共に供試体用机1を回転させ続けるための条件:
ΣTin_n>ΣTouta_n
(ΣTouta_nは、Touta_5+Touta_6)
となる。なお、通常は、ターンテーブル7と共に供試体用机1を回転させ始めるための条件が満たされれば、ターンテーブル7と共に供試体用机1を回転させ続けるための条件も満たされる。
【0027】
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
【0028】
(1) 供試体用机1は、補助脚部15を有するため、天板10の後部(ターンテーブル7の外側の領域にある部分)を補助脚部15により下方から支持することができ、ターンテーブル7が小型であっても転倒リスクを抑制することが可能となる。詳細には、標準的な1.5m×1.0mの寸法の天板10を有する供試体用机1を例えば直径が1.5m程度以下のような小型のターンテーブル7に載置する場合であっても、補助脚部15が天板10のうちターンテーブル7の外側の領域にある部分を下方から支えることができ、ターンテーブル7が回転した際に転倒する可能性を低減できる。
【0029】
(2) ターンテーブル7が回転する際における、補助脚部15とターンテーブル7外の床面8との間の摩擦力を、主脚部13とターンテーブル7との間の摩擦力よりも小さくし、供試体用机1がターンテーブル7と共に回転できるようにしているため、補助脚部15を設けることによる供試体用机1のターンテーブル7上での位置ずれを抑制できる。
【0030】
実施の形態2
図3(A)〜(C)は、本発明の実施の形態2に係る供試体用机2をターンテーブル7上に載置し、供試体用机1の天板10上に供試体30を載置した状態の三面図であり、図3(A)は上面図(平面図)、図3(B)は正面図、図3(C)は右側面図である。図3(A)及び図3(C)において、補助脚部15をハッチングにより強調表示している。供試体用机2は、図1(A)〜(C)に示した実施の形態1の供試体用机1と比較して、主脚部13及び補助脚部15が天板10の左右両側においてそれぞれ連続している点で相違し、その他の点で一致する。すなわち、図1(A)に示す供試体用机1の左側の2本の主脚部13と1本の補助脚部15を連続した板状の脚部とし、右側の2本の主脚部13と1本の補助脚部15も同様に連続した板状の脚部としたものが、図3(A)に示す供試体用机2である。双方の板状の脚部のうち、ターンテーブル7の外周の内側にある部分が主脚部13であり、ターンテーブル7の外周の外側にある部分が補助脚部15である。主脚部13とターンテーブル7の上面との接触面積は、補助脚部15とターンテーブル7外の床面8との接触面積よりも大きい。なお、供試体用机2においては、主脚部13及び補助脚部15の底面を微小な面(四角形や三角形)の集合として考えることにより、図2での説明と同様に主脚部13及び補助脚部15の摩擦力及びそれによるトルクを算出することができる。本実施の形態も、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0031】
実施の形態3
図4は、本発明の実施の形態3に係る供試体用机3をターンテーブル7上に載置し、供試体用机1の天板10上に供試体30を載置した状態の右側面図である。図4において、補助脚部15をハッチングにより強調表示している。供試体用机3は、図3(A)〜(C)に示した実施の形態2の供試体用机2と比較して、補助脚部15の下面が主脚部13の下面よりも所定の長さだけ上方に位置する点で相違し、その他の点で一致する。一般的に、電波暗室等に埋設されるターンテーブル7は、その外側の床面8と3〜5mm以下の段差となるよう設置される。そのため、ターンテーブル7が回転する際に、補助脚部15とターンテーブル7外の床面8との接触を防ぐためには、前記所定の長さは、3〜5mmが好適である。図4の例では、ターンテーブル7の上面とターンテーブル7外の床面8とが面一のため、ターンテーブル7外の床面8と補助脚部15の下面との間に前記所定の長さの隙間が設けられる。隙間が3〜5mmであれば、供試体用机3が転倒しかけた場合に、天板10が大きく傾く前に補助脚部15とターンテーブル7外の床面8とが接触するため、供試体30の落下等を抑制しつつ供試体用机3の転倒を防ぐことができる。なお、本実施の形態では、補助脚部15の下面を主脚部13の下面と比較して低摩擦係数の材質としなくてもよい。
【0032】
本実施の形態によれば、補助脚部15とターンテーブル7外の床面8とが非接触で両者の間の摩擦力が0になるため、供試体用机3をスムーズにターンテーブル7と共に回転させることができる(供試体用机3のターンテーブル7上での位置ずれを抑制できる)。また、供試体用机3が転倒しかけると補助脚部15がターンテーブル7外の床面8と接触するため、供試体用机3の転倒を好適に抑制できる。
【0033】
実施の形態4
図5(A)〜(C)は、本発明の実施の形態4に係る供試体用机4をターンテーブル7上に載置し、供試体用机4の天板10上に供試体30を載置した状態の三面図であり、図5(A)は上面図(平面図)、図5(B)は正面図、図5(C)は右側面図である。供試体用机4は、図3(A)〜(C)に示した実施の形態2の供試体用机2と比較して、補助脚部15の下部にキャスター17を設けた点で相違し、その他の点で一致する。本実施の形態では、補助脚部15の下面を主脚部13の下面と比較して低摩擦係数の材質とする必要はない。キャスター17は、ターンテーブル7外の床面8と接触する。
【0034】
本実施の形態によれば、キャスター17とターンテーブル7外の床面8との間の摩擦力は、転がり摩擦力となり、滑り摩擦力と比較して極めて小さくなるため、供試体用机4はターンテーブル7と共にスムーズに回転できる(供試体用机4のターンテーブル7上での位置ずれを抑制できる)。また、補助脚部15のキャスター17がターンテーブル7外の床面8と接触することで、供試体用机4の転倒リスクを抑制できる。
【0035】
供試体用机4において、キャスター17の下端は、主脚部13の下面よりも所定の長さ(好ましくは3〜5mm)だけ上方に位置してもよい。この場合、供試体用机4が転倒しかけた場合に、天板10が大きく傾く前にキャスター17とターンテーブル7外の床面8とが接触するため、供試体30の落下等を抑制しつつ供試体用机4の転倒を防ぐことができる。また、キャスター17とターンテーブル7外の床面8との間の摩擦力が極めて小さいため、キャスター17とターンテーブル7外の床面8とが接触しても、ターンテーブル7を停止することなく供試体用机4をターンテーブル7上の意図した場所に載置し続けることが可能となる。
【0036】
実施の形態5
図6(A)〜(C)は、本発明の実施の形態5に係る供試体用机5をターンテーブル7上に載置し、供試体用机5の天板10上に供試体30を載置した状態の三面図であり、図6(A)は上面図(平面図)、図6(B)は正面図、図6(C)は右側面図である。供試体用机5は、図5(A)〜(C)に示した実施の形態4の供試体用机4と比較して、第2主脚部13aが追加され、主脚部13及び第2主脚部13aの下部にターンテーブル7の上面と接触するキャスター14が設けられ、補助脚部15のキャスター17の下端が主脚部13及び第2主脚部13aのキャスター14の下端よりも所定の長さ(好ましくは3〜5mm)だけ上方に位置する点で相違し、その他の点で一致する。
【0037】
第2主脚部13aは、天板10から下方に延び、平断面形状がV字状であり、左右の主脚部13の後端部同士を連結する。第2主脚部13aのV字の角部(谷部)はターンテーブル7の後端部上に位置し、当該角部にキャスター14が設けられる。キャスター14は、左右の主脚部13の前端部及び後端部の下部にもそれぞれ設けられる。キャスター14は、好ましくは回転ロック機能付きである。あるいは、キャスター14の周囲に、不図示のキャスター止め具等を置いてもよい。
【0038】
本実施の形態によれば、第2主脚部13aを追加したことで、ターンテーブル7の回転時に供試体用机5が転倒するリスクを一層低減できる。また、主脚部13及び第2主脚部13aの下部にキャスター14を設けているため、供試体用机5の運搬が容易となる。また、回転ロック機構を有するキャスター14を用いること、あるいはキャスター14の周囲に不図示のキャスター止め具を置くことで、ターンテーブル7上における供試体用机5の位置ずれを抑制できる(ターンテーブル7上での供試体用机5の位置を意図した位置に保つことが可能となる)。また、補助脚部15のキャスター17の下端が主脚部13及び第2主脚部13aのキャスター14の下端よりも所定の長さだけ上方に位置するため、キャスター17とターンテーブル7外の床面8との間の摩擦力が0となり、供試体用机5をスムーズにターンテーブル7と共に回転させることができる(供試体用机5のターンテーブル7上での位置ずれを抑制できる)。供試体用机5が補助脚部15側に転倒しかけた場合には、補助脚部15のキャスター17がターンテーブル7外の床面8と接するため、転倒を防ぐことが可能である。さらに、補助脚部15のキャスター17とターンテーブル7外の床面8との間の摩擦力は極めて小さいことから、キャスター17とターンテーブル7外の床面8とが接触しても、ターンテーブル7を停止することなく供試体用机5をターンテーブル7上の意図した場所に載置し続けることが可能となる。
【0039】
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
【0040】
実施の形態で示した各寸法の具体的数値は一例であり、各寸法は要求される仕様に応じて適宜変更することができる。実施の形態1〜4の構成において、図6(A)〜(C)に示す実施の形態5の第2主脚部13a(キャスター14を含まず)を追加してもよい。実施の形態5において、第2主脚部13aは省略してもよい。図1(A)〜(C)に示す実施の形態1の主脚部13及び補助脚部15の下部に、キャスターを追加してもよい。
【符号の説明】
【0041】
1〜5 供試体用机(供試体用電磁波低反射机)、7 ターンテーブル、8 床面、
10 天板、13 主脚部、13a 第2主脚部、14 キャスター、15 補助脚部、17 キャスター、30 供試体(EUT)
図1
図2
図3
図4
図5
図6