特開2017-227769(P2017-227769A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-227769(P2017-227769A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/16 20060101AFI20171201BHJP
   G03G 15/01 20060101ALI20171201BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   G03G15/16
   G03G15/01
   G03G21/16 109
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-123819(P2016-123819)
(22)【出願日】2016年6月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184631
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 隆
(72)【発明者】
【氏名】中村 了
(72)【発明者】
【氏名】志部谷 哲平
(72)【発明者】
【氏名】黒川 彩加
【テーマコード(参考)】
2H171
2H200
2H300
【Fターム(参考)】
2H171FA02
2H171FA10
2H171GA01
2H171GA03
2H171JA13
2H171JA49
2H171KA21
2H171QA04
2H171QA24
2H171QB03
2H171QB14
2H171QB32
2H171QC03
2H171SA11
2H171SA18
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA31
2H171TA02
2H171WA23
2H200FA02
2H200FA08
2H200FA12
2H200GB33
2H200JA02
2H200JB10
2H200JB13
2H200JB16
2H200JB22
2H200JB32
2H200JC04
2H200JC07
2H200JC09
2H200JC10
2H200JC12
2H200KA03
2H200LB02
2H200LB09
2H200LB11
2H200LB14
2H200LB37
2H200MC05
2H300EA06
2H300EC01
2H300EC05
2H300EC12
2H300EC13
2H300EF03
2H300EF08
2H300EL04
2H300GG01
2H300GG02
2H300GG32
2H300GG34
2H300GG38
2H300GG44
2H300GG47
2H300MM08
(57)【要約】
【課題】部品点数を削減して製品コストの低減を図りつつ、中間転写ベルトの内周面の清掃機能と、濃度検出センサーに対向する位置での中間転写ベルトの波打ち防止機能とを両立可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】清掃部材保持部35bは、濃度検出センサー25よりもベルト走行方向の上流側においてベルト幅方向に延びるベルト幅方向延設部35cと、ベルト幅方向延設部35cにおけるベルト走行方向の下流側端部から該下流側に突出すると共に、中間転写ベルト5を挟んで濃度検出センサー25に対向するように形成された突出部35dとを有し、上記突出部35dにおける清掃部材保持面Hの面精度は、ベルト幅方向延設部35cにおける清掃部材保持面Hの面精度よりも高い。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行する無端状の中間転写ベルトと、該中間転写ベルトの外周面にトナー像を形成する画像形成部と、上記中間転写ベルトの外周面に形成されたトナー像の濃度を検出する濃度検出センサーと、上記中間転写ベルトの外周面に形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写部と、上記中間転写ベルトの内周面に対向する清掃部材保持面を有する清掃部材保持部と、上記清掃部材保持面に保持されて上記中間転写ベルトの内周面に当接する清掃部材とを備えた画像形成装置であって、
上記清掃部材保持部は、
上記濃度検出センサーよりもベルト走行方向の上流側においてベルト幅方向に延びるベルト幅方向延設部と、
上記ベルト幅方向延設部におけるベルト走行方向の下流側端部から該下流側に突出すると共に、上記中間転写ベルトを挟んで上記濃度検出センサーに対向するように形成された突出部とを有し、
上記突出部における清掃部材保持面の面精度は、上記ベルト幅方向延設部における清掃部材保持面の面精度よりも高い、画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置おいて、
上記清掃部材保持面におけるベルト走行方向の上流側端に接続され、ベルト走行方向の下流側から上流側に向かって上記中間転写ベルトの径方向内側に傾斜する傾斜面を有している、画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置おいて、
上記中間転写ベルトが巻き回される駆動ローラー及び従動ローラーと、
上記駆動ローラー及び従動ローラーを支持するフレーム部材をさらに備え、
上記清掃部材保持部は、上記フレーム部材に一体成形されている、画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成装置おいて、
上記中間転写ベルトが巻き回される駆動ローラー及び従動ローラーとを備え、
上記駆動ローラーの下側には、用紙搬送路が設けられている、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中間転写方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、感光体ドラムの周面に形成されたトナー像を、一次転写ローラーにより中間転写ベルトに転写させた後、二次転写ローラーにより記録紙に転写させる中間転写方式の画像形成装置が知られている。中間転写ベルトはその内周面に当接する駆動ローラーによって回転駆動される。上記トナー像は中間転写ベルトの外周面に形成される。
【0003】
この種の画像形成装置では、画像濃度を補正するための濃度補正部を備える場合がある(例えば、特許文献1参照)。濃度補正部は、中間転写ベルトの外周面に濃度調整用のテスト画像を形成して、濃度検出センサーにより検出された該テスト画像の濃度を基に、現像バイアスを調整するなどして画像濃度を補正する。
【0004】
濃度検出センサーは中間転写ベルトの外周面に対向するように配置されている。濃度検出センサーに対して中間転写ベルトを挟んで対向する位置にはベルトガイド部が設けられている。このベルトガイド部は、中間転写ベルトの内周面に当接することで中間転写ベルトの波打ちを防止している。このようにベルトガイド部を設けることにより、濃度検出センサーによる画像濃度の検出精度が向上するとされている。
【0005】
ところで、上記中間転写ベルトを駆動する駆動ローラーの表面にトナーが付着すると、付着したトナーが固化して中間転写ベルトを損傷させる虞がある。この問題を解決するべく、中間転写ベルトの内周面に清掃部材を当接させる場合がある。この場合、清掃部材は、中間転写ベルトの径方向内側に設けられた清掃部材保持部によって保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−15029号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、製品コストを低減する観点では、上述のベルトガイド部と清掃部材保持部とを一体化することが好ましい。
【0008】
しかし、ベルトガイド部のガイド面に要求される面精度は、清掃部材保持部の保持面に要求される面精度に比べて高いので、単に清掃部材保持部とガイド部とを一体化しただけでは、中間転写ベルトの内周面の清掃機能と、濃度検出センサーに対向する位置での中間転写ベルトの波打ち防止機能とを両立させることができない。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、部品点数を削減して製品コストの低減を図りつつ、中間転写ベルトの内周面の清掃機能と、濃度検出センサーに対向する位置での中間転写ベルトの波打ち防止機能とを両立させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る画像形成装置は、走行する無端状の中間転写ベルトと、該中間転写ベルトの外周面にトナー像を形成する画像形成部と、上記中間転写ベルトの外周面に形成されたトナー像の濃度を検出する濃度検出センサーと、上記中間転写ベルトの外周面に形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写部と、上記中間転写ベルトの内周面に対向する清掃部材保持面を有する清掃部材保持部と、上記清掃部材保持面に保持されて中間転写ベルトの内周面に当接する清掃部材とを備えている。
【0011】
そして、上記清掃部材保持部は、上記濃度検出センサーよりもベルト走行方向の上流側においてベルト幅方向に延びるベルト幅方向延設部と、上記ベルト幅方向延設部におけるベルト走行方向の下流側端部から該下流側に突出し、上記中間転写ベルトを挟んで上記濃度検出センサーに対向する位置に設けられた突出部とを有し、上記突出部における清掃部材保持面の面精度は、上記ベルト幅方向延設部における清掃部材保持面の面精度よりも高いものとされている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、部品点数を削減して製品コストの低減を図りつつ、中間転写ベルトの内周面の清掃機能と、濃度検出センサーに対向する位置での中間転写ベルトの波打ち防止機能とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態における画像形成装置を示す概略の全体図である。
図2図2は、図1のII方向矢視図である。
図3図3は、中間転写ユニットを斜め上側から見た斜視図である。
図4図4は、中間転写ユニットを斜め下側から見た斜視図である。
図5図5は、図4のV部を拡大して示す拡大図である。
図6図6は、清掃部材の清掃部材保持部をベルト幅方向から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0015】
図1は、この発明の実施形態に係る画像形成装置1の概略構成図を示す。以下の説明において、前側、後側は、画像形成装置1の前側、後側(図1の手前側、奥側)を意味し、左側、右側は、画像形成装置1を前側から見たときの左側、右側を意味する。
【0016】
上記画像形成装置1は、タンデム方式のカラープリンターであって、箱形のケーシング2内に画像形成部3を備えている。この画像形成部3は、ネットワーク接続等がされたコンピューター等の外部機器から伝送されてくる画像データに基づき画像を記録紙(記録媒体)Pに形成する。画像形成部3の下方には、レーザー光を照射する露光装置4が配置され、画像形成部3の上方には、中間転写ベルト5を有する中間転写ユニット30が配置されている。露光装置4の下方には、記録紙Pを貯留する用紙貯留部6が配置され、用紙貯留部6の右側には、手差し給紙部7が配置されている。中間転写ユニット30の左側且つ上側には、記録紙Pに転写形成された画像に定着処理を施す定着部8が配置されている。符号9は、ケーシング2上部に配置され、定着部8で定着処理が施された記録紙Pを排出する用紙排出部である。
【0017】
画像形成部3は、中間転写ベルト5に沿って一列に配置された4つの画像形成ユニット10を備えている。中間転写ベルト5は、左右方向に間隔を空けて配置された駆動ローラー31及び従動ローラー32に巻き回された無端状のベルトである。中間転写ベルト5は、駆動ローラー31により図1の反時計回り方向に回転駆動される。中間転写ベルト5の幅方向は画像形成装置1の前後方向に一致し、中間転写ベルト5の走行方向は画像形成装置1の左右方向に一致している。以下の説明において、ベルト走行方向の上流側及び下流側は、中間転写ベルト5を後述する濃度検出センサー25側(つまり下側)から見たときのベルト走行方向の上流側(左側)及び下流側(右側)を意味するものとする。
【0018】
画像形成ユニット10は、感光体ドラム11を有している。各感光体ドラム11の直下には、帯電器12が配置され、各感光体ドラム11の右側には、現像装置13が配置され、各感光体ドラム11の直上には、一次転写ローラー14が配置され、各感光体ドラム11の左側には、感光体ドラム11の周面を清掃する清掃部15が配置されている。
【0019】
各感光体ドラム11は、帯電器12によって周面が一様に帯電され、当該帯電後の感光体ドラム11の周面に対して、上記コンピューター等から入力された画像データに基づく各色に対応したレーザー光が露光装置4から照射され、各感光体ドラム11の周面に静電潜像が形成される。かかる静電潜像に現像装置13から現像剤が供給されて、各感光体ドラム11の周面にイエロー、マゼンタ、シアン、又はブラックのトナー像が形成される。これらトナー像は、一次転写ローラー14に印加された転写バイアスにより中間転写ベルト5にそれぞれ重ねて転写される。
【0020】
符号16は、定着部8の下方に配置された二次転写ローラーであり、用紙貯留部6又は手差し給紙部7から用紙搬送路17を搬送される記録紙Pを二次転写ローラー16と中間転写ベルト5とで挟持し、二次転写ローラー16に印加された転写バイアスにより中間転写ベルト5上のトナー像を記録紙Pに転写する。
【0021】
定着部8は、加熱ローラー18と加圧ローラー19とを備え、これら加熱ローラー18と加圧ローラー19とにより記録紙Pを挟持して加圧しながら加熱し、記録紙Pに転写されたトナー像を記録紙Pに定着させる。定着処理後の記録紙Pは、用紙排出部9に排出される。符号20は、両面印刷時に定着部8から排出された記録紙Pを反転させるための反転搬送路である。
【0022】
上記画像形成装置1は、印刷画像の濃度を所定の基準濃度に調整する濃度調整部を有している。濃度調整部は、濃度検出センサー25とコントローラー26とを有している。
【0023】
図2に示すように、濃度検出センサー25は、駆動ローラー31よりもベルト走行方向の上流側に2つ設けられている。2つの濃度検出センサー25はそれぞれ、中間転写ベルト5の外周面におけるベルト幅方向の両端部に対向するように配置されている。
【0024】
各濃度検出センサー25は、例えば反射型の光学センサーにより構成されている。濃度検出センサー25は、画像形成部3によって中間転写ベルト5の外周面に形成されたテスト用のトナー像に向けて光を出射してその反射光を検出する。そして、濃度検出センサー25は、この検出した反射光を基にテスト用のトナー像の濃度を検出し、検出した濃度に対応する濃度信号をコントローラー26に出力する。コントローラー26は、濃度検出センサー25からの濃度信号を基に、例えば現像装置13の現像バイアスを調整することで印刷画像の濃度を調整する。
【0025】
各濃度検出センサー25に対して中間転写ベルト5を挟んで対向する位置には、後述する清掃部材保持部35bの突出部35dが位置している。清掃部材保持部35bは、中間転写ユニット30のフレーム部材33に一体形成されている。
【0026】
中間転写ユニット30は、図3及び図4に示すように、中間転写ベルト5と駆動ローラー31と従動ローラー32(図3では不図示)とをフレーム部材33を介してユニット化したものである。
【0027】
フレーム部材33は、前後方向に間隔を空けて対向配置された一対の側面フレーム部34と、該側面フレーム部34の下端部同士を連結する下側フレーム板部35(図4参照)とを有している。
【0028】
下側フレーム板部35は、平面視で左右方向に長い矩形状をなしている。下側フレーム板部35には前後方向に延びる矩形状の開口部35kが左右方向に間隔を空けて4つ形成されており、各開口部35kからそれぞれ一次転写ローラー14が露出している。
【0029】
下側フレーム板部35の下面には、格子状をなすリブ部35aが突設されている。下側フレーム板部35の右側端部には清掃部材保持部35bが一体成形されている。
【0030】
図5及び図6を参照して清掃部材保持部35bの詳細について説明する。清掃部材保持部35bは清掃部材保持面H(図6参照)を有している。清掃部材保持面Hは、中間転写ベルト5の内周面に対向する面であり、清掃部材保持面Hにはシート状の清掃部材36が接着固定されて保持されている。清掃部材36は、例えば人工皮革により構成されている。清掃部材36は、その表面が中間転写ベルト5の内周面に当接するように配置されている。中間転写ベルト5が付図示のモーターによる駆動源を用いて回転されることで走行すると、中間転写ベルト5の内周面に付着したトナーが清掃部材36により拭き取られて捕集される。
【0031】
清掃部材保持部35bは、ベルト幅方向延設部35cと、一対の突出部35dとを有している。ベルト幅方向延設部35cは、ベルト幅方向(前後方向)に延びる略矩形柱状をなしている。ベルト幅方向延設部35cにおける清掃部材保持面H(図6参照)は平坦面状をなしている。清掃部材保持部35bにおける清掃部材保持面H側で且つベルト走行方向の上流側の角部には傾斜面35eが形成されている。傾斜面35eは、ベルト走行方向の下流側から上流側に向かって中間転写ベルト5の径方向内側に傾斜している。
【0032】
一対の突出部35dは、濃度検出センサー25側から見て、ベルト幅方向延設部35cにおけるベルト走行方向の下流側端面から該下流側に突出している。一対の突出部35dはベルト幅方向に間隔を空けて設けられている。一対の突出部35dは、一対の濃度検出センサー25に対して中間転写ベルト5を挟んで対向する位置に設けられている。そして、一対の突出部35dは、清掃部材36を保持する機能に加えて中間転写ベルト5をガイドしてその波打ちを防止する機能を有している。
【0033】
一対の突出部35dは共に前後方向に長い矩形柱状をなしている。一対の突出部35dの高さはベルト幅方向延設部35cの高さと等しい。一対の突出部35dの清掃部材保持面Hは平坦面状をなしていて、ベルト幅方向延設部35cの清掃部材保持面Hと連続的に繋がって面一になっている。一対の突出部35dの清掃部材保持面Hの面精度は、ベルト幅方向延設部35cの清掃部材保持面Hの面精度よりも高い。ここで、面精度とは例えば平面度や面粗度等を意味する。
【0034】
以上説明したように本実施形態では、上記清掃部材保持部35bは、濃度検出センサー25よりもベルト走行方向の上流側においてベルト幅方向に延びるベルト幅方向延設部35cと、ベルト幅方向延設部35cにおけるベルト走行方向の下流側端部から該下流側に突出し、中間転写ベルト5を挟んで濃度検出センサー25に対向するように形成された突出部35dとを有している。
【0035】
したがって、清掃部材保持部35bの突出部35dが清掃部材36を介して中間転写ベルト5を径方向内側からガイドすることで、濃度検出センサー25に対向する位置での中間転写ベルト5の波打ちを防止することができる。延いては、濃度検出センサー25に対向する位置での中間転写ベルト5の波打ちを防止し、濃度検出センサー25によるトナー像の濃度検出精度を向上させることができる。
【0036】
また、清掃部材保持部35bとは別体でベルトガイド部を設ける必要もないので、部品点数を削減して製品コストを低減することができる。
【0037】
ここで、製品コストを低減する観点では、突出部35dを廃止してベルト幅方向延設部35cを濃度検出センサー25に対向する位置に設けることも考えられる。
【0038】
しかしこの場合、ベルト幅方向延設部35cの清掃部材保持面Hが中間転写ベルト5のガイド面としての機能を併せ持つこととなるので、ベルト幅方向に広範囲に延びる清掃部材保持面H全体を高い面精度で仕上げる必要がある。このため、高い成形技術が必要となり、成形コストの増加を招くという問題がある。
【0039】
これに対して本実施形態では、突出部35dを設けてこの突出部35dの清掃部材保持面Hを、ベルト幅方向延設部35cの清掃部材保持面Hの面精度よりも高くするようにしたことで、高い面精度が要求される部分をできるだけ狭い範囲に限定して成形コストを抑制することができる。
【0040】
また本実施形態において、上記清掃部材保持面Hにおけるベルト走行方向の上流側端は傾斜面35eに接続されており、この傾斜面35eは、ベルト走行方向の下流側から上流側に向かって中間転写ベルト5の径方向内側に傾斜している。
【0041】
この構成によれば、清掃部材保持面H上を走行する中間転写ベルト5の走行抵抗を極力低減することができる。
【0042】
また本実施形態では、中間転写ベルト5が巻き回される駆動ローラー31及び従動ローラー32はフレーム部材33に支持されており、清掃部材保持部35bはこのフレーム部材33に一体成形されている。
【0043】
この構成によれば、フレーム部材33の一部を清掃部材保持部35bとして利用することで、部品点数を削減して製品コストをさらに低減することができる。
【0044】
ところで、駆動ローラー31の近傍では中間転写ベルト5に対して十分なテンションが付与されるので、中間転写ベルト5の波打ちが生じ難い。したがって、駆動ローラー31の下側に濃度検出センサー25を配置すれば、中間転写ベルト5の波打ちに起因する濃度検出センサー25の検出精度の低下を抑制することができる。しかし、本実施形態の画像形成装置1では、駆動ローラー31の下側に用紙搬送路17が設けられているので、駆動ローラー31の下側に濃度検出センサー25を配置することができない。本発明は、このように濃度検出センサー25の配置位置が制限される画像形成装置1に対して特に有用である。
【0045】
《他の実施形態》
上記実施形態では、濃度検出センサー25は2つ設けられているが、これに限ったものではなく、濃度検出センサー25は1つだけ設けてもよいし、3つ以上設けてもよい。
【0046】
上記実施形態では、画像形成装置1がレーザープリンターである例について説明したが、これに限ったものではなく、画像形成装置1は例えば複写機、複合機(MFP)又はファクシミリ等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上説明したように、本発明は、中間転写ベルトを有する画像形成装置について有用である。
【符号の説明】
【0048】
H 清掃部材保持面
P 記録媒体
1 画像形成装置
3 画像形成部
5 中間転写ベルト
11 感光体ドラム(像担持体)
13 現像装置
14 一次転写ローラー
16 二次転写ローラー(転写部)
17 用紙搬送路
25 濃度検出センサー
31 駆動ローラー
32 従動ローラー
33 フレーム部材
35b 清掃部材保持部
35c ベルト幅方向延設部
35d 突出部
35e 傾斜面
36 清掃部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6