特開2017-227615(P2017-227615A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2017227615-光ビームプロファイル測定装置 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-227615(P2017-227615A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】光ビームプロファイル測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01J 1/02 20060101AFI20171201BHJP
   G01J 1/04 20060101ALI20171201BHJP
   G01J 1/06 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   G01J1/02 L
   G01J1/04 D
   G01J1/06 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-138018(P2016-138018)
(22)【出願日】2016年6月25日
(71)【出願人】
【識別番号】500433340
【氏名又は名称】株式会社ウェイブサイバー
(72)【発明者】
【氏名】白山 大地
(72)【発明者】
【氏名】余田 衛
(72)【発明者】
【氏名】森田 隆一
(72)【発明者】
【氏名】白 龍雲
【テーマコード(参考)】
2G065
【Fターム(参考)】
2G065AA11
2G065AB09
2G065BA01
2G065BB11
2G065BB14
2G065BB23
2G065BB27
2G065BB49
2G065BC13
2G065CA27
2G065DA05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】光ビームのプロファイルデータのみならず光ビームの広がり特性や伝播軸方向を一動作で高精度に測定できる光ビームプロファイル測定装置を提供する。
【解決手段】光ビームを横切る回転ドラム10の円周に複数のナイフエッジ14a〜cと通光口13a〜eを設け、回転ドラム10の内側にハーフミラー11及びミラー12を設置し、ハーフミラー11の透過方向の回転ドラム10の外側に第一受光素子16を配置し、ミラー12の反射方向の回転ドラム10の外側に第二受光素子17を配置する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ビーム特性を測定する装置であって、回転ドラムの円周に等間隔で偶数の穴を設け、前記の穴をナイフエッジと通光口に振り分けて配置し、入射光の伝播方向の前記ドラム内側にハーフミラーを一定の向きで設置し、前記ハーフミラーの反射方向の前記ドラムの内側に反射ミラーを設置し、前記ハーフミラーの透過方向の前記ドラムの外側に第一受光素子を配置し、前記反射ミラーの反射方向の前記ドラムの外側に第二受光素子を配置することを特徴とする光ビームプロファイル測定装置。
【請求項2】
前記ドラムの内側に設置した反射ミラーの数を複数枚に増やすことを特徴とする光ビームプロファイル測定装置。
【請求項3】
前記反射ミラーを可視波長域の光を透過するショートパスフィルターに置き換え、前記ハーフミラーで反射された被検査の反対方向に向かって、前記ドラムの外側に配置した可視光源からコリメータビームを出射して、ガイド光として用いることを特徴とする光ビームプロファイル測定装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光ビームプロファイル測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製造現場では光学系調整のため、光ビームの状況を正確に把握しなければならない場合が多い。
従来、光ビーム径を測定する方法としては、図8に示すように光ビームの光軸を走査する面内で被検査光ビームを横切るように配置された回転ドラムに三つ以上のナイフエッジまたはスリットを異なる角度で設け、ドラムの回転により、ナイフエッジまたはスリットが光軸を垂直に横切り、時間軸でドラムの内側に設置した受光素子を用いてパワーの変化量を計測することで、ビーム径の算出を行っていた。また、ビームの光軸向き角や広がり特性を測定するには通常ビームプロファイル測定ヘッドに移動機構を設けて、光伝播方向に沿って少なくとも3箇所に移動し、各箇所でビーム径を測定し、光ビームの焦点位置やビームの広がり角などの特性を算出していた。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような従来の装置では、測定ヘッドを移動する機構に不確定性があり、大きな測定誤差を生んでいた。更に測定ヘッドの移動が完了して測定結果が算出されるまで待たねばならず、光モジュールの量産工程で用いるには、短TAT化が必須であった。そのため、光ビームの伝播方向、焦点位置、ビームの広がり角等を瞬時に精度の良く測定する技術が求められている。
【0004】
本発明は前記問題点を解決するためのものであり、安価で簡単な機構を用いて、光ビームの伝播方向、焦点位置、ビーム広がり角等の特性が精度良く測定できる装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記問題点を解決するために、本発明の光ビームプロファイル測定装置(図1)では、光ビームを横切る回転ドラム10の円周に複数のナイフエッジ14a、14b、14cと複数の通光口13a、13b、13c、13d、13eを設け、入射光の伝播方向の前記ドラム内側にハーフミラー11を一定の向きで設置し、前記ハーフミラーの反射方向のドラムの内側に反射ミラー12を設け、前記ハーフミラーの透過方向の前記ドラムの外側に第一受光素子16を配置し、前記反射ミラーの反射方向の前記ドラムの外側に第二受光素子17を配置する。前記ドラムの一回転で入射する光ビームの伝播軸上AとBとCの三個所でナイフエッジの通過によりビームを遮光し、前記AとBとCの三個所のビームプロファイルが測定できる。測定データを算術処理することで光ビームの焦点位置や広がり角特性を把握することができる。
【0006】
また、受光素子で変換した走査受光出力信号の算術処理によりビームの中心座標を算出し、既知の前記A、B、C三個所の間隔データを利用してビームの伝播方向を容易に算出できる。
【0007】
更に、前記反射ミラー12を可視光が透過できるショートパスフィルターに置き換え、前記ハーフミラー11で反射された被検査光に向かって、前記ドラムの外側に配置した可視光源15からコリメータビームを出射する。可視光源15から出射されたコリメータビームは、前記ハーフミラー11で反射され、被検査光ビームの入射窓から出射される。出射された可視光コリメータビームは、被検査光入射の際のガイド光として利用でき、本発明のビームプロファイル測定装置の設置が容易になる。
【0008】
更に前記ドラムの円周に設けた穴は回転中心に対し点対称位置にすることが必須である。
【発明の実施の形熊】
【0009】
本発明の光ビームプロファイル測定装置の原理図(図1)では、光ビームを横切る回転ドラム10の円周に複数ナイフエッジ14a、14b、14cと複数の通光口13a、13b、13c、13d、13eを設け、前記ドラム内部にハーフミラー11を設置し、前記ハーフミラーの透過方向の前記ドラムの外に第一受光素子16を配置し、反射ミラー12の反射方向の前記ドラムの外に第二受光素子17を配置する。前記ドラムの一回転で入射する光ビームの伝播軸上A、B、C三個所をナイフエッジにより走査し、各個所のビーム径が精度良く測定でき、算術処理によって光ビームの焦点位置や広がり特性も把握することができる。
【0010】
一方、光ビーム径の定義によると光ビームの伝播方向に直交した面内における光強度の分布により、強度が最大強度の半分となるときの直径をビーム径とする半値全幅(full−widthhalf−maximum,FWHM)もよく用いられるが、強度分布が中心対称であるガウシアンビームの場合、光強度が最大強度の1/eになるときの直径をビーム径とする定義もある。よって、ハーフミラー11の光透過率の面内均一性が確保できれば、前記ハーフミラー11が光ビーム径の測定に与える影響は無視できる。同様に、前記反射ミラー12も反射率の面内均一性を確保すれば、被検査光のビーム径の測定精度に与える影響は無視できる。
【実施例1】
【0011】
図2は本発明の実施例1の構造図である。前記ドラム10の円周上8等分に穴を設け、三つのナイフエッジ穴14a、14b、14cと五つの通光口穴13a、13b、13c、13d、13eの配置を示す概略図である。同図の示すように、前記ドラムの外側に二つの受光素子16と17と前記ドラムの内側にハーフミラー11とショートパスフィルター12を配置することが特徴とする光ビームプロファイル測定装置である。
【0012】
また前記反射ミラー12を可視光が透過できるショートパスフィルターに置き換え、前記ハーフミラー11で反射された被検査光に向かって、前記ドラムの外側に配置した可視光源15からコリメータビームを出射する。可視光源15から出射されたコリメータビームは、前記ハーフミラー11で反射され、被検査光ビームの入射窓から出射される。出射された可視光コリメータビームは、被検査光入射の際のガイド光として利用でき、被検査光ビームの位置合わせが容易にできる。
【実施例2】
【0013】
図4は本発明の被測定ビームの広がり特性の測定を重視する光ビームプロファイル測定装置の概略図である。同図において、図3と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。同図に示すように、前記ドラムの内側に設置した前記反射ミラー12を複数の12a、12b、12c、12dに増やすことにより被検査ビームの走査位置BとCの間隔を広げることにつながり、計算上光ビームの広がり角度がより正確に測定できる。
【実施例3】
【0014】
図5は本発明の小型化の概略図である。同図において、図2と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。同図に示すように、受光素子を一つに減らし、前記ドラムの円周上に開ける穴の数が6つになり、三つのナイフエッジ穴と三つの通光口穴のように振り分けて配置する概略図である。前記ドラム円周に開ける穴数が減ることにより、前記ドラムの直径を小さくすることができ、装置の小型化に繋がる。
【0015】
図5図1のドラムの円周上に配置したナイフエッジと通光口を平面展開した正面図である。また、図6はナイフエッジをスリットに置き換えた正面図である。図4は前記ドラムが一回転で被検査光ビームの光軸上三個所を横切る概略図である。三個所の間隔が前記ハーフミラー及び反射ミラーの設置により十分確保でき、ビームの広がり度合いやビームの向きなどが精度よく測定できる。
【0016】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明は光源の光軸調整や光通信用の送信モジュールのコリメータビームの調整更に光焦点位置の測定にも利用可能である。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明のビームプロファイル測定装置によれば、光ビームの伝播軸上三個所でのビーム径とビーム中心座標を、測定器ヘッドを移動することがなく、一動作で迅速にかつ高精度に測定することができる。ここで示した装置構成ではリアルタイムで簡単にビームの横断面の3次元プロファイルだけでなく、ビームの伝播方向や広がり特性を測定ことができるという従来にない優れた効果が得られる。更に測定ヘッドの内部から外に向け可視のガイド光ビームが出射することがもう一つ特徴でもある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の光ビームプロファイル測定装置を示す原理図である。
図2】ナイフエッジの光ビーム走査位置関係を示す図である。
図3】本発明の第一実施例に係る装置の概略構成を示す図である。
図4】本発明の第二実施例に係る装置の概略構成を示す図である。
図5】本発明の第三実施例に係る装置の概略構成を示す図である。
図6】ドラムの円周に配置したナイフエッジと通光口を平面展開した拡大正面図である。
図7】ナイフエッジをスリットに置き換えた平面展開した拡大正面図である。
図8】従来光ビームプロファイル測定装置を示す構造図である。
【符号の説明】
【0020】
10:ドラム
11:ハーフミラー
12、12a,12b,12c,12d,12e:反射ミラー
13a、13b、13c、13d、13e:通光口
14a、14b、14c:ナイフエッジ
15:可視光光源
16:第一受光素子
17:第二受光素子
A、B、C:ナイフエッジにより光ビームの横切る位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8