(54)【発明の名称】ダム施工用の測量用写真撮影方法、これを利用したダム施工用の出来形管理図生成方法、コンクリート打設量算出方法、出来形管理図生成システム及びコンクリート打設量算出システム並びに出来形管理図生成支援プログラム
【解決手段】岩盤面を被覆する表面保護部材のうち予め設定された掘削範囲を掘削後の岩盤面部分を含む撮影対象領域550内に、ダム提体の上流側及び下流側にそれぞれ設置された型枠のうち岩盤面と対向する位置に設置された2つの型枠部301R及び302Rの上角部を利用して右岸第1及び第2基準点501a及び501bを設定する。加えて、これら基準点501a及び501bの略中間位置で且つ岩盤面部上の所定高さ位置に第3の基準点501cを設定する。そして、基準点を設定後の撮影対象領域550を、地上又はダム提体の既設部上の異なる複数の撮影位置から、デジタルカメラDCによって、撮影位置のそれぞれで複数枚ずつ且つ隣接する撮影画像同士で撮影領域の一部が重複するように撮影して複数の撮影画像を得る。
前記撮影工程においては、作業者が、前記岩盤面部分の幅方向の一方の側から他方の側に向かって移動しつつ複数箇所で立ち止まり、その立ち止まった際に、高さ方向の撮影角度を変えながら複数枚を撮影することで、前記複数の撮影画像を得る請求項2に記載のダム施工用の測量用写真撮影方法。
前記基準点設定工程においては、前記撮影対象領域内に少なくとも1つの前記基準点を設定すると共に、前記2つの型枠の角部に標識を設置する請求項1から4の何れか1項に記載のダム施工用の測量用写真撮影方法。
ダム提体を岩着する岩盤面部分の3次元点群データからダム提体の岩着部を含むコンクリート打設区画の出来形を管理するための出来形管理図を生成する3次元CADソフトの画面操作を支援する出来形管理図生成支援プログラムであって、
予め用意された前記3次元点群データを用いて前記岩盤面部分のTIN(triangulated irregular network)モデルを生成するのに必要な前記3次元CADソフトの画面操作を行う一連の操作入力情報である第1の操作情報を該3次元CADソフトに入力する第1の操作入力ステップと、
前記第1の操作情報の入力による画面操作に応じて前記3次元CADソフトが前記TINモデルを生成後に、等高線座標情報を抽出するための高度の入力を受け付ける高度入力受付ステップと、
前記高度の入力を受け付けたと判定すると、入力高度に対応する等高線座標情報を前記TINモデルから抽出するのに必要な前記3次元CADソフトの画面操作を行う一連の操作入力情報である第2の操作情報を該3次元CADソフトに入力する第2の操作入力ステップと、
前記第2の操作情報の入力による画面操作に応じて前記3次元CADソフトが前記入力高度に対応する等高線座標情報を抽出後に、前記入力高度の等高線画像を、予め用意された前記等高線画像の高度位置で前記岩盤面部分と対向するダム提体の既設部を切断した断面画像に合成して、前記入力高度に対応するダム岩着部を含むコンクリート打設区画の出来形管理図を生成するのに必要な前記3次元CADソフトの画面操作を行う一連の操作入力情報である第3の操作情報を該3次元CADソフトに入力する第3の操作入力ステップと、を含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを含む出来形管理図生成支援プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、部材ないし部分の縦横の寸法や縮尺は実際のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法や縮尺は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0020】
なお、本実施形態では、本発明を重力式コンクリートダムの施工に適用した場合を例に挙げて説明する。
以下、重力式コンクリートダムの施工手順の一部を大まかに説明する。ここで、本実施形態では、ダムの施工方法として拡張レヤ工法を適用した場合を例に挙げて説明する。
(1)
図1(a)に示すような河川を囲む地山100の同図中の破線で示すダムサイト100dの範囲内を掘削して岩盤を露出させる。加えて、露出させた岩盤の表層の土砂や風化岩を除去する。これによって、
図1(b)に示すように、ダム提体の底面を支持する基礎地盤101、上流側から見てダム提体の右側面を支持する右岸基礎岩盤102及びダム提体の左側面を支持する左岸基礎岩盤103を露出させる。更に、グラウチングを行って、基礎地盤101、右岸基礎岩盤102及び左岸基礎岩盤103の強度、変形性及び遮水性等を改良する。なお、
図1(b)中の破線で示す部分が、ダム提体を建設する領域であるダム提体領域104となる。
【0021】
(2)右岸基礎岩盤102及び左岸基礎岩盤103の表面に対して、岩盤の風化を防ぐための表面保護部材である保護モルタルを吹き付ける。これによって、
図1(c)に示すように、ダム提体領域104における、右岸基礎岩盤102の表面を覆う右岸保護部201と、左岸基礎岩盤103の表面を覆う左岸保護部202とを形成する。
【0022】
(3)
図1(d)及び
図2に示すように、予め計画したコンクリートの打設順に、一度に打設可能な複数の打設区画毎に、本実施形態ではスライド式の型枠を設置する。以下、各打設区画を「小区画」、一度に打設可能な複数の打設区画(小区画)を「大区画」と記載する場合がある。
具体的に、
図2に示すように、大区画の上流側及び下流側にそれぞれダム提体の型枠として下流側型枠301及び上流側型枠302(以下、単に「型枠301及び302」と略記する場合がある)を設置する。ここで、下流側型枠301は、ダム提体の下流側の面が傾斜面となるため上流側に向かって斜めに立ち上がっている。なお、
図2に示すように、破線で区切られた区画が小区画となり、複数の連続する小区画から大区画が形成される。
【0023】
(4)大区画毎に型枠301及び302で挟まれた内側の領域内に区画間でリフト差が生じないようにコンクリートを打設する。即ち、拡張レヤ工法では、コンクリートを面状に打設していく。
(5)型枠301及び302の高さ分のコンクリートの打設を完了後は、型枠301及び302をリフトアップする。そして、リフトアップ後の大区画に対して、コンクリートを打設する。
上記(3)〜(5)を繰り返し、大区画の型枠の設置又はリフトアップ及び一定リフト高さのコンクリートの打設の一連の施工を、本実施形態では、
図2に示すように、左岸から右岸に向かって行う。即ち、一度に打設可能な大区画毎に左岸から右岸に向かって面状にコンクリートを打設していく。このようにして、ダム提体を構築する。
【0024】
ここで、重力式コンクリートダムの施工では、型枠301及び302を設置後又はリフトアップ(スライドアップともいう)後に、TS等の測量機械によって型枠301の正確な位置(3次元座標)が測量される。
また、ダム提体の右岸基礎岩盤102及び左岸基礎岩盤103との岩着部を含むコンクリート打設区画は、型枠301及び302の設置前及びリフトアップ前に、右岸保護部201及び左岸保護部202の一部を掘削する。具体的に、予め設定された範囲(例えば、5〜6リフト分)の保護モルタルを掘削してダム提体の側面を岩着する岩盤面、即ち岩着面を露出させる。
【0025】
そして、岩着面を露出後は、この岩着面及びダム提体の岩着部を含むコンクリートの打設区画(以下、「岩着区画」と記載する場合がある)に型枠301及び302を設置後に岩着面の形状を測量する。なお、型枠301及び302が既に設置されている場合は、型枠301及び302のリフトアップ前に岩着面の形状を測量する。更に、この測量結果に基づき、岩着区画の1リフト分の正確なコンクリート打設量を計算し、発注者との協議により打設量が確定してから該当する岩着区画にコンクリートを打設する。
ここで、岩盤面を測量する際に、従来は、TS等の測量機械を用いて作業者2名以上にて1リフト毎に岩着面の測量を行っていた。これに対して、本実施形態では、デジタルカメラによる写真測量を用いて1人の作業者によって複数リフト分を一度に測量する。
【0026】
以下、本実施形態に係るダム施工用の測量用写真撮影方法を利用した岩着区画のコンクリート打設手順について説明する。
岩着区画に型枠を設置する際又は岩着区画に既設の型枠をリフトアップする際に、
図3に示すように、まず、ステップS1に移行する。
ステップS1では、型枠の設置前又はリフトアップ前に、予め設定された範囲の保護モルタル部分を掘削する。その後、ステップS2に移行する。
ここで、保護モルタルの掘削範囲は、例えば、ダム提体の総リフト数をN(例えば、N=40)として、Mリフト(Mは2≦M<Nの自然数)分の範囲となる。なお、後述する撮影諸元で精度良く撮影を行うためには、1リフトを1.5[m]としてMを5〜6に設定するのが望ましい。
【0027】
具体的に、本実施形態では、
図4(a)に示すように、例えば、右岸の岩着区画に型枠301及び302を設置する前段階で、
図4(b)及び
図6(a)に示すように、右岸保護部201を構成する保護モルタルのうち5リフト分の範囲を掘削する。
保護モルタルを掘削することによって、右岸基礎岩盤102のダム提体が岩着する部分である右岸岩着面部102aを露出させる。なお、左岸側を施工する場合も同様に、型枠設置前又はリフトアップ前に、例えば左岸保護部202の5リフト分の保護モルタルを掘削して、左岸基礎岩盤103のダム提体が岩着する部分である左岸岩着面部103aを露出させる。
ステップS2では、右岸岩着面部102a又は左岸岩着面部103aのうち今回の撮影対象の岩着面部を含む撮影対象領域内に3点以上の基準点を設定する。その後、ステップS3に移行する。
【0028】
本実施形態では、例えば、
図4(c)及び
図5(a)に示すように、右岸岩着区画RCRに型枠を設置後でかつコンクリートの打設前に、右岸岩着面部102aに接する型枠部分である下流側右型枠部301R及び上流側右型枠部302Rの2箇所の型枠部を基準点として利用する。具体的に、2箇所の型枠部301R及び302Rの右岸岩着面部102aと接する端部の上側角部をそれぞれ右岸第1基準点501a及び右岸第2基準点501bとして利用する。この際、本実施形態では、例えば、
図5(b)に示すような、対空標識600を設置する。
【0029】
一方、本実施形態において、保護モルタルを掘削後に下流側右型枠部301R及び上流側右型枠部302Rをリフトアップする段階では、
図7に示すように、リフトアップする前の2箇所の型枠部301R及び302Rの右岸岩着面部102aと接する端部の上側角部をそれぞれ右岸第1基準点501a及び右岸第2基準点501bとして利用する。なお、これに限らず、リフトアップ後の型枠部301R及び302Rを基準点として利用する構成としてもよい。
ここで、型枠の位置は事前にTS等の測量機械による測量(以下、「型枠測量」と記載する場合がある)によって正確な位置が測量されている。そこで、本実施形態では、この3次元座標が既知の型枠の位置を基準点として利用している。
【0030】
更に、本実施形態では、
図5(a)に示すように、ダム軸と直交する方向の位置が、右岸第1基準点501a及び右岸第2基準点501bの略中間位置で、かつ右岸岩着面部102a上の任意の高さ位置に、右岸第3基準点501cを設定する。この右岸第3基準点501cも他の基準点と同様に対空標識600を設置することで設定する。但し、この右岸第3基準点501cは、正確な位置が不明である。そのため、例えば、型枠等の座標情報が既知の箇所からスチールテープ等を引っ張ってきて、このスチールテープの幅方向及び高さ方向の長さを測り、この長さ分を既知の座標情報に対して加減算して求めるようにする。なお、この方法に限らず、別途TS等の測量機械で測量して求めるようにしてもよいし、写真撮影の前に型枠を先に設置する場合又はリフトアップする場合は、型枠測量の際に、ついでに右岸第3基準点501cの位置を求めておくようにしてもよい。
【0031】
一方、本実施形態において、保護モルタルを掘削後に下流側右型枠部301R及び上流側右型枠部302Rをリフトアップする段階では、
図7に示すように、右岸第1基準点501a及び右岸第2基準点501bの略中間位置で、かつ右岸岩着面部102a上の任意の高さ位置に、右岸第3基準点501cを設定する。
左岸側も同様に、
図5(a)及び
図7に示すように、左岸岩着区画RCLに型枠を設置後又は既設の型枠のリフトアップ前に、下流側左型枠部301L及び上流側左型枠部302Lの左岸岩着面部103aと接する端部の上側角部をそれぞれ左岸第1基準点502a及び左岸第2基準点502bに設定する。更に、これらの略中間位置で、かつ左岸岩着面部103a上の任意の高さ位置に、左岸第3基準点502cを設定する。
【0032】
ステップS3では、保護モルタルを掘削後の露出した岩着面部分と、岩着面部分の基準点位置及び型枠部の基準点位置に設置された対空標識600とを含む撮影対象領域を、デジタルカメラによって撮影する。その後、ステップS4に移行する。
ここで、本実施形態では、
図4(c)及び
図6(a)に示すように、撮影対象領域を、地上又は養生後のコンクリート上(ダム提体の既設部上)から、デジタルカメラDCによって撮影する。即ち、岩着区画に型枠301及び302を設置時は、コンクリートの打設前となるため地上から撮影し、岩着区画の型枠301及び302のリフトアップ時は、コンクリートの打設後となるので既設部上から撮影する。
【0033】
また、本実施形態では、撮影画像データから3次元点群データを生成する際の画像処理技術として、公知のSFMを採用した既存の画像処理ソフトを利用する。SFMのマッチング処理には、特徴点を抽出するために1000万画素以上の撮影画像が必要となるため、有効画素数が1000万画素以上のデジタルカメラDCを用いて撮影を行う。
また、撮影前の準備として、撮影諸元の設定を行う。本実施形態では、写真測量によって得た測量データから、最終的に、岩着区画の出来形を3次元モデルで表現すると共に、この出来形のデータから岩着区画の1リフト毎のコンクリート打設量を算出する。そのため、本実施形態では、計測精度を2[cm]に設定する。具体的に、2[cm]の計測精度を確保するため、GSD(Ground Sample Distance:地上サンプル距離)が0.4[cm]以下となるように撮影諸元(焦点距離、撮影距離等)を設定する。
【0034】
ここで、一般に、GSDを、目標とする計測精度の1/5(例えば、計測精度が1[cm]なら0.2[cm])とすることで、その計測精度が得られる。
撮影諸元の設定後は、例えば、
図6(a)及び(b)に示すように、右岸側の撮影対象領域550を、地上又はダム提体の既設部上の異なる複数の撮影位置から、デジタルカメラDCによって、撮影位置のそれぞれで複数枚ずつ撮影する。加えて、隣接する撮影画像同士で撮影領域の一部が重複(ラップ)するように撮影を行う。これにより、撮影対象領域550が、複数の撮影領域に分割された複数の撮影画像を得る。以下、この撮影方法を「ステレオ撮影」と記載する場合がある。
【0035】
本実施形態では、
図6(a)及び(b)に示すように、作業者は、撮影対象領域550を、地上又はダム提体の既設部上から手持ちのデジタルカメラDCで、右岸岩着面部102aから所定距離(例えば、10[m]以下)を空けた位置から撮影する。
具体的に、作業者は、
図6(b)に示すように、撮影距離をなるべく保ちながら、右岸岩着面部102aの幅方向の一方の側から他方の側に向かって移動しつつ複数箇所で立ち止まり、その立ち止まった際に、
図6(a)に示すように、高さ方向の撮影角度を変えながら複数枚の撮影を行う。例えば、幅方向に所定距離(例えば、2[m])を移動しては立ち止まり、立ち止まった位置で複数枚を撮影といった動作を、幅方向の一方の側から他方の側まで繰り返し行う。
【0036】
ここで、十分な精度のステレオマッチングを行うために必要なラップ率は、オーバーラップ率が60[%]以上、サイドラップ率が30[%]以上となる。そのため、
図6(b)の例では、オーバーラップ率80[%]、サイドラップ率80[%]となるように撮影を行っている。なお、
図6(b)に示す撮影領域560a〜560qのうち、枠線の種類が同じ領域が、同じ撮影位置からの撮影領域となる。
また、
図6(b)に示すように、撮影対象領域550内には、右岸第1〜第3基準点501a〜501cが含まれており、ラップ状態で連続する複数の撮影領域のいずれかに、これら3つの基準点が必ず写り込むように撮影する。
図6(b)の例では、撮影領域560g及び560nに右岸第1基準点501aが、撮影領域560j及び560qに右岸第2基準点501bが、撮影領域560i及び560hに右岸第3基準点501cが含まれている。なお、左岸側も右岸側と同様の要領で撮影を行う。
【0037】
ステップS4では、ステップS3で撮影して得られた撮影対象領域の複数の撮影画像データから、3次元点群データ生成用の画像処理ソフトを用いて、撮影対象領域の3次元点群データを生成する。その後、ステップS5に移行する。
ステップS5では、ステップS4で生成した3次元点群データから、3次元CADソフトを用いて、撮影対象領域に含まれる岩着区画に対応する出来形管理図を生成する。その後、ステップS6に移行する。
【0038】
ステップS6では、ステップS5で生成した出来形管理図のデータに基づき、1リフト毎の岩着区画のコンクリートの打設に必要なコンクリート打設量を算出する。その後、ステップS7に移行する。即ち、右岸岩着区画RCR又は左岸岩着区画RCLの1リフト毎のコンクリート打設量VR又はVLを算出する。
ステップS7では、コンクリート打設量が確定した岩着区画に対して、型枠のリフトアップが必要な場合はリフトアップを行ってから1リフト毎にコンクリートの打設を行う。その後、一連の処理を終了する。
【0039】
上記S1〜S7の処理は、保護モルタルを掘削した分の岩着面部に対するコンクリートの打設が完了する毎に繰り返し行われる。
具体的に、
図4(d)に示すように、前回の保護モルタルの掘削範囲(例えば、5リフト分)に対してコンクリートの打設が完了し、岩着区画の手前の区画まで型枠のリフトアップが完了したとする。なお、
図4(d)中の符号401は、打設済のコンクリートから構成されるダム提体の既設部である。この状況において、岩着区画の型枠のリフトアップを行う前に、例えば、
図4(e)に示すように、右岸保護部201の次の範囲の保護モルタルが掘削される。
【0040】
保護モルタルを掘削後は、引き続き、
図7に示すように、リフトアップ前の型枠部301R及び302Rの右岸岩着面部102aと接する側の端部の上側角部を右岸第1基準点501a及び右岸第2基準点501bとして設定する。加えて、ダム軸と直交する方向の位置が、右岸第1基準点501a及び右岸第2基準点501bの略中間位置で、かつ右岸岩着面部102a上の任意の高さ位置に、右岸第3基準点501cを設定する。左岸側も同様の手順で、左岸第1基準点502a、左岸第2基準点502b及び左岸第3基準点502cを設定する。即ち、各基準点位置に
図5(b)に示す対空標識600を設置する。以降は、上記同様にステップS3〜S7の手順で測量用写真の撮影、3次元点群データの生成、出来形管理図の生成、コンクリート打設量の算出及び岩着区画のコンクリートの打設を行う。
【0041】
(岩着部施工情報生成システム1の構成)
次に、上記ステップS4〜S6の3次元点群データの生成、出来形管理図の生成、及びコンクリート打設量の算出を行うシステムである、本実施形態に係る岩着部施工情報生成システム1について説明する。
この岩着部施工情報生成システム1は、
図8に示すように、出来形情報生成装置2と、点群データ生成装置3とを備える。出来形情報生成装置2と、点群データ生成装置3とは、インターネット700を介して相互にデータ通信可能に接続されている。
出来形情報生成装置2は、3次元CADソフトによって、撮影対象領域の3次元点群データから、岩着面のTINモデルの生成、及び岩着区画の出来形管理図の生成を行う。更に、生成した出来形管理図のデータから撮影対象領域に含まれる岩着区画の1リフト毎のコンクリート打設量を算出する。
【0042】
点群データ生成装置3は、インターネット700を介して送信されてきた、撮影対象領域をステレオ撮影して得られた複数の撮影画像データから、SFMを用いて撮影対象領域の3次元点群データを生成する。そして、生成した3次元点群データを、インターネット700を介して撮影データの送信元の端末に送信する。即ち、点群データ生成装置3は、3次元点群データを生成するクラウドサービスを提供するサーバ装置である。例えば、オートデスク社の提供する「ReCap(登録商標) 360 クラウドサービス」のサーバ装置などが該当する。ここで、「ReCap 360」は、SFMを用いて3次元点群データを生成する画像処理ソフトである。
【0043】
具体的に、点群データ生成装置3は、点群データ生成サービス用のWebページを提供している。点群データ生成装置3は、このWebページを介して、出来形情報生成装置2からの3次元点群データの生成依頼と、ステレオ撮影された撮影対象領域の複数の撮影画像データと、基準点の位置情報等を含む3次元点群データの生成に必要な情報とを取得する。そして、取得した撮影画像データ及び情報から撮影対象領域の3次元点群データを生成し、生成した3次元点群データを、インターネット700を介して依頼元の出来形情報生成装置2へと送信する。
【0044】
(出来形情報生成装置2のハードウェア構成)
次に、出来形情報生成装置2の具体的なハードウェア構成を説明する。
出来形情報生成装置2は、
図9に示すように、コンピュータシステムとして、CPU(Central Processing Unit)20と、RAM(Random Access Memory)21と、ROM(Read Only Memory)22とを備える。加えて、入出力インターフェース(I/F)24と、データ転送用の各種内外バス25とを備える。
このコンピュータシステムは、CPU20、RAM21及びROM22との間を各種内外バス25で接続していると共に、このバス25に入出力I/F24を介して、入力装置40、表示装置41、通信装置42、記憶装置43及びメモリカードリーダ44が接続されている。
【0045】
そして、電源を投入すると、ROM22や記憶装置43等に記憶されたBIOS等のシステムプログラムが、ROM22や記憶装置43等に予め記憶された各種のコンピュータプログラムをRAM21にロードする。そして、RAM21にロードされたプログラムに記述された命令に従ってCPU20が各種リソースを駆使して所定の制御及び演算処理を行うことで後述する各機能をソフトウェア上で実現できるようになっている。
入力装置40は、マウスやキーボードなどの周知のヒューマンインターフェースデバイスから構成される。
【0046】
表示装置41は、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、有機ELディスプレイなどの周知の表示デバイスから構成される。
通信装置42は、LAN、WAN等のネットワーク上の外部装置と通信するためのデバイスであり、一般にLANカード等と呼ばれる周知のネットワークアダプタなどから構成される。通信装置42は、ネットワークケーブルを介してルータやハブ等に接続され、これらを介して、出来形情報生成装置2をインターネット700に接続する。
【0047】
記憶装置43は、ハードディスク等の大容量の記憶デバイスから構成されている。この記憶装置43には、3次元CADソフトや、Webブラウザプログラム、出来形管理図生成支援用のプログラム、コンクリート打設量演算用のプログラム等の各種プログラム、各種プログラムの実行に必要なデータ等が記憶されている。例えば、ダム提体の既設部の測量データや、現場(ダムサイト100d)の測量図面、型枠の測量データ等が記憶されている。
メモリカードリーダ44は、本実施形態では、デジタルカメラDC等の電子機器で用いられているデータ記憶用のメモリカードからデータを読み出す装置である。
【0048】
(出来形情報生成装置2の機能構成)
次に、出来形情報生成装置2の具体的な機能構成を説明する。
出来形情報生成装置2の機能構成部50は、
図10に示すように、Webブラウザ機能部51と、データ通信制御部52と、出来形管理図生成支援部53と、3次元CAD機能部54と、打設量算出部55とを備える。なお、これら各構成部の機能は、CPU20によって、各種プログラムを実行することで実現される機能となる。
Webブラウザ機能部51は、公知のWebブラウザと同等の機能を有している。本実施形態のWebブラウザ機能部51は、主に点群データ生成装置3の提供する点群データ生成サービスを利用する際に用いられる。即ち、Webブラウザ機能部51は、入力装置40を介した、点群データ生成装置3の提供する3次元点群データ生成サービス用のWebページのURLの入力に応じて、データ通信制御部52を介して、点群データ生成装置3にアクセスする。そして、点群データ生成装置3からWebページのデータを受信し、受信したデータに基づき3次元点群データ生成用のWebページを表示装置41に表示する。
【0049】
その後、入力装置40を介した作業者の操作入力によって、撮影対象領域の複数の撮影画像データが選択され、かつその送信指示が入力されると、Webブラウザ機能部51は、選択された複数の撮影画像データを、データ通信制御部52を介して点群データ生成装置3に送信する(アップロードする)。
更に、Webブラウザ機能部51は、点群データ生成装置3で3次元点群データが生成された後は、入力装置40を介した作業者の3次元点群データの表示指示の操作入力に応じて、指定された3次元点群データを表示装置41に表示する。
【0050】
また、Webブラウザ機能部51は、入力装置40を介した作業者の3次元点群データのダウンロード指示の操作入力に応じて、指定された3次元点群データを、データ通信制御部52を介してダウンロードする。そして、ダウンロードした3次元点群データを、記憶装置43に記憶する。
データ通信制御部52は、Webブラウザ機能部51等の機能構成部からのデータ送信要求に応じて、通信装置42を介して、インターネット700に接続された点群データ生成装置3等の外部装置へとデータを送信する。また、インターネット700を介して外部装置から出来形情報生成装置2に送信されてきたデータを、通信装置42を介して受信し、受信したデータを、対応する機能構成部へと出力する。
【0051】
出来形管理図生成支援部53は、出来形管理図の生成に必要な3次元CAD機能部54の画面操作を支援する機能を有する。具体的に、出来形管理図生成支援部53は、CPU20によって、記憶装置43にインストールされている3次元CADソフトが実行され、3次元CAD機能部54が機能している状態のときに支援処理を実行する。そして、出来形管理図の生成に必要な画面操作を自動化する。
この画面操作の自動化は、例えば、画像認識技術を用いて行う。即ち、画面操作時にマウスでクリックされるドロップダウンマーク等のマークや文字等を画像認識し、認識した画像位置をマウスでクリックする操作入力情報を生成する。そして、この操作入力情報を、3次元CADソフトに入力することで、作業者がマウスを操作することなく認識された画像をクリックする。この自動化を行うプログラムは、例えば、公知のソフトウェアであるSikuliを利用することで容易に作成可能である。Sikuliは、画像認識を使ってUI(User Interface)の操作を自動化するソフトウェアである。
【0052】
3次元CAD機能部54は、TINモデル生成部54aと、等高線座標情報抽出部54bと、出来形管理図生成部54cとを備える。
TINモデル生成部54aは、岩着面部分を含む撮影対象領域の3次元点群データと現場測量データ(CAD平面図データ)とから岩着面部分のTINモデルを生成する機能を有している。なお、このような機能を有する3次元CADソフトとしては、例えば、オートデスク社の「AutoCAD Civil3D(登録商標)」等がある。
等高線座標情報抽出部54bは、岩着面部分のTINモデルから、入力された高度に対応する等高線座標情報を抽出する機能を有している。
【0053】
出来形管理図生成部54cは、抽出した等高線座標情報から形成される等高線画像(岩着面の凹凸を示す画像)を、入力された高度に対応するダム提体の岩着区画と隣接する区画の既設部の断面図に合成して、岩着区画の出来形管理図を生成する機能を有している。
打設量算出部55は、岩着区画の出来形管理図から読み取れるコンクリート打設量の算出に必要な情報(岩着区画の平面積又は平面積を算出するのに必要な情報など)の入力に応じて、対応する高度の岩着面部分の1リフト分のコンクリート打設量を算出する。例えば、前回の平面積と今回の平面積とを足して2で割り、この結果に1リフト分の高さ(例えば1.5[m])を乗算することで次に打設する1リフト分のコンクリート打設量を算出する。そして、今回の平面積と算出したコンクリート打設量とを高度情報等と対応付けて記憶装置43に記憶すると共に算出したコンクリート打設量を表示装置41に表示する。
【0054】
(出来形管理図生成支援処理)
次に、出来形管理図生成支援部53で実行される出来形管理図生成支援処理の処理手順を説明する。
CPU20において、出来形管理図生成支援プログラムが実行され出来形管理図生成支援処理が開始されると、
図11に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS100では、出来形管理図生成支援部53において、OKボタン画像及び取消ボタン画像を含む開始選択用のポップアップ画像を表示装置41に表示する。その後、ステップS102に移行する。
ステップS102では、出来形管理図生成支援部53において、入力装置40を介した操作入力によってOKボタン画像が押下されたか否かを判定する。そして、OKボタン画像が押下されたと判定した場合(Yes)は、ステップS104に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS120に移行する。
【0055】
ステップS104に移行した場合は、出来形管理図生成支援部53において、予め指定された3次元点群データからTINモデルを生成するために必要な画面操作を行う操作入力情報である第1の操作情報IN1を、3次元CAD機能部54のTINモデル生成部54aに入力する。そして、TINモデルの生成後に、ステップS105に移行する。
ここで、第1の操作情報IN1は、例えば、TS等によって測量されたダムサイトの測量図面(CAD平面図)に、3次元点群データを貼り付ける画面操作の入力情報、3次元点群データからTINモデルを生成するための詳細設定をする画面操作の入力情報などが含まれる。
【0056】
ステップS105では、出来形管理図生成支援部53において、TINモデルから等高線座標情報を抽出するためにTINモデルを等高線俯瞰表示して高度を入力する画面を表示するまでに必要な画面操作を行う操作入力情報である第2の操作情報IN2を、3次元CAD機能部54の等高線座標情報抽出部54bに入力する。そして、高度を入力する画面の表示後に、ステップS106に移行する。
ステップS106では、出来形管理図生成支援部53において、抽出する等高線座標の高度の入力を促すメッセージ画像とOKボタン画像とを含む高度入力用のポップアップ画像を表示装置41に表示する。その後、ステップS108に移行する。
【0057】
ステップS108では、出来形管理図生成支援部53において、高度が入力されたか否か(高度が入力されかつOKボタン画像が押下されたか否か)を判定する。そして、高度が入力されたと判定した場合(Yes)は、ステップS110に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、入力されるまで判定処理を繰り返す。
ステップS110に移行した場合は、出来形管理図生成支援部53において、等高線俯瞰表示されたTINモデルから、入力高度に対応する等高線座標情報を抽出するのに必要な画面操作を行う操作入力情報である第3の操作情報IN3を、3次元CAD機能部54の等高線座標情報抽出部54bに入力する。そして、入力高度に対応する等高線座標情報の抽出後に、ステップS112に移行する。
【0058】
ステップS112では、出来形管理図生成支援部53において、抽出した等高線座標情報を、この等高線座標情報に対応する高度のダム提体の既設部の断面図に合成して出来形管理図を生成するのに必要な画面操作の入力情報である第4の操作情報IN4を、3次元CAD機能部54の出来形管理図生成部54cに入力する。そして、出来形管理図の生成後に、ステップS114に移行する。
ステップS114では、出来形管理図生成支援部53において、生成された出来形管理図の保存名の入力を促すメッセージ画像とOKボタン画像とを含む保存名入力用のポップアップ画像を表示装置41に表示する。その後、ステップS116に移行する。
【0059】
ステップS116では、出来形管理図生成支援部53において、保存名が入力されたか否か(保存名が入力されかつOKボタン画像が押下されたか否か)を判定する。そして、入力されたと判定した場合(Yes)は、ステップS118に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、入力されるまで判定処理を繰り返す。
ステップS118に移行した場合は、出来形管理図生成支援部53において、入力された保存名で出来形管理図の画像データを記憶装置43に保存するのに必要な画面操作を行う操作入力情報である第5の操作情報IN5を3次元CAD機能部54の出来形管理図生成部54cに入力する。その後、一連の処理を終了する。
一方、ステップS102において、OKボタン画像が押下されずにステップS120に移行した場合は、出来形管理図生成支援部53において、取消ボタン画像が押下されたか否かを判定する。そして、取消ボタン画像が押下されたと判定した場合(Yes)は、一連の処理を終了し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS102に移行する。
【0060】
(出来形管理図生成処理)
次に、3次元CAD機能部54で実行される出来形管理図生成処理の処理手順を説明する。
CPU20において、3次元CADソフトが起動されると、
図12に示すように、まず、ステップS200に移行する。
ステップS200では、3次元CAD機能部54において、第1の操作情報IN1が入力されたか否かを判定する。そして、第1の操作情報IN1が入力されたと判定した場合(Yes)は、ステップS202に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、第1の操作情報IN1が入力されるまで判定処理を繰り返す。
【0061】
ステップS202に移行した場合は、3次元CAD機能部54のTINモデル生成部54aにおいて、入力された第1の操作情報IN1による画面操作に応じて、詳細情報を設定すると共に3次元点群データを現場CAD図面の対応する座標位置に貼り付ける。その後、詳細設定情報及び現場CAD図面の情報に加えて3次元点群データからTINモデルを生成して、ステップS203に移行する。
ステップS203では、3次元CAD機能部54において、第2の操作情報IN2が入力されたか否かを判定する。そして、入力されたと判定した場合(Yes)は、ステップS204に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、第2の操作情報IN2が入力されるまで判定処理を繰り返す。
【0062】
ステップS204に移行した場合は、3次元CAD機能部54の等高線座標情報抽出部54bにおいて、入力された第2の操作情報IN2による画面操作に応じて、等高線俯瞰図を表示すると共に、抽出対象の等高線座標情報の高度を入力する画面を表示する。その後、ステップS206に移行する。
ステップS206では、3次元CAD機能部54において、第3の操作情報IN3が入力されたか否かを判定する。そして、第3の操作情報IN3が入力されたと判定した場合(Yes)は、ステップS208に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、第3の操作情報IN3が入力されるまで判定処理を繰り返す。
【0063】
ステップS208に移行した場合は、3次元CAD機能部54の等高線座標情報抽出部54bにおいて、入力された第3の操作情報IN3による画面操作に応じて、CAD表示画面の高度入力欄への高度入力用ポップアップ画像で入力された高度を入力し、等高線俯瞰図から入力高度に対応する等高線座標情報を抽出する。その後、ステップS210に移行する。
ステップS210では、3次元CAD機能部54において、第4の操作情報IN4が入力されたか否かを判定する。そして、入力されたと判定した場合(Yes)は、ステップS212に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、第4の操作情報IN4が入力されるまで判定処理を繰り返す。
【0064】
ステップS212に移行した場合は、3次元CAD機能部54の出来形管理図生成部54cにおいて、入力された第4の操作情報IN4による画面操作に応じて、抽出した等高線座標情報の示す等高線画像を、該等高線画像の高度でダム提体の岩着区画に隣接する区画を切断した断面図に合成する。これにより、入力高度に対応する岩着区画の出来形管理図を生成して、ステップS214に移行する。
ステップS214では、3次元CAD機能部54において、第5の操作情報IN5が入力されたか否かを判定する。そして、入力されたと判定した場合(Yes)は、ステップS214に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、第5の操作情報IN5が入力されるまで判定処理を繰り返す。
ステップS216に移行した場合は、3次元CAD機能部54の出来形管理図生成部54cにおいて、生成した出来形管理図を、入力された保存名で記憶装置43に保存する。その後、一連の処理を終了する。
【0065】
(動作)
次に、
図4〜
図7を参照しつつ
図13〜
図15に基づき、本実施形態の動作を説明する。
いま、重力式コンクリートダムの施工中に、岩着区画に既設の型枠301及び302のリフトアップを行うために、
図4(e)に示すように、右岸保護部201を構成する5リフト分(例えば地上から6〜10リフト目)の保護モルタルの掘削が行われたとする。
保護モルタルが掘削され右岸岩着面部102aが露出すると、測量用写真を撮影する作業者は、
図7に示すように、リフトアップ前の型枠301及び302のそれぞれ右岸側岩着面と対向する端部の上側角部に対空標識600を設置する。これによって、右岸第1基準点501a及び右岸第2基準点501bを設定する。続いて、TS等によって、右岸第1基準点501a及び右岸第2基準点501bの中央位置で、かつ所定高さ位置の右岸岩着面部102a上に対空標識600を設置する。これによって、右岸第3基準点501cを設定する。
【0066】
作業者は、事前にデジタルカメラDCの撮影諸元を、GSDが0.4[cm]以下となるように設定する。ここでは、有効画素数が2230万画素のデジタルカメラDCを用い、焦点距離を24[mm]、撮影距離を10[m]以下とする。また、事前に撮影対象である岩着面の状況を確認することが好ましい。例えば、日差しが強く日光の照り返しが強い場合などは、画像全体に白みがかかるため撮影する時刻をずらすか撮影を避ける。
作業者は、撮影が可能であると判断すると、撮影距離10[m]以下で、右岸岩着面部102aと、右岸第1〜第3基準点501a〜501cとを含む撮影対象領域を、
図6(a)及び(b)に例示した要領でステレオ撮影する。
【0067】
このステレオ撮影によって得られた複数の撮影画像データは、デジタルカメラDCのメモリカードに記憶される。
続いて、作業者は、撮影対象領域の3次元点群データを生成するために、出来形情報生成装置2のメモリカードリーダ44にデジタルカメラDCから取り外したメモリカードを挿入する。
その後、作業者は、入力装置40を操作して、Webブラウザを起動し、Webブラウザ機能部51を機能させる。これにより、表示装置41にブラウザ画面(図示省略)が表示される。続いて、ブラウザ画面のURL入力欄に、3次元点群データ生成サービス用のWebページのURLを入力して、点群データ生成装置3にアクセスする。これによって、点群データ生成装置3からWebページのログイン画面のデータをダウンロードする。これによって、表示装置41に3次元点群データ生成サービス用のログイン画面(図示省略)が表示される。
【0068】
ログイン画面が表示されると、作業者は、入力装置40を介してログインIDとパスワードを入力する。これによって、点群データ生成装置3は、認証処理を実行し、作業者が認証されると、出来形情報生成装置2に対して、Webページのデータを送信する。
出来形情報生成装置2は、Webページのデータを受信すると、このデータに基づきWebページを表示装置41に表示する。作業者は、Webページが表示されると、画面の案内に従って、入力装置40を操作し、メモリカードに記憶された複数の撮影画像データからアップロードする撮影画像データを選定する。加えて、基準点の3次元座標情報等の必要な情報を画面の各入力欄に入力する。そして、画面に表示された送信指示ボタン画像を押下する。これによって、選定した撮影画像データ及び入力情報が、インターネット700を介して点群データ生成装置3に送信される。なお、撮影画像データの選定は、右岸岩着面部102aの全域及び右岸第1〜第3基準点501a〜501cが含まれるように行う。
【0069】
一方、点群データ生成装置3は、出来形情報生成装置2からの複数の撮影画像データ及び入力情報を受信すると、点群データ生成用ソフト(例えば、ReCap360)によって、撮影画像データに含まれる撮影対象領域の3次元点群データを生成する。これによって、例えば、
図13(a)に示すような、3次元点群データ1020が得られたとする。
点群データ生成装置3は、3次元点群データ1020を生成後に、出来形情報生成装置2からの3次元点群データ1020のダウンロード要求を受信すると、3次元点群データ1020を出来形情報生成装置2に送信する。
【0070】
出来形情報生成装置2は、点群データ生成装置3から3次元点群データ1020をダウンロードすると、ダウンロードした3次元点群データ1020を記憶装置43に記憶する。
作業者は、3次元点群データ1020をダウンロードすると、3次元CADソフトを起動して、3次元CAD機能部54を機能させる。これによって、3次元CADの操作画面が表示装置41に表示される。引き続き、作業者の入力装置40を介した操作入力によって、出来形管理図生成支援部53を機能させる。これにより、表示装置41には、出来形管理図の生成を開始するためのOKボタン画像、及び取り消すための取消ボタン画像を含む開始選択用のポップアップ画像が表示される。
【0071】
ここでは、作業者は、入力装置40を介してOKボタン画像を押下したとする。これによって、出来形管理図生成支援部53によって、出来形管理図の生成するための3次元CADソフトの画面操作の支援処理が開始される。
出来形管理図生成支援部53は、まず、予め指定された3次元点群データからTINモデルを生成するために必要な一連の画面操作を行う操作入力情報である第1の操作情報IN1を、3次元CAD機能部54のTINモデル生成部54aに入力する。
【0072】
これによって、3次元CADソフトの操作画面が自動で操作され、TINモデル生成部54aにおいて、
図13(b)に示すように、予め用意された現場(ダムサイト100d)の測量データから作成されたCAD平面図である現場平面
図1000上の対応する座標位置に、ダウンロードした3次元点群データ1020が貼り付けられる。引き続き、これら現場平面
図1000及び3次元点群データ1020に基づき、
図13(c)に示す、不規則な三角形からなるTINモデル1021が生成される。
【0073】
出来形管理図生成支援部53は、TINモデル1021が生成されると、TINモデル1021を等高線俯瞰表示して、抽出高度の入力画面を表示するまでに必要な3次元CADソフトの一連の画面操作を行う操作入力情報である第2の操作情報IN2を、3次元CAD機能部54の等高線座標情報抽出部54bに入力する。
これによって、3次元CADソフトの操作画面が自動で操作され、等高線座標情報抽出部54bにおいて、
図13(d)に示すような、TINモデル1021の等高線俯瞰
図1022が表示装置41に表示される。その後、3次元CADの操作画面上に、抽出する等高線座標情報の高度を入力する高度入力画面(図示省略)が表示される。
【0074】
出来形管理図生成支援部53は、高度入力画面が表示されると、高度入力用のポップアップ画像(図示省略)を表示装置41に表示する。これにより、作業者は、入力装置40を介して、このポップアップ画像の高度入力欄に所望の高度を入力することが可能となる。
ここでは、作業者が、高度入力用のポップアップ画像の高度入力欄に高度を入力しかつOKボタン画像を押下したとする。
【0075】
これにより、出来形管理図生成支援部53は、入力高度の等高線座標情報を抽出するまでに必要な3次元CADソフトの一連の画面操作を行う操作入力情報である第3の操作情報IN3を、3次元CAD機能部54の等高線座標情報抽出部54bに入力する。
これによって、3次元CADソフトの操作画面が自動で操作され、等高線座標情報抽出部54bにおいて、3次元CADソフトの高度入力画面に高度が入力され、等高線俯瞰
図1022から、入力高度に対応する等高線座標情報が抽出される。
【0076】
出来形管理図生成支援部53は、等高線座標情報が抽出されると、岩着区画を含むコンクリート打設区画の出来形管理図を生成するまでに必要な3次元CADソフトの画面操作を行う操作入力情報である第4の操作情報IN4を、3次元CAD機能部54の出来形管理図生成部54cに入力する。
これによって、3次元CADソフトの操作画面が自動で操作され、出来形管理図生成部54cにおいて、
図14(a)に示す、抽出された等高線座標情報で表される等高線画像1023と、
図14(b)に示す、ダム提体断面
図1024とが合成される。
【0077】
ここで、ダム提体断面
図1024は、ダム軸を基準とした目盛画像1025と、既設部断面
図1026とを含む画像である。既設部断面
図1026は、抽出した等高線座標情報の示す位置の岩着面部を含む岩着区画と隣接するダム提体の既設部を、等高線画像1023の高度位置で切断した断面図である。
具体的に、出来形管理図生成部54cは、等高線画像1023を、ダム提体断面
図1024の目盛画像1025上の対応する座標位置に挿入する。これにより、
図14(c)に示す、入力高度に対応する岩着区画の出来形管理
図1027を生成する。
【0078】
出来形管理図生成支援部53は、出来形管理
図1027が生成されると、保存名入力用のポップアップ画像を表示装置41に表示する。これにより、作業者は、入力装置40を介して、保存名を入力することが可能となる。
ここでは、作業者が、保存名入力用のポップアップ画像の保存名入力欄に保存名を入力しかつOKボタン画像を押下したとする。
これにより、出来形管理図生成支援部53は、入力された保存名で出来形管理
図1027を保存するのに必要な3次元CADソフトの画面操作を行う操作入力情報である第5の操作情報IN5を、3次元CAD機能部54の出来形管理図生成部54cに入力する。
【0079】
これによって、3次元CADソフトの操作画面が自動で操作され、生成された出来形管理
図1027が入力された保存名で記憶装置43に記憶される。
作業者は、出来形管理
図1027が生成されると、対応する岩着区画のコンクリートの打設に必要なコンクリート打設量を算出するための情報を、例えば、3次元CADソフトを用いて、出来形管理
図1027から抽出する。例えば、入力高度の岩着区画の平面積を抽出する。そして、抽出した平面積の情報を、入力装置40を介して、打設量算出部55に入力する。
【0080】
打設量算出部55は、平面積の情報が入力されると、今回の平面積と前回の平面積とを足して2で割り、この結果に、1リフト分の高さを乗算することでコンクリート打設量を算出する。更に、今回の平面積と算出したコンクリート打設量とを高度情報と対応付けて記憶装置43に記憶すると共に算出したコンクリート打設量を表示装置41に表示する。
その後、生成した出来形管理
図1027や算出したコンクリート打設量を用いて、発注者への報告と確認を行い、算出したコンクリート打設量に対して発注者の認可を得る。
【0081】
発注者の認可が得られると、右岸側の岩着区画に既設の型枠301及び302をリフトアップし、1リフト分のコンクリートの打設を行う。
ここで、
図15に示すように、上記測量用写真の撮影作業は、岩着面の幅にもよるが、一般的な中型ダムの規模で大体20分ほどかかる。また、上記写真の選定及びアップロード作業は、撮影写真の枚数にもよるが大体40分くらいかかる。また、3次元点群データ1020から出来形管理
図1027を生成するまでにかかる作業時間は大体5分となる。一方、上記3次元点群データ1020を生成するまでにかかる時間は、大体6時間ほどとなるが、アップロード後の作業は点群データ生成装置3側で行われるため、作業者の作業時間としては0分となる。従って、測量用写真の撮影から出来形管理
図1027を生成するまでにかかる作業者の総作業時間は、大体65分となる。なお、3次元点群データの生成コストは1モデル「750円」となる。
【0082】
これに対し、従来のTSを用いた測量で出来形管理図の生成までの作業を行った場合、作業者2人以上で1リフト毎に約倍の作業時間がかかる。そのため、作業者1人で5〜6リフト分を一度に測量できる本実施形態の方法と比較して、人件費だけでも大幅なコスト増となる。
上記実施形態において、岩着部施工情報生成システム1は、ダム施工用の出来形管理図生成システム及びコンクリート打設量算出システムに対応し、メモリカードリーダ44は、撮影画像データ取得部に対応する。
また、Webブラウザ機能部51は、基準点座標取得部に対応し、点群データ生成装置3は、点群データ生成部に対応し、等高線座標情報抽出部54bは、等高線座標情報取得部に対応し、記憶装置43は、提体座標情報記憶部に対応する。
【0083】
(実施形態の作用及び効果)
実施形態に係るダム施工用の測量用写真撮影方法によれば、右岸保護部201又は左岸保護部202を構成する保護モルタルのうち予め設定された掘削範囲(例えば5〜6リフト)を掘削後の右岸岩着面部102a又は左岸岩着面部103aを含む撮影対象領域内に、3次元座標情報が既知の1点以上の基準点を設定する。具体的に、右岸岩着面部102a又は左岸岩着面部103a上に1点以上の基準点(右岸第3基準点501c又は左岸第3基準点503c)を設定する。加えて、ダム提体の上流側及び下流側にそれぞれ設置された型枠301及び302の岩盤面と対向する位置の2箇所の型枠部(右岸側は型枠部301R及び302R、左岸側は型枠部301L及び302L)の上角部を基準点として利用する。具体的に、型枠部301R及び302R又は型枠部301L及び302Lの上角部にそれぞれ対空標識600を設置して、撮影対象領域内に3点以上の基準点が含まれるようにする。これによって、左岸第1〜第2基準点501a〜501b又は右岸第1〜第2基準点502a〜502bを設定する。即ち、型枠の位置は型枠測量により正確な位置が既知であることから、型枠部に基準点を設定するようにした。
【0084】
更に、基準点を設定後の撮影対象領域を、地上又はダム提体の既設部上の異なる複数の撮影位置から、デジタルカメラDCによって、撮影位置のそれぞれで複数枚ずつ且つ隣接する撮影画像同士で撮影領域の一部が重複(ラップ)するように撮影する。これにより、撮影対象領域が複数の撮影領域に分割された複数の撮影画像を得る。
これにより、写真測量に必要な基準点の測定の手間を軽減することが可能となる。加えて、地上又はダム提体の既設部上から写真撮影する構成としたのでUAVを用いた空撮と比較して低コストで岩着面の測量用写真を撮影することが可能となる。また、写真を撮影すればよいので、従来の測量機械を用いた測量と比較して複数リフト分を一度に測量することが可能となる。
【0085】
また、保護モルタルの掘削範囲を、コンクリートを打設する総リフト数をNとして、M(Mは2≦M<Nの自然数)リフト分の範囲とした。更に、保護モルタルを掘削後のMリフト分(例えば5リフト分)の岩盤面部分を含む撮影対象領域毎に撮影を行うようにした。
即ち、Mリフト分の範囲を一度に撮影するようにしたので、従来の1リフト毎の測量と比較して、測量にかかるコストを低減することが可能となる。
また、手持ちのデジタルカメラDCにて人手で撮影するようにした。具体的に、作業者が、岩盤面部分の幅方向の一方の側から他方の側に向かって移動しつつ複数箇所で立ち止まり、その立ち止まった際に、高さ方向の撮影角度を変えながら複数枚を撮影することで、複数の撮影画像を得るようにした。
これにより、余計なコストをかけずに人手によって簡易に撮影を行うことが可能となり、例えば、現場での他の作業者への撮影領域からの退避の呼びかけや、現場の作業機械を避けながらの撮影など、現場の状況に合わせた撮影を行うことが可能となる。
【0086】
また、実施形態に係る岩着部施工情報生成システム1によれば、点群データ生成装置3が、上記測量用写真撮影方法で撮影して得られた複数の撮影画像データと、撮影対象領域内に設定された基準点(左岸第1〜第3基準点501a〜501c又は右岸第1〜第3基準点502a〜502c)の3次元座標情報とを取得する。点群データ生成装置3が、取得した複数の撮影画像データと、基準点の3次元座標情報とに基づき撮影対象領域の3次元点群データ1020を生成する。出来形情報生成装置2が、TINモデル生成部54aによって、点群データ生成装置3で生成された3次元点群データ1020に基づき撮影対象領域のTINモデル1021を生成する。出来形情報生成装置2が、等高線座標情報抽出部54bによって、TINモデル1021に基づき撮影対象領域に対応する岩盤面部分の等高線座標情報を抽出する。出来形情報生成装置2が、出来形管理図生成部54cによって、等高線座標情報と既設部の座標情報とに基づき、ダム岩着部の出来形管理
図1027として、岩着面部分の等高線画像1023と該等高線画像1023の高度位置で既設部を切断してなる既設部断面
図1026とを合成したダム岩着部を含むコンクリート打設区画の断面図を生成する。
【0087】
この構成であれば、TS等の測量機械による測量データを用いて出来形管理図を生成した場合と比較して高精度な出来形管理図を低コストで得ることが可能となる。即ち、TS等の測量機械を用いた測量よりも、撮影対象領域を高分解能の点群データとして捉える写真測量の方が、測量精度が高くなる。
また、実施形態に係る岩着部施工情報生成システム1によれば、出来形情報生成装置2が、打設量算出部55によって、等高線座標情報と既設部の座標情報とに基づき、ダム岩着部を含むコンクリート打設区画のコンクリート打設量を算出する。
この構成であれば、TS等の測量機械による測量データを用いてコンクリート打設量を算出した場合と比較して高精度なコンクリート打設量を低コストで算出することが可能となる。
【0088】
また、実施形態に係る岩着部施工情報生成システム1によれば、出来形情報生成装置2が、出来形管理図生成支援部53によって、予め指定された3次元点群データを用いて岩盤面部分のTINモデル1021を生成するのに必要な3次元CADソフトの画面操作を行う一連の操作入力情報である第1の操作情報IN1を3次元CADソフトに入力する。引き続き、出来形管理図生成支援部53によって、TINモデル1021の生成後に、TINモデル1021の等高線俯瞰
図1022を表示して、抽出高度の入力画面を表示するまでに必要な3次元CADソフトの一連の画面操作を行う操作入力情報である第2の操作情報IN2を3次元CADソフトに入力する。続いて、出来形管理図生成支援部53によって、等高線座標情報を抽出するための高度の入力を受け付ける高度入力用ポップアップ画像を表示装置41に表示する。続いて、出来形管理図生成支援部53によって、高度の入力を受け付けたと判定すると、入力高度に対応する等高線座標情報をTINモデル1021から抽出するのに必要な3次元CADソフトの画面操作を行う一連の操作入力情報である第3の操作情報IN3を3次元CADソフトに入力する。引き続き、出来形管理図生成支援部53によって、入力高度に対応する等高線座標情報を抽出後に、入力高度に対応するダム岩着部を含むコンクリート打設区画の出来形管理図を生成するのに必要な3次元CADソフトの画面操作を行う一連の操作入力情報である第4の操作情報IN4を3次元CADソフトに入力する。
この構成であれば、出来形管理
図1027の生成に3次元CADソフトを利用する際に、3次元CADソフトの複雑な画面操作を半自動で行うことが可能となるので、3次元CADソフトの操作に不得手な作業者でも手軽に出来形管理図を生成することが可能となる。
【0089】
(変形例)
(1)上記実施形態では、型枠設置時の基準点の設定において、岩着区画に設置された型枠の岩着面と接する型枠部に基準点を設定する構成としたが、この構成に限らない。例えば、
図16に示すように、右岸岩着区画RCR又は左岸岩着区画RCLに隣接する区画の岩着区画に最も近い側の型枠部301R及び302R又は301L及び302Lに基準点を設定する構成としてもよい。
(2)上記実施形態では、型枠部の岩盤面側端部の上側角部の位置に対空標識を設置するようにしたが、この構成に限らない。例えば、対空標識を設置しない構成としてもよい。即ち、岩着面の色と型枠の色との違いや型枠の角部の形状から対空標識を設置することなく基準点を画像中で特定することが可能であれば標識を設置しないことも可能である。
【0090】
(3)上記実施形態では、点群データ生成装置3の提供するクラウドサービスを利用して3次元点群データを得る構成としたが、この構成に限らない。例えば、出来形情報生成装置2が、3次元点群データを生成する機能を有する構成としてもよい。
(4)上記実施形態では、重力式コンクリートダムを例に挙げて説明をしたが、重力式コンクリートダムに限らず、岩着区画を有する他のコンクリートダムに本発明を適用してもよい。
(5)上記実施形態では、拡張レヤ工法を用いてダムを施工する構成を例に挙げて説明したが、この構成に限らず、柱状工法、レヤ工法、RCD(Roller Compacted Dam-Concrete )工法等の他の工法を適用する構成としてもよい。
(6)上記実施形態では、撮影対象領域内に3点の基準点を設定する構成としたが、この構成に限らず、4点以上の基準点を設定する構成としてもよい。