【解決手段】画像形成装置1に備えられる除電器6は、本体ハウジング100に支持され、除電光611を出射する光源61と、本体ハウジング100に装着されるドラムユニット21のドラムユニットフレーム21Aに支持され、光源61からの除電光611を感光体ドラム211に導光する導光体62と、を含む。ドラムユニット21が本体ハウジング100に装着された状態において導光体62は、一端面621が光源61と対向するように配置される。そして、光源61から出射される除電光611の広がり幅Wと、導光体62における一端面621の外接円6211の直径Dとが、D≦Wを満たす。
前記除電器は、前記ユニットの前記枠体に支持され、前記導光体の前記一端部における外周面の少なくとも一部と隙間を隔てて対向した反射面を有する反射材を、更に含み、
前記反射材は、前記隙間に進入した前記光源からの前記除電光を、前記反射面により前記導光体に向けて反射する、請求項1又は2に記載の画像形成装置。
前記ユニットが前記装置本体に装着された状態において、前記光源の中心を含む前記光源の光軸に垂直な仮想平面と、前記反射材との間の距離は、前記光源から前記導光体の前記一端部の端面までの距離以下であり、
前記軸方向から見たときに、前記反射材の前記反射面は、前記導光体の前記一端部の端面の外接円の中心を中心とし、前記式(1)で定義される前記広がり幅Wを直径とする仮想円に沿った形状である、請求項3に記載の画像形成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された除電器では、画像形成装置の装置本体へのプロセスカートリッジの装着時に、装置本体側に設けられた光源と、プロセスカートリッジ側に設けられた導光体とが、位置決め部材によって高精度に位置決めされるので、少ない光量であっても感光体ドラムの残留電荷を除電する十分な照射光量が得られる、とされている。
【0006】
しかしながら、光源と導光体との間に位置決め部材を設ける構成では、装置本体へのプロセスカートリッジの装着に伴って位置決め部材が摩耗等により劣化する。このため、光源と導光体との間の位置決め精度が低下し、感光体ドラムに対する除電光の照射光量が不安定となる、という課題がある。このように、像担持体である感光体ドラムに対する除電光の照射光量が不安定になると、ハーフトーン画像などで濃淡差をもつ不良画像(所謂、ドラムゴースト)等の画像欠陥が発生してしまう。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、像担持体を除電する除電器を備えた画像形成装置において、像担持体に対する除電光の照射光量の安定化を図ることができ、画像欠陥の発生を抑止することができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、トナー像が形成される表面を有し軸回りに回転する像担持体と、前記像担持体の前記表面を帯電させる帯電器とが、枠体に支持されてなるユニットと、前記トナー像が前記像担持体から転写材に転写された後、前記像担持体を除電する除電器と、前記ユニットが所定の装着方向に沿って装着される装置本体と、を備える。前記除電器は、前記装置本体に支持され、除電光を出射する光源と、前記ユニットの前記枠体に支持されて前記像担持体の軸方向に延び、一端部の端面から入射した前記光源からの前記除電光を前記像担持体の前記表面に導光する導光体と、を含む。前記ユニットが前記装置本体に装着された状態において、前記導光体は、前記一端部の端面が前記光源と対向するように配置される。そして、前記光源から出射される前記除電光の下記式(1)で定義される広がり幅Wと、前記導光体の前記一端部の端面の外接円の直径Dとが、D≦Wを満たす。
W=2L・tan(θ/2) ・・・(1)
[式(1)中、Lは光源から導光体の一端部の端面までの距離を示し、θは光源における、最大光度の半分以上の光度の除電光が出射される角度範囲となる配光角を示す。]
【0009】
この画像形成装置によれば、除電器は、装置本体に支持される光源と、装置本体に装着されるユニットの枠体に支持される導光体とを含む。ユニットが装置本体に装着された状態において導光体は、一端部の端面が光源と対向するように配置される。このような構成の除電器において、光源から出射される除電光の上記式(1)で定義される広がり幅Wと、導光体の一端部の端面の外接円の直径Dとが、D≦Wの関係を満たすので、導光体において除電光の入射面となる一端部の端面が、ユニットの装置本体に対する装着に起因して、光源の光軸に対して位置ずれが発生した状態で配置されたとしても、導光体に入射される除電光の光量の低下を抑制することができる。このため、一端部の端面から入射し、導光体の内部を伝搬して当該導光体から出射される除電光の光量の低下が抑制され、像担持体に対する除電光の照射光量の安定化を図ることができる。この結果、像担持体に対する除電光の照射光量の低下に起因した画像欠陥の発生を抑止することができる。
【0010】
上記の画像形成装置において、前記ユニットの前記装置本体に対する前記装着方向は、前記光源の光軸と直交する方向であることが望ましい。
【0011】
この態様では、導光体が支持されたユニットが、光源が支持された装置本体に対して、光源の光軸と直交する方向に沿って装着される。これにより、光源の光軸方向における、ユニットの装置本体に対する装着に起因した導光体と光源との間の相対的な位置ずれ量を、低減することができる。このため、導光体と光源との間の光軸方向の離間距離、すなわち、上記式(1)中における光源から導光体の一端部の端面までの距離Lの、ユニットの装置本体に対する装着に起因した変動幅が、小さくなる。この結果、距離Lに基づく上記式(1)で定義される除電光の広がり幅Wの、ユニットの装置本体に対する装着に起因した変動幅も同様に、小さくなる。従って、除電光の広がり幅Wと導光体の一端部の端面の外接円の直径Dとが、D≦Wの関係をより確実に満たす、構成とすることができる。
【0012】
上記の画像形成装置において、前記除電器は、前記ユニットの前記枠体に支持され、前記導光体の前記一端部における外周面の少なくとも一部と隙間を隔てて対向した反射面を有する反射材を、更に含む構成としてもよい。前記反射材は、前記隙間に進入した前記光源からの前記除電光を、前記反射面により前記導光体に向けて反射する。
【0013】
この態様では、導光体の一端部の端面から直接的に入射されずに導光体と反射材との隙間に進入した、光源からの除電光が、反射材の反射面により導光体に向けて反射される。反射材の反射面により反射された光は、導光体に入射して、像担持体の表面に導光される。従って、光源から出射された除電光の出射光量に対する、像担持体への導光体を介した照射光量の割合を大きくすることができる。
【0014】
上記の画像形成装置では、前記ユニットが前記装置本体に装着された状態において、前記光源の中心を含む前記光源の光軸に垂直な仮想平面と、前記反射材との間の距離は、前記光源から前記導光体の前記一端部の端面までの距離以下であり、前記軸方向から見たときに、前記反射材の前記反射面は、前記導光体の前記一端部の端面の外接円の中心を中心とし、前記式(1)で定義される前記広がり幅Wを直径とする仮想円に沿った形状である、という構成としてもよい。
【0015】
この態様では、光源から出射された、最大光度の半分以上の光度の全除電光が、導光体の一端部の端面から直接的に、又は、反射材の反射面により反射されて、導光体に入射される。従って、光源から出射された除電光の出射光量に対する、像担持体への導光体を介した照射光量の割合を、より確実に大きくすることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、像担持体を除電する除電器を備えた画像形成装置において、像担持体に対する除電光の照射光量の安定化を図ることができ、画像欠陥の発生を抑止可能な画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の内部構造を示す図である。画像形成装置1は、電子写真方式の画像形成処理を施す装置であり、
図1に示す例では、コンピューター等の外部機器から入力される画像情報に基づき画像形成処理を施すフルカラープリンターである。
【0019】
なお、以下の説明で用いられる「上」や「下」、「前」や「後」、「左」や「右」といった方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、画像形成装置1の原理を何ら限定するものではない。また、以下の説明において、「シート」との用語は、コピー用紙、コート紙、OHPシート、厚紙、葉書、トレーシングペーパーや画像形成処理を受ける他のシート材料或いは画像形成処理以外の任意の処理を受けるシート材料を意味する。
【0020】
画像形成装置1は、シートに画像を形成するための各種の装置を収容する箱形の装置本体である本体ハウジング100を備える。また、本体ハウジング100の底部には、給紙カセット11が着脱自在に装着されている。
【0021】
画像形成装置1は、給紙部としての給紙カセット11及び手差しトレイ12と、本体ハウジング100に対して着脱自在に装着される作像ユニット2と、本体ハウジング100内に配置される定着ユニット4及び露光ユニット5と、除電器6と、本体ハウジング100内においてシートを搬送するシート搬送系と、を備えている。
【0022】
作像ユニット2は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びブラック(Bk)の各色のトナー像をそれぞれ作像する4つの画像形成ユニットを備えている。すなわち、作像ユニット2は、イエロー色のトナー像を作像するための画像形成ユニット2Yと、シアン色のトナー像を作像するための画像形成ユニット2Cと、マゼンタ色のトナー像を作像するための画像形成ユニット2Mと、ブラック色のトナー像を作像するための画像形成ユニット2Bkと、を備えている。更に作像ユニット2は、各画像形成ユニット2Y、2C、2M、2Bkで共通に用いられる中間転写ユニット3を備えている。
【0023】
作像ユニット2において、各画像形成ユニット2Y、2C、2M、2Bkと、中間転写ユニット3とは、作像ユニット2の枠体を構成する作像フレーム2Aに対して、位置決めされた状態で装着される。
【0024】
各画像形成ユニット2Y、2C、2M、2Bkは、ドラムユニット21と、現像ユニット22とを含む。ドラムユニット21は、ドラムユニット21の枠体を構成するドラムユニットフレームに支持された、感光体ドラム211(像担持体)、帯電器212、及びクリーナー213を含む。
【0025】
感光体ドラム211は、円筒状の部材であり、その表面に静電潜像及びトナー像を担持する。感光体ドラム211は、左右方向(以下、「第1方向」という)に延びるドラム回転軸を有し、このドラム回転軸の軸回りに回転駆動される。帯電器212は、トナー像の形成のために感光体ドラム211の表面を略一様に帯電させる。略一様に帯電された感光体ドラム211の表面に対し、本体ハウジング100内において作像ユニット2の下方に配置された露光ユニット5により、画像データに応じたレーザー光が照射される。これにより、感光体ドラム211の表面に静電潜像が形成される。
【0026】
現像ユニット22は、静電潜像を現像して顕在化させるユニットであり、静電潜像が形成された感光体ドラム211の表面にトナーを供給する現像ローラー221を含む。現像ローラー221は、第1方向(左右方向)に延びるローラー回転軸を有し、このローラー回転軸の軸回りに回転駆動される。現像ユニット22からのトナー供給によって、感光体ドラム211の表面にトナー像が形成される。
【0027】
中間転写ユニット3は、作像ユニット2においてドラムユニット21の上方に配置される。中間転写ユニット3は、感光体ドラム211の表面に担持されたトナー像が一次転写される中間転写ベルト31(転写材)と、中間転写ベルト31を周回駆動するベルト駆動ローラー32及びテンションローラー33と、中間転写ベルト31を介して感光体ドラム211に対して上方から対向するよう配置されて一次転写ニップ部を形成する一次転写ローラー34と、を含む。また、ベルト駆動ローラー32に対して、中間転写ベルト31を介して二次転写ローラー13が圧接され、二次転写ニップ部が形成されている。
【0028】
クリーナー213は、中間転写ベルト31へトナー像が一次転写された後に、感光体ドラム211の表面に残る残留トナーを除去する。
【0029】
除電器6は、中間転写ベルト31へトナー像が一次転写された後に、感光体ドラム211の表面に残留する電荷を除去する(除電する)。除電器6による除電動作は、クリーナー213による残留トナーの除去動作に先立って実行されてもよいし、前記残留トナーの除去動作よりも後に実行されてもよい。この除電器6の構成の詳細については、後述する。
【0030】
定着ユニット4は、熱源が内蔵された定着ローラー41と、定着ローラー41と共に定着ニップ部を形成する加圧ローラー42とを含む。
【0031】
画像形成装置1は、上述の給紙部としての給紙カセット11及び手差しトレイ12に加え、シート搬送系として、二次転写後のシートを受け取る排紙トレイ152と、各種のシート搬送路と、これらのシート搬送路に配置されたシート搬送ローラーとを含む。
【0032】
前記シート搬送路は、主搬送路P1、反転搬送路P2及び手差し搬送路P3を含む。主搬送路P1は、概ね上下方向に延び、二次転写ローラー13(二次転写ニップ部)及び定着ユニット4(定着ニップ部)を経由して、前記給紙部から排紙トレイ152へシートを導く搬送路である。なお、手差しトレイ12から供給されたシートは、手差し搬送路P3を経由して、主搬送路P1に導かれる。
【0033】
前記シート搬送ローラーは、定着ユニット4の出口に配置された搬送ローラー14と、排紙ローラー15と、反転搬送ローラー16とを含む。搬送ローラー16は、定着ユニット4を通過したシートを排紙口151に向けて搬送するローラーである。排紙ローラー15は、二次転写及び定着処理が施されたシートを、主搬送路P1から排紙口151を通して排紙トレイ152に向けて排出するローラーである。反転搬送ローラー16は、反転搬送路P2においてシートを逆搬送するローラーである。なお、定着ローラー41及び加圧ローラー42のペアも、主搬送路P1におけるシート搬送の役目を果たす。
【0034】
次に、本実施形態の画像形成装置1における除電器6の構成の詳細について、
図2を参照して説明する。
図2は、画像形成装置1における除電器6の構成を説明するための図である。
【0035】
上述の如く、本実施形態の画像形成装置では、ドラムユニット21及び現像ユニット22を含む各画像形成ユニット2Y、2C、2M、2Bkと、中間転写ユニット3とが作像フレーム2Aに対して位置決めされて装着された作像ユニット2は、所定の装着方向H21に沿って本体ハウジング100に装着される。すなわち、ドラムユニットフレーム21Aに支持された感光体ドラム211及び帯電器212を含むドラムユニット21は、作像ユニット2が装着されることにより、本体ハウジング100に装着される。
【0036】
このような構成の画像形成装置1において、除電器6は、本体ハウジング100に支持される光源61と、ドラムユニット21のドラムユニットフレーム21Aに支持される導光体62と、を含む。
【0037】
光源61は、感光体ドラム211の表面上の残留電荷を除去するための除電光を出射するものである。光源61は、例えばLED(Light Emitting Diode)である。本実施形態では、4つの各画像形成ユニット2Y、2C、2M、2Bkに対応して4つの光源61が、本体ハウジング100の光源支持部1001に、前後方向H2(以下、「第2方向H2」という)に並んで支持されている。第2方向H2は、感光体ドラム211のドラム回転軸が延びる軸方向である第1方向H1と直交する方向である。なお、光源61の光軸J1は、第1方向H1に沿って延びる。
【0038】
導光体62は、ドラムユニット21のドラムユニットフレーム21Aに支持されて第1方向H1に延びる、棒状の部材である。導光体62は、例えばアクリル樹脂等の透光性を有する樹脂材料によって形成されている。本実施形態では、第2方向H2に並んで配置される4つの各画像形成ユニット2Y、2C、2M、2Bkにおける各ドラムユニット21に対応して4つの導光体62が、各ドラムユニットフレーム21Aに支持されている。
【0039】
図3は、除電器6における導光体62の構成を示す斜視図である。作像ユニット2の本体ハウジング100への装着により、ドラムユニット21が本体ハウジング100に装着された状態において、導光体62は、軸方向(第1方向H1)一端部の端面621(以下、「一端面621」という)が光源61と対向するように配置される。導光体62は、一端面621から入射した光源61からの除電光を感光体ドラム211の表面に導光するものである。導光体62は、一端面621から入射した光源61からの除電光を伝搬するとともに、第1方向H1に延びるライン状の除電光に変換して出射する。
【0040】
なお、導光体62は、一端面621からの除電光の入射に加えて、軸方向(第1方向H1)一端部とは反対の他端部の端面622(以下、「他端面622」という)からも除電光が入射されるよう、構成されていてもよい。すなわち、導光体62は、軸方向(第1方向H1)両端部の各端面621、622が光源61と対向するように配置され、当該各端面621、622から入射した光源61からの除電光を感光体ドラム211の表面に導光するよう、構成されていてもよい。
【0041】
また、導光体62は、感光体ドラム211に対向する出射面624と、この出射面624に対向する反射面623とを含む。導光体62において、出射面624は、軸方向(第1方向H1)に沿って延び、第1方向H1と直交する方向に所定の幅を持って、一端面621から入射した除電光を、感光体ドラム211に向けて出射する面である。導光体62の出射面624から出射された除電光の、感光体ドラム211へ向かう方向を、「出射方向H3」という。導光体62において、反射面623は、軸方向(第1方向H1)に沿って延びる帯状の面であって、導光体62内を伝搬する除電光を出射面624に向けて反射する。この反射面623には、不図示の微小なプリズムが多数設けられている。導光体62の反射面623では、当該プリズムによって除電光が出射面624に向かって反射される。
【0042】
図4は、除電器6における光源61と導光体62との位置関係を説明するための図である。
図4(1)は、作像ユニット2の本体ハウジング100への装着により、ドラムユニット21が本体ハウジング100に装着された状態において、除電器6における光源61と導光体62とを上下方向から見た平面図である。
図4(2)は、ドラムユニット21が本体ハウジング100に装着された状態において、光源61の光軸J1が延びる光軸方向から見た図である。
【0043】
上述の如く、除電器6は、本体ハウジング100に支持される光源61と、本体ハウジング100に装着されるドラムユニット21のドラムユニットフレーム21Aに支持される導光体62とを含む。ドラムユニット21が本体ハウジング100に装着された状態において導光体62は、一端面621が光源61と対向するように配置されている。このような構成の除電器6において、光源61から出射される除電光611の下記式(1)で定義される広がり幅Wと、導光体62の一端面621の外接円6211の直径Dとが、D≦Wの関係を満たす。
W=2L・tan(θ/2) ・・・(1)
【0044】
式(1)中、「L」は光源61から導光体62の一端面621までの距離を示し、「θ」は光源61における、最大光度の半分以上の光度の除電光611が出射される角度範囲となる配光角を示す。
【0045】
ここで、光源61における配光角θについて、説明する。
図5は、光源61における配光角θを説明するための図である。配光角θとは、光源61における、最大光度の半分(50%)以上の光度の除電光611が出射される角度範囲をいう。例えば、光源61において、光軸J1を基準(角度0°、光度100%)としたときの角度と光度との関係を示す配光曲線LCが、
図5に示す円形となる場合、最大光度(100%)の半分(50%)以上の光度の除電光611が出射される角度範囲は、光軸J1を基準として「−60°〜+60°」の範囲となる。従って、この場合の配光角θは、「120°」となる。
【0046】
例えば、光源61として配光角θが「120°」であるLEDを用い、光源61から導光体62の一端面621までの距離Lを「2.7mm」に設定した場合、上記式(1)で定義される、光源61から出射される除電光611の広がり幅Wは、「9.35mm」となる。この広がり幅Wに対し、導光体62としては、一端面621の外接円6211の直径Dが例えば「5.0mm」であるものを用いる。この場合、直径Dに対する広がり幅Wの割合W/Dは、「1.87」となる。
【0047】
光源61から出射される除電光611の上記式(1)で定義される広がり幅Wと、導光体62の一端面621の外接円6211の直径Dとが、D≦Wの関係を満たすことにより、導光体62において除電光611の入射面となる一端面621が、ドラムユニット21の本体ハウジング100に対する装着に起因して、光源61の光軸J1に対して位置ずれが発生した状態で配置されたとしても、導光体62に入射される除電光611の光量の低下を抑制することができる。このため、一端面621から入射し、導光体62の内部を伝搬して当該導光体62の出射面624から出射方向H3に出射される除電光611の光量の低下が抑制され、感光体ドラム211に対する除電光611の照射光量の安定化を図ることができる。この結果、感光体ドラム211に対する除電光611の照射光量の低下に起因した画像欠陥の発生を抑止することができる。
【0048】
また、
図2を参照して説明すると、感光体ドラム211のドラム回転軸に沿った第1方向H1に延びるように導光体62が支持されたドラムユニット21が、作像フレーム2Aに対して位置決めされて装着された作像ユニット2の、本体ハウジング100に対する装着方向H21は、本体ハウジング100に支持された光源61の光軸J1と直交する方向であることが望ましい。
図2に示す例では、作像ユニット2の本体ハウジング100に対する装着方向H21は、光源61の光軸J1が延びる第1方向H1と直交する方向である。
【0049】
この態様では、導光体62が支持されたドラムユニット21が、光源61が支持された本体ハウジング100に対して、光源61の光軸J1と直交する方向に沿って装着される。これにより、光源61の光軸J1が延びる光軸方向(第1方向H1)における、ドラムユニット21の本体ハウジング100に対する装着に起因した導光体62と光源61との間の相対的な位置ずれ量を、低減することができる。このため、導光体62と光源61との間の光軸方向(第1方向H1)の離間距離、すなわち、上記式(1)中における光源61から導光体62の一端面621までの距離Lの、ドラムユニット21の本体ハウジング100に対する装着に起因した変動幅が、小さくなる。この結果、距離Lに基づく上記式(1)で定義される除電光611の広がり幅Wの、ドラムユニット21の本体ハウジング100に対する装着に起因した変動幅も同様に、小さくなる。従って、除電光611の広がり幅Wと導光体62の一端面621の外接円6211の直径Dとが、D≦Wの関係をより確実に満たす、構成とすることができる。
【0050】
また、
図2に示すように、作像ユニット2は、作像フレーム2Aに取り付けられた、第2方向H2に沿って棒状に延びる一対のガイド部2Aaを含む。そして、本体ハウジング100には、第2方向H2に沿って延びる一対のガイドレール1002が取り付けられている。一対のガイド部2Aaが一対のガイドレール1002に沿うように、作像ユニット2が本体ハウジング100に対して装着方向H21に沿って装着されることにより、作像ユニット2を本体ハウジング100に対して位置決めされた状態で、装着することができる。
【0051】
一対のガイド部2Aaの作像フレーム2Aに対する、第1方向H1に直交する方向への取り付け公差、及び、一対のガイドレール1002の本体ハウジング100に対する、光源61の光軸J1に直交する方向への取り付け公差などにより、ドラムユニット21が本体ハウジング100に装着された状態で、導光体62と光源61との間に、光源61の光軸J1に直交する方向への相対的な位置ずれが発生する場合がある。
【0052】
導光体62と光源61との間に、光源61の光軸J1に直交する方向への相対的な位置ずれが発生すると、一端面621から導光体62に入射される除電光611の光量が低下する可能性がある。そこで、導光体62と光源61との間の、光源61の光軸J1に直交する方向への相対的な位置ずれ許容量を「d」としたとき、当該位置ずれ許容量d、導光体62の一端面621の外接円6211の直径D、及び、光源61から出射される除電光611の上記式(1)で定義される広がり幅Wが、下記式(2)を満たすことが望ましい。
W/(D+d)≧1.3 ・・・(2)
【0053】
前記位置ずれ許容量dが上記式(2)を満たすように、一対のガイド部2Aaの作像フレーム2Aに対する、第1方向H1に直交する方向への取り付け公差、及び、一対のガイドレール1002の本体ハウジング100に対する、光源61の光軸J1に直交する方向への取り付け公差などが設定されることにより、一端面621から導光体62に入射される除電光611の光量の低下を、例えば10%程度に抑制することができる。このため、一端面621から入射し、導光体62の内部を伝搬して当該導光体62の出射面624から出射方向H3に出射される除電光611の光量の低下も同様に、例えば10%程度に抑制することができ、感光体ドラム211に対する除電光611の照射光量の安定化を図ることができる。
【0054】
図6は、除電器6における反射材63の一例を示す斜視図である。
図7は
図6に示す反射材63の平面図であり、
図8は
図6に示す反射材63を軸方向から見た図である。本実施形態では、除電器6は、
図6乃至
図8に示すように、反射材63を更に含む構成としてもよい。
【0055】
反射材63は、ドラムユニット21のドラムユニットフレーム21Aに支持され、導光体62の一端部における外周面の少なくとも一部と隙間Gを隔てて対向した反射面631を有する反射部材である。
図6に示す例では、反射材63は、導光体62の一端部における外周面を全周にわたって覆うように円環状に形成される。この反射材63は、前記隙間Gに進入した光源61からの除電光611を、反射面631により導光体62に向けて反射する。
【0056】
反射材63を備えた構成の除電器6では、導光体62の一端部の一端面621から直接的に入射されずに導光体62と反射材63との隙間Gに進入した、光源61からの除電光611が、反射材63の反射面631により導光体62に向けて反射される。反射材63の反射面631により反射された除電光611は、導光体62に入射して、感光体ドラム211の表面に導光される。従って、光源61から出射された除電光611の出射光量に対する、感光体ドラム211への導光体62を介した照射光量の割合を大きくすることができる。
【0057】
ここで、
図7に示すように、ドラムユニット21が本体ハウジング100に装着された状態において、光源61の中心(光源61において除電光611が出射される出射面の中心)を含む光源61の光軸J1に垂直な仮想平面IPと、反射材63との間の距離Kは、光源61から導光体62の一端面621までの距離L以下であることが望ましい。そして、
図8に示すように、反射材63を軸方向(第1方向H1)から見たときに、反射材63の反射面631は、導光体62の一端面621の外接円6211の中心を中心とし、上記式(1)で定義される除電光611の広がり幅Wを直径とする仮想円ICに沿った形状であることが望ましい。
【0058】
この態様では、光源61から出射された、最大光度の半分以上の光度の全除電光611が、導光体62の一端面621から直接的に、又は、反射材63の反射面631により反射されて、導光体62に入射される。従って、光源61から出射された除電光611の出射光量に対する、感光体ドラム211への導光体62を介した照射光量の割合を、より確実に大きくすることができる。
【0059】
図9は、除電器6における反射材の変形例である反射材63Aを示す斜視図である。
図10は、
図9に示す反射材63Aを軸方向から見た図である。
【0060】
除電器6における反射材の変形例である反射材63Aは、上記した反射材63と同様に、ドラムユニット21のドラムユニットフレーム21Aに支持され、導光体62の一端部における外周面の少なくとも一部と隙間を隔てて対向した反射面63A1を有する反射部材である。
図9に示す例では、反射材63Aは、導光体62の一端部における外周面の反射面623側を覆うように半円環状に形成される。この反射材63Aは、導光体62の一端部における外周面の出射面624を覆わないように構成されている。反射材63Aは、前記隙間に進入した光源61からの除電光611を、反射面63A1により導光体62に向けて反射する。
【0061】
反射材63Aを備えた構成の除電器6では、導光体62の一端部の一端面621から直接的に入射されずに導光体62と反射材63Aとの隙間に進入した、光源61からの除電光611が、反射材63Aの反射面63A1により導光体62に向けて反射される。反射材63Aの反射面63A1により反射された除電光611は、導光体62に入射して、感光体ドラム211の表面に導光される。ここで、反射材63Aは、導光体62の一端部における外周面の出射面624を覆わないように構成されているので、導光体62の内部を伝搬して出射面624から出射方向H3に出射される除電光611の光量の低下を抑止することができる。
【0062】
なお、導光体62の反射面623側を覆い、出射面624を覆わないように構成された反射材63Aは、導光体62の一端部のみではなく、導光体62の第1方向H1の両端部間にわたって反射面623側を覆うように、構成されていてもよい。これにより、導光体62の内部を伝搬する除電光611において、反射面623から外方に漏れた除電光611を、導光体62に向けて反射させて、導光体62に再度入射させることができる。
【0063】
また、反射材63Aを備えた構成の除電器6において、光源61の中心を含む光軸J1に垂直な仮想平面IPと、反射材63Aとの間の距離は、上記した反射材63と同様に、光源61から導光体62の一端面621までの距離L以下であることが望ましい。そして、
図10に示すように、反射材63Aを軸方向(第1方向H1)から見たときに、反射材63Aの反射面63A1は、導光体62の一端面621の外接円6211の中心を中心とし、上記式(1)で定義される除電光611の広がり幅Wを直径とする仮想円ICに沿った形状であることが望ましい。
【0064】
この態様では、光源61から出射された、最大光度の半分以上の光度の除電光611の大半が、導光体62の一端面621から直接的に、又は、反射材63Aの反射面63A1により反射されて、導光体62に入射される。従って、光源61から出射された除電光611の出射光量に対する、感光体ドラム211への導光体62を介した照射光量の割合を、大きくすることができる。
【0065】
以上、本発明の実施形態に係る画像形成装置1について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採ることができる。
【0066】
上記の実施形態においては、画像形成装置1としてフルカラープリンターを例に挙げて説明したが、本発明は、画像形成装置1がフルカラープリンターであることに限定されるものではない。画像形成装置1は、モノクロプリンターであってもよいし、複写機であってよい。また、画像形成装置1は、通信回線を介して伝送された画像情報に基づき画像を出力するファクシミリであってもよい。