【解決手段】移動体検出装置100は、被検出体の移動に応じた電気信号を出力する磁気検出素子10と、磁気検出素子10に磁界を加える磁石20と、磁気検出素子10に接続される基板30と、磁気検出素子10、磁石20および基板30が収容されるケース40と、を備え、ケース40には、ケース40の一方側に設けられ磁石20が収容される第1凹部41と、ケース40の第1凹部41に隣接して設けられ磁気検出素子10が収容される第2凹部42と、ケース40の一方側に設けた磁石20とケース40の他方側に設けた基板30との間を連通する連通孔43と、が形成され、連通孔43内には、磁石20および基板30を連結する接着剤50が設けられて構成される。
前記第1凹部および/または前記第2凹部には、前記磁石および/または前記磁気検出素子を保持するとともに、前記第1凹部および/または前記第2凹部と前記磁石および/または前記磁気検出素子との間に前記連通孔と連通する隙間を形成するリブが設けられる、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の移動体検出装置。
前記第4の工程では、前記連通孔内に塗布された前記接着剤を前記第2凹部に流出させ前記接着剤で前記基板、前記磁石および前記第2凹部に収容する前記磁気検出素子を連結する、
ことを特徴とする請求項6に記載の移動体検出装置の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている移動体検出装置は、合成樹脂製のケースの素子挿入部と、素子挿入部に隣接する磁石挿入部にそれぞれ一体にフックを設けておき、素子挿入部に挿入された磁気検出素子と磁石挿入部に挿入された磁石をフックによって固定している。このため、移動体検出装置が設置される移動体を備える機器の温度変化(冷熱サイクル)や経時変化によってフックの弾性力が低下し、機器の振動などによって磁気検出素子や磁石等の構成部材が振動する恐れがあり、磁気検出素子による検出精度が低下するという問題がある。
また、磁気検出素子や磁石等の構成部材を接着剤で固定しようとすると、接着剤の塗布工程がそれぞれの挿入に伴って必要となり、製造工程が増大し煩雑になるという問題もある。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、構成部材を確実に固定することで検出精度の低下を招くことのない移動体検出装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る移動体検出装置は、
被検出体の移動に応じた電気信号を出力する磁気検出素子と、
前記磁気検出素子に磁界を加える磁石と、
前記磁気検出素子に接続される基板と、
前記磁気検出素子、前記磁石および前記基板が収容されるケースと、を備え、
前記ケースには、
前記ケースの一方側に設けられ前記磁石が収容される第1凹部と、
前記ケースの前記第1凹部に隣接して設けられ前記磁気検出素子が収容される第2凹部と、
前記ケースの一方側に設けた前記磁石と前記ケースの他方側に設けた前記基板との間を連通する連通孔と、が形成され、
前記連通孔内には、前記磁石および前記基板を連結する接着剤が設けられる、
ことを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の観点に係る移動体検出装置の製造方法は、
前記移動体検出装置を製造するに際し、
前記第1凹部に前記磁石を収容する第1の工程と、
前記連通孔内に前記接着剤を塗布する第2の工程と、
前記第1凹部の他方側に前記基板を配置して前記接着剤で前記磁石および前記基板を連結する第3の工程と、
前記第2凹部に前記磁気検出素子を収容する第4の工程と、を備える、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、構成部材を確実に固定することで検出精度の低下を招くことのない移動体検出装置およびその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態に係る移動体検出装置およびその製造方法を、図面を参照しながら説明する。
なお、以下の説明では、
図3に示した移動体検出装置100の状態を基準として、前後方向をX方向、左右方向をY方向、上下方向をZ方向とする。また、X方向、Y方向及びZ方向を示す矢印が向く方向を+(プラス)方向、その反対方向を−(マイナス)方向として説明する。
本発明の移動体検出装置100は、被検出体の移動に応じた電気信号を出力する磁気検出素子10と、磁気検出素子10に磁界を加える磁石20と、磁気検出素子10に接続される基板30と、磁気検出素子10、磁石20および基板30が収容されるケース40と、を備え、ケース40には、ケース40の一方側に設けられ磁石20が収容される第1凹部41と、ケース40の第1凹部41に隣接して設けられ磁気検出素子10が収容される第2凹部42と、ケース40の一方側に設けた磁石20とケース40の他方側に設けた基板30との間を連通する連通孔43と、が形成され、連通孔43内には、構成部材である磁石20および基板30を連結する接着剤50が設けられて構成される。
【0011】
本実施の形態に係る移動体検出装置100は、
図1〜
図4に示すように、磁気検出素子10、磁石20、基板30、ケース40に加え、ケース40を覆うカバー60を備えており、ケース40に、構成部材である磁気検出素子10、磁石20および基板30が収容され、カバー60で覆われる。
【0012】
磁気検出素子10は、被検出体である移動体の移動に伴う磁界の変化を感知するホールICなどで構成されている。磁気検出素子10は、ケース40の第2凹部42内に収容されて先端の検出面(+X方向の端面)が被検出体と対向するように配置される。磁気検出素子10は、先端の検出面に対して端子10aが検出面の上端から直角に後方に突き出して設けられている。
【0013】
磁石20は、磁気検出素子10に磁界を加えるためのものである。磁石20は、磁気検出素子10が収容される第2凹部42に隣接する後方(−X方向)に設けられたケース40の第1凹部41に収容される。磁石20は、例えば直方体状に形成されたフェライト磁石で構成される。
【0014】
基板30は、ケース40の磁石20を収容した第1凹部41の底板41cの外壁面(−Z方向の外表面)上に載置されて固定される。基板30は、磁気検出素子10の端子10aが半田付けなどで接続され、磁気検出素子10の出力信号を処理するICやチップ素子などの電子部品が実装された出力信号処理回路が設けられている。基板30は、処理回路で処理された検出信号を出力する接続端子30aが接続用の孔状として設けられている。接続端子30aは、
図1(b)および
図6に示すように、ケース40にインサート成形された複数本のリードフレームで構成された導体44の一端部に被せるように取り付け、半田などで電気的に接続される。導体44の他端部44aは、ケース40のコネクタ部40b内に突き出すコネクタピンとして検出信号を外部に導出できるようにしてある。
【0015】
ケース40は、
図1〜
図3に示すように、例えばPPS(Poly Phenylene Sulfide)樹脂など合成樹脂製とされて略L字状に形成されており、前方(+X方向)に突き出す本体部40aと、本体部40aと直交する上方(+Z方向)に突き出すコネクタ部40bとが一体に形成されている。前方に突き出す本体部40aには、前方に向かって第1凹部41および第2凹部42が隣接して形成され、本体部40aおよび直交する上方に突き出すコネクタ部40bには、略コ字状に成形された導体44がインサート成形などで設けられ、導体44の他端部44aがコネクタ部40b内に配置されて外部引出し用の端子(コネクタピン)を構成している。
【0016】
ケース40は、本体部40aの一方側(−Z側)である裏側に開口して矩形の第1凹部41が設けられ、磁石20が開口から収容される(
図2参照)。
ケース40は、第1凹部41に隣接する先端側(+X方向側)に仕切壁45を介して矩形の第2凹部42が設けられ、第2凹部42に磁気検出素子10が収容される。
第2凹部42は、本体部40aの他方側(+Z側)である表側に磁気検出素子10を挿入できる開口が形成されるとともに、先端側は左右両側(Y方向両側)を残して磁気検出素子10を係止できる検出用の開口が形成されている(
図3参照)。
ケース40は、第1凹部41に収容された磁石20の露出面20a(−Z側の面)と、第2凹部42の底板の外壁面42bとが面一(一平面となる状態)となるように形成されている(
図5(a)参照)。この面一状態は、ケース40の第1凹部41の深さや磁石20の大きさなどを調整するようにして得られる。
これにより、後述するカバー60の取り付けの際に磁石20と干渉することなく、円滑に組み立てできるようにしている。
【0017】
第1凹部41および第2凹部42内には、収容される磁石20や磁気検出素子10を保持し、仕切壁45との間に隙間を形成するためのリブ41a,41bとリブ42aとが内側に突出して形成してある。
第1凹部41は、
図2に示すように、前後方向(X方向)中央部の左右両側面(Y方向の両側面)に上下方向(Z方向)に沿ってリブ41aが形成されている。リブ41aは、リブ41aによって磁石20の左右方向(Y方向)の両側を挟み込んで保持できる形状としてある。リブ41aは、例えばくさび状や直方体状、半円柱状などに形成される。
また、第1凹部41は、仕切壁45の内面(−X方向の内面)に2つのリブ41bが上下方向(Z方向)に沿って形成される。リブ41bは、磁石20を仕切壁45から離すようにする形状で、しかも磁石20を第1凹部41の仕切壁45と対向する後方(−X方向)の対向面に押し付けて保持できる形状としてある。リブ41bは、例えばくさび状や直方体状、半円柱状などに形成される。
第1凹部41の磁石20と仕切壁45との間に、リブ41bによって形成される隙間は、接着剤50の塗布空間とされる。
【0018】
第2凹部42は、
図3に示すように、第2凹部42の角部、すなわち仕切壁45側の左右方向(Y方向)の両端部に上下方向(Z方向)に沿って2つのリブ42aが前方(+X方向)に突き出して形成されている。リブ42aは、第2凹部42に収容される磁気検出素子10を先端側(+X方向側)の開口の両側に押し付けて保持できる形状で、しかも磁気検出素子10の背面(−X方向の面)と仕切壁45との間に隙間を形成できる形状としてある。リブ42aは、例えばくさび状や直方体状、半円柱状などに形成される。
第2凹部42の磁気検出素子10と仕切壁45との間に、リブ42aによって形成される隙間は、接着剤50の塗布空間とされる。
【0019】
ケース40は、
図3に示すように、第1凹部41と第2凹部42を連通する連通孔43が仕切壁45の上端部(+Z方向の端部)と第1凹部41の底板41cに設けられる。これにより、ケース40は、第1凹部41に収容された磁石20の表面の一部が連通孔43内に露出するとともに、連通孔43を介して仕切壁45の前後の第1凹部41と第2凹部42に形成される2つの隙間による塗布空間同士が連通される。
【0020】
ケース40は、第1凹部41の底板41cの外壁面上に、基板30が載置されて仕切壁45上に先端が位置し、底板41cに形成されている連通孔43の一部を塞ぐように取り付けられる(
図6(a)参照)。
ケース40は、第1凹部41の底板41cの左右方向(Y方向)の両側に、基板30の位置決め部41dと固定フック41eとが上方(+Z方向)に突き出すように一体に形成されている。
【0021】
このようなケース40では、連通孔43部分に接着剤50を1回塗布しておき、連通孔43の第1凹部41の底板41cを塞ぐように基板30を底板41c上に取り付けると、接着剤50が基板30によって連通孔43内に押し出され、基板30と、ケース40と、第1凹部41内の磁石20と、第2凹部42内の磁気検出素子10とを互いに接着して連結することができる。
【0022】
ケース40は、本体部40aの基端側(−X方向側)に円柱状のカバー固定部40cが一体に形成され、カバー固定部40cの外周にOリング溝40dが形成してある。Oリング溝40dには、Oリング46が装着され、Oリング46によってカバー60がケース40に水密状態で取り付けられる。
ケース40は、本体部40aの左右方向(Y方向)の両側面(カバー固定部40cの円柱の半径方向)に、カバー60の装着をガイドする板状のガイド部40eが突き出して一体に設けてある(
図2,
図3参照)。
【0023】
カバー60は、ケース40の本体部40aを水密状態で覆うように設けられ、先端部が塞がれた底付きの略中空円筒状の本体部60aと、本体部60aから半径方向外側(図示例では、+Y方向)に突き出した被検出部に固定するための固定部60bと、を備えて一体に形成されている。
本体部60aは、ケース40に設けた左右両側(Y方向両側)に突き出すガイド部40eをガイドするガイド溝60cが内周部に対向して半径方向両側およびこれと直交する半径方向両側に形成されている。
これにより、ケース40のガイド部40eに対してカバー60の対向するガイド溝60cに90度角度を変えてカバー60を装着することができ、移動体検出装置100の実装の自由度を高めることができる。
【0024】
カバー60は、
図4に示すように、ガイド溝60cに連続して磁石20の露出面20aを押えるリブ60dが内側に突き出して形成してある。
カバー60の本体部60aの外周面には、
図1(b)に示すように、Oリング溝が形成され、Oリング61が装着され、被検出部への取り付けの際に水密状態にできるようにしてある。
【0025】
次に、このような移動体検出装置100の製造方法の一実施の形態について、
図5,
図6により説明する。
移動体検出装置100の製造の第1の工程は、
図5(a)に示すように、ケース40を上下反転させて、ケース40の第1凹部41に開口から磁石20を収容し、Y方向両側のリブ41aおよび先端側(仕切壁45側)のリブ41bに圧入して保持固定する。この磁石20の保持固定状態では、仕切壁45と磁石20との間に接着剤50の塗布空間となる隙間が形成される。また、磁石20の露出面20aは、ケース40の第2凹部42の底板の外壁面42bと面一状態となる。
【0026】
第2の工程は、
図5(b)に示すように、ケース40を上下に反転させて基準となる状態にし、第1凹部41に収容された磁石20の表面の一部が底板41c部分の連通孔43内に露出するとともに、連通孔43を介して仕切壁45の前後の第1凹部41と第2凹部42が連通される状態とする。
そして、第1凹部41の連通孔43内に露出する磁石20の表面を接着剤溜まりとして接着剤50を塗布充填する。この接着剤50の塗布充填量は、磁石20とケース40との接着、仕切壁45の前後の塗布空間への充填、ケース40と基板30との接着に必要な量とされる。すなわち、ケース40と磁石20との接着に必要な容量から見れば、余剰な量の接着剤50が塗布充填される。
【0027】
第3の工程は、
図6(a)に示すように、ケース40の第1凹部41の底板41cの外壁面上に、基板30が載置されて仕切壁45上に先端が位置し、底板41cに形成されている連通孔43の一部を塞ぐように取り付け、位置決め部41dおよび固定フック41eによって所定の位置に固定するとともに、基板30の接続端子30aを導体44に被せるようにし、半田付けなどで接続する。この基板30をケース40に載置することで、連通孔43内の接着剤50によってケース40と基板30とが接着される。
また、基板30をケース40に取り付けることで、接着剤50は、連通孔43内に押し込まれて、仕切壁45の前後の第1凹部41および第2凹部42の塗布空間に入り、第1凹部41内で磁石20が基板30およびケース40と接着固定される。
【0028】
第4の工程は、
図6(b)に示すように、接着剤50が押し込まれた第2凹部42に磁気検出素子10を収容する。磁気検出素子10は、第2凹部42の角部、すなわち仕切壁45側の両端部に形成された2つのリブ42aによって圧入保持される。また、磁気検出素子10は、2つのリブ42aによって先端側(+X方向側)の開口の両側に押し付けられ磁気検出素子10の背面と仕切壁45との間に形成される隙間内に押し出されている接着剤50で接着される。そして、磁気検出素子10は、端子10aが基板30上で回路と半田付けで接続される。
【0029】
このようなケース40では、連通孔43部分に接着剤50を1回塗布しておき、連通孔43の第1凹部41の底板41cの連通孔43を塞ぐように基板30を底板41c上に取り付けると、接着剤50が基板30によって連通孔43内に押し出され、基板30と、ケース40と、第1凹部41内の磁石20と、第2凹部42内の磁気検出素子10とを互いに接着して連結することができる。
また、接着剤50を仕切壁45に形成する塗布空間となる隙間に充填することで、接着に必要な接着剤50の容量を確保することができる。
【0030】
こうしてケース40に磁気検出素子10、磁石20、基板30が収容された移動体検出装置100では、ケース40の先端部にカバー60が装着され、ケース40のガイド部40eにガイド溝60cを嵌め入れるようにしてケース40の所定に位置のカバー固定部40cにカバー60を装着する。カバー60を装着することで、リブ60dで磁石20の露出面20aを押えることができる。磁石20は、X,Y,Zの3方向で押さえられ、一層確実に保持固定された状態となる。
これにより、移動体検出装置100の耐振動性を向上することができ、検出精度の低下を抑制することができる。
また、ケース40にカバー60を装着する場合には、磁石20の露出面20aとケース40の第2凹部42の外壁面42bとが面一となっているので、カバー60が干渉することなく、スムーズに装着することができる。
また、カバー60の側面に突き出している固定部60bの方向をケース40に対して90度ずつ変えることができる。また、被検出体に固定した移動体検出装置100のコネクタ部40bの取り出し方向を変えることができる。
【0031】
以上、実施の形態と共に、具体的に説明したように、本発明の移動体検出装置100によれば、被検出体の移動に応じた電気信号を出力する磁気検出素子10と、磁気検出素子10に磁界を加える磁石20と、磁気検出素子10に接続される基板30と、磁気検出素子10、磁石20および基板30が収容されるケース40と、を備え、ケース40には、ケース40の一方側に設けられ磁石20が収容される第1凹部41と、ケース40の第1凹部41に隣接して設けられ磁気検出素子10が収容される第2凹部42と、ケース40の一方側に設けた磁石20とケース40の他方側に設けた基板30との間を連通する連通孔43と、が形成され、連通孔43内には、磁石20および基板30を連結する接着剤50が設けられて構成されているので、ケース40の一方側に設けた磁石20とケース40の他方側に設けた基板30との間を連通する連通孔43に接着剤50を塗布することで、磁石20および基板30をケース40に接着剤50で連結することができる。
これにより、構成部材である磁石20および基板30をケース40に確実に固定することで検出精度の低下を招くことのない移動体検出装置100を提供することができる。また、移動体検出装置100の耐振動性を向上することができ、検出精度の低下を抑制することができる。
【0032】
本発明の移動体検出装置100によれば、連通孔43は、ケース40に収容される基板30、磁石20および磁気検出素子10の間を連通し、接着剤50は、基板30、磁石20および磁気検出素子10を連結するので、構成部材である磁石20および基板30に加え、構成部材である磁気検出素子10を連通孔43に塗布した接着剤50で、ケース40に確実に固定することができ、一層検出精度の低下を招くことのない移動体検出装置100を提供することができる。また、移動体検出装置100の耐振動性を一層向上することができ、検出精度の低下を一層抑制することができる。
【0033】
本発明の移動体検出装置100によれば、第1凹部41および/または第2凹部42には、磁石20および/または磁気検出素子10を保持するとともに、第1凹部41および/または第2凹部42と磁石20および/または磁気検出素子10との間に連通孔43と連通する隙間を形成するリブ41b,42aが設けられるので、接着剤50をリブ41b,42aによる隙間に塗布充填することができ、磁石20や磁気検出素子10を確実に接着固定することができる。
【0034】
本発明の移動体検出装置100によれば、ケース40は、第1凹部41および第2凹部42を覆うカバー60を備え、ケース40とカバー60との間には、互いを案内し位置決めするガイド部40eと、ガイド溝60cとが設けられているので、ケース40とカバー60との相対位置を所定の状態に位置決めして装着することができる。
【0035】
本発明の移動体検出装置100によれば、ケース40の第1凹部41が、第1凹部41に収容された磁石20の露出面20aを第2凹部42の底板の外壁面42bと面一とする形状に形成されているので、ケース40にカバー60を装着する場合に、カバー60を干渉することなく装着することができ、簡単に組み立てることができる。
【0036】
本発明の移動体検出装置100の製造方法によれば、移動体検出装置100を製造するに際し、第1凹部41に磁石20を収容する第1の工程と、連通孔43内に接着剤50を塗布する第2の工程と、第1凹部41の他方側に基板30を配置して接着剤50で磁石20および基板30を連結する第3の工程と、第2凹部42に磁気検出素子10を収容する第4の工程と、を備えているので、ケース40の一方側に設けた磁石20とケース40の他方側に設けた基板30との間を連通する連通孔43に接着剤50を塗布することで、1回の塗布で磁石20および基板30をケース40に連結することができ、接着すべき部材ごとに接着剤50を塗布する場合に比べて製造工程を大幅に簡素化することができる。
これにより、磁石20および基板30をケース40に確実に固定することで検出精度の低下を招くことのない移動体検出装置100の製造方法を提供することができる。また、移動体検出装置100の耐振動性を向上することができ、検出精度の低下を抑制することができる。
【0037】
本発明の移動体検出装置100の製造方法によれば、第4の工程では、連通孔43内に塗布された接着剤50を第2凹部42に流出させ接着剤50で基板30、磁石20および第2凹部42に収容する磁気検出素子10を連結するようにしたので、連通孔43に接着剤50を塗布することで、1回の塗布で磁石20および基板30に加えて、磁気検出素子10をケース40に連結することができ、接着すべき部材ごとに接着剤50を塗布する場合に比べて製造工程を大幅に簡素化することができる。
これにより、磁石20、基板30および磁気検出素子10をケース40に確実に固定することで検出精度の低下を招くことのない移動体検出装置100の製造方法を提供することができる。また、移動体検出装置100の耐振動性を向上することができ、検出精度の低下を抑制することができる。
【0038】
なお、上記実施の形態では、ケース40にガイド部40eを設け、カバー60にガイド溝60cを設ける場合を例に説明したが、ガイド部をカバー60に設け、ガイド溝をケース40に設けるようにしても良い。
また、磁気検出素子10は、ホールICで構成した場合を例に説明したが、他の形式など任意である。
さらに、ケース40やカバー60の素材については、特に限定するものではなく、通常使用される合成樹脂などを用いることができる。
また、本発明は、上記実施の形態に何ら限定するものではない。