【解決手段】光レセプタクル1は、レセプタクルフェルール15を有する光ファイバ組立体13と、レセプタクルフェルール15に係合する第1の係合部21と、プラグフェルールを有する光コネクタプラグに係合する係合孔34とを有するハウジング10と、レセプタクルフェルール15とプラグフェルールとを調心する筒状体36及びスリーブ38とを備えている。第1の係合部21は、レセプタクルフェルール15の移動を規制するとともに、ハウジング10から露出して外部から視認できるように構成された端面25を有している。係合孔34は、光コネクタプラグの移動を規制するとともに、ハウジング10から露出して端面25と同時に外部から視認できるように構成された端面35を有している。
前記ハウジングは、外側に突出するラッチ突起であって、光モジュールの筐体に設けられる取付部に係合するラッチ突起をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光レセプタクル。
前記ラッチ突起と前記第1の係合部とは、前記第1の光ファイバの軸方向及び前記ラッチ突起が突出する方向の双方に垂直な高さ方向において異なる高さに位置していることを特徴とする請求項3に記載の光レセプタクル。
【背景技術】
【0002】
例えば、フォトダイオードやレーザダイオードなどの光素子を内部に収容した光モジュールにおいては、内部の光素子から延びる光ファイバと外部の機器から延びる光ファイバとを接続するために光レセプタクルが用いられることがある。このような光レセプタクルとしては、プラグ−アダプタ−プラグ方式を採用したものが広く用いられている。すなわち、光ファイバの端部に取り付けられた光コネクタプラグを光レセプタクルの両側からそれぞれ挿入して嵌合させ、プラグ同士を光レセプタクル内で突き合わせることで光学的に結合するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種の光コネクタプラグは、光レセプタクルのハウジングに係合する係合爪を有しており、この係合爪を光レセプタクルのハウジングに係合させることにより光コネクタプラグを光レセプタクル内に保持できるようになっている。また、この係合爪によるハウジングへの係合を解除することで、光レセプタクルに嵌合させた光コネクタプラグを光レセプタクルから取り外すことができるようになっている。このような光コネクタプラグや光レセプタクルとして、例えば日本工業規格C5964−20に規定されるLC形光コネクタを採用することができる。また、このようなプラグ−アダプタ−プラグ方式の光レセプタクルにおいて、片方のプラグ接続部分を簡易な構造にしたものも知られている(例えば、特許文献2参照)。この種の光レセプタクルとしては、日本工業規格C5985に規定されるSC−SR形光コネクタが挙げられる。
【0004】
この種の光レセプタクルでは、外側ハウジングの内部に内側ハウジングが収容されており、光コネクタプラグとの係合部は内側ハウジングに設けられている。2つの光コネクタプラグを正確に整列させて接続するために、一方の光コネクタプラグに対する係合部の位置と他方の光コネクタプラグに対する係合部の位置とを正確に合わせる必要があるため、通常、光レセプタクルを製造する際には、内側ハウジングに設けられた係合部間の距離を測定し、それぞれの係合部が正しい位置にあることを確認した後に外側ハウジングの内部に内側ハウジングを収容する。
【0005】
しかしながら、従来の光レセプタクルでは、製品の完成後には、内側ハウジングに設けられた係合部が外部から見えない構造となっているため、完成後に何らかの障害が生じた場合などに、それぞれの係合部間の距離が適切に保持されているか否かを確認するために、一旦、外側ハウジングから内側ハウジングを取り出してから係合部間の距離を測定する必要がある。このように、従来の光レセプタクルでは、製品の完成後にそれぞれの係合部が正しい位置にあることを確認することが難しい構造となっており、確認するためには内部ハウジングを外部ハウジングから取り出す工程が必要で手間とコストがかかるという問題があった。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る光レセプタクルの実施形態について
図1から
図29を参照して詳細に説明する。なお、
図1から
図29において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、
図1から
図29においては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や一部の構成要素が省略されている場合がある。
【0014】
図1及び
図2は本発明の第1の実施形態における光レセプタクル1を示す斜視図、
図3は平面図、
図4は左側面図、
図5は右側面図、
図6は正面図、
図7は底面図、
図8は
図4のA−A線断面図、
図9は
図4のB−B線断面図である。
図1から
図9に示すように、本実施形態における光レセプタクル1は、略直方体状のハウジング10と、レセプタクルフェルール15を有する複数の光ファイバ組立体13とを備えている。それぞれの光ファイバ組立体13は、例えば光モジュール内のフォトダイオードやレーザダイオードなどの光素子などから延びる複数の光ファイバ3(第1の光ファイバ)のそれぞれをレセプタクルフェルール15に挿通固定することにより形成されている。
【0015】
ハウジング10は、基部12と、基部12を挟んでX方向の両側に配置された第1の接続部20及び第2の接続部30とを備えている。これら基部12と第1の接続部20と第2の接続部30とは一体的に形成されることが好ましいが、それぞれハウジング10と別体であってもよい。
【0016】
図1及び
図3に示すように、本実施形態の第1の接続部20は、レセプタクルフェルール15に係合する4つの第1の係合部21を有している。これらの第1の係合部21は、光レセプタクル1の幅方向(Y方向)に沿って所定の間隔で配置されている。本実施形態における光レセプタクル1では、4つの第1の係合部21が4つのレセプタクルフェルール15に係合しているが、レセプタクルフェルール15の数及び第1の係合部21の数はこれに限られるものではない。
【0017】
図1及び
図3に示すように、本実施形態の第2の接続部30には、X方向に延びるプラグ挿入口32が4つ形成されている。これらのプラグ挿入口32は、第1の係合部21に対応して設けられており、光レセプタクル1の幅方向(Y方向)に沿って所定の間隔で配置されている。それぞれのプラグ挿入口32には、光モジュールの外部の機器から延びる複数の光ファイバ(第2の光ファイバ)のそれぞれの端部に取り付けられた光コネクタプラグ(図示せず)を挿入できるようになっている。それぞれの光コネクタプラグは、第2の光ファイバをプラグフェルール(図示せず)に挿通固定することにより形成されている。本実施形態では、日本工業規格C5964−20に規定されるLC形光コネクタプラグがそれぞれのプラグ挿入口32に挿入され、光レセプタクル1に接続される。
【0018】
図2及び
図9に示すように、第2の接続部30の上面には、LC形光コネクタプラグに設けられた係合ラッチに対応する係合孔34が形成されている。本実施形態では、1つのプラグ挿入口32に対して2つの係合孔34が形成されている。LC形光コネクタプラグの係合ラッチがこれらの係合孔34に係合することにより、プラグ挿入口32に挿入されたLC形光コネクタプラグが光レセプタクル1内に保持されるようになっている。このように、本実施形態においては、第2の接続部30に形成された係合孔34がLC形光コネクタプラグに係合する第2の係合部として機能する。
【0019】
また、
図8及び
図9に示すように、それぞれのプラグ挿入口32の内部には、挿入される光コネクタプラグのフェルールを受け入れる筒状体36が配置されている。この筒状体36の内部にはハウジング10の基部12を貫通する貫通孔37が形成されている。この貫通孔37の内部には、光コネクタプラグのフェルール(図示せず)と光ファイバ3のレセプタクルフェルール15とを整列させるスリーブ38が配置されている。このように、筒状体36及びスリーブ38は、レセプタクルフェルール15とプラグフェルールとを調心する調心機構としての役割を有する。
【0020】
図10は、光ファイバ組立体13を示す斜視図である。
図10に示すように、光ファイバ組立体13は、光ファイバ3と、この光ファイバ3の端末を挿通固定したレセプタクルフェルール15とから構成されている。レセプタクルフェルール15は、光ファイバ3の素線の端部を保持するフェルール本体50と、フェルール本体50から径方向外側に延出する(拡径する)フランジ部52と、フランジ部52から光ファイバ3の光軸方向に延びる管状部54と、管状部54の端部を封止する樹脂56とを含んでいる。フランジ部52は、略四角柱の形状を有しており、それぞれの側面には凹部53が形成されている。このようなレセプタクルフェルール15がハウジング10の第1の係合部21にそれぞれ保持される。
【0021】
図11は光レセプタクル1から光ファイバ組立体13を取り外した状態を示す平面図、
図12は正面図である。
図11及び
図12に示すように、それぞれの第1の係合部21は、ハウジング10の基部12からX方向に沿って延びる係合片22A,22Bと、係合片22A,22Bの先端に設けられた係合爪24A,24Bとを有している。係合片22Aと係合片22BとはY方向において互いに対向するように配置されており、係合爪24Aと係合爪24BとはY方向において互いに対向するように配置されている。また、係合爪24Aと係合爪24Bとは、−X方向に向かって係合爪24Aと係合爪24Bとの間の間隔が狭くなるような鉤状に形成されている。
【0022】
係合爪24A,24Bの端面25は、後述するように、上述したレセプタクルフェルール15のフランジ部52と接触してレセプタクルフェルール15のX方向の移動を規制するものである。
図11に示すように、この係合爪24A,24Bの端面25は、ハウジング10から露出して外部から視認できるようになっている。この端面25は、第1の接続部20に接続されるレセプタクルフェルール15が第1の係合部21によって所望の位置に正確に保持されるようになっているかを確認する際に使用される第1の機械的基準面としての役割を有する。
【0023】
また、
図9に示すように、それぞれの第1の係合部21は、係合片22Aと係合片22Bとの間でハウジング10の基部12からX方向に沿って延びる方向規制片26A,26Bを有している。方向規制片26Aと方向規制片26BとはZ方向において互いに対向するように配置されている。これらの方向規制片26A,26Bは、レセプタクルフェルール15のフランジ部52に形成された凹部53に嵌入可能な寸法で形成されている。また、それぞれの第1の係合部21の係合片22A,22B及び方向規制片26A,26Bの根元部分には、上述した筒状体36が位置している。
【0024】
レセプタクルフェルール15を第1の接続部20に接続する際には、第1の係合部21の係合爪24Aと係合爪24Bとの間にレセプタクルフェルール15を−X方向に向かって挿入する。このレセプタクルフェルール15の挿入に伴って、レセプタクルフェルール15のフェルール本体50が筒状部26内部のスリーブ38に案内される。このとき、第1の係合部21の係合片22A,22Bが、挿入されるレセプタクルフェルール15の外形に合わせて弾性変形し、レセプタクルフェルール15のフランジ部52が係合爪24A,24Bを乗り越えたところで係合片22A,22Bの変形が元に戻る。これにより、
図8に示すように、係合爪24A,24Bの端面25がレセプタクルフェルール15のフランジ部52に係合し、レセプタクルフェルール15が第1の接続部20の第1の係合部21に保持される。
【0025】
ここで、上述したように、それぞれの第1の係合部21には、X方向に沿って延びる方向規制片26A,26Bが形成されているため、レセプタクルフェルール15のフランジ部52の凹部53が方向規制片26A,26Bからずれていると、レセプタクルフェルール15を挿入する際にフランジ部52が方向規制片26A,26Bに当たり、それ以上レセプタクルフェルール15を挿入することができなくなっている。このように、第1の係合部21の方向規制片26A,26Bは、レセプタクルフェルール15の光ファイバ3の光軸周りの向きを所定の方向に規制する役割を有している。
【0026】
一方、光レセプタクル1の第2の接続部30のプラグ挿入口32に、LC形光コネクタプラグが挿入されると、上述したように、光コネクタプラグの係合ラッチが第2の接続部30の係合孔34に嵌合し、光コネクタプラグが第2の接続部30に保持される。このとき、光コネクタプラグ内のフェルールが筒状体36内部のスリーブ38に案内される。
【0027】
このように、筒状体36内部のスリーブ38によって、第1の接続部20に接続されたレセプタクルフェルール15のフェルール本体50と第2の接続部30に接続された光コネクタプラグ内のフェルールとが整列される。これにより、2つの光ファイバが光レセプタクル1を介して光学的に結合される。
【0028】
ここで、
図11に示すように、この係合孔34のX方向の端面35は、ハウジング10から露出して外部から視認できるようになっている。この端面35は、第2の接続部30に接続される光コネクタプラグが係合孔34によって所望の位置に正確に保持されるようになっているかを確認する際に使用される第2の機械的基準面としての役割を有する。すなわち、第1の機械的基準面としての係合爪24A,24Bの端面25と第2の機械的基準面としての係合孔34の端面35との間の距離を測定し、この距離が所定の距離であることを確認することで、光レセプタクル1に結合されるレセプタクルフェルール15と光コネクタプラグとをそれぞれ第1の係合部21及び係合孔34によって所望の位置に正確に保持できることが確認できる。これらの第1の機械的基準面としての係合爪24A,24Bの端面25と第2の機械的基準面としての係合孔34の端面35とはともに外部から視認できるように構成されているので、光レセプタクル1の完成後であっても、内部を分解することなく、レセプタクルフェルール15と光コネクタプラグとを所望の位置に正確に保持できているか否かを確認することができる。
【0029】
ここで、
図1に示すように、ハウジング10は、基部12からX方向に沿って延びる側壁14,16と延出壁18とを有している。側壁14と側壁16とはY方向において互いに対向しており、これらの側壁14と側壁16との間に上述した4つの第1の係合部21が位置している。また、延出壁18は側壁14と側壁16との間を接続しており、この延出壁18の上方に上述した4つの第1の係合部21が位置している。
【0030】
このように、本実施形態では、側壁14,16と延出壁18とによって第1の接続部20の三方が囲まれているが、残りの一方、すなわち延出壁18の反対側では第1の接続部20(第1の係合部21)が外部に露出する構成となっている。このように、第1の接続部20が延出壁18の反対側において外部に露出しているため、レセプタクルフェルール15を光レセプタクル1に接続する際に、レセプタクルフェルール15の接続部分を目視で確認したり、指で触ったりすることができる。したがって、レセプタクルフェルール15を光レセプタクル1に接続する作業が簡単になる。
【0031】
図1に示すように、ハウジング10の側壁14,16のそれぞれには、ラッチ片40と、ラッチ片40の先端に設けられたラッチ突起42とが形成されている。これらのラッチ突起42は光レセプタクル1のY方向外側に向かって突出している。また、ハウジング10は、基部12からY方向外側に向かって突出する突出部44を有している。これらのラッチ突起42や突出部44は、以下で述べるように、光レセプタクル1を光モジュールの筐体に取り付ける際に用いられる。
【0032】
このような光レセプタクル1は、例えば、
図13に示すような光モジュール筐体60に設けられた取付部62に取り付けることができる。この取付部62は、筐体60を構成する基板61に立設された1対のガイドポスト64,64から構成されている。それぞれのガイドポスト64にはZ方向に沿って延びる嵌合溝66が形成されており、これらのガイドポスト64,64の間には、光レセプタクル1を挿入する空間Sが形成されている。嵌合溝66は、光レセプタクル1のハウジング10の突出部44を収容して保持できる大きさとされる。
【0033】
図13に示すように、光レセプタクル1の第1の接続部20側をガイドポスト64,64間の空間Sに挿入していくと、光レセプタクル1のラッチ突起42がガイドポスト64,64の入口部64AによってY方向内側に押されてラッチ片40が弾性変形し、入口部64Aがラッチ突起42を乗り越えたところでラッチ片40の変形が元に戻る。これにより、
図14に示すように、ラッチ突起42がガイドポスト64の嵌合溝66に嵌まり、光レセプタクル1が取付部62に固定される。
【0034】
あるいは、光レセプタクル1を筐体60の基板61の上方に移動し、光レセプタクル1のハウジング10の突出部44をガイドポスト64の嵌合溝66の上方に位置させた状態で光レセプタクル1を下方に移動させることにより、
図15に示すように、ガイドポスト64の嵌合溝66にハウジング10の突出部44を嵌合させて、光レセプタクル1を取付部62に固定することもできる。
【0035】
このように、本実施形態における光レセプタクル1では、第1の接続部20の両側に側壁14,16が形成されており、これらの側壁14,16に、光レセプタクル1を光モジュールの筐体60に取り付けるための構造(ラッチ片40及びラッチ突起42)を設けることができる。したがって、本実施形態のように、光レセプタクル1を光モジュールの筐体60に取り付けるための構造として、ハウジング10の基部12近傍に突出部44を設けるだけではなく、側壁14,16にもラッチ片40及びラッチ突起42を設けることができる。また、このようなラッチ片40及びラッチ突起42が必要ない場合には、ラッチ片40及びラッチ突起42を省略することも可能である。
【0036】
図16から
図21は、そのようなラッチ片40及びラッチ突起を省略した、本発明の第2の実施形態に係る光レセプタクル101を示す図である。
図16は光レセプタクル101の斜視図、
図17は平面図、
図18は左側面図、
図19は右側面図、
図20は正面図、
図21は底面図である。いずれの図面もレセプタクルフェルールを取り外した状態を示している。上述した第1の実施形態における光レセプタクル1及び本実施形態における光レセプタクル101のいずれにしても、第1の接続部20の両側に側壁14,16が形成されているため、光レセプタクル1を光モジュールの筐体60に取り付けるための構造に関して設計の自由度が高まる。
【0037】
ここで、側壁14,16に設けられるラッチ片40及びラッチ突起42と、第1の接続部20に設けられる係合片22A,22B及び係合爪24A,24Bとは、上述したように、いずれもY方向に変形するものである。したがって、これらの部材が変形した際に互いに干渉しないように、側壁14,16に設けられるラッチ片40及びラッチ突起42と、第1の接続部20に設けられる係合片22A,22B及び係合爪24A,24Bとは、は、高さ方向(Z方向)において異なる高さに位置していることが好ましい。
【0038】
図22は本発明の第3の実施形態に係る光レセプタクル201を示す斜視図、
図23は平面図、
図24は左側面図、
図25は右側面図、
図26は正面図、
図27は底面図、
図28は
図24のC−C線断面図、
図29は
図24のD−D線断面図である。
図22から
図29に示すように、本実施形態における光レセプタクル201のハウジング10は、ハウジング10の基部12を挟んでX方向の両側に配置された第1の接続部220と第2の接続部30とを備えている。なお、基部12と第1の接続部220と第2の接続部30とは一体的に形成されることが好ましいが、それぞれハウジング10と別体であってもよい。
【0039】
図22及び
図23に示すように、本実施形態の第1の接続部220は、レセプタクルフェルール15に係合する4つの第1の係合部221を有している。これらの第1の係合部221は、光レセプタクル201の幅方向(Y方向)に沿って所定の間隔で配置されている。また、第2の接続部30のプラグ挿入口32は、第1の接続部220の第1の係合部221に対応して設けられている。本実施形態における光レセプタクル201では、4つの第1の係合部221が4つのレセプタクルフェルール15に係合しているが、レセプタクルフェルール15の数及び第1の係合部221の数はこれに限られるものではない。
【0040】
図22に示すように、ハウジング10は、基部12からX方向に沿って延びる側壁14,16と延出壁18に加えて、側壁14,16及び延出壁18のX方向の縁部からZ方向に延びる側壁214を有している。この側壁214は側壁14と側壁16との間を接続しており、側壁214にはレセプタクルフェルール15に対応して開口216が形成されている。
【0041】
図29に示すように、それぞれの第1の係合部221は、ハウジング10の側壁214から−X方向に沿って延びる係合片222A,222Bと、係合片222A,222Bの先端に設けられた係合爪224A,224Bとを有している。係合片222Aと係合片222BとはZ方向において互いに対向するように配置されており、係合爪224Aと係合爪224BとはZ方向において互いに対向するように配置されている。また、係合爪224Aと係合爪224Bとは、−X方向に向かって係合爪224Aと係合爪224Bとの間の間隔が狭くなるような鉤状に形成されている。
【0042】
また、
図28に示すように、それぞれの第1の係合部221は、ハウジング10の基部12からX方向に沿って延びる方向規制片226A,226Bを有している。方向規制片226Aと方向規制片226BとはY方向において互いに対向するように配置されている。これらの方向規制片226A,226Bは、レセプタクルフェルール15のフランジ部52に形成された凹部53に嵌入可能な寸法で形成されている。また、それぞれの第1の係合部221の方向規制片226A,226Bの根元部分には、上述した筒状体36が位置している。
【0043】
レセプタクルフェルール15を第1の接続部220に接続する際には、レセプタクルフェルール15を側壁214の開口216から−X方向に向かって第1の係合部221の係合爪224Aと係合爪224Bとの間に挿入する。このレセプタクルフェルール15の挿入に伴って、レセプタクルフェルール15のフェルール本体50が筒状部26内部のスリーブ38に案内される。このとき、第1の係合部221の係合片222A,222Bが、挿入されるレセプタクルフェルール15の外形に合わせて弾性変形し、レセプタクルフェルール15のフランジ部52が係合爪224A,224Bを乗り越えたところで係合片222A,222Bの変形が元に戻る。これにより、
図29に示すように、係合爪224A,224Bがレセプタクルフェルール15のフランジ部52に係合し、レセプタクルフェルール15が第1の接続部220の第1の係合部221に保持される。
【0044】
それぞれの第1の係合部221には、X方向に沿って延びる方向規制片226A,226Bが形成されているため、レセプタクルフェルール15のフランジ部52の凹部53が方向規制片226A,226Bからずれていると、レセプタクルフェルール15を挿入する際にフランジ部52が方向規制片226A,226Bに当たり、それ以上レセプタクルフェルール15を挿入することができなくなっている。このように、第1の係合部221の方向規制片226A,226Bは、レセプタクルフェルール15の光ファイバ3の光軸周りの向きを所定の方向に規制する役割を有している。
【0045】
このような構成により、第1の接続部220に接続されたレセプタクルフェルール15のフェルール本体50と第2の接続部30に接続された光コネクタプラグ内のフェルールとが筒状体36内部のスリーブ38を介して整列される。これにより、2つの光ファイバが光レセプタクル201を介して光学的に結合される。
【0046】
図29に示すように、係合爪224A,224Bの端面225は、レセプタクルフェルール15のフランジ部52と接触してレセプタクルフェルール15のX方向の移動を規制するものである。
図23に示すように、この係合爪224A,224Bの端面225は、ハウジング10から露出して外部から視認できるようになっている。この端面225は、第1の接続部220に接続されるレセプタクルフェルール15が第1の係合部221によって所望の位置に正確に保持されるようになっているかを確認する際に使用される第1の機械的基準面としての役割を有する。したがって、第1の機械的基準面としての係合爪224A,224Bの端面225と第2の機械的基準面としての係合孔34の端面35との間の距離を測定し、この距離が所定の距離であることを確認することで、光レセプタクル201に結合されるレセプタクルフェルール15と光コネクタプラグとをそれぞれ第1の係合部221及び係合孔34によって所望の位置に正確に保持できることが確認できる。これらの第1の機械的基準面としての係合爪224A,224Bの端面225と第2の機械的基準面としての係合孔34の端面35とはともに外部から視認できるように構成されているので、光レセプタクル201の完成後であっても、内部を分解することなく、レセプタクルフェルール15と光コネクタプラグとを所望の位置に正確に保持できるか否かを確認することができる。
【0047】
本実施形態においても、側壁14,16と延出壁18とによって第1の接続部220の三方が囲まれているが、残りの一方、すなわち延出壁18の反対側では第1の接続部220(第1の係合部221)が外部に露出する構成となっている。このように、第1の接続部220が延出壁18の反対側において外部に露出しているため、レセプタクルフェルール15を光レセプタクル201に接続する際に、レセプタクルフェルール15の接続部分を目視で確認したり、指で触ったりすることができる。したがって、レセプタクルフェルール15を光レセプタクル201に接続する作業が簡単になる。
【0048】
また、本実施形態においても、側壁14,16に設けられるラッチ片40及びラッチ突起42と、第1の接続部220に設けられる係合片222A,222B及び係合爪224A,224Bとが変形した際に互いに干渉しないように、側壁14,16に設けられるラッチ片40及びラッチ突起42と、第1の接続部220に設けられる係合片222A,222B及び係合爪224A,224Bとは、は、高さ方向(Z方向)において異なる高さに位置していることが好ましい。
【0049】
これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。