【解決手段】所定間隔で重なり合う状態で配置され、かつ対向面それぞれに第1、第2の電極11a、12bが設けられた第1、第2の回路基板11、12と、第2の回路基板12に対して固定される本体部20、およびこの本体部20に設けられ、かつ第1、第2の回路基板11、12間に配置されて第1、第2の電極11a、12bそれぞれに接触する第1、第2の接触部21、22を備えた接続部材17と、第1、第2の回路基板11、12および接続部材17を相互に固定する固定部材18と、を備えている。従って、固定部材18によって第1、第2の回路基板11、12および接続部材17を相互に固定でき、この固定部材18の固定力によって第1、第2の接触部21、22を第1、第2の電極11a、12bに押し付けて確実に接触させることができる。
請求項1または請求項2に記載の接続装置において、前記複数の基板は、第1の基板と第2の基板とを備え、前記第1の基板と前記第2の基板との間にはスペーサ部材が配置され、前記スペーサ部材には前記複数の接触部が配置される開口部が設けられ、前記開口部に対応する箇所に位置する前記第1の基板と前記第2の基板との対向面それぞれには前記電極が設けられていることを特徴とする接続装置。
請求項3に記載の接続装置において、前記接続部材の前記本体部は、前記スペーサ部材に配置される本体取付部と、前記本体取付部から前記第2の基板と前記第1の基板との間に向けて延びる延出部と、前記延出部から前記第1の基板と前記第2の基板との間にこれらとほぼ平行に延び、かつ前記複数の接触部が設けられた保持部と、を備えていることを特徴とする接続装置。
請求項4に記載の接続装置において、前記複数の接触部は、前記本体部の前記保持部に設けられて、前記スペーサ部材の上面に位置する前記第1の基板の下面に設けられた第1の電極に弾接する第1の接触部と、前記本体部の前記保持部に設けられて、前記スペーサ部材の下面に位置する前記第2の基板の上面に設けられた第2の電極に弾接する第2の接触部と、を備えていることを特徴とする接続装置。
請求項5に記載の接続装置において、前記第1の接触部は、前記本体部の前記保持部における一側部から上方に形成し、前記第2の接触部は、前記本体部の前記保持部における前記一側部から下方に形成されていることを特徴とする接続装置。
請求項3〜請求項6のいずれかに記載の接続装置において、前記固定部材は、電源に接続された導電部材、前記接続部材の前記本体部、前記第2の基板、前記スペーサ部材、および前記第1の基板に順次貫通して、これらを締め付けて固定するねじ部材であることを特徴とする接続装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、
図1〜
図7を参照して、この発明を腕時計に適用した一実施形態について説明する。
この腕時計は、
図1に示すように、腕時計ケース1を備えている。この腕時計ケース1の12時側と6時側とには、時計バンド2が取り付けられている。この腕時計ケース1の2時側、3時側、4時側、8時側には、スイッチ部3がそれぞれ設けられている。
【0011】
また、この腕時計ケース1の内部には、
図2〜
図5に示すように、時計モジュール4が設けられている。この時計モジュール4は、アナログブロック5と回路ブロック6とを備え、これらが上下に積層された構成になっている。アナログブロック5は、輪列機構を備えた時計ムーブメント(いずれも図示せず)を備え、その上面に文字板7(
図3参照)が配置されるように構成されている。
【0012】
すなわち、このアナログブロック5は、
図1、
図3および
図5に示すように、時計ムーブメントにおける輪列機構の指針軸8aが、文字板7の貫通孔7aを通して文字板7の上方に突出し、この突出した指針軸8aの上端部に、秒針、分針、時針などの指針8が取り付けられ、この指針8が文字板7の上方を運針することにより、
図1に示すように、時刻を指示表示するように構成されている。
【0013】
回路ブロック6は、
図4および
図5に示すように、釦型の電池9を搭載するスペーサ部材であるハウジング10と、このハウジング10の上面に配置された第1の回路基板11と、ハウジング10の下面に配置された第2の回路基板12と、これらハウジング10、第1の回路基板11、および第2の回路基板12をアナログブロック5の下側に組み付ける導電部材である地板13と、を備えている。この場合、ハウジング10には、電池9を収納する電池収納部10aが設けられている。
【0014】
第1の回路基板11は、
図5に示すように、ハウジング10の上面に配置された状態で、アナログブロック5の下面に配置され、この状態でアナログブロック5の時計ムーブメント(図示せず)と電気的に接続されるように構成されている。第2の回路基板12は、ハウジング10の電池収納部10aに対応する箇所を除いて、ハウジング10の下面に配置されるよう構成されている。
【0015】
すなわち、この第2の回路基板12には、
図4および
図5に示すように、電池9をハウジング10の電池収納部10a内に収納させるための基板開口部12aがハウジング10の電池収納部10aに対応して設けられている。この第2の回路基板12の下面には、導電部材である金属製の地板13が配置されている。
【0016】
この地板13には、
図4および
図5に示すように、電池9をハウジング10の電池収納部10a内に収納させるための地板開口部13aが第2の回路基板12の基板開口部12aに対応して設けられている。この場合、電池9は、地板13の地板開口部13aおよび第2の回路基板12の基板開口部12aを通して、ハウジング10の電池収納部10a内に配置された状態で、電極板14によって電池収納部10a内に押え付けられて固定されるように構成されている。
【0017】
また、地板13の外周部には、
図3〜
図5に示すように、複数のフック部15がアナログブロック5の外周面に向けて上方に突出して設けられている。これら複数のフック部15それぞれは、
図3に示すように、その上端部に矩形状の係止孔15aが設けられ、この係止孔15aにアナログブロック5の外周面に突出して設けられた突起部5aが係合するように構成されている。
【0018】
すなわち、これら複数のフック部15は、
図3および
図5に示すように、下側から順に、地板13、第2の回路基板12、ハウジング10、第1の回路基板11、およびアナログブロック5が重ね合わされた際に、これらの外周面に沿って上側に延び、この延びた上端部の係止孔15aに、アナログブロック5の外周面に設けられた各突起部5aが係合するように構成されている。
【0019】
これにより、地板13は、
図3および
図5に示すように、第2の回路基板12、ハウジング10、第1の回路基板11、およびアナログブロック5が重ね合わされた状態で、第2の回路基板12の下面に配置された際に、複数のフック部15の各係止孔15aに、アナログブロック5の外周面に設けられた各突起部5aが係合することにより、第2の回路基板12、ハウジング10、第1の回路基板11、およびアナログブロック5を一体的に組み付けるように構成されている。
【0020】
ところで、第1の回路基板11と第2の回路基板12とは、
図4および
図6に示すように、接続装置16によって電気的に接続されるように構成されている。この接続装置16は、
図6に示すように、所定間隔で重なり合う状態で配置された第1の回路基板11および第2の回路基板12を電気的に接続する接続部材17と、第1の回路基板11、第2の回路基板12、接続部材17、および地板13を相互に押し付けて固定する固定部材18と、を備えている。
【0021】
この場合、地板13は、
図4〜
図6に示すように、第2の回路基板12の下面に配置された状態で、電池9をハウジング10の電池収納部10a内に押し付ける電極板14に接続されることにより、電池9と電気的に接続され、この状態で接続部材17に接触して導通するように構成されている。これにより、第1の回路基板11と第2の回路基板12とは、地板13と接続部材17とによって電池9の電源が供給されるように構成されている。
【0022】
また、第1の回路基板11と第2の回路基板12とは、
図6に示すように、これらの間に配置されたスペーサ部材であるハウジング10によって所定間隔(つまりハウジング10の上下方向の厚みの長さ)で配置されている。このハウジング10には、接続部材17の一部、つまり後述する第1の接触部21および第2の接触部22が配置される接続開口部19が設けられている。
【0023】
これにより、第1の回路基板11と第2の回路基板12とは、
図6に示すように、ハウジング10の接続開口部19に対応する領域内において互いに対面し、この対面した第1の回路基板11の対向面である下面に第1電極11aが設けられていると共に、対面した第2の回路基板12の対向面である上面に第2電極12bが設けられている。
【0024】
接続部材17は、
図6および
図7に示すように、ハウジング10に固定されて第2の回路基板12の上側に配置される本体部20と、この本体部20に設けられて第1の回路基板11の第1電極11aに接触する第1の接触部21と、本体部20に設けられて第2の回路基板12の第2電極12bに接触する第2の接触部22と、を備え、これらが金属板で一体に形成されている。
【0025】
すなわち、本体部20は、
図6および
図7に示すように、第2の回路基板12と並列な状態でハウジング10の下面に配置されて地板13が接触して導通する本体取付部23と、この本体取付部23から第2の回路基板12に設けられた切欠き部12cを通してその上側に延びる延出部24と、この延出部24から第2の回路基板12と第1の回路基板11との間にこれらとほぼ平行に延びる保持部25と、を備えている。
【0026】
この場合、第2の回路基板12の切欠き部12cは、
図6に示すように、本体部20の本体取付部23に対応した状態で、第2の回路基板12に設けられている。また、ハウジング10の外周部には、本体取付部23が配置される支持突起部26が、第2の回路基板12の切欠き部12c内に配置された状態で設けられている。この支持突起部26は、その下端面が第2の回路基板12の下面よりも本体部20の本体取付部23の厚み分だけ窪んだ状態で形成されている。
【0027】
これにより、本体取付部23は、
図6および
図7に示すように、ハウジング10の支持突起部26の下面に配置された際に、その下面が第2の回路基板12の下面とほぼ同一平面になるよう構成されている。また、本体部20の延出部24は、ハウジング10の支持突起部26の内側面に沿って配置されることにより、その上端部が第2の回路基板12の切欠き部12cを通してハウジング10の接続開口部19内に突出するように構成されている。
【0028】
また、保持部25は、
図6および
図7に示すように、第1の回路基板11と第2の回路基板12とにほぼ平行な状態で、延出部24の上端部からハウジング10の接続開口部19内に向けて延出されて配置されるように構成されている。この保持部25の一側部(
図7(b)では下辺部)には、第1の接触部21および第2の接触部22が設けられている。
【0029】
第1の接触部21は、
図6および
図7に示すように、本体部20の保持部25の一側部(
図7(b)では下辺部)から斜め上側(
図7(d)では斜め下側)に向けて延び、この延びた上端部(
図7(d)では下端部)21aが第1の回路基板11の第1電極11aに下側から弾力的に接触するように構成されている。
【0030】
第2の接触部22は、
図6および
図7に示すように、本体部20の保持部25の一側部(
図7(b)では下辺部)から斜め下側(
図7(d)では斜め上側)に向けて延び、この延びた下端部(
図7(d)では上端部)22aが第2の回路基板12の第2電極12bに上側から弾力的に接触するように構成されている。
【0031】
一方、固定部材18は、
図6に示すように、地板13、接続部材17の本体取付部23、第2の回路基板12、ハウジング10、および第1の回路基板11をその順で下側から重ね合わせた状態で、これらを締め付けて固定するねじ部材である。この固定部材18は、ボルト27とナット28とを備えている。ボルト27は、ナット28が螺合するねじ軸27aと、このねじ軸27aの一端部に設けられた頭部27bと、を備えている。
【0032】
この場合、ハウジング10の支持突起部26には、
図6に示すように、ボルト27のねじ軸27aが挿入する軸挿入孔26aが、上下に貫通して設けられている。また、接続部材17の本体取付部23には、ボルト27のねじ軸27aが挿入する本体取付孔23aが、ハウジング10の軸挿入孔26aと同一軸上で対応して設けられている。
【0033】
この本体取付部23の下面に配置される地板13には、
図6に示すように、ボルト27のねじ軸27aが挿入する地板取付孔13cが、本体取付部23の本体取付孔23aと同一軸上で対応して設けられている。また、第1の回路基板11には、ボルト27のねじ軸27aが挿入する基板取付孔11bが、ハウジング10の支持突起部26の軸挿入孔26aと同一軸上で対応して設けられている。
【0034】
これにより、地板13の地板取付孔13cと接続部材17の本体取付部23の本体取付孔23aとハウジング10の支持突起部26の軸挿入孔26aと第1の回路基板11の基板取付孔11bとは、
図6に示すように、その下側から順に、地板13、接続部材17の本体取付部23、第2の回路基板12、ハウジング10、および第1の回路基板11を重ね合わせた際に、同一軸上で対応するように構成されている。
【0035】
このため、固定部材18は、
図6に示すように、地板13、接続部材17の本体取付部23、ハウジング10、および第1の回路基板11を重ね合わせた状態で、ボルト27のねじ軸27aを、地板13の地板取付孔13c、接続部材17の本体取付部23の本体取付孔23a、ハウジング10の支持突起部26の軸挿入孔26a、第1の回路基板11の基板取付孔11bに順次挿入させて、アナログブロック5内に下側から突出させ、この突出したねじ軸27aがナット28に螺合して締め付けられるように構成されている。
【0036】
この場合、アナログブロック5には、
図6に示すように、ナット28が埋め込まれている。このナット28は、その下面がアナログブロック5から下側に露出した状態で、第1の回路基板11の基板取付孔11bと同一軸上に対応して設けられている。このため、固定部材18は、地板13の地板取付孔13cから挿入されて第1の回路基板11の基板取付孔11bの上方に突出したボルト27のねじ軸27aが、アナログブロック5内のナット28に螺合して締め付けられるように構成されている。
【0037】
これにより、固定部材18は、
図6に示すように、第1の回路基板11からアナログブロック5内に突出するボルト27のねじ軸27aをナット28に螺合させて締め付けた際に、ボルト27の頭部27bが地板13を接続部材17の本体部20の本体取付部23に押し付け、この本体取付部23を第2の回路基板12の切欠き部12c内に配置されたハウジング10の支持突起部26に押し付けるように構成されている。
【0038】
また、この固定部材18は、
図6に示すように、第1の回路基板11からアナログブロック5内に突出したボルト27のねじ軸27aをナット28に螺合させて締め付けた際に、ナット28がアナログブロック5と共に第1の回路基板11をハウジング10の上面に押し付けるように構成されている。
【0039】
これにより、接続部材17は、
図6に示すように、その本体部20の本体取付部23が固定部材18によって地板13とハウジング10の支持突起部26との間に挟まれて固定され、この状態で本体部20の保持部25に設けられた第1の接触部21の上端部21aが第1の回路基板11の第1電極11aに下側から押し付けられて弾力的に接触すると共に、本体部20の保持部25に設けられた第2の接触部22の下端部22aが第2の回路基板12の第2電極12bに上側から押し付けられて弾力的に接触するように構成されている。
【0040】
次に、このような腕時計における時計モジュール4の作用について説明する。
この時計モジュール4を組み立てる場合には、予め、回路ブロック6を組み立てる。このときには、まず、ハウジング10の上面に第1の回路基板11を配置し、ハウジング10の下面に第2の回路基板12を接続部材17と共に配置する。
【0041】
すなわち、第1の回路基板11をハウジング10の上面に配置する際には、第1の回路基板11の基板取付孔11bを、ハウジング10の支持突起部26の軸挿入孔26aに同一軸上で対応させると共に、第1の回路基板11の第1電極11aをハウジング10の接続開口部19に対応させる。
【0042】
また、ハウジング10の下面に第2の回路基板12を接続部材17と共に配置する際には、まず、ハウジング10の支持突起部26の下面に接続部材17の本体部20の本体取付部23を配置して、本体取付部23の本体取付孔23aを支持突起部26の軸挿入孔26aに同一軸上で対応させ、かつ本体部20の延出部24をハウジング10の支持突起部26の内側面に沿って上方に向けて配置させると共に、本体部20の保持部25をハウジング10の接続開口部19内に配置させる。
【0043】
この状態で、第2の回路基板12をハウジング10の下面に配置させる。このときには、第2の回路基板12の切欠き部12cにハウジング10の支持突起部26を接続部材17の本体部20の延出部24と共に配置して、第2の回路基板12の第2電極12bをハウジング10の接続開口部19に対応させる。また、このときには、第2の回路基板12の基板開口部12aをハウジング10の電池収納部10aに対応させる。
【0044】
この状態では、ハウジング10の接続開口部19を挟んで第1の回路基板11と第2の回路基板12とが対面し、この第1の回路基板11と第2の回路基板12との間に、接続部材17の保持部25が第1の接触部21および第2の接触部22と共に配置される。このため、第1の接触部21の上端部21aが第1の回路基板11の第1電極11aに対応して弾力的に接触すると共に、第2の接触部22の下端部22aが第2の回路基板12の第2電極12bに対応して弾力的に接触する。
【0045】
この状態で、第2の回路基板12の下面に地板13を配置する。このときには、地板13の地板開口部13aを第2の回路基板12の基板開口部12aとハウジング10の電池収納部10aとに対応させると共に、地板13の地板取付孔13cを接続部材17の本体取付部23の本体取付孔23aとハウジング10の支持突起部26の軸挿入孔26aとに同一軸上で対応させる。
【0046】
また、このときには、地板13の外周部に設けられた複数のフック部15が、第2の回路基板12、ハウジング10、および第1の回路基板11の各外周部を通して、その各上端部が第1の回路基板11の上方に突出して配置される。これにより、回路ブロック6が組み立てられる。
【0047】
そして、この回路ブロック6にアナログブロック5を組み付ける。このときには、予め、アナログブロック5に固定部材18のナット28をその下側に露出させた状態で埋め込む。この状態で、アナログブロック5を回路ブロック6上に配置する。このときには、アナログブロック5に埋め込まれたナット28を回路ブロック6の第1の回路基板11に設けられた基板取付孔11bに同一軸上で対応させる。
【0048】
この状態で、アナログブロック5を回路ブロック6の第1の回路基板11上に配置する。このときには、地板13の外周に設けられた複数のフック部15がアナログブロック5の外周面に沿って上側に配置される。このため、複数のフック部15それぞれは、その上端部の係止孔15aにアナログブロック5の外周部に設けられた突起部5aが係合する。
【0049】
これにより、地板13およびその複数のフック部15によって、第2の回路基板12とハウジング10と第1の回路基板11とが重なり合うと共に、この第1の回路基板11上にアナログブロック5が重なり合い、この状態でアナログブロック5と回路ブロック6とが一体的に組み付けられる。
【0050】
そして、接続装置16の固定部材18によって、接続部材17を固定する。このときには、固定部材18のボルト27のねじ軸27aを、回路ブロック6の下側から地板13の地板取付孔13c、接続部材17の本体取付部23の本体取付孔23a、ハウジング10の支持突起部26の軸挿入孔26a、第1の回路基板11の基板取付孔11bを通して、アナログブロック5のナット28に螺合させて締め付ける。
【0051】
これにより、固定部材18は、ボルト27の頭部27bが、地板13を接続部材17の本体部20の本体取付部23に押し付け、この本体取付部23をハウジング10の支持突起部26に押し付けて固定すると共に、アナログブロック5のナット28がアナログブロック5と共に第1の回路基板11をハウジング10の上面に押し付けて固定する。
【0052】
このため、接続装置16の接続部材17は、固定部材18によって本体部20の本体取付部23が地板13とハウジング10の支持突起部26との間に挟まれて固定され、この状態で本体部20の保持部25に設けられた第1の接触部21の上端部21aが第1の回路基板11の第1電極11aに下側から押し付けられて弾力的に接触すると共に、第2の接触部22の下端部22aが第2の回路基板12の第2電極12bに上側から押し付けられて弾力的に接触する。
【0053】
これにより、接続装置16が回路ブロック6に組み付けられる。この場合、接続装置16は、第2の回路基板12の下面に配置された地板13が、電池9をハウジング10の電池収納部10a内に押し付ける電極板14と電気的に接続されることにより、地板13と電池9とが電気的に接続され、この地板13が接続部材17の本体部20の本体取付部23に接触して導通することにより、電池9と接続部材17とが電気的に接続される。
【0054】
このため、この接続装置16は、接続部材17の第1の接触部21が第1の回路基板11の第1電極11aに接触して導通し、第2の接触部22が第2の回路基板12の第2電極12bに接触して導通していることにより、電池9の電源が第1の回路基板11と第2の回路基板12とに確実にかつ良好に供給される。
【0055】
このように、この腕時計の時計モジュール4における接続装置16によれば、所定間隔で重なり合う状態で配置されて、対向面それぞれに第1、第2の電極11a、12bが設けられた第1、第2の回路基板11、12と、第2の回路基板12に対して固定される本体部20、および第1の回路基板11と第2の回路基板12との間に配置されて第1、第2の電極11a、12bそれぞれに接触する第1、第2の接触部21、22を備えた接続部材17と、第1の回路基板11、第2の回路基板12、および接続部材17を相互に固定する固定部材18と、を備えていることにより、接続信頼性を高めることができる。
【0056】
すなわち、この時計モジュール4の接続装置16では、固定部材18によって第1の回路基板11、第2の回路基板12、および接続部材17を相互に固定することができる。このため、固定部材18の固定力によって、接続部材17の第1の接触部21を第1の回路基板11の第1電極11aに確実に押し付けて接触させることができると共に、第2の接触部22を第2の回路基板12の第2電極12bに確実に押し付けて接触させることができる。これにより、第1の回路基板11と第2の回路基板12との間隔が大きく離れていても、安定した接続状態を確保することができるので、接続信頼性を高めることができる。
【0057】
また、この時計モジュール4の接続装置16では、接続部材17の本体部20に接触した状態で、電源に接続された導電部材である金属製の地板13を備えていることにより、この地板13によって電源を接続部材17の本体部20に供給し、この本体部20に設けられた第1の接触部21と第2の接触部22とによって第1の回路基板11と第2の回路基板12とに電源を確実にかつ良好に供給することができる。
【0058】
すなわち、この接続装置16では、電池9をハウジング10の電池収納部10a内に押し付けて固定する電極板14に地板13が電気的に接続されることにより、地板13と電池9とを電気的に接続することができ、この地板13が接続部材17の本体部20の本体取付部23に接触して導通することにより、電池9と接続部材17とを電気的に接続することができる。
【0059】
このため、この接続装置16では、接続部材17の第1の接触部21が第1の回路基板11の第1電極11aに接触し、第2の接触部22が第2の回路基板12の第2電極12bに接触していることにより、電池9の電源を第1の回路基板11と第2の回路基板12とに確実にかつ良好に供給することができる。
【0060】
この場合、第1の回路基板11と第2の回路基板12との間には、スペーサ部材であるハウジング10が配置され、このハウジング10には第1の接触部21と第2の接触部22とが配置される接続開口部19が設けられていることにより、接続部材17の第1の接触部21と第2の接触部22とをハウジング10の接続開口部19に良好に配置させて第1の回路基板11と第2の回路基板12とに確実に対向させることができる。
【0061】
また、このハウジング10の接続開口部19に対応する箇所に位置する第1の回路基板11と第2の回路基板12との対向面には、第1電極11aと第2電極12bとが設けられていることにより、接続部材17の第1の接触部21と第2の接触部22とをハウジング10の接続開口部19に配置させた際に、第1の接触部21を第1の回路基板11の第1電極11aに確実に対応させて接触させることができると共に、第2の接触部22を第2の回路基板12の第2電極12bに確実に対応させて接触させることができる。
【0062】
また、この接続装置16では、接続部材17の本体部20が、第2の回路基板12と並列な状態でハウジング10に配置される本体取付部23と、この本体取付部23から第2の回路基板12と第1の回路基板11との間に向けて延びる延出部24と、この延出部24から第1の回路基板11と第2の回路基板12との間にこれらとほぼ平行に延び、かつ第1の接触部21および第2の接触部22が設けられた保持部25と、を備えていることにより、接続部材17を簡単にかつ確実に組み付けることができる。
【0063】
すなわち、この接続装置16では、ハウジング10の支持突起部26の下面に本体取付部23を配置させて、延出部24を支持突起部26の内側面に配置させ、この状態でハウジング10の支持突起部26を第2の回路基板12に設けられた切欠き部12cに配置するだけで、第1の接触部21および第2の接触部22が設けられた保持部25をハウジング10の接続開口部19内に配置させることができると共に、この状態で接続部材17をハウジング10に確実に取り付けることができる。
【0064】
また、この接続装置16では、接続部材17が、スペーサ部材であるハウジング10の上面に位置する第1の回路基板11の下面に設けられた第1電極11aに弾接する第1の接触部21と、ハウジング10の下面に位置する第2の回路基板12の上面に設けられた第2電極12bに弾接する第2の接触部22と、を備えていることにより、接続部材17をハウジング10に取り付けた際に、接続部材17の第1の接触部21を第1の回路基板11の第1電極11aに正確に接触させることができると共に、接続部材17の第2の接触部22を第2の回路基板12の第2電極12bに正確に接触させることができる。
【0065】
この場合、第1の接触部21は、本体部20の保持部25の一側部から斜め上側に向けて延び、この延びた上端部21aが第1の回路基板11の第1電極11aに下側から弾力的に接触するように構成されていることにより、接続部材17をハウジング10に取り付けた際に、第1の接触部21を第1の回路基板11の第1電極11aに正確にかつ確実に接触させることができる。
【0066】
また、第2の接触部22は、本体部20の保持部25の一側部から斜め下側に向けて延び、この延びた下端部22aが第2の回路基板12の第2電極12bに上側から弾力的に接触するように構成されていることにより、接続部材17をハウジング10に取り付けた際に、第2の接触部22を第2の回路基板12の第2電極12bに正確にかつ確実に接触させることができる。
【0067】
このため、第1の回路基板11と第2の回路基板12との間隔が大きく離れていても、第1の接触部21を第1の回路基板11の第1電極11aに正確にかつ確実に接触させることができる共に、第2の接触部22を第2の回路基板12の第2電極12bに正確にかつ確実に接触させることができるので、より一層、安定した接続状態を確保して、接続信頼性を更に高めることができる。
【0068】
さらに、この接続装置16では、固定部材18が、導電部材である地板13、接続部材17の本体部20、第2の回路基板12、スペーサ部材であるハウジング10、および第1の回路基板11に順次貫通して、これらを締め付けて固定するねじ部材であることにより、地板13、接続部材17、第2の回路基板12、ハウジング10、および第1の回路基板11を重ね合わせた状態で、これらを確実に締め付けて固定することができる。
【0069】
すなわち、この固定部材18は、ねじ軸27aおよび頭部27bを備えたボルト27と、このボルト27のねじ軸27aに螺合するナット28と、を備え、第1の回路基板11上に配置されるアナログブロック5にナット28を埋め込んだ構成であるから、地板13、接続部材17、第2の回路基板12、ハウジング10、および第1の回路基板11を重ね合わせた状態で、これらにボルト27のねじ軸27aを貫通させてアナログブロック5にナット28に螺合させることができ、この状態でボルト27を確実にかつ強固に締め付けることができる。
【0070】
このため、この固定部材18では、第1の回路基板11からアナログブロック5内に突出するボルト27のねじ軸27aをナット28に螺合させて締め付けた際に、ボルト27の頭部27bによって地板13を接続部材17の本体部20の本体取付部23に押し付けることができ、この本体取付部23を第2の回路基板12の切欠き部12c内に配置されたハウジング10の支持突起部26に押し付けることができるので、接続部材17をハウジング10に確実にかつ強固に固定することができる。
【0071】
また、この固定部材18では、第1の回路基板11からアナログブロック5内に突出したボルト27のねじ軸27aをナット28に螺合させて締め付けた際に、ナット28によって第1の回路基板11をハウジング10の上面に押し付けることができるので、第1の接触部21の上端部21aを第1の回路基板11の第1電極11aに下側から確実に接触させることができると共に、第2の接触部22の下端部22aを第2の回路基板12の第2電極12bに上側から確実に接触させることができ、これにより接続状態を更に安定させることができ、より一層、接続信頼性を高めることができる。
【0072】
なお、上述した一実施形態では、接続装置16における接続部材17の第1の接触部21を本体部20の保持部25における一側部から斜め上側に傾斜させて形成し、第2の接触部22を本体部20の保持部25における一側部から斜め下側に傾斜させて形成した場合について述べたが、この発明はこれに限らず、例えば、
図8(a)〜
図8(d)に示す第1変形例のように構成しても良い。
【0073】
すなわち、
図8(a)〜
図8(d)に示された第1変形例の接続部材30は、第1の接触部31を接続部材30の本体部20の保持部25における一側部から上方(
図8(c)では下方)に向けてほぼ直角に折り曲げ、この折り曲げられた上端部(
図8(d)では下端部)を更に山形状(
図8(d)では谷形状)に折り曲げて接触片31aを形成し、この接触片31aを第1の回路基板11の第1電極11aに弾力的に接触させるように構成しても良い。
【0074】
同様に、この第1変形例の接続部材30は、第2の接触部32を接続部材30の本体部20の保持部25における一側部から下方(
図8(c)では上方)に向けてほぼ直角に折り曲げ、この折り曲げられた下端部(
図8(d)では上端部)を更に谷形状(
図8(d)では山形状)に折り曲げて接触片32aを形成し、この接触片32aを第2の回路基板12の第2電極12bに弾力的に接触させるように構成しても良い。このように構成しても、上述した一実施形態の接続部材17と同様の作用効果がある。
【0075】
また、この発明は、上述した実施形態の接続部材17および第1変形例の接続部材30に限らず、例えば、
図9(a)〜
図9(d)に示す第2変形例のように構成しても良い。すなわち、この第2変形例の接続部材35は、接続部材35の本体部20の保持部25の先端部に、第1の接触部36と第2の接触部37とを、互いに異なる方向に向けて形成するように構成しても良い。
【0076】
この場合には、例えば、第1の接触部36を、本体部20の保持部25から右斜め上側(
図9(d)では左斜め下側)に向けて傾斜させて形成し、この傾斜した上端部(
図9(d)では下端部)36aを第1の回路基板11の第1電極11aに弾力的に接触させるように構成すれば良い。
【0077】
また、この接続部材30では、第2の接触部37を、本体部20の保持部25から左斜め下側(
図9(d)では左斜め上側)に向けて傾斜させて形成し、この傾斜した下端部(
図9(d)では上端部)37aを第2の回路基板12の第2電極12bに弾力的に接触させるように構成すれば良い。このように構成しても、上述した一実施形態の接続部材17と同様の作用効果がある。
【0078】
さらに、上述した一実施形態およびその各変形例では、腕時計に適用した場合について述べたが、この発明は必ずしも腕時計である必要はなく、例えばトラベルウオッチ、目覚まし時計、置き時計、掛け時計などの各種の時計に適用することができる。また、この発明は、必ずしも時計である必要はなく、例えば携帯電話機、携帯情報端末機などの電子機器にも広く適用することができる。
【0079】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0080】
(付記)
請求項1に記載の発明は、所定間隔で重なり合う状態で配置され、かつ対向面それぞれに電極が設けられた複数の基板と、前記複数の基板のいずれかに対して固定される本体部、および前記本体部に設けられ、かつ前記複数の基板間に配置されて前記電極それぞれに接触する複数の接触部を備えた接続部材と、前記複数の基板および前記接続部材の前記本体部を相互に固定する固定部材と、を備えていることを特徴とする接続装置である。
【0081】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の接続装置において、前記接続部材の前記本体部に接触した状態で、電源に接続された導電部材を備えていることを特徴とする接続装置である。
【0082】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の接続装置において、前記複数の基板は、第1の基板と第2の基板とを備え、前記第1の基板と前記第2の基板との間にはスペーサ部材が配置され、前記スペーサ部材には前記複数の接触部が配置される開口部が設けられ、前記開口部に対応する箇所に位置する前記第1の基板と前記第2の基板との対向面それぞれには前記電極が設けられていることを特徴とする接続装置である。
【0083】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の接続装置において、前記接続部材の前記本体部は、前記スペーサ部材に配置される本体取付部と、前記本体取付部から前記第2の基板と前記第1の基板との間に向けて延びる延出部と、前記延出部から前記第1の基板と前記第2の基板との間にこれらとほぼ平行に延び、かつ前記複数の接触部が設けられた保持部と、を備えていることを特徴とする接続装置である。
【0084】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の接続装置において、前記複数の接触部は、前記本体部の前記保持部に設けられて、前記スペーサ部材の上面に位置する前記第1の基板の下面に設けられた第1の電極に弾接する第1の接触部と、前記本体部の前記保持部に設けられて、前記スペーサ部材の下面に位置する前記第2の基板の上面に設けられた第2の電極に弾接する第2の接触部と、を備えていることを特徴とする接続装置である。
【0085】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の接続装置において、前記第1の接触部は、前記本体部の前記保持部における一側部から上方に形成し、前記第2の接触部は、前記本体部の前記保持部における前記一側部から下方に形成されていることを特徴とする接続装置である。
【0086】
請求項7に記載の発明は、請求項3〜請求項6のいずれかに記載の接続装置において、前記固定部材は、電源に接続された導電部材、前記接続部材の前記本体部、前記第2の基板、前記スペーサ部材、および前記第1の基板に順次貫通して、これらを締め付けて固定するねじ部材であることを特徴とする接続装置である。
【0087】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれかに記載された接続装置を備えていることを特徴とする時計である。